JP3707370B2 - 止水シェルタおよび止水工事方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は止水シェルタおよび止水工事方法に関するものであり、特に土木、建築分野における水中作業のための局所排水用シェルタおよび局所排水工事方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
下水処理場の汚水槽などにおいて、水没している底面や壁面に新たな配管を設置する作業等をする場合がある。この場合水中での作業は不可能ないし困難であることから、事前に局所排水工事を実施して、作業対象領域にドライエリアを形成した上で配管作業等が行われている。
【0003】
その方法として、水槽全体の排水をし、流入口および流出口の止水処理を施して、作業対象領域にドライエリアを形成していた。しかしこの方法では水槽全体の排水をするため、ポンプや水処理装置などの水槽に隣接する設備機器を停止させ、ひいては施設全体の機能を停止させる必要があり、影響が大きい。そこで水中に大型の止水壁を設置し、作業対象領域を隔離して水の流入をせき止め、ドライエリアを形成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
止水壁を設置する場合には、水槽底面の凹凸による下端部からの水漏れを防止する必要がある。ところが水槽底面は水没しているため、水中で事前にその表面状態を調査し、止水壁をこれに合わせて形成するのは困難である。そのため止水壁を設置する際に、潜水夫による止水壁下端部の止水作業が必要となるが、水中作業であるため多大な労力を要するという問題があった。なおこれら水中での調査や止水作業は、汚水槽のように透明度が低い水槽内では、著しく困難である。また水槽底面に細かい凹凸がある場合には、これに合わせて止水壁を形成するのは事実上不可能であり、また止水作業も不完全とならざるをえず、止水性能が十分に確保できずに水漏れが発生する場合があった。さらに大型の止水壁自体に多大な費用がかかるという問題もあった。
【0005】
本発明は上記問題点に着目し、水中での調査や止水作業が不要であり、なおかつ高度の止水性能を発揮しうる止水シェルタおよび止水工事方法の提供を目的とする。また、安価な止水シェルタの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る止水シェルタは、止水対象領域に相対する開口面を有し、開口縁部に配設する水膨張型止水材により前記開口縁部と前記止水対象領域との間隙部分を密封・止水するシェルタ本体と、長穴または複数の調整穴を穿設した固定部材を相互に回動可能に形成し、一方の前記固定部材を前記シェルタ本体へ固定し他方の前記固定部材を他の構造物へ固定位置を調整可能に固定するサポート部材と、を備えた構成とした。
【0007】
一方、本発明に係る止水工事方法は、開口面を有するシェルタを止水対象領域に相対して設置し、前記シェルタの開口縁部に配設された水膨張型止水材により前記開口縁部と前記止水対象領域との間隙部分を密閉・止水させ、前記シェルタの内部または外部につき排水または給水をして、前記シェルタを止水対象領域に設置した後、固定部材を相互に回動可能に結合したサポート部材の前記固定部材に穿設された長穴または複数の調整穴を用いて一方の前記固定部材を前記シェルタへ固定し他方の前記固定部材を他の構造物へ固定して、前記シェルタの揺動を規制する構成とした。
【0009】
【作用】
本発明に係る止水シェルタは、止水対象領域に相対する開口面を有し、開口縁部に配設する水膨張型止水材により前記開口縁部と前記止水対象領域との間隙部分を密封・止水するシェルタ本体と、長穴または複数の調整穴を穿設した固定部材を相互に回動可能に形成し、一方の前記固定部材を前記シェルタ本体へ固定し他方の前記固定部材を他の構造物へ固定位置を調整可能に固定するサポート部材と、を備えた構成としたので、水槽内における作業対象領域等の止水対象領域の表面状態に応じて水膨張型止水材が膨張し、これに止水シェルタの自重が加えられてシェルタ本体の開口縁部と止水対象領域との間隙部分が自動的に密封・止水されるから、水中での調査や止水作業が不要となるとともに、高度の止水性能を発揮しうる。また、水槽内における作業対象領域等の止水対象領域に相当する大きさの開口面を有する止水シェルタを形成すればよく、また水膨張型止水材を配設するだけで開口縁部の止水が可能であるから、安価である。
【0010】
また本発明に係る止水工事方法は、開口面を有するシェルタを止水対象領域に相対して配置し、前記シェルタの開口縁部に配設された水膨張方止水材により前記開口縁部と前記止水対象領域との間隙部分を密閉・止水させるので、上記と同様に水槽内における作業対象領域等の止水対象領域の表面状態に応じて水膨張型止水材が膨張し、これにシェルタの自重が加えられてシェルタ本体の開口縁部と止水対象領域との間隙部分が自動的に密封・止水されるから、水中での調査や止水作業が不要となるとともに、高度の止水性能を発揮しうる。
【0011】
さらに、設置したシェルタの姿勢は止水対象領域の表面状態により様々となるが、他の構造物に固定する際にシェルタの姿勢を変えてしまうと、下端部にすきまが生じて水漏れが発生するという問題がある。そこで前記シェルタを止水対象領域に設置した後、固定部材を相互に回動可能に結合したサポート部材の前記固定部材に穿設された長穴または複数の調整穴を用いて一方の前記固定部材を前記シェルタへ固定し他方の前記固定部材を他の構造物へ固定する。その際回動可能結合および長穴または複数の調整穴が止水シェルタの姿勢の多様性を吸収し、シェルタの姿勢を変えることなく上方構造物に固定することができるから、止水性能を低下させることがない。なおかつ以後シェルタの揺動が規制されるから、高度の止水性能を継続して発揮しうる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る止水シェルタおよび止水工事方法の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図2に止水シェルタの説明図を示す。また、図3に止水シェルタの部分断面図を示す。同図(1)は連結用フランジ部分の縦断面図であり、同図(2)は接触部フランジ部分の縦断面図であり、同図(3)は水膨張型止水材の膨張状態の縦断面図である。
【0013】
止水シェルタは、水中等の止水対象領域に作業空間等を確保するシェルタ本体と、シェルタ本体および止水対象領域の間隙部分を密閉・止水する水膨張型止水材とにより構成され、さらにシェルタ本体は、構成単位であるシェルタユニットを連結し、その下端開口縁部に水膨張型止水材を固定する接触部フランジを形成して構成される。
【0014】
シェルタユニット10は鋼板等により、上面と底面が開口し側面が閉塞された四角い筒状に形成するが、円筒形状に形成してもよい。開口するシェルタユニット底面の大きさは、水中作業対象領域の大きさより大きく設定する。側面部分を形成する際には、別々に形成した各部を機密溶接するか、パッキンを介してボルト等で連結するなどの方法により、結合部分を密閉閉塞する。なお別々に形成した各部をボルト等で連結する方法によれば、作業対象領域の大きさに合わせて大きさの異なるシェルタユニットに組み替えることができ、作業の度に別の止水シェルタを製作する必要がなくコストを削減することができる。またシェルタユニット10は使用中水圧を受けるので、変形が生じないように必要に応じて側面の外側または内側にリブを設ける。なおシェルタユニット10内側の1つの角部には、その両側面に両端を固定した梯子16を形成しておく。シェルタユニット10を連結してシェルタ本体を形成すれば、梯子16は自動的にシェルタ本体の上から下まで連続することになり、シェルタ本体の高さに合わせた昇降用の梯子を別途用意する必要がなくなる。一方シェルタユニット10の上面と底面の開口縁部には、他のシェルタユニット10との連結用フランジ12を設ける。連結用フランジには連結ボルト設置孔12aを穿設する。連結用フランジは図2のように側面の外側に形成してもよいが内側に形成してもよい。内側に形成すれば、水の入った水槽内に止水シェルタを設置しシェルタ内部を排水して使用する場合に、内部から連結ボルトのゆるみを調整することができ、水中作業が不要となる。逆に外側に形成すれば、水の入った水槽内に止水シェルタを設置しシェルタ外部を排水して使用する場合に、シェルタ外部から連結ボルトのゆるみを調整することができ、水中作業が不要となる。
【0015】
上記のように形成した複数のシェルタユニット10を連結し、止水対象領域に作業空間等を確保するシェルタ本体5の主要部を形成する。図3(1)にシェルタユニットの連結部分の断面図を示す。具体的な連結方法は、あるシェルタユニットの開口する上面に対し他のシェルタユニットの開口する底面を付き合わせた上で、相対する連結用フランジ12の連結ボルト設置孔12aに連結ボルト12bを設置して反対側からナット締めする。その際連結用フランジ12の間にはパッキン14を設置して、シェルタ本体5の側面を密閉閉塞する。連結するシェルタユニットの個数は、水槽内に止水シェルタを設置しシェルタ内部で作業をするために使用する場合には、少なくとも連結後のシェルタ本体の高さが水槽の水深より高くなるような個数とする。このように、連結するシェルタユニットの個数を調節することにより、作業をする水槽の水深に合わせてシェルタ本体の高さを調節できるから、作業の度に別の止水シェルタを製作する必要がなくコストを削減することができる。なお、以上には複数のシェルタユニットを連結してシェルタ本体の主要部を形成する場合について述べたが、一体的に形成してもよい。また、シェルタ本体における前記水深より高くなる部分には、止水シェルタ内外を連通する排水口18を設ける。
【0016】
次に、連結したシェルタユニットの下端開口縁部に接触部フランジを設けて、シェルタ本体を完成させる。接触部フランジは後述する水膨張型止水材を固定する部分である。図3(2)に接触部フランジの断面図を示す。接触部フランジ20はシェルタ本体5が水槽内の作業対象領域等の止水対象領域と接触する下端開口縁部に形成する。図3(2)のようにシェルタユニットの外側に形成してもよいが、内側に形成してもよい。また、図3(2)のようにシェルタ本体下端のシェルタユニットのみ予め接触部フランジを形成した特殊なシェルタユニットとしてもよいし、一般のシェルタユニットの連結用フランジ12にパッキンを介して別途形成した接触部フランジをボルト等で固定してもよい。後者の方法によれば、シェルタ本体下端のシェルタユニットだけを特殊なシェルタユニットに形成する必要がなく、コストを削減することができる。接触部フランジ20の底面には全周にわたって溝部22を形成する。
【0017】
接触部フランジの溝部には、止水対象領域に接触して止水する水膨張型止水材を設置する。水膨張型止水材として、ゴムに吸水性樹脂をブレンドした水膨張ゴム弾性型止水材が知られている。ゴムには天然ゴム(NR)やスチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)などの合成ゴムが用いられる。一方吸水性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸エステル、イソブチレン無水マレイン酸やこれらの共重合体などが用いられる。吸水性樹脂は、自重の数百倍もの水を吸収し、数百倍に膨張する性質を有する。水膨張ゴム弾性型止水材を製造するには、これらにゴムの加硫剤やその他の添加剤を加え、混練りして未加硫ゴムを得る。未加硫ゴムのままでもよいが、さらにこれをモールド内で加熱加圧して加硫し、水膨張ゴム弾性型止水材を得る。このような水膨張ゴム弾性型止水材として、具体的には旭電化工業株式会社製「ウルトラシール」を使用するのが好ましいが、これに限られるものではない。この水膨張ゴム弾性型止水材を適当な大きさおよび長さに成形し、接触部フランジ20の溝部22に全周にわたって配設する。これにより水膨張ゴム弾性型止水材がシェルタ本体の下端開口縁部に配設されるとともにその位置が固定され、高度な止水性能を発揮することができる。上記の他に、ゴムに親水性基を化学反応により付与することで水膨張ゴム弾性型止水材を得ることができる。具体的には、ヒドリンゴムやクロロスルホン酸ポリエチレンなどの塩素を含有するゴムに、水溶性のポリ(オキシエチレン)をグラフトさせる方法による。
【0018】
以上のように構成した止水シェルタには、4通りの使用方法が考えられる。第1に水の入った水槽内に止水シェルタを設置しシェルタの内部を排水して内部で作業をする方法、第2に水の入った水槽内に止水シェルタを設置しシェルタの外部を排水して外部で作業をする方法、第3に空の水槽内に止水シェルタを設置しシェルタの外部に給水してシェルタの内部で作業をする方法、第4に空の水槽内に止水シェルタを設置しシェルタの内部に給水してシェルタの外部で作業をする方法である。第1および第3の方法は、止水対象領域にドライエリアを形成する場合に利用され、第2および第4の方法は、止水対象領域にウエットエリアを形成する場合に利用される。これらの使用方法の中で、最も使用頻度が高いと思われる第1の方法を以下に説明する。なおその他の方法は、第1の方法から簡単に応用することができる。図1に止水工事方法の説明図を示す。図1は下水処理場において、コンクリート床44の下に形成された汚水槽40内に止水シェルタを設置し、シェルタの内部を排水して使用する場合の例である。また図4に止水工事方法のブロック図を示す。なおシェルタの開口縁部に水膨張型止水材を配設する工程(ステップ102)は上述したとおりである。
【0019】
次に、止水シェルタを水の入った水槽内に設置する(ステップ104)。まず上記のように構成した止水シェルタ1をクレーン等で吊り上げる。次にコンクリート床44に穿設された孔44aから、止水シェルタ1をクレーン等で水槽内に吊り降ろす。そして下端開口面を水槽内の作業対象領域に相対して止水シェルタ1を設置する。その際必要に応じて潜水夫が水槽内に潜り、止水シェルタ1の設置位置を微調整する。なお水槽内の作業対象領域が水槽の側壁面である場合には、止水シェルタを横にした状態で吊り上げて設置する。止水シェルタを設置すると、図3(3)に示すように止水シェルタの下端開口縁部に配設された水膨張型止水材30が周囲の水を吸収し、作業対象領域42表面の凹部を埋めるように膨張し、止水シェルタの開口縁部と前記止水対象領域との間隙部分が自動的に密閉・止水される。
【0020】
次に、水槽内に設置した止水シェルタ内部の排水をする(ステップ106)。止水シェルタ1内部に水中ポンプ50を設置し、水中ポンプの排出口を止水シェルタの排出口18にホース52により連結して、止水シェルタ1内部の排水を行う。排水後には水中ポンプ50を撤去する。なお外部のコンクリート床上にポンプを設置し、止水シェルタ内の水を吸水して止水シェルタ外の水槽に排水するようにしてもよい。以上により作業対象領域にドライエリアが形成され、人による作業が可能となる。なお、水槽内の作業対象領域が水槽の側壁面や水深の著しく深い場所である場合、上面が密閉閉塞され作業対象領域に相対する部分にのみ開口面を有する止水シェルタを使用する。その場合作業者が止水シェルタ内部に入ってから排水を行う。また止水シェルタ内に空気を送り込まないと止水シェルタ内の排水ができないため、排水作業は送気作業と同時に行う。
【0021】
次に、サポート部材により水槽上方のコンクリート床に止水シェルタを固定する(ステップ108)。サポート部材54は、固定部材たる鋼板54a、54bを、相互に回動可能にヒンジ55により結合して形成する。鋼板において止水シェルタおよびコンクリート床と固定される部分には、長穴56を穿設する。なお、固定部材は高い剛性を有するものであれば鋼板に限らず鋼棒等でもよいし、固定部材の結合手段は固定部材が相互に回動可能となるものであればヒンジ結合に限らずピン結合等でもよいし、固定部材に穿設する穴は固定部材の固定位置を調整しうるものであれば長穴に限らず複数の調整穴でもよい。なおサポート部材54に梯子58を設ければ、止水シェルタ1の梯子16と連続させることができ、別途梯子を用意する必要がなくなる。上記のように構成したサポート部材54につき、一方の鋼板54aを止水シェルタに、他方の鋼板54bをコンクリート床に、ボルトまたはナットで固定する。その際サポート部材におけるヒンジ部分の角度およびボルト止めする長穴上の位置を調整しながら、できるだけ止水シェルタの姿勢を変えることなくコンクリート床に固定するようにする。
【0022】
上記のように構成した止水シェルタを使用することにより、局所排水作業等の止水作業が容易化できる。大型の止水壁を設置する従来の止水工事方法では、水中での表面状態の調査が困難であり、潜水夫による止水壁下端部の止水作業に多大な労力を要するという問題があった。この点本実施形態にかかる止水シェルタは、止水対象領域に相対する開口面を有するシェルタ本体と、シェルタ本体の開口縁部に配設された水膨張型止水材とを有する構成としたので、水膨張型止水材が膨張してシェルタ本体の開口縁部と止水対象領域との間隙部分が自動的に密封・止水されるから、水中での調査や止水作業が不要となる。従って局所排水作業が容易化できる。なお本実施形態に係る止水シェルタおよび止水工事方法を用いれば、水槽に隣接する設備機器ひいては施設全体の機能を停止させる必要がないことは言うまでもない。
【0023】
また上記のように構成した止水シェルタを使用することにより、止水性能が向上する。従来の止水工事方法は、上述したように潜水夫による止水作業に頼っていたため、作業対象領域の表面状態によっては止水作業が不完全となり、止水性能が十分に確保できず水漏れが発生する場合があった。この点本実施形態にかかる止水シェルタは、止水対象領域に相対する開口面を有するシェルタ本体と、シェルタ本体の開口縁部に配設された水膨張型止水材とを有する構成としたので、水槽内における作業対象領域等の止水対象領域の表面状態に応じて凹部を埋めるように水膨張型止水材が膨張し、これに止水シェルタの自重が加えられることで、高度の止水性能を発揮しうる。
【0024】
また、設置した止水シェルタの姿勢は止水対象領域の表面状態により様々となるが、水槽上方のコンクリート床等に固定する際に止水シェルタの姿勢を変えてしまうと、下端部にすきまが生じて水漏れが発生するという問題がある。そこで止水シェルタを水槽内に設置した後、固定部材を相互に回動可能に結合したサポート部材の前記固定部材に穿設された長穴または複数の調整穴を用いて一方の前記固定部材を止水シェルタへ固定し他方の前記固定部材をコンクリート床等へ固定する。その際回動可能結合および長穴または複数の調整穴が止水シェルタの姿勢の多様性を吸収し、止水シェルタの姿勢を変えることなくコンクリート床等に固定することができるから、止水シェルタ下端部にすきまを生じることがなく止水性能を低下させることがない。なおかつ以後止水シェルタの揺動が規制されるから、高度の止水性能を継続して発揮しうる。
【0025】
さらに上記のような止水シェルタを使用することにより、コストが削減できる。従来は水槽内に大型の止水壁を設置した上で潜水夫が止水作業を行って、ドライエリアを確保していた。これに対し本実施形態に係る止水シェルタは、止水対象領域に相対する開口面を有するシェルタ本体と、前記シェルタ本体の開口縁部に配設された水膨張型止水材とを有する構成としたので、水槽内の作業対象領域等の止水対象領域に相当する大きさの開口面を有する止水シェルタを形成すればよく、また水膨張型止水材を配設するだけで開口縁部の止水が可能であるから、コストが削減できる。
【0026】
また、複数のシェルタユニットを連結して止水シェルタを構成するので、シェルタユニットの個数を調節することにより作業をする水槽の水深に合わせてシェルタ本体の高さを調節することができ、作業の度に別の止水シェルタを製作する必要がなくコストを削減することができる。さらに、各シェルタユニットにつき各部を別々に形成してボルト等で連結する構成とすれば、作業対象領域の大きさに合わせて大きさの異なるシェルタユニットに組み替えることができ、作業の度に別の止水シェルタを製作する必要がなくコストを削減することができる。加えて、別途形成した接触部フランジを連結用フランジにボルトで固定する構成とすれば、シェルタ本体下端のシェルタユニットだけを特殊なシェルタユニットに形成する必要がなく、コストを削減することができる。一方、各シェルタユニットに梯子を形成した上で各シェルタユニットを連結する構成としたので、梯子がシェルタ本体の上から下まで連続することになり、止水シェルタの高さに合わせた昇降用の梯子を別途用意する必要がなくコストを削減することができる。
【0027】
【発明の効果】
止水対象領域に相対する開口面を有し、開口縁部に配設する水膨張型止水材により前記開口縁部と前記止水対象領域との間隙部分を密封・止水するシェルタ本体と、長穴または複数の調整穴を穿設した固定部材を相互に回動可能に形成し、一方の前記固定部材を前記シェルタ本体へ固定し他方の前記固定部材を他の構造物へ固定位置を調整可能に固定するサポート部材と、を備えた構成としたので、潜水夫による止水作業が不要となるとともに、高度の止水性能を発揮しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】止水工事方法の説明図である。
【図2】止水シェルタの説明図である。
【図3】止水シェルタの部分断面図であり、同図(1)は連結用フランジ部分の縦断面図であり、同図(2)は接触部フランジ部分の縦断面図であり、同図(3)は水膨張型止水材の膨張状態の縦断面図である。
【図4】止水工事方法のブロック図である。
【符号の説明】
1………止水シェルタ、5………シェルタ本体、10………シェルタユニット、
12………連結用フランジ、12a………連結ボルト設置孔、
12b………連結ボルト、16………梯子、18………排水口、
20………接触部フランジ、22………溝部、30………水膨張型止水材、
40………汚水槽、42………作業対象領域、
44………コンクリート床、44a………孔、
50………水中ポンプ、52………ホース、
54………サポート部材、54a、54b………鋼板、55………ヒンジ、
56………長穴、58………梯子
Claims (2)
- 止水対象領域に相対する開口面を有し、開口縁部に配設する水膨張型止水材により前記開口縁部と前記止水対象領域との間隙部分を密封・止水するシェルタ本体と、
長穴または複数の調整穴を穿設した固定部材を相互に回動可能に形成し、一方の前記固定部材を前記シェルタ本体へ固定し他方の前記固定部材を他の構造物へ固定位置を調整可能に固定するサポート部材と、
を備えたことを特徴とする止水シェルタ。 - 開口面を有するシェルタを止水対象領域に相対して設置し、前記シェルタの開口縁部に配設された水膨張型止水材により前記開口縁部と前記止水対象領域との間隙部分を密閉・止水させ、前記シェルタの内部または外部につき排水または給水をして、前記シェルタを止水対象領域に設置した後、固定部材を相互に回動可能に結合したサポート部材の前記固定部材に穿設された長穴または複数の調整穴を用いて一方の前記固定部材を前記シェルタへ固定し他方の前記固定部材を他の構造物へ固定して、前記シェルタの揺動を規制することを特徴とする止水工事方法。
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