JP3704848B2 - 空気流清掃車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、路面上の塵埃を循環空気流に乗せて回収する空気流清掃車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
空気流清掃車は、通常、車体上にブロアとホッパとを搭載し、車体の下部にはピックアップヘッドを設け、ホッパ内の空気をブロアにより吸引して圧送ダクトを介しピックアップヘッドに送り、路面上の塵埃をピックアップヘッドより吸い上げ吸込ダクトを介しホッパに回収するように構成されている。また、ブロアが枯葉や紙屑等の軽量の塵埃を吸引しないように、ホッパの内部には吸引空気中の塵埃を除去するスクリーンが設けられている。例えば、実公平7−47451号公報の空気流清掃車は、ホッパの内部にスクリーンを開閉するための油圧シリンダ及びリンク機構を備え、ホッパをダンプしたとき等にスクリーンを開放し、これに付着した塵埃を容易に除去できるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の空気流清掃車によると、スクリーン駆動装置がホッパの内部に設けられているため、次のような問題点があった。
(1) ホッパ内の塵埃が油圧シリンダやリンク機構に付着して、駆動装置が作動不良を起こしやすい。
(2) 多数の部品をホッパの内壁に組み付ける必要があって、製作時の組付作業に手間がかかる。
(3) 駆動装置の点検整備作業をホッパの内部で行う必要があり、作業能率が悪い。
【0004】
そこで、本発明の課題は、スクリーン駆動装置を塵埃から保護して耐久性を向上できるとともに、駆動装置を容易に組み付けかつ点検整備できる空気流清掃車を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の内、請求項1に記載の発明は、ホッパ内の空気をブロアにより吸引して圧送ダクトを介しピックアップヘッドに送り、路面上の塵埃をピックアップヘッドより吸い上げ吸込ダクトを介しホッパに回収する空気流清掃車において、前記ホッパの内部に吸引空気中の塵埃を除去するスクリーンを、前記ホッパの天井近くで車幅方向に延びる枢軸により開閉可能に設ける一方前記スクリーンを開閉する駆動装置を、前記ホッパの天井壁上面に設置し、前記駆動装置の可動部と前記スクリーンの車幅方向両端と、前記天井壁の車幅方向両端部に形成された挿通孔に通した紐状部材を介し連結したことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1の発明において、ホッパ内部の部品点数を少なくするために、スクリーン基端の枢軸により上下に開閉可能に設け、紐状部材枢軸から離れた前記スクリーンの先端側部位に連結したことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の発明において、スクリーンの閉鎖時に挿通孔をシールするシールブロックを、紐状部材に固定したことを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において、1本の紐状部材でスクリーンをスムーズに開閉できるよう、駆動装置の可動部にプーリけ、1本の紐状部材の両端挿通孔に通してスクリーンに連結し、前記紐状部材の中間部を前記プーリに巻き掛けたことを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において、駆動装置の駆動力消滅状態でホッパの外部でスクリーンを閉鎖位置に保持できるように、駆動装置の可動部は揺動可能なアームを含み、スクリーンの閉鎖状態で前記アームを死点越え位置に保持する保持部材設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において、駆動装置の駆動力消滅状態でホッパ外部でスクリーンを閉鎖保持できるように、駆動装置の可動部は直線移動可能なスライダを含み、スクリーンの閉鎖状態で前記スライダを停止保持するばね部材設けたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、この実施形態の空気流清掃車は、車体1上にブロア2とホッパ3とを搭載し、車体1の下部にガッタブルーム4とピックアップヘッド5とを装備し、ホッパ3内の空気をブロア2により吸引し、圧送ダクト6を介しピックアップヘッド5に送り、路面上の塵埃をガッタブルーム4で掃き集め、ピックアップヘッド5より吸い上げ、吸込ダクト7を介しホッパ3に回収するように構成されている。そして、ホッパ3の内部には、吸引空気中の枯葉又は紙屑等の軽くて大きな塵埃を除去するスクリーン8が開閉可能に設けられ、ホッパ3の外部には、このスクリーン8を開閉する駆動装置9が設置されている。
【0012】
図2及び図3に示すように、スクリーン8は車幅方向に長い長方形のフレーム11に張設され、フレーム11の基端はホッパ3の天井近くで車幅方向に延びる枢軸12によりヒンジ13を介して上下に開閉可能に支持されている。駆動装置9はホッパ3の天井壁3a上面に設置され、天井壁3aの車幅方向両端部には挿通孔14が形成されている。各挿通孔14には紐状部材としてのワイヤ15が挿通され、ワイヤ15の両端はフレーム11上のブラケット16に連結されている。ブラケット16は、枢軸12から後方に離れたスクリーン8の先端側部位において、フレーム11の車幅方向両端に固着されている。
【0013】
なお、図3に示すように、天井壁3aの後端部内側には、スクリーン8の閉鎖時にフレーム11を上限位置で停止させるゴム製のストッパ17が設けられている。また、ホッパ3の内側においてワイヤ15には、スクリーン8の閉鎖時に挿通孔14をシールするゴム製のシールブロック18が固定されている。
【0014】
図4及び図5に示すように、駆動装置9は駆動部9Aとワイヤガイド部9Bとからなり、各部9A,9Bはそれぞれ別個のカバー20,21で覆われていて、駆動部9Aのカバー20はワイヤガイド部9Bのカバー21に対しヒンジ22を介して開閉可能に連結されている。ワイヤガイド部9Bは車幅方向に長いブラケット23を備え、その両端にはワイヤ15を挿通孔14に案内するガイドプーリ24が支持され、中間より一方に偏倚した位置にはワイヤ15の中間部を駆動部9A側に案内する一対のターンプーリ25が支持されている。
【0015】
一方、駆動部9Aにはブラケット27とアーム28と油圧シリンダ29とが設けられている。駆動装置9の可動部であるアーム28はブラケット27に対し支軸30により水平面内で揺動可能に組み付けられ、その先端にリフトプーリ31が支持されている。リフトプーリ31にはワイヤ15の中間部が巻き掛けられ、これにより、アーム28がワイヤ15を介してスクリーン8に連結されている。なお、ターンプーリ25及びリフトプーリ31には、それぞれワイヤ15の脱線を防止する鉤形金具25a,31aが設けられている。
【0016】
油圧シリンダ29はブラケット27に対し軸32により水平回動可能に取り付けられ、そのピストンロッド29aはピン33を介しアーム28の基端に結合されている。そして、ブラケット27にはアーム28をワイヤ15に対し略平行な死点越え位置に係止保持する保持片34が立設され、アーム28がこの死点越え位置とターンプーリ25に接近する位置との間で油圧シリンダ29によって揺動される。なお、スクリーン8の駆動手段としては電動モータも使用可能であるが、油圧シリンダ29によれば、給油源として清掃車に既設の油圧ユニットを利用できる利点がある。
【0017】
上記のように構成された本実施形態の空気流清掃車によれば、駆動装置9がホッパ3の外部で天井壁3aに設置されているので、この装置9をホッパ3内の塵埃から保護して耐久性を向上できるとともに、製作時の組付作業及び必要時の点検整備作業をそれぞれ容易に行うことができる。また、駆動装置9とスクリーン8とは1本のワイヤ15のみで連結されているため、ホッパ3の内部機構を少ない部品で簡単に構成でき、しかも、ワイヤ15をプーリ24,25,31により案内して、スクリーン8をスムーズに開閉することができる。
【0018】
一方、この空気流清掃車において、路面の清掃作業時には、図4に示すように、油圧シリンダ29のピストンロッド29aが突出され、アーム28が死点越え位置に配置され、ワイヤ15がリフトプーリ31により引き上げられ、スクリーン8がホッパ3内の上部を閉鎖する位置(図3の実線位置)に配置される。この場合、アーム28は死点越え位置で保持片34に係止され、その係止状態がスクリーン8の荷重によって保持されるため、駆動装置の駆動力消滅状態で、ホッパ3の外部でスクリーン8を閉鎖位置に確実にロックすることができる。
【0019】
また、スクリーン8が塵埃によって目詰りした場合等には、図5に示すように、ピストンロッド29aが没入され、アーム28がターンプーリ25に接近する位置に揺動され、ワイヤ15が引き下げられ、スクリーン8が斜め縦向きの開放位置(図3の鎖線位置)に配置される。従って、作業者はホッパ3の外部に居てスクリーン8と対峙する楽な姿勢で、そのスクリーン8に付着した枯葉や紙屑等を容易に清掃除去することができる。
【0020】
図6〜図10はスクリーン駆動装置の別の実施形態を示すものであるが、前記実施形態と同一又は相当する部材については、図面に同一の符号を付してその説明を省略する。図6に示す駆動装置36においては、可動部としてスライダ37が用いられ、このスライダ37は油圧シリンダ38によりガイドロッド39に沿って車体前後方向に直線移動される。1本のワイヤ15の中間部はスライダ37上のリフトプーリ31に巻き掛けられ、ガイドロッド39にはスクリーン8の閉鎖状態でスライダ37を停止状態に保持するばね部材としてのコイルスプリング40が嵌挿されている。従って、この駆動装置36の場合も、駆動力消滅状態でスクリーン8をホッパ3の外部で閉鎖位置に確実にロックすることができる。
【0021】
図7及び図8に示す駆動装置42は電動ウインチで構成されている。駆動装置42のケース43内にはドラム44が支持され、その両端部にワイヤ15の巻取部44aが形成され、中央部にはウォームホイール44bが設けられている。ケース43の外部にはブレーキ装置を備えたモータ45が設置され、その出力軸45aにはウォームホイール44bに噛合するウォーム46が設けられている。そして、モータ45によるドラム44の回転に伴い、左右2本のワイヤ15を均等に巻き取り又は巻き戻して、スクリーン8を開閉できるようになっている。
【0022】
図9及び図10に示す駆動装置48は手動ウインチで構成されている。この場合は、電動ウインチと異なり、ウォーム46の回転軸49にハンドル50の挿入孔51が形成されている。ホッパ天井壁3aにはケース43と同大の孔52が形成され、ドラム44はこの孔52に挿通した2本のワイヤ15を介してスクリーン8に連結されている。そして、スクリーン8の清掃時には、ホッパ3をダンプ姿勢にした状態で、タイヤハンガーのハンドル50によりドラム44を回転して、スクリーン8を略垂直な開放位置に配置できるようになっている。また、スクリーン8の閉鎖状態では、ラチェット又はワイヤクランプ等の保持手段(図示略)によってワイヤ15が巻き戻り不能に拘束される。
【0023】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状並びに構成を適宜に変更して実施することも可能である。
(1) スクリーンを車幅方向に2分割して構成し、これらを車体前後方向に延びる枢軸で上下に開閉可能に支持すること。
(2) スクリーンの枢軸にアームを突設し、このアームにワイヤを連結すること。
(3) スクリーンを車幅方向の中央部にて1本のワイヤで開閉すること。
(4) スクリーン駆動装置をホッパの側壁又は後壁の外面に設置すること。
(5) スクリーン駆動手段として油圧モータ又は電動モータを用いること。
(6) 紐状部材としてチェーン又は合成樹脂ロープを用いること。
【0024】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明によれば、スクリーン駆動装置をホッパの天井壁上面に設置し、その可動部を天井壁の車幅方向両端部に形成した挿通孔に通した紐状部材を介してスクリーンの車幅方向両端に連結したので、駆動装置を塵埃から保護して耐久性を向上できるとともに、駆動装置を容易に組み付けかつ点検整備できる効果がある。また、車体の空きスペースを有効利用し、駆動装置を容易に組み付けできる効果がある。
【0025】
請求項2の発明によれば、枢軸から離れたスクリーンの先端側部位に紐状部材を直結したので、ホッパ内部の部品点数を削減できる効果がある。
【0026】
請求項3の発明によれば、紐状部材にシールブロックを固定したため、スクリーンの閉鎖時に天井壁に形成された挿通孔をシールすることができる。
【0027】
請求項4の発明によれば、駆動装置の可動部にプーリを設け、これに1本の紐状部材の中間部を巻き掛けたので、スクリーンをスムーズに開閉できる効果がある。
【0028】
請求項5の発明によれば、駆動装置のアームを死点越え位置に保持する部材を設けたので、ホッパ外部でスクリーンを閉鎖位置に確実にロックできる効果がある。
【0029】
請求項6の発明によれば、駆動装置のスライダを停止させるばね部材を設けたので、ホッパ外部でスクリーンを閉鎖位置に確実にロックできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す空気流清掃車の側面図である。
【図2】空気流清掃車のホッパ部を示す平面図である。
【図3】空気流清掃車のスクリーンを示す断面図である。
【図4】スクリーン閉鎖時における駆動装置の作動形態を示す平面図である。
【図5】スクリーン開放時における駆動装置の作動形態を示す平面図である。
【図6】駆動装置の別の実施形態を示すホッパ部の平面図である。
【図7】駆動装置のさらに別の実施形態を示すホッパ部の平面図である。
【図8】図7のA−A線断面図である。
【図9】駆動装置のさらに別の実施形態を示す断面図である。
【図10】図9の駆動装置の操作形態を示すホッパ部の側面図である。
【符号の説明】
1・・車体、2・・ブロア、3・・ホッパ、3a・・天井壁、5・・ピックアップヘッド、6・・圧送ダクト、7・・吸込ダクト、8・・スクリーン、9・・駆動装置、12・・枢軸、14・・挿通孔、15・・ワイヤ、28・・アーム、29・・油圧シリンダ、31・・リフトプーリ、34・・保持片、36・・駆動装置、37・・スライダ、40・・コイルスプリング、42・・駆動装置、44・・ドラム、45・・モータ、46・・ウォーム、48・・駆動装置、50・・ハンドル。

Claims (6)

  1. ホッパ内の空気をブロアにより吸引して圧送ダクトを介しピックアップヘッドに送り、路面上の塵埃をピックアップヘッドより吸い上げ吸込ダクトを介しホッパに回収する空気流清掃車において、
    前記ホッパの内部に吸引空気中の塵埃を除去するスクリーンを、前記ホッパの天井近くで車幅方向に延びる枢軸により開閉可能に設ける一方前記スクリーンを開閉する駆動装置を、前記ホッパの天井壁上面に設置し、
    前記駆動装置の可動部と前記スクリーンの車幅方向両端と、前記天井壁の車幅方向両端部に形成された挿通孔に通した紐状部材を介し連結してなる空気流清掃車。
  2. スクリーンを基端の枢軸により上下に開閉可能に設け、紐状部材を枢軸から離れた前記スクリーンの先端側部位に連結した請求項1記載の空気流清掃車。
  3. スクリーンの閉鎖時に挿通孔をシールするシールブロックを、紐状部材に固定した請求項1又は2記載の空気流清掃車。
  4. 駆動装置の可動部にプーリを設け、1本の紐状部材の両端を挿通孔に通してスクリーンに連結し、前記紐状部材の中間部を前記プーリに巻き掛けた請求項1〜3のいずれかに記載の空気流清掃車。
  5. 駆動装置の可動部は揺動可能なアームを含み、スクリーンの閉鎖状態で前記アームを死点越え位置に保持する保持部材を設けた請求項1〜4のいずれかに記載の空気流清掃車。
  6. 駆動装置の可動部は直線移動可能なスライダを含み、スクリーンの閉鎖状態で前記スライダを停止保持するばね部材を設けた請求項1〜4のいずれかに記載の空気流清掃車。
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