JP3704687B2 - 飛ぶ害虫の付着した植物の浸漬式害虫駆除方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウンカ、ハモグリバエ、コナジラミ、コナガ、カメムシ、テントウムシ類等の羽根によって飛ぶことのできる気管呼吸型害虫の付着した植物の浸漬式害虫駆除方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者は、さきに、植物に付着したアブラムシ、アオムシ、ヨトウムシ等の気管呼吸型で飛ばない害虫の駆除方法として、これら害虫の付着した植物を水溶液中に浸漬することにより害虫を窒息死させることに着目すると共に、その際植物を長時間水溶液中に浸した場合に植物の受けるダメージを防止する方法についても種々研究を重ねた。
【0003】
その結果、植物の浸漬に使用すべき水溶液の濃度を、植物の細胞液の濃度より約0.3mol/l(モル濃度)高い濃度から濃度0の間に調整し、上記濃度を調整された水溶液中に、害虫の付着した植物を該害虫の死滅に要する時間浸漬する、害虫駆除方法を提案した(特許第3000446号)。
【0004】
ここで、植物細胞液の濃度は、植物の種類により異なるが常温で0.2〜0.8mol/lであり、また害虫の浸漬による死滅時間は、アブラムシが最長で約3〜4時間、アオムシが最短で約30分〜2時間である。
【0005】
しかし、例えば栽培槽の培養液面に浮かべた定植パネル上に植物を植えた水耕栽培において、飛ぶ害虫の付着した植物に従来の害虫駆除方法を実施する場合、上記定植パネルを植物とともに培養液中に沈めようとすると、植物に付着していた飛ぶ害虫が植物から飛び立ってしまい、駆除はほとんど不可能となるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、飛ぶ害虫の付着した植物を、その害虫を逃がすことなく植物とともに水溶液中に浸漬させることを課題とする。
【0007】
上記課題を解決する手段として、本発明は、
害虫駆除のため植物を浸漬すべき水溶液を、浸漬により植物にダメージを与えない状態に調整すると共に、飛ぶ害虫の通過できない多数目を有する通水性材料により上面及び四周側面を形成した下面開口の通水性カバーを用意することと、
飛ぶ害虫又は飛ぶ害虫及び飛ばない害虫の付着した植物を上記水溶液の液面上に支持し、該植物に対し上記カバーを、開口下面を下にした状態で、植物の上にかぶせて植物を露出させずにカバーで覆うことと、
上記カバーで覆われた植物を、該カバーの覆い状態を保ちつつ、上記水溶液中に沈下させて該カバー、植物ともども上記害虫の死滅に要する時間水溶液中に浸漬することと、
浸漬後上記カバー及び植物を水溶液中から引き上げると共に、上記カバーを取りはずすことと、
から構成される飛ぶ害虫の付着した植物の浸漬式害虫駆除方法を提案する。
【0008】
本発明における上記「通水性カバー」の具体例としては、各種繊維による荒目織物(例えば寒冷紗)、割り繊維不織布、多数の孔あき合成樹脂シート等であって、織り目又は孔が、水は通すが飛ぶ害虫は通さないものが使用される。
上記飛ぶ害虫の浸漬による死滅時間は、ハモグリバエが最短で約15分、他の害虫は約30分〜1時間である。
【0009】
なお、本発明方法の実施に適する植物は、水耕栽培、礫耕栽培、ロックウール栽培等の方式により栽培中の植物であるが、それに限定されるものではない。
【0010】
また、本発明において使用される「植物を浸漬すべき水溶液」とは、水耕栽培等に使用中の培養液を浸漬に使用する場合、及び別途準備した水、食塩水、庶糖水を使用する場合も含む。
以下図面を参照して本発明方法の実施例について説明する。
【0011】
【実施例】
〔実施例1〕
図1において、上面を開放した箱状の水耕栽培槽(1)内に、水及び各種養分からなる培養液(2)を入れ、該培養液(2)の液面に自重で沈下可能の定植パネル(3)を支持し、この定植パネル(3)の板面に貫設された定植孔(4)…に植物(一例としてホーレンソウ)(P)…の基部を保持させると共に、それらの根をパネル下の培養液(2)に浸漬させている。
【0012】
上記定植パネル(3)は合成樹脂製の矩形板であって、その四周下面に、砂又は砂利を充填した合成樹脂製パイプからなる矩形の重り兼枠材(5)を固定して自重沈下型に形成してあり、このパネル(3)の相対する両側端に、複数の環(7)…を有するロープ(6)、(6)の一端をそれぞれ連結し、両ロープ(6)、(6)の他端部を栽培槽(1)の相対する側壁上端を越えて外側に導き、該側壁外側面に突設されたフック(8)、(8)に所要の環(7)を係止してパネル(3)全体を図1(イ)に示す水耕栽培の高さに支持している。
【0013】
植物を覆うための通水性カバー(9)は、飛ぶ害虫の通過できない織り目を有する寒冷紗でつくられ、図2に示すように上面布(10)、前後側面布(11)、(11)及び左右側面布(12)、(12)からなる下面開放の蚊帳状のもので、このカバー(9)を、アルミ合金等の軽量金属パイプからなる箱状支持フレーム(13)の内側にカバー(9)の上面四隅において紐(14)…により吊ってある。
【0014】
上記ホーレンソウの細胞液の濃度は0.3mol/l(モル濃度)であるから、上記培養液(2)を浸漬用水溶液として使用する場合その濃度は上記細胞液の濃度より0.3mol/l高い0.6mol/lに調整する。
【0015】
上記水耕栽培槽(1)による栽培の過程において、植物(P)…に飛ぶ害虫コナガムシ、テントウシ及び飛ばない害虫アブラムシ、アオムシが付着した場合、これら害虫の駆除は次のように行う。
上記カバー(9)を吊った支持フレーム(13)を、図1(ロ)に示すように植物(P)…植設パネル(3)上にのせ、そのカバー(9)を、図示のようにその開口下面を下にした状態で、植物の上にかぶせて植物(P)…を露出させずに覆う。この場合カバー(9)の下端部を支持フレーム(13)とパネル(3)の間にはさんで上記カバー(9)の覆い状態を保つようにする。
【0016】
次に、ロープ(6)、(6)の環(7)、(7)をフック(8)、(8)から外してロープ(6)、(6)を徐々にゆるめて植物植設パネル(3)を培養液(2)中に沈めていく。植物(P)…から飛び立つ害虫はカバー(9)内に封止される。同図(ハ)のようにカバー(9)が培養液(2)中に完全に没入するまでパネル(3)を降下させ、その状態でロープ(6)、(6)の所要の環(7)、(7)をフック(8)、(8)に係止する。
【0017】
上記の状態で、培養液(2)の液温20℃の下で4時間10分浸漬を行った。浸漬開始から約1時間経過後コナガムシ及びテントウムシが窒息死し、また2時間経過後アオムシが、さらに4時間経過後にアブラムシがそれぞれ窒息死し、それぞれ液中に沈下する。
【0018】
また、上記浸漬により植物の細胞内の水が次第に培養液(2)がわへ浸出していき、それに伴い細胞内の原形質が収縮していき、遂には原形質分離を起す。しかし培養液(2)の濃度が、植物の細胞液の濃度(0.3mol/l)よりも、原形質復帰が確実に行われるように0.3mol/lだけ高いから、上記植物細胞に発生した原形質分離は初期の分離に止まり、それ以上細胞死滅を招く著しい分離に進まない。
【0019】
浸漬完了後、ロープ(6)、(6)を引き上げ、植物(P)…植設パネル(3)が液面の位置に上昇した状態で所要の環(7)、(7)をフック(8)、(8)に係止し、ついで支持フレーム(13)及びカバー(9)をパネル(3)上から取り外して元の水耕栽培の状態に戻す。植物(P)…は害虫を駆除された状態で、その根から吸収した水分を各細胞に供給し、それにより上述のように初期の原形質分離を起した各細胞が原形質復帰を行うと共に、光合成を開始し、以後正常な成長を行う。
【0020】
〔実施例2〕
本例は、図1と同じ栽培槽(1)及び定植パネル(3)によるサラダナの水耕栽培において、該サラダナに付着した飛ぶ害虫ハモグリバエ、カメムシ、飛ばない害虫アオムシ、ヨトウムシを駆除する例である。栽培槽(1)内の培養液(2)を一旦別のタンクに回収し、代って水を槽(1)内に注入し、ついでカバー(9)吊り支持フレーム(13)を上例と同様にパネル(3)上にのせて、カバー(9)により植物(P)…を覆う。そしてパネル(3)を水中に沈下させて浸漬を行う。飛ぶ害虫が植物(P)…から飛び立つもカバー(9)内に封止されている。
【0021】
浸漬は水温18℃の下で2時間行った。それにより上記の害虫を駆除することができた。
【0022】
上記浸漬により植物の細胞は害虫処理用水を吸収して原形質が膨らんでいく。細胞が膨らむにつれ細胞内の濃度および浸透圧は低下していくと共に、膨圧が高まっていき、該膨圧と大きさの等しい壁圧が細胞内の浸透圧と等しくなったとき外からの吸水を停止し、それ以上膨大しない。
【0023】
浸漬後、槽(1)の水を排出し、別のタンクに回収しておいた培養液を槽(1)内に戻して元の水耕栽培を再開する。上記浸漬時に吸水により膨らんだ植物(P)…の各細胞は徐々に正常に戻る。
【0024】
上記カバー(9)は、夜間に多く飛来する害虫が植物(P)…に付着するのを防止するため、浸漬時以外の夜間に図1(ロ)のように植物(P)…にかぶせておくこともよい。
【0025】
【発明の効果】
本発明の飛ぶ害虫のついた植物の浸漬式害虫駆除方法によれば、植物を水溶液中に浸漬するのに先立ち、飛ぶ害虫の通過できない通水性材料により上面及び四周側面を形成した下面開口のカバーを、開口下面を下にした状態で、植物の上にかぶせて植物を露出させずにカバーで覆い、ついで上記カバーの覆い状態を保って浸漬を行うから、植物に付着した飛ぶ害虫を逃すことなくカバー内に捕捉して植物とともに水溶液中に浸漬し、確実に駆除することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)水耕栽培槽の横断面図である。
(ロ)通水性カバーをセットした状態の同上図である。
(ハ)浸漬状態の同上図である。
【図2】カバーを吊支した支持フレームの斜面図である。
【符号の説明】
1 水耕栽培槽
2 培養液
9 カバー
P 植物

Claims (1)

  1. 害虫駆除のため植物を浸漬すべき水溶液を、浸漬により植物にダメージを与えない状態に調整すると共に、飛ぶ害虫の通過できない多数目を有する通水性材料により上面及び四周側面を形成した下面開口の通水性カバーを用意することと、
    飛ぶ害虫又は飛ぶ害虫及び飛ばない害虫の付着した植物を上記水溶液の液面上に支持し、該植物に対し上記カバーを、開口下面を下にした状態で、植物の上にかぶせて植物を露出させずにカバーで覆うことと、
    上記カバーで覆われた植物を、該カバーの覆い状態を保ちつつ、上記水溶液中に沈下させて該カバー、植物ともども上記害虫の死滅に要する時間水溶液中に浸漬することと、
    浸漬後上記カバー及び植物を水溶液中から引き上げると共に、上記カバーを取りはずすことと、
    から構成される飛ぶ害虫の付着した植物の浸漬式害虫駆除方法。
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