JP3704774B2 - El素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば計器類の自発光型のセグメント表示やマトリクス表示、あるいは各種情報端末機器のディスプレイなどに使用されるEL素子(エレクトロルミネッセンス素子、Electroluminescence 素子)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、EL素子は、硫化亜鉛(ZnS)、硫化ストロンチウム(SrS)などのII-VI族化合物に発光中心元素を添加した発光層に、電界を印加した時に発光する現象を利用したもので、自発光型の平面ディスプレイを構成するものとして注目されている。EL素子の従来の構造では、発光層から発した光が様々な方向に進み、光取り出し方向には全発光中の一部しか取り出せない。そのため発光輝度が不十分であり、発光する光を有効に利用しようと様々な工夫が提案されている。特に光取り出し方向に輝度を向上させる工夫として、光取り出し方向とは反対側に進んだ光を反射率の高いアルミニウム(Al)等の金属電極層を用いて、光取り出し方向に反射させて輝度を向上させる方法が提案されている。あるいは、電極前に多重反射膜を形成して反射強度を高めた構成としたものもある(実開平3-69899号公報など)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、EL素子の性能を向上させるために無駄に放射される光を反射させることが望ましく、金属による反射面もしくは積層構造の多重反射膜による手段が実際的である。さらにマルチカラー及びフルカラーのEL素子を形成するためにEL素子を対向させる場合、光反射面は、光取り出し方向から見て奥側のEL素子の発光層より光取り出し方向とは反対側のいずれかの位置に配置する必要がある。しかしながら、反射率が高くても、EL素子として第一電極に金属電極は実質使用できない。それは、EL素子の発光層に対しては、ある程度高い電圧を印加して発光させる必要があるため、電極には高電界がかかり、アルミニウム電極(Al)等の金属電極ではマイグレーションによるボイドが発生する。また後工程でかかる熱により、アルミニウム電極(Al)等の金属電極ではヒロックが発生するなど、ITOなどの電極材と比べて劣化が促進されてしまうからである。
【0004】
また、第一電極に金属電極を使用すると、破壊モードが従来の透明電極では自己修復型であったのに対し伝搬型となるため破壊が画素全体に広がり例えばドットマトリックスの場合、ライン欠陥を生じるなど著しく表示品質を損なうからである。しかしながら金属電極が使用できなくても、無駄に放射される光を反射させて輝度を向上させることが望ましく、何らかの手段によって反射をさせることが要求されている。
【0005】
また多重反射膜を用いた反射の場合は、従来は電極間に構成することが行われている。これは、反射によって像やイメージが二重三重となってぼけてしまわないように、発光層の近傍で反射させるためであるが、この構成では、電極間にその多重反射膜が入り込むため、発光層にかかる電界が小さくなる。従って反射層を設けない場合の輝度と同等に発光させるには、電極対にさらに高い電圧を印加する必要が生じ、高い電圧は消費電力の増加などEL素子にとっては好ましくない。
【0006】
従って本発明の目的は、反射層を利用してEL素子の輝度を絶縁耐圧を低下させることなく向上させ、印加電圧を高くさせない構成のEL素子を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため本発明の構成は、絶縁性基板上に透明第一電極、透明第二電極からなる電極対と、該電極対の間に透明第一絶縁層、発光層、透明第二絶縁層が積層され形成されているEL素子において、電極対のうち、光取り出し方向とは反対側の電極の外側に透明な絶縁性物質を介して光反射面を設け、透明第一電極は相互に絶縁分離された複数領域から成る所望のパターンに形成され、光反射面は、透明第一電極の複数領域に対応する部分がそれぞれ絶縁分離されたパターンに形成されていることである。絶縁性物質の膜厚は5μm以下、0.01μm以上が望ましい。
【0008】
また別の構成は、透明な絶縁性基板上に透明第一電極、透明第一絶縁層、発光層、透明第二絶縁層、透明第二電極を順次積層して形成されるEL素子において、EL素子形成側とは反対側の絶縁性基板上に光反射面を設け、透明第一電極は相互に絶縁分離された複数領域から成る所望のパターンに形成され、光反射面は、透明第一電極の複数領域に対応する部分がそれぞれ絶縁分離されたパターンに形成されていることである。絶縁性基板の厚さは100μm以下、製作可能限界薄さ以上が望ましい。
【0009】
発明の他の特徴は、その光反射面のパターンに関するものである。第1には、光反射面は、透明第一電極のパターンと同一パターン又はそのパターンより幾分小さな相似パターンに形成されていることである。第2には、光反射面は、透明第一電極と透明第二電極とが重なっている発光領域又はその領域内に形成されていることである。
【0010】
さらに、関連する発明の構成は、絶縁性物質が絶縁体材料の単体膜もしくは異なる種類の絶縁体材料の積層膜であることを特徴とし、その絶縁体材料がSiON、SiN、SiO2、Ta2O5またはAl2O3のいずれかであることを特徴とする。発明の構成としてさらに、光反射面が、反射率50%以上の金属面であることを特徴とし、金属面が、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)を主成分としたアルミニウム合金のいずれかの金属からなることを特徴としている。また、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成された光反射面の膜厚は1000Å以下、100Å以上となっていることである。
【0011】
さらに別の構成は、光反射面が、低屈折率透明絶縁層、高屈折率透明絶縁層を順次積層した反射増加膜であることを特徴とし、あるいは、光反射面が、発光層からの光を反射する半透明膜であることを特徴とする。
【0012】
また、他の構成は、光反射面を形成する物質が陽極酸化膜を形成しうる物質であって、絶縁性物質がその陽極酸化膜である、もしくは、絶縁体膜の単層ないし複数種の絶縁体膜の多重層と、陽極酸化膜との積層膜となっていることである。
【0013】
【作用】
アルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)などの金属電極は反射率が高いためEL素子の輝度を向上させるのに都合がよい。それで透明電極の外側に薄い絶縁性物質の層を介して光反射面を持つとしても、絶縁性物質の層を薄く、例えば5μm以下に形成するため、多重像が形成されることなく、光は光取り出し側へ反射されて、EL素子の輝度が向上する。絶縁性物質としてはSiON、SiN、SiO2、Ta2O5、Al2O3などの絶縁体単体または複数種の絶縁体が積層された層で形成することができる。また、低屈折率絶縁層と高屈折率絶縁層との干渉を利用した反射増加膜で反射させる。さらに、絶縁性物質として光反射面の材料の陽極酸化膜で形成できる。
【0014】
なお、光反射面は絶縁性基板のどちら側に形成してもよく、絶縁性基板の裏側に光反射面を形成する場合でも、絶縁性基板の厚みを例えば100μm以下と薄くすることで多重像が形成されることが抑制される。
【0015】
【発明の効果】
従来構造のEL素子では金属電極としては利用できなかった反射率の高い金属材料を、本発明のように、絶縁性物質により電極と電気的に接触させることなく形成した結果、金属材料を利用することができる。よって、本発明は、発光輝度を充分向上することができる効果がある。尚、絶縁性物質はあまり薄いとヒロック等の影響がEL素子におよび、素子耐圧の低下を招くので、0.01μm以上必要である。請求項2の構成では、EL素子の形成側とは反対側に光反射面を形成するので、素子形成工程とは独立して形成できる利点がある。
【0016】
更に、本来異なる電位であるべき透明第一電極の絶縁分離された複数領域が、光反射面を介した漏電により同電位となるということが防止されるため、絶縁性物質の膜厚を低減できる。よって、EL素子を安価に製造できる。又、請求項3、4の構成では、発光のコントラストを向上させることができる。
【0017】
請求項5の構成では、光反射層である金属材料に影響を与えない絶縁体層を選択することができるという効果を持つ。請求項6の構成では、従来利用されていて形成容易で安定した絶縁体材料が利用できるという効果をもつ。請求項7の構成では、光反射面に反射率50%以上の金属材料を用いるので、より反射の効果があるという効果を持つ。
【0018】
請求項8の構成では、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)のいずれかの金属が特に優れて反射率が高く、輝度を向上させる効果を持つ。請求項9の構成では、アルミニウム(Al)のヒロックを抑制することができる。光反射面は素子外に存在するものの、大きなヒロックは素子耐圧の低下を招くので、アルミニウム(Al)の合金化は、素子耐圧の向上に効果的である。
【0019】
請求項10の構成では、アルミニウム(Al)及びアルミニウム(Al)合金において高反射率、例えば50%以上の反射率を維持するためには、100Å以上の膜厚を必要とし、素子耐圧の低下の原因となるヒロック、ボイドを抑制するためには、1000Å以下の膜厚としなければならないため、本請求項の構成により高反射率を維持したままアルミニウム(Al)及びアルミニウム(Al)合金のヒロックをさらに抑制することができる。請求項11の構成では、反射増加膜の干渉効果で反射を最大として輝度を向上させるという効果を持つ。請求項12の構成では、発光層からの光のみを反射させ、他の波長成分は透過させるという効果がある。
【0020】
請求項13の構成では、絶縁性基板を薄く形成するので、光反射面がEL素子側とは反対側に形成しても、表示に二重像を形成しないという効果がある。請求項14の構成では、金属の光反射面の表面処理して絶縁性物質層を形成するので、容易に鏡面を維持した絶縁性物質層を形成できるという利点がある。請求項15の構成では、絶縁性物質層を薄く形成するので、光反射面がEL素子の直ぐ隣に形成され、表示が二重像を形成することはない。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
(第一実施例)
(構成)
図1は、本発明の第一実施例を示す模式的な構成断面図で、絶縁性基板であるガラス基板1の直上に光反射面2が形成され、その上に絶縁性物質層(絶縁性物質)3が形成されて、その上に従来のEL素子構造、すなわち第一電極4、第一絶縁層5、発光層6、第二絶縁層7、第二電極8が形成されている。絶縁性物質層3の厚は5μm以下で形成され、電気的に光反射面2と第一電極4とは分離絶縁されている。また光反射面2はパターンニング工程が無く、工程は簡素であるが、透明な絶縁性物質がALE、CVD等で成膜されたピンホールのない、緻密な膜であることがより好ましい。なお、ここに示すEL素子は、図に示す矢印の方向に光を取り出している。
【0022】
発光層6から放射される光は上方にも下方にも向かう。左右に出た光は散逸してしまうが、下方に向かった光は透明な第一電極4と透明な絶縁性物質層3を通過して光反射面でほとんと反射される。そして再び絶縁性物質層3と第一電極4を通過して上方へと放射されていく。従って、従来上方に放射される光のみしかなかった輝度が、下方へと向かった分まで含まれるのでほぼ2倍の輝度向上となる。
【0023】
絶縁性物質層3は薄く(ここでは1μm)形成してあるので、光反射面2による反射で、発光層6から直接上方に放射された光による像等とずれた像・イメージ等を形成する恐れは充分小さい。通常、人が像のずれを感知して不快と感じるのは、ずれの量が100μmを越えた場合と言われている。従って、光反射面でも同様であり、絶縁性物質層3が5μm以下であれば充分である。
【0024】
(第二実施例)
第二実施例のEL素子は光反射面21の構造に特徴がある。図2に示すEL素子において、ガラス基板1の直上にAl合金薄膜から成る光反射面21が形成されている。このEL素子は、透明第一電極4と透明第二電極8とを共に多数本のラインに形成して交差させた、ドットマトリックス型である。図3に示すように、透明第一電極4と透明第二電極8とが重なっている部分が発光領域となる。本実施例では、この発光領域にのみ光反射面21が形成されている。
【0025】
図2に示すように、ガラス基板1の上において、光反射面21を覆って絶縁性物質層3が形成され、その上に第一実施例と同様な構造のEL素子10が形成されている。図2に示すように、透明第一電極4の複数のラインの直下に存在する光反射面21の各領域は、それぞれ、絶縁分離されている。このため、透明第一電極4の複数のライン間で光反射面21を介した漏電は発生しない。よって、絶縁性物質層3の膜厚を低減する事ができ、製造コストを低下させることができる。また、発光領域にのみに光反射面21が存在するため、透明第一電極4及び透明第二電極8の各ライン間で、光の反射は無くなり表示像のコントラストが向上する。
【0026】
光反射面21は、上記のように発光領域にのみ形成することの他、ガラス基板1の反光取出し側である光反射面21側から見た図4に示すように、透明第一電極4のパターンと同一パターンに形成するか、そのパターンの各領域の内部で且つ発光領域を含むパターンに形成しても良い。この理由は、次の通りである。光反射面21はEL素子10とガラス基板1との間にあるので、光反射面21の段差に沿ってEL素子10は形成される。段差は破壊の要因となることが多く、少しでも平坦な方がより好ましい。このため、光反射面21を、透明第一電極4と同一パターンに形成することにより、EL素子10内の段差は減少し、より破壊の少ない素子が得られる。又、光反射面21を発光領域より少し小さく形成することにより、透明第一電極4をエッチングする際、エッチング液の浸入による光反射面21のサイドエッチングを確実に防ぐことができる。
【0027】
本実施例のように、光反射面21が発光領域にのみ形成されていたり、あるいは、透明第一電極4のパターンと同一パターン又はそのパターンより幾分小さな相似パターンに形成されている場合には、絶縁性物質層3として、形成容易なスパッタ膜などのようにピンホールの存在する膜でも使用できる。その理由は次の通りである。透明第一電極4を所望のパターンにエッチングする際、透明第一電極4を残さない領域では、エッチング液が絶縁性物質層3に存在するピンホールを透過する。しかし、光反射面21が既にパターン形成されているので、その領域には光反射面21は存在しない。よって、光反射面21がエッチングされることはなく、光反射面21に穴が開くことが無くなり、表示像の外観を損ねることはない。さらに、光反射面21の溶解による素子剥離も防止される。
【0028】
光反射面21がAlの場合、その後の素子形成工程においてヒロック、ボイドが発生し、光反射面21は素子外に形成されてはいるものの、素子耐圧は低下し、また、光反射面21の微小な穴により外観を損ねる。これを防止するため、Si、Cu、Ti、B、Hf、Mg、Fe、Cr、Mn、Zn等の異種元素を添加して、Alを合金化することによりヒロック、ボイドを抑制し、素子耐圧向上及び光反射面21の微小な穴を無くすことができる。なお、EL素子においてはAlを主成分として、Mg、Fe、Cr、Si、Cu、Mn、Znが微量に添加されているAl合金を使用することが好ましい。
【0029】
また、Al及びAl合金の膜厚が薄いほどヒロックの発生は少なく、膜厚を1000Å以下、100Å以上とすることにより、高反射率を維持したまま信頼性の高い素子を得ることができる。
上記実施例において、発光領域はドットマトリックス型の透明第一電極4と透明第二電極8とが重なっている部分としたが、発光領域としては、セグメントタイプ、例えば数字のキャラクターを示す7セグメントタイプにおいて、各セグメントに対応して光反射面21を設けても良い。
【0030】
(第三実施例)
次に、図5に示すEL素子の構成は、絶縁性基板であるガラス基板1のEL素子10とは反対側に光反射面21を形成する場合で、EL素子本体10は従来構造で構わない。ガラス基板1は100μm以下の厚さで形成してある。この場合でも発光層6から下方に向かった光が、透明第一電極4とガラス基板1を通過して光反射面21で反射して上方の光取り出し側へ放射される。
【0031】
また、ガラス基板1が100μm以下で形成してあるので、反射された光によって誘発される像・イメージの二重像等は無視することができる。なお、ガラス基板1は厚さが100μm以下になると強度的に弱くなることから、強度がある透明なサファイア基板やダイヤモンド基板を用いてもよい。
【0032】
ガラス基板1は薄く形成することができ、100μm程度の厚さは充分実現している。実際には、ガラス基板を薄くし過ぎると基板としては強度が無くなるので、基板としての強度が維持できる製作限界の厚さ以上、望ましくは50μm程度までとし、さらに、支えとなるようなケース等を必要とする。この構成の場合、実施例1における絶縁性物質層3がガラス基板1にあたる。実際のところは薄ければ薄いほど良い。
【0033】
光反射面21は、ここでは基板全面に成膜してある例を挙げたが、図6,図7に示すように発光領域にのみ形成したり、あるいは、透明第一電極4と同一パターンに形成しても良い。これにより透明第一電極4及び透明第二電極8の各ライン間で、光の反射は無くなり表示像のコントラストが向上する。
製造工程としては、最後の工程で、ガラス基板1裏面に光反射面21を形成すればよい。このように、光反射面21はEL素子形成工程とは別に形成する工程を加えれば良く、EL素子が図示する構造と異なる場合でもなんら問題なく形成できる。更に、光反射面21を形成した後、その上にフィルム、樹脂、その他、光反射面21を保護することを目的とした材料を形成することにより、光反射面21の損傷を防ぎ、表示品質の低下を防止できる。
【0034】
(第四実施例)
第四実施例として、図8に示すように、光反射面を低屈折率絶縁層31と高屈折率絶縁層32とによる多重反射層で構成したEL素子構造の場合を示す。この積層構造は、発光層6からの光の波長で反射率が最大になる関係の厚さに形成される。この各層の厚さは、1/4波長の整数倍であり、多重反射層は光の干渉により反射率を変化させるものである。この厚さは、発光層6の発光波長が例えば580nmというオーダーなので、その1/4波長の整数倍としてもμmのオーダーに比べて充分薄く、絶縁性物質層の厚さ程度で実現される。
【0035】
このように、EL素子10の電極間に含まれない光反射面として、必ず金属光沢をもつ金属材料でなくても、反射が生じる材料であればよい。またこれらの低屈折率絶縁層31と高屈折率絶縁層32とは元々絶縁層なのでEL素子10の電気的な影響を与えない。
【0036】
(第五実施例)
第五実施例は、第一実施例の変形例として、図9に示すように、光反射面2にアルミニウム(Al)光反射面41を用い、絶縁性物質層3をアルミニウムの陽極酸化膜42で形成したEL素子の例である。これは絶縁性基板であるガラス基板1の上にアルミニウムの光反射面41を蒸着等で形成し、蒸着したアルミニウム光反射面41を電極とした陽極酸化法で表面に酸化膜42を形成する。酸化膜42の厚さは、発光層6からの光を最もよく反射する厚さに形成する。この厚さは陽極酸化の際の通電量で決定でき、容易に制御できる。そして陽極酸化膜42の上に、従来構造のEL素子を形成する。
【0037】
以上の各実施例で、光反射面を形成しない従来品と、光反射面を形成した本発明品との発光輝度の違いを図10に示した。ほぼ理論どおり、従来品の2倍の輝度が得られていることが確認できている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一実施例のEL素子の模式的構成を示した断面図。
【図2】 第二実施例のEL素子の模式的構成を示した断面図。
【図3】 第二実施例のEL素子の電極と光反射面の位置関係を説明するための模式図。
【図4】 第二実施例の変形例にかかるEL素子の電極と光反射面の位置関係を説明するための模式図。
【図5】 第三実施例のEL素子の模式的構成を示した断面図。
【図6】 第三実施例の変形例にかかるEL素子の電極と光反射面の位置関係を説明するための模式図。
【図7】 第三実施例の他の変形例にかかるEL素子の電極と光反射面の位置関係を説明するための模式図。
【図8】 第四実施例のEL素子の模式的構成を示した断面図。
【図9】 第五実施例のEL素子の模式的構成を示した断面図。
【図10】 本発明のEL素子と従来品との発光輝度の比較図。
【符号の説明】
10 EL素子(素子本体)
1 ガラス基板(絶縁性基板)
2 光反射面
3 絶縁性物質層
4 透明第一電極
5 第一絶縁層
6 発光層
7 第二絶縁層
8 透明第二電極
21 光反射面
31 低屈折率絶縁層
32 高屈折率絶縁層
41 Al光反射面
42 Al陽極酸化膜

Claims (15)

  1. 絶縁性基板上に透明第一電極、透明第二電極からなる電極対と、該電極対の間に透明第一絶縁層、発光層、透明第二絶縁層が積層され形成されているEL素子において、
    前記電極対のうち、光取り出し方向とは反対側の電極の外側に透明な絶縁性物質を介して光反射面を有し、
    前記透明第一電極は相互に絶縁分離された複数領域から成る所望のパターンに形成され、前記光反射面は、前記透明第一電極の前記複数領域に対応する部分がそれぞれ絶縁分離されたパターンに形成されていることを特徴とするEL素子。
  2. 透明な絶縁性基板上に透明第一電極、透明第一絶縁層、発光層、透明第二絶縁層、透明第二電極を順次積層して形成されるEL素子において、
    EL素子形成側とは反対側の前記絶縁性基板上に光反射面を有し、
    前記透明第一電極は相互に絶縁分離された複数領域から成る所望のパターンに形成され、前記光反射面は、前記透明第一電極の前記複数領域に対応する部分がそれぞれ絶縁分離されたパターンに形成されていることを特徴とするEL素子。
  3. 前記光反射面は、前記透明第一電極の前記パターンと同一パターン又はそのパターンより幾分小さな相似パターンに形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のEL素子。
  4. 前記光反射面は、前記透明第一電極と前記透明第二電極とが重なっている発光領域又はその領域内に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のEL素子。
  5. 前記絶縁性物質が、絶縁体材料の単体膜もしくは異なる種類の絶縁体材料の積層膜であることを特徴とする請求項1に記載のEL素子。
  6. 前記絶縁体材料が、
    SiON、SiN、SiO2、Ta2O5またはAl2O3のいずれかであること
    を特徴とする請求項5に記載のEL素子。
  7. 前記光反射面が、反射率50%以上の金属面であることを特徴とする請求項1または2に記載のEL素子。
  8. 前記金属面は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)のいずれかの金属からなることを特徴とする請求項7に記載のEL素子。
  9. 前記金属面は、アルミニウム(Al)を主成分としたアルミニウム合金で構成されていることを特徴とする請求項7に記載のEL素子。
  10. 前記アルミニウム(Al)又はアルミニウム合金で構成された光反射面の膜厚は1000Å以下、100Å以上であることを特徴とする請求項8または9に記載のEL素子。
  11. 前記光反射面が、低屈折率透明絶縁層、高屈折率透明絶縁層を順次積層した反射増加膜であることを特徴とする請求項1または2に記載のEL素子。
  12. 前記光反射面は、前記発光層からの光を反射する半透明膜であること
    を特徴とする請求項1または2に記載のEL素子。
  13. 前記絶縁性基板の厚さが100μm以下、製作可能限界薄さ以上であることを特徴とする請求項2に記載のEL素子。
  14. 絶縁性基板上に透明第一電極、透明第二電極からなる電極対と、該電極対の間に透明第一絶縁層、発光層、透明第二絶縁層が積層され形成されているEL素子において、
    前記電極対のうち、光取り出し方向とは反対側の電極の外側に透明な絶縁性物質を介して光反射面を有し、
    前記光反射面を形成する物質が陽極酸化膜を形成しうる物質であって、前記絶縁性物質が、その陽極酸化膜である、もしくは、絶縁体膜の単層ないし複数種の絶縁体膜の多重層と、前記陽極酸化膜との積層膜であることを特徴とするEL素子。
  15. 前記絶縁性物質の膜厚が5μm以下、0.01μm以上であることを特徴とする請求項1に記載のEL素子。
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