JP3707320B2 - 画像処理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データを所定の仕様で処理する画像処理回路がそれぞれ組み込まれる走査装置及び印刷装置を有する画像処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今の情報処理技術の進歩に伴ない、近年では、多くの製造業者により様々な画像処理システムが市販され、各種の画像処理システムが一般に普及するようになった。このような画像処理システムとして、例えば、原稿を光学的に読み取り電子画像データに変換するスキャナや受信された画像データを記録媒体上に印刷するプリンタがよく知られている。これらスキャナ及びプリンタは、一般的には、パーソナルコンピュータへ個々に接続されて、若しくは、互いに接続されて使用され、前者の場合、両機器はパーソナルコンピュータを通じて画像データを伝送し、また、一方、後者の場合には、直接に画像データを伝送する。
特に、スキャナとプリンタとが互いに接続されて複写処理を行う画像処理システムを構成する後者の場合、通常、上記各機器には所定の画像処理回路がそれぞれ組み込まれ、画像データは、各機器の画像処理回路において処理されつつ両機器間で伝送されるようになっている。
【0003】
ところで、このような画像処理システムでは、通常、スキャナ及びプリンタが、それぞれ、解像度,カラー/モノクロ,階調数に関して固有の仕様を有しており、各機器においては、その仕様に基づき画像データが処理されるようになっている。このとき、画像データが各機器における画像処理回路により逐次処理され、所望の品質を備えたコピーが作成されるには、画像データが両機器の画像処理回路において同一の仕様で処理される必要がある。このため、固有の仕様を有するスキャナ及びプリンタでは、互いに同一の仕様を有するもの同士を接続することになる。
このように、スキャナ及びプリンタが共に固有の仕様を有する場合には、接続される他の機器との対応性について乏しく、例えば、プリンタを仕様の異なるものに買い換える場合には、スキャナについてもそれと同じ仕様を有するものに買い換える必要が生じて来る。これは、顧客のコスト面における負担を重くする要因であった。
【0004】
かかる問題に応じて、例えば全ての組合せに対応するように各種の画像処理回路を予め搭載し、これらを切り換えることにより、従来の構成でも異なる仕様を有する機器同士の接続は可能である。しかし、この場合には、複数の画像処理回路を設ける必要があり、このため、回路規模が増大し、コストアップを招来する惧れがある。また、この場合には、更に別の仕様を有する新規の装置に対応不可能であるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これに関連して、互いに仕様の異なる走査装置及び印刷装置が接続されてなる複写処理用の画像処理システムを考える。この画像処理システムでは、走査装置及び印刷装置の少なくとも一方において、それに組み込まれる画像処理回路の一部に、プログラム可能な論理モジュールを規則的に並べ、その間に配線領域を用意して、論理モジュールと配線領域をプログラムに応じて接続することで所望の論理を実現するデバイスが使用される。かかる画像処理回路は、与えられた回路構成情報に基づき画像データの処理仕様について設定可能であり、この画像処理回路が、他方の装置における画像処理回路の仕様情報に応じて、それと同じ処理仕様を有するように設定されることにより、仕様の異なる走査装置及び印刷装置を互いに接続させて複写処理を行うことができる。
【0006】
前述した画像処理システムでは、与えられた回路構成情報に基づき画像データの処理仕様について設定可能な画像処理回路が組み込まれた装置と接続される他方の装置を変更した場合に、該画像処理回路に対して、新規の装置の仕様情報に対応する回路構成情報が転送されるようになっている。このため、前回と等しい仕様が要求される場合にも、上記画像処理回路に対して前回と同一の回路構成情報を転送する必要がある。上記画像処理回路は、再度転送されてきた回路構成情報に基づき、前回と同じ回路を設定することになる。すなわち、この場合には、回路構成情報の転送時間と回路構成情報に基づく回路の設定時間の双方が必要となり、他方の装置の変更前後で異なる仕様が要求される場合と同等に、装置の立上り時間が長くなる。
【0007】
そこで、本発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、画像データの処理仕様について設定可能な画像処理回路が組み込まれた装置と接続される他方の装置を変更するに際して、装置の平均的な立上り時間を短縮し得る画像処理システムを提供することを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1に係る発明は、原稿を光学的に読み取り電子画像データに変換する走査装置と該走査装置から受信された画像データを記録媒体上に印刷する印刷装置とを有する画像処理システムにおいて、上記走査装置及び印刷装置が、それぞれ、画像データを所定の仕様で処理する画像処理回路を有しており、上記両装置の少なくとも一方において、上記画像処理回路が、与えられた回路構成情報に基づき画像データの処理仕様について設定可能であり、該画像処理回路が、他方の装置における画像処理回路の仕様情報に応じて、上記画像データの処理仕様について設定されるようになっており、上記他方の装置の変更に際して、新規の装置の仕様情報に対応した回路構成情報と、前回の画像処理回路における画像データの処理仕様の設定に用いられた回路構成情報とを比較し、これらの回路構成情報が同一である場合に、上記画像処理回路における画像データの処理仕様の設定を改めて行わず、また、一方、回路構成情報が同一でない場合には、上記新規の装置の仕様情報に対応した回路構成情報に基づく画像データの処理仕様の設定を行うようにしたことを特徴としたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
実施の形態1.
図1に、本発明の実施の形態1に係る画像処理システムの構成を示す。この画像処理システム10は、原稿を光学式に読み取り電子画像データに変換するスキャナ3と、該スキャナ3から受信された画像データを記録媒体上に印刷するプリンタ11とを有しており、これらスキャナ3及びプリンタ11は互いに接続され、各種の情報を送受信しつつ、共働して複写処理を行う。
基本的な構成として、上記スキャナ3は、原稿を読み取り電子画像データに変換するCCD4と、スキャナ3の出力側近傍に設けられ、CCD4により得られた画像データを処理した上で出力する画像処理回路5と、スキャナ3内の各部の動作を制御するCPU6と、スキャナ用回路データファイル7とを有している。他方、上記プリンタ11は、その入力側近傍に設けられ、上記スキャナ3から受信した画像データを処理する画像処理回路12と、画像データを用紙上に現像し印刷するレーザ13(図中のLD)と、プリンタ11内の各部の動作を制御するCPU14とを有している。
【0010】
上記スキャナ3とプリンタ11との間では、複写処理に際して、図1に示すように、スキャナ3側の画像処理回路5からプリンタ11側の画像処理回路12へ画像データが直接に供給され、また、スキャナ3側のCPU6及びプリンタ11側のCPU14が、他方の機器の種類や動作状態を識別するように、互いに通信し合う。このとき、上記各画像処理回路5及び12では、それぞれ、例えば解像度,カラー/モノクロ,階調数について所定の仕様に基づき画像データが処理されるようになっており、前述したように、画像データが各画像処理回路5及び12により逐次処理されるためには、画像処理回路5及び12において同一の仕様に基づきデータ処理が行われる必要がある。
【0011】
この必要に応じて、上記画像処理システム10では、スキャナ3内に組み込まれる画像処理回路5として、与えられた回路構成情報に基づき画像データの処理仕様について設定可能なものが用いられている。この実施の形態では、かかる画像処理回路の一部に、従来知られている書込み可能ゲート・アレイ5a(所謂、FPGA(Field Programmable gatearray))を用いるようにした。尚、このFPGA自体は従来より公知の技術であるので、本件では、詳細な回路構成等の説明については省略する。このFPGA5aによれば、プログラム可能な論理モジュールを規則的に並べ、その間に配線領域を用意して、論理モジュールと配線領域をプログラムに応じて接続することで所望の論理を実現することができ、これにより、与えられた各種のプログラムに基づき、画像データを様々な仕様で処理することが可能である。
また、更に、この実施の形態では、スキャナ3内に、上記画像処理回路5に付与されるプログラム、つまり回路構成情報(以下、回路データという)を複数保存する回路データファイル7が設けられている。
【0012】
かかる構成を備えた画像処理システム10では、複写処理に際して、スキャナ3側の画像処理回路5の仕様が、次のように設定される。
まず、上記スキャナ3とプリンタ11とが互いに接続された状態で、両者に組み込まれたCPU6とCPU14との間との通信により、プリンタ11側の画像処理回路12で採用される仕様が識別される。スキャナ3では、識別された仕様に対応する回路データが、上記回路データファイル7から選択され、CPU6を経由して上記画像処理回路5へ送られる。上記CPU6と画像処理回路5とは、図2に示すように、CPUバス9を介して互いに接続されており、回路データファイル7から選択された回路データは、上記CPU6を経由した後、上記CPUバス9を通じて画像処理回路5へ送られる。画像処理回路5では、上記回路データファイル7から選択された回路データに基づき、FPGA5aの論理モジュールと配線領域とが接続されて、画像データの処理仕様が設定される。
【0013】
このように、プリンタ11の仕様情報に応じて、スキャナ3における画像処理回路5が画像データの処理仕様について設定されることにより、画像処理回路5は、プリンタ11側の画像処理回路12の仕様と同一の仕様で画像データを処理することが可能となる。
【0014】
かかる画像処理回路5の仕様の設定は、上記画像処理システム10において、スキャナ3又はプリンタ11への電源投入時やスキャナ3に接続されるプリンタ11の変更時に必然的に行われるようになっている。例えばプリンタ11を変更する場合、新規のプリンタ11がスキャナ3に接続されると、即座に、プリンタ11側の画像処理回路12の仕様情報が識別され、続いて、この仕様情報に対応した回路データが回路データファイル7から選択され、スキャナ3側のCPU6へ送られる。この実施の形態では、スキャナ3側のCPU6において、新規のプリンタ11の仕様情報に対応した回路データと、旧プリンタ11の仕様情報に対応した回路データ、すなわち前回のスキャナ3側の画像処理回路5における仕様の設定に用いられた回路データとが比較される。その結果、これらの回路データが同一である場合には、画像処理回路5における仕様の設定を改めて行わないようにする。
なお、かかるプリンタ11の変更の間に、スキャナ3に対する電源はオン状態に維持されており、この間に、画像処理回路5において設定されている仕様は保持される。
【0015】
図3は、上記画像処理システム10における、プリンタ11の変更時における画像処理回路の仕様の設定についてのフローチャートである。
新規のプリンタ11が接続されると、まず、その仕様情報が識別され、該仕様情報に対応した回路データが回路データファイル7からCPU6へ送られて受信される(♯21)。次に、CPU6は、新たに受信した回路データと、前回のスキャナ3側の画像処理回路5における仕様の設定に用いられた回路データとを比較する(♯22)。その結果、両者が不一致である場合には、新たに受信した回路データが画像処理回路5に送られ、その回路データに基づき、画像処理回路5は、画像データの処理仕様について設定される(♯23)。また、一方、♯22において、両者が一致する場合には、新たに受信した回路データを破棄し、処理が継続される(♯24)。
【0016】
このように、上記画像処理システム10では、プリンタ11の変更に際して、新規のプリンタ11が前回と同一の仕様を有すると判断される場合、スキャナ3において、画像処理回路5の仕様の設定を改めて行わないようにすることにより、新規のプリンタ11への変更時に要する仕様の設定時間、すなわち装置の停止時間を短縮することができる。
【0017】
以下、本発明の他の実施の形態について説明する。尚、以下の説明では、前述した実施の形態1における場合と同一のものについては同じ符号を付し、それ以上の説明は省略する。
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2に係る画像処理システムの構成を示す説明図である。この画像処理システム20は、前述した実施の形態1の場合と同じ構成を有するもので、この実施の形態2では、上記スキャナ22側の画像処理回路5に付与される回路データを複数保存する回路データファイル37が、プリンタ31側に設けられる。
【0018】
この画像処理システム20では、プリンタの変更に際して、スキャナ22側の画像処理回路5の仕様が、次のように設定される。
新規のプリンタ31が接続されると、まず、上記スキャナ23とプリンタ31とが互いに接続された状態で、両者に組み込まれたCPU26とCPU34との間の通信により、プリンタ31側の画像処理回路12の仕様が識別される。スキャナ22では、識別された仕様に対応する回路データがプリンタ31内に設けられた回路データファイル37から選択される。選択された回路データは、プリンタ31側のCPU34を経由して、スキャナ22側のCPU26へ送られ受信される。
【0019】
続いて、上記スキャナ22側のCPU26では、新規のプリンタ31の仕様情報に対応した回路データと、前回の画像処理回路5における仕様の設定に用いられた回路データとが比較される。その結果、これらの回路データが不一致である場合には、新規のプリンタ31の仕様情報に対応した回路データが、スキャナ22側の画像処理回路5に送られる。該画像処理回路5では、上記回路データファイル37から転送された回路データに基づき、FPGA5aの論理モジュールと配線領域とが接続されて、新規のプリンタ31側の画像処理回路12の仕様と同一の画像データの処理仕様が設定される。
また、一方、上記スキャナ22側のCPU26により回路データが比較された結果、回路データが同一である場合には、新規の回路データが破棄され、前回の画像処理回路5における仕様の設定に基づいて画像データの処理が継続される。
【0020】
このように、上記画像処理システム20では、プリンタの変更に際して、新規のプリンタ31が前回と同一の仕様を有すると判断される場合、スキャナ22において、画像処理回路5の仕様の設定を改めて行わないようにすることにより、新規のプリンタ31への変更時に要する仕様の設定時間、すなわち装置の停止時間を短縮することができる。
【0021】
実施の形態3.
図5は、本発明の実施の形態3に係る画像処理システムの構成を示す説明図である。前述した実施の形態では、与えられた回路データに基づき画像データの処理仕様について設定可能な画像処理回路が、スキャナ側に組み込まれていた。この実施の形態3では、かかる画像処理回路52が、プリンタ51側に組み込まれており、スキャナ42側の画像処理回路45の仕様に応じて、プリンタ51側の画像処理回路52の仕様が設定されるようになっている。
【0022】
この画像処理システム40では、スキャナの変更に際して、プリンタ51側の画像処理回路52の仕様が、次のように設定される。
新規のスキャナ42が接続されると、まず、上記スキャナ42とプリンタ51とが互いに接続された状態で、両者に組み込まれたCPU46とCPU54との間の通信により、スキャナ42側の画像処理回路45で採用される仕様が識別される。プリンタ51では、識別された仕様に対応する回路データがスキャナ42内に設けられた回路データファイル47から選択される。選択された回路データは、スキャナ42側のCPU46を経由して、プリンタ51側のCPU54へ送られ受信される。
【0023】
続いて、プリンタ51側のCPU54では、新規のスキャナ42の仕様情報に対応した回路データと、前回の画像処理回路52における仕様の設定に用いられた回路データとが比較される。その結果、これらの回路データが不一致である場合には、新規のスキャナ42の仕様情報に対応した回路データが、プリンタ51側の画像処理回路52へ送られる。該画像処理回路52では、上記回路データファイル37から転送された回路データに基づき、FPGA52aの論理モジュールと配線領域とが接続されて、新規のスキャナ42側の画像処理回路45の仕様と同一の画像データの処理仕様が設定される。
また、一方、上記プリンタ51側のCPU54により回路データが比較された結果、回路データが同一である場合には、新規の回路データが破棄され、前回の画像処理回路52における仕様の設定に基づいて画像データの処理が継続される。
【0024】
このように、上記画像処理システム40では、スキャナの変更に際して、新規のスキャナ42が前回と同一の仕様を有すると判断される場合、プリンタ51において、画像処理回路52の仕様の設定を改めて行わないようにすることにより、新規のスキャナ42への変更時に要する仕様の設定時間、すなわち装置の停止時間を短縮することができる。
【0025】
実施の形態4.
図6は、本発明の実施の形態4に係る画像処理システムの構成を示す説明図である。この画像処理システム60は、前述した実施の形態3の場合と同じ構成を有するもので、この実施の形態4では、プリンタ71側の画像処理回路52に付与される回路データを複数保存する回路データファイル77が、プリンタ71側に設けられる。
【0026】
この画像処理システム60では、スキャナの変更に際して、プリンタ71側の画像処理回路52の仕様が、次のように設定される。
新規のスキャナ62が接続されると、まず、上記スキャナ62とプリンタ71とが互いに接続された状態で、両者に組み込まれたCPU66とCPU74との間の通信により、スキャナ62側の画像処理回路45の仕様が識別される。プリンタ71では、識別された仕様に対応する回路データが、プリンタ71内に設けられた回路データファイル77から選択される。選択された回路データは、上記プリンタ71側のCPU74へ送られ受信される。
【0027】
続いて、上記プリンタ71側のCPU74では、新規のプリンタ71の仕様情報に対応した回路データと、前回の画像処理回路52における仕様の設定に用いられた回路データとが比較される。その結果、これらの回路データが不一致である場合には、新規のスキャナ62の仕様情報に対応した回路データが、プリンタ71側の画像処理回路52に送られる。該画像処理回路52では、上記回路データファイル77から転送された回路データに基づき、FPGA52aの論理モジュールと配線領域とが接続されて、新規のスキャナ62側の画像処理回路45の仕様と同一の画像データの処理仕様が設定される。
また、一方、上記プリンタ71側のCPU74により回路データが比較された結果、回路データが同一である場合には、新規の回路データが破棄され、前回の画像処理回路52における仕様の設定に基づいて画像データの処理が継続される。
【0028】
このように、上記画像処理システム60では、スキャナの変更に際して、新規のスキャナ62が前回と同一の仕様を有すると判断される場合、プリンタ71において、画像処理回路52の仕様の設定を改めて行わないようにすることにより、新規のスキャナ62への変更時に要する仕様の設定時間、すなわち装置の停止時間を短縮することができる。
【0029】
実施の形態5.
図7は、本発明の実施の形態5に係る画像処理システムの構成を示す説明図である。
この画像処理システム80は、スキャナとして、カラースキャナ82Aと解像度1200dpiのモノクロスキャナ82Bとを有し、また、一方、プリンタとして、カラープリンタ91Aと解像度1200dpiのモノクロプリンタ91Bと解像度600dpiのモノクロプリンタ91Cとを有している。上記スキャナ82A,82Bは、それぞれ、所定の通信回線を介して、プリンタ91A,91B及び91Cと接続されており、スキャナ82A,82B側に設けられたCPU86A,86Bとプリンタ91A,91B,91C側に設けられたCPU94A,94B,94Cとの間では、通信が可能である。
【0030】
この実施の形態では、上記スキャナ82A,82B及びプリンタ91A,91B及び91Cの全てについて、それらに組み込まれる画像処理回路85A,85B,92A,92B,92Cが、与えられた回路データに応じて画像データの処理仕様について設定可能である。また、これら各画像処理回路85A,85B,92A,92B,92Cに送られる回路データを保存する手段としての回路データファイルが、上記モノクロスキャナ82B内に設けられている。更に、この実施の形態では、プリンタ91A,91B及び91Cが、その画像データ入力側に、それぞれ、上記スキャナの種類に対応する数(ここでは2つ)の入力部を有しており、各画像処理回路92A,92B,92C毎に、スキャナ82A,82Bからの画像データの入力に際して、必要な方が選択されるようになっている。
【0031】
かかる構成を備えた画像処理システム80では、スキャナ又はプリンタを変更するに際して、両者に組み込まれた画像処理回路の仕様が、以下のように設定される。
第一に、新規のスキャナ82A,82B側の画像処理回路85A,85Bの仕様に応じて、プリンタ91A,91B,91C側の画像処理回路92A,92B,92Cの仕様が設定される場合について考える。この場合には、新規のスキャナ82A,82Bが接続されると、まず、スキャナ82A,82B側のCPU86A,86Bとプリンタ91A,91B,91C側のCPU94A,94B,94Cとの間の通信により、新規のスキャナ82A,82B側の画像処理回路85A,85Bの仕様が識別される。プリンタ91A,91B,91は、それぞれ、上記画像処理回路85A,85Bのいずれか一方の仕様に応じ、上記通信回線を通じて、上記モノクロスキャナ82B内に設けられた回路データファイル87から回路データを選択する。選択された回路データは、モノクロスキャナ82BのCPU86Bを経由して、プリンタ91A,91B,91C側の各CPU94A,94B,94Cへ送られ受信される。
【0032】
続いて、上記プリンタ91A,91B,91C側のCPU94A,94B,94Cでは、新規のスキャナ82A,82Bの仕様情報に対応した回路データと、前回の画像処理回路92A,92B,92Cにおける仕様の設定に用いられた回路データとが比較される。その結果、これらの回路データが不一致である場合には、新規のスキャナ82A,82Bの仕様情報に対応した回路データが、プリンタ91A,91B,91C側の画像処理回路92A,92B,92Cに送られる。該画像処理回路92A,92B,92Cでは、それぞれ、上記回路データファイル87から転送された回路データに基づき、各FPGA92a,92b,92cの論理モジュールと配線領域とが接続されて、新規のスキャナ82A,82B側の画像処理回路85A,85Bの仕様と同一の画像データの処理仕様が設定される。
また、一方、上記プリンタ91A,91B,91C側のCPU94A,94B,94Cにより回路データが比較された結果、回路データが同一である場合には、新規の回路データが破棄され、前回の画像処理回路92A,92B,92Cにおける仕様の設定に基づいて画像データの処理が継続される。
【0033】
第二に、新規のプリンタ91A,91B,91C側の画像処理回路92A,92B,92Cの仕様に応じて、スキャナ82A,82B側の画像処理回路85A,85Bの仕様が設定される場合について考える。この場合には、まず、スキャナ82A,82B側のCPU86A,86Bとプリンタ91A,91B,91C側のCPU94A,94B,94Cとの間の通信により、新規のプリンタ91A,91B,91C側の画像処理回路92A,92B,92Cの仕様が識別される。スキャナ82A,82Bは、それぞれ、それら画像処理回路92A,92B,92Cのいずれか一の仕様に応じ、上記モノクロスキャナ82B内に設けられた回路データファイル87から回路データを選択する。選択された回路データは、モノクロスキャナ82B側のCPU86Bへ、若しくは、このCPU86Bを経由して、カラースキャナ82A側のCPU86Aへ送られ受信される。
【0034】
続いて、上記スキャナ82A,82B側のCPU86A,86Bでは、新規のプリンタ91A,91B,91Cの仕様情報に対応した回路データと、前回の画像処理回路85A,85Bにおける仕様の設定に用いられた回路データとが比較される。その結果、これらの回路データが不一致である場合には、新規のプリンタ91A,91B,91Cの仕様情報に対応した回路データが、スキャナ82A,82B側の画像処理回路85A,85Bに送られる。該画像処理回路85A,85Bでは、それぞれ、上記回路データファイル87から転送された回路データに基づき、各FPGA85a,85bの論理モジュールと配線領域とが接続されて、新規のプリンタ91A,91B,91C側の画像処理回路92A,92B,92Cの仕様と同一の画像データの処理仕様が設定される。
また、一方、上記スキャナ82A,82B側のCPU86A,86Bにより回路データが比較された結果、回路データが同一である場合には、新規の回路データが破棄され、前回の画像処理回路85A,85Bにおける仕様の設定に基づいて画像データの処理が継続される。
【0035】
このように、上記画像処理システム80では、スキャナ又はプリンタの変更に際して、新規のスキャナ82A,82B又はプリンタ91A,91B,91Cが前回と同一の仕様を有すると判断される場合、スキャナ82A,82B又はプリンタ91A,91B,91Cにおいて、各画像処理回路85A,85B又は92A,92B,92Cの仕様の設定を改めて行わないようにすることにより、新規のスキャナ82A,82B又はプリンタ91A,91B,91Cへの変更時に要する仕様の設定時間、すなわち装置の停止時間を短縮することができる。
【0036】
なお、本発明は、例示された実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】
本願の発明によれば、原稿を光学的に読み取り電子画像データに変換する走査装置と該走査装置から受信された画像データを記録媒体上に印刷する印刷装置とを有する画像処理システムにおいて、上記走査装置及び印刷装置が、それぞれ、画像データを所定の仕様で処理する画像処理回路を有しており、上記両装置の少なくとも一方において、上記画像処理回路が、与えられた回路構成情報に基づき画像データの処理仕様について設定可能であり、該画像処理回路が、他方の装置における画像処理回路の仕様情報に応じて、上記画像データの処理仕様について設定されるようになっており、上記他方の装置の変更に際して、新規の装置の仕様情報に対応した回路構成情報と、前回の画像処理回路における画像データの処理仕様の設定に用いられた回路構成情報とを比較し、これらの回路構成情報が同一である場合に、上記画像処理回路における画像データの処理仕様の設定を改めて行わず、また、一方、回路構成情報が同一でない場合には、上記新規の装置の仕様情報に対応した回路構成情報に基づく画像データの処理仕様の設定を行うようにするので、新規の装置への変更時に要する仕様の平均的な設定時間、すなわち装置の平均的な停止時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る画像処理システムの構成を示す説明図である。
【図2】 上記画像処理システムのスキャナにおける画像処理回路(FPGA)のブロック図である。
【図3】 上記スキャナにおける回路データの比較処理についてのフローチャートである。
【図4】 本発明の実施の形態2に係る画像処理システムの構成を示す説明図である。
【図5】 本発明の実施の形態3に係る画像処理システムの構成を示す説明図である。
【図6】 本発明の実施の形態4に係る画像処理システムの構成を示す説明図である。
【図7】 本発明の実施の形態5に係る画像処理システムの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
3…スキャナ
5…画像処理回路
5a…FPGA
6…スキャナ側のCPU
7…回路データファイル
10…画像処理システム
11…プリンタ
12…画像処理回路
14…プリンタ側のCPU
Claims (1)
- 原稿を光学的に読み取り電子画像データに変換する走査装置と該走査装置から受信された画像データを記録媒体上に印刷する印刷装置とを有する画像処理システムにおいて、
上記走査装置及び印刷装置が、それぞれ、画像データを所定の仕様で処理する画像処理回路を有しており、
上記両装置の少なくとも一方において、上記画像処理回路が、与えられた回路構成情報に基づき画像データの処理仕様について設定可能であり、該画像処理回路が、他方の装置における画像処理回路の仕様情報に応じて、上記画像データの処理仕様について設定されるようになっており、
上記他方の装置の変更に際して、新規の装置の仕様情報に対応した回路構成情報と、前回の画像処理回路における画像データの処理仕様の設定に用いられた回路構成情報とを比較し、これらの回路構成情報が同一である場合に、上記画像処理回路における画像データの処理仕様の設定を改めて行わず、また、一方、回路構成情報が同一でない場合には、上記新規の装置の仕様情報に対応した回路構成情報に基づく画像データの処理仕様の設定を行うようにしたことを特徴とする画像処理システム。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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