JP3704937B2 - ファクシミリ通信機能付きプリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファクシミリ通信用のモデムを備えさせることによって、本来のプリンタ機能に加えてファクシミリ通信機能が追加設定されるファクシミリ通信機能付きプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリンタ本来の機能にファクシミリ通信機能(以下、場合によって「ファクシミリ」を「FAX」と省略して表記する。)をも備えさせた多機能型のプリンタが多数市販されている。こうした多機能型のプリンタは、パーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という。)及び公衆回線網と接続しておくことにより、パソコンからのプリンタデータを印刷出力したり、パソコンにインストールしたFAX通信用アプリケーションを用いてFAX送信を行う装置として使用したり、外部から公衆回線網を通じて受信したFAXデータを印刷出力するための装置として使用されている。
【0003】
こうした従来のFAX通信機能付きプリンタでは、プリンタ機能による印刷を実行する際に、プリンタデータ及びFAXデータの展開領域としてメモリ内に共有している共有エリアに対してページプロテクトモードを設定する場合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この様な従来のFAX通信機能付きプリンタでは、ページプロテクトモードが設定されることによって、メモリ内の共有エリア中のFAXデータ展開可能領域の容量が制限されることとなり、場合によってはFAXデータを的確に展開することができなくなるおそれがある。
【0005】
また、かかる問題を解決するためにページプロテクトモード設定下での共有エリアの空き領域を大きくとるようにすると、今度は、FAXデータ格納領域を制限しなければならなくなるという問題がある。
【0006】
また、ページプロテクトモードとは別に、共有エリアはFAXデータの展開だけではなく、プリンタデータの展開にも利用されるため、FAXデータの展開処理とプリンタデータの展開処理とが並行して実行される様な状態になることでFAXデータの展開容量不足を生じる場合も考えられる。
【0007】
そこで、本発明は、FAX通信機能付きプリンタにおいて、共有エリアの空き容量不足によるFAXデータの展開不能状態の発生を防止することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた本発明のファクシミリ通信機能付きプリンタは、請求項1に記載した様に、
メモリ領域内の共有エリアに対して、プリンタ機能によって印刷を実行する場合に1ページ分のプリンタデータをイメージデータとして展開するためのイメージ領域を確保するページプロテクトモードを設定するためのページプロテクトモード設定手段を備えているファクシミリ通信機能付きプリンタにおいて、
前記ファクシミリ機能に従って印刷出力を実行する場合には、前記共有エリアに対するページプロテクトモードを解除した状態とした上でファクシミリデータの印刷処理を実行するファクシミリ印刷制御手段を備え、
前記ファクシミリ印刷制御手段は、前記ファクシミリデータの印刷処理を終了した後は、前記共有エリアに対するページプロテクトモードの設定を元の状態に戻す手段を備えていること
を特徴とする。
【0009】
この請求項1のファクシミリ通信機能付きプリンタによれば、ファクシミリ印刷制御手段により、FAX機能に従って印刷出力を実行する場合には、共有エリアに対するページプロテクトモードが解除された状態になる。よって、共有エリアを広げることができ、FAXデータの展開領域を共有エリア内に十分に確保することができる。なお、この場合、FAXデータの印刷処理においては、いわゆるバンド処理を利用してイメージデータの展開を行えばよい。これは、FAXデータは、左上から順番に1行ずつ送られてくるのでバンド処理に適しているからである。そして、バンド処理であれば、イメージ領域としてはそれほど大きな領域を必要としないからである。
【0010】
【0011】
また、請求項1のファクシミリ通信機能付きプリンタによれば、ファクシミリ印刷制御手段は、FAXデータの印刷処理を終了した後は、共有エリアに対するページプロテクトモードの設定を元の状態に戻す。従って、この後、プリンタ機能による印刷処理を実行する場合に、ページプロテクトモード下で印刷処理を実行することができ、プリンタ機能に対して弊害を与えることがない。
【0012】
より具体的には、請求項2に記載した様に、この請求項1記載のファクシミリ通信機能付きプリンタにおいて、前記ファクシミリ印刷制御手段を、前記ページプロテクトモード設定手段によるページプロテクトモードの設定条件を保存するページプロテクトモード設定条件保存手段と、該ページプロテクトモード設定条件保存手段による保存の後に、前記共有エリアをページプロテクトモードが解除された状態にするページプロテクトモード解除手段と、該ページプロテクトモード解除手段による解除が行われた後、前記ファクシミリデータの印刷処理を実行するファクシミリデータ印刷処理実行手段と、該ファクシミリデータ印刷処理実行手段による印刷処理が終了した後、前記ページプロテクトモード設定条件保存手段に保存させた設定条件に従って、前記共有エリアに対するページプロテクトモードの設定を元の状態に復帰させるページプロテクトモード復帰手段とを備えるものとして構成するとよい。
【0013】
この請求項2のファクシミリ通信機能付きプリンタによれば、FAX機能下での印刷を実行する場合には、まず、ページプロテクトモード設定条件保存手段がページプロテクトモード設定手段によるページプロテクトモードの設定条件を保存する。そして、その後、ページプロテクトモード解除手段が共有エリアをページプロテクトモードが解除された状態にする。この後、ファクシミリデータ印刷処理実行手段が、広くなった共有エリアを展開領域としてFAXデータの印刷処理を実行する。そして、このFAXデータの印刷処理が終了したら、ページプロテクトモード復帰手段が、ページプロテクトモード設定条件保存手段に保存させた設定条件に従って、共有エリアに対するページプロテクトモードの設定を元の状態に復帰させる。この結果、上述の様に、FAXデータの印刷処理に当たっては広い共有エリアを利用することができ、一方、プリンタ機能による印刷処理の実行時には、そこで必要とされるページプロテクトモードを利用して印刷を実行することができる。
【0014】
また、同じ目的を達成するために他の観点よりなされた本発明のファクシミリ通信機能付きプリンタは、請求項3に記載した様に、請求項1又は請求項2記載のファクシミリ通信機能付きプリンタにおいて、前記共有エリアに、前記ファクシミリデータを展開するために必要な空き領域の容量が十分にあるか否かを判断する空き容量判断手段と、該空き容量判断手段によって、前記共有エリア内に前記ファクシミリデータを展開するのに必要な空き領域を十分に確保できないと判断されたとき、現在、ファクシミリデータを受信中でないインタフェースをBUSY状態にするBUSY状態設定手段とを備えていることを特徴とする。
【0015】
この請求項3のファクシミリ通信機能付きプリンタによれば、FAX機能下での印刷処理を実行する場合には、空き容量判断手段によって共有エリアにおいてFAXデータを展開するために必要な空き領域の容量が十分にあるか否かを判断し、共有エリア内にFAXデータを展開するのに必要な空き領域を十分に確保できないと判断されたときは、BUSY状態設定手段が、現在FAXデータを受信中でないインタフェースをBUSY状態にする。この結果、現在FAXデータを受信中でないインタフェースから印刷用のデータが入力されることがなくなり、共有エリアの空き領域を全て、現在のFAXデータの展開等に利用できる様になる。
【0016】
なお、ここで、請求項4に記載した様に、この請求項3記載のファクシミリ通信機能付きプリンタにおいて、前記空き容量判断手段による判断が空き容量不足ではなくなった場合には、前記BUSY状態設定手段によってBUSY状態としたインタフェースに対して、当該BUSY状態を解除するBUSY状態解除手段を備えさせておくとよい。
【0017】
この請求項4のファクシミリ通信機能付きプリンタによれば、他のインタフェースをBUSYにしておかなくてもよくなったときは、BUSY状態解除手段がBUSY状態設定手段によってBUSY状態としたインタフェースに対して、当該BUSY状態を解除する。これにより、多機能装置としての本発明のファクシミリ通信機能付きプリンタの機能を十分に発揮させつつ、必要に応じて、FAXデータ以外の受信を制限するといった使い方ができる。
【0018】
なお、請求項5に記載した様に、これら請求項1〜請求項4のいずれか記載のファクシミリ通信機能付きプリンタにおいては、前記ファクシミリ通信用のモデムを脱着可能なインタフェースと、前記インタフェースに前記ファクシミリ通信用のモデムが装着されているときに当該プリンタにファクシミリ通信機能を追加するためのプログラムを予め記憶してあるファクシミリ機能追加用プログラム記憶手段とを備えさせておくとよい。
【0019】
この請求項5のファクシミリ機能付きプリンタによれば、上述のインタフェースに対して、例えばFAXモデムカード等を装着することによって、ファクシミリ機能追加用プログラム記憶手段に予め記憶させておいたファクシミリ通信機能を追加するためのプログラムを有効にし、プリンタ本来の機能に加えて、ファクシミリ通信機能を追加設定することができる。
【0020】
また、請求項6に記載した様に、上述の請求項1〜請求項4のいずれか記載のファクシミリ通信機能付きプリンタにおいて、前記ファクシミリ通信用のモデムを脱着可能なインタフェースと、該インタフェースに前記ファクシミリ通信用のモデムが装着されているか否かを識別する識別手段と、該識別手段によって、前記インタフェースに前記ファクシミリ通信用のモデムが装着されていると識別されたとき、当該プリンタをその本来の機能に加えてファクシミリ通信を実行可能な状態に設定するファクシミリ通信可能状態設定手段とを備えさせておくとよい。
【0021】
この請求項6のプリンタによれば、インタフェースにFAXモデムカード等を装着し、識別手段によってこのことを識別させてやれば、ファクシミリ通信可能状態設定手段が動作し、この画像処理装置をその本来の機能に加えてファクシミリ通信を実行可能な状態に設定する。
【0022】
これら請求項5又は請求項6のプリンタによれば、当該プリンタ自体はFAXモデムを元々は備える必要がないので、プリンタを製造する場合に、国毎の通信規格に合わせたFAXモデムを組み付けるといったことをしなくてよい。一方、各国において当該国の通信規格を満足するFAXモデムカード等を入手することは容易であるから、ユーザーは、自国で販売されているFAXモデムカード等を購入して所定のインタフェースに装着するという簡単な作業で各国毎の通信規格を満足し、上述の様なFAX受信データの印刷出力に当たって種々の作用効果を発揮し得るFAX通信機能付きプリンタを簡単に入手することができる。
【0023】
また、請求項5又は請求項6のプリンタによれば、オフィスにおける勤務時間中はパソコンにFAXモデムを装着しておいて昼間はプリンタとして使用し、帰宅時にパソコンからFAXモデムを取り外してプリンタ側にFAXモデムを装着することによって、夜間に送られてきたFAXデータを、翌朝出勤したら紙出力として直ちに入手するといった使い方も可能である。この様な用い方をすれば、勤務時間中は特に手元に紙で残しておく必要のないFAXデータはパソコンの画面に表示するだけでよいというメリットを活かしつつ、夜間に多数送られてきたFAXデータがいずれも紙出力の必要なものである場合に、一々プリントアウトを指定する手間をなくすことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施の形態について図面に従って説明する。
【0025】
まず、本実施の形態としてのローカルエリアネットワークシステムの概略の構成について説明する。
【0026】
本実施の形態のシステムでは、図1に示す様に、ローカルエリアネットワーク(LAN)1に対して、複数のパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という。)11〜13と、サーバー20と、カラーレーザプリンタ30とが接続されている。また、カラーレーザプリンタ30には、LAN1を介さずにパソコン14とイメージスキャナ17とが直接接続されてもいる。さらに、このカラーレーザプリンタ30は、FAXモデムカード3を装着することによって公衆回線網5を介して外部との通信が可能な状態となっている。加えて、この公衆回線網5には、ファクシミリ装置19及びパソコン15が、それぞれの内蔵モデムを介して接続されている。また、LAN1に接続されているパソコン11〜13の内の少なくとも1台にはイメージスキャナ18が接続されている。
【0027】
カラーレーザプリンタ30は、カラー印刷を行うために、その内部に、イエローのトナーを収納したYステーション31、マゼンタのトナーを収納したMステーション32、シアンのトナーを収納したCステーション33及びブラックのトナーを収納したKステーション34を備えると共に、これら各ステーション31〜34のトナーを転写ドラム35に受け渡すための中間転写ベルト36や、定着用ローラ37、排紙切換機構38等を備えている。
【0028】
排紙切換機構38は、印刷した用紙を本体上面の通常の排紙スタッカ39へ排出するのか、ソーター部40の各排紙スタッカ41〜43へ排出するのかを切り換えるものである。なお、このソーター部40には、ソート出力の際に排紙スタッカ41〜43のいずれかへ用紙を排出するためのスタッカ切換機構(図示略)や、各スタッカ41〜43の出口近傍に設けられる排紙センサ(図示略)などが備えられている。
【0029】
また、このカラーレーザプリンタ30は、給紙機構として、3つの給紙トレイ51〜53に加えて、本体正面に手差しトレイ54を備えている。ここで、3つの給紙トレイ51〜53は、上からNo.1トレイ51、No.2トレイ52、No.3トレイ53と呼ぶこととする。そして、通常の状態としては、No.1トレイ51にはA4サイズの普通紙を収納し、No.2トレイ52にはオーバーヘッドプロジェクタ(OHP)用の原稿を印刷するためのOHP用紙を収納し、No.3トレイ53にはA3サイズの普通紙を収納して使用されるものとする。
【0030】
さらに、本体の中央部には、このカラーレーザプリンタ30を駆動制御するための制御部60が備えられている。また、本体背面には、前述のFAXモデムカード3等を装着するためのインタフェース部70が備えられている。
【0031】
図2は、このカラーレーザプリンタ30をブロック図に表したものである。図示の様に、このカラーレーザプリンタ30は、大きく分けて、制御部60と、インタフェース部70と、機構部80とから構成されている。
【0032】
制御部60には、CPU61、ROM62、RAM63、増設RAM64、NVRAM65、フラッシュROM66、ASIC67及びタイマ68が備えられている。
【0033】
CPU61は、このプリンタ30における各種機能を実現するための演算処理を実行し、制御部60の中枢となるものである。ROM62は、CPU61が実行する各種プログラムや、フォント等のデータを予め記憶している。RAM63及び増設RAM64は、CPU61が各種演算処理を実行する際のワークメモリやデータ格納領域等に利用されるものである。NVRAM65は、不揮発性RAMであって、ユーザーによる独自の各種設定を記憶しておくために設けられている。また、フラッシュROM66にも、各種プログラム、フォントやフォーム等のデータ等を記憶させておくことができる。例えば、バージョンアップ等によって追加されるプログラム等は、このフラッシュROM66に対して、これを本体に装着した状態で書き込まれ、本体電源オフ後も保持される。ASIC67は、アプリケーションスペシファイドICであり、ハードウェアロジックによって実行するのに適する処理を、CPU61を介することなく実行するために設けられている。タイマ68は、後述する各種演算処理の割込タイミング等を決定するために用いられる。
【0034】
ここで、ROM62あるいはフラッシュROM66に格納されている各種プログラムには受信したプリントデータを処理するプリンタ機能としてのプログラムと、受信したFAXデータを処理するFAX機能としてのプログラムが格納されている。また、このFAX機能としてのプログラムは、このフラッシュROM66に後からバージョンアップすることで追加してもよいし、片方のPCMCIAのスロットにROMカードとして提供してもよい。
【0035】
また、インタフェース部70には、パソコンと接続するためのRS−232Cインタフェース71及び双方向セントロニクスインタフェース72、LAN1と接続するためのネットワークインタフェース73、イメージスキャナを接続するためのSCSIインタフェース74、FAXモデムカード3やROMカード、ハードディスクカード、RAMカードといったメモリカード等を装着するためのオプションインタフェースとしてのPCMCIA規格(Personal Computer Memory Card International Association)に対応したPCMCIAスロット75,76が備えられている。
【0036】
また、機構部80としては、印刷エンジン部81、用紙給排紙部82、操作部83、表示部84及び検出部85が備えられている。
【0037】
印刷エンジン部81は、Y,M,C,Kの各トナーステーション31〜34、転写ドラム35、中間ベルト36やこれらを駆動するためのモータ等によって構成され、記録紙への印刷を実行する部分である。用紙給排紙部82は、排紙切換機構38、排紙トレイ39,41〜43、ソーター部40、給紙トレイ51〜53等によって構成される。操作部83は、各種設定入力用のスイッチや電源スイッチ等によって構成される。表示部84は、LCDやLED等によって構成され、プリンタの作動状態等を表示するために設けられている。検出部85は、用紙サイズ検出センサ、用紙種類検出センサ、排紙センサ等によって構成されており、各給紙トレイ51〜53に収納されている用紙のサイズ等を検出したり、紙詰まりの発生を検出したりする。
【0038】
本実施の形態において採用されたカラーレーザプリンタ30は、前述の様にPCMCIAスロット75,76を備え、ここにFAXモデムカード3を装着することで、単なるプリンタとしてだけでなく、ファクシミリ通信用の機器として使用できるのが一つの大きな特徴である。
【0039】
まず最初に、PCMCIAスロット75,76に対してFAXモデムカード3を装着することによって本プリンタ30がファクシミリ通信用機器としても機能し得る様にするためのオプション検出処理について説明する。この処理は、プリンタ30の電源ON時又は電源ON中に定期的に実行する様に処理の開始条件が設定されている。
【0040】
本処理においては、図3に示す様に、まず最初に、PCMCIAスロット75,76に対して何らかのカードが挿入されているか否かをカード挿入信号の有無によって判断する(S10)。いずれのスロット75,76についてもカード挿入信号がなければ、そのまま本処理を抜ける。
【0041】
カードが挿入されている場合は(S10:YES)、カードリセット信号(図示しない)によりカードをリセットした後(S20)、挿入されているカードに記録されているカード情報を読み込む(S30)。こうして新たに読み込んだカード情報に基づいて、PCMCIAスロット75又は76に現在挿入されているカードが、FAXモデムカード3であるか否かを判断する(S40)。
【0042】
FAXモデムカード3でないと判断された場合は(S40:NO)、他のカードチェックルーチンへと移行する。PCMCIAスロット75又は76に挿入され得る他のカードとしては、例えば、増設メモリカードや、フォント用カードや、LANカード等が考えられる。
【0043】
FAXモデムカード3であると判断された場合は(S40:YES)、FAX用の設定が既に行われているか否かを判断し(S45)、設定されている場合は(S45:YES)、リターンする。設定されていない場合は(S45:NO)、当該FAXモデムカード3に対して、FAXモデムカード用の初期化設定を行う(S50)。続いて、プリンタ30本体のRAM63及び増設RAM64中に、FAX用ワークエリアを確保する(S60)。ここで、S45の処理は、2つあるPCMCIAスロット75,76のいずれかにだけFAXモデムカード3を装着可能とし、複数のFAXモデムカードを装着した場合、発生するであろうFAX受信の競合等の問題の発生を避けるためである。
【0044】
次に、NVRAM65にFAX用の設定があるか否かを判断する(S70)。本プリンタ30においては、FAX用の各種条件設定に関して、デフォルト値とは異なる条件設定を行った場合に、その設定条件をNVRAM65に記憶しておき、電源ONの度に条件設定の変更操作を行わなくてもよい様に構成されているのである。
【0045】
NVRAM65に対してFAX用の設定がなされている場合には(S70:YES)、そのNVRAM65に記憶されている設定値に従ってFAX用の条件設定を行う(S80)。一方、NVRAM65にはFAX用の設定がなされていないという場合は(S70:NO)、プリンタ30本体のROM62に予めデフォルト値として書き込まれているFAX用設定値に従ってFAX用の条件設定を行う(S90)。
【0046】
ここでは、「(1)データエリアのRAMサイズ」、「(2)RING DELAY」、「(3)RECEIVE ON/OFF」、「(4)FAX優先 ON/OFF」、「(5)縮小記録」、「(6)LOG記録間隔」といったFAX用の条件設定を行う。
【0047】
「(1)データエリアのRAMサイズ」とは、RAM63,64の内の何MB分あるいは何パーセント分をFAXイメージの格納エリアとするかを定めるものである。
【0048】
「(2)RING DELAY」とは、FAX着信時に何回コールされてから着信応答処理を行うかを定めるものである。
【0049】
「(3)RECEIVE ON/OFF」とは、プリンタ30をFAX送信専用機として機能させるかFAX受信も可能な装置として機能させるかを定めるものである。プリンタ30は、RECEIVE=ONに設定することによりFAX受信も可能な装置として機能し、RECEIVE=OFFに設定することによりFAX送信専用機として機能することになる。
【0050】
「(4)FAX優先 ON/OFF」とは、このプリンタ30に対してFAX印刷とプリンタ印刷とが重複して指令された場合に、FAX印刷を優先して処理させるのか、プリンタ印刷を優先して処理させるのかを定めるものである。FAX優先=ONに設定した場合には、FAXの印刷を優先して実行し、FAX優先=OFFに設定した場合には、プリンタの印刷を優先して実行することになる。
【0051】
「(5)縮小記録」とは、受信したFAXイメージを縦方向に縮小記録するための設定であり、AUTO/OFF/90%の設定が可能である。AUTOの設定の場合は、1ページの受信が1ページの記録に収まるように縮小率を自動的に設定するが、50%の縮小率を超えると2ページ以上に分割される。OFFの設定の場合は、縦方向の縮小はなく、送信側のFAXイメージが長い場合は2ページ以上に分割される。90%の設定の場合は、縦方向の縮小率は90%固定で、例えば、送信側の原稿サイズがA4サイズ(縦297mm)で受信側の記録紙サイズがレターサイズ(縦279mm)の場合など、受信側の用紙が少し短い場合に有効である。
【0052】
「(6)LOG記録間隔」とは、FAX通信のLOG情報を用紙に印字記録する時間間隔を設定するものであり、OFF/6時間/12時間/24時間/2日/4日/7日の設定が可能である。LOG情報には、送受信の日時、相手の名前、通信時間、ページ数、通信結果、送受信の区別などが含まれている。
【0053】
次に、FAX優先が設定されているか否かを判断する(S100)。FAX優先とするか否かについては、上述の様に、S80又はS90の処理によって設定が行われている。FAX優先が設定されている場合には(S100:YES)、メモリの管理方法として、FAX優先用メモリ管理を設定する(S110)。このFAX優先用メモリ管理が設定されると、FAX受信中にはプリンタデータがパソコン11等から送られてきても、これを印字することなく、プリンタ用のバッファに蓄積する処理だけをまず実行することになる。一方、FAX優先の設定がなされていない場合は(S100:NO)、プリンタ優先用メモリ管理を設定する(S120)。このプリンタ優先用メモリ管理が設定された場合は、先程とは逆に、プリンタ用のデータを受信している最中にFAXデータが送られてきても、FAXデータを記録紙に印刷することは行わず、まずFAX用のバッファ領域への蓄積のみを行う。
【0054】
次に、S80又はS90の処理によって設定されているデータエリアのRAMサイズの設定に従って、RAM63,64内にFAX用データエリアを確保する(S130)。また、FAX制御用割込処理をイネーブルにして、FAX制御のための各種割込処理を実施可能な状態にする(S140)。さらに、FAX用パネル表示をイネーブルとし、FAX用のRAMサイズの設定値等の変更をパネル操作によって実行できるようにする(S150)。本プリンタ30においては、FAXモデムカード3が挿入されていない場合には、FAX機能に関する設定を行ったり、あるいはFAX機能に関する設定を変更する必要がないので、初期状態としては、FAX用パネル表示を行わない構成とされているからである。
【0055】
次に、FAX用コマンド受信をイネーブルにし、パソコン11等からのFAX用コマンドを受け付けることができる状態にする(S160)。これによって、パソコン11等からFAX送信を指令することができるようになる。
【0056】
これらの設定がなされることにより、本プリンタ30が、オプション検出処理によって設定された条件の下でファクシミリ装置として機能し得る様になる。なお、PCMCIAスロット75,76ではなくRS−232Cインタフェース71にFAXモデムを装着する構成にしておく場合には、S10〜S40の処理に代えて、RS−232C インタフェース71に対して、プリンタ30側からATコマンドを出力して応答の有無を確認することにより、FAXモデムが装着されているか否かを判断するという構成を採用することができる。
【0057】
次に、FAX割込制御処理の内容について説明する。この処理は、オプション検出処理においてFAX制御用割込がイネーブルとされることによって実行可能となり、所定時間毎の割込処理として実行される。
【0058】
このFAX割込制御処理においては、図4に示す様に、まず、受信モードがONに設定されているか否かを判断する(S210)。受信モードがONに設定されていなければ(S210:NO)、次に、送信モードがONに設定されているか否かを判断する(S220)。この送信モードもONになっていない場合は(S220:NO)、受信開始信号を受け付けたか否かを判断する(S230)。この受信開始信号は、FAX送信元からの呼出信号の有無によって判断される。
【0059】
なお、この呼出信号に関しては、オプション検出処理において説明した様に、RING DELAYに設定された回数だけ呼出信号を受けた場合に、受信開始信号を受け付けたものと判断することになる。
【0060】
受信開始信号を受け付けたと判断した場合は(S230:YES)、受信モードをONに設定してから(S240)、本割込ルーチンを抜ける。一方、受信開始信号を受けていない場合は(S230:NO)、パソコン11等からの送信開始要求を受け付けたか否かを判断する(S250)。送信開始要求を受け付けた場合は(S250:YES)、送信モードをONに設定してから(S260)、本割込ルーチンを抜ける。また、送信開始要求も受けていない場合は(S250:NO)、FAX印刷を実行すべき状態となっているデータがあるか否かを判断する(S270)。FAX印刷を実行すべき状態のデータがある場合には(S270:YES)、印刷開始要求をONにしてから(S280)、本割込ルーチンを抜ける。
【0061】
こうして、FAX制御用割込処理ルーチンを実行した結果、例えば、受信モードがONになると、次回このルーチンが割り込み処理されるときには、S210が「YES」となり、受信処理が実行される(S290)。また、送信モードがONになっている場合には(S220:YES)、送信処理が実行される(S300)。そして、これら受信モード又は送信モードのいずれかがONとなった場合には、本割込ルーチンにおいては、S230以下の処理が行われることがないので、受信モードと送信モードとが同時にONになることはない。ただし、印刷開始要求がONになっている場合には、その後受信モード又は送信モードがONになる場合がある。
【0062】
なお、オプション検出処理において、RECEIVE=OFFが設定されている場合は、S230がYESとなることはなく、FAX受信モードに入ることができない装置として機能することとなる。
【0063】
次に、受信モードがONになっているときに実行される受信処理の内容について説明する。この処理は、図5(A)に示す様なルーチンで構成されており、受信終了になるまで外部からのFAXデータの受信を実行する(S310,S320)。そして、受信が終了すると(S310:YES)、受信モードをOFFにして受信モードから抜ける(S330)。
【0064】
次に、送信モードがONになっているときに実行される送信処理の内容について説明する。この処理は、図5(B)に示す様なルーチンで構成されており、送信が終了するまで相手先へのFAXデータの送信を実行する(S340,S350)。そして、送信が終了すると(S340:YES)、送信モードをOFFにして送信モードから抜ける(S360)。
【0065】
次に、印刷割込処理について説明する。この処理は、FAX制御用割込処理よりも低いレベルの割込処理として実行されており、その内容は、図5(C)に示す様なルーチンで構成されている。この割込処理では、まず最初に、印刷開始要求がONになっているか否かを判断する(S370)。印刷開始要求がONになっていなければそのままこの割込処理を終了する。一方、印刷開始要求がONになっている場合には(S370:YES)、印刷を実行する(S380)。そして、印刷したのがFAX受信データであったか否かを判断し(S390)、FAX受信データであった場合は(S390:YES)、印刷済みのFAXデータを削除する(S400)。一方、印刷したのがFAX受信データでなかった場合には(S390:NO)、FAXデータの削除を行うことなく本割込ルーチンを抜ける。
【0066】
ここで、この印刷割込処理において、印刷したFAXデータが外部から受信したFAXデータである場合は直ちに削除するものの、印刷したFAXデータが外部から受信したデータではない場合、より具体的にはパソコン11等から送信用に送られてきたFAXデータであった場合には、印刷終了後も当該データを直ちに削除しないのが一つの特徴である。
【0067】
これは、後で説明する様に、本実施の形態のシステムにおいては、パソコン11等にアプリケーションとしてインストールされているワープロソフトなどで作成した文書を外部へFAX送信する前に、FAXデータへの変換が正しく行われているか等を確認するために試し印刷を行う機能を有していることと対応している。そして、試し印刷を行った上で、再度送信データをプリンタ30へ出力してやらなくても、上述の様にプリンタ30内には送信用データがそのまま保持されているので、当該データに対する操作として、送信処理を実行すべき旨の指令を出力するだけで足りる様になっている。
【0068】
次に、本実施の形態のプリンタ30にFAX送信機能及びプリンタ機能を実現させる上で実行されるメインルーチンの内容について説明する。このメインルーチンは、図6に示す様な手順から構成されている。
【0069】
このメインルーチンでは、まず最初に、パソコン11等からFAX移行コマンドが送られてきたか否かを判断している(S410)。FAX移行コマンドが送られて来ない場合には(S410:NO)、プリンタコマンドが送られてきたか否かを判断する(S420)。FAX移行コマンドとプリンタコマンドのいずれも送られてこない場合には、そのままパソコン11等からのコマンドを解釈するルーチン(S410,S420)が繰り返し実行され続ける状態となる。
【0070】
ここで、プリンタコマンドが送られてきた場合には(S420:YES)、プリンタとしての機能が作動し、プリンタケーブルあるいはLAN1を介してパソコン11等から送られてくる印刷用データをプリンタバッファに蓄積し、1ページ分のデータを蓄積し終えたらこれをプリンタ出力用のデータに変換して印刷するプリンタ処理を実行する(S430)。
【0071】
一方、パソコン11等からFAX移行コマンドが送られてきた場合には(S410:YES)、続いて送られてくるデータがFAX送信用のデータであるか否かを判断する(S440)。ここでFAX送信用データは、FAXデータからなる画像データと、この画像データをメモリ領域に格納したときに、識別可能とするための識別データからなる(後述する様にファイルと読んでいる。)。そして、FAX送信用のデータであれば(S440:YES)、パソコン11等から送られてきたデータをFAX用に割り当てたメモリ領域に格納する処理を実行する(S450)。
【0072】
FAX送信用のデータではないという場合には(S440:NO)、FAX番号を指定するデータか否かを判断する(S460)。そして、FAX番号を指定するデータである場合には(S460:YES)、受け付けたデータを、RAM63,64内に割り付けたFAX番号格納用のエリアに、送信先のFAX番号として記憶する(S470)。ここで、FAX番号を指定するデータ、および後述する送信元情報およびデータ操作コマンドには、それらと対応するFAX送信用データ(ファイル)の識別データが付与されており、対応関係がとれるようになっている。
【0073】
また、送られてきたデータがFAX番号でもない場合には(S460:NO)、送信元情報であるか否かを判断する(S470)。そして、送信元情報である場合には(S480:YES)、受け付けたデータを、RAM63,64内に割り付けた送信元情報格納用のエリアに記憶する(S490)。この送信元情報は、FAX送信を行う際にFAXデータに添付されたり、FAX送信の管理レポートを出力したりする際に利用される。
【0074】
送られてきたデータが送信元情報でもないという場合には(S480:NO)、データ操作コマンドであるか否かを判断する(S500)。このデータ操作コマンドとしては、FAXデータの印刷命令、送信命令、削除命令が用意されている。
【0075】
データ操作コマンドであった場合には(S500:YES)、現在の状態がデータ操作終了状態になっているか否かを判断する(S510)。これは、送信命令に続けて削除命令が送られてきた様な場合に、最初に送られてきた送信命令に対応する処理を終了するまではFAXデータを削除しない様にするためである。
【0076】
先に送られてきたデータ操作コマンドに従ったデータ操作が終了している場合には(S510:YES)、データ操作コマンドとして送られてきたのが印刷命令であるか否かを判断する(S520)。印刷命令である場合には(S520:YES)、FAXデータ格納領域に格納されているデータに対して、データ操作の種類を示すためにデータ操作命令として「印刷(P)」を指定する(S530)。このFAXデータに「印刷(P)」が指定されている場合に、FAX制御用割込処理ルーチンにおいてS270の処理が「YES」の判断になる。
【0077】
一方、データ操作コマンドとして送られてきたのが印刷命令でない場合には(S520:NO)、次に、送信命令であるか否かを判断する(S540)。送信命令である場合には(S540:YES)、FAXデータ格納領域に格納されているデータに対して、データ操作命令として「送信(S)」を指定する(S550)。このFAXデータに「送信(S)」が指定されることにより、先に説明したFAX制御用割込処理ルーチンにおいてS250の処理が「YES」の判断になって、送信モードがONに設定される。
【0078】
また、データ操作コマンドとして送られてきたのが送信命令でもない場合には(S540:NO)、次に、削除命令であるか否かを判断する(S560)。削除命令である場合には(S560:YES)、FAXデータ格納領域に格納されているデータに対して、データ操作命令として「削除(D)」を指定する(S570)。この「削除(D)」が指定されたFAXデータは、その後、図示しない割込処理ルーチンによって、FAX格納領域から削除される。
【0079】
この様に、パソコン11等から入力した送信用のFAXデータについては、印刷や送信が行われても直ちに削除しないでおき、削除命令によって初めてプリンタ30のメモリ63,64内から削除する構成を採用したのも本実施の形態の一つの特徴である。即ち、本実施の形態においては、パソコン11等にインストールされているワープロソフト等で作成した文書をプリンタに印刷するのと同じ様な感覚でFAX送信できる様にすると共に、送信に先立って試し印刷をしたり、あるいは送信した書類を紙に印刷した状態でも保存しておきたいといった要望に応えることができる様に、削除命令によって初めて送信用のFAXデータを削除する構成としたのである。
【0080】
この構成を採用することにより、試し印刷後に再び送信用のデータ本文をパソコン11等からプリンタ30へ送り直す必要がなくなり、また、送信済みの書類の内容を手元に残しておく控えとして紙に印刷するために再度パソコン11等からプリンタ30へとデータ本文を送信する必要がなくなり、プリンタ機能とFAX機能とを兼ね備えさせたことによるメリットを最大限に活かしつつ、様々なニーズに対応する操作を簡単化することができるようになっている。
【0081】
以上の様に、パソコン11等からFAX移行コマンドが入力されるとFAXデータの格納等の処理が実行され、データ操作コマンドの指示に従って、FAX送信や、FAX送信前の試し印刷等のFAXモード下における各種処理が実行される。このFAXモード下における各種処理は、終了コマンドが入力されるまで続行される(S580)。従って、パソコン11等からFAX移行コマンドを入力してFAXデータをプリンタ30へ送信し、これをメモリ63,64に格納させた上で、まず、試し印刷のための印刷命令を入力して試し印刷を実行し、その後送信命令を入力して実際に相手先へとFAX送信するといった一連のFAXモードでの動作が実行されることになる。
【0082】
なお、上述のデータ操作コマンド及び終了コマンドについては、パソコン11等からの入力だけでなく、プリンタ30の本体に備えられている操作部83からのパネル操作によって入力できる様にもしておくとよい。これは、試し印刷の結果を確認するためにプリンタ11等の設置場所へ来たFAX送信者が、自分の席のパソコン11等に戻らなくても、直ちに送信命令等を指令することができ、より便利になるからである。
【0083】
また、このメインルーチンに示される様に、FAX送信用データを送る際にFAX移行コマンドを添付することによりプリンタ30をファックス処理に移行させる構成を採用したので、LAN1の中にFAXサーバーを別途設けなくてもよく、LAN内に備えるべきサーバーとしては、FAX送信データとプリンタデータとで共用可能なものを備えるだけで足りる。即ち、本実施の形態のプリンタ30においては、プリンタ機能に加えてFAX送信機能が追加されるに伴い、このメインルーチンに示すように、コマンド解釈を実行して、プリンタ機能による処理とFAX送信機能による処理とを切り換えるという構成をとっているのである。この結果、本実施の形態においては、図1のシステム全体構成図に示されているサーバー20は、プリンタ機能用のデータとFAX送信機能用のデータの両方に共用されているのである。
【0084】
次に、プリンタ30のパネル操作あるいはパソコン11等からのコマンド指示によってプリンタ30がリセットされた場合のメモリクリア処理の内容について説明する。
【0085】
この処理は、図7に示す様なルーチンから構成されており、まず、パソコン11等からのデータを受け付ける受信バッファをクリアし(S610)、続いてプリンタ用ワークエリアをクリアし(S620)、さらにプリンタ用データエリアをクリアした後に(S630)、FAX送信用データを受信中であったか否かを判断する(S640)。
【0086】
この判断において受信中である場合には(S640:YES)、受信中のFAX送信用データをクリアすると共に(S650)、エラーレポートを出力するなどしてFAX送信データが受信途中でクリアされてしまったことをFAX送信者宛に報知する(S660)。
【0087】
一方、FAX送信用データの受信中でなかった場合には(S640:NO)、FAX用メモリエリアのデータはそのまま保持する(S670)。
【0088】
これは、プリンタとして印刷している最中に印刷状態が異常となり、無意味な文字列が印刷される状態になる場合があるが、かかる場合にリセット操作が行われても、既にFAX送信データとしてFAX用メモリエリアに格納が完了しているデータまでリセットしないようにすることで、FAX送信作業の二度手間をなくすために設けられている処理である。言い換えると、リセット処理に対して、プリンタ用メモリエリアとFAX用メモリエリアとで異なる処理を行うことにより、プリンタ30に対するリセット処理が行われても、正常なデータとして既に格納し終わっているFAXデータをクリアしてしまわない様にすることで、二度手間をなくし、操作性を向上させているのである。
【0089】
なお、同様にリセット時のメモリクリア処理をプリンタ用メモリとFAX用メモリとで別の扱いとするに当たって、図8に示す様に構成することもできる。
【0090】
この図8のメモリクリア処理では、まず、FAX送信用データを受信中であったか否かを判断し(S710)、受信中でないと判断された場合には(S710:NO)、パソコン11等からの受信バッファのクリア(S750)、プリンタ用ワークエリアのクリア(S760)、プリンタ用データのクリア(S770)を行う。
【0091】
しかし、FAX送信用データを受信中であると判断された場合には(S710:YES)、FAX送信用データとしてENDデータまで受信が完了しているか否かを判断し(S720)、ENDデータを受信する前である場合には(S720:NO)、FAX送信用データの受信を続行する(S730)。そして、ENDデータまで受信完了になったときに(S720:YES)、FAX用メモリエリアのデータは保持したままで、FAX送信用データの受け付けをBUSYに設定し(S740)、この後、別のFAX送信データを受け付けない様にする。
【0092】
この様に構成することで、プリンタ30のシステムエラーに伴うリセット処理が行われても、その時点で既に受信し始めていたFAX送信用データの受信についてはこれを続行し、FAX送信者宛にエラーを報知するための煩雑な処理をなくすことができる。そして、一つのFAX送信用データを受信し終わったら、以後はFAX送信用のデータの受け付けをBUSYに設定することで、リセット処理中のプリンタ30に対して新たなFAX移行コマンドの入力がなされても、これに対応しないようにする。これによって、FAX送信データを保持しつつ、リセット処理を速やかに完了させることができる。
【0093】
次に、FAX通信中に誤って電源を切られたりすることがないように、注意を促すために実行されるパネル表示処理について、図9のフローチャートに従って説明する。なお、本ルーチンは1秒毎に割り込み実行される設定となっている。
【0094】
この処理では、まず最初にパネル操作中であるか否かを判断する(S810)。パネル操作中でない場合は(S810:NO)、FAX通信中か否かを判断する(S820)。
そして、FAX通信中である場合には(S820:YES)、TIMERに1を加算し(S830)、TIMERの値が2以上になったか否かを判断する(S840)。そして、TAIMER≧2となった場合は(S840:YES)、表示部84として備えられているLCD等の表示パネルにFAX通信中である旨を表示する(S850)。例えば、FAX送信中であれば、「FAX SENDING」といった文字列を、FAX受信中であれば「FAX RECEIVING」といった文字列を表示する。
【0095】
次に、TIMERの値が4以上になったか否かを判断する(S860)。TIMER≧4となった場合は(S860:YES)、TIMERを0にリセットする(S870)。
【0096】
また、パネル操作中の場合(S810:YES)、FAX通信中でない場合(S820:NO)、及びTIMER<2の場合(S840:NO)には、プリンタ用のパネル表示を行う(S880)。
【0097】
この結果、FAX通信中であってパネル操作が行われていないという場合には、FAXの通信状態とプリンタの状態の表示が2秒毎に交互に切り換えられながらパネル表示が実行される。例えば、「READY」あるいは「PAPER JAM」等というプリンタ状態の内容を示す表示と、「FAX RECEIVING」あるいは「FAX SENDING」等というFAX通信状態の内容を示す表示とが2秒ごとに交互にパネルに表示された状態となる。これにより、FAX通信中であることを外部に知らせることができ、FAX通信中に誤って電源を落とされてしまうといったことを防止している。
【0098】
なお、パネル操作中にはFAX通信中であっても交互表示ではなくプリンタ用表示としているのは、パネル操作を行おうとする場合にはその前にパネル表示が交互に切り換わる状態を見ていることから、誤って電源を落とさないであろうと考えられることと、パネル操作をしようとするときにパネル表示が交互表示であると操作がやり難くなるのでこれを防止するためである。通常、パネル操作を行う場合は、パネルのON LINEキー(図示しない)でOFF LINE(印字データ受け付け不可)状態に設定し、パネル操作終了時にON LINEキーの再押下でON LINE(印字データ受け付け可)状態に戻す。従って、パネル操作でプリンタ30がOFF LINE状態になっているか否かでパネル操作中か否かの判断が可能である。
【0099】
なお、パネルの交互表示ではなく、FAX通信中にはLEDを明滅させるなどといった処理に変えても同様の目的を達成できることはもちろんである。また、LEDの明滅ではなく、FAX通信中は、「SENDING」あるいは「RECEIVING」といったファックス通信状態の表示を消したり表示したりする処理を繰り返し実行して注意を促す様にしてもよい。
【0100】
次に、印刷トレイ選択処理について説明する。この印刷トレイ選択処理も所定のタイミングで割り込み実行される様に構成されている。
【0101】
この印刷トレイ選択処理では、図10に示す様に、まず最初に、プリンタ機能下での印刷モードになっているか否かを判断し(S910)、プリンタ機能下の印刷モードになっていると判断された場合には(S910:YES)、プリンタ印刷用トレイ選択処理を実行する(S920)。
【0102】
一方、プリンタ機能下の印刷モードにないと判断された場合には(S910:NO)、
FAX機能下での印刷モードになっているか否かを判断する(S930)。FAX機能下での印刷モードでもないと判断された場合は(S930:NO)、このまま処理を抜ける。
【0103】
これに対し、FAX機能下の印刷モードになっていると判断された場合には(S930:YES)、さらに、強制印刷モードが設定されているか否かを判断する(S940)。
強制印刷モードが設定されていない場合は(S940:NO)、後述するFAX印刷用トレイ選択処理1へ進み(S950)、強制印刷モードが設定されている場合は(S940:YES)、後述するFAX印刷用トレイ選択処理2へ進む(S960)。ここでいう強制印刷モードとは、後で説明する強行印刷とは異なるものであって、FAX受信データ格納用メモリの空き容量を確認して、メモリ不足の生じそうな状態のときには自動的にFAX受信データの印刷を開始してメモリ不足の発生による受信NGの発生を防止するためのモードである。
【0104】
プリンタ印刷用トレイ選択処理は、図11,図12のフローチャートに示す様な手順によって構成されている。このフローチャートは、No.1トレイ51とNo.2トレイ52の2個のトレイを備えている場合に、No.1トレイ51をプリンタ印刷用として優先する設定になっている場合のものである。なお、本実施の形態のプリンタ30は、図1に示した様に、A3普通紙用としてNo.3トレイ53も備えているが、簡単のため、このNo.3トレイ53がないものとして印刷用トレイ選択処理に関する説明を行う。
【0105】
まず最初に、印刷用の給紙トレイとしてNo.1トレイ51を指定する(S1010)。そして、No.1トレイ51に用紙があるか否かを判断する(S1020)。用紙がある場合には(S1020:YES)、さらに、No.1トレイ51の用紙が印刷に必要な用紙とサイズが一致している否かを判断する(S1030)。サイズが一致していれば(S1030:YES)、No.1トレイ51を給紙トレイに選択して印刷が実行される(S1040)。
【0106】
一方、No.1トレイ51に用紙があるもののサイズが一致していないという場合は(S1020:YES、S1030:NO)、No.2トレイ52を給紙トレイとして指定する(S1050)。そして、No.2トレイ52に用紙があるか否かを判断し(S1060)、用紙がある場合には(S1060:YES)、さらに、No.2トレイ52の用紙が印刷に必要な用紙とサイズが一致している否かを判断する(S1070)。サイズが一致していれば(S1070:YES)、S1140に進んでNo.2トレイ52を給紙トレイに選択して印刷が実行される。
【0107】
一方、No.2トレイ52に用紙がない場合(S1060:NO)、及びNo.2トレイ52に用紙があってもそのサイズが一致していない場合は(S1070:NO)、サイズエラー表示を行って用紙の入れ替えを促す(S1080)。しかし、パネル操作等によってサイズエラーのままでも印刷を強行する旨の指令がなされた場合は(S1090:YES)、優先設定されているNo.1トレイ51を給紙トレイに選択し(S1040)、サイズ違いの用紙に対して印刷を強行する。印刷強行の指令がなされずに(S1090:NO)、用紙の入れ替えが行われた場合は(S1100:YES)、S1010へ戻って本ルーチンを最初から実行し直す。
【0108】
No.1トレイ51に紙がないという場合には(S1020:NO)、図12に示す様に、プリンタ印刷用の給紙トレイとしてNo.2トレイ52を指定する(S1110)。
そして、No.2トレイ52に用紙があるか否かを判断する(S1120)。用紙がある場合には(S1120:YES)、さらに、No.2トレイ52の用紙が印刷に必要な用紙とサイズが一致している否かを判断する(S1130)。サイズが一致していれば(S1130:YES)、No.2トレイ52を給紙トレイに選択して印刷が実行される(S1140)。
【0109】
一方、No.2トレイ52に用紙があるものの、そのサイズが一致していないという場合は(S1120:YES、S1130:NO)、サイズエラー表示を行って用紙の入れ替えを促す(S1150)。この場合も、サイズエラーのままでも印刷を強行する旨の指令がなされた場合は(S1160:YES)、用紙の入っているNo.2トレイ52を給紙トレイに選択し(S1140)、サイズ違いの用紙に対して印刷を強行する。印刷強行の指令がなされずに(S1160:NO)、用紙の入れ替えが行われた場合は(S1170:YES)、S1010へ戻って本ルーチンを最初から実行し直す。
【0110】
また、No.1トレイ51に紙がなく(S1020:NO)、No.2トレイ52にも紙がないという場合には(S1120:NO)、用紙なしエラーの表示を行い(S1180)、用紙の入れ替えを促す。そして、用紙が入れ替えられたら(S1190:YES)、S1010へ戻って本ルーチンを最初から実行し直す。
【0111】
これに対しFAX印刷用トレイ選択処理1は、図13,図14に示す様なフローチャートの手順によって構成されている。このフローチャートも、No.1トレイ51、No.2トレイ52の2個のトレイを備えている場合に、No.1トレイ51をFAX印刷用の給紙トレイとして優先する設定になっている場合のものである。
【0112】
まず最初に、印刷用の給紙トレイとしてNo.1トレイ51を指定する(S1210)。そして、No.1トレイ51にA4、レター、リーガルのいずれかのサイズの普通紙が入っているか否かを判断する(S1220)。ここでは、例えばA4サイズであっても、普通紙ではなくOHP用紙、厚紙、色付きの紙等が入っている場合には「NO」と判断される。即ち、このS1220では用紙のサイズだけでなく、種類をも識別する構成となっているのである。用紙のサイズ及び種類の識別に当たっては、用紙サイズ検出用のセンサや用紙種類検出用のセンサを備えさせる様にしてもよいし、利用者が用紙を各トレイに入れる際に、パネル操作によって設定した情報に基づいて判断する様にしてもよい。
【0113】
No.1トレイ51にA4、レター、リーガルのいずれかのサイズの普通紙が入っていると判断された場合には(S1230:YES)、さらに、No.1トレイ51の用紙がFAX印刷に必要な用紙とサイズが一致している否かを判断する(S1230)。サイズが一致していれば(S1230:YES)、No.1トレイ51を給紙トレイに選択してFAX印刷が実行される(S1240)。
【0114】
一方、No.1トレイ51にA4、レター、リーガルのいずれかのサイズの用紙があるものの、FAX受信データの印刷用紙として最適なサイズでないという場合は(S1220:YES、S1230:NO)、No.2トレイ52を給紙トレイとして指定する(S1250)。そして、No.2トレイ52にA4、レター、リーガルのいずれかのサイズの普通紙があるか否かを判断し(S1260)、これらのサイズの普通紙がある場合には(S1260:YES)、S1230の判断と同様にサイズが一致している否かを判断する(S1270)。サイズが一致していれば(S1270:YES)、S1340に進んでNo.2トレイ52を給紙トレイに選択して印刷が実行される。
【0115】
一方、No.2トレイ52にA4、レター、リーガルのいずれのサイズの普通紙も入っていないという場合(S1260:NO)、及びNo.2トレイ52の用紙サイズが一致していないという場合は(S1270:NO)、サイズエラー表示を行って用紙の入れ替えを促す(S1280)。しかし、サイズエラーのままでもパネル操作等によって印刷を強行する旨の指令がなされた場合は(S1290:YES)、優先設定されているNo.1トレイ51を給紙トレイに選択し(S1240)、サイズ違いの用紙に対して印刷を強行する。ここで強行印刷をしても、サイズが多少違うものの、No.1トレイには、A4、レター、リーガルのいずれかのサイズの普通紙が入っているのであるから、FAX受信したデータの本文自体が欠落した印刷となることはない。
【0116】
なお、印刷強行の指令がなされずに(S1290:NO)、用紙の入れ替えが行われた場合は(S1300:YES)、S1210へ戻って本ルーチンを最初から実行し直す。
【0117】
No.1トレイ51にA4、レター、リーガルのいずれのサイズの普通紙も入っていないという場合には(S1220:NO)、図14に示す様に、印刷用の給紙トレイとしてNo.2トレイ52を指定する(S1310)。そして、No.2トレイ52にA4、レター、リーガルのいずれかのサイズの普通紙が入っているか否かを判断する(S1320)。これらいずれかのサイズの普通紙が入っていると判断された場合には(S1320:YES)、さらに、No.2トレイ52の用紙が、受信したFAXデータの印刷サイズとして適切なサイズと一致している否かを判断する(S1330)。サイズが一致していれば(S1330:YES)、No.2トレイ52を給紙トレイに選択して印刷が実行される(S1340)。
【0118】
一方、No.2トレイ52にA4、レター、リーガルのいずれかのサイズの普通紙があるもののサイズが一致していないという場合は(S1320:YES、S1330:NO)、サイズエラー表示を行って用紙の入れ替えを促す(S1350)。ここで、サイズエラーのままでも印刷を強行する旨の指令がなされた場合は(S1360:YES)、用紙の入っているNo.2トレイ52を給紙トレイに選択し(S1340)、サイズ違いの用紙に対して印刷を強行する。この場合も、A4、レター、リーガルのいずれかのサイズの普通紙に対する強行印刷であるから、FAX印刷用紙としては最適でないにしても、本文データの欠落しない状態のFAX印刷出力を得ることができる。
【0119】
これに対し、印刷強行の指令がなされずに(S1360:NO)、用紙の入れ替えが行われた場合は(S1370:YES)、S1210へ戻って本ルーチンを最初から実行し直す。
【0120】
また、No.1トレイ51にA4、レター、リーガルのいずれのサイズの普通紙も入っておらず(S1220:NO)、No.2トレイ52にもA4、レター、リーガルのいずれのサイズの普通紙も入っていないという場合には(S1320:NO)、No.1トレイ51又はNo.2トレイ52のいずれかに他のサイズの普通紙が入っているか否かを判断する(S1380)。いずれかのトレイに他のサイズの普通紙が入っている場合には(S1380:YES)、サイズエラー表示を行い(S1390)、一方、いずれのトレイにも普通紙が入っていないという場合には(S1380:NO)、用紙なしエラーの表示を行い(S1400)、用紙の入れ替えを促す。そして、用紙が入れ替えられたら(S1410:YES)、S1210へ戻って本ルーチンを最初から実行し直す。
【0121】
この様に、このFAX印刷用トレイ選択処理1の場合は、A4、レター、リーガルのいずれかのサイズの普通紙がある場合にはパネル操作等による強行印刷を可能にしているが、それ以外のサイズの普通紙あるいは、A4、レター、リーガルのいずれかのサイズに該当するものの普通紙ではない用紙(例えば、OHP用紙、厚紙、色紙など)が単に入っているというだけでは強行印刷を実行できない構成としている。
【0122】
これは、上記のサイズの普通紙であれば、FAX受信データの本文が欠けることなく印刷可能であることから、最適なサイズでなくても強行印刷可能にし、上記以外のサイズの普通紙に対しては強行印刷を行わないことで、例えばB5の普通紙に印刷してしまう様なことはなく、受信データ本文が一部欠落したFAX印刷となることを的確に防止するためである。また、OHP用紙の様な高価な用紙を無駄に使用しない様にもしているのである。
【0123】
次に、FAX印刷用トレイ選択処理2について説明する。このFAX印刷用トレイ選択処理2は、図15,図16に示す様なフローチャートの手順によって構成されている。なお、図15に示したS1510〜S1600の各処理の具体的内容は、FAX印刷用トレイ選択処理1について図13で説明したS1210〜S1300の各処理と全く同じ構成となっている。また、図16のS1610〜S1710の各処理の具体的内容は、FAX印刷用トレイ選択処理1について図14で説明したS1310〜S1410の各処理と同じ構成になっている。
【0124】
FAX印刷用トレイ選択処理1と違う点として、No.1トレイ51又はNo.2トレイ52にA4、レター、リーガルのサイズの普通紙ではないものの何らかの用紙が入っているとき(S1680:YES)、サイズエラー表示を行うと共に(S1690)、FAX受信領域がメモり不足になっているか否かを判断する処理を追加している(S1720)。そして、メモリ不足でなければ(S1720:NO)、S1710へ進んで用紙の入れ替えを待つが、メモリ不足であると判断された場合は(S1720:YES)、普通紙以外のOHP用紙、厚紙、色紙であっても、サイズ的に、FAX受信印刷に差し支えのないものであればこれを選択して印刷を実行する(S1730)。
【0125】
このFAX印刷用トレイ選択処理2によれば、FAXデータの本文が欠けることのないサイズの普通紙に対しては強行印刷を可能にし、B5等の小さいサイズの普通紙への強行印刷を禁止しているという点ではFAX印刷用トレイ選択処理1の場合と同様である。しかし、FAX印刷用トレイ選択処理1と違う点として、No.1トレイ51又はNo.2トレイ52に所定サイズの普通紙以外の用紙が入っている場合にメモリ不足を起こした様な場合は、普通紙でなくても、サイズさえ満たせば、OHP用紙等へ強行印刷を実行し、メモリ不足による受信NGの発生を防止している。
【0126】
なお、本実施の形態では、No.1トレイ51とNo.2トレイ52の他に、A3普通紙用のNo.3トレイ53をも備えているので、メモリ不足の場合にはNo.3トレイ53を選択して印刷を実行するようにしておいてもよい。用紙が大きすぎるけれども、FAX受信データの部分的な欠落を起こすことはないし、OHP用紙に比べれば安価な上、ペーパーカッターなどで所定のサイズに切り揃えてやることもできるからである。
【0127】
次に、FAX印刷処理について説明する。この処理は外部からFAXを受信した場合の印刷処理を示しており、図17(A)に示す様な手順から構成されている。
【0128】
本実施の形態におけるFAX受信時の印刷処理としては、まず、FAX受信が終了したか否かを判断する(S1810)。そして、FAX受信が終了して初めて(S1810:YES)、FAX印刷を開始する様に構成されている(S1820)。そして、一旦、FAX印刷を開始したら、FAXデータがなくなるまでFAX印刷を続行し(S1830:NO,S1820)、FAXデータがなくなった後に(S1830:YES)、プリンタ印刷を受け付け得る状態となる(S1840)。
【0129】
一方、FAX受信の途中においては(S1810:NO)、プリンタ印刷の要求があれば(S1840:YES)、プリンタ印刷を開始し(S1850)、プリンタデータがなくなるまでプリンタ印刷モードを続行する(S1860:NO,S1850)。そして、プリンタデータを全て印刷してから(S1860:YES)、FAX印刷モードへ入り得る状態となる。なお、このプリンタ印刷モードを実行している間も、FAX受信については別ルーチンで続行される。
【0130】
FAX印刷処理をこの様に構成した結果、図17(B)に示す様に、例えば2ページのFAXデータを受信する様な場合に、2ページ分を受信し終わるタイミングになったときに初めてFAX印刷を実行する。従って、FAX受信中はプリンタ印刷が可能であり、プリンタ印刷を実行できない期間は、図示の様に、FAX印刷を実行している期間だけに限られる。また、この様に、FAX受信を一つの通信が完了してから印刷出力する構成としたので、印刷エンジン部81は短期間だけの駆動で足り、転写ドラム35等の消耗を防ぐ上で有利となっている。
【0131】
なお、比較のため、FAX受信において1ページ受信する毎に印刷出力する構成を採用した場合のタイミングチャートを図17(C)に示した。図示の様に、1ページ受信が終わる度に印刷を実行する構成にすると、プリンタ印刷が使用不可となる期間が長くなると共に、印刷エンジン部81は1ページ目の印刷と2ページ目の印刷の間隔が開くため、1ページ目の印刷中に2ページ目の給紙動作を同時に行う様な連続印刷ができず、結果として用紙搬送のための駆動時間が長くなり、転写ドラム35等の消耗が早くなる。また、FAX受信のデータ量あるいは速度によっては、印刷の間隔が、さらに開く場合もあり、転写ドラム35等の動作を一時停止した後、再度起動するといった駆動が行われるようになり、さらに転写ドラム35等や用紙搬送機構の消耗が早くなる。
【0132】
次に、FAX印刷処理の変形例について説明する。この処理は、図18(A)に示す様な手順から構成されており、FAX受信中であるか否かを判断し(S1910)、FAX受信中であれば、FAXデータ受信用のメモリの残量を確認するなどの手法により、メモリフルが発生すると予想されるか否かを判断する(S1920)。なお、このメモリフルの発生の予想の判断は、FAX受信に先立って行っておいてもよい。メモリフルが発生すると予想された場合には(S1920:YES)、FAX受信の途中であってもFAX印刷を開始する(S1940)。メモリフルが予想されない場合には(S1920:NO)、FAX受信が終了したか否かを判断し(S1930)、以下、図17(A)について説明したのと同様の手順に従ってFAX印刷処理が実行される(S1930〜S1980)。
【0133】
FAX印刷処理をこの様に構成した結果、図18(B)に示す様に、例えば2ページのFAXデータを受信中にメモりフルになる可能性が予測された場合には、メモリフルになる前に1ページ目のFAX印刷が終了する様なタイミングにおいてFAX印刷を開始し、FAX受信用のメモリを早く空ける様にしてメモリフルによる受信NGの発生を防止している。この変形例の処理においても、一旦、FAX印刷が開始された場合は、FAXデータがなしになるまでFAX印刷が優先される。従って、途中でプリンタ印刷の指令が割り込んできて、出力された印刷物にFAX受信データによるものとプリンタデータによるものとが混ざり合ってしまうということはない。
【0134】
なお、上述した図17,図18のFAX印刷処理は、オプション検出処理において、FAX優先=OFFが設定されていることを前提にして説明している。このため、上述した様に、プリンタ印刷使用不可となる期間を短くすることができるという効果が発揮されている。
【0135】
もし、FAX優先=ONに設定されているとすると、FAX受信中はプリンタ印刷の要求があってもプリンタデータの蓄積のみが行われるだけなので、プリンタ印刷が使用不可となる期間の短縮という効果は発揮されない。しかし、FAX優先=ONの場合であっても、FAX印刷処理として、FAXデータの受信が完了してからFAX出力を行うという構成を採用しているので、FAX受信に対応して印刷エンジン部81を駆動し続ける期間は短くなるから、転写ドラム35等の消耗を抑えるという効果は十分に発揮される。
【0136】
ところで、本実施の形態においては、プリンタ印刷を行うに当たって、RAM63,64のメモリ管理に関してページプロテクトモードを設定することができる様に構成されている。このページプロテクトモードとは、一般に知られている様に、プリンタ印刷を行う場合に、パソコン11等から受信したプリンタ用のデータを1ページ分展開することのできるイメージ領域をメモり内のフリーエリアに確保しておくモードである。
【0137】
ところが、FAX印刷の場合には、必ず左上から順番にイメージデータが送られてくるので、ページプロテクトモードで処理を行う必要がなく、フリーエリア内に1ページ分のイメージ展開領域を確保する必要はない。むしろ、数ライン分のイメージ展開用の領域をいくつか準備しておき、この領域を繰り返し書き換えることによって印刷していくいわゆるバンド処理に適しているといえる。
【0138】
そして、FAX印刷の場合にもページプロテクトモードを有効にすると、RAM63,64の空き領域が制限され、FAXデータ(G3圧縮データ)を、プリンタ出力用の中間的な圧縮データに一旦展開するためのメモリ領域が制約を受けたり、また、元々のFAX用のデータエリアを小さく設定しなければならないという問題がある。
【0139】
そこで、本実施の形態では、プリンタ印刷のためにページプロテクトモードが設定されている場合のFAX印刷処理に関して、図19に示す様な処理を実行することとしている。
【0140】
この処理では、まず、図19(A)に示す様に、ページプロテクトモードに関する設定条件を保存してから(S2010)、ページプロテクトをOFFにする(S2020)。この結果、例えば、図19(B)に示す様に大きなイメージ領域がページプロテクトモードONの場合に確保されていたとしても、FAX印刷時にはページプロテクトモードをOFFにすることで、図19(C)に示す様に、イメージ領域をバンド処理に必要な程度に縮小することができ、FAXデータをプリンタ出力用の圧縮データに展開処理したりするためのフリーエリアが大きくなる。また、この様にフリーエリアを大きくできるということは、最初のFAX用データエリアの設定枠を大きくすることができるということをも意味する。
【0141】
こうして、FAX印刷処理では、常に、ページプロテクトモードがOFFとされた上で、広いフリーエリアを利用して、FAXデータ(G3圧縮データ)をプリンタ出力用の圧縮データに変換したりするFAXデータ処理を実行し(S2030)、バンド処理を実行することによって、ページの先頭から順次、所定ライン分ずつのデータを実際に印刷するためのビットマップデータに展開しつつFAX印刷処理を実行する(S2040)。
【0142】
そして、FAX印刷が終了したら(S2050:YES)、S2010で保存しておいたページプロテクトモードに関する設定条件を元の状態に戻して本処理を終了する(S2060)。
【0143】
また、本実施の形態においては、図19(C)に示したフリーエリアをプリンタとFAXで共有して用いる構成を採用していることから、このフリーエリアにFAXデータをプリンタ出力用のデータに展開するのに必要な空き容量を確保できなくなる前にFAXで使用していないインタフェースをBUSYにする処理も実行している。
【0144】
この処理は、図20に示す様に構成されており、まず、フリーエリアにFAX展開用として十分なエリアがあるか否かを判断する(S2110)。そして、十分でないと判断されたときは(S2110:NO)、まず、FAX受信中であるか否かを判断する(S2115)。FAX受信中であると、判断された場合は(S2115:YES)、他のインタフェースをBUSYにする(S2190)。FAX受信中でないと判断された場合は(S2100:NO)、次に、セントロニクスインタフェース72がFAX送信用データを受信中か否かを判断する(S2120)。セントロニクスインタフェース72がFAX送信用データを受信中でないと判断された場合は(S2120:NO)、セントロニクスインタフェース72をBUSYにする(S2130)。
【0145】
次に、RS−232Cインタフェース71がFAX送信用データを受信中か否かを判断する(S2140)。RS−232Cインタフェース71がFAX送信用データを受信中でないと判断された場合は(S2140:NO)、RS−232Cインタフェース71をBUSYにする(S2150)。
【0146】
次に、ネットワークインタフェース73がFAX送信用データを受信中か否かを判断する(S2160)。ネットワークインタフェース73がFAX送信用データを受信中でないと判断された場合は(S2160:NO)、ネットワークインタフェース73をBUSYにする(S2170)。
【0147】
この様にして、FAX展開用のフリーエリア(共有エリア)の空き容量が不足気味となった場合には、FAX受信中でない場合は、現在FAX送信用データを受信しているインタフェース以外を全てBUSYとする。また、FAX受信中の場合は、他のパーソナルコンピュータ等からのデータを受信するインタフェースを全てBUSYにする。そして、フリーエリアが十分にあるときには(S2110:YES)、FAX展開用エリア不足でBUSYにしたインタフェースのBUSY状態を解除する(S2180)。なお、S2180では、FAX展開用エリア不足でBUSYにした場合に限ってBUSY状態の解除を行うのであって、これ以外の理由によってインタフェースをBUSYとしている場合には、各インタフェースのBUSY状態を解除することはしない。このBUSY状態がいかなる理由によるものであるかは、状態を示すフラグをメモリに設定することにより可能としている。
【0148】
以上の様なFAX展開用の空きエリアチェック処理を実行することにより、フリーエリア内にプリンタデータの展開等により、FAXデータ展開に必要な空き容量を確保できなくなる前に、FAXで使用していないインタフェースをBUSYにして空きエリア不足を防止しているのである。
【0149】
次に、本実施の形態におけるシステムを利用して、パソコンにインストールされているワープロソフト等のアプリケーションを用いてFAX同報送信を実行する場合の処理の内容を説明する。
【0150】
まず、パソコン側の処理について図21,図22に基づいて説明する。
パソコン側では、インストールされているワープロソフトなどのアプリケーションを使用してFAX送信するための本文作成等のアプリケーション処理を実行する(S2210)。このアプリケーション処理は、印刷指令がなされるまで繰り返し実行されることになる(S2220:NO)。
【0151】
アプリケーション処理において、印刷指令がなされると(S2220:YES)、次に、今回の印刷指令がFAX送信用データを対象になされたものであるか否かを判断する(S2230)。FAX送信用データでない場合は(S2230:NO)、現在使用中のアプリケーションによる通常の印刷データ送出処理が実行される(S2240)。
【0152】
ここで、本実施の形態においては、パソコン側で印刷出力用のプリンタを選択するに当たって、FAXモデムカードが装着されたプリンタを、通常のプリンタとして指定する設定と、FAX送信機として指定する設定とを選択できる様にしておく。即ち、1台のプリンタ30を「通常のプリンタ」と「FAX送信機としてのプリンタ」の2台のプリンタに見せかける様にプリンタドライバを2つ登録しておくのである。そして、ワープロソフトから印刷命令を行う際に、この「FAX送信機としてのプリンタ」が指定された場合に、印刷指令によりFAX送信用データに対する処理を行うプログラムを、このプリンタ30に対して印刷指令を実行可能な各パソコン11〜14に予めインストールしておく。こうして、印刷命令に対応して選択されたプリンタが「FAX送信機としてのプリンタ」であるか否かによってS2230におけるFAX送信用データか否かの判断がなされるのである。
【0153】
そして、ワープロソフトによる印刷命令時のプリンタ指定において「FAX送信機としてのプリンタ」が指定されるとFAX送信用データであるとの判断がなされ(S2230:YES)、上述の様に各パソコン11〜14に予めインストールしておいたプログラムが起動され、FAX送信に当たって必要となる送信先の入力画面や、カバーページを添付するか否かを選択する画面等が表示され、利用者は、この画面表示に従って、送信先の電話番号やカバーページに記載すべきメモの内容などを入力するためのFAX送信用情報入力処理(S2235)が実行される。そして、このFAX送信用情報入力処理において最終的に印刷OKを指定することによって、以下の処理が実行されることになる。なお、この送信先の入力において、複数人の宛先を入力することで同報送信を行うことになる。
【0154】
こうして、「FAX送信機としてのプリンタ」が印刷出力機として選択され、必要な情報が入力されてOKボタンがクリックされると、まず、送出データ数を表すカウンタnを1に設定する(S2250)。続いて、FAX送信用データ形成処理を実行することによりFAX用の本文データを作成する(S2260)。具体的には、ワープロソフトで作成した本文データをG3圧縮形式のFAXデータに変換する処理が行われる。そして、このS2260で作成されたG3圧縮形式のFAX用データに本文であることを示す属性情報を添付してファイルn(この場合、ファイル1になる。)と定義する(S2270)。続いて、このファイルnをFAX送信用として指定したプリンタ30に対して送出すると共に(S2280)、本文データをファイルnとしてFAX送信用プリンタ30に送出したことを表す送出情報n(この場合、送出情報1になる。)をパソコン内のRAMに記憶する(S2290)。
【0155】
次に、FAX送信用のカバーページがあるか否かを判断する(S2300)。カバーページがある場合には(S2300:YES)、送出データ数を表すカウンタnをインクリメントし(S2310)、カバーページについても本文同様に、FAX送信用データ形式(G3圧縮形式)のカバーページデータを作成する(S2320)。続いて、このカバーページデータに対してFAX送信用のカバーページであることを示す属性情報を添付してファイルnと定義した後(S2330)、FAX送信用プリンタ30に対してこのファイルnを送出すると共に(S2340)、カバーページデータをファイルnとしてFAX送信用プリンタ30に送出したことを表す送出情報nをパソコン内のRAMに記憶する(S2350)。
【0156】
この後、次のカバーページがあるか否かを判断する(S2360)。次のカバーページがある場合には(S2360:YES)、S2310へ戻って再び送出データ数カウンタnをインクリメントすると共に上述したS2320以下の処理を繰り返す。こうして全てのカバーページについてS2310〜S2350の処理を終えたら(S2360:NO)、送出データ数カウンタnの値が2以上か否かを判断する処理に移行する(S2370)。なお、S2300の処理においてカバーページがないと判断された場合は(S2300:NO)、S2310〜S2360の処理を行うことなく、このS2370の処理へ移行することになる。
【0157】
そして、送出データ数カウンタnの値が2以上であると判断された場合には(S2370:YES)、カバーページの送出情報の開始番号を示すカウンタmを2に設定し(S2380)、送出情報mと送出情報1とを組み合わせ、送出情報mに対応する宛先に対してFAX出力を実行すべき旨の命令をFAX送信用プリンタ30に対して出力する(S2390)。
【0158】
こうして一つの宛先に対するFAX送信命令を出力した後、n>mとなっているか否かを判断する(S2400)。n>mである場合は(S2400:YES)、カウンタmをインクリメントし(S2410)、S2390の処理へ戻って二つ目の宛先に対するカバーページと本文の組み合わせを指定してカバーページに対応する宛先に対してFAX送信すべき旨の命令を出力する(S2390)。
【0159】
以上の処理をS2400における判断が「NO」となるまで繰り返し実行し、全ての宛先に対して「カバーページ+本文」の送信命令を出力し終えたら、RAMに記憶しておいた送出情報をクリアし(S2430)、さらに、S2270,S2330で作成したファイル1〜nをクリアする命令をFAX送信用プリンタ30に対して出力する(S2440)。
【0160】
なお、カウンタnの値が2未満であるというときは(S2370:NO)、今回指示されているFAX送信命令においては一つの宛先に対してカバーページなしでFAX送信する場合であるので、送出情報1(本文データ)を指定の宛先に対してFAX送信すべき旨の命令をFAX送信用プリンタ30に対して出力し(S2420)、S2430以下の処理を実行する。
【0161】
次に、この同報送信処理に対応するためのプリンタ30側の処理について、図23に基づいて説明する。
【0162】
プリンタ30側では、パソコン11等からのデータ入力があったか否かを判断し(S2510)、データ入力があった場合には(S2510:YES)、それが印刷データか否かを判断する(S2520)。印刷データである場合には(S2520:YES)、通常のプリンタとしての印刷処理を実行する(S2530)。
【0163】
一方、印刷データではないという場合には(S2530:NO)、パソコン11等から入力されたデータが属性情報を持ったファイルか否かを判断する(S2540)。上述の様に、パソコン側では、ワープロソフト等で作成したデータをFAX送信するに当たって、例えばS2270,S2280として説明した様に、まず、本文である旨の属性情報を添付した形式でファイルを出力する。また、カバーページについてもS2330,S2340で説明した様に、カバーページとしての属性情報を添付されたファイルが出力される。プリンタ30側では、この属性情報の有無によって、FAX送信用データなのか送信命令又はクリア命令なのかを判断することができるのである。
【0164】
属性を持ったファイルであると判断された場合は(S2540:YES)、FAXデータ格納用のメモリ領域にパソコン11等から送られてきたデータをファイル番号と共に保存する(S2550)。上述の様に、同報送信に当たっては、パソコン側では、本文データを送出した後、各宛先毎のカバーページを必要な数だけ送出してくるので、プリンタ30側のFAXデータ格納用メモリ内には、ファイル1として本文データが、ファイル2〜ファイルnとしてカバーページデータがそれぞれ保存されることになる。
【0165】
一方、パソコン11等から入力されたデータが属性を持ったファイルではないと判断された場合は(S2540:NO)、次に出力命令か否かを判断する(S2560)。上述の様に、同報送信に当たっては、パソコン11等からはまず本文データを送出し、続いて必要な数のカバーページを送出した後に、出力命令を送出する様になっている。
【0166】
ここで、出力命令であると判断された場合には(S2560:YES)、この出力命令によって指定された属性を持ったファイルの有無を判断する(S2570)。そして、指定された属性を持ったファイルを保存している場合には(S2570:YES)、パソコン側からの出力命令の指定に従って、カバーページと本文とを組み合わせ(S2580)、該当する宛先に対してFAX送信を実行する(S2590)。
【0167】
なお、パソコン11等からの命令が出力命令でないときは(2560:NO)、上述の様に、プリンタ30側に保存したファイル1〜nをクリアする命令であることから、S2550の処理によって保存したファイル1〜nをクリアする処理を実行する(S2600)。
【0168】
以上の様にして、この実施の形態における同報送信処理においては、パソコン11等からFAX送信用プリンタ30に対してデータを送るに当たって、本文データを1回だけ送出し、後は必要な枚数のカバーページデータを送出するだけなので、同報送信を行う場合のパソコン11等から送出するデータ量を少なくすることができる。また、パソコン11等からプリンタ30へ送られるデータ量が少ないことから、プリンタ30側のメモリを圧迫することもない。そして、上述の様に、本文データとカバーページとをそのファイル番号で区別することができるので、パソコン11等からの出力命令に従って、プリンタ30側に保存したファイル同士を組み合わせるだけで、同一内容の本文データをそれぞれのカバーページと組み合わせたカバーページ付きのFAXデータについて同報送信を実行することができる。
【0169】
また、今回の説明ではファイルを全てプリンタ30に対して送った後で出力命令(S2390)を出すようにしているが、本文データをファイル1としてカバーページより先にプリンタ30に送出(S2280)しているので、その後、カバーページデータをファイルnとしてプリンタ30に送出(S2340)した後でただちに出力命令を出す(S2390)ことも可能である。
【0170】
これにより、FAX用のメモリ領域が少ないような場合、カバーページが大量にあったり、1つのカバーページのデータ量が大量にあったりすると、すべてのカバーページをメモリに入れてから本文データをメモリに入れようとしても入らない場合があるが、この様な場合でも、本文データを先に送っておけば、その本文データは、メモリ領域に保持したままにしておけるため、その後、順次必要なだけカバーページを送り、出力命令を出し、その後そのカバーページのみを削除する(S2440でそのカバーページだけをクリアする命令を出し、S2600でメモリ領域から削除する。)という手順を行うことでメモリ不足を発生させることなく、ファイル転送の操作を必要最小限に留めるという目的を達成することができる。
【0171】
つまり、このような処理の流れを行う場合には、本文データを先にプリンタ30に送出し、カバーページデータを後でプリンタ30に送出する順番にも意味が生じる。
【0172】
また、本文データとカバーページデータを組み合わせて送信するという構成についても、予め複数の本文データのファイルをプリンタ30側に送出しておき、カバーページに対して複数の本文データを組み合わせるということも同様に行うことができる。
【0173】
以上、本発明について一実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内においてさらに種々の形態を採用することができることはもちろんである。
【0174】
【発明の効果】
以上説明した様に、請求項1〜請求項6の各発明のファクシミリ通信機能付きプリンタによれば、共有エリアの空き容量不足によるFAXデータの展開不能状態の発生を防止することができる。また、FAXデータを印刷処理する際の共有エリア不足を有効に防止できる分だけ、FAXデータ格納領域を大きくすることができるという効果も達成される。
【0175】
特に、プリンタ機能用に設定されるページプロテクトモードを解除することによって、FAX機能下でのFAXデータの印刷処理に当たって共有エリアを広げることによって上記効果を達成することができている。
【0176】
また、請求項1及び請求項2のファクシミリ通信機能付きプリンタによれば、FAXデータの印刷処理を終了した後は、共有エリアに対するページプロテクトモードの設定を元の状態に戻すので、プリンタ機能による印刷処理を実行する場合に、再びページプロテクトモードを設定し直す必要がなく、プリンタ機能に対する操作性を低下させることもない。
【0177】
また、請求項3のファクシミリ通信機能付きプリンタによれば、FAX機能下での印刷処理を実行する場合には、共有エリアにおけるFAXデータを展開するために必要な空き領域の容量が不足すると判断された場合に、現在FAXデータを受信中でないインタフェースをBUSY状態にすることで、上述した十分な共有エリアの確保や、これに伴うFAXデータ格納領域の拡大といった効果を達成することができる。
【0178】
また、請求項4のファクシミリ通信機能付きプリンタによれば、必要以上に各インタフェースをBUSYにしておくことがなく、多機能装置としての本発明のファクシミリ通信機能付きプリンタの機能を十分に発揮させつつ、必要に応じて、FAXデータ以外の受信を制限するといった使い方ができる。
【0179】
また、請求項5又は請求項6のファクシミリ通信機能付きプリンタによれば、小さなオフィスにも備えられることの多いプリンタを利用してFAX通信を可能にすると共に、プリンタ自体については国毎の通信規格等を考慮せずに製造可能とすることができる。一方、各国において当該国の通信規格を満足するFAXモデムカード等を入手することは容易であるから、ユーザーは、自国で販売されているFAXモデムカード等を購入して所定のインタフェースに装着するという簡単な作業で各国毎の通信規格を満足し、上述の様なFAX受信データの印刷出力に当たって種々の作用効果を発揮し得るファクシミリ通信機能付きプリンタを簡単に入手することができる。
【0180】
また、請求項5又は請求項6によれば、本発明のプリンタとパソコンとの間で、昼と夜とで上述のFAXモデムカード等を差し替えてやることで、昼間はプリンタをその本来の機能用として使用し、夜間はFAX受信機として使用するといった便利な使い分けをすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態におけるシステム全体の概略構成を示す模式図である。
【図2】 実施の形態において採用しているカラーレーザプリンタの制御系統の概略構成を示すブロック図である。
【図3】 実施の形態においてプリンタ側で実行するオプション検出処理の内容を示すフローチャートである。
【図4】 実施の形態においてプリンタ側で実行するFAX制御用割込処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】 実施の形態においてプリンタ側で実行する受信処理、送信処理及び印刷割込処理の各内容を示すフローチャートである。
【図6】 実施の形態においてプリンタ側で実行するメインルーチンにおける処理の内容を示すフローチャートである。
【図7】 実施の形態においてプリンタ側で実行するリセット時のメモリクリア処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】 上述のメモリクリア処理に関する変形例の内容を示すフローチャートである。
【図9】 実施の形態においてプリンタ側で実行するパネル表示処理の内容を示すフローチャートである。
【図10】 実施の形態においてプリンタ側で実行する印刷用トレイ選択処理の内容を示すフローチャートである。
【図11】 上述の印刷用トレイ選択処理中のプリンタ印刷用トレイ選択処理のより具体的な内容を示すフローチャートである。
【図12】 上述の印刷用トレイ選択処理中のプリンタ印刷用トレイ選択処理のより具体的な内容を示すフローチャートである。
【図13】 上述の印刷用トレイ選択処理中のFAX印刷用トレイ選択処理1のより具体的な内容を示すフローチャートである。
【図14】 上述の印刷用トレイ選択処理中のFAX印刷用トレイ選択処理1のより具体的な内容を示すフローチャートである。
【図15】 上述の印刷用トレイ選択処理中のFAX印刷用トレイ選択処理2のより具体的な内容を示すフローチャートである。
【図16】 上述の印刷用トレイ選択処理中のFAX印刷用トレイ選択処理2のより具体的な内容を示すフローチャートである。
【図17】 実施の形態においてプリンタ側で実行するFAX印刷処理の内容を示し、(A)はそのフローチャート、(B)は当該フローチャートの処理に対応するタイミングチャート、(C)は(A)に示した様な処理を行わない場合の弊害を示すタイミングチャートである。
【図18】 上述のFAX印刷処理に関する変形例の内容を示し、(A)はそのフローチャート、(B)は当該フローチャートの処理に対応するタイミングチャートである。
【図19】 実施の形態においてプリンタ側でページプロテクトモードを解除して実行するFAX印刷処理の内容を示し、(A)はそのフローチャート、(B)はページプロテクトモードがONの場合のメモリ領域の状態を示す模式図、(C)はページプロテクトモードがOFFの場合のメモリ領域の状態を示す模式図である。
【図20】 実施の形態においてプリンタ側で実行するFAX用メモリの空きエリアチェック処理の内容を示すフローチャートである。
【図21】 実施の形態において同報送信を行う場合のパソコン側同報送信処理の内容を示すフローチャートである。
【図22】 実施の形態において同報送信を行う場合のパソコン側同報送信処理の内容を示すフローチャートである。
【図23】 実施の形態において同報送信を行う場合のプリンタ側同報送信処理の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・ローカルエリアネットワーク(LAN)、3・・・FAXモデムカード、5・・・公衆回線網、11〜15・・・パーソナルコンピュータ、17,18・・・イメージスキャナ、19・・・ファクシミリ装置、20・・・サーバー、30・・・カラーレーザプリンタ、31・・・Yステーション、32・・・Mステーション、33・・・Cステーション、34・・・Kステーション、35・・・転写ドラム、36・・・中間転写ベルト、37・・・定着用ローラ、38・・・排紙切換機構、39・・・排紙スタッカ、40・・・ソーター部、41〜43排紙スタッカ、51・・・No.1トレイ、52・・・No.2トレイ、53・・・No.3トレイ、54・・・手差しトレイ、60・・・制御部、61・・・CPU、62・・・ROM、63・・・RAM、64・・・増設RAM、65・・・NVRAM、66・・・フラッシュROM、67・・・ASIC、68・・・タイマ、70・・・インタフェース部、71・・・RS−232Cインタフェース、72・・・双方向セントロニクスインタフェース、73・・・ネットワークインタフェース、74・・・SCSIインタフェース、75,76・・・PCMCIAスロット、80・・・機構部、81・・・印刷エンジン部、82・・・用紙給排紙部、83・・・操作部、84・・・表示部、85・・・検出部。
Claims (6)
- メモリ領域内の共有エリアに対して、プリンタ機能によって印刷を実行する場合に1ページ分のプリンタデータをイメージデータとして展開するためのイメージ領域を確保するページプロテクトモードを設定するためのページプロテクトモード設定手段を備えているファクシミリ通信機能付きプリンタにおいて、
前記ファクシミリ機能に従って印刷出力を実行する場合には、前記共有エリアに対するページプロテクトモードを解除した状態とした上でファクシミリデータの印刷処理を実行するファクシミリ印刷制御手段を備え、
前記ファクシミリ印刷制御手段は、前記ファクシミリデータの印刷処理を終了した後は、前記共有エリアに対するページプロテクトモードの設定を元の状態に戻す手段を備えていること
を特徴とするファクシミリ通信機能付きプリンタ。 - 請求項1記載のファクシミリ通信機能付きプリンタにおいて、
前記ファクシミリ印刷制御手段は、
前記ページプロテクトモード設定手段によるページプロテクトモードの設定条件を保存するページプロテクトモード設定条件保存手段と、
該ページプロテクトモード設定条件保存手段による保存の後に、前記共有エリアをページプロテクトモードが解除された状態にするページプロテクトモード解除手段と、
該ページプロテクトモード解除手段による解除が行われた後、前記ファクシミリデータの印刷処理を実行するファクシミリデータ印刷処理実行手段と、
該ファクシミリデータ印刷処理実行手段による印刷処理が終了した後、前記ページプロテクトモード設定条件保存手段に保存させた設定条件に従って、前記共有エリアに対するページプロテクトモードの設定を元の状態に復帰させるページプロテクトモード復帰手段と
を備えていることを特徴とするファクシミリ通信機能付きプリンタ。 - 請求項1又は請求項2記載のファクシミリ通信機能付きプリンタにおいて、
前記共有エリア内に、前記ファクシミリデータを展開するために必要な空き領域の容量が十分にあるか否かを判断する空き容量判断手段と、
該空き容量判断手段によって、前記共有エリア内に前記ファクシミリデータを展開するのに必要な空き領域を十分に確保できないと判断されたとき、現在、ファクシミリデータを受信中でないインタフェースをBUSY状態にするBUSY状態設定手段と
を備えていることを特徴とするファクシミリ通信機能付きプリンタ。 - 請求項3記載のファクシミリ通信機能付きプリンタにおいて、
前記空き容量判断手段による判断が空き容量不足ではなくなった場合には、前記BUSY状態設定手段によってBUSY状態としたインタフェースに対して、当該BUSY状態を解除するBUSY状態解除手段を備えていることを特徴とするファクシミリ通信機能付きプリンタ。 - 請求項1〜請求項4のいずれか記載のファクシミリ通信機能付きプリンタにおいて、
前記ファクシミリ通信用のモデムを脱着可能なインタフェースと、
前記インタフェースに前記ファクシミリ通信用のモデムが装着されているときに当該プリンタにファクシミリ通信機能を追加するためのプログラムを予め記憶してあるファクシミリ機能追加用プログラム記憶手段と
を備えていることを特徴とするファクシミリ通信機能付きプリンタ。 - 請求項1〜請求項4のいずれか記載のファクシミリ通信機能付きプリンタにおいて、
前記ファクシミリ通信用のモデムを脱着可能なインタフェースと、
該インタフェースに前記ファクシミリ通信用のモデムが装着されているか否かを識別する識別手段と、
該識別手段によって、前記インタフェースに前記ファクシミリ通信用のモデムが装着されていると識別されたとき、当該プリンタをその本来の機能に加えてファクシミリ通信を実行可能な状態に設定するファクシミリ通信可能状態設定手段と
を備えていることを特徴とするファクシミリ通信機能付きプリンタ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP02147898A JP3704937B2 (ja) | 1998-01-19 | 1998-01-19 | ファクシミリ通信機能付きプリンタ |
US09/233,092 US6570667B1 (en) | 1998-01-19 | 1999-01-19 | Image processing device |
Applications Claiming Priority (1)
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JP02147898A JP3704937B2 (ja) | 1998-01-19 | 1998-01-19 | ファクシミリ通信機能付きプリンタ |
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- 1998-01-19 JP JP02147898A patent/JP3704937B2/ja not_active Expired - Fee Related
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