JP3705917B2 - 文書処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、要約やキーワードもしくはデータ中の特定範囲に関する関連情報などを表示し、電子化された文書の読書の理解や興味を促進するための文書処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
文書などをフロッピーディスクやメモリーカードに記憶させて、携帯型の表示装置上に表示させる、いわゆる電子ブックと呼ばれる装置が公知である。左記電子ブック装置における文書としては、辞書、百科事典、小説などが扱われている場合が多い。辞書、百科事典では見出しと見出しの内容が関連付けられてフロッピーディスクやCD−ROMなどのメモリに格納され、見出し入力手段から見出しを入力し、検索操作を実行することにより関連付けられた見出しの内容を表示するようになっている。見出しは検索を間便にするため、例えば「あいおうえお」のようなインデックスが付けられている装置も存在する。また、文書の内容が小説のような読み物の場合は、できるだけ紙でできた書籍に似せた表示構成になっており、順送りと逆送りのボタンに代表されるページ切り替え手段で書籍のページを捲るようにページを切り替え、読書を行うようになっている。
【0003】
更に、最近数社から発売されている電子百科事典によれば、見出しあるいは見出し内容の特定のキーワードにCD−ROMあるいはネットワーク上のリソースに関連付けられたリンク情報を付加することにより、リンク先の情報も表示できる技術が知られている。
【0004】
また、特開平5−314732号公報に示される携帯型表示装置には、各ページ毎に文章が記憶された文章記憶手段と、各ページ毎に前記文章記憶手段に記憶された文章データの各ページの前までの概略的内容を示す粗筋データが記憶された粗筋記憶手段と、前記各記憶手段から読み出されたデータに従って前記ページ内の文章あるいは前記概略的内容を表示する表示手段と、該表示手段の電源をオン・オフするスイッチ手段と、該手段のオフ動作に応答して、該オフ動作時に、前記表示手段に表示されていたページ番号を記憶するページ番号記憶手段と、前記スイッチ手段のオン動作に応答して、前記ページ番号データが示すページの前までの粗筋データを前記粗筋データ記憶手段から読み出して、読み出された粗筋データに基づいて前記概略的内容を表示手段に表示させる制御手段を有する技術が公開されている。また、特開平5−314732号公報には、ページナンバー指定手段を有し、ページナンバーを指定すると、指定されたページナンバーに対応する粗筋データを表示手段に表示する技術が公開されている。
【0005】
また、特開平7−36896号公報に示される文書要約装置は、文書の領域を選択することによって自動的に要約を作成する装置に関するもので、シードリストとストップリストを管理することにより、要約が長すぎる場合には、その要約に対し領域選択処理が行われ、より短い要約が作られる。この領域選択処理は所望の長さを有する要約が生じるまで繰り返される。以上により要約の長さを所定の長さ以下になるように調整する技術が公開されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来例では、文書の要約(粗筋という表現を含む)を得るために、各ページ毎に前記文章記憶手段に記憶された文章データの各ページの前までの概略的内容を示す粗筋データが記憶された粗筋記憶手段が設けられており、大量の要約(粗筋)データが必要となる。粗筋データの記憶の単位がページ毎ではなく、例えば章単位などであっても、当該章の前の章までの粗筋データを各章毎に用意する必要があり、粗筋データの量が大きくなるという問題があった。
【0007】
また、上記従来例では、要約の詳しさや長さを変える場合、そのバリエーションの分だけ要約データを用意してやる必要があり、さらに多くの要約データが必要となる欠点があった。
【0008】
また、上記別の従来例には、要約の長さを自動的に一定の長さ以下に調整する技術が述べられているが、要約が長すぎる場合には、長すぎる要約に対して巡回的に要約処理を行って要約の長さを調整する方法が採用されており、一旦要約データから落ちたデータは詳細要約データに復帰できないため、要約の質の点で問題があった。
【0009】
また、従来のキーワードやインデックスに関連付けられた関連情報を見る方法は、関連情報の内容が固定されており、文書内容の種類や、読み終えた文書の量に応じて、キーワードやインデックスに関連する関連情報の内容や項目を変化させて読者の理解や興味を促進することができないという問題があった。
【0010】
また、上記の従来例では、要約中のキーワードやインデックスに対して関連情報がリンクされておらず、かつ、要約や関連情報が文書内容の種類や、読み終えた文書の量に応じて変化することがないため、提示された要約で概要をつかみきれないときは、大部分が重複した内容の要約量の多い要約を再度読み出して表示することになり、読者は重複した要約文書を読まされるはめになるという問題があった。
【0011】
また、上記従来例は要約を都度原文から生成する過程を経るので要約に時間がかかるという問題があった。
【0012】
また、上記従来例は、機械処理により要約を生成しているので、文脈やスコープの処理で人間の手による要約に比べ要約の質が落ちるという問題があった。
【0013】
また、上記従来例では、現在の読書位置に対応して提供する要約や関連情報の制限をかける機構を有していないため、未読領域に対する良薬や関連情報が表示される場合があり、例えば、推理小説などのようなストーリー性のある文書を読む場合に、以後の読書の興味をそぐ要約や関連情報を提供してしまうという問題があった。
【0014】
本発明は、特定範囲の主データの内容を異なる詳しさで要約した要約データを要約データ記憶手段に複数格納し、これらの要約データを組み合わせ要約データの出力を制御するすることにより、読み進んだ文書の量や、表示しているページや、文書の内容に基づいて要約を動的に変えて出力する文書処理の提供を目的とする。
【0015】
また、本発明は、キーワードやインデックスの対する関連情報を出力する場合においても、要約と同様に、読み進んだ文書の量や、表示しているページや、文書の内容に基づいて関連情報を動的に変えて出力する文書処理の提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1乃至請求項4に係わる文書処理装置は、文書データである主データを記憶する主データ記憶手段と、主データの内容を特定範囲ごと要約した要約データを記憶する要約データ記憶手段と、前記要約データ記憶手段に記憶されている要約データを選択する要約選択手段と、少なくとも主データあるいは要約データを表示する表示手段と、前記表示手段に表示される表示ページを切り替えるページ切替え手段と、現在までに前記表示手段に表示されたデータの履歴を記録しておく履歴記録手段と、を有し、前記要約データ記憶手段は、前記特定範囲の内容を異なる詳しさであらかじめ要約された要約データを複数格納しており、前記要約選択手段は、少なくとも主データの要約の範囲および要約の詳しさレベルに基づいて、前記要約データ記憶手段に記憶されている要約データを選択し、前記要約選択手段により選択された異なる特定範囲の要約データを組み合わせ要約データを作成し、表示手段に表示させる制御を行なう要約制御手段を有することを特徴とする。
【0017】
また、前記要約制御手段は、表示された主データの範囲に基づいて出力する要約データの量あるいは構成を動的に変化させることを特徴とする。また、前記要約制御手段は、表示されている主データの位置に基づいて出力する要約データの量あるいは構成を動的に変化させることを特徴とする。さらに、前記要約選択手段は、更に、ユーザーからの指示に基づいて出力する要約データの量あるいは構成を動的に変化させることを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項5乃至請求項9に係わる文書処理装置は、文書データである主データを記憶する主データ記憶手段と、前記主データ中のキーワードもしくは主データ中の特定範囲と関連情報を関連付けて記憶する関連データ記憶手段と前記関連データ記憶手段に記憶されている関連データを選択する関連データ選択手段と、少なくともキーワードもしくは主データ中の特定範囲に関するデータあるいは関連データを表示する表示手段と、前記表示手段に表示される表示ページを切り替えるページ切替え手段と、現在までに前記表示手段に表示されたデータの履歴を記録しておく履歴記録手段と、を有し、前記関連データ記憶手段は、前記主データ中のキーワードもしくは前記主データ中の特定範囲の内容を異なる構成であらかじめ関連付けられた関連データを複数格納しており、前記関連データ選択手段は、少なくとも関連データを前記表示手段に表示すべき主データの範囲および関連データの詳しさのレベルに基づいて、前記関連データ記憶手段に記憶されている関連データを選択し、前記関連データ選択手段により選択された異なる特定範囲の関連データを組み合わせキーワードもしくは主データ中の特定範囲の関連データを作成し、表示手段に表示させる制御を行なう関連データ制御手段を有することを特徴とする。
【0019】
また、前記関連データ制御手段は、表示された主データの範囲に基づいて出力する関連データの量あるいは構成を動的に変化させることを特徴とする。また、前記関連データ制御手段は、表示されている主データの位置に基づいて出力する関連データの量あるいは構成を動的に変化させることを特徴とする。また、前記関連データ制御手段は、主データの内容に基づいて出力する関連データの項目を動的に変化させることを特徴とする。また、前記関連データ選択手段は、更に、ユーザーからの指示に基づいて出力する関連データの量あるいは構成を動的に変化させることを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項10に係わる文書処理装置は、請求項1及び請求項5に記載の手段を有し、前記関連データは前記要約データ中のキーワードもしくは前記要約データ中の特定範囲に対して関連付けられ、要約の範囲あるいは位置に基づいて動的に量あるいは構成を変化させることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、請求項1乃至請求項4記載の文書処理装置の構成の例を示すブロック図である。図1において、主データ記憶手段1は、テキストや画像などの文書データ(以下、主データと呼ぶ)を記憶しておくICメモリ、磁気メモリなどの記憶手段である。ページ切り替え手段2は、表示手段7上に表示されている内容を切り替えるキー、ボタン、アイコンなどのページ切り替え手段である。ページ切り替えは、表示手段の1画面という意味のページの他に、表示画面の一つのウインドウや、要約データと主データの表示を切り替えることを含んでいる。履歴記憶手段3は現在までに表示手段に表示されたページの履歴を記憶している手段であり、要約データ記憶手段4は要約を生成するための詳しさのレベルの異なる要約の素片を記憶しておく手段である。
【0022】
要約選択手段5は、出力する要約の詳しさのレベル、要約の範囲、要約レベルの傾斜などの要約構成条件を選択するための手段であり、要約制御手段6は主データを入力とし、ユーザが要約選択手段で選択した要約構成条件にマッチする要約を生成し、表示手段7に表示する一連の制御を行う手段である。表示手段7はCRT、LCD、PDPなどの表示手段である。
【0023】
図2は、本願請求項1乃至請求項4に関わる文書処理装置の外観図の一つの例を示す図である。図2は図1と同じ手段には同じ番号を用いて表している。図2中のページ切り替え手段は、表示手段7の内容を切り替えるもので、表示手段に表示されたページを順送りする20、逆送りする21、主データ表示画面から要約画面に相互に切り替える22、主データ表示画面から関連情報表示画面に相互に切り替える23から成り立っている。なお、20、21は主データのページの順送り、逆送り用のボタンとしての機能の他に要約あるいは関連情報のユーザインタフェースにおける選択項目の順送り、逆送りの機能も兼ねている。
【0024】
図2で示したページ切り替え手段は、表示手段とは別のボタンをもうけているが、例えば表示手段内にボタンアイコンを置く構成にしても良い。また、ボタンの配列、配置は図に示された構成に限定されるものではない。主データ表示画面から要約画面あるいは主データ表示画面から関連情報表示画面への切り替えは全頁切り替えであっても例えば主データ表示画面の中に部分的に要約や関連情報を表示する画面を形成する方法であってもよい。
【0025】
図3は、データのアクセス構造の例を示した図である。主データ記憶手段1には、表示すべきデータがインデックス化されて記録されており、インデックスには、主データ中の対応するアドレスの値が記録されている。例えば、インデックス番号100によって、インデックスの配列中の特定要素102が指し示される。102には主データのアドレス104が記録されており、インデックスを指定することにより対応する主データのアドレス104をアクセスすることができる。
【0026】
インデックスで指し示される主データのアドレスを表示ページの先頭アドレスとすることにより、インデックス番号を指示するだけで、表示ページの先頭データにアクセスすることができる。表示データは、そのアドレスからある長さだけ連続するデータであるが、その長さは、表示手段7に表示した時に一定量となるようにしておく。例えばテキストデータが入っているとしたら、表示した時に一定行数となるようなデータ量である。
【0027】
表示ページを切り替える場合は、インデックス番号を切り替えることで実現できる。たとえば、101を102にすることで表示ページを1ページ増やしたページに切り替えることができる。
【0028】
インデックス化する単位は、表示手段7に表示できるデータ量単位より少なめにすることもできる。さらに細かい単位、例えば行単位、単語単位、文字単位などにすることも可能である。この場合、現在の表示ページと次の表示ページは、読みやすいように一部データの内容が重複するようにすることも可能である。
【0029】
図4は履歴記憶手段3の記憶構造の例を示す図である。表示インデックス番号110は、主データ記憶手段1から送られてくる現在表示されている表示インデックス番号であり、最小インデックス番号111、最大インデックス番号112は、それらの間が既に表示された主データの範囲(以下、既読範囲と呼ぶ)であることを表す。
【0030】
図5は要約を生成するためのデータ構造についての例を示した図である。本発明における要約は、人間の手によって要約された主データの特定範囲の要約データを組み合わせることで生成される。この要約データは主データの特定範囲に対し、要約の詳しさ(以下要約の詳細度という表現を用いることもある)を変えた複数個を用意する。図5では、章を単位とした特定範囲の例を示し、要約データの詳しさに4種類を用いた例を示している。
【0031】
章開始インデックス120、121、122はそれぞれ主データの第1章、第2章、第3章の開始ページのインデックスを表しており、章終了インデックス123、124、125はそれぞれ主データの第1章、第2章、第3章の終了ページのインデックスを表している。
【0032】
章詳細度126、127、127はそれぞれ章開始インデックスと章終了インデックスとの間の主データの要約データへのポインタを格納しており、129には第1章を5行で要約した章詳細度1の要約データへのアドレスが、130には第1章を10行で要約した章詳細度2の要約データへのアドレスが、131には第1章を15行で要約した章詳細度3の要約データへのアドレスが、132には第1章を20行で要約した章詳細度4の要約データへのアドレスが格納されていることを表している。これらは、各要約データのアドレスを示す配列として章詳細度要約アドレスに章詳細度データのアドレスを持たせることで実現することができる。
【0033】
上記の実施例は、章詳細度を要約の行数で定義したものであるが、主データに対する要約量の割合で表してもよい。例えば、上記実施例と合わせると、章詳細度1の要約データを主データの5%、章詳細度2の要約データを主データの10%、章詳細度3の要約データを主データの15%、章詳細度4の要約データを主データの20%にする。
【0034】
以上により、例えば、第1章の詳細度2の要約データにアクセスしたい場合は、第1章の章詳細度要約アドレスの配列の二つ目の要素の値(130)を読むことで、章詳細度2要約134のデータへのアドレスを得ることができる。
【0035】
図6は要約選択手段5のユーザインタフェースの例を示す図である。600は現在のページを再表示するためのボタンであり、601は表示された要約より更に短い要約を出力する場合に用いるボタンであり、602は逆に表示された要約より詳細度の高い要約を要求する場合に用いるボタンであり、603は主データの特定領域全体にわたって詳細度が均一的な要約を出力する場合に用いるボタンであり、604は主データの特定領域内で現表示ページに近い方をより詳しく要約するためのボタンである。
【0036】
図7は要約選択手段5の要約の範囲を決定するためのユーザインタフェースの例を示す図である。605は現在表示している章のみを要約の範囲とする選択項目であり、606は履歴記憶手段に記憶された既表示の章を要約の範囲とする選択項目であり、607は要約する章の範囲を指定する選択項目である。章の数字は数字の枠が選択されたときに、例えば22と21あるいは22と20を同時に押すことにより数字がアップ、ダウンするようにすることで実現可能である。
【0037】
なお、図6及び図7の各ボタンは表示装置7の表示画面の一部にボタンアイコンで実現してもよいし、文書処理装置2に20〜23のようなボタンを追加しても良い。また、図6、図7は上記の例では機能が異なるため異なるユーザインタフェースとして説明したが、一つのユーザインタフェースにまとめることも可能である。
【0038】
図19は請求項1乃至請求項4記載の文書処理装置の処理の概略フローの例を示した図であり、図1乃至図7で説明した手段あるいはデータ構造を用いて説明する。S31は表示インデックス番号を獲得する処理モジュールである。表示インデックスは、図4の110から求めることができる。S32は表示インデクスで示されるアドレスから1ページ分の主データを主データ記憶手段1から読み出して表示手段7に表示する処理モジュールである。S33は要約選択手段22により要約表示モードへ移行するための処理モジュールである。S34は要約選択手段23により関連情報表示モードに移行する処理モジュールである。S35はページ切り替え手段により主データのページを切り替える処理モジュールである。S36は文書処理装置を終了させるための処理モジュールである。必要なデータの退避処理を行ってから電源を切る。S37、S39はそれぞれ要約表示モード、ページ切り替え操作モジュールであり以下で詳細に説明する。S38は関連情報表示モードであり、請求項5以降の説明が済んでから説明する。
【0039】
なお、S30はS31からS36に向けて分岐なしで進んだ場合を表しており、主データの表示を司る処理モジュールになる。本発明では、このモードを要約表示モード等と対比して主データ表示モードと呼ぶことにする。
【0040】
まず、要約表示モードについて説明する。図20は要約表示モードに関する処理のフローの例を表す図である。S110は図19のS33モジュールでyesへ分岐した状態を表す処理モジュールであり、要約選択手段のボタン22を押し、要約表示モードに入る処理モジュールである。S111は、今までに表示した主データの範囲のデータを獲得する処理モジュールであり、図4によりデータを得ることができる。S112は要約範囲を確定する処理モジュールであり、図7のユーザインタフェースを用いユーザの指示に基づいて範囲を決定する。この処理モジュールはデフォルトを図4の最小インデックス番号と最大インデックス番号の間とすることにより、省略することもできる。その場合は、図7のユーザインタフェースも省略することが可能である。S113は、図6のユーザインタフェースを用いて要約の詳細度、要約詳細度の傾斜など要約構成条件を決める処理モジュールである。S114は実際に要約を開始する処理モジュールであり、通常要約選択手段22を押下することで行う。要約範囲や、要約の構成条件を変えて行うときは、S112へ戻る。S115は、上記で決定した要約範囲、要約構成条件に基づいて図5の構造から要約データを照合する処理モジュールである。S116は条件にマッチした要約データを生成する処理モジュールである。S117は生成した要約データを表示する処理モジュールである。
【0041】
図21は、上記図20の要約構成条件を確定する処理モジュールS113に関する詳細フローである。簡単のために主データは3つの章から成り立ち、ユーザは第1章から読み始め第3章を読み終わった状態で、デフォルトの章詳細度は3に設定されているとする(図5に相当)。S120は、図6の要約構成条件設定用のユーザインタフェースを表示し、項目を選択するための処理モジュールである。S131は既に要約が表示されているか否かを判断する処理モジュールである。要約が表示されていない場合は、ユーザインタフェースの「均一的」が選択されたか否かを判断する(S121)。なお、選択項目の「均一的」と、「近くが詳しい」はいずれか一方が選ばれるようになっている。
【0042】
「均一的」が選択されない場合、現在章の終わりが表示しているか否かを確認する(S122)。現在章の終わりが表示されている場合は、履歴情報の最大インデックス番号の章の詳細度を求める(S124)。今の場合、詳細度の値Mがないので、デフォルト値が適用され、値3が求められる。
【0043】
次に傾斜配分比率Kを求める。この値はS112で求めた要約の範囲Lと前記Mとの比(L/M)で求める(S125)。Lは、例えば、要約の範囲が第1章から第3章の場合、L=3−1+1=3で表される。L/Mが整数であるか否かを求める(S126)。L/Mが整数である場合は、要約範囲の対象となる主データの最初の章から最後の章にKずつ詳細度を変化させる。今の場合、要約範囲は3章であり、詳細度が3であるのでKは1となり、第3章は詳細度3,第2章は詳細度2,第1章は詳細度1を求めることができる(S128)。これらの情報を保存しておく(S129)。S126でKが整数にならない場合は、Kが整数になるまでLを1ずつ減少させ、整数になったページから要約範囲の最終章に向けて整数Kで詳細度の傾斜を付ける。上記処理で範囲外になった章は最小の詳細度に合わせておく(S127)。
【0044】
また、S121で「均一的」が選択された場合は、要約範囲の最終表示のページあるいは章の要約の詳細度を読み込み、全部の章に対しその値を設定する(S130、S128)。要約の詳細度のデータがない場合はデフォルト値を適用する。
【0045】
一方、S131で要約が表示されている場合は、図6のメニューの「もっと長く」か、「もっと短く」か、「抜ける」を選択する。これらのメニューは三択になっており、いずれか一つしか選ぶことができないようになっている。「もっと長く」が選ばれたときは(S132)、現在表示されている要約の各章の詳細度を1つづつカウントアップする(S133)。「もっと短く」が選択された場合は逆に詳細度のカウントを1つづつダウンする(S134)。「抜ける」が選択された場合(S134)は、そのまま再表示をする(S136)。
【0046】
上記実施例は、図6、図7による要約選択手段5のユーザインタフェースを用いた構成条件を設定する場合に関するものであった。デフォルト値を、例えば、章の詳細度を1に設定し、かつ、要約の範囲を今までに表示した主文のすべてという具合に決めておき、単に要約選択手段22を押すことにより、要約が実行され、要約選択手段を押す度に、要約の詳細度を上げるように設計しておくことでも、本発明の請求項1乃至請求項3を実現することができる。
【0047】
図22は図20のS115,S116に関する詳細フローの例を示した図である。S140はS112あるいはS113で獲得された要約データを参照するモジュールであり、要約データのアクセスの方法は図5の説明の時に行ったので割愛する。S141は、主データの章末まで表示されたか、表示の履歴を調べる処理モジュールである。これは、S122ですでに判断され、S129で要約制御装置に格納されているので、それを利用する。
【0048】
主データが章の途中まで表示さている場合は、表示された範囲で要約を実行するために、S123で求めた最終表示位置割合Rで当該章の要約を打ち切る(S142)。当該章の要約をRで打ち切った場合に、要約データの最後が文の途中になる場合がある。要約が文の途中になる場合は、当該文が完了する当該文の句点までを要約データに補充する(S143,S144)。出力する要約バッファに当該章の要約データをロードし、要約の範囲が複数の章にまたがるときは、章の若い要約から順につなげていく(S145,S146)。これを要約の範囲の最終章まで繰り返す(S147)。
【0049】
なお、主データが章の途中まで表示されている場合の別の実施例として、当該章の要約を無視し、前章までの要約にすることも可能である。
【0050】
図23は、S39にかかわる処理のフローの一例を示した図である。ページ切り替え手段20,21が押されたときに出される信号を獲得し(S1)、次ページ切り替え手段21が押されたか、前ページ切り替え手段20が押されたかを判断する(S2)。20が押された場合は、表示のオーバーラップ行数をnとすると、(現在の表示行数−n)行分表示を進め(S5)、主データの表示インデックスの番号を求める(S6)。前ページへの切り替えの場合は逆に、現在の表示行数から(−n)行分戻し、インデックス番号を求める(S3、S4)。
【0051】
次に、既読範囲の更新を行う。これは、図4における最小インデックス番号111、最大インデックス番号112を更新することで行う。すなわち、表示するページが変わって、表示インデックス番号110の値が更新されると、最小インデックス番号111の値と比較する(S7)。もし最小インデックス番号111の値より表示インデックス番号110の値の方が小さければ、最小インデックス番号111の値を表示インデックス番号110の値に更新する(S8)。最大インデックス番号112も同様に、表示インデックス番号110の値の方が大きければ(S9)、更新する(S10)。
【0052】
以上述べた手段と方法により、表示された主データの範囲あるいは主データの位置に基づいて出力する要約データの量あるいは構成を動的に変化させることが可能である。また、ユーザーからの指示に基づいて出力する要約データの量あるいは構成を動的に変化させるこが可能となる。
【0053】
図8は、請求項5乃至請求項10記載の文書処理装置の構成を示すブロック図の一例である。図8において図1と共通する手段には共通の番号を付しており、説明を割愛する。ページ切り替え手段12は、表示手段7上に表示されている内容を切り替えるキーやボタンやアイコンなどのページ切り替え手段である。ページ切り替えは、表示装置の1画面という意味のページの他に、表示画面の一つのウインドウや、キーワードもしくはデータ中の特定範囲に関するデータあるいは関連データあるいは主データとの間の表示を切り替えることを含んでいる。履歴記憶手段13は現在までに表示手段に表示されたページの履歴を記憶している手段であり、関連データ記憶手段14は関連データを生成するための構成や内容の異なる関連データの素片を記憶しておく手段である。
【0054】
関連データ選択手段15は、出力する関連データの構成や内容を選択するための手段であり、関連データ制御手段16は主データを入力とし、ユーザが関連データ選択手段で選択した構成や内容の関連データを生成し、表示手段7に表示する一連の制御を行う手段である。
【0055】
主データ記憶手段1のキーワードとは例えば小説や漫画中に出てくる人物の名前や地名などであり、キーワードに関する関連情報とは、小説や漫画中に出てくる人物の例で言えば、その人の名前であるとか年齢、職業、性格、その人の行動などである。また、主データ記憶手段1のデータ中の特定範囲は、その範囲にイメージデータあるいはイメージデータの一部分であってもよい。
【0056】
また、データ中の特定範囲に対し、特定のキーワードをつけることも可能であるので、以下、本発明では、キーワードもしくはデータ中の特定範囲を含めた概念語としてキーワードという言葉を用いる。
【0057】
図9はキーワード「早川 太郎」に関する関連データの表示例である。80はキーワード関連データの項目であり、81は項目に対する値(内容)である。82は、キーワード「早川 太郎」に関する関連データ項目であり、今の場合「基本データ」になっている。
【0058】
図10は主データ第3章におけるキーワード「早川 太郎」の関連データ項目「関連人物」に関する関連データの表示例である。83が関連データである。84は関連データ項目の内容を表しており、「早川 太郎」の職業は電気屋経営であり、不二子という長女がいることなどを知ることができる。関連データ項目の内容は、テキストデータの他に、図表データや、音声などを含むマルチメディアデータであってもよい。また、関連データ項目は関連人物の他に、基本データ、特徴、行動、生い立ち、関連地名、関連製品、関連時間、業績など主データの種類や内容に応じて追加、削減することができる。
【0059】
なお、キーワードの関連データはあらかじめ設定した単位(例えば、今まで説明した要約と合わせると章)毎に、人手によってつけられている。従って、キーワードに関する関連データの内容は章によって異なる。例えば、図5とおなじように主データは3章から成り立っており、図9及び図10が第3章の「早川 太郎」に対する関連データであるとすると、主データが第1章のキーワード「早川太郎」に関する「基本データ」及び関連データ項目「関連人物」の関連データの例はそれぞれ図11、図12のようになり、「早川 太郎」の22才から28才にかけての関連データが記載され、松下今日子との関連が記載されている。
【0060】
図15は、キーワードに関する関連データのアクセスの方法を説明するためのデータ構造の一例を示した図である。図15の中の90はキーワードであり、主データ位置91は、主データ中のキーワードの先頭文字の位置とキーワードの末尾文字の位置を示すものである。その値は、バイト数で割り当てたり、あるいは、イメージデータの場合のように表示手段のピクセル数で表すことができる。関連データアドレス92は関連データ93へのポインターを格納し、92のポインターで示される先に、図9乃至図14のような関連データが保存されている。上記主データ位置、関連データアドレス、関連データはともに配列構造で表されており、インデックス番号によってアクセスすることができる。なお、関連データアドレスのように可変長構造のデータの場合は、項目数94に見合うデータ量の割り当てを行う。また、図中の関連データアドレス[2]、関連データアドレス[3]のように異なる関連データアドレスが同じ関連データを指すことがありえる。このようにすることで関連データの重複を減らし、記憶容量を削減することが可能になる。
【0061】
図16は、上記関連データアドレス92の構造の例を説明した図である。94は、関連データ項目を管理するためのデータを格納(図ではk)しており、95は関連データ項目見出しを格納しており、96は関連データの実体へのポインターを格納している。たとえば、関連項目1は、「基本データ」であり、関連項目2は「関連人物」などである。この項目は、主データの内容によって異なる構成になっており、例えば、推理小説などのように人物、地名に関する内容が主になる場合は[基本データ]、「関連人物」、「生い立ち」、「関連地名」などが格納され、例えば技術文書のような物が中心になる場合は[基本データ]、「特徴」、[関連製品]など物に関する項目が格納されている。
【0062】
図17は、関連データ92の内部データ構造の例を説明した図である。97は、図16の96を分解的に示した図である。アドレス〔1〕が関連データアドレス1であり、項目〔1〕の値は「基本データ」であり、アドレス〔2〕が関連データアドレス2であり、項目〔2〕の値は「関連人物」であることを意味している。98は、97のアドレスポインタで指される関連データの内部構造を表した図である。99は、キーワード「早川 太郎」の関連データ項目「基本データ」の内容のデータ構造の例を示しており、99は関連データ実体の項目、100がその内容を表している。なお、データそのものは図10の内容になっている。99は文書処理装置の設計者に既知の情報であるので、省略することができる。ここでヘッダー情報は、情報の内容の格納形態を区別するための物で、例えばテキストデータに対する「txt」、ビットマップデータに対するを「bmp」などを用いることができる。
【0063】
96のアドレス〔2〕は、関連人物に関するもので97のポインターの先は101になっている。100の実体は「松下今日子〔名前〕」であり、〔名前〕は項目名であり、更に情報を検索するためのキーとして使うことを意味している。102は、96のアドレス〔3〕の実体を表している。
図18は、主データ中のキーワードから関連データを引き出すページ切り替え手段12及び関連データ選択手段15の例を説明するための図である。103は主データのページの切り替えと、関連データあるいは要約のユーザインタフェースの項目選択を兼務する方向キーである。主データが表示手段7に表示されている場合には、左右方向のキーで逆方向、順方向に表示ページを切り替えることができる。103の上下のキーは、キーワード106へカーソル107を移動させるときに用いるキーである。下向きのキーは次のキーワードへカーソルを進め、上向きのキーは一つ前のキーワードへカーソルを戻す。
【0064】
104は要約選択手段の例であり、主データ表示モードと関連データ表示モードを切り替える機能ボタンやキーで実現される。主データ表示モードの時に104が押されると、関連データ表示モードに移る。
【0065】
関連データ表示モードに移ると、キーワード(今の場合「早川 太郎」)の関連項目メニューを表示する。メニューの選択項目、例えば「基本データ」を選択すると図10が表示される。再び主データ表示モードへ移る場合は、関連データが表示された状態で104を再度押す。関連項目メニューが表示された状態で、例えば103の右向き矢印キーを押すと、関連データの範囲を設定するメニューが表示される。これは、要約と共通にすることができる(図7)。
【0066】
関連データの範囲を決定した状態で、更に103の右向き矢印キーを押すと関連データの内容、構成を変えるメニューが表示される(図6)。「もっと長く」を選択すれば、表示された関連データより詳しい関連データを表示し、「もっと短く」を選択すれば、表示された関連データより簡単な関連データを表示する。
【0067】
関連データが表示履歴、あるいは図6メニューの選択により動的に変化する説明を行うため図13及び図14を追加する。図13は、第1章から第3章までを総合したキーワード「早川 太郎」に対する関連データ項目「基本データ」に関する関連データであり、図14は、主データ第1章のキーワード「早川 太郎」に関する図12を関連項目選択手段で「もっと短く」を選択した結果得られる関連データの例を示している。
【0068】
以下、上で説明したデータ構造及び図24の処理フロー図を用いて上記関連データの結果がいかに得られるかを説明する。ジェネラルフローは図19であり、関連情報は、S38の関連報表示モードに移ったところから始まる。関連情報処理モードに関するジェネラルフローは、図20の要約を関連データに置き換えることにより共通に使うことができる。ただし、要約選択手段と関連データ選択手段手段が少し異なるので説明を簡単に付け加える。処理モジュールは図20と同じとし、「'」で区別する。
【0069】
S110'は図19のS33モジュールでyesへ分岐した状態を表す処理モジュールであり、関連データ選択手段のボタン104を押し、関連データ表示モードに入る処理モジュールである。S111'は、今までに表示した主データの範囲のデータを獲得する処理モジュールであり、図4によりデータを得ることができる。S112'は関連データの範囲を確定する処理モジュールであり、図7のユーザインタフェースを用いユーザの指示に基づいて範囲を決定する。この処理モジュールはデフォルトを図4の最小インデックス番号と最大インデックス番号の間とすることにより、省略することもできる。その場合は、図7のユーザインタフェースも省略することが可能である。
【0070】
S113'は、図6のユーザインタフェースを用いて関連データの詳細度、関連データ詳細度の傾斜など関連データの構成条件を決める処理モジュールである。S114'は実際に関連データの生成を開始する処理モジュールであり、通常関連データ選択手段104を押下することで行う。関連データ範囲や、関連データの構成条件を変えて行うときは、S112'へ戻る。S115'は、上記で決定した関連データ範囲、関連データ構成条件に基づいて図15、図16、図17の構造から関連データを照合する処理モジュールである。S116'は条件にマッチした関連データを生成する処理モジュールである。S117'は生成した関連データを表示する処理モジュールである。
【0071】
図24は、上記関連データ構成条件を確定する処理モジュールS113'に関する詳細フローである。簡単のために主データは要約と同じ、3つの章から成り立ち、ユーザは第1章から読み始め第3章を読み終わった状態であるとする。デフォルトの章詳細度は1(もっとも簡単)に設定されているとする。S220は、図6の要約と共用の関連データ構成条件設定用のユーザインタフェースを表示し、表示されたメニュー項目を選択するための処理モジュールである。S231は既に関連データが表示されているか否かを判断する処理モジュールである。関連データが表示されていない場合は、ユーザインタフェースの「均一的」が選択されたか否かを判断する(S221)。なお、選択項目の「均一的」と、「近くが詳しい」はいずれか一方が選ばれるようになっている。
【0072】
「均一的」が選択されない場合、すなわち「近くが詳しい」が選択された場合、現在章の終わりを表示しているか否かを確認する(S222)。現在章の終わりが表示されている場合は、履歴表示の最大インデックスと最小インデックスとの差から、履歴表示の章の数を算出する。今の場合、主データは3章から成り立っているのでこの値Mは3である(S224)。
【0073】
次に関連データの詳細度について説明する。関連データの詳細度は要約の場合と異なり明示的なデータとして蓄積されない。デフォルトは1であり、一番簡単な関連データである。詳細度の高い関連データを生成するための準備として、詳細度カウンターPの値を一つ上げる(S224)。より詳しい詳細度の関連データを作るために、関連データの内容の中に〔 〕でくくられた項目があるかいなかを検索する(S226)。
【0074】
今の例の場合、「早川 太郎」の基本データの内容には〔 〕でくくられた項目が無い。基本データに関しては、S228へ進むことになる。一方、関連人物の内容には〔 〕が含まれている。この〔 〕は、その項目を有する基本データがある可能性を表している。今の例の場合、松下今日子に〔名前〕があることから、名前が松下今日子のインデックスを探し、その関連データから、松下今日子が野口ともおとも交際中であることが分かる。更に松下今日子の関連データ中の野口ともおにも〔人名〕が埋め込まれているとすると、野口ともおの基本データを見ることによりその職業が質屋であることが分かる。関連データの追加検索は繰り返しの度に詳細度カウンタPを1ずつ増加させ、内容に〔 〕が無くなるまで上記M回再帰的に繰り返えし(S225)、詳細度の異なる関連データを保存する(S229)。このようにして得られた「早川 太郎」の関連データ項目が「関連人物」で詳細度が1の関連データが図14であり、詳細度が3の関連データが図12である。
【0075】
次に傾斜配分について説明する。上記詳細度カウンタPとMを比較する。P=Mでない場合は、P=M−P+1で各章の詳細度を決める。例えばM=3でP=2の場合、第3章のP=2であり、第2章のP=1であり、第1章のP=0となるが、Pが1より小さい場合は1にする。この処理を行うモジュールがS228である。
【0076】
また、S221で「均一的」が選択された場合は、デフォルトの詳細度1を全部の章に対し設定する(S230)。
【0077】
一方、S231で要約が表示されている場合は、図6のメニューの「もっと長く」か、[もっと短く]、か「抜ける」を選択する。これらのメニューは三択になっており、いずれか一つしか選ぶことができないようになっている。「もっと長く」が選ばれたときは(S232)、現在表示されている要約の各章の詳細度を1つづつカウントアップする(S233)。「もっと短く」が選択された場合は逆に詳細度のカウントを1つづつダウンする(S234)。「抜ける」が選択された場合はそのまま再表示をする(S235)。
【0078】
図25は図20の要約を、関連データに変えた処理モジュールS115'、S116'に関する詳細フローの例を示した図である。S240はS112'あるいはS113'で獲得された関連データを参照するモジュールであり、関連データのアクセスの方法は図15、図16、図17の説明の時に行ったので割愛する。S241は、主データの章末まで表示されたか否か、表示の履歴を調べる処理モジュールである。これは、S222ですでに判断され、S229で要約制御装置に格納されているので、それを利用する。主データが章の途中まで表示さている場合は、表示された範囲で要約を実行するために、S223で求めた最終表示位置割合Rで当該章の関連データを打ち切る(S242)。関連データの打ち切りは、関連データの項目数に、Rを積算し、少数以下切り捨てにする(S248)。積算量が1に満たない場合は1項目だけ出力とする(S244)。
【0079】
出力する関連データバッファに当該章の関連データをロードし、関連データの範囲が複数の章にまたがるときは、章の若い関連データから順につなげていく(S245,S246)。これを関連データの範囲の最終章まで繰り返す(S247)。以上の方法により、第1章から第3章までの「早川 太郎」の基礎データの例が図13である。
【0080】
なお、上記実施例は図6及び図7のユーザインタフェースを用いて、関連情報の構成条件を選択する方法に基づいていた。別の実施例として、これらのユーザインタフェースを用いない場合も存在し得る。それは、デフォルトを用いて関連データの構成条件を決める場合に相当し、例えば、関連データの範囲を表示履歴記憶手段に記憶された範囲に、関連データの詳細度を均一的に、関連データの長さをもっと長くにデフォルト設定しておくことによって実現できる。
【0081】
この場合の関連データの長さの調整方法としては、次の二つがありえる。一つは、図16の項目〔k〕の関連データを先に追加していく幅優先の場合であり、もうひとつは項目数〔k〕を固定し関連データのリンクによる追加情報を追加していく深さ優先の場合である。本発明では、そのいずれの方法であってもよい。また、デフォルトを用いる場合の操作方法は、図18の関連データ選択手段104を押すことにより、デフォルトの詳細度の関連データが表示され、続けて104を押す回数に基づいて関連データの詳細度を一つずつカウントアップするようにする。
【0082】
以上により、表示された主データの範囲あるいは位置に基づいて出力する関連データの量あるいは構成を動的に変化させることが可能となる。また、主データの内容に基づいて出力する関連データの項目を動的に変化させることが可能になる。さらに、ユーザーからの指示に基づいて出力する関連データの量あるいは構成を動的に変化させることが可能になる。
【0083】
なお、関連データ選択手段、ページ切り替え手段の配列は図18に限定されるものではない。また、関連データ選択手段、ページ切り替え手段は、要約データ選択手段や要約用のページ切り替え手段と共通にすることができる。
【0084】
最後に、請求項10にかかわる実施例について説明する。これは、要約制御手段によって出力された要約に対し、関連データを表示する場合に相当する。これは、例えば、図18で103の左右の矢印キーと105によって要約を出力させ、その出力に対し、103のすべてのキーを用い関連データを表示することで実現できる。要約、関連データの生成及び表示に関しては個別の処理で説明したのでここでは説明を割愛する。
【0085】
以上により関連データは前要約データの中のキーワードに対して関連付けられ、要約の範囲、位置、ユーザ指定により動的に量及び構成を変えることが可能になる。
【0086】
【発明の効果】
本発明に従えば、文書の要約(粗筋という表現を含む)は、各章単独での要約データを用意するとで済むため、従来技術のように当該章の前章までの要約データを各章毎に用意する必要が無くなり、要約のデータの量を削減できるという効果がある。
【0087】
また、本発明によれば、要約の詳しさや長さを変える場合も、各章単位の要約データを用意することで済むので、バリエーションが増えた場合、更に要約データの量を削減できるという効果がある。
【0088】
また、本発明によれば、人間の手によって作成された質の高い要約データを元にしているため、要約の長さを自動的に調整しても、要約の質を落とさないという効果がある。
【0089】
また、本発明によれば、あらかじめ用意してある要約のパーツである要約データを組み合わせることにより要約を生成することができるので、要約をリアルタイムに作成するより高速であるという効果がある。
【0090】
また、本発明によれば、要約は文脈やスコープの処理も含めた人間の手による要約データを用いた要約を行っているのでも要約の質が高いという効果がある。
【0091】
また、本発明によれば、キーワードやインデックスに関連付けられた関連情報は、文書内容の種類や、読み終えた文書の量に応じて、出力量や構成を変化させることができるという効果がある。この効果と呼応するが、キーワードやインデックスに関連する関連情報の内容や構成が変化することにより、従来単調といわれ、読者の理解や興味を減少させていた欠点を補い、読者の理解や興味を促進するという効果に繋がる。
【0092】
また、本発明によれば、要約中のキーワードやインデックスに対して関連情報がリンクされており、かつ、要約や関連情報が文書内容の種類や、読み終えた文書の量に応じて変化するため、提示された要約で概要をつかみきれないときも、効果的に関連情報を出力し、読書を効率化できるという効果がある。
【0093】
また、上記従来例では、要約や関連情報は、ページの途中までしか読んでいないのに、ページの終わりまでの要約や関連データの表示を行うことがないので、例えば、推理小説などのようなストーリー性のある文書を読む場合にも、以後の読書の興味をそぐ要約や関連情報を提供することがないという効果がある。
【0094】
更に本発明によれば、少ない機能キーで、要約あるいは関連データを表示することができるので、文書処理装置の小型化に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】文書処理装置のブロック図。
【図2】文書処理装置の一つの例を示す外観図。
【図3】データのアクセス構造図。
【図4】履歴記憶手段の記憶構造図。
【図5】要約を生成するための構造図。
【図6】要約選択手段のユーザインタフェースの例。
【図7】要約選択手段の要約の範囲を決定するためのユーザインタフェースの例。
【図8】文書処理装置のブロック図。
【図9】「早川 太郎」の関連データ項目「基本データ」に関する関連データの例。
【図10】「早川 太郎」の関連データ項目「関連人物」に関する関連データの例。
【図11】「早川 太郎」の関連データ項目「基本データ」に関する関連データの例。
【図12】「早川 太郎」の関連データ項目「関連人物」に関する関連データの例。
【図13】「早川 太郎」の関連データ項目「基本データ」に関する関連データの例。
【図14】「早川 太郎」の関連データ項目「基本データ」に関する関連データの例。
【図15】関連データアクセスのためのデータ構造図。
【図16】関連データアドレスの構造の例。
【図17】関連データの内部のデータ構造図。
【図18】ページ切り替え手段及び関連データ選択手段の例。
【図19】文書処理装置の処理の概略フローの例。
【図20】要約表示モードに関する処理のフローの例。
【図21】要約構成条件を確定する処理モジュールに関する詳細フローの例。
【図22】詳細フローの例。
【図23】S39にかかわる処理のフローの例。
【図24】関連データ構成条件を確定する処理モジュールに関する詳細フローの例。
【図25】関連データに関する詳細フローの例。
【符号の説明】
1 主データ記憶手段
2 ページ切り替え手段
3 履歴記憶手段
4 要約データ記憶手段
5 要約選択手段手段
6 要約制御手段
14 関連データ記憶手段
15 関連データ選択手段
16 関連データ制御手段

Claims (10)

  1. 文書データである主データを記憶する主データ記憶手段と、
    主データの内容を特定範囲ごと要約した要約データを記憶する要約データ記憶手段と、
    前記要約データ記憶手段に記憶されている要約データを選択する要約選択手段と、
    少なくとも主データあるいは要約データを表示する表示手段と、
    前記表示手段に表示される表示ページを切り替えるページ切替え手段と、
    現在までに前記表示手段に表示されたデータの履歴を記録しておく履歴記録手段と、を有し、
    前記要約データ記憶手段は、前記特定範囲の内容を異なる詳しさであらかじめ要約された要約データを複数格納しており、
    前記要約選択手段は、少なくとも主データの要約の範囲および要約の詳しさレベルに基づいて、前記要約データ記憶手段に記憶されている要約データを選択し、
    前記要約選択手段により選択された異なる特定範囲の要約データを組み合わせ要約データを作成し、表示手段に表示させる制御を行なう要約制御手段を有することを特徴とする文書処理装置。
  2. 前記要約制御手段は、表示された主データの範囲に基づいて出力する要約データの量あるいは構成を動的に変化させることを特徴とする請求項1記載の文書処理装置。
  3. 前記要約制御手段は、表示されている主データの位置に基づいて出力する要約データの量あるいは構成を動的に変化させることを特徴とする請求項1記載の文書処理装置。
  4. 前記要約選択手段は、更に、ユーザーからの指示に基づいて出力する要約データの量あるいは構成を動的に変化させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の文書処理装置。
  5. 文書データである主データを記憶する主データ記憶手段と、前記主データ中のキーワードもしくは主データ中の特定範囲と関連情報を関連付けて記憶する関連データ記憶手段と、前記関連データ記憶手段に記憶されている関連データを選択する関連データ選択手段と、少なくともキーワードもしくは主データ中の特定範囲に関するデータあるいは関連データを表示する表示手段と、前記表示手段に表示される表示ページを切り替えるページ切替え手段と、現在までに前記表示手段に表示されたデータの履歴を記録しておく履歴記録手段と、を有し、
    前記関連データ記憶手段は、前記主データ中のキーワードもしくは前記主データ中の特定範囲の内容を異なる構成であらかじめ関連付けられた関連データを複数格納しており、
    前記関連データ選択手段は、少なくとも関連データを前記表示手段に表示すべき主データの範囲および関連データの詳しさのレベルに基づいて、前記関連データ記憶手段に記憶されている関連データを選択し、
    前記関連データ選択手段により選択された異なる特定範囲の関連データを組み合わせキーワードもしくは主データ中の特定範囲の関連データを作成し、表示手段に表示させる制御を行なう関連データ制御手段を有することを特徴とする文書処理装置。
  6. 前記関連データ制御手段は、表示された主データの範囲に基づいて出力する関連データの量あるいは構成を動的に変化させることを特徴とする請求項5記載の文書処理装置。
  7. 前記関連データ制御手段は、表示されている主データの位置に基づいて出力する関連データの量あるいは構成を動的に変化させることを特徴とする請求項5記載の文書処理装置。
  8. 前記関連データ制御手段は、主データの内容に基づいて出力する関連データの項目を動的に変化させることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の文書処理装置。
  9. 前記関連データ選択手段は、更に、ユーザーからの指示に基づいて出力する関連データの量あるいは構成を動的に変化させることを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれかに記載の文書処理装置。
  10. 前記関連データは前記要約データ中のキーワードもしくは前記要約データ中の特定範囲に対して関連付けられ、要約の範囲あるいは位置に基づいて動的に量あるいは構成を変化させることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の文書処理装置。
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