JP3707069B2 - 粉末成形体の焼結方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉末冶金における粉末成形体の焼結技術に係わり、さらに詳しくは肉厚差のある粉末成形体の焼結に際して、肉厚差に基づく昇温速度の相違によって生じる熱膨張差に起因する焼結体の割れを防止することができる粉末成形体の焼結方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
粉末冶金における焼結工程においては、従来、原料粉末を圧縮成形した粉末成形体を金網(バッチ式炉)あるいはメッシュベルト(連続式炉)の上に直接、あるいはセラミックプレートを敷いた上に載置した状態で焼結するようにしていた。とくに、安定性に欠ける形状の部品の場合には、粉末成形体を安定した姿勢で支持することのできる形状のセラミックプレートを用いて焼結し、部品の変形や融着を防止するようにしていた。
【0003】
しかし、粉末成形体に肉厚差がある場合には、肉厚差による熱容量の相違によって昇温のタイミングがずれ、これが熱膨張の差を引き起こし、焼結中に割れが発生することがある。
【0004】
そこで、このような割れ発生を回避するため、従来では肉厚差を小さくするために余肉を設けて焼結し、焼結後に余肉を研削除去するような方法が採用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような余肉を設ける方法では、熱膨張差が緩和されて、焼結割れの防止がある程度可能であるものの、部品重量が増し、部品設計の自由度が小さくなるばかりでなく、材料が無駄になり、さらに研削除去するための工数や設備が余分に必要となることから部品コストが増大するという問題点があり、このような問題点を解消することが肉厚差のある部品の焼結における課題となっていた。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、従来の焼結技術における上記課題に着目してなされたものであって、肉厚差のある部品の焼結に際して、材料や工数を無駄にすることなく割れを防止することができ、部品コストを削減することができる粉末成形体の焼結方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係わる粉末成形体の焼結方法は、薄肉部分と厚肉部分とを一体的に備えた粉末成形体を焼結するに際して、薄肉部分を断熱治具に挟んだ状態で焼結する構成とし、本発明の請求項2に係わる粉末成形体の焼結方法は、薄肉部分と厚肉部分とを一体的に備えた粉末成形体を焼結するに際して、薄肉部分を断熱治具で覆った状態で焼結する構成としたことを特徴としており、粉末成形体の焼結方法におけるこのような構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0008】
また、本発明に係わる粉末成形体の焼結方法の望ましい実施の形態として請求項3に係わる焼結方法においては、上記断熱治具がセラミックスである構成としたことを特徴としている。
【0009】
【発明の作用】
本発明の請求項1に係わる粉末成形体の焼結方法においては、薄肉部分と厚肉部分とを一体的に備えた粉末成形体を焼結するに際して、断熱治具によって薄肉部分を挟んだ状態で焼結するようにしているので、断熱治具の温度上昇に伴って薄肉部分の温度が上昇するようになることから、薄肉部分の急激な温度上昇がなくなり、厚肉部分との熱膨張差が緩和される結果、焼結工程における割れが防止されることになる。
【0010】
また、本発明の請求項2に係わる粉末成形体の焼結方法においても、薄肉部分が断熱治具に覆われた状態で焼結されることから、同様に薄肉部分の急激な温度上昇が回避され、厚肉部分との熱膨張差が緩和されるので割れが防止されることになる。
【0011】
本発明の請求項3に係わる粉末成形体の焼結方法においては、断熱治具がセラミックス材料からなるものであるから、焼結部品に融着するようなことがなく、しかも熱容量および断熱効果が比較的大きいので、薄肉部分の急激な温度上昇が効果的に緩和されることになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる粉末成形体の焼結方法は、上記のように粉末成形体の薄肉部分を断熱治具でカバーすることにより当該薄肉部分の急激な温度上昇を阻止し、熱膨張差を緩和することにより割れを防止しようとするものであるが、このような焼結方法を適用することがとくに効果的な部品形状の例として、例えば図2(a)および(b)に示すように、歯車やスプロケットなどのような中央部にハブ部を備えた車輪状部品の場合には、粉末成形体1の厚肉部分1baの寸法b,cのうちの小さい方の寸法が薄肉部分1aの厚さaの2倍を超えると共に、薄肉部分1aの延出長さdがその厚さaの3倍を超える形状であって、しかも薄肉部分1aの外側に大きな厚肉部を持たない形状のものを挙げることができる。
【0013】
また、本発明に用いる断熱治具の材質としては、請求項3に記載しているような窒化硅素,アルミナなどのセラミック材の他には、例えばカーボンなど耐熱性に優れた材料を使用することができ、粉末成形体の薄肉部分の少なくとも半分以上の面積を上記治具によりカバーした状態で焼結することが望ましい。
【0014】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係わる粉末成形体の焼結方法は、薄肉部分と厚肉部分とを一体的に備えた粉末成形体の焼結に際し、薄肉部分を断熱治具によって挟んだ状態で焼結するものであるから、薄肉部分のみが急激に温度上昇するようなことがなくなり、厚肉部分との温度差およびこれによる熱膨張差を緩和することができ、焼結部品の割れを効果的に防止することができるという極めて優れた効果をもたらすものである。
【0015】
また、本発明の請求項2に係わる粉末成形体の焼結方法は、同じく薄肉部分と厚肉部分とを一体的に備えた粉末成形体の焼結において、薄肉部分を断熱治具で覆った状態で焼結するものであるから、同様に薄肉部分の急激な温度上昇を防止することができ、同様に焼結部品の割れの防止が可能になるという極めて優れた効果がもたらされる。
【0016】
本発明に係わる粉末成形体の焼結方法の実施の形態として請求項3に係わる粉末成形体の焼結方法においては、粉末成形体の薄肉部を挟んだり、覆ったりするための断熱治具として、セラミックス製の治具を用いるようにしているので、焼結部品との融着が防止できると共に、熱容量および断熱効果が比較的大きく、薄肉部分の急激な温度上昇をより効果的に防止することができる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。
【0018】
実施例1
エンジン用バキュームポンプドライブスプロケットをFe−Cu−C系材料を用いて焼結するに際して、まず、図1(a)に示すような外径Do=102mm、肉厚t=4mmの薄肉部分1aの中心位置に、径Dh=32mm、高さH=24.6mmのハブ部(厚肉部分1b)を備えた粉末成形体1を圧粉成形した。
【0019】
次に、図1(b)に示すように、それぞれ15mmおよび10mmの厚さを有し、一辺L=135mmの正方形をなし、窒化硅素(Si34)からなるセラミックプレートの中央部に内径Di=40mmの開口部を設けた断熱治具2および3を用意した。
【0020】
そして、図1(c)に示すように、焼結炉内の金網5の上に、厚さ15mmの治具2を敷いたのち、その上に前記粉末成形体1をハブ部1bが開口部に嵌合するように載置し、さらに粉末成形体1の上に厚さ10mmの治具3を載置し、薄肉部分1aを両断熱治具2および3の間に挟んだ状態で、650℃で脱ワックス処理を行い、さらに1140℃で15分間焼結することによって目的の焼結部品を得た。
【0021】
得られた焼結部品の温度が常温に低下するのを待って、外観検査を行うと共に、割れの発生しやすい部分を数箇所切断することによって焼結割れ発生の有無を調査した結果、外観検査、切断検査いずれの場合も、割れの発生は認められなかった。
【0022】
実施例2
実施例1と同種の材料によって、同様の部品を焼結するに際して、焼結炉内の金網5に敷いた厚さ15mmの断熱治具2の上に、粉末成形体1を同様に載置したのち、当該粉末成形体1に、同じく窒化硅素(Si34)からなり、図2(a)に示すような形状を備えた断熱治具4を、図2(b)に示すように、成形体1には直接触れないように被せ、粉末成形体1の薄肉部分1aのみを上記治具4によって覆った状態で、同様の脱ワックス処理および焼結処理を行い、これによって目的の焼結部品を得た。
【0023】
そして、得られた焼結部品について、同様に外観検査および切断検査を行った結果、いずれも割れの発生は認められなかった。
【0024】
比較例
実施例1と同種の材料によって、同様の部品を焼結するに際して、焼結炉内の金網5に、厚さ15mmの上記治具2を敷いて粉末成形体1を載置し、当該粉末成形体1の上には断熱治具3あるいは4を載置することなく、同様の条件のもとに脱ワックス処理および焼結処理を行うことによって焼結部品を得た。
【0025】
そして、得られた焼結部品について、同様の外観検査および切断検査を行った結果、薄肉部のルート部に割れが発生していることが確認された。
【0026】
上記のように、本発明に係わる粉末成形体の焼結方法においては、実施例1のように、薄肉部分と厚肉部分とを一体的に備えた粉末成形体の薄肉部分の上に断熱治具を載置し、薄肉部分を断熱治具で挟んで焼結することにより、あるいは実施例2のように、薄肉部分に直接載置することなく、断熱治具によって覆った状態で焼結することにより、焼結過程における割れの発生を効果的に防止できることが確認された。なお、発明者による数多くの実験結果によれば、本発明の焼結方法を適用することによって、薄肉部分の温度が厚肉部分に較べて150℃以上高くなることがなくなり、薄肉部の熱膨張率が厚肉部の熱膨張率に較べて0.12%以上高くはならないことが確認されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 本発明に係わる粉末成形体の焼結方法の実施例に用いた粉末成形体の形状および寸法を示す断面図である。
(b) 本発明に係わる粉末成形体の焼結方法の第1の実施例に用いた断熱治具の形状および寸法を示す斜視図である。
(c) 本発明に係わる粉末成形体の焼結方法の第1の実施例における粉末成形体に対する断熱治具の配置状態を示す説明図である。
【図2】(a) 本発明に係わる粉末成形体の焼結方法の第2の実施例に用いた断熱治具の形状を示す斜視図である。
(b) 本発明に係わる粉末成形体の焼結方法の第2の実施例における粉末成形体に対する断熱治具の配置状態を示す説明図である。
【図3】(a)および(b)は本発明に係わる粉末成形体の焼結方法を適用する粉末成形体の形状例を示すそれぞれ断面図である。
【符号の説明】
1 粉末成形体
1a 薄肉部分
1b 厚肉部分
2,3,4 断熱治具

Claims (3)

  1. 薄肉部分と厚肉部分とを一体的に備えた粉末成形体を焼結するに際して、薄肉部分を断熱治具に挟んだ状態で焼結することを特徴とする粉末成形体の焼結方法。
  2. 薄肉部分と厚肉部分とを一体的に備えた粉末成形体を焼結するに際して、薄肉部分を断熱治具で覆った状態で焼結することを特徴とする粉末成形体の焼結方法。
  3. 断熱治具がセラミックスであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の粉末成形体の焼結方法。
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