JP3708360B2 - 換気扇 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、壁部等の換気扇取付孔に取付けられる形状で、室内側にオリフィスを装着した換気扇に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、室内環境の良化を図るために換気扇が普及にするにともない、換気扇の室内側に設けられるオリフィスが確実に保持され、安価で品質の安定した換気扇の要求が高まってきている。
【０００３】
従来、この種の換気扇の一例として図９および図１０に示されるものが知られていた。以下、その構成について図９および、図１０を参照しながら説明する。
【０００４】
図に示すように、内部にファンモータ１０１を設けた枠状のフレーム１０２の室外側開口には、シャッター１０３を開閉自在に設け、シャッター１０３を連結棒１０４を介して、ファンモータ１０１を制御する開閉器１０５と連動するように設け、フレーム１０２の室内側開口には、外方に突出するフランジ１０６を設け、フランジ１０６の上部側には、上方に向け突出する左右一対の爪１０７と、軸方向に突出し先端部に逆Ｕ字状の曲り部１０８を設け、下部側には取付ねじ１０９の螺合するねじ孔１１０を設け、フランジ１０６に装着されるオリフィス１１１の上部側には、一対の爪１０７の係合する切欠き１１２と曲り部１０８の根元側に係合する切起し片１１３を設けるとともに、フランジ１０６に当接する断面コの字状の当て板１１４をスポット熔接により設け、オリフィス１１１の下部側には、フランジ１０６に当接する当て板１１４と取付ねじ１０９の貫通する貫通孔１１５を設けていた。
【０００５】
そして、オリフィス１１１を取付けるときには、オリフィス１１１の上部側に設けた切欠き１１２をフランジ１０６の一対の爪１０７に係合し、切起し片１１３を曲り部１０８の根元側に係合し、オリフィス１１１の下部側を取付ねじ１０９によりフランジ１０６に取付け、オリフィス１１１に設けた当て板１１４と曲り部１０８の根元側に係合した切起し片１１３により、切起し片１１３を曲り部１０８に押圧するようにして、オリフィス１１１をフランジ１０６に装着していた。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の換気扇では、当て板１１４を設けるためのスポット溶接にコストを必要とするとともに、当て板１１４という別部材が必要となり、かつ、当て板１１４の寸法精度を高めないとがたつきが生じ、品質にばらつきが発生するという課題があった。
【０００７】
また、オリフィス１１１の下方部を取付けている取付ねじ１０９が緩み落下した場合には、一対の爪１０７がオリフィス１１１の切欠き１１２に係合しているだけであるため、一対の爪１０７によりオリフィス１１１を保持することができなく、オリフィス１１１が落下するという危険性を伴う課題があった。
【０００８】
本発明は、上記課題を解決するもので、当て板の必要を無くし、オリフィスが確実に保持されて安全性が確保されるとともに、安価で品質の安定した換気扇を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明の換気扇においては、内部にファンモータを有し、壁部等に設けた換気扇取付孔に嵌挿される形状で室内側開口には室内側開口より外方に突出し、前記壁部の室内側壁面に当接するフランジを設けたフレームと、このフレームの室外側開口を開閉するシャッターと、前記フレームのフランジに装着されるオリフィスとを備え、前記フランジの上部側に上方に向かい突出し設けられた一対の左右の爪と、軸方向に突出した逆Ｕ字状の曲り部とを設け、前記オリフィスの上部側には、前記左右の爪に係合する左右の係合孔と、前記曲り部に当接する切起し片とを設け、前記フランジおよびオリフィスの下部側は取付手段で着脱自在に取付ける構成としたものである。
【００１０】
この本発明によれば、当て板の必要を無くし、オリフィスが確実に保持されて安全性が確保されるとともに、安価で品質の安定した換気扇を提供することができる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項１に記載の発明は、内部にファンモータを有し、壁部等に設けた換気扇取付孔に嵌挿される形状で室内側開口には室内側開口より外方に突出し、前記壁部の室内側壁面に当接するフランジを設けたフレームと、このフレームの室外側開口を開閉するシャッターと、前記フレームのフランジに装着されるオリフィスとを備え、前記フランジの上部側に、上方に向かい突出し設けられた一対の左右の爪と、軸方向に突出した逆Ｕ字状の曲り部とを設け、前記オリオイスの上部側には、前記左右の爪に係合する左右の係合孔と、前記曲り部に当接する切起し片とを設け、前記フランジおよびオリフィスの下部側は取付手段で着脱自在に取付ける構成とした換気扇であって、前記フランジの上部側に上方に突出し設けられる前記左右の爪に先端側から根元側に向かい拡がる傾斜した形状の突部を形成したものであり、オリフィスの上部側はフランジに設けた左右の爪に、オリフィスに設けた左右の係合孔を係合してオリフィスを保持することにより、下部側を取付けている取付手段の取付ねじが脱落しても、オリフィスの落下するのが防止され安全性が高められるとともに、当て板を不用としたので、当て板を取付ける溶接工数が節減され、また、当て板を用いることによる寸法精度を高める必要がなくなり、さらに、左右の爪１１Ｂのみでオリフィス１７の前後方向の固定を強固にすることができて、部品点数の削減を図ることができ、安価で品質が安定するという作用を有する。
【００１２】
以下、本発明の実施の形態について図１〜図８を参照しながら説明する。
【００１３】
（実施の形態１）
図１〜図３に示すように、内部にファンモータ１を有し、壁部２等に設けた換気扇取付孔３に嵌挿される枠状の形状で、室内側開口４には室内側開口４より外方に突出し、壁部２の室内側壁面に当接するりフランジ５を設けたフレーム６を形成し、フレーム６の室外側開口７には、室外側開口７を開閉するシャッター８を開閉自在に設け、シャッター８を連結棒９を介してファンモータ１を制御する開閉器１０と連動するように設け、フランジ５の上部側には、左右寄りに上方に向かい突出した左右の爪１１を設け、左右の爪１１の上端部を壁部２側に向かい傾斜した傾斜片１２で形成し、軸方向の室内側に向かい突出した逆Ｕ字状の曲り部１３を設け、下部側には室内側に向かい突出し端部を上方に向かい立ち上げ形成した立ち上り部１４を設け、取付ねじ１５の螺合するねじ孔１６を形成し、フレーム６のフランジ５に装着されるオリフィス１７の上部側には、フランジ５に設けた左右の爪１１が係合する左右の係合孔１８と、曲り部１３に当接する切起し片１９とを設け、下部側には取付ねじ１５の貫通する貫通穴２０を設け、貫通穴２０とフランジ５に設けたねじ孔１６および取付ねじ１５により取付手段２１を構成している。
【００１４】
上記構成において、オリフィス１７を取付けるときには、オリフィス１７に設けた左右の係合孔１８をフランジ５に設けた左右の爪１１に係合させる。このとき、オリフィス１７は上部側を壁部２に近づける状態に片向けて左右の爪１１の端部に係合させるようになり、左右の爪１１の端部に設けた傾斜片１２の片向きとオリフィス１７の傾きがほぼ合致することにより、左右の爪１１にオリフィス１７の左右の係合孔１８がスムーズに係合される。
【００１５】
そして、オリフィス１７の下部側を取付手段２１でフランジ５に取付けることにより、オリフィス１７に設けた切起し片１９がフランジ５に設けた曲り部１３に当接して曲り部１３を押圧することとなり、切起し片１９に室内側に向かい押圧される弾性力が作用し、オリフィス１７の左右の係合孔１８の壁部２側側面がフランジ５に設けた左右の爪１１に当接し、オリフィス１７が曲り部１３の弾性力を利用して取付けられる。
【００１６】
このように本発明の実施の形態１の換気扇によれば、フレーム６に設けられるフランジ５の上部側に、上方に向かい突出し設けられた一対の左右の爪１１と、軸方向に突出した逆Ｕ字状の曲り部１３とを設け、オリフィス１７の上部側には、左右の爪１１に係合する左右の係合孔１８を設け、下部側を取付手段２１を介して取付けるようにしたので、オリフィス１７は係合孔１８がフランジ５に設けた左右の爪１１により係合保持され、曲り部１３の弾性力を利用してフランジ５にがたつくことなく確実に取付けられるとともに、下部側を取付ける取付手段２１の取付ねじ１５が脱落した場合においても、オリフィス１７が落下することが防止され安全性が高められる。さらに、従来例に用いられていた当て板を不用としたので、当て板を取付ける溶接工数が節減され、当て板による寸法精度を高める必要もなくなり、安価で品質を安定させることができる。
【００１７】
また、左右の爪１１の端部を壁部２側に向かい傾斜した傾斜片１２で形成したので、オリフィス１７を取付けるときに、フランジ５に設けた左右の爪１１に形成された傾斜片１２の傾きと、オリフィス１７を取付けるために傾けた傾きとがほぼ合致することにより、オリフィス１７の係合孔１８は左右の爪１１の傾斜片１２に案内されて、オリフィス１７を容易に取付けることができる。
【００１８】
（実施の形態２）
図４〜図６に示すように、フランジ５Ａの上部側に、上方に突出し設けられる左右の爪１１Ａと、左右の爪１１Ａのほぼ中央で、左右の爪１１Ａを結ぶ線上より壁部２側に外れた位置に、左右の爪１１Ａより背の低い形状の中央の爪２２とを設け、左右の爪１１Ａおよび中央の爪２２の端部は、先細となる台形状に形成している。
【００１９】
そして、オリフィス１７Ａの上部側には、フランジ５Ａに設けた左右の爪１１Ａが係合する左右の係合孔１８Ａと、中央の爪２２が係合する中央の係合孔２３とを設け、左右の爪１１Ａと中央の爪２２で、オリフィス１７Ａの左右および前後の移動を規制する構成とする。
【００２０】
上記構成において、オリフィス１７Ａを取付けるときには、オリフィス１７Ａに設けた左右の係合孔１８Ａをフランジ５Ａに設けた左右の爪１１Ａに係合したのち、左右の爪１１Ａより背の低い中央の爪２２に、オリフィス１７Ａの中央の係合孔２３を係合する。このとき、左右の爪１１Ａおよび中央の爪２２の端部の台形状により案内されてスムーズに係合され、左右の爪１１Ａに左右の係合孔１８Ａが係合することにより、オリフィス１７Ａの左右の移動が規制され、中央の爪２２に中央の係合孔２３が係合することにより、左右の爪１１Ａの壁部２側に左右の係合孔１８Ａの壁部２側側壁が当接し、中央の爪２２の反壁部２側に中央の係合孔２３の反壁部２側側壁が当接し、オリフィス１７Ａの前後の移動が規制されて、オリフィス１７Ａが取付手段２１により取付けられる。
【００２１】
このように本発明の実施の形態２の換気扇によれば、フランジ５Ａの上部側に、左右の爪１１Ａと、左右の爪１１Ａを結ぶ線上より外れた位置に中央の爪２２を設け、オリフィス１７Ａの上部側には、左右の爪１１Ａと中央の爪２２が係合する左右の係合孔１８Ａと中央の係合孔２３とを設けたので、左右の爪１１Ａに左右の係合孔１８Ａが係合することにより、オリフィス１７Ａの左右の移動が規制され、さらに、中央の爪２２に中央の係合孔２３が係合することにより、オリフィス１７Ａの前後移動が規制され、オリフィス１７Ａががたつくことなく確実に取付けられるとともに、左右の爪１１Ａと中央の爪２２の端部が台形状に形成され、中央の爪２２を左右の爪１１Ａより背を低くしているので、オリフィス１７Ａの取付けをスムーズに行うことができる。
【００２２】
また、オリフィス１７Ａは左右の爪１１Ａと中央の爪２２により保持されるので、実施の形態１において用いられていた切起し片が不必要となり、構造が簡素化され加工が容易となる。
【００２３】
（実施の形態３）
図７および、図８に示すように、フランジ５Ｂの上部側に、上方に突出し設けられる左右の爪１１Ｂの壁部２側に、先端側から根元側に向かい拡がるように傾斜してほぼ三角状に突出する突部２４を、プレスによる絞り加工により形成し構成する。
【００２４】
上記構成において、オリフィス１７を取付けるときには、オリフィス１７に設けた左右の係合孔１８をフランジ５Ｂに設けた左右の爪１１Ｂに係合させ、左右の爪１１Ｂの根元側にオリフィス１７の左右の係合孔１８が移動するのにともない、左右の爪１１Ｂに設けた突部２４の根元側の拡がった部分が、左右の係合孔１８の側壁に当接されて、オリフィス１７の前後移動が阻止され強固に取付けられる。
【００２５】
このように本発明の実施の形態３の換気扇によれば、フランジ５Ｂに設けられる左右の爪１１Ｂに、根元側に向かい拡がるように傾斜した突部２４をプレスによる絞り加工により形成したので、左右の爪１１Ｂのみでオリフィス１７の前後方向の固定を強固にすることができ、部品点数の削減を図ることができるともに、突部２４をプレス加工により容易に形成することができる。
【００２６】
【発明の効果】
以上の実施の形態から明らかなように、本発明によれば内部にファンモータを有し、壁部等に設けた換気扇取付孔に嵌挿される形状で室内側開口には、室内側開口より外方に突出し、前記壁部の室内側壁面に当設するフランジを設けたフレームと、このフレームの室外側開口を開閉するシャッターと、前記フレームのフランジに装着されるオリフィスとを備え、前記フランジの上部側に、上方に向かい突出し設けられた一対の左右の爪と、軸方向に突出した逆Ｕ字状の曲り部とを設け、前記オリフィスの上部側には、前記左右の爪に係合する左右の係合孔と、前記曲り部に当接する切起し片とを設け、前記フランジおよび、オリフィスの下部側は取付手段で着脱自在に取付ける構成としたので、オリフィスが確実に保持され、落下するのが防止されて、安全性が確保されるとともに、従来例に用いられていた当て板の必要をなくし、安価で品質の安定した換気扇を提供することができる。
【００２９】
また、フランジの上部側に上方に突出し設けられる左右の爪の壁部側に先端側から根元側に向かい拡がる傾斜した形状の突部を形成し、オリフィスの前後方向の移動を規制する構成としたので、少ない部材でオリフィスを確実に取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態１の換気扇の壁部に取付けた状態を示す断面図
【図２】同換気扇のオリフィスを取付けるときの状態を示す断面図
【図３】同換気扇の左右の爪と左右の係合孔の関係を示す斜視図
【図４】本発明の実施の形態２の換気扇の壁部に取付けた状態を示す断面図
【図５】同換気扇の壁部に取付けた状態を示す上面図
【図６】同換気扇の左右の爪と中央の爪の状態を示す一部破断した正面図
【図７】本発明の実施の形態３の換気扇の壁部に取付けた状態を示す断面図
【図８】同換気扇の左右の爪と左右の係合孔の関係を示す一部破断した上面図
【図９】従来の換気扇の構成を示す断面図
【図１０】同換気扇の爪と切欠きの関係を示す斜視図
【符号の説明】
１ ファンモータ
２ 壁部
３ 換気扇取付孔
４ 室内側開口
５ フランジ
５Ａ フランジ
５Ｂ フランジ
６ フレーム
７ 室内側開口
８ シャッター
１１ 左右の爪
１１Ａ 左右の爪
１１Ｂ 左右の爪
１２ 傾斜片
１３ 曲り部
１７ オリフィス
１７Ａ オリフィス
１８ 左右の係合孔
１８Ａ 左右の係合孔
１９ 切起し片
２１ 取付手段
２２ 中央の爪
２３ 中央の係合孔
２４ 突部

Claims (1)

1. 内部にファンモータを有し、壁部等に設けた換気扇取付孔に嵌挿される形状で室内側開口には室内側開口より外方に突出し、前記壁部の室内側壁面に当接するフランジを設けたフレームと、このフレームの室外側開口を開閉するシャッターと、前記フレームのフランジに装着されるオリフィスとを備え、前記フランジの上部側に、上方に向かい突出し設けられた一対の左右の爪と、軸方向に突出した逆Ｕ字状の曲り部とを設け、前記オリオイスの上部側には、前記左右の爪に係合する左右の係合孔と、前記曲り部に当接する切起し片とを設け、前記フランジおよびオリフィスの下部側は取付手段で着脱自在に取付ける構成とした換気扇であって、前記フランジの上部側に上方に突出し設けられる前記左右の爪に先端側から根元側に向かい拡がる傾斜した形状の突部を形成したことを特徴とする換気扇。

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