JP2006521102A - 組合わされた補因子依存型酵素反応系 - Google Patents

組合わされた補因子依存型酵素反応系 Download PDF

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Abstract

本発明は、化学的重要性を有する化合物を、組合わされた酵素的変換法を用いて、高い純度で得ることができる反応系に関する。組合わされた酵素的反応系は、本発明の範囲内では、補因子を消費しながら進行し、かつ、消費した補因子を再循環させる酵素的変換反応を含むものであって、これらの反応は、酵素的におこなわれ、少なくとも2個のヒドロキシル基またはエーテル基を有する有機系炭化水素を含む均一系水性溶剤系中で実施する。

Description

本発明は組み合わせによる酵素反応系に関し、この場合、これらは、均一系溶剤混合物中で実施されることを特徴とする。特に本発明は、有機化合物の補因子−依存型酵素的変換を含む反応系に関し、その際、補因子は同系において酵素的に再生される。
生物触媒経路による光学活性有機化合物、たとえばアルコールおよびアミノ酸の製造は、重要性を増している。補因子再生を含む2個のデヒドロゲナーゼの組合わせての使用は、これらの化合物の工業的規模での合成のための経路として明らかにされている(DE19753350)。
Figure 2006521102
トリメチルピルベートの還元的アミノ化における、NAD−依存型蟻酸デヒドロゲナーゼを用いての、NADHのin situ再生によって、L−tert−ロイシンが生じる(Bommarius et al. Tetrahedron Asymmetry 1995, 6, 2851-2888)。
これらの触媒特性および効率に加えて、さらに水性媒体中で使用される生物触媒効率は、多くの合成された金属−含有触媒に比べて有利であり、特に重金属を有するために毒性の金属−含有出発物質の使用を回避することができることからも有利である。高価かつさらには危険性の高い還元剤、たとえばボランの使用は、不斉還元の場合に回避することができる。
それにもかかわらず、水溶性に乏しい物質の反応においては困難性が生じうる。同様の困難性は、水溶性に乏しい生成物の場合にも存在する。原則として考えられうる解法として、極性有機溶剤またはこれらの水性溶液中での生物触媒的還元が実施されてきた。この場合において、酵素および基質の双方および適切である場合には生成物が水溶性でなければならない。しかしながら、有機溶剤の直接的な存在における一般的な欠点は、これらの条件下で、酵素的活性において一般的に生じうる顕著な減少である(たとえば、Anderson et al., Biotechnol. Bioeng. 1998, 57, 79-86)。特に、工業的規模で使用され、かつ商業的量で提供可能な、これに関して使用される唯一の蟻酸デヒドロゲナーゼとしてのFDHは、残念なことに有機溶剤に対しての高い感受性を有する。これに関しては、有機溶剤としてDMSO、スルホラン、MTBE、アセトン、イソプロパノールおよびエタノールを、それぞれの場合において10%の添加量で使用する比較例1において明らかにされている。
有機溶剤の存在下で、Candida boidiniiからの蟻酸デヒドロゲナーゼの安定化に関する問題を解決するための種々の試みが知られており、たとえば、表面活性物質としての界面活性剤の付加的な使用により実施されている。しかしながら、反応速度の約40/1の減少および生じる蟻酸デヒドロゲナーゼの阻害といった欠点を有する(B. Orlich et al., Biotechnol. Bioeng. 1999, 65, 357-362.)。さらに、使用されたアルコールデヒドロゲナーゼの低い溶解性の理由から、これらのマイクロエマルションの条件下での還元工程は、経済的ではない。
原則として生物触媒反応を実施するための他の可能性としては、有機溶剤中での固定化酵素の使用または水および水混和性有機溶剤を含む均一系溶液中での酵素の使用から成る。しかしながら、有機溶剤および酵素との間において直接的な接触が生じるこれらの技術は、いくつかの酵素群、特に加水分解酵素に制限される。したがって、DE4436149では、「有機溶剤(水混和性または水不混和性)の直接的な存在は、ヒドロレースの群に属するいくつかの酵素によってのみ許容されている」と示されている。他の酵素群からのいくつかの他の例についても公知であるけれども(特に、オキシニトリラーゼ)、しかしながら、DE4436149中での記載は、多くの酵素に関していまだ該当する。Candida boidiniiからのFDHの効果的な固定化については公知ではない。さらに固定化自体が、固定化工程および固定化材料による付加的なコストを伴うものである。
したがって、工業的には、酵素の不活性化または変性のリスクの理由から、有機溶剤の存在を回避するために改良されてきた。DE4436149では、生成物は、膜、特に疎水性膜を介して、反応溶液から有機溶剤に抽出される工程が記載されており、この場合、これらの膜は生成物に対して浸透性である。しかしながら、攪拌槽反応器中での標準的な方法と比較して、この方法は、技術における顕著なコストを要求するものであって、それというのも必要とされる有機膜が付加的なコスト要因となるためである。さらにこの方法は、連続的な方法のためにのみ適している。
以上のことから、前記欠点を回避するのに役立つ方法についてはいまだ知られていない。
したがって本発明の目的は、特に乏しい水溶性を有する有機化合物を、組合わされた補因子依存型酵素反応に、特に経済的かつ環境的に有利な条件下で、工業的規模で使用することができる程度に許容できる可能性を提供することである。
本発明の目的は請求項に記載の事項によって達成される。請求項1〜8は、本発明により操作される反応系に関する。請求項9は装置を保護するものである。請求項10は、本発明によって操作される方法に関し、その一方で、請求項11および12は、本発明による反応系の好ましい使用に関する。
本発明の目的は、有機化合物の補因子依存型酵素的変換および補因子の酵素的再生を含む組合わされた酵素反応系を提供することによって、この場合、この反応系は、少なくとも2個のヒドロキシル基またはエーテル基を有する有機系炭化水素を含む均一系水性溶剤系中で操作される系であり、特に驚くべきことに、かつ予測だにされなかったが、本発明による方法によって特に有利に達成される。従来技術による操作とは対照的に、特定の水溶性有機系炭化水素の存在にもかかわらず、溶剤により誘発される一の酵素活性の損失を生じることなく、組合わされた酵素反応系を操作することを可能にする。
使用が好ましいとされる有機系炭化水素は、一般式(I)
Figure 2006521102
[式中、nは0〜10の整数であり、
mは0または1であり、
〜Rは互いに独立してH、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシアルキル、(C〜C18)−アリール、(C〜C19)−アルアルキル、(C〜C)−アルキル−(C〜C18)−アリール、(C〜C)−シクロアルキル、(C〜C)−アルキル−(C〜C)−シクロアルキル、(C〜C)−シクロアルキル−(C〜C)−アルキルである]の化合物である。
エチレングリコール、DMEまたはグリセロールの使用は、これに関連して特に好ましい。
反応混合物に添加する有機性助溶剤量の選択は、当業者の自由である。したがって、最適量は、通常の試験によって定めることができる。水相に対して好ましくは1〜80体積%、より好ましくは5〜60体積%、特に好ましくは10〜45体積%を添加する。
最も常用であって、かつ反応条件下で最も経済的に操作される補因子が、好ましい補因子として使用される。これらは特に、補因子NADHまたはNADPHである。
好ましくは、デヒドロゲナーゼは、有機化合物の変換のための酵素として使用される。しかしながら原則的には、さらに反応系は、任意の他の補因子依存型オキシドレダクターゼによって操作することができ、その際、補因子は、オキシドレダクターゼにより消費され、かつ第2の酵素反応、すなわち、組合わされた酵素反応系によって再生することができる。この型の他の適した酵素は、文献中で見出すことができる(Enzyme Catalysis in Organic Synthesis; Ed.:K.Drauz, H. Waldmann, Vol. I and II, VCH, 1995)。
アルコールデヒドロゲナーゼまたはアミノ酸デヒドロゲナーゼは、使用に好ましい酵素であることが立証されている。
補因子再生の特性は、まず使用される補因子自体に依存する。補因子再生の種々の方法は、前記文献中で見出すことができる。溶剤、酵素および空時収量の与えられた条件下で、当業者は再生のための媒体を自由に選択することができる。一般に、補因子としてのNADに対して(酸化反応において)は、たとえば、Lactobacillus brevis またはL. kefirからのNADHオキシダーゼが適している(DE10140088)。還元反応の場合には、蟻酸デヒドロゲナーゼによる補因子NADHの再生も、極めて有効であることが立証されている。
さらに本発明は、本発明による反応系を含む有機化合物変換のための装置に関する。これらは、たとえば酵素キットである。
有利に使用される装置は、たとえば攪拌槽または攪拌槽のカスケード、または膜型反応器であり、この場合、これらはバッチ法および連続法の双方において操作することができる。
本発明の内容において、膜型反応器は、触媒が反応器中に収容されると同時に、低分子量物質は反応器中に供給されるか、あるいは放出させる、任意の反応容器を意味するものと解される。ここで膜は、直接的に反応帯域中に組み込まれるか、あるいは、別個の濾過モジュールの外側に組み込まれてもよく、その際、反応溶液は、濾過モジュールを介して連続的にまたは断続的に流れ、かつ保持された生成物は反応器中に再循環される。適した実施態様は、特に、WO98/22415およびWandreyら(in Yearbook 1998, Verfahrenstechnik und Chemieingenieurwesen [Procezss Technology and Chemical Engineering], VDI p.151以降; Wandrey et al. in Applied Homogenous Catalysis with Organometallic Compounds, vol.2, VCH1996, p.832以降, Kragl et al., Angew. Chem. 1996, 6, 684 et seq.)において記載されている。
この装置において可能な連続的工程は、バッチおよび半連続的操作に加えて、ここではクロス流濾過様式(図3)またはデッド−エンド濾過様式(図2)によって実施することができる。双方の方法の変法は、原則として従来技術において記載されている(Engineering Processes for Bioseparations, ed.:L.R. Weatherley, Heinemann, 1994, 135~165; Wandrey et al., Tetrahedron Asymmetry 1999, 10, 923~928)。
さらに本発明は、本発明による反応系を用いての有機化合物の酵素的変換のための方法を提供する。方法は、好ましくは、エナンチオ濃縮有機化合物、好ましくはα−アミノ酸またはキラルアルコールの製造方法である。
工程については、反応系および以下に記載した実施例を用いて、当業者が望むように実施することができる。酵素反応に関して知られているもの以外は、条件は与えられた条件にしたがって調整される。
本発明の他の態様は、有機化合物の酵素的変換または特定の有機物質の診断または分析のための、本発明による反応系の使用である。有機化合物の酵素的変換は、好ましくは、エナンチオ濃縮生成物の形成を含む内容において実施される。
本発明によれば、組合わされた酵素系とは、有機化合物の酵素的変換が補因子の消費を伴って進行し、かつ補因子がin situで、第2の酵素系によって再生されることを意味するものと理解される。結果としてこれは、高価な補因子の使用の減少を導くものである。
ここで驚くべきことに、従来技術による教示にもかかわらず、使用される2個の酵素が有機媒体の存在によって損なわれることなく、それによって望ましい生成物を極めて良好な空時収量で製造することが可能である。
示されているように、DMEおよびエチレングリコールの双方に関しては、使用されるFDHの急速な不活性化を導く多くの有機溶剤とは対照的に(比較例参照のこと)、蟻酸デヒドロゲナーゼの顕著な安定性がさらに数日後に観察することができる。また、たとえば、それぞれアセトンおよびDMSOの存在下での酵素活性は、24時間以内に35および66%に減少するのに対し、10%DMEの存在下では5日後であってさえも、なおも80%の酵素活性が記録された。DMEおよびエチレングリコールでの結果は、図1のグラフ図において示され、かつ第3表中で再度示された。他の有機溶剤との比較例は、図1に示した。
方法は、Candida boidiniiからの蟻酸デヒドロゲナーゼの野生型および遺伝子工学技術により改質化されたこの酵素型の双方で実施した(DE19753350)。示されているように、好ましくは補因子としてNADHを使用する。試験のために、たとえば、RhodococcusからのADH、好ましくはRhodococcus erthropolisからのADHは、天然または組み換え型の形で、ADH成分として使用することができる。使用された酵素は、反応に関して、任意の好ましくは精製された天然型または組換え型の形で使用される。ホスト生物の無傷の全細胞の形でのこれらの使用も可能である。2個の酵素系が、最適化された反応に適応する状態で全細胞触媒中に存在する実施態様は、この内容においてさらに有利である(DE10218689)。
さらに、アルコールデヒドロゲナーゼは、式(I)中の有機系炭化水素の存在下で高い安定性を示す。したがって、本発明による溶剤系は、不斉生物触媒的還元を実施するために適している。これは、1−p−クロロフェニルエタン−1−オールまたは1−n−ブチルフェニルエタン−1−オールの、それぞれp−クロロアセトフェノンまたはp−(n−ブチル)アセトフェノンのそれぞれからの不斉合成を用いて試験した。
Figure 2006521102
110時間の反応後に、生成物は、基質としてのそれぞれp−クロロアセトフェノンまたはp−(n−ブチル)アセトフェノンに対して59%または70%の組成比で形成された。
この方法の主な利点は、方法が簡単であることである。したがって、これらは、高価な工程を含まず、かつ方法は、バッチ工程および連続工程の双方で実施することができる。同様に、従来の方法とは対称的に、有機媒体と水性媒体とを分離する特定の膜を必要とすることはない。今日におけるいくつかの方法で必要とされる表面活性剤の添加は、この方法において省略される。これは、従来技術からは想到されないことであるが、それにもかかわらずこの方法は特に有利である。
直鎖または分枝の(C〜C)−アルキルとして、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチルが挙げられてもよく、その際、これらに関連する異性体すべてを含むものである。(C〜C)−アルコキシアルキルは、アルキル鎖が、少なくとも1個の酸素官能基によって遮断されている基を意味し、その際、2個の酸素原子は互いに結合することはない。炭素原子の数は、基中に含まれる全炭素原子数を示す。この場合、すべての関連する異性体も包含される。
(C〜C)−シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチル基等を意味するものと理解される。ヘテロ原子によって置換されたシクロアルキル基は、好ましくは、たとえば、1−、2−、3−、4−ピペリジル、1−、2−、3−ピロリジニル、2−、3−テトラヒドロフリル、2−3−、4−モルホリニルである。
(C〜C)−シクロアルキル−(C〜C)−アルキル基は、前記に示すようなシクロアルキル基を有し、この場合、これらは、前記のようにアルキル基を介して分子と結合している。
(C〜C18)−アリールは、6〜18個の炭素原子を有する芳香族基を意味するものと解される。これらは、特にフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリルおよびビフェニル基のような基を含む。
(C〜C19)−アルアルキル基は、(C〜C)−アルキル基を介して分子と結合する(C〜C)−アリール基である。
エナンチオ濃縮とは、光学的対掌体が他との混合物中で>50%存在することを意味する。
示された構造は、すべての可能なジアステレオマーに関し、この場合、ジアステレオマーに対しては、本発明の範囲内の化合物の2個の可能なエナンチオマーに関する。
均一系水性溶剤は、本発明によれば使用された炭化水素が、水相を含む均一系溶液を形成することを意味するものとされ、すなわち、1個の液相のみが存在するものである。
本発明による方法は、以下に示したように例証される。
図面の説明:
図2は、デッドエンド型濾過器を含む膜型反応器を示す。基質1をポンプ2に介して反応帯域3に運搬し、この場合、これらは膜5を含有する。撹拌器を用いて操作される反応器帯域中には、溶剤に加えて、触媒4、生成物6および未反応性の基質1が包含される。低分子量成分6は、主に膜5を介して濾別される。
図3は、クロス流濾過器を備えた膜型反応器を示す。基質7は、ポンプ8を介して、攪拌反応帯域に運搬し、この反応帯域にはさらに溶剤、触媒9および生成物14が存在する。備えていてもよい熱交換体12を介して、クロス流濾過器セル15に導かれる溶剤フローは、ポンプ16を介して確立される。低分子量生成物14は、ここで膜13を介して分離除去される。高分子量触媒9はその後に、溶剤フローで押し戻され、適切である場合には熱交換体12を介して、適切である場合にはバルブ11を介して、再度、反応器10に返送される。
実施例:
例1(FDH活性の比較例)
蟻酸ナトリウム2.72g(0.8モル/l)およびリン酸水素二カリウム三水和物1.14g(0.1モル/l)を計量供給し、かつ完全に脱イオン化されたHO 40ml中に溶解した。溶液のpHをアンモニア溶液(25%)および蟻酸(100%)または適切な希釈剤を用いて8.2に調整した。その後に溶液を50ml容量のフラスコに入れ、かつ完全に脱イオン化されたHOで充填した。これとは別個に、71.7mg(4mmol/l)のNAD三水和物を計量供給し、かつ約20mlの完全に脱イオン化されたHO中に溶解した。溶液のpHは、アンモニア溶液(25%)および蟻酸(100%)または適切な希釈剤を用いて8.2に調整した。その後に溶液を、25ml容量のフラスコ中に入れ、かつ完全に脱イオン化したHOで充填した。それぞれの場合において、500μlの基質溶液およびNADH溶液をその後に測定に使用される1cmのセル中で混合した。酵素溶液10μl、溶剤として使用される水中の10%有機溶剤溶液(表参照)を添加した後に、混合物を軽く振とうさせ、セルをフォトメーター中に置き、データの記録を開始した。酵素溶液は、測定の開始前に直接的にのみ添加した。酵素活性を一定の時間間隔の後に、NADの反応によるNADHの光度定量によって測定した。光度定量法は、30℃の温度および340nmの波長で、15分の測定時間でおこなった。結果を第1表および第2表に示した。
Figure 2006521102
Figure 2006521102
例2(FDH活性の測定)
活性を、例1と同様の方法で測定し、その際、DMEおよびエチレングリコールを有機溶剤成分として使用した。結果を、以下の第3表中に示した。
Figure 2006521102
Figure 2006521102
例3:
25mM p−クロロアセトフェノン、ならびに0.1mM NADおよび75mM蟻酸ナトリウムを含有し、0.1U/ml S−ADHおよび0.2U/ml FDH(DM)の酵素濃度を有する反応混合物を、30℃の反応温度で、110時間に亘って、90体積%の100mMリン酸バッファー(pH7.5)および10体積%のDMEを含有する溶剤系中で攪拌した。その後に有機系成分を塩化メチレンで抽出し、水相を取り除き、かつ有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濾過後に得られる濾液を、易揮発性成分と真空下で分離し、かつ得られた油をH核磁気共鳴分光法により分析によって組成比について試験した。59%の組成比が測定された。
例4:
25mM p−(n−ブチル)アセトフェノン、ならびに0.1mM NADおよび75mM蟻酸ナトリウムを含有し、0.2U/ml S−AHおよび0.4U/ml FDH(DM)酵素濃度を有する反応混合物を、30℃の反応温度で、110時間に亘って、90体積%の100mMリン酸バッファー(pH7.5)および10体積%のDMEを含有する溶剤系中で攪拌した。その後に有機成分を塩化メチレンで抽出し、水相を取り除き、かつ有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濾過後に得られた濾液を、真空下で易揮発性成分と分離し、かつ得られた油をH核磁気共鳴分光法による分析によって組成比について試験した。70%の組成比が測定された。
例5:
20%(v/v)エチレングリコール成分での反応
1.3mmol p−クロロアセトフェノン(208.3mg;13mM)、ならびに0.24mmol NADH(169.4mg;2.4mM)および6.2mmol 蟻酸ナリウム(62mM;421.7mg;4.8等量、ケトンに対して)を含有し、かつR. erythropolis(E.Coli中での発現)からの(S)−ADH 24UおよびCandida boidinii(二重突然変異体:C23S、C262A;E.Coli中での発現)からの蟻酸デヒドロゲナーゼ24Uを有する反応混合物を、30℃の反応温度で、21時間に亘って、80体積%の50mMリン酸バッファー(pH7.0)および20体積%のエチレングリコールを含有する溶剤系中で攪拌した。試料をこの時間中に取り出し、かつ特定の変換率をPLCにより測定した。21時間後に、ケトンの完全な変換が観察された。その後に有機成分を4x100mlのメチル tert−ブチルエーテルを用いて抽出し、水相を除去し、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濾過後に得られる濾液を真空下で易揮発性成分から遊離し、かつ得られた残留物を、MTBEのさらなる添加および形成された二相の分離後に、H核磁気共鳴分光法による分析によって、組成比について試験した。>99%の組成比が測定された。
例6:
40%(v/v)エチレングリコール成分での反応
2.63mmol p−クロロアセトフェノン(407.3mg;2.63mM)、ならびに0.52mmol NADH(372.1mg;5.2mM)および14.4mmol蟻酸ナトリウム(144mM;979.3mg;5等量、ケトンに対して)を含有し、かつR. erythropolisからの(S)−ADH(E.coli中での発現)52.4UおよびCandida boidiniiからの蟻酸デヒドロゲナーゼ(二重突然変異体:C23S、C262A;E.Coli中での発現)52.4Uの酵素濃度を有する反応混合物を、反応温度30℃で、21時間に亘って、60体積%の50mMリン酸バッファー(pH7.0)および40体積%のエチレングリコールを含有する溶剤系中で攪拌した。試料をこの時間に亘って取り出し、かつ特定の変換率をPLCにより測定した。21時間後に、ケトンの完全な変換が観察された。その後に有機成分を2x100mlのメチルtert−ブチルエーテルを用いて抽出し、水相を除去し、かつ有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濾過後に生じる濾液を、真空下で易揮発性成分と分離し、かつ得られた残留物を、MTBEのさらなる添加および形成された2個の相の分離後に、H核磁気共鳴分光法による分析によって組成比について試験した。>99%の組成比が測定された。
種々の有機溶剤中での酵素活性を示す図 デッドエンド型濾過器を備えた膜型反応器を示す図 クロス流濾過器を備えた膜型反応器を示す図
符号の説明
1 基質、 2 ポンプ、 3 反応帯域、 4 触媒、 5 膜、 6 低分子量生成物、 7 基質、 8 ポンプ、 9 触媒、 10 反応器、 11 バルブ、 12 熱交換体、 13 膜、 14 低分子量生成物、 15 クロス流濾過器セル、 16 ポンプ

Claims (12)

  1. 有機化合物の補因子依存型酵素的変換および補因子の酵素的再生を含む、組合わされた酵素反応系において、反応系を、少なくとも2個のヒドロキル基またはエーテル基を含む有機系炭化水素を含む均一系水性溶剤系中で操作する、酵素反応系。
  2. 使用された有機系炭化水素が、一般式(I)
    Figure 2006521102
    [式中、nは0〜10の整数であり、
    mは0または1であり、
    〜Rはそれぞれ互いに独立して、H、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシアルキル、(C〜C18)−アリール、(C〜C19)−アルアルキル、(C〜C)−アルキル−(C〜C18)−アリール、(C〜C)−シクロアルキル、(C〜C)−アルキル−(C〜C)−シクロアルキル、(C〜C)−シクロアルキル−(C〜C)−アルキルである]の構造を有する、請求項1に記載の反応系。
  3. エチレングリコール、DMEまたはグリセロールを、有機系炭化水素として使用する、請求項1または2に記載の反応系。
  4. 有機系炭化水素が、水相に対して1〜80体積%、より好ましくは5〜60体積%、特に好ましくは10〜45体積%の量で存在する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の反応系。
  5. NADHまたはNADPHを補因子として使用する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の反応系。
  6. デヒドロゲナーゼが、有機化合物の変換のための酵素として使用される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の反応系。
  7. アルコールデヒドロゲナーゼまたはアミノ酸デヒドロゲナーゼが使用される、請求項6に記載の反応系。
  8. 補因子の再生が、蟻酸デヒドロゲナーゼを用いておこなわれる、請求項1から7までのいずれか1項に記載の反応系。
  9. 請求項1に記載の反応系を含む、有機化合物を変換するための装置。
  10. 請求項1に記載の反応系を用いる、有機化合物の酵素的変換のための方法。
  11. 診断または分析のための有機化合物の酵素的変換のための、請求項1に記載の反応系の使用。
  12. エナンチオ濃縮有機化合物を製造するための方法における、請求項11に記載の使用。
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