JP3022133B2 - セラミックスヒーター - Google Patents

セラミックスヒーター

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JP3022133B2
JP3022133B2 JP6017309A JP1730994A JP3022133B2 JP 3022133 B2 JP3022133 B2 JP 3022133B2 JP 6017309 A JP6017309 A JP 6017309A JP 1730994 A JP1730994 A JP 1730994A JP 3022133 B2 JP3022133 B2 JP 3022133B2
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隆介 牛越
淳司 左近
和宏 ▲のぼり▼
鍠一 梅本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックスヒーター
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エッチング装置、化学的気相成長
装置等の半導体装置においては、いわゆるステンレスヒ
ーターや、間接加熱方式のヒーターが一般的であった。
しかし、これらの熱源を用いると、ハロゲン系腐食性ガ
スの作用によってパーティクルが発生することがあり、
また熱効率が悪かった。こうした問題を解決するため、
本発明者は、緻密質セラミックス基材の内部に、高融点
金属からなるワイヤーを埋設したセラミックスヒーター
を提案した。このワイヤーは、円盤状基材の内部で螺旋
状に巻回されており、かつこのワイヤーの両端に端子を
接続する。こうしたセラミックスヒーターは、特に半導
体製造用として優れた特性を有していることが判った。
【0003】円盤状基材を構成するセラミックスとして
は、窒化珪素、窒化アルミニウム、サイアロン等を例示
できるが、本発明者の研究によれば、耐熱衝撃性の観点
からは窒化珪素が特に好ましい。抵抗発熱体を構成する
高融点金属としては、タングステン、モリブデン、これ
らの合金等が好ましい。こうしたセラミックスヒーター
を製造する際には、高融点金属からなるワイヤーを巻回
して巻回体を得、この巻回体の両端に端子を接続する。
一方、プレス成形機内に窒化珪素粉末を仕込み、ある程
度の硬さになるまで予備成形する。この際、予備成形体
の表面に、所定の平面的パターンに沿って連続的な凹部
ないし溝を設ける。巻回体をこの凹部に収容し、この上
に窒化珪素粉末を充填し、窒化珪素粉末を一軸加圧成形
して円盤状成形体を作成し、円盤状成形体をホットプレ
ス焼結させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、こうしたセラ
ミックスヒーターを、加熱─冷却のサイクルに繰り返し
供すると、抵抗発熱体の抵抗値が上昇したり、更には、
抵抗発熱体が断線したりすることがあった。
【0005】本発明の課題は、窒化物系セラミックスを
基材として使用したセラミックスヒーターを、加熱─冷
却のサイクルに繰り返し供し、長期間使用した場合に、
抵抗発熱体の抵抗値が上昇したり、抵抗発熱体が断線し
たりするのを、防止することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、窒化物系セラ
ミックスからなる基材と、この基材内に埋設された抵抗
発熱体とを有するセラミックスヒーターであって、窒化
物系セラミックスが窒化珪素または窒化アルミニウムで
あり、抵抗発熱体が、モリブデンまたはタングステンか
らなる本体と、この本体の外側に存在する、本体と基材
との反応によって生成した反応層であって、タングステ
ンシリサイド、タングステンアルミナイトまたはモリブ
デンアルミナイトからなる反応層と、この反応層の外側
に存在する非酸化物層とを備えており、この非酸化物層
が、TiN、Mo2 C、NbC、TiC、VC、Zr
C、WC、ZrN、TaCまたはTaNからなり、非酸
化物層の熱膨張係数が本体の熱膨張係数よりも大きいこ
とを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明者は、窒化物系セラミックスを基材とし
て使用したセラミックスヒーターを、加熱─冷却のサイ
クルに繰り返し供した場合に、抵抗発熱体の抵抗値が上
昇したり、抵抗発熱体が断線したりする原因を研究し
た。この結果、次のことが判明した。
【0008】即ち、高融点金属からなる抵抗発熱体を予
備成形体中に埋設し、予備成形体をホットプレス焼結さ
せると、焼成収縮時に、高融点金属と基材との熱膨張係
数の差により、抵抗発熱体に引張応力が生ずる。
【0009】図1を参照しつつ、例示によって説明す
る。図1において、抵抗発熱体2がタングステンからな
り、基材1が窒化珪素からなる場合には、抵抗発熱体2
の熱膨張、熱収縮の方が、基材1の熱膨張、熱収縮より
も大きい。
【0010】このため、焼成収縮時には、抵抗発熱体2
の収縮量の方が、これを取り囲む基材1の収縮量よりも
大きい。従って、抵抗発熱体2には、半径方向、円周方
向、長さ方向に引張応力が働く。また、焼成を終えたセ
ラミックスヒーターを、加熱─冷却サイクルに供した場
合にも、これと同様に、抵抗発熱体2に引張応力が働
く。
【0011】この応力のために、上記の焼成収縮時に
は、例えば抵抗発熱体3の表面2aに、微細な亀裂3が
入る。この亀裂3には、抵抗発熱体2の半径方向、円周
方向の引張応力によって発生する形態と、抵抗発熱体2
の長さ方向の引っ張り応力によって発生する形態との、
二種類の形態がある。このうち、抵抗発熱体の断線、抵
抗値の上昇を引き起こす原因となる亀裂としては、長さ
方向の引っ張り応力によって発生する亀裂3が、支配的
であると考えられる。セラミックスヒーターを加熱─冷
却サイクルに供した場合に、この長さ方向の亀裂3が、
それぞれ進展したり、連結したりすることで、成長し、
あるいは、新しい亀裂を誘発し、この結果、抵抗発熱体
2の断線や抵抗値の上昇が観察されるものと考えられ
る。
【0012】ここで、本発明者は、図2に例示するよう
に、高融点金属からなる本体8の周囲に、本体8の外側
に存在するタングステンカーバイド層9と、タングステ
ンカーバイド層9の外側に存在するタングステンシリサ
イド層10と、タングステンシリサイド層10の外側に
存在する窒化チタン層11とを設け、抵抗発熱体6を形
成してみた。
【0013】この結果、セラミックスヒーターを加熱─
冷却サイクルに供しても、抵抗発熱体6の抵抗値の上
昇、抵抗発熱体6の断線がほとんど生じなくなることを
発見し、本発明に到達した。
【0014】この理由は完全には明らかではないが、次
のように推定される。まず、抵抗発熱体6を構成する各
層の成り立ちについて、その製造過程に触れつつ、説明
する。本発明者は、上記の問題を解決すべく検討を重ね
る過程で、抵抗発熱体の形態に着目した。具体的には、
図4(a)に示すように、タングステン線からなる本体
2の表面2aに、化学的気相成長法、物理的気相成長法
によって窒化チタン層4を形成し、抵抗発熱体5を製造
した。
【0015】次いで、この抵抗発熱体5を、前述したよ
うにして、図4(b)に示すように、窒化珪素粉末から
なる円盤状成形体7内に埋設し、円盤状成形体をホット
プレス焼結させた。この具体的条件については後述す
る。この結果、製造条件によっては、図2、図3に示す
ように、本体8、タングステンカーバイド層9、タング
ステンシリサイド層10及び窒化チタン層11の構造か
らなる抵抗発熱体6が生成した。そして、こうした構造
の抵抗発熱体6が生じた場合には、セラミックスヒータ
ーを加熱─冷却サイクルに供しても、抵抗発熱体6の抵
抗値の上昇、抵抗発熱体6の断線、基材1の破壊が生じ
にくくなったのである。
【0016】本体8、タングステンカーバイド層9及び
タングステンシリサイド層10は、それぞれ主成分がタ
ングステンである。タングステンカーバイド層9とタン
グステンシリサイド層10は、次のように生成するもの
と考えられる。
【0017】焼成時に、本体8と窒化チタン層11との
熱膨張差に基づき、窒化チタン層11には、部分的に微
細な亀裂12が生成する。焼成時に使用するカーボン製
治具から、炭素が、この微細な亀裂12を通過し、拡散
し、タングステンカーバイド層9が生成する。また、窒
化珪素から、Siが同様にして拡散し、タングステンシ
リサイド層10が生成する。
【0018】タングステンカーバイド層9の生成温度が
800°C程度であるのに対し、タングステンシリサイ
ド層10の生成温度は1400°C程度である。このよ
うに、タングステンカーバイド層9の方が、生成温度が
低いことから、先に生成するため、タングステンカーバ
イド層9の方がタングステンシリサイド層10の内部に
生ずるものと、考えられる。
【0019】そして、窒化チタン層11の熱膨張係数
は、タングステンシリサイド層10の熱膨張係数、タン
グステンカーバイド層9の熱膨張係数、本体8の熱膨張
係数よりも大きいので、焼成収縮時や加熱─冷却サイク
ルの降温時には、タングステンシリサイド層10、タン
グステンカーバイド層9及び本体8に対して、圧縮応力
が加わる。即ち、タングステン及びタングステンシリサ
イド層10及びタングステンカーバイド層9には、引張
応力は加わらない。
【0020】窒化チタン層11は、基材1及びタングス
テンシリサイド層10よりも収縮量が大きいので、その
長さ方向に引張応力が働く。この引張応力により、窒化
チタン層11は部分的に破壊し、この破壊によって引張
応力が緩和される。また、タングステンシリサイド層1
0及びタングステンカーバイド層9は、窒化チタン層1
1よりも収縮量が小さいので、その長さ方向に圧縮応力
が働く。この圧縮応力により、タングステンシリサイド
層10及びタングステンカーバイド層9に生成する亀裂
を、防止することができる。こうして生成する亀裂が、
抵抗発熱体の抵抗値の上昇、断線を招くものである。
【0021】製造条件によっては、タングステンシリサ
イド層10は、脆弱であり、亀裂を生成する場合がある
が、この亀裂の方向は円周方向や長さ方向であるため、
断線には至ることなく、応力緩和が可能である。
【0022】また、タングステンカーバイド層9は、タ
ングステンシリサイド層10と比較して、強度、靱性が
高く、タングステンシリサイド層10のようには、亀裂
を誘発しにくい。
【0023】また、本体8とタングステンカーバイド層
9との境界は明瞭ではなく、一種の傾斜材料のように連
続しており、タングステンカーバイド層9と本体8との
密着性も良い。このように、タングステンカーバイド層
9が、本体8を包囲し、かつ本体8と一体的に連続して
いることにより、本体8を保護する作用があるものと考
えられる。
【0024】しかも、基材1の方から引張応力がかかっ
ても、上記のように、亀裂12によって寸断された窒化
チタン層11及びタングステンシリサイド層10が、こ
の引張応力を緩和し、変位を吸収するので、本体8の方
には亀裂が入りにくく、断線しないものであろう。むろ
ん、基材1の方にかかる応力も緩和されるので、基材1
の方が破壊する恐れも少なくなる。
【0025】また、本発明者は、窒化チタン層11を設
けないタングステン線を、上記したように、窒化珪素粉
末内に埋設し、焼結させてみた。この結果、タングステ
ンからなる本体8の周囲に、タングステンシリサイド層
10が形成されていた。しかし、こうして得たセラミッ
クスヒーターを加熱─冷却サイクルに供すると、やはり
抵抗発熱体の断線等が生じた。
【0026】従って、上記したように、窒化チタン層1
1とタングステンシリサイド層10とが、応力緩和層と
して、一体として作用しているものと考えられる。こう
した作用は、本発明者の知る限り、どのような文献にも
記載されておらず、本発明者の発見である。
【0027】また、本発明者は、窒化チタン層11の代
わりに、タングステンよりも熱膨張係数が大きい非酸化
物層を形成してみたが、上記とほぼ同様の結果を得た。
【0028】このように、例えばタングステンのごと
き、非酸化物層11及びタングステンシリサイド層10
に対して、上記した特殊な作用を付与するためには、非
酸化物層11の厚さを2μm以上とすることが好まし
い。非酸化物層11の厚さが1.5μm、1μm等の場
合には、セラミックスヒーターに加熱─冷却サイクルを
かけると、抵抗発熱体の抵抗値の上昇が、ある程度生ず
る場合があった。非酸化物層11の厚さが8μmを越え
る場合には、セラミックスヒーターを製造する際に、非
酸化物層11が本体8から剥離することがあった。
【0029】また、タングステンシリサイド層10の厚
さは、10μm以上とすることが好ましい。タングステ
ンシリサイド層10の厚さの上限は特にないが、実際上
は50μm以下のものが製造しやすい。
【0030】また、本発明者は、基材として窒化アルミ
ニウムを使用し、抵抗発熱体としてタングステンを使用
した場合等に、上記と同様の結果を得た。
【0031】なお、特開昭61─179084号公報に
は、タングステン又はモリブデンからなる抵抗発熱体の
表面を、窒化チタン等の非酸化物セラミックスで被覆す
る技術が、開示されている。しかし、この公報では、タ
ングステンカーバイド層9、タングステンシリサイド層
10及び非酸化物層11の積層構造は形成されていな
い。また、抵抗発熱体より熱膨張係数の小さい非酸化物
セラミックスで被覆する場合も有効としている。
【0032】
【実施例】非酸化物層11の構成材料としては、高融点
金属よりも大きな熱膨張係数を有する材料である、Ti
N、Mo2 C、NbC、TiC、VC、ZrC、WC、
ZrN、TaCまたはTaNを使用する。表1に、種々
の材料の熱膨張係数を示す。
【0033】
【表1】
【0034】次に、実験結果について述べる。タングス
テン製のコイル状の本体2を準備した。本体2の線径は
0.5mmである。本体2を構成する螺旋の直径は5m
mであり、螺旋のピッチは0.5mmである。本体2
を、所定の発熱比となるように引き延ばし、純水で洗浄
し、乾燥し、次いで、真空中、1000°Cで熱処理し
た。本体2の末端に、円柱状の端子を、ねじ切り法によ
って接合した。
【0035】次いで、物理的気相成長法により、本体2
の表面に、厚さ2μmの窒化チタン層4を形成した。物
理的気相成長工程において、端子部分をアルミニウム箔
製のマスクで被覆し、端子部分には窒化チタン層4が形
成されないようにした。
【0036】各例の抵抗発熱体5の両端に端子15A、
15B、15C(図5参照)を接合した。仮焼後の窒化
珪素粉末を、プレス成形機内に仕込み、ある程度の硬さ
になるまで予備成形した。この際、予備成形体の表面
に、図5に示す所定の平面的パターンに沿って、連続的
な凹部を設けた。
【0037】各例の抵抗発熱体5をこの凹部に収容し、
この上に窒化珪素粉末を充填した。金型プレスによっ
て、窒化珪素粉末を、150kg/cm2 の圧力で一軸
加圧成形し、円盤状成形体を作成した。
【0038】成形体を10時間乾燥し、窒素中、ホット
プレス焼結した。ホットプレス焼結時の圧力は150k
g/cm2 とし、焼成時間は4時間とした。得られた焼
結体を、円筒研削、平面研削、超音波加工、放電加工に
よって加工し、図5に示す、直径8インチのセラミック
スヒーターを得た。各例のセラミックスヒーターについ
て、抵抗発熱体の周囲を走査型電子顕微鏡で観察し、抵
抗発熱体周囲の微構造を観察した。
【0039】焼成温度を表2に示す。ただし、比較例1
においては、窒化チタン層11を本体2の周囲に形成し
なかった。
【0040】図5においては、抵抗発熱体6の平面的埋
設パターンを示すため、円盤状基材13を仮想線で示し
てある。本実施例では、抵抗発熱体6からなる巻回体の
螺旋のピッチが小さい内周部分14C、外周部分14A
と、この巻回体の螺旋のピッチが大きい中央部分14B
とに分かれている。内周部分14Cの両端に、端子15
B、15Cが接続されている。中央部分14Bの一端に
端子15Bが接続されており、中央部分14Bと外周部
分14Aとが連続しており、外周部分14Aの外側の端
部に端子15Aが接続されている。
【0041】各例のセラミックスヒーターを、加熱─冷
却サイクル試験に供した。即ち、真空中(10-5Tor
r以下)で、セラミックスヒーターを、室温から100
0°Cまで温度上昇させ、1000°Cで2時間保持
し、1000°Cから室温まで温度を下降させた。温度
上昇速度と、温度下降速度は、それぞれ10°C/分と
した。
【0042】この加熱─冷却サイクルを、最高200サ
イクルまで実施した。この試験結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】実施例1、2、3においては、図2、図3
に示す本発明の抵抗発熱体6が形成されている。タング
ステンシリサイド層10を窒化チタン層11の中に形成
するには、ホットプレス焼成時間を4時間と長くするこ
とが、有効である。また、ホットプレス焼結温度を高く
設定しても、やはりタングステンシリサイド層10の厚
さが大きくなる傾向があった。
【0045】実施例3では、他の条件を制御することに
よって、W/WC/WSi/TiNの構造を有する抵抗
発熱体6が形成されている。しかし、タングステンシリ
サイド層10の厚さが10μm未満であるので、170
サイクルで抵抗発熱体6の断線が生じていた。
【0046】比較例1では、充分大きな厚さを有するタ
ングステンシリサイド層が形成されているが、10サイ
クルで断線が生じている。
【0047】なお、非酸化物セラミックス層11の材質
を、TiC、VC、ZrC、WC、ZrN、TaC、T
aNとして、上記と同様の実験を行ったが、上記と同様
の結果を得た。
【0048】また、本発明者は、上記した各実施例、比
較例等について、詳細に走査型電子顕微鏡写真を撮影
し、EPMAにより面分析を行った。このうち、上記し
た実施例1の場合について、EPMAにより、面分析を
加えた結果を、次に述べる。
【0049】本発明者は、実施例1の場合について、E
PMAによって面分析を加え、タングステン(W)の分
布状態を示す写真、炭素(C)の分布状態を示す写真
(タングステンカーバイド層の存在を示す写真)、チタ
ン(Ti)の分布状態を示す写真(窒化チタン層の存在
を示すもの)、珪素(Si)の分布状態を示す写真(タ
ングステンシリサイド層の存在を示すもの)を、それぞ
れ撮影した。
【0050】タングステン(W)の分布状態を示す写真
から、抵抗発熱体の内部ではタングステンがほぼ均一に
分布していた。この一方、抵抗発熱体の外周付近では、
内部に比べてタングステンの強度が低く、タングステン
の分布量が少なくなっていた。炭素(C)の分布状態を
示す写真及び分析結果から、炭素が抵抗発熱体の外周部
付近に多く存在していることがわかった。これは、タン
グステンカーバイド層の存在を示している。
【0051】チタンの分布状態を示す写真、及び珪素の
分布状態を示す写真、分析結果から、炭素の存在する層
のすぐ外側に、珪素が多く存在することが分かり、また
この珪素が豊富な層のすぐ外側に、チタンが多く存在し
ていることが分かった。これにより、抵抗発熱体の内周
側から見て、タングステン層、タングステンカーバイド
層、タングステンシリサイド層、窒化チタン層の順で、
存在していることが分かった。
【0052】また、窒化チタン層には、一部に、チタン
の強度が低い部分が見られる。これは、窒化チタン層の
一部分が、窒化チタン層にかかった引張応力によって破
壊されたためである。
【0053】また、基材として窒化アルミニウムを使用
し、抵抗発熱体の材料としてタングステンを使用し、厚
さ2μmの窒化チタン層を設けたセラミックスヒーター
において、1900°Cでの焼成時に窒素と水素とを混
合した還元雰囲気とすることによって、反応層として、
WAlx からなる薄層及びタングステンカーバイド層が
生成することを確認した。このWAlx からなる反応層
は、上記したタングステンシリサイド層と同様に、応力
緩和層として働き、この結果、セラミックスヒーターの
抵抗値の上昇、断線が防止できた。これにより、抵抗発
熱体の内周側から見て、タングステン層、タングステン
カーバイド層、WAlx 層、窒化チタン層の順番で、存
在していることが分かる。
【0054】このように、窒化珪素または窒化アルミニ
ウムセラミックスからなる基材と、埋設された抵抗発熱
体は、主成分との化合物を、1600°C〜2000°
Cといった高温で生成する。
【0055】この化合物よりなる反応層は、内部の高融
点金属に比べて脆弱であり、亀裂を生成する。
【0056】窒化珪素または窒化アルミニウムは、高融
点金属であるタングステン、モリブデンと反応し、WA
lx 、MoAlx を生成する。
【0057】特にこの反応層は、焼成条件の差によっ
て、各種類の相を有している。例えば、MoとAlとの
反応層の場合には、Mo3 Al、MoAl、Mo3Al
8 、MoAl4 、Mo6 Al17などの各相を示すため、
MoAlx と表記した。
【0058】こうした反応層に、焼成時に安定な高熱膨
張な非酸化物層を有することによって、応力緩和層とし
て作用させることが可能であることが判明した。
【0059】即ち、基材と抵抗発熱体との熱膨張差に起
因する応力を、一体となった応力緩和層によって吸収で
きるものである。また、こうした反応層の生成は、焼成
雰囲気や温度条件を操作することによって制御可能であ
った。
【0060】
【発明の効果】本発明のセラミックスヒーターによれ
ば、セラミックスヒーターを、加熱─冷却のサイクルに
繰り返し供し、長期間使用した場合に、抵抗発熱体の抵
抗値が上昇したり、抵抗発熱体が断線したりするのを、
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基材1内の抵抗発熱体2に亀裂3が入った状態
を説明するための、模式的断面図である。
【図2】抵抗発熱体6の構成を示す断面図である。
【図3】非酸化物層11及びタングステンシリサイド層
10に亀裂12が入った状態を説明するための、模式的
断面図である。
【図4】(a)は、タングステンからなる本体2が非酸
化物層4によって被覆されている状態を示す断面図であ
り、(b)は、抵抗発熱体5を成形体7内に埋設した状
態を示す断面図である。
【図5】セラミックスヒーターにおける抵抗発熱体6の
平面的埋設パターンを例示する平面図である。
【符号の説明】
1 基材 2 タングステンからなる本体 2a 本体
2の表面 3 本体2に生じた亀裂 4 非酸化物層
5 抵抗発熱体(焼成前) 6抵抗発熱体(焼成後)
8 本体(焼成後) 9 タングステンカーバイド層 10 タングステンシリサイド層 11 非酸化物層
(焼成後) 12 非酸化物層11及びタングステンシ
リサイド層10に生じた亀裂 13 円盤状基材 15A、15B、15C 端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅本 鍠一 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日本碍子株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−81787(JP,A) 特公 昭63−51356(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 3/18 H05B 3/12 H05B 3/20 356

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化物系セラミックスからなる基材と、こ
    の基材内に埋設された抵抗発熱体とを有するセラミック
    スヒーターであって、 前記窒化物系セラミックスが窒化珪素または窒化アルミ
    ニウムであり、前記抵抗発熱体が、モリブデンまたは
    ングステンからなる本体と、この本体の外側に存在す
    る、前記本体と前記基材との反応によって生成した反応
    層であって、タングステンシリサイド、タングステンア
    ルミナイトまたはモリブデンアルミナイトからなる反応
    層と、この反応層の外側に存在する非酸化物層とを備え
    ており、この非酸化物層が、TiN、Mo2 C、Nb
    C、TiC、VC、ZrC、WC、ZrN、TaCまた
    TaNからなり、前記非酸化物層の熱膨張係数が前記
    本体の熱膨張係数よりも大きいことを特徴とする、セラ
    ミックスヒーター。
  2. 【請求項2】前記基材が窒化珪素からなり、前記本体が
    タングステンからなり、前記反応層の材質がタングステ
    ンシリサイドからなることを特徴とする、請求項1記載
    のセラミックスヒーター。
  3. 【請求項3】前記非酸化物層がTiNからなることを特
    徴とする、請求項1または2記載のセラミックスヒータ
    ー。
  4. 【請求項4】前記基材が窒化アルミニウムからなり、前
    記本体がモリブデンであり、前記反応層の材質がモリブ
    デンアルミナイトであることを特徴とする、請求項1記
    載のセラミックスヒーター。
  5. 【請求項5】前記本体がタングステンからなり、前記反
    応層の材質がタングステンシリサイドまたはタングステ
    ンアルミナイトであり、前記本体と前記反応層との間に
    タングステンカーバイド層が生成していることを特徴と
    する、請求項1、2または3記載のセラミックスヒータ
    ー。
  6. 【請求項6】前記反応層がタングステンシリサイドから
    なり、前記非酸化物層がTiNからなることを特徴とす
    る、請求項5記載のセラミックスヒーター。
  7. 【請求項7】前記反応層の厚さが10μm以上であるこ
    とを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つの項に記
    載のセラミックスヒーター。
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