JP3706902B2 - 光ファイバ布線装置と光ファイバ布線方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ配線板の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ配線板は、複数の光部品の間を光学的に結ぶ光ファイバの配線群を配線部品としてまとめたもので、電子回路でいうと、電子回路配線で使われているプリント配線板や、ボード間または装置間を配線するバックプレーンにあたるものである。光ファイバ配線板の製造方法としては、光ファイバを粘着材でコーティングされた基板表面に押し付けて配線を形成する方法が知られている。
特許第2735464号は、光部品を搭載したボード間の光接続をする光配線板(バックプレーンと称する)の製造に関して、「マニピュレータの一端に回転輪を取り付け」、「回転輪の周辺部が光ファイバの一端部をサブストレートの粘着材でコーティングされた表面に粘着させる」光ファイバ接続装置及び方法を公開している。
特開平7−181356号公報は、光素子から延びた光ファイバ(ピグテール)を自動的に基板上に配設することを目的に、回収した光ファイバを配設ウィールと称する回転輪によって粘着シート上に配設する装置を公開している。
特願平9−281645号公報は、光配線板の製造に関して、布線ヘッド先端に設けられて、挿通された光ファイバを曲げてその応力によって光ファイバを粘着シートに押し付けて配設する貫通孔を公開している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
光配線板では、配線パターンが平行な直線のみで構成されることは少なく、光ファイバを曲げたり交差させたり自由なパターンで布線できることが必要である。また、光ファイバ配線板の端末は、集積化に伴う光部品接続部の多芯化に合わせ、光部品を直接取り付けられるような配列が必要となるので、光ファイバを狭いピッチで正確に整列させる布線技術も重要となっている。
前記の回転輪や配設ウィール、貫通孔は、光ファイバを粘着シート上に布線するのに重要な部品であり、その構造は布線のパターン精度や基板への付着度合を左右する。
【0004】
特許第2735464号の回転輪も特開平7−181356号公報の配設ウィールも、回転輪(配設ウィール)の外周に光ファイバを所定位置に保持するための溝を具備した構造を特徴としている。このため、曲がりのあるパターンの布線において、回転輪をパターンの進む方向に向けると、溝の縁によって布線が押されて乱されるため、一度基板に粘着した光ファイバが外れやすくなる。この傾向は、布線パターンの曲率半径を小さくしたり、回転輪の径を大きくするほど顕著になる。
これに対して、回転輪の半径は、光ファイバが破損しないよう、布線する光ファイバの破断曲げ半径より大きく設計する必要がある(汎用のシングルモード光ファイバ心線では破断曲げ半径は2mm前後)。また、回転輪を小型化するには、滑らかな回転を得るための回転輪の軸受けも小型化しなければならず、構造上小型化には限度がある。
【0005】
また、特許第2735464号において、「マニピュレータが移動すると、摩擦により回転輪が回転し、それにより光ファイバに張力が生じ、それによって光ファイバを巻いたリールから光ファイバを回転輪に供給され、サブストレートに布線される」としており、光ファイバが布線パターン通りに布線されるためには、摩擦により回転輪が回転して光ファイバをパターン通りの長さだけリールから引き出すことが必要である。ところが、実際には光ファイバをパターン通りの長さだけ引き出すように回転輪を回転させることは非常に困難である。
即ち、既に布設した光ファイバの上に交差させて光ファイバを布設する場合には、光ファイバを乗り越える際の当該光ファイバとの摩擦により回転輪が回転されるが、このときに充分な摩擦が得られないことが考えられる。さらに、曲がりながら光ファイバを乗り越えて布線する場合には、進行方向に対して横向きの力が働くために下側の光ファイバとの間で滑りが発生して充分な摩擦が得られないことはなおさらである。
そして、回転輪を用いる方法では、回転輪とリールとの間で光ファイバに張力がかかることで光ファイバが供給されて布線されるため、上記のように十分な摩擦が得られない場合は十分な張力が得られず、回転輪を、光ファイバをパターン通りの長さだけ引き出すようには回転させることができないことになる。この結果、パターン通りの配線ができないという欠点を有することになる。
このように回転輪を用いる従来の布線方法では、曲がりのある配線パターン部分では回転輪によって既に布線した光ファイバのパターンを乱してしまうこと、回転輪の小型化には限度があるために曲げパターンの精度があげられないこと及び既に布線した光ファイバを乗り越えて布線するパターンの場合にパターン通りに布線できない等の欠点を有していた。これらは光ファイバの長さを一定にしたり、非常に細かいパターンが必要なボード内配線を作る場合は問題となる。
【0006】
一方、回転輪を使わない布線ヘッド機構を採用している特願平9−281645号公報の貫通孔は、機構が簡単ではあるが、貫通孔に挿通される光ファイバが貫通孔の縁部分で曲げられるため、貫通孔の中心軸と光ファイバが基板に押し付けられる位置とが一致せず、光ファイバは布線ヘッドの軌跡からその分外れた位置に布線される。これは、先に述べた従来技術と同様、曲がりのあるパターンの布線やすでに布線された光ファイバを乗り越えて布線するいわゆる多重布線の際に顕著となる。この問題への対策として、予めずれを予測して布線ヘッドの移動に補正をかけて一致させる方法が考えられるが、機構が複雑になり、また布線の交差部で孔の中心軸と光ファイバを基板に押し付ける位置との距離が変化する場合には、さらに複雑な補正を行わなければならないという問題があった。
【0007】
また、上述の各従来技術には、十分述べられていないが、布線基板上に所望の布線パターンに一致した正確な布線を行なうために、布線ヘッドに適切な押圧力を付与することが重要であることが分かった。
さらに、この種光配線板の一つに布線基板の外側に所定の長さのフリーの状態の光ファイバを持つ形式の光配線板がある。このような特別な型の光配線板の製作方法について、上記各従来技術には何ら示されていない。
このように、光配線板の装置と製造方法における諸問題は、布線精度の向上のほか、布線の一連の作業を自動化することや、布線速度を上げて生産性を向上させることにあるが、従来技術では十分な検討がなされていない。
【0008】
本発明の目的は、上述の問題点を解決し、布線ヘッドの動きに正確に追従して多重布線を可能にした自動布線のための光ファイバ布線装置と光ファイバ布線方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段として、本発明においては次の手段を採用した。すなわち、布線ヘッドとして回転輪や配設ウィールではなく、布線すべき光ファイバをガイドして、単に基板に押し付けるものを採用した。これにより、回転輪などの問題点であった既設の光ファイバの引き剥がしや小型化のための限界などの問題を解消できる。
【0010】
また、この発明においては、布線ヘッド若しくは布線ヘッドに接続する光ファイバガイド内に、ストックされた光ファイバを布線作業中に順次送り込む光ファイバ送り機構を設けた。これにより、長時間の自動布線が可能となるとともに、従来技術において曲がりのあるパターンの布線や既設の光ファイバを乗り越えて布線を行なう場合等にパターン通りに布線ができないという問題点を解消できる。
すなわち、光ファイバ送り機構により、布線作業中、布線ヘッドの光ファイバガイド内に当該布線に必要な量だけの光ファイバを送り込むことで、布線ヘッドの布線時での摩擦不足が生じたとしても、光ファイバの良好な追従が可能である。また、この場合において、布線ヘッドとして、光ファイバの基板接触位置が厳密に規定されていない貫通孔からなる布線ヘッドを用いた際であっても、この貫通孔ヘッドとその光ファイバガイド内の光ファイバ関係位置はほぼ一定にすることができ、先と同様光ファイバの追従を良好にでき、所望のパターンとのずれを最小にできる。
【0011】
さらに、この発明においては、布線ヘッドの布線基板への光ファイバ押圧力を適正な範囲に制御する手段を設けた。これにより、布線すべき光ファイバを傷つけることなく正確に布線することができ、さらには既設光ファイバを乗り越えて布線するような際に、光ファイバの押圧力が一定になるように布線ヘッドの高さh(布線高さ)を制御して既設光ファイバの引き剥がし等を防止することができる。
【0012】
また、本発明では、光ファイバを所定の長さで切断する光ファイバ切断機構を設けている。これにより、布線基板上に複数の光ファイバパターンを作成する際においても連続して布線作業を行なうことができ、自動化を促進できる。
【0013】
さらに、この発明においては、光配線板(布線基板)の外側に所定の長さのフリーの状態の光ファイバを持つような特別の光配線板についても製作できるよう基板外に光ファイバを送り出す手段を設けた。
【0014】
なお、この発明では、この他にも布線精度の向上、布線作業の自動化あるいは生産性の向上のために種々の改善を成しているが、これらの改善については、以下の各実施の形態の説明にて明らかにする。
【0015】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の光ファイバ布線装置及び光ファイバ布線方法の第1の実施形態について、図1ないし図6を用いて説明する。
図1は、光ファイバ布線装置(100)の主要部の構造を示す斜視図である。
光ファイバ布線装置(100)は、布線基板(900)上に設けられる基板粘着層(901)に、光ファイバを布線するものである。
光ファイバ布線装置(100)は、光ファイバ送り機構(400)、光ファイバ切断機構(500)、Z軸回転機構(600)、布線機構(800)とで構成したマニピュレータ(300)をキャリッジ(310)を介してXY移動手段(図示せず)のアーム(210)に取り付けた構成を有している。これらは、全て図示せぬ制御装置によってその動作を制御されている。
XY移動手段のアーム(210)は、光ファイバ(700)を布線する布線基板(900)に平行な面上の例えばX方向に移動可能に配されている。
【0016】
キャリッジ(310)は、図示せぬ移動機構によってアーム(210)上をアーム(210)に沿った方向(例えばY方向)に移動可能にして設けられる部材である。そしてキャリッジ(310)は、アーム(210)の側方に位置して光ファイバ送り機構(400)の下部を支える支持部材(320)と、支持部材(320)の下方に位置して布線機構(800)及び光ファイバ切断機構(500)が組み込まれる中間部材(330)とを有している。また、このキャリッジ(310)には、Z軸回転機構(600)及びフレーム1(120)も取り付けられている。
【0017】
フレーム1(120)は、その上部と支持部材(320)の上方との間に光ファイバ送り機構(400)を配置可能なように、略コ字形状に形成される部材である。また、その上部には、光ファイバ送り機構(400)に電気を送配するための電気接触子(ブラシ)を内装した回転体からなるリード線保持部材(110)が設けられている。そして、リード線保持部材(110)は、その回転中心をZ軸回転中心、即ち支持部材(320)の上部に設けられるZ軸シャフト(620)(Z軸回転機構(600)、後述)の軸と一致するようにしてフレーム1(120)に取り付けられている。
また、リード線保持部材(110)とZ軸シャフト(620)との間には、2枚の板状のフレーム2(130)が設けられ、これらは、互いに所定距離離間された状態でそれぞれ上端をリード線保持部材(110)の回転部分に、下端をZ軸シャフト(620)に接続されている。即ち、これらフレーム2(130)は、Z軸回転機構(600)によってZ軸回転可能に配されている。ここで、これらフレーム2(130)は、下端を送り機構接続部(321)を介してZ軸シャフト(620)に接続されている。
【0018】
これらフレーム2(130)の間には、光ファイバ(700)を送り出す送り出しリール(420)、光ファイバ(700)が巻回されて、送り出しリール(420)に光ファイバ(700)を供給する光ファイバ収納リール(440)、送り出しリール(420)の円周面との間に光ファイバ(700)を挟み込んで押さえるピンチローラ(450)、送り出しリール(420)から送り出される光ファイバ(700)のたわみを検知するたわみセンサ(430)が取り付けられている。また、一方のフレーム2(130)の外側には、送り出しリール(420)を回転させる光ファイバ送りモータ(410)(駆動装置)が取り付けられている。光ファイバ送りモータ(410)は、その回転軸を対向するフレーム2(130)の外側まで通し、送り出しリール(420)と歯車ギアを介して連結されている。ここで、これらの部材は、光ファイバ(700)を送り出す光ファイバ送り機構(400)を構成している。
【0019】
送り出しリール(420)及び光ファイバ収納リール(440)は、2枚のフレーム2(130)にそれぞれその軸方向の両端を支持されて、フレーム2(130)の面に略平行な面に沿って回転可能に配されている。
そして、送り出しリール(420)には、その一方の端部に、光ファイバ送りモータ(410)の歯車ギアに連結されるフランジ状の歯車部分が形成されている。
光ファイバ送りモータ(410)は、図示せぬ駆動回路によって、たわみセンサ(430)からの検知信号をもとにしてその動作を制御されている。
ピンチローラ(450)は、フレーム2(130)に、ローラ自身を回転可能にし且つローラの径を外した位置を支点とする回転が可能なステーによって支持されるものであって、ステーには、ローラを送り出しリール(420)に押し付けるよう付勢するバネが取り付けられている(図示せず)。
【0020】
たわみセンサ(430)は、LED素子とPD受光素子を互いに対向させかつ所定距離離間させた状態で一体化モールドした略コ字形状のホトセンサと、一端がフレーム2に取り付けられ、光ファイバ(700)の張力を受けることで、フレーム2(130)への取り付け部分を支点として、先端がホトセンサのLED素子とPD受光素子の間を横切る向きへの揺動を可能にして配される検知棒(431)とによって構成されている。
たわみセンサ(430)は、ホトセンサによって検知棒(431)の先端の変位を非接触で検知することで光ファイバ(700)のたるみを検知するよう配されている。検知棒(431)は、他端近傍に光ファイバ(700)が挿通される挿通口(図示せず)が形成されて、該挿通口内に挿通される光ファイバ(700)の張力によって揺動するよう配されている。ここで、検知棒(431)は、支点における摩擦を少なくして光ファイバ(700)のわずかなたるみに確実に追従できるようにする。
ここで、上記光ファイバ送り機構(400)は、Z軸回転機構(600)によって滑らかに回転させるために、回転軸を中心として搭載部品の重量のバランスを取った部品配置とされている。
【0021】
図3に、光ファイバ布線装置(100)の主要部の構造を示す。図3はキャリッジ(310)部分全体を示す正面図である。ここで、前記したように、マニピュレータ(300)の上部構造(フレーム1(120)とフレーム2(130)によって規定される構造)は、キャリッジ(310)の支持部材(320)上にZ軸シャフト(620)を介して取り付けられた送り機構接続部(321)に固定されている。この送り機構接続部(321)は、図3に示すように、上部構造から繰り出される光ファイバ(700)(図3では図示せず)を下方に導くための光ファイバ進入口(322)が形成されている。
【0022】
支持部材(320)は、図3に示すようにその中央部が円筒状にくり貫かれて光ファイバ通路1(710)を形成するよう構成され、さらにその上下端にそれぞれ回転ベアリングがはめ込まれる構成を有している。上端の回転ベアリングの内輪にはZ軸シャフト(620)が、下端の回転ベアリングの内輪には上部歯車(323)(Z軸回転機構(600))がそれぞれ同軸にして取り付けられ、またこれら上下の回転ベアリングの内輪は、光ファイバ通路1を確保しつつ互いに一体的に回転するよう接続されている。
この上部歯車(323)は、支持部材(320)に隣接配置されるZ軸モータ(610)(Z軸回転機構(600))の駆動軸に固定的に設けられるピニオン(611)の上方に係合する構成となっている。したがって、Z軸モータ(610)を回転することで、フレーム1(120)を除くマニピュレータ上部構造即ち送り機構接続部(321)及びこれに取り付けられる光ファイバ送り機構(400)をZ軸回転させることができるよう配されている。ここで、Z軸とは、布線基板900の面に略垂直な軸を指す。
【0023】
支持部材(320)に取り付けられた上部歯車(323)の下方には、中間部材(330)が近接配置される構成となっている。この中間部材(330)にも、支持部材に形成された光ファイバ通路1(710)と同軸の光ファイバ通路2(711)がくり貫かれて形成されている。さらに、この中間部材(330)には、光ファイバ(700)を切断する光ファイバ切断機構(500)が取り付けられている。
中間部材(330)には、その下方に近接し且つ上部歯車(323)と平行にして、下部歯車(342)が設けられている。この下部歯車(342)は、後述する布線機構(800)の布線プランジャ(810)の上部と同軸に、且つ固定的に取り付けられているものであって、Z軸モータ(610)のピニオン(611)の下方に係合するよう配されている。また、下部歯車(342)は、ピニオン(611)により回転駆動された際に上部歯車(323)と回転角が等しくなるよう、上部歯車(323)と同径に形成されている。
【0024】
したがって、Z軸モータ(610)を回転させることにより上下2つの歯車(323と342)を同期して回転することが可能に構成されており、それぞれマニュピレータ上部構造即ち光ファイバ送り機構(400)と後述する布線ヘッド(830)を同期回転可能にしている。ここで、布線機構(800)は、効率よく光ファイバ(700)の布線を行うために上下に可動に配されるものであり、下部歯車(342)も布線機構(800)の上下動に応じて上下するが、この時に下部歯車(342)とピニオン(611)との係合が外れることがないよう、ピニオン(611)は下部歯車(342)の移動範囲の下限位置まで達するよう配されている。
【0025】
次に、図2ないし図3を参照して、布線機構(800)を詳細に説明する。
布線機構(800)は、図2の拡大斜視図に示すように、キャリッジ(310)の下端に一体的に設けられる固定板(331)上に、上下移動可能な昇降部を備えるZ軸アクチュエータ(820)を固定し、このZ軸アクチュエータ(820)の昇降部に上下板(340)を取り付けた構成とされている。そして、上下板(340)には、図3に示すように布線プランジャ(810)及び描画ペン(850)が搭載されている。
【0026】
前記布線プランジャ(810)は、上下板(340)に対してZ軸回転可能に配されており、描画ペン(850)は、上下板(340)に対して着脱可能に配されている。
そして、固定板(331)には、布線プランジャ(810)と対向する位置に貫通孔が形成されて、布線プランジャ(810)はこの貫通孔を通じて固定板(331)の下方に突出されている。
以上の構成において、描画ペン(850)と布線プランジャ(810)との関係は、例えば図3に示すように、描画ペン(850)のペン先がより下方位置に設置されるようにしている。
【0027】
ここで、図3に示すように、上下板(340)の下面には、上下板(340)の上下動のみ許しこの上下板(340)の回転を防止するよう、上下板(340)に垂直な端面を形成した回り止め(341)が設けられ、固定板(331)には、回り止め(341)の端面を間に挟み込んで上下方向に案内する2つのローラ(332)が取り付けられている(図3ではローラ(332)は片方のみ図示)。
さらに、上下板(340)の下面に検出スリット(861)を設け、固定板(331)の上面にこの検出スリット(861)が進入可能なリニアエンコーダ(862)を設け、これらによって高さ検出器を構成している。高さ検出器は、検出スリット(861)のリニアエンコーダ(861)への進入量に応じた出力が得られる構成となっている。即ちこれらは上下板(340)の固定板(331)に対する変位を検出して、上下板(340)の布線基板(900)からの高さ言い換えれば布線プランジャ(810)若しくは描画ペン(850)の高さ検出器として作用するよう構成されている。
【0028】
布線プランジャ(810)は、上下板(340)の貫通孔にベアリングを介してZ軸回転可能にして取り付けられ、布線プランジャ(810)の上端に下部歯車(342)と同軸にして固定され、Z軸モータ(610)のピニオン(611)の回転を伝達されるようになっている。そして、布線プランジャ(810)の先端には、光ファイバ(700)(図3では図示せず)を布線基板(900)に押し付けて布線するための布線ヘッド(830)が設けられている。
また、布線プランジャ(810)の固定板(331)と上下板(340)との間に位置する部分には、布線プランジャ(810)と一体的に回転するようにして円盤状の検出カラー(812)が取り付けられている。ここで、上下板(340)の下面には、検出カラー(812)に設けられるスリットを読み取る回転基準センサ(840)が取り付けられている。
検出カラー(812)のスリットは、布線プランジャ(810)の軸心に直交する向きから見て、該軸心を中心として、布線プランジャ(810)に取り付けられる布線ヘッド(830)の押さえ溝(832)(後述)と同位相となる位置に設けられている。ここで、回転基準センサ(840)がこのスリットを検出した位置が、布線プランジャ(810)の基準位置(回転原点)とされる。
【0029】
下部歯車(342)と布線プランジャ(810)には、図3に示すように、中間部材(330)に設けられる光ファイバ通路2(711)と連通させて光ファイバ通路3(712)が設けられている。光ファイバ通路3(712)の孔は、布線プランジャ(810)の略上半分まで回転中心位置にし、略下半分は下方に行くにしたがって回転中心から外れるように傾け、挿入する光ファイバ(700)が布線ヘッド(830)のガイド溝(831)に導かれるよう配されている。
【0030】
図4は光ファイバ切断機構(500)の構造を示す拡大断面図である。
光ファイバ切断機構(500)は、上部歯車(323)と下部歯車(342)の間に位置する中間部材(330)に設けられるものである。光ファイバ切断機構(500)は、上部歯車(322)の光ファイバ通路1(710)と連通されて光ファイバ(700)(図4では図示せず)が挿通される光ファイバ通路2(711)と、光ファイバ通路2(711)の側方に連通される貫通孔(512)内に、光ファイバ通路2(711)を横切ることができるようにして設けたカッター(511)と、カッター(511)を光ファイバ通路2を横切るように移動させる電磁摺動子(510)とによって構成されている。
カッター(511)の先端はエッジ形状に形成されて、切断すべき光ファイバ(700)を当該エッジが前記貫通孔(512)内をすべるようにして切断を行うものである。この場合、前記エッジ形状としては、ナイフ刃状、若しくは孔開けパンチの刃に用いられるような形状(円柱の先端面を凹曲面形状に形成し、該先端面と円柱の側面とが交差する稜線部分を切刃としたもの)等の形状とすることができる。
電磁摺動子(510)は、瞬間的に電流を付与することで、カッター(511)を図中右方に瞬間的に突出させ、光ファイバ(700)の切断くずを、貫通孔(512)の右方の大径部分に吐き出させることができるものである。
【0031】
図5(a)は布線ヘッドの構造を示す拡大斜視図である。布線ヘッド(830)は、円柱の側面に向かい合う2面を形成した形状で、且つその下面(先端)が半球形状に形成される部材である。そして、その先端は、布線ヘッド(830)が取り付けられる布線プランジャ(810)(図5では図示せず)の回転中心に位置している。また、その材質は、光ファイバよりも摩擦係数の少ない素材、本実施の形態ではテフロン(デュポン社製)である。
布線ヘッド(830)の、曲面形状をなす側面のうちの片側には、半球形状の下面まで達するガイド溝(831)が形成され、下面には、ガイド溝(831)と連続して、下面の先端部分まで達する押さえ溝(832)が形成されている。ガイド溝(831)は、光ファイバ(700)の先端を挿入しやすくするため、適当な位置から上方にゆくにしたがって溝を深く拡げた形に形成されている。また、押さえ溝(832)は、光ファイバ(700)を一定程度曲げた状態に保持して布線基板(900)上に押し付けるよう、光ファイバの破断する曲率半径よりも大きい曲率半径で形成されている。そして、布線時に布線ヘッド(830)先端が基板粘着層(901)に接触しないよう、また布線ヘッド(830)先端で光ファイバ(700)があそばないよう、布線ヘッド(830)先端に近づくほど溝を細く浅くした形に形成されている。
【0032】
以下より、光ファイバ布線装置(100)による光ファイバ(700)の布線作業の手順について説明する。なお、布線作業時には描画ペン(850)は上下板(340)から取り外しておく。
まず、XY移動手段のアーム(210)によって、マニピュレータ(300)を布線基板(900)上の布線開始位置まで移動させる。
そして、Z軸回転機構(600)によって布線ヘッド(830)の押さえ溝(832)を布線パターンの接線方向に向けた状態で、光ファイバ送り機構(400)によって光ファイバ(700)を布線プランジャ(810)の先端の布線ヘッド(830)に供給する。
【0033】
この状態で、布線プランジャ(810)を布線基板(900)に近接させて布線基板(900)の粘着層(901)上に光ファイバ(700)を押しつける。
そして、XY移動手段のアーム(210)によって、マニピュレータ(300)を布線パターンに沿って移動させて光ファイバ(700)を布線パターンに沿って布線する。
そして、布線を終了する際には、光ファイバ切断機構(500)によって光ファイバ(700)を布線パターンと同じ長さに切断し、布線機構(800)によって光ファイバ通路2(711)と光ファイバ通路3(712)に残っている光ファイバ(700)を布線パターンの末端まで布線する。
その後、布線プランジャ(810)を布線基板(900)から離間させて、布線ヘッド(830)を布線基板(900)から離間させ、布線作業を終了するか、上記の手順を繰り返して新たな布線パターンの布線作業を行う。
【0034】
以下より、上記した光ファイバ布線装置(100)による光ファイバ(700)の布線作業の手順の各段階について詳細な説明を行う。
Z軸回転機構(600)による布線プランジャ(810)の回転操作は、Z軸モータ(610)によってピニオン(611)を回転駆動し、これによって下部歯車(342)を回転駆動して、下部歯車(342)に接続される布線プランジャ(810)を回転させることで行われる。この時、ピニオン(611)は上部歯車(323)も同時に回転させるので、光ファイバ送り機構(400)も布線プランジャ(810)と同期して回転される。
また、布線プランジャ(810)は、検出カラー(812)に設けられるスリットの位置によって回転原点が決められている。したがって、本実施の形態の光ファイバ布線装置(100)では、布線開始に先立って、回転基準センサ(840)を作用させた状態でZ軸モータ(610)を回転させて回転原点を認識した後、この回転原点から必要な量だけZ軸モータ(610)によりさらに回転させることで、布線プランジャ(810)の押さえ溝(832)を布線パターンの接線方向に向けている。
【0035】
光ファイバ送り機構(400)による光ファイバ(700)の送り出しは、光ファイバ送りモータ(410)を駆動させて送り出しリール(420)を回転駆動することで行われる。これによって、光ファイバ収納リール(440)から光ファイバ(700)を引き出して、光ファイバ通路1、2、3(710、711、712)を介して布線機構(800)の布線プランジャ(810)先端の布線ヘッド(830)に供給する。
ここで、送り出される光ファイバ(700)の張力を一定範囲内に保つよう、たわみセンサ(430)によって光ファイバ(700)のたわみを検知し、この検知信号をもとに図示せぬ駆動回路によって光ファイバ送りモータ(410)の動作を制御して送り出しリール(420)の回転を制御する。具体的には、布線時には常に一定のたわみをもつように、たわみがなくなれば送り出しリールを回転させ、たわみが一定量を越えれば回転を停止させることを繰り返す。さらに、この際において、布線作業中において、たわみの変化が一定時間生じない場合には、布線が失敗したものとしてエラー信号を出し、布線動作を停止させる構成としている。
【0036】
布線プランジャ(810)を布線基板(900)へ近接または離間させる操作は、固定板(331)の上面に設けられるZ軸アクチュエータ(820)の昇降部を昇降させることで、上下板(340)ごと布線プランジャ(810)を、軸をずらすことなく布線基板(900)に近接または離間させる。
ここで、布線プランジャ(810)と布線基板(900)との間の距離、即ち布線基板(900)から布線ヘッド(830)が離間される高さは、高さ検出器(860)、即ち上下板(340)の下面に設けられる検出スリット(861)と固定板(331)に固定されるリニアエンコーダ(862)とによって測定される。そして、この高さの情報をもとに、図示せぬ制御装置によって布線ヘッド(830)を適切な高さに位置させるよう、また布線時には布線ヘッド(830)を布線基板(900)に一定の押圧力で押し付けるよう、Z軸アクチュエータ(820)の動作が制御される。
【0037】
布線機構(800)の布線ヘッド(830)への光ファイバ(700)の供給及び布線作業を、図6を用いて説明する。ここで、図6は一連の布線作業における布線ヘッド(830)の模式図である。
図6(a)は、布線作業の前段の状態である。この段階では、布線ヘッド(830)はアップ位置(基板から離間した位置)にある。
【0038】
次に、光ファイバ(700)が光ファイバ送り機構(400)により繰り出され、布線ヘッド(830)のガイド溝(831)内に送り込まれ、光ファイバ(700)の先端をそのまま基板粘着層(901)に突き当てる。ここで、図6(b)は、布線ヘッド(830)が上方に位置しガイド溝(831)で導かれた光ファイバ(700)が基板粘着層(901)に突き当てられている布線開始の状態である。
そして、図6(c)に示すように、布線ヘッド(830)を降下させながら布線方向に前進させ、基板粘着層(901)に突き当てた光ファイバ(700)を倒しながら押さえ溝(832)に取り込む。ここで、光ファイバ(700)は、押さえ溝(832)によって一定に曲げられた状態に保持されて、その曲げ応力によって布線基板(900)に押し付けられる。
続いて、図6(d)に示すように、光ファイバ(700)が布線ヘッド(830)の真下で基板粘着層(901)に接地した位置で布線ヘッド(830)の降下を完了させて一定押圧制御に移り、布線ヘッド(830)を引き続き布線方向に前進させて布線を行う。
【0039】
そして、図6(d)に示すように、布線の終端から決められた長さの位置で光ファイバ切断機構(500)を駆動させて光ファイバ(700)を切断し、図6(e)に示すように、布線終端までの残りの布線を実行する。
布線終了後は、図6(f)に示すように、布線終端で布線ヘッド(830)を上方に待避させる。
以上の動作を複数回繰り返すことで、光ファイバ(700)を複数のパターンで複数布線することができる。
【0040】
ここで、描画ペン(850)を上下板(340)に取り付けたままにしておき、マニピュレータ(300)を布線パターンに沿って移動させることで、実際の光ファイバ(700)の布線作業の前に布線パターンをこの描画ペン(850)により記録紙等に書いて確認することができる。
【0041】
このような光ファイバの布線作業において、曲線的なパターンを布線する場合、図5(b)に示すように、押さえ溝(832)の向きを布線パターンの接線方向に向けることで高品質な曲線パターンを作成できる。先に説明したように、布線機構(800)とマニピュレータ(300)上方構造がZ軸回転機構(600)及び上下歯車(323、342)により同期回転するよう構成したので、布線作業中において曲線布線を行うため布線ヘッド(830)を接線方向に順次向ける際にも、繰り出される光ファイバ(700)がねじれることがなく連続運転が可能になる。
【0042】
また、光ファイバ送り機構(400)は、布線すべき光ファイバ(700)のたるみを一定に維持するようストックされた光ファイバ(700)を送り出すよう構成されているので、布線作業中において、布線ヘッド(830)とこれに連絡する各光ファイバ通路(光ファイバガイド)間の光ファイバ(700)がほぼ一定の状態に維持することができる。
したがって、曲線パターンを布線する場合であっても直線パターンを布線すると同様良好な光ファイバの追従が実現できる。
さらに、布線ヘッドとして、下端が半球面状に加工されたものを使用しているので、既設光ファイバ(700)を乗り越える際にも当該既設光ファイバを引き剥がしたり、傷つけたりすることがない。
【0043】
〔第2の実施の形態〕
次に図7〜図15を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。
図7に示す光ファイバ布線装置(105)は、布線基板(900)を所定の位置に支持するテーブル(101)を有している。また、このテーブル(101)の布線基板(900)支持部近傍に落とし穴(102)を有している。この光ファイバ布線装置(105)では、この落とし穴(102)は方形の布線基板(900)の3辺部に沿ってそれぞれ設けられている。そして、各落とし穴(102)の布線基板(900)側縁辺部は少なくともその角部が面取りされて滑らかに加工されている。さらに、光ファイバ布線装置(105)においては、これらの各縁辺部に粘着テープを貼り、後述の垂下される光ファイバの仮止め部(103)を形成している。
【0044】
テーブル(101)上には、このテーブル(101)を横断する方向(Y方向)に掛け渡され、図示しないXモータ、コントローラ等を含む布線指令手段の下でX方向に位置制御されながら移動するYバー(210)が設けられている。このYバー(210)には、キャリッジ(315)を介して、マニピュレータ(301)がY方向に移動可能に取り付けられている。なお、このマニピュレータ(301)も、図示しないYモータ、コントローラ等を含む布線指令手段の下でY方向に位置制御されながら移動される構成となっている。すなわち、このマニピュレータ(301)は、布線指令手段のX及びY方向の単位移動指令(例えば0.1mm毎の移動長さ指令)の組み合わせを受けてXY方向に自在に移動可能に構成されている。
【0045】
マニピュレータ(301)は、図9に示されているように、キャリッジ(315)に連結するベース(311)と、このベース(311)を基準として構成される布線機構(801)と、キャリッジ(315)に取り付けられる中継部材保持具(313)と、この中継部材保持具(313)に取り付けられるとともに上記布線機構(801)の直上に配置される光ファイバ切断機構(500)と、この光ファイバ切断機構(500)の直上に、一部が同じく中継部材保持具(313)に取り付けられる光ファイバ送り機構(408)とを有している。図8にも、ベース(311)を除くこれらの配置を示す。
【0046】
キャリッジ(315)は、カギ状に形成され上片がYバー(210)に摺接し、下片がベース(311)として構成されている。また、この上片と下片とを結ぶ連結片に中継部材保持具(313)が取り付けられる構成となっている。
【0047】
布線機構(801)は、ベース(311)とカバー(312)との間に、図9に示すように、布線ヘッド(835)を保持する上下部材(340)、この上下部材(340)を介して布線ヘッド(830)を上下するZ軸アクチュエータ(820)及びこのアクチュエータ(820)により上下させられる布線ヘッド(835)の高さを検出する高さ検出器(860)を有している。この実施形態におけるZ軸アクチュエータ(820)は、印加する電流に応じて上下変位量(上下移動力)が可変する形式のもので、後述する布線ヘッド(835)の布線基板(900)に対する光ファイバ押圧力制御作用にも用いられる。
【0048】
光ファイバ切断機構(500)は、図8ないし図10に示すように、第1の実施の形態に示す光ファイバ布線装置(100)と同様な光ファイバ通路と、例えばソレノイド等からなる電磁摺動子(510)とを含んでいる。しかし、電磁摺動子(510)の可動片のカッタ(511)については、図10(a)及び(b)に示す形状のカッタとしている。このカッタは、筒状の先端縁部(513)をエッジ刃加工して、いわゆるパンチ刃としている。このような刃形状とすることで、光ファイバのカット面を破断状にすることなくきれいに切断することができる。したがって、引き続き細いガイド溝(831)に光ファイバを送り込む際に滞りなく送ることができる。なお、514は空洞部である。
この光ファイバ切断機構(500)は、布線指令手段の指令により、光ファイバ通路内にある光ファイバ(700)を切断する。これらの光ファイバ通路及び電磁摺動子(510)は、上述の布線ヘッド(835)の直上に配置されるよう、キャリッジ(315)に立設された中継部材保持具(313)に取り付けられる。
【0049】
光ファイバ送り機構(408)は、図8に示すように、中継部材保持具(313)にローラ保持構造(405)を介して取り付けられる送りモータ(401)と、略水平方向に向く軸線回りに回転可能に保持されるとともに送りモータ(401)によって回転駆動される送りローラ(402)と、送りローラ(402)と互いの周面を対向させた状態で、軸線回りの回転と、送りローラ(402)に近接または離間する方向への移動を可能にして保持される従動ローラ(403)と、送りモータ(401)の駆動軸と送りローラ(402)との間に介装される一方向クラッチ(404)と、例えばソレノイド等からなり、従動ローラ(403)を送りローラ(402)に対して近接または離間するよう押圧または牽引する電磁摺動子(406)と、図7に示すように、これらの上方に設けられるヘッド側ファイバ保持具(314)と、Yバー(210)の一端に設けられるリール側ファイバ保持具(441)及び光ファイバ(700)のストック部として作用する光ファイバ収納リール(440)とを有している。この光ファイバ送り機構(408)の送りモータ(401)は、図示しない布線指令手段のコントローラにより制御されるもので、指令量だけ光ファイバ(700)を光ファイバリール(440)から下方の布線機構(801)に送り込む。
【0050】
布線ヘッド(835)は、図11に示すように、この光ファイバ布線装置(105)においては、下端が外方に向けて滑らかに拡開するラッパ状の光ファイバ通路(713)を有している。この光ファイバ通路(713)は光ファイバ(700)のガイドとして作用するものであって、また後述するように、その先端側の内面によって、上方からの光ファイバ700を布線機構(801)(Z軸アクチュエータ820)の作用により所定の押圧力Gで押圧するようになっている。この時、布線ヘッド(835)の下方の光ファイバ(700)は折り曲げられ、布線基板(900)の粘着層(901)に所定の力で押し付けられる。この状態(布線高さhの状態)で、この布線ヘッド(835)(マニピュレータ301)を布線方向に移動することで、光ファイバ(700)の布線を行なっていく。
【0051】
ここで、光ファイバ(700)について見ると、この光ファイバ(700)は、光ファイバ送り機構(408)の送りローラ(402)と従動ローラ(403)とにより、光ファイバリール(440)から布線ヘッド(835)の光ファイバ通路(713)(光ファイバガイド)内に指令された所望量送り込まれる。また、一方においては、布線ヘッド(835)が布線方向に移動する布線作業時において、布線ヘッド(835)の下端が光ファイバ(700)を布線基板(900)に押し付けながら移動する際に、光ファイバ(700)に生じる張力により布線ヘッド(835)内の光ファイバ(700)を引き出す。
したがって、この光ファイバ布線装置(105)では、あらかじめ布線指令手段により、布線すべきパターンに対する布線ヘッド(835)の単位移動指令毎に、当該各単位移動指令の布線に先立ってそれに見合う長さの光ファイバ(700)をこの布線ヘッド(835)の光ファイバ通路(713)内に順次送り込むよう、送りモータ(401)を励磁して送りローラ(402)と従動ローラ(403)とを作用させている。
【0052】
このため、布線作業中においては、布線ヘッド(835)の下端(光ファイバが布線基板に接触する位置)から光ファイバ送り機構(408)の送りローラ(402)までの間の光ファイバ通路(713)(光ファイバガイド)の光ファイバの状態はほぼ一定である。したがって、布線品質を一定に維持できる。
【0053】
なお、この場合において、この光ファイバ布線装置(105)においては、送りモータ(401)により回転される送りローラ(402)に一方向クラッチ(404)を挿入している(図8参照)。この一方向クラッチ(404)は光ファイバ(700)を下方に移送する順方向には、ほとんど抵抗なく回転可能とし、逆方向にはその回転を阻止するものである。したがって、何らかの要因により送りローラ(402)と従動ローラ(403)とによる光ファイバ(700)の送り込み量に不足が生じた場合であっても、一方向クラッチ(404)の順方向へのすべり回転及び布線基板粘着層(901)の光ファイバ(700)の保持作用にともなう光ファイバ引き出し作用により、引き続く布線を滞りなく続行可能にする。
【0054】
さらに、この場合において、図12に示すような曲線パターンの布線を行なう場合、送りローラ(402)と従動ローラ(403)とによる光ファイバ(700)の送り込みを対応する布線パターンの各単位移動指令のそれよりも若干大きくするようにしてもよい。このように構成した場合には、布線ヘッド(835)の移動にともなう張力による光ファイバ(700)の引き出し作用が働いた場合に、布線する光ファイバ(700)の、図12に破線で示すような当該引き出し抵抗による所望のパターンからのずれの発生を、布線速度を低下することなく防止できる。
【0055】
布線ヘッド(835)のラッパ状拡開部分の曲率半径は、通常3mm程度である。したがって、良好な布線を行なうためには、光ファイバ(700)がこの布線ヘッド(835)の拡開部分に、図11に示すように、ほぼならう(沿う)ことが必要である。
図13は、この種布線装置に通常使用される直径φが250μmの光ファイバとφ=125μmの光ファイバの曲率半径(mm)と、その時に光ファイバに生じた、布線ヘッドを押し返す力(N)((gf))の関係図である。布線ヘッド(835)の下端部の曲率半径が3mm程度であることから、このように曲げられた光ファイバが布線ヘッドを押し返す力に打ち勝って、布線すべき光ファイバを布線基板(900)に確実に接触させるためには、布線ヘッド(835)に付与すべき押圧力Gは少なくとも9.8×10-2(N)(10(gf))以上でなければならない。
【0056】
また、多重布線のようにすでに布線されている光ファイバを乗り越えてさらなる光ファイバの布線を行なう場合、布線ヘッド(835)の押圧力を大きくしすぎると、すでに布線されている光ファイバを引っ掛けてしまいパターンを破壊することになる。図14は、布線ヘッド(835)の押圧力と多重布線におけるパターン破壊回数の関係を示したものである。ヘッド押圧力が2.0(N)(200(gf))程度以下の時には、いずれもパターンの破壊は起こらなかった。
【0057】
さらに、この場合において、すでに布線されている光ファイバを乗り越える場合、曲げ応力の上昇にともなって押圧力を一定にするためZ軸アクチュエータが働いて布線ヘッド(835)を持ち上げる。これにより、既設パターンの破壊あるいは傷つけることを確実に防止できる。
なお、この際において、既設光ファイバを乗り越える部分について、布線ヘッド(835)の押圧力を他の布線部分より小さくするよう構成することもできる。この場合には、すでに布線された光ファイバに対する圧力をより小さくすることが可能で既設光ファイバの保護をより確かなものとすることができる。
また、曲がりのあるパターンの布線を行なう場合の押圧力を曲がりのないパターンの布線を行なう場合のそれよりも大きくして、基板粘着層(901)の光ファイバ(700)の保持力をより大きなものにするよう制御してもよい。そして、この際において、曲がりのあるパターンの布線速度を曲がりのないパターンの布線速度より低下させるようにしてもよい。これにより、曲がりのあるパターンの布線であっても着実にパターン通りの布線が可能になる。
【0058】
いずれにしても、布線動作時での布線ヘッド(835)の押圧力は、9.8×10-2(N)以上2.0(N)以下(10(gf)以上200(gf)以下)とすることが望ましい。なお、布線ヘッド(835)への押圧力の付与は布線機構(801)のZ軸アクチュエータ(820)の印加電流量を制御することにより行われる。
【0059】
次に、以上のような構成を有した光ファイバ布線装置(105)の動作を説明する。
なお、ここでは図15に示すような光配線板を作成するものとする。すなわち、布線基板(900)の対辺外側に所定の長さのフリーの状態にある光ファイバ(700)を持つ光配線板である。
【0060】
図7に示すように、テーブル(101)の所定位置に布線基板(900)をセットする。そして、点Bを布線開始点として、BC間、DE間、・・・の布線を順次行ない、さらに各布線の両端に所定の長さのフリーの状態の光ファイバがもたらされるよう光配線板を作成するものとする。
【0061】
まず、マニピュレータ(301)を移動して、布線機構(801)の布線ヘッド(835)を布線開始点Bに近接する落とし穴(102)の直上の点Aの位置に位置づける。この時には、図8等に示す光ファイバ送り機構(408)の送りモータ(401)と電磁摺動子(406)は非励磁状態にある。このため、送りローラ(232)は回転せず、特に逆方向(光ファイバを上方に送る方向)には一方向クラッチ(404)により回転せず、また従動ローラ(403)は図示しないバネにより光ファイバ(700)をこの送りローラ(402)に押し付けているので、これらの送りローラ(402)及び従動ローラ(403)は、ここでは光ファイバ(700)のストッパとして作用している。したがって、図7のマニピュレータ(301)がこの移動のように、光ファイバ収納リール(440)から離れる方向に移動する際には、光ファイバ(700)を光ファイバリール(440)から引き出しながら移動することとなる。
なお、図に示した光ファイバ収納リール(440)は、この光ファイバ布線装置(105)では紙のような軽量な材料で自在に回転できるように取り付けられており、光ファイバ(700)の引き出しが容易に行なえる構成としている。
【0062】
布線機構(801)の布線ヘッド(835)が点Aに位置づけられると、光ファイバ送り機構(408)の送りモータ(401)を励磁して送りローラ(402)を回転させる。このため、この送りローラ(402)と従動ローラ(403)とで挟まれた光ファイバ(700)が光ファイバ収納リール(440)から引き出され、落とし穴(102)内に垂下される。送りモータ(231)には、図示してはいないが、エンコーダが取り付けられており、当該送りモータの回転量を管理可能としている。したがって、光ファイバ(700)の引き出し長さすなわち垂下量を制御可能としている。
【0063】
落とし穴(102)内の光ファイバ(700)の垂下量が所定の値となると、送りモータ(401)の回転を停止させる。そして、マニピュレータ(301)をゆっくりと移動させて布線ヘッド(835)を布線開始点Bに位置づける。この際、垂下されている光ファイバ(700)も同様に点B方向に移動するが、この光ファイバ(700)は、落とし穴(102)の布線基板(900)側縁辺部の仮止め部(103)に接触して仮止めされる。また、布線ヘッド(835)が点Bに位置づけられる際において、布線機構(801)のZ軸アクチュエータ(820)を駆動して布線ヘッド(835)を徐々に下降させ、点Bの位置において、その高さが適切な布線高さh(図11参照)に、またその押圧力が適正な値となるようにしている。さらに、この場合においては、光ファイバ送り機構(408)の送りモータ(401)は停止しているが、送りローラ(402(図8参照))は光ファイバ(700)を下方向に送る方向には自由に回転できる構成となっているので、仮止めされた光ファイバ(700)に不足が生じた場合であっても光ファイバ収納リール(440)からその不足分だけ引き出すことが可能な構成となっている。
【0064】
点Bに到る過程においては以上の動作が行われるので、布線ヘッド(835)が点B上に位置づけられた時には、布線ヘッド(835)の下方の光ファイバは点Bにある。この状態でBC間の布線が開始される。BC間の布線軌跡(すなわちマニピュレータ(301)の移動軌跡)は既知であり、あらかじめプログラムされているのでこのBC間の布線を行なうに必要な単位移動の組み合わせ及び当該各単位移動に必要な光ファイバの長さも計算によって算出することができる。したがって、この光ファイバ布線装置(105)においては、光ファイバ送り機構の送りモータ(401)をこの必要量に応じて順次回転させながらマニピュレータ(301)を布線軌跡に沿って順次移動させるよう構成している。なお、布線動作中においては、布線ヘッド(835)の高さ及び押圧力は先に示した適正な値に維持される。
【0065】
布線ヘッド(835)が点Cに到達すると、そのままの状態で近接する落とし穴(先の落とし穴と反対側の落とし穴102)上の位置まで移動される。そして、この位置で光ファイバ送り機構の送りモータ(401)を駆動してこの落とし穴(102)内にも所定の長さの光ファイバ(700)を垂下する。
【0066】
光ファイバ(700)を必要な長さだけ引き出したら、DE間の布線動作に移る。このDE間の布線動作も先に説明したBC間の布線動作と、向きを逆にする以外はほとんど同様の動作となる。すなわち、光ファイバ(700)を垂下した落とし穴102から点Dまでゆっくりとした速度で、また布線ヘッド(835)の高さが点Dにおいて適正な高さ及び押圧力となるよう移動する。落とし穴(102)内に垂下された光ファイバ(700)は仮止め部(103)に仮止めされ、布線開始点Dに確実に位置づけられる。この状態でD〜Eの布線軌跡に沿ってマニピュレータ(301)を移動させて、DE間の布線動作を終える。
【0067】
以上のようにして、あらかじめ作成したプログラムにしたがって、布線基板(900)上にすべての布線が終了すると、その終了点に近接した落とし穴(102)の直上に布線ヘッド(835)を位置づける。そして、光ファイバ送り機構(408)の送りモータ(401)を回転させて当該落とし穴(102)内に最後の光ファイバ垂下状態を作成する。ついで、布線ヘッド(835)上に設けられている光ファイバ切断機構(500)の電磁摺動子(510)を動作させて光ファイバ(700)を切断して落下させ、光ファイバ布線が完了する。なお、この時、次の布線作業のために、マニピュレータ(301)のZ軸アクチュエータ(820(図9参照))を駆動して布線ヘッド(835)を最上位位置に上昇させて送りモータ(401)を回転させて、次の布線のための光ファイバ(700)を布線ヘッド(835)内に送り込むよう構成しても良い。
【0068】
以上の第2の実施の形態においては、各布線を連続的に行なう方法(各落とし穴(102)内に垂下される光ファイバがつながった状態にある)について述べたが、各布線動作毎に対応する落とし穴(102)上の位置で光ファイバ切断機構(500)を動作させてそれぞれを切り離した状態としてもよい。このようにすることで、布線作業完了後、操作者が行なわなければならない各垂下部のつながった光ファイバ(700)の切断作業を省くことができる。
【0069】
布線作業が完了した布線基板(900)については、図15に示すように、基板(900)の外側の素線状態の光ファイバ(700)をグループ毎にテープ化して、多芯テープ光ファイバ(910)とする。そして、その先端に多芯コネクタ(920)を接続して、光配線板を完成する。
【0070】
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態に示す光ファイバ布線装置を、図16を参照して説明する。
本実施形態に示す光ファイバ布線装置(106)の上記第2実施の形態に示す光ファイバ布線装置(105)との主な違いは、
1.光ファイバ切断機構(500)、光ファイバ送り機構(408)及び光ファイバ(700)をストックする光ファイバリール(440)を、中継部材保持具(313)上に設け、この中継部材保持具(313)をマニピュレータ(301)のカバー(312)上に設けた点、
2.光ファイバ送り機構(408)の従動ローラ(403)は、布線実行中は電磁摺動子(406)により送りローラ(402)から離間されている点、すなわち布線実行中の光ファイバ(700)の布線ヘッド(835)への供給(引き出し)は、布線基板(900)に布線される光ファイバの張力による点、
である。以下、詳細に説明する。
【0071】
中継部材保持具(313)は、マニピュレータ(301)のカバー(312)上に取り付けられる。そして、その前方端に光ファイバ切断機構(500)、光ファイバ送り機構(408)が形成されている。また、この中継部材保持具(313)の後方端には光ファイバリール(440)が取り付けられている。すなわち、光ファイバリール(440)からの光ファイバ(700)は、図16に示すように、光ファイバ送り機構の送りローラ(402)と従動ローラ(403)、光ファイバ切断機構(500)の光ファイバ通路を経て布線ヘッド(835)に送り込まれる構成となっている。
【0072】
布線動作の開始に際しては、操作者は光ファイバリール(440)から光ファイバ(700)を引き出して、光ファイバ送り機構(408)、光ファイバ切断機構(500)を介して布線ヘッド(835)内に挿入した状態にする。そして、布線開始点の近傍の落とし穴(102)上に布線ヘッド(835)を位置づけ、送りモータ(401)を回転させて光ファイバ(700)をこの落とし穴(102)内に所定量垂下させる。
【0073】
そして、送りモータ(401)を停止して、布線開始点に向けて移動させて位置づけた後、布線ヘッド(835)を適切な高さ及び押圧力に設定する。このため、この布線開始点においては、当該光ファイバ(700)は布線基板(900)に押し付けられている状態にあるので、この時点において光ファイバ(700)は十分な保持力で保持された状態にある。
【0074】
ついで、光ファイバ送り機構(408)の従動ローラ(403)は、電磁摺動子(406)により送りローラ(402)から離間される。すなわち、送りローラ(402)及び従動ローラ(403)は光ファイバ(700)の給送には、この時点で無関係な状態とされる。この状態で、あらかじめ決定された布線軌跡にしたがってマニピュレータ(301)を移動させて布線動作を行なう。
【0075】
以上のように、この光ファイバ布線装置(106)では、布線実行中においては光ファイバ送り機構を不作動にしている。このように、布線作業中に、光ファイバ(700)の送り込みを行なわないこの光ファイバ布線装置(105)では、布線ヘッド(835)の光ファイバ押圧力を適正な範囲内で、第2の実施の形態に示す光ファイバ布線装置のそれよりも大きくして、布線された光ファイバ(700)の基板(900)への保持力を大きくするとともに、曲線パターンの布線速度を小さくして着実な布線を行なうようにしている。
【0076】
なお、第2、第3の実施の形態ともに、光ファイバリール(440)にストックされた光ファイバ(700)の有無あるいは量を検出するセンサを設け、光ファイバ(700)がなくなったり、あるいは次の布線を完了するに十分な量の光ファイバがなかったりした場合に操作者にその旨告知する警告手段を設けるよう構成してもよい。
さらに、上記各実施形態に示す光ファイバ布線装置では、光ファイバ切断機構(500)を、カッターで構成する例を示したが、これに限られることなく、市販の超音波を用いたファイバクリーバ(ヨーク社製、FK11)を用いることも可能である。
また、基板の外側に所定の長さのフリーな光ファイバを持つ光配線板を製作するため、先の第2、第3の実施形態ではテーブルに当該光ファイバを待避させておく落とし穴を設けた例を示したが、マニピュレータを基板外に移動可能に構成して、当該基板外で所定の長さの光ファイバの送り出しを行なうようにしてもよい。
さらに、上記各実施の形態においては、光ファイバの布線基板として、表面に粘着層を有したものを用いたが、これに限らず、例えば以下に示す方法等が採用され得る。
a)光ファイバ布線装置において、布線ヘッドの近くに接着剤塗布装置を設けて、布線すべき光ファイバが布線される時点で、その接着剤を当該布線基板に塗布する構成(方法)。
b)布線すべき光ファイバそれ自体に予め粘着剤を付与させておく構成。
この場合、粘着剤としては適当な押圧力が付与された時点で適度な粘着力が生じるものを利用することが望ましい。
【0077】
【発明の効果】
上で述べた通り、従来の光ファイバ布線装置では、曲がり部における配線パターンの精度が低下したり、あるいは多組の光ファイバを配線する場合の切断と布線の一連の作業が自動化できなかった。
本発明では、光ファイバの自動送り機構を用いて布線時の張力をほぼゼロにすることにより曲線部が設計パターン通りに布線できる。さらに、マニピュレータに光ファイバ切断機構、Z軸回転機構等を搭載することにより布線の一連の作業を自動化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態における光ファイバ布線装置の構成及び構造を示す斜視図である。
【図2】 図1の光ファイバ布線装置の布線機構の構成及び構造を示す拡大斜視図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態における光ファイバ布線装置の主要部の構成及び構造を示す正面図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態における光ファイバ布線装置の光ファイバ切断機構の構成及び構造を示す拡大断面図である。
【図5】 本発明の第1の実施の形態における光ファイバ布線装置の布線ヘッドの構成及び構造並びに布線時の動作を示す拡大斜視図である。
【図6】 本発明の第1の実施の形態における光ファイバ布線装置の布線作業における布線ヘッドの模式図である。
【図7】 本発明の第2の実施の形態における光ファイバ布線装置の全体構成図である。
【図8】 本発明の第2の実施の形態におけるマニピュレータの構成を示す斜視図である。
【図9】 本発明の第2の実施の形態におけるマニピュレータの構成を示す側面図である。
【図10】 本発明の第2の実施の形態における光ファイバ切断装置の構成を示す斜視図である。
【図11】 本発明の第2の実施の形態における光ファイバの布線原理を示す模式図である。
【図12】 曲線パターンの布線を説明する説明図である。
【図13】 光ファイバの曲げ応力と曲率半径との関係図である。
【図14】 布線ヘッドの押圧力と布線品質との関係図である。
【図15】 本発明の第2の実施の形態により作成される光配線板の一例を示す正面図である。
【図16】 本発明の第3の実施の形態におけるマニピュレータの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
100、105、106:光ファイバ布線装置
300、301:マニピュレータ 400、408:光ファイバ送り機構
500:光ファイバ切断機構 600:Z軸回転機構
700:光ファイバ 800、801:布線機構 900:布線基板
Claims (12)
- 粘着層(901)を形成した基板(900)上に光ファイバ(700)の敷設を行う光ファイバ布線装置(100)であって、
前記基板の面に略平行な面上を移動可能に配されて前記基板上に前記光ファイバの敷設動作を行うマニピュレータ(300)を備え、
該マニピュレータが、前記光ファイバを送り出す光ファイバ送り機構(400)と、
該光ファイバ送り機構から送られる前記光ファイバを前記基板上に布線する布線機構(800)と、
前記基板の面に略垂直な軸を回転中心として回転することで前記布線機構の布線の向きを変えるZ軸回転機構(600)と、
前記光ファイバ送り機構から送り出された前記光ファイバを切断する光ファイバ切断機構(500)とを備え、
前記布線機構に設けられて前記光ファイバを前記基板へ押し付ける布線ヘッド(830)が、前記光ファイバを前記基板の面に対して一定程度曲げた状態で保持して前記基板に押し付けるよう案内する押さえ溝(832)と、
前記光ファイバを前記押さえ溝に案内するガイド溝(831)とを備え、
前記押さえ溝が、前記基板(900)の粘着層に接触しないように前記光ファイバ(700)を保持すべく、前記布線ヘッドの先端に近づくほど細くかつ狭くなるように形成されていることを特徴とする光ファイバ布線装置。 - 前記布線機構が、前記基板に近接または離間する方向に移動可能に配されて、前記光ファイバを所定の向きに案内しつつ前記基板に押し付ける布線プランジャ(810)を備え、
前記光ファイバ送り機構と前記布線プランジャとが、Z軸方向に間隔を開けて配置されるとともに、前記Z軸回転機構によって同時に回転可能に配されていることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ布線装置。 - 前記光ファイバ送り機構が、駆動装置(410)により回転駆動されて前記光ファイバの送り出しを行う送り出しリール(420)と、
該送り出しリールから送り出される光ファイバのたわみ量を検知するたわみセンサ(430)と、
該たわみセンサからの検知信号をもとに前記駆動装置の動作を制御する駆動回路とを備えることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ布線装置。 - 前記光ファイバ切断機構が、前記光ファイバが挿通される光ファイバ通路2(711)と、
該光ファイバ通路2を横切る方向に移動可能に配されるカッター(511)と、
該カッターを、前記光ファイバ通路2を横切る方向に瞬時に移動させる電磁摺動子(510)とで構成されたことを特徴とする請求項1記載の光ファイバ布線装置。 - 前記布線機構が、前記光ファイバを前記基板に押し付けるよう、前記基板に近接または離間する方向に移動可能に配される布線プランジャ(810)と、
前記布線プランジャの移動を制御するZ軸アクチュエータ(820)を備えることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ布線装置。 - 前記布線プランジャが、前記光ファイバを前記基板に押し付ける布線ヘッド(830)と、
前記布線プランジャの前記Z軸回転機構による回転を検知する回転基準センサ(840)とを備えていることを特徴とする請求項2または5記載の光ファイバ布線装置。 - 前記押さえ溝が、前記光ファイバの破断する曲率半径より大きい曲率半径で形成されていることを特徴とする請求項6記載の光ファイバ布線装置。
- 前記布線ヘッドの先端が、前記Z軸回転機構により回転される前記布線プランジャの回転中心に位置されていることを特徴とする請求項6記載の光ファイバ布線装置。
- 前記布線ヘッドが、その全体或いは少なくとも前記光ファイバの接触する部分が、前記光ファイバより摩擦係数の小さい材質で構成されていることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の光ファイバ布線装置。
- 粘着層を形成した基板の面に略平行な面上を移動可能に配されるマニピュレータが、Z軸回転機構によって前記基板の面に略垂直な軸を回転中心として回転可能に配され且つ前記基板に近接または離間する方向に移動可能に配される布線プランジャを備え、該布線プランジャの先端に、前記光ファイバを案内して前記基板に押し付ける押さえ溝が設けられる光ファイバ布線装置を用いる光ファイバの布線方法であって、
布線開始時に、前記マニピュレータを布線開始位置に移動し、
布線するパターンの接線方向に前記布線プランジャの押さえ溝を向け、
前記光ファイバの先端を前記基板上に突きあて、
前記布線プランジャを前記基板に近接させながら前記マニピュレータを前進させ、
前記光ファイバを前記押さえ溝に挟み込んで前記基板に押し付け、
布線を開始し、
前記押さえ溝は、前記基板の粘着層に接触しないように前記光ファイバを保持すべく、前記布線ヘッドの先端に近づくほど細く狭くなるように形成されていることを特徴とする光ファイバ布線方法。 - 前記光ファイバの張力を、たわみセンサによって測定した前記光ファイバのたわみ量をもとに検知し、
前記光ファイバ送り機構によって、前記光ファイバが常に所定のたわみを持つように前記光ファイバを送り出すことを特徴とする請求項10記載の光ファイバ布線方法。 - Z軸アクチュエータによって前記布線プランジャの前記基板に近接または離間する方向への移動を制御し、
布線時には前記布線プランジャにより前記光ファイバを前記基板に押し付ける圧力の調整を行い、
布線動作以外には前記布線プランジャを前記基板から離間させることを特徴とする請求項10または11記載の光ファイバ布線方法。
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