JP3708396B2 - 色彩特性変換方法及び画像表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、使用者による目標色の再現特性の調整を許容する色彩特性変換方法及び画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図14は例えば特開平5−48885号公報に示された従来の画像表示装置を示す構成図であり、図において、1はCPU7の処理内容等を入力する入力手段、2はキーボード、3はマウス、4は画像表示処理を実行する制御部、5は制御部4の入力回路、6は色変換シミュレーションプログラム等を記憶するメモリ、7は色変換シミュレーションプログラム等を実行するCPU、8は制御部4の出力回路、9は画像表示部、10は原画像、11a〜11hは処理画像、12は設定パラメータ、13はハードコピー装置である。
【0003】
次に動作について説明する。
ハードコピー装置13の色再現特性を調整する場合、まず、制御部4のCPU7は、入力手段1から入力された処理内容にしたがって原画像10の読み込みを実行し、その原画像10を画像表示部9に表示する。
【0004】
そして、CPU7は、メモリ6に記憶されている色変換シミュレーションプログラムを実行することにより、ハードコピー装置13で行われる色変換をシミュレーションする。
即ち、ハードコピー装置13が原画像10を入力したとき、ハードコピー装置13が色変換を実施して出力する処理画像11a〜11hを推定し、その処理画像11a〜11hを画像表示部9に表示する。
なお、処理画像11a〜11hは色変換特性パラメータが相互に異なり、画像の色が微妙に異なる。
【0005】
このようにして、原画像10と処理画像11a〜11hが画像表示部9に表示された後、画像表示装置の使用者が入力手段1を用いて、処理画像11a〜11hのうち、原画像10に最も画像の色が近い処理画像を選択すると、CPU7はその処理画像の色変換特性パラメータを最適パラメータに決定し、その色変換特性パラメータをハードコピー装置13に出力する。
【0006】
以降、ハードコピー装置13は当該色変換特性パラメータを用いて、入力画像の色変換を実施する。
なお、複数種類の色変換特性パラメータを決定する場合には、上記と同様の動作を複数回繰り返すことにより、最適パラメータを決定する。
【0007】
この画像表示装置においては、入力手段1により指定された処理内容に応じてハードコピー装置13の色変換をシミュレーションし、複数の処理画像11a〜11hから最適な処理画像を選択することにより色変換特性パラメータを決定するため、複数種類の色変換特性パラメータを個別に調整することができる。したがって、3色(赤、緑、青)の信号強度のみを調整する場合に比べて調整の自由度が高くなる利点を有する。
【0008】
しかし、調整色が複数存在し、調整の自由度が高いため、色調整技術の知識を持たない使用者は、容易に好みの色に調整することが困難である。特に肌色などの中間色を調整するには、繰り返し調整が必要となる。また、色毎に調整するため、複数の色を調整する場合、繰り返し色調整を行う必要がある。
【0009】
また、CPU7がハードコピー装置13の色変換をシミュレーションすることにより、処理画像11a〜11hを表示するので、CPU7のシミュレーション精度が低いと、処理画像11a〜11hが適切に表示されず、最適パラメータを決定することができなくなる。
【0010】
さらに、最適パラメータを決定するためにはCPU7がシミュレーションを実行する必要があるが、シミュレーションの実行はCPU7に大きな負荷を与えるので、高速処理が困難なCPU7を使用する場合、動画に対するリアルタイムな処理が困難になる。特に、上記のように、複数の処理画像11a〜11hを並べて表示する場合、その処理画像11a〜11hの枚数と同じ回数のシミュレーションの実行が必要となるため、CPU7に与える負荷が更に大きくなり、CPU7の処理速度が問題になる。
なお、複数の処理画像11a〜11hを並べて表示する場合、画像表示部9に表示される処理画像11a〜11hの大きさが小さくなるため、パラメータ決定後にハードコピー装置13から出力される画像とは異なる印象を受けることがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来の画像表示装置は以上のように構成されているので、色調整技術の知識を持たないと好みの色に調整することが困難であるとともに、色調整を繰り返し実施する必要がある課題があった。
また、CPU7のシミュレーション精度が低いと、処理画像11a〜11hが適切に表示されないため、最適パラメータを決定することができなくなる課題があった。
さらに、シミュレーションの実行に伴うCPU7の負荷が増加すると、動画に対するリアルタイムな処理が困難になる課題もあった。
【0012】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、色調整技術の知識を持たなくても、速やかに好みの色に調整することができる色彩特性変換方法及び画像表示装置を得ることを目的とする。
また、この発明は、CPUのシミュレーションを不要にして、動画に対するリアルタイムな処理を可能にすることができる色彩特性変換方法及び画像表示装置を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る色彩特性変換方法は、指定ステップにより指定された目標色の再現特性データと画像表示装置の色再現特性データから、画像表示装置上で目標色を再現するための目標表示データを算出して、その目標表示データから色相調整方向と色相調整量の元になる差異データを算出し、その色相調整方向と差異データにしたがって画像表示装置の色変換特性パラメータを算出するようにしたものである。
【0014】
この発明に係る色彩特性変換方法は、色彩度調整データが入力された場合、その色彩度調整データを考慮して色変換特性パラメータを算出するようにしたものである。
【0015】
この発明に係る色彩特性変換方法は、色相調整データが入力された場合、その色相調整データを考慮して色変換特性パラメータを算出するようにしたものである。
【0016】
この発明に係る色彩特性変換方法は、画像表示装置の色変換特性パラメータを算出する際、目標表示データから白バランス調整用のパラメータを算出するようにしたものである。
【0017】
この発明に係る色彩特性変換方法は、目標表示データ算出ステップにより算出された目標表示データから複数の比較データを算出して、その比較データから色相調整量の元になる差異データを算出するとともに、その比較データから色相調整方向を算出するようにしたものである。
【0018】
この発明に係る色彩特性変換方法は、目標表示データがR,G,Bの色データから構成される場合、R,G,Bの色データ中の最大値及び中間値を比較データとして、その中間値を第1の差異データとするとともに、その最大値と中間値の偏差を第2の差異データとするようにしたものである。
【0019】
この発明に係る色彩特性変換方法は、色変換特性パラメータ算出ステップにより算出される画像表示装置の色変換特性パラメータが、色相の調整に関する第1の係数と、色相間の変化率を調整する第2及び第3の係数とから構成されているものである。
【0020】
この発明に係る色彩特性変換方法は、第1及び第2の差異データから第1の係数を求める一方、第2の差異データ及び色相調整方向から第2及び第3の係数を求めるようにしたものである。
【0021】
この発明に係る画像表示装置は、指定手段により指定された目標色の再現特性データと画像表示部の色再現特性データから、画像表示部上で目標色を再現するための目標表示データを算出する目標表示データ算出手段を設けるとともに、その目標表示データ算出手段により算出された目標表示データから色相調整方向と色相調整量の元になる差異データを算出し、その色相調整方向と差異データにしたがって画像表示部の色変換特性パラメータを算出する色変換特性パラメータ算出手段を設けるようにしたものである。
【0022】
この発明に係る画像表示装置は、色彩度調整データが入力された場合、色変換特性パラメータ算出手段が色彩度調整データを考慮して色変換特性パラメータを算出するようにしたものである。
【0023】
この発明に係る画像表示装置は、色相調整データが入力された場合、色変換特性パラメータ算出手段が色相調整データを考慮して色変換特性パラメータを算出するようにしたものである。
【0024】
この発明に係る画像表示装置は、画像表示部の色変換特性パラメータを算出する際、色変換特性パラメータ算出手段が目標表示データから白バランス調整用のパラメータを算出するようにしたものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による色彩特性変換方法を示すフローチャートであり、図において、ST1は基準となる色空間における目標色の再現特性データを指定するとともに、画像表示装置の色再現特性データを指定し、その目標色の再現特性データと画像表示装置の色再現特性データから、画像表示装置上で目標色を再現するための目標表示データを算出する目標表示データ決定ステップ、ST2は目標表示データ決定ステップST1により算出された目標表示データから色相調整方向と色相調整量の元になる差異データを算出し、その色相調整方向と差異データにしたがって画像表示装置の色変換特性パラメータを算出する色変換特性パラメータ算出ステップである。
【0026】
図2は目標表示データ決定ステップST1の詳細処理を示すフローチャートであり、図において、ST11は種々の色空間の中から、使用者により指定された目標色を含む色空間に係る目標色再現特性ファイルを指定する目標色再現特性ファイル指定ステップ、ST12は目標色再現特性ファイル指定ステップST11により指定された目標色再現特性ファイルから目標色の再現特性データを出力する目標色再現特性データ指定ステップである。
【0027】
ST13は種々の画像表示装置のうち、色変換対象の画像表示装置に係る色再現特性ファイルを指定する画像表示装置の色再現特性ファイル指定ステップ、ST14は画像表示装置の色再現特性ファイル指定ステップST13により指定された色再現特性ファイルから画像表示装置の色再現特性データを出力する画像表示装置の色再現特性データ指定ステップである。なお、目標色再現特性ファイル指定ステップST11、目標色再現特性データ指定ステップST12、画像表示装置の色再現特性ファイル指定ステップST13及び画像表示装置の色再現特性データ指定ステップST14から指定ステップが構成されている。
【0028】
ST15は目標色再現特性データ指定ステップST12から出力された目標色の再現特性データと画像表示装置の色再現特性データ指定ステップST14から出力された画像表示装置の色再現特性データから、画像表示装置上で目標色を再現するための目標表示データを算出する目標表示データ算出ステップである。
【0029】
図3は色変換特性パラメータ算出ステップST2の詳細処理を示すフローチャートであり、図において、ST21は目標表示データ決定ステップST1により算出された目標表示データから複数の比較データを算出して、その比較データから色相調整量の元になる差異データを算出するとともに、その比較データから色相調整方向を算出する演算量算出ステップ、ST22は演算量算出ステップST21の演算結果から色変換特性パラメータを算出する係数算出ステップである。
【0030】
次に動作について説明する。
目標表示データ決定ステップST1には、予め、種々の色空間毎の目標色再現特性ファイルと、種々の画像表示装置毎の色再現特性ファイルが記憶されている。
種々の画像表示装置のうち、使用者が任意の画像表示装置の色変換特性を調整する場合、まず、目標表示データ決定ステップST1の目標色再現特性ファイル指定ステップST11において、種々の色空間の中から、使用者により指定された目標色を含む色空間に係る目標色再現特性ファイルを指定する。
【0031】
ここで、図6は目標色再現特性ファイルのデータ構造を示す説明図である。
目標色再現特性ファイルに記述されている目標色の再現特性データとしては、色相色再現データである色空間(例えば、基準色の再現が可能なCRTや液晶パネルの固有の色空間と、標準色空間sRGBやNTSC色空間等が考えられる)の入力信号値21と、その入力信号値21を画像表示装置に与えたときの測色データ22がある。
【0032】
例えば、入力信号値21としてはRGB信号値、測色データ22としてはXYZ三刺激値を用いる。図6において、色相色再現データは少なくとも6色相の純色、即ち、赤(255,0,0)、緑(0,255,0)、青(0,0,255)、シアン(0,255,255)、マゼンタ(255,0,255)、イエロー(255,255,0)の他に、白(255,255,255)を含み、これらの色データは色度(明度、色相、彩度)に関するデータである。
ここで、純色とは一つの色相の中で彩度が最も高くなる色のことをいう。
【0033】
目標色再現特性データ指定ステップST12では、目標色再現特性ファイル指定ステップST11により指定された目標色再現特性ファイルから目標色の再現特性データを選択して出力する。
即ち、目標色再現特性ファイルには、目標色の再現特性データの他に、その目標色と色空間が同一の他色の再現特性データも記述されているので、使用者により指定された色の再現特性データを選択して出力する。
ただし、目標色の再現特性データは、少なくとも6色相の純色と、白(255,255,255)を含むものとする。
【0034】
一方、目標表示データ決定ステップST1における画像表示装置の色再現特性ファイル指定ステップST13において、種々の画像表示装置のうち、色変換対象の画像表示装置(例えば、CRTや液晶パネル)に係る色再現特性ファイルを指定する。
【0035】
ここで、図7は画像表示装置に係る色再現特性ファイルのデータ構造を示す説明図である。
色再現特性ファイルに記述されている画像表示装置の色再現特性データとしては、γ特性値23と、色相色再現データである色変換対象の画像表示装置の入力信号値24と、その入力信号値24を色変換対象の画像表示装置に与えたときの測色データ25がある。
【0036】
例えば、入力信号値24としてはRGB信号値、測色データ25としてはXYZ三刺激値を用いる。図7の例では、γ特性値23は、入力信号値24のRGB毎に求めた値を用いるが、画像表示装置の色再現特性データのデータサイズを小さくする場合には、RGBに共通のγ特性値23を使用してもよい。
色相色再現データは少なくとも3色相の純色、即ち、赤(255,0,0)、緑(0,255,0)、青(0,0,255)の他に、黒(0,0,0)と白(255,255,255)を含み、これらの色データは色度(明度、色相、彩度)に関するデータである。
【0037】
画像表示装置の色再現特性データ指定ステップST14では、画像表示装置の色再現特性ファイル指定ステップST13により指定された色再現特性ファイルから画像表示装置の色再現特性データを出力する。
即ち、画像表示装置の色再現特性ファイルには、複数の色再現特性データが記述されているので、使用者により指定された色の色再現特性データを選択して出力する。
ただし、画像表示装置の色再現特性データは、少なくとも3色相の純色と、黒(0,0,0)と、白(255,255,255)を含むものとする。
【0038】
目標色再現特性データ指定ステップST12から目標色の再現特性データが出力され、画像表示装置の色再現特性データ指定ステップST14から画像表示装置の色再現特性データが出力されると、目標表示データ算出ステップST15において、その目標色の再現特性データと画像表示装置の色再現特性データから、画像表示装置上で目標色を再現するための目標表示データ(画像表示装置上で目標色を再現させる際に、画像表示装置に与える入力信号値)を算出する。
【0039】
ここで、目標表示データがRGB信号値である場合の算出方法を例示する。
図8は目標表示データ算出ステップST15の詳細処理を示すフローチャートであり、図において、ST51は逆マトリクス係数を算出する逆マトリクス係数算出ステップ、ST52は逆マトリクス係数を用いてマトリクス演算を実行することにより、目標表示データを求めるマトリクス演算ステップである。
【0040】
逆マトリクス係数算出ステップST51では、画像表示装置の色再現特性データ指定ステップST14から画像表示装置の色再現特性データを受けると、その色再現特性データから構成されるマトリクス係数から逆マトリクス係数を算出する(下記に示す式(1)を参照)。
そして、マトリクス演算ステップST52では、目標色再現特性データ指定ステップST12から出力された目標色の再現特性データを式(1)に代入して、マトリクス演算を実行することにより目標表示データを求める。
【0041】
【数1】
【0042】
ここで、RmγR,GmγG,BmγBは目標表示データ(画像表示装置の入力信号値)、Xm,Ym,Zmは目標色の再現特性データに相当する。また、γは黒→原色(赤、緑、青)→白に向かう階調色のデジタル値と輝度の関係を表わす特性のことである。ここでは、3色相毎に異なるγ特性値23を用いているが、3色相とも同一のγ特性値23を用いてもよい。
XRm,YRm,ZRm,XGm,YGm,ZGm,XBm,YBm,ZBm,XBk,YBk,ZBkは画像表示装置の色再現特性データに設定されている値であり、特に、XRm,YRm,ZRmは赤(255,0,0)を出力するときの色度、XGm,YGm,ZGmは緑(0,255,0)を出力するときの色度、XBm,YBm,ZBmは青(0,0,255)を出力するときの色度、XBk,YBk,ZBkは黒(0,0,0)を出力するときの色度である。
【0043】
このように、3色相の色度XRm,YRm,ZRm,XGm,YGm,ZGm,XBm,YBm,ZBm及び目標色の再現特性データXm,Ym,Zmから黒の色度XBk,YBk,ZBkを減算することにより、画像表示装置のオフセット調整が行われて、最終的に目標表示データRmγR,GmγG,BmγBが算出される。
画像表示装置の目標表示データRmγR,GmγG,BmγBの算出は、上記マトリクス演算以外にもルックアップテーブルLUTにより求めることができる。
【0044】
次に、色変換特性パラメータ算出ステップST2では、目標表示データ決定ステップST1により算出された目標表示データRmγR,GmγG,BmγBから色相調整方向と色相調整量の元になる差異データを算出し、その色相調整方向と差異データにしたがって画像表示装置の色変換特性パラメータを算出する。
以下、色変換特性パラメータの算出例を説明するが、ここでは目標表示データに6色相(赤、緑、青、シアン、マゼンタ、イエロー)の純色データのみが含まれる場合について説明する。
【0045】
図4は演算量算出ステップST21及び係数算出ステップST22の詳細処理を示すフローチャートであり、図において、ST31は比較データ算出ステップ、ST32は差異データ算出ステップ、ST33は色相調整方向算出ステップ、ST34は第1の係数算出ステップ、ST35は色相調整ステップである。
図5は色相調整ステップST35の詳細処理を示すフローチャートであり、図において、ST41は第2の係数算出ステップ、ST42は第3の係数算出ステップ、ST43は第2の係数再演算ステップである。
【0046】
演算量算出ステップST21の比較データ算出ステップST31では、目標表示データ決定ステップST1により算出された目標表示データRmγR,GmγG,BmγB(以下、記述の簡単化のため、目標表示データR,G,Bと記述する)から複数の比較データを算出する。
即ち、目標表示データR,G,Bの中で値が最大のデータを最大値A、最小のデータを最小値E、中間のデータを中間値Dとして、最大値A,最小値E及び中間値Dを比較データとする。
【0047】
演算量算出ステップST21の差異データ算出ステップST32は、比較データ算出ステップST31により算出された複数の比較データ、即ち、最大値A及び中間値Dから差異データS1,S2を算出する。
具体的には、最大値A及び中間値Dを下記の式(2)に代入して、差異データS1,S2を算出する。ここで、差異データとは所定の色相における彩度移動量のことである。
【0048】
【数2】
【0049】
演算量算出ステップST21の色相調整方向算出ステップST33は、所定の色相における中間値Dより、所定の色相を隣接する2つの色相のうち、どちら側に色相調整するかを判定し、所定の色相の調整方向を左側又は右側、または、調整なしの3つにパターン分けしたデータを出力する。
【0050】
例えば、赤の色相において、中間値Dに相当する目標表示データ(中間値Dに関係する信号値)がBの場合、赤の色相は青寄りの色、即ち、B成分の多い色を再現する必要があり、この場合、色相調整方向データには“1”を代入する。
逆に、中間値Dに関係する信号値がGの場合、赤の色相は緑寄りの色、即ち、G成分の多い色を再現する必要があり、この場合、色相調整方向データには“0”を代入する。
また、中間値Dと最小値Eが等価の場合、色相点を移動せず、色相調整方向データには“2”を代入する。緑の色相、青の色相についても同様である。
【0051】
また、イエローの色相において、中間値Dに関係する信号値がRの場合、イエローの色相は緑寄りの色、即ち、R成分の少ない色を再現する必要があり、この場合、色相調整方向データには“1”を代入する。
逆に、中間値Dに関係する信号値がGの場合、イエローの色相は赤寄りの色、即ち、G成分の少ない色を再現する必要があり、この場合、色相調整方向データには“0”を代入する。また、中間値D=最大値Aの場合は“2”を代入する。色相C、色相Mの場合も同様である。
【0052】
次に色変換特性パラメータの算出方法について説明する。色変換特性パラメータは、少なくとも3つの係数、即ち、色相の調整に関係する第1の係数、色相間の調整に関係する第2及び第3の係数から構成される。
【0053】
係数算出ステップST22の第1の係数算出ステップST34は、差異データS1,S2と比較データを直接代入もしくは乗算することにより第1の係数を算出する。
即ち、中間値Dの信号値に関係する第1の係数r,g,b,c,m,yを選択し、下記の式(3)に示すように、これらの係数に差異データS1,S2を代入等することにより、第1の係数r,g,b,c,m,yを算出する。
例えば、第1の係数rは画像データの信号値(R,G,B)に関係する3つの係数r(R),r(G),r(B)から構成される。第1の係数g,b,c,m,yも同様である。
【0054】
【数3】
【0055】
係数算出ステップST22における色相調整ステップST35の第2の係数算出ステップST41は、所定の色相における色相調整方向データに関係する所定の色相間において、第1の係数に関係する所定の色相の色相移動量に応じて、所定の色相間における色変化率を調整する第2の係数を算出する。
【0056】
第3の係数算出ステップST42は、所定の色相における第1の係数を有効第1の係数とし、所定の色相及び色相調整データに関係する第2の係数を有効第2の係数とし、その有効第2の係数を有効第1の係数で除算することにより、第3の係数を算出する。
即ち、定数Tと有効第1の係数P1に係る除算処理P3=T/P1を実行することにより、第3の係数(有効第1の係数に基づいて移動される所定の色相の色相移動点)を算出する。定数Tとしては、128,255が考えられる。
また、第2の係数再演算ステップST43は、所定の色相における第1の係数に関係しない第2の係数を選択する。
【0057】
ここで、有効第1の係数とは、目標表示データR,G,Bのうち、中間値Dに関係する第1の係数のことであり、例えば、赤の色相の場合、r(R),r(G),r(B)のうちのいずれかに相当する。
また、有効第2の係数とは、中間値Dに関係する第2の係数であり、所定の色相における第1の係数に関係しない第2の係数とは、目標表示データR,G,Bのうち、最大値A又は最小値Eに関係する第2の係数のことである。
【0058】
例えば、赤とイエローの色相間を例に取り、第1の係数と第2の係数と第3の係数の算出方法を説明する。
赤をマゼンタに近づけるような目標表示データR,G,Bが色変換特性パラメータ算出ステップST2に入力された場合、比較データ算出ステップST31により比較データである最大値A=R、最小値E=G、中間値D=Bが算出され、差異データ算出ステップST32により差異データがS1=Bと算出される。
【0059】
比較データが色相調整方向算出ステップST33に入力されると、色相調整方向データRLが算出される。ここでは、赤の色相をマゼンタに近づける方向に調整するため、色相rに関係する色相調整方向データはRL(r)=1となる。その比較データ及び差異データにより、赤の色相に係る第1の係数r(B)が式(2)の差異データの減算処理により、r(B)=Bと算出される。
【0060】
第2の係数も第1の係数と同様に、各色相間毎にデジタル信号値(R,G,B)に関係する3つのパラメータry(R),ry(G),ry(B)から構成される。色相調整ステップST35において、赤の色相における第1の係数r(B)に関係する第2の係数ry(B)が選択され、第1の係数r(B)の乗算処理によりry(B)=−1×r(B)が算出される。
また、第3の係数P3は、定数Tと第1の係数P1の除算処理P3=T/P1により算出される。ここでは、P1=r(B)であり、定数T=128が考えられる。さらに、第1の係数r(B)に関係しない第2の係数r(G)は、定数Hと第3の係数P3の除算処理r(G)=H/P3により算出される。
【0061】
次に色変換特性パラメータ算出ステップST2において、イエローを緑に近づけるような目標表示データが同時に入力された場合について説明する。赤をマゼンタに近づけるような目標表示データが色変換特性パラメータ算出ステップST2に入力され、かつ、イエローを緑に近づけるような目標表示データが入力された場合は、比較データ算出ステップST31により比較データである最大値A=G、最小値E=B、中間値D=Rが算出され、差異データ算出ステップST32により差異データがS2=A−Dと算出される。
【0062】
比較データが色相調整方向算出ステップST33に入力されると、色相調整方向データRLが算出される。ここでは、イエローの色相を緑に近づける方向に調整するため、色相yに関係する色相調整方向データはRL(y)=0となる。その比較データ及び差異データにより、イエローの色相に係る第1の係数yrが式(2)の差異データの減算処理により、y(R)=Rと算出される。
色相rに係る第1の係数r(B)と色相yに係る第1の係数y(R)の大小比較を実行し、大きい方の色相における第1の係数を有効第1の係数及び有効第2の係数とする。ここで、y(R)<r(B)の場合、赤をマゼンタに近づける場合と同様にして、第2の係数及び第3の係数を算出する。
【0063】
また、第3の係数算出ステップST42における演算を軽くするために第3の係数をビットシフトなどを用いて離散データとして求める場合、第3の係数は離散データに丸め込む処理が施される。この場合、第3の係数算出ステップST42が一度算出した第3の係数を元に、丸め込む数値に応じた場合分けにより離散的な第3の係数を算出する。
【0064】
第2の係数、第3の係数は6つの色相間領域にのみ有効となる係数を持ち、調整したい色相間の領域に有効な係数を変化させれば、その着目する色相のみを調整でき、色相間の変化の度合いも補正することができる。
【0065】
隣合う2つの色相の色を、2つの色相間の外側に移動させる場合は、2つの色相に係る第1の係数を比較し、大きい方の色相における第1の係数を有効第1の係数及び有効第2の係数とする。または、隣合う2つの色相の色を、2つの色相間の内側に移動させる場合は、2つの色相に係る第1の係数における差異の絶対値を求め、その絶対値が一定値以上の場合、この実施の形態1の方法を用い、一定値以下の場合、第2及び第3の係数を演算しない。このような処理により、上記2つの色相間の色の変化が滑らかになる色調整が行える。
なお、この色相を調整するための色彩特性変換方法は、彩度を調整する色彩特性変換方法と組み合わせて利用してもよい。
【0066】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、目標色の再現特性データと画像表示装置の色再現特性データから、画像表示装置上で目標色を再現するための目標表示データを算出して、その目標表示データから色相調整方向と色相調整量の元になる差異データを算出し、その色相調整方向と差異データにしたがって画像表示装置の色変換特性パラメータを算出するように構成したので、色調整技術の知識を持たなくても、速やかに好みの色に調整することができる効果を奏する。また、CPUのシミュレーションが不要になるため、動画に対するリアルタイムな処理が可能になる効果を奏する。
【0067】
実施の形態2.
図9はこの発明の実施の形態2による色彩特性変換方法の目標表示データ決定ステップST1の詳細処理を示すフローチャートであり、図において、図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
ST16は目標色再現特性データ算出ステップ、ST17は画像表示装置の色再現特性データ算出ステップである。
【0068】
次に動作について説明する。
上記実施の形態1では、入力信号値21と測色データ22から構成される目標色の色相色再現データが少なくとも6色相の純色と、白(255,255,255)を含むものについて示したが、さらに、少なくとも6色相における各色相の黒(0,0,0)〜純色〜白(255,255,255)に向かう階調色データが含まれるようにしてもよい。
【0069】
この場合、目標色再現特性データ算出ステップST16が上記の階調色データを全て用いて目標色の再現特性データを算出することになるので、参照データ数が多くなり、算出精度が高くなる。
また、純色と同じ色相において、彩度が0〜純色にある中間純色を含む黒(0,0,0)〜中間純色〜白(255,255,255)に向かう階調色のデータを含めてもよく、この中間純色をとおる階調データを参照して目標色の再現特性データを算出してもよい。目標色の再現特性データの指定方法は、算出精度に応じて目標色の再現特性データ数の組み合わせを予め記憶しておき、使用者がその算出精度に応じてその組み合わせを選択してもよい。
【0070】
上記実施の形態1では、入力信号値24と測色データ25から構成される画像表示装置の色相色再現データが少なくとも3色相の純色と、黒(0,0,0)と、白(255,255,255)を含むものについて示したが、さらに、入力信号値21及び色相は各色相の黒(0,0,0)〜純色〜白(255,255,255)に向かう階調色データが含まれるようにしてもよい。
【0071】
この場合、画像表示装置の色再現特性データ算出ステップST17が上記の階調色データより誤差が最も小さくなる近似γ特性値23を演算して、その近似γ曲線上にのる純色の色度を演算し、3色相の純色の色相色再現データとしてもよい。ここで演算としては、最小二乗法などの重回帰分析が考えられる。
【0072】
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、上記実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、目標表示データの算出精度が高まるため、色変換特性パラメータの算出精度が向上する効果を奏する。
【0073】
実施の形態3.
図10はこの発明の実施の形態3による色彩特性変換方法の色変換特性パラメータ算出ステップST2の詳細処理を示すフローチャートであり、図において、図3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
ST23は色彩度調整データが入力された場合、その色彩度調整データを考慮して、係数算出ステップST22により算出された色変換特性パラメータを調整する色彩度調整ステップである。
なお、図10では、色変換特性パラメータ算出ステップST2と別個に色彩度調整ステップST23を設けたものについて示しているが、色彩度調整ステップST23が色変換特性パラメータ算出ステップST2の一部を構成するようにしてもよい。
【0074】
次に動作について説明する。
上記実施の形態1では、目標表示データから色変換特性パラメータを算出するものについて示したが、色彩度調整データを考慮して、その色変換特性パラメータを調整するようにしてもよい。
【0075】
例えば、標準色空間において青色の彩度を調整したい場合、色彩度調整ステップST23において、係数算出ステップST22により算出された色変換特性パラメータのうち、青の彩度を調整するために有効となる青の色相における第1の係数bを指定して、第1の係数bを調整する。例えば、色彩度調整データが“+1”であれば、第1の係数bに“1”を加算し、色彩度調整データが“−1”であれば、第1の係数bから“1”を減算する。
【0076】
これにより、この実施の形態3によれば、特定の色のみを指定して、特定の色の彩度を調整することができるため、目標色の再現性が向上する効果を奏する。
【0077】
実施の形態4.
図11はこの発明の実施の形態4による色彩特性変換方法の色変換特性パラメータ算出ステップST2の詳細処理を示すフローチャートであり、図において、図3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
ST24は色相調整データが入力された場合、その色相調整データを考慮して、係数算出ステップST22により算出された色変換特性パラメータを調整する色相調整ステップである。
なお、図11では、色変換特性パラメータ算出ステップST2と別個に色相調整ステップST24を設けたものについて示しているが、色相調整ステップST24が色変換特性パラメータ算出ステップST2の一部を構成するようにしてもよい。
【0078】
次に動作について説明する。
上記実施の形態3では、色彩度調整データを考慮して、その色変換特性パラメータを調整するものについて示したが、色相調整データを考慮して、その色変換特性パラメータを調整するようにしてもよい。
【0079】
例えば、標準色空間において肌色を赤くしたい場合、色相調整ステップST24において、係数算出ステップST22により算出された色変換特性パラメータのうち、肌色を赤く調整するために有効となる赤とイエローの色相における第1〜第3の係数を指定し、第1〜第3の係数に対する加減算処理を実施することにより調整する。
ただし、第3の係数は比率であるため、0.0〜1.0に正規化した比率に変換した後に加減算処理を実施する。
【0080】
これにより、この実施の形態4によれば、特定の色のみを指定して、特定の色の色相を調整することができるため、目標色の再現性が向上する効果を奏する。
【0081】
実施の形態5.
図12はこの発明の実施の形態5による色彩特性変換方法の色変換特性パラメータ算出ステップST2の詳細処理を示すフローチャートであり、図において、図3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
ST25は白の目標表示データから白バランス調整データ(白バランス調整用のパラメータ)を算出する白バランス調整ステップである。
なお、図12では、色変換特性パラメータ算出ステップST2と別個に白バランス調整ステップST25を設けたものについて示しているが、白バランス調整ステップST25が色変換特性パラメータ算出ステップST2の一部を構成するようにしてもよい。
【0082】
次に動作について説明する。
上記実施の形態1では、目標表示データから色変換特性パラメータを算出するものについて示したが、目標表示データから白バランス調整データを算出するようにしてもよい。
【0083】
即ち、白バランス調整ステップST25では、目標表示データ決定ステップST1により算出された目標表示データから白バランス調整データを算出し、その白バランス調整データを第4の係数に設定する。
白バランス調整データの演算方法としては、256<R,G,Bとなる白の目標表示データが存在する場合は、256<R,G,Bとなる全てのR、G、Bのデータを“255”に設定する方法がある。また、R,G,Bのデータの中で最大となる値Mを求め、白の目標表示データの比を変えずに、R’=R/M*255、G’=G/M*255、B’=B/M*255を算出する方法がある。
【0084】
これにより、この実施の形態5によれば、白バランスが調整された色変換特性パラメータを得ることができるため、目標色の再現性が向上する効果を奏する。
【0085】
実施の形態6.
図13はこの発明の実施の形態6による画像表示装置を示す構成図であり、図において、31は画像データRi1,Gi1,Bi1を入力して所定の入力画像処理を実施し、画像処理後の画像データRi,Gi,Biを出力する画像データ入力手段、32は上記実施の形態1〜5における何れかの色彩特性変換方法を実施する色変換特性算出手段(指定手段、目標表示データ算出手段、色変換特性パラメータ算出手段)、33は色変換特性算出手段32により算出された色変換特性パラメータを用いて画像データRi,Gi,Biに対する色変換処理を実行して、画像データRo,Go,Boを出力する色変換手段、34は色変換手段33が出力する画像データRo,Go,Boを入力して所定の出力画像処理を実施し、画像処理後の画像データRo1,Go1,Bo1を出力する画像データ出力手段、35は画像データRo1,Go1,Bo1にしたがって画像を表示する画像表示手段(画像表示部)である。
【0086】
次に動作について説明する。
まず、画像データ入力手段31は、画像データRi1,Gi1,Bi1を入力すると、所定の入力画像処理を実施し、画像処理後の画像データRi,Gi,Biを出力する。
入力画像処理としては、画像データRi1,Gi1,Bi1の特性に応じた階調補正処理や画素数変換処理などが考えられる。
【0087】
色変換手段33は、画像データ入力手段31が画像処理後の画像データRi,Gi,Biを出力すると、色変換特性算出手段32により算出された色変換特性パラメータ(上記実施の形態1〜5において算出された色変換特性パラメータ)を用いて、画像データRi,Gi,Biに対する色変換処理を実行して、画像データRo,Go,Boを出力する。
【0088】
画像データ出力手段34は、色変換手段33が画像データRo,Go,Boを出力すると、所定の出力画像処理を実施し、画像処理後の画像データRo1,Go1,Bo1を出力する。
出力画像処理としては、画像表示手段35の特性に応じた階調補正処理やデータフォーマット変換処理などが考えられる。なお、画像表示手段35としては、液晶パネルやCRT、プロジェクタなどが考えられる。
そして、画像表示手段35は、画像データ出力手段34が出力する画像データRo1,Go1,Bo1にしたがって画像を表示する。
【0089】
以上で明らかなように、この実施の形態6によれば、目標色の再現特性データと画像表示手段35の色再現特性データから、画像表示手段35上で目標色を再現するための目標表示データを算出して、その目標表示データから色相調整方向と色相調整量の元になる差異データを算出し、その色相調整方向と差異データにしたがって画像表示手段35の色変換特性パラメータを算出するように構成したので、色調整技術の知識を持たなくても、速やかに好みの色に調整することができる効果を奏する。また、CPUのシミュレーションが不要になるため、動画に対するリアルタイムな処理が可能になる効果を奏する。
さらに、画像表示装置と別個にコントローラを設けることなく、画像表示装置単体で色調整を実施することができる効果を奏する。
【0090】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、指定ステップにより指定された目標色の再現特性データと画像表示装置の色再現特性データから、画像表示装置上で目標色を再現するための目標表示データを算出して、その目標表示データから色相調整方向と色相調整量の元になる差異データを算出し、その色相調整方向と差異データにしたがって画像表示装置の色変換特性パラメータを算出するように構成したので、色調整技術の知識を持たなくても、速やかに好みの色に調整することができる効果がある。また、CPUのシミュレーションが不要になるため、動画に対するリアルタイムな処理が可能になる効果がある。
【0091】
この発明によれば、色彩度調整データが入力された場合、その色彩度調整データを考慮して色変換特性パラメータを算出するように構成したので、特定の色のみを指定して、特定の色の彩度を調整することができる結果、目標色の再現性が向上する効果がある。
【0092】
この発明によれば、色相調整データが入力された場合、その色相調整データを考慮して色変換特性パラメータを算出するように構成したので、特定の色のみを指定して、特定の色の色相を調整することができる結果、目標色の再現性が向上する効果がある。
【0093】
この発明によれば、画像表示装置の色変換特性パラメータを算出する際、目標表示データから白バランス調整用のパラメータを算出するように構成したので、白バランスが調整された色変換特性パラメータを得ることができる結果、目標色の再現性が向上する効果がある。
【0094】
この発明によれば、目標表示データ算出ステップにより算出された目標表示データから複数の比較データを算出して、その比較データから色相調整量の元になる差異データを算出するとともに、その比較データから色相調整方向を算出するように構成したので、複雑な処理を実行することなく、簡単に色変換特性パラメータを算出することができる効果がある。
【0095】
この発明によれば、目標表示データがR,G,Bの色データから構成される場合、R,G,Bの色データ中の最大値及び中間値を比較データとして、その中間値を第1の差異データとするとともに、その最大値と中間値の偏差を第2の差異データとするように構成したので、複雑な処理を実行することなく、簡単に色変換特性パラメータを算出することができる効果がある。
【0096】
この発明によれば、色変換特性パラメータ算出ステップにより算出される画像表示装置の色変換特性パラメータが、色相の調整に関する第1の係数と、色相間の変化率を調整する第2及び第3の係数とから構成されているので、色相の調整と色相間の調整を分離して行うことができる効果がある。
【0097】
この発明によれば、第1及び第2の差異データから第1の係数を求める一方、第2の差異データ及び色相調整方向から第2及び第3の係数を求めるように構成したので、容易に色相の調整を実施することができる効果がある。
【0098】
この発明によれば、指定手段により指定された目標色の再現特性データと画像表示部の色再現特性データから、画像表示部上で目標色を再現するための目標表示データを算出する目標表示データ算出手段を設けるとともに、その目標表示データ算出手段により算出された目標表示データから色相調整方向と色相調整量の元になる差異データを算出し、その色相調整方向と差異データにしたがって画像表示部の色変換特性パラメータを算出する色変換特性パラメータ算出手段を設けるように構成したので、色調整技術の知識を持たなくても、速やかに好みの色に調整することができる効果がある。また、CPUのシミュレーションが不要になるため、動画に対するリアルタイムな処理が可能になる効果がある。
さらに、画像表示装置と別個にコントローラを設けることなく、画像表示装置単体で色調整を実施することができる効果がある。
【0099】
この発明によれば、色彩度調整データが入力された場合、色変換特性パラメータ算出手段が色彩度調整データを考慮して色変換特性パラメータを算出するように構成したので、特定の色のみを指定して、特定の色の彩度を調整することができる結果、目標色の再現性が向上する効果がある。
【0100】
この発明によれば、色相調整データが入力された場合、色変換特性パラメータ算出手段が色相調整データを考慮して色変換特性パラメータを算出するように構成したので、特定の色のみを指定して、特定の色の色相を調整することができる結果、目標色の再現性が向上する効果がある。
【0101】
この発明によれば、画像表示部の色変換特性パラメータを算出する際、色変換特性パラメータ算出手段が目標表示データから白バランス調整用のパラメータを算出するように構成したので、白バランスが調整された色変換特性パラメータを得ることができる結果、目標色の再現性が向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による色彩特性変換方法を示すフローチャートである。
【図2】 目標表示データ決定ステップST1の詳細処理を示すフローチャートである。
【図3】 色変換特性パラメータ算出ステップST2の詳細処理を示すフローチャートである。
【図4】 演算量算出ステップST21及び係数算出ステップST22の詳細処理を示すフローチャートである。
【図5】 色相調整ステップST35の詳細処理を示すフローチャートである。
【図6】 目標色再現特性ファイルのデータ構造を示す説明図である。
【図7】 画像表示装置に係る色再現特性ファイルのデータ構造を示す説明図である。
【図8】 目標表示データ算出ステップST15の詳細処理を示すフローチャートである。
【図9】 この発明の実施の形態2による色彩特性変換方法の目標表示データ決定ステップST1の詳細処理を示すフローチャートである。
【図10】 この発明の実施の形態3による色彩特性変換方法の色変換特性パラメータ算出ステップST2の詳細処理を示すフローチャートである。
【図11】 この発明の実施の形態4による色彩特性変換方法の色変換特性パラメータ算出ステップST2の詳細処理を示すフローチャートである。
【図12】 この発明の実施の形態5による色彩特性変換方法の色変換特性パラメータ算出ステップST2の詳細処理を示すフローチャートである。
【図13】 この発明の実施の形態6による画像表示装置を示す構成図である。
【図14】 従来の画像表示装置を示す構成図である。
【符号の説明】
21 入力信号値、22 測色データ、23 γ特性値、24 入力信号値、25 測色データ、31 画像データ入力手段、32 色変換特性算出手段(指定手段、目標表示データ算出手段、色変換特性パラメータ算出手段)、33 色変換手段、34 画像データ出力手段、35 画像表示手段(画像表示部)、ST1 目標表示データ決定ステップ、ST2 色変換特性パラメータ算出ステップ、ST11 目標色再現特性ファイル指定ステップ(指定ステップ)、ST12 目標色再現特性データ指定ステップ(指定ステップ)、ST13 画像表示装置の色再現特性ファイル指定ステップ(指定ステップ)、ST14 画像表示装置の色再現特性データ指定ステップ(指定ステップ)、ST15 目標表示データ算出ステップ、ST16 目標色再現特性データ算出ステップ、ST17 画像表示装置の色再現特性データ算出ステップ、ST21 演算量算出ステップ、ST22 係数算出ステップ、ST23 色彩度調整ステップ、ST24 色相調整ステップ、ST25 白バランス調整ステップ、ST31 比較データ算出ステップ、ST32 差異データ算出ステップ、ST33 色相調整方向算出ステップ、ST34 第1の係数算出ステップ、ST35 色相調整ステップ、ST41 第2の係数算出ステップ、ST42 第3の係数算出ステップ、ST43 第2の係数再演算ステップ、ST51 逆マトリクス係数算出ステップ、ST52 マトリクス演算ステップ。
Claims (12)
- 基準となる色空間における目標色の再現特性データを指定するとともに、画像表示装置の色再現特性データを指定する指定ステップと、上記指定ステップにより指定された目標色の再現特性データと画像表示装置の色再現特性データから、上記画像表示装置上で目標色を再現するための目標表示データを算出する目標表示データ算出ステップと、上記目標表示データ算出ステップにより算出された目標表示データから色相調整方向と色相調整量の元になる差異データを算出し、その色相調整方向と差異データにしたがって上記画像表示装置の色変換特性パラメータを算出する色変換特性パラメータ算出ステップとを備えた色彩特性変換方法。
- 色変換特性パラメータ算出ステップは、色彩度調整データが入力された場合、その色彩度調整データを考慮して色変換特性パラメータを算出することを特徴とする請求項1記載の色彩特性変換方法。
- 色変換特性パラメータ算出ステップは、色相調整データが入力された場合、その色相調整データを考慮して色変換特性パラメータを算出することを特徴とする請求項1記載の色彩特性変換方法。
- 色変換特性パラメータ算出ステップは、画像表示装置の色変換特性パラメータを算出する際、目標表示データから白バランス調整用のパラメータを算出することを特徴とする請求項1記載の色彩特性変換方法。
- 色変換特性パラメータ算出ステップは、目標表示データ算出ステップにより算出された目標表示データから複数の比較データを算出して、その比較データから色相調整量の元になる差異データを算出するとともに、その比較データから色相調整方向を算出することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の色彩特性変換方法。
- 色変換特性パラメータ算出ステップは、目標表示データがR,G,Bの色データから構成される場合、R,G,Bの色データ中の最大値及び中間値を比較データとして、その中間値を第1の差異データとするとともに、その最大値と中間値の偏差を第2の差異データとすることを特徴とする請求項5記載の色彩特性変換方法。
- 色変換特性パラメータ算出ステップにより算出される画像表示装置の色変換特性パラメータは、色相の調整に関する第1の係数と、色相間の変化率を調整する第2及び第3の係数とから構成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の色彩特性変換方法。
- 色変換特性パラメータ算出ステップは、第1及び第2の差異データから第1の係数を求める一方、第2の差異データ及び色相調整方向から第2及び第3の係数を求めることを特徴とする請求項7記載の色彩特性変換方法。
- 基準となる色空間における目標色の再現特性データを指定するとともに、入力画像を表示する画像表示部の色再現特性データを指定する指定手段と、上記指定手段により指定された目標色の再現特性データと画像表示部の色再現特性データから、上記画像表示部上で目標色を再現するための目標表示データを算出する目標表示データ算出手段と、上記目標表示データ算出手段により算出された目標表示データから色相調整方向と色相調整量の元になる差異データを算出し、その色相調整方向と差異データにしたがって上記画像表示装置の色変換特性パラメータを算出する色変換特性パラメータ算出手段と、上記色変換特性パラメータ算出手段により算出された色変換特性パラメータを用いて入力画像に対する色変換処理を実行する色変換手段とを備えた画像表示装置。
- 色変換特性パラメータ算出手段は、色彩度調整データが入力された場合、その色彩度調整データを考慮して色変換特性パラメータを算出することを特徴とする請求項9記載の画像表示装置。
- 色変換特性パラメータ算出手段は、色相調整データが入力された場合、その色相調整データを考慮して色変換特性パラメータを算出することを特徴とする請求項9記載の画像表示装置。
- 色変換特性パラメータ算出手段は、画像表示部の色変換特性パラメータを算出する際、目標表示データから白バランス調整用のパラメータを算出することを特徴とする請求項9記載の画像表示装置。
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