JP3704411B2 - 基板処理方法及び処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板処理方法及び基板処理装置に関し、特に、表面に凹凸からなる縞模様が形成された基板の表面処理に適した基板処理方法及び基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶パネルやプラズマディスプレイパネル(PDP)のように、一辺が300mm以上もある基板表面をウェット処理する場合、通常、基板を一方向に搬送しながら基板表面に薬液を供給する。乾燥工程においても、基板を一方向に搬送しながらエアーナイフからガスを吹き付けて基板表面を乾燥させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
エアーナイフから噴出するガスの流れの方向は固定されている。例えば、ガス流の方向に対応するベクトルを基板表面に垂直投影したベクトルと搬送方向とが平行からややずれた関係になるように構成される。このような構成の場合、搬送方向に平行な縞模様状の凹凸が基板表面に形成されているときには、効率的に薬液を吹き飛ばし乾燥させることができる。
【0004】
しかし、搬送方向に垂直な縞模様状の凹凸が基板表面に形成されているときには、凸部が妨げになり、効率的に薬液を吹き飛ばし乾燥させることが困難になる。このため、凸部の陰になる部分に薬液が残ってしまう場合がある。残った薬液がそのまま乾燥すると、薬液中の不純物が基板表面に付着し、不良発生の原因になる。
【0005】
本発明の目的は、基板表面に形成された凹凸模様に依存せず、効率的に基板を処理することができる基板処理方法及び処理装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によると、縞模様状に凹凸が形成された表面を有する基板を、搬送路に沿って搬送する工程と、前記基板の表面に表された縞模様の縞の向きに応じて、基板に吹き付ける流体の噴出方向を決定する工程と、決定された噴出方向に流体を噴出し、前記基板の表面上に該流体を吹き付け、基板表面を処理する工程とを有する基板処理方法が提供される。
【0007】
縞模様の縞の向きに応じて、流体の噴出方向が決定されるため、基板ごとに好適な方向から流体を吹き付けることができる。このため、安定した基板表面処理が可能になる。
【0008】
本発明の他の観点によると、縞模様状に凹凸が形成された表面を有する基板を、搬送路に沿って搬送する工程と、前記基板の表面上に流体を吹き付け、基板表面を処理する工程とを含み、前記搬送する工程と基板表面を処理する工程との間に、さらに、前記基板表面を処理する工程で吹き付けられる流体の流れの方向を前記基板表面に垂直投影した像と前記基板表面に表された縞模様の縞の方向とのなす角が45°未満になるように、前記基板を回転させる工程を含む基板処理方法が提供される。
【0009】
流体の流れの方向を前記基板表面に垂直投影した像と前記基板表面に表された縞模様の縞の方向とのなす角が45°未満になるため、基板表面の凹部にも安定して流体を吹き付けることが可能になる。
【0010】
本発明の他の観点によると、縞模様状に凹凸が形成された表面を有する基板を、入側搬送路に沿って搬送する工程と、前記基板の表面に表された縞模様の縞の向きに応じて、前記基板を第1の出側搬送路と第2の出側搬送路のいずれかに振り分ける工程と、前記第1または第2の出側搬送路を搬送される前記基板の表面に流体を吹き付けて基板表面を処理する工程とを含む基板処理方法が提供される。
【0011】
基板表面に表された縞の向きに応じて出側搬送路を選択する。このため、各出側搬送路で、各基板に好適な方向から流体を吹き付けることが可能になる。
【0012】
本発明の他の観点によると、処理対象基板を搬送する搬送路と、流体の噴出方向を相互に異にし、前記搬送路を搬送される処理対象基板の表面に流体を吹き付けて基板表面を処理する第1及び第2の噴出手段と、前記第1及び第2の噴出手段のうち、前記搬送路を搬送される基板の表面に形成された凹凸模様に応じて一方の噴出手段を選択し、選択された噴出手段から流体を噴出する制御手段とを有する基板処理装置が提供される。
【0013】
凹凸模様に応じて好適な噴出手段を選択することにより、基板ごとに好適な方向から流体を吹き付けることが可能になる。
【0014】
本発明の他の観点によると、処理対象基板を搬送する搬送路と、前記搬送路を搬送される処理対象基板の表面に流体を吹き付けて基板表面を処理する流体噴出方向可変の噴出手段と、前記搬送路を搬送される基板の表面に形成された凹凸模様に応じて、前記噴出手段の噴出方向を変化させる制御手段とを有する基板処理装置が提供される。
【0015】
凹凸模様に応じて好適な方向から流体を吹き付けることにより、基板ごとに好適な表面処理を行うことが可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1A及び1Bは、本発明の第1の実施例による基板処理装置の概略平面図を示す。
【0025】
図1A及び1Bに示すように、処理対象基板の搬送路1の搬送路面に基板2が保持されている。搬送路1は、その上に保持された基板2を矢印7で示すように図の右方へ搬送する。搬送路1は、例えば複数のローラが一定間隔で配列した構成を有する。
【0026】
搬送路1を跨ぐように、搬送路1の上方にエアーナイフ3及び4が配置されている。エアーナイフ3及び4に、制御手段12から加圧されたガス、例えば乾燥空気または窒素ガスが供給される。エアーナイフ3及び4には、その長手方向に沿ったスリットが設けられており、このスリットから加圧されたガスが噴出する。スリットから噴出したガスは、カーテン状のガス流になり、搬送路1を搬送される基板2の表面に吹き付けられる。制御手段12は、エアーナイフ3及び4のうちいずれか一方に選択的にまたは双方にガスを供給することができる。エアーナイフ3及び4に形成されたスリット幅は、例えば約0.5mm、エアーナイフ3及び4に供給されるガスは、約1kgf以下の圧力まで加圧される。
【0027】
図1Bに示すように、エアーナイフ3から噴出したガス流の向きを基板2の表面を含む仮想平面に垂直投影したベクトル5と基板2の搬送方向の向きを表すベクトル7とのなす角度は135°よりも大きくかつ180°未満である。一方、図1Aに示すように、エアーナイフ4から噴出したガス流の向きを基板2の表面を含む仮想平面に垂直投影したベクトル6と基板2の搬送方向の向きを表すベクトル7とのなす角度は90°よりも大きくかつ135°未満である。
【0028】
搬送路1を搬送される基板2の表面に、縞模様状の凹凸が形成されている場合について考える。
【0029】
図1Aは、基板2の表面に、搬送方向と直交する縞模様状の凹凸(搬送方向と直交する方向に延在する複数本の溝10)が形成されている場合を示す。基板2が搬送路1を搬送され、制御手段12が、エアーナイフ4からガスを噴出させる。
【0030】
ガス流の向きに対応するベクトルを、基板表面を含む仮想平面に垂直投影したベクトル6と溝10の長手方向とが45°未満の角度で交差する。この交差角が90°に近づくと、溝10の内部が基板2の表面に形成された凸部の陰になり、溝内の薬液を吹き飛ばすことが困難になる。図1Aの場合、エアーナイフ3からではなく、エアーナイフ4からガスを噴出させ、ベクトル6と溝10の長手方向との交差角を45°未満にすることにより、効率的に薬液を吹き飛ばし乾燥させることができる。
【0031】
図1Bは、基板2の表面に、搬送方向と平行な縞模様状の凹凸(搬送方向と平行な方向に延在する複数本の溝11)が形成されている場合を示す。基板2が搬送路1を搬送され、制御手段12が、エアーナイフ3からガスを噴出させる。ガス流の向きに対応するベクトルを、基板表面を含む仮想平面に垂直投影したベクトル5と溝11の長手方向とが45°未満の角度で交差する。
【0032】
ガス流の向きを異にする2つのエアーナイフ3及び4を配置することにより、基板2に形成された凹凸模様に対応して好適な向きのガス流を形成することができる。基板の表面に表された縞模様の縞の向きに対応して好適なガス流を形成するエアーナイフを選択し、選択されたエアーナイフからガスを噴出させることにより、常に効率的に薬液を除去し基板表面の乾燥を行うことができる。
【0033】
また、基板の表面に表された縞模様が、搬送方向と平行な場合には、基板がエアーナイフから噴出したガス流に晒されているときに、基板の搬送方向を周期的に反転させてもよい。このようにして、より安定して基板の表面を乾燥させることができる。
【0034】
図1A及び1Bでは、搬送方向と平行な縞模様状の凹凸が形成されている基板用のエアーナイフ3及び搬送方向と垂直な縞模様状の凹凸が形成されている基板用のエアーナイフ4を1つずつ準備した場合を説明したが、各基板用のエアーナイフを1対ずつ設けてもよい。このとき1対のエアーナイフのガス流に対応するベクトルの基板表面への垂直投影像が、相互にやや異なる方向を向くように配置することが好ましい。
【0035】
図2A〜2Cは、上記第1の実施例の変形例による基板処理装置の概略平面図を示す。
【0036】
図2Aに示す変形例においては、1本のエアーナイフ20が搬送路1を跨ぐように搬送路1の上方に配置されている。エアーナイフ20は、その一方の端部において支軸20aにより回動可能に支持されている。エアーナイフ20は、搬送路1の搬送路面内で回動可能である。
【0037】
エアーナイフ20を回動させることにより、エアーナイフ20から噴出するガス流の向きに対応するベクトルを基板表面を含む仮想平面に垂直投影したベクトルと搬送方向7との交差角を変化させることができる。基板の表面に表された縞模様の縞の向きに応じてエアーナイフ20を回動させることにより、ガス流の向きを好適な範囲に設定することができる。
【0038】
図2Bに示す変形例においては、図2Aのエアーナイフ20の代わりに2本のエアーナイフ21Aと21Bが配置されている。エアーナイフ21Aは、その一端において搬送路1の脇に支軸22Aにより回動可能に支持され、エアーナイフ21Bは、その一端において搬送路1の反対側の脇に支軸22Bにより回動可能に支持されている。
【0039】
エアーナイフ21A及び21Bが、搬送路1と深い角度(エアーナイフ21A、21Bの長手方向と搬送方向とのなす角が45°よりも大きくかつ90°未満となる角度)で交わるとき、図2Bの破線で示すように、各エアーナイフ21A及び21Bの先端が、搬送路1に対してそれぞれ支軸22A及び22Bの反対側まで到達する。このため、処理対象基板の表面に表された縞模様の縞が搬送方向7と平行である場合には、エアーナイフ21Aと21Bのうち一方のみからガスを噴出することにより、基板全面を効率的に乾燥することができる。
【0040】
エアーナイフ21A及び21Bが搬送路と浅い角度(エアーナイフ21A、21Bの長手方向と搬送方向とのなす角が0°よりも大きくかつ45°未満となる角度)で交わるとき、図2Bの実線で示すように、各エアーナイフ21A及び21Bの先端が搬送路1のほぼ中央近傍に位置する。エアーナイフ21Aと21Bの両方で搬送路1の全幅に相当する領域にガスを吹き付けることができる。処理対象基板2の表面に搬送方向7に垂直な縞模様が表されている場合、エアーナイフ21A及び21Bを、その長手方向が搬送方向7と浅い角度で交差するように回動させ、エアーナイフ21A及び21Bからガスを噴出させる。2本のエアーナイフ21A及び21Bの双方からガスを噴出させ、基板全面を効率的に乾燥させることができる。
【0041】
図2Bに示す変形例では、図2Aに示す変形例の場合と比較して、エアーナイフが短い。このため、エアーナイフの長手方向が搬送路と深い角度で交差する場合にも、エアーナイフの先端近傍が格納される大きな空間を確保しておく必要がない。
【0042】
図2Cに示す変形例においては、搬送路1と浅い角度で交差するエアーナイフ25と、深い角度で交差するエアーナイフ26が配置されている。エアーナイフ25は、搬送路1の上方に、搬送路1を跨ぐように配置された2本のレール27により並進運動可能に支持されている。エアーナイフ25からガスを噴出しつつ、エアーナイフ25を搬送路1の一方の側から反対側まで移動させることにより、搬送路1の全幅に相当する領域にガスを吹き付けることができる。
【0043】
エアーナイフ26は、図1A及び1Bに示すエアーナイフ3と同様の構成である。図2Cの変形例の場合にも、エアーナイフ25と26のいずれかを用いることにより、基板表面の凹凸模様に依存しないで効率的に基板表面を乾燥させることができる。
【0044】
次に、図3A〜3Dを参照して、本発明の第2の実施例による基板処理装置について説明する。
【0045】
図3Aに示すように、第1搬送路31と第2搬送路33が、基板回転機構32を介して接続されている。基板回転機構32は、制御手段38により制御され、その上に載置された基板を回転させることができる。第2搬送路33の上方には、図1A及び1Bに示すエアーナイフ3と同様のエアーナイフ36が配置されている。基板34が第1搬送路31上を、矢印37で示すように図の右方に向かって搬送される。基板34の表面には、搬送方向37に直交する縞模様状の凹凸35が形成されている。
【0046】
図3Bに示すように、基板34が基板回転機構32の上まで搬送される。縞模様35の縞が搬送方向37と平行になるように、基板回転機構32を回転させる。図3Bに示す場合には、基板回転機構32を90°回転させる。基板回転機構32の構成については、後に図4A〜4Eを参照して説明する。
【0047】
図3Cは、基板回転機構32を回転させた後の状態を示す。基板34の表面に表された縞模様35の縞が、搬送方向37と平行になる。
【0048】
図3Dに示すように、基板34を第2搬送路33に送り出し、第2搬送路33上を搬送する。エアーナイフ36から矢印39の向きにガスを噴出し、基板34の表面を乾燥させる。ガス流の方向に対応するベクトルを基板表面を含む仮想平面に垂直投影したベクトルと縞模様35の縞とのなす角が45°未満となる。このため、基板表面を効率的に乾燥させることができる。
【0049】
第1搬送路31を搬送される基板の表面に表された縞模様が搬送方向37に平行である場合には、基板回転機構32で基板を回転させず、そのまま第2搬送路33に送り出す。この場合も、ガス流の方向を基板表面を含む仮想平面に垂直投影した像と縞模様の縞とのなす角が45°未満となる。このため、基板表面を効率的に乾燥させることができる。
【0050】
このように、第1搬送路31を搬送される基板表面に表された縞模様の向きに応じて基板を回転させることにより、常に効率的に基板表面を乾燥させることができる。
【0051】
次に、図4A〜4Eを参照して、基板回転機構32により基板34を回転させる方法の一例を説明する。図4A〜4Eは、図3A〜3Dに示す基板処理装置の概略正面図を示す。
【0052】
図4Aに示すように、第1搬送路31及び第2搬送路33が、それぞれ複数のローラ31a及び33aを含んで構成されている。第1搬送路31と第2搬送路33との間に基板回転機構32が配置されている。基板回転機構32は、相互に直交する回転軸を有する第1ローラ32aと第2ローラ32bを含む。第1ローラ32aと第2ローラ32bは、基板をその上に安定して保持できるように、少なくとも3個のローラを含んで構成される。第1ローラ32aと第2ローラ32bは、基台32cに昇降可能に取り付けられている。図4Aは、第1ローラ32aが搬送路31、33の搬送方向に整合している状態を示している。
【0053】
基板34が、第1搬送路31から基板回転機構32の第1ローラ32a上まで送られて来る。基板34が第1ローラ32aにより保持される。このとき、第2ローラ32bは、第1ローラ32aよりも下方に位置する。
【0054】
図4Bに示すように、第1ローラ32aを上昇させ、基板34を持ち上げる。この状態で基台32cを90°回転させる。図4Cは、基台32cを回転させた後の状態を示す。この状態では、第2ローラ32bが搬送方向に整合する。
【0055】
図4Dに示すように、第2ローラ32bを上昇させ、第2ローラ32bの高さを第1搬送路31及び第2搬送路33の高さに整合させる。その後、第1ローラ32aを下降させる。基板34が、第2ローラ32bによって保持され、第2搬送路33のローラ33aの高さに整合する位置に保持される。第2ローラ32bを駆動して基板34を第2搬送路33に送り出す。このようにして、第1搬送路31から第2搬送路33へ基板34を送り出すときに基板34を90°回転させることができる。
【0056】
図5は、本発明の第3の実施例による基板処理装置の概略平面図を示す。入側搬送路41の出側端部が、分岐機構40を介して第1出側搬送路42及び第2出側搬送路43の入側端部に連絡している。第2出側搬送路43の搬送方向50は、入側搬送路41の搬送方向48に一致し、第1出側搬送路42の搬送方向49は、入側搬送路41の搬送方向48と直交する。分岐機構40は、制御手段56により制御される。
【0057】
第1及び第2出側搬送路42、43の上方には、それぞれエアーナイフ44及び45が配置されている。エアーナイフ44は、第1出側搬送路42の搬送方向49と、ガス流の方向を搬送路面へ垂直投影したベクトル46とのなす角度が135°よりも大きくかつ180°よりも小さくなるように配置されている。エアーナイフ45も同様に、第2出側搬送路43の搬送方向50と、ガス流の方向を搬送路面へ垂直投影したベクトル47とのなす角度が135°よりも大きくかつ180°よりも小さくなるように配置されている。
【0058】
入側搬送路41上を、処理対象基板51、52が搬送される。処理対象基板の表面には、入側搬送路41の搬送方向に平行または垂直な向きの縞模様状の凹凸が付されている。図5では、入側搬送路41の搬送方向に平行な縞模様状の凹凸が基板51の表面に形成され、垂直な縞模様状の凹凸が基板52に形成されている場合が示されている。
【0059】
分岐機構40は、入側搬送路41を搬送されてきた基板を受け、その表面に表された縞模様の向きに応じて第1及び第2の出側搬送路のいずれか一方の搬送路に送り出す。縞模様の向きが入側搬送路41の搬送方向に平行な場合(基板51の場合)は、基板をそのまま直進させ、第2出側搬送路43に送り出す。縞模様の向きが入側搬送路41の搬送方向に垂直な場合(基板52の場合)は、基板52を第1出側搬送路42に送り出す。
【0060】
分岐機構40が、基板の表面に形成された縞模様状の凹凸に応じて基板を振り分けるため、第1及び第2出側搬送路42及び43上を搬送される基板の表面に付された縞模様の向きが、搬送方向と平行になる。このため、縞模様とガス流の向きを基板表面へ垂直投影した像とのなす角度が0°より大きくかつ45°未満となる。従って、第1の実施例の場合と同様に、基板表面を効率的に乾燥させることができる。
【0061】
次に、図6A〜6Cを参照して、図5に示す分岐機構40の一構成例及び分岐方法を示す。図6A〜6Cは、図5の一点鎖線A6−A6における断面図に相当する。
【0062】
図6Aに示すように、分岐機構40は、第1出側搬送路の搬送方向に整合した第1ローラ51、及び入側搬送路と第2出側搬送路の搬送方向に整合した第2ローラ52を含んで構成される。分岐機構40の図の右方には、第1出側搬送路のローラ53が配置されている。入側搬送路(紙面の表側)から搬送されてきた基板55が、第2ローラ52によって保持される。このとき、第1ローラ51は、第2ローラ52の下方に待機している。第2ローラ52によりこのまま基板55を搬送すると、基板55が第2出側搬送路に送り出される。基板55を第1搬送路に送り出す場合には、基板55が第2ローラ52によって保持された時点で一旦搬送を停止する。
【0063】
図6Bに示すように、第1ローラ51を上昇させ基板55を第1ローラ51によって保持する。図6Cに示すように、第1ローラ51を駆動して基板55を第1出側搬送路のローラ53上に送り出す。このようにして、基板55を第1出側搬送路に送り出すことができる。
【0064】
上記実施例では、基板表面にガスを吹き付けて表面を乾燥させる場合を示した。ガスの代わりに薬液を吹き付けて薬液による表面処理を行ってもよい。すなわち、気体、液体等の流体を吹き付けて、基板の表面処理を行うことができる。
【0065】
次に、図7を参照して、本発明の第4の実施例について説明する。第1及び第2の実施例では、基板の表面にガスを吹き付けて表面を乾燥させる場合を説明したが、第4の実施例では基板の表面に薬液を吹き付ける。
【0066】
図7は、第4の実施例による基板処理装置の概略平面図を示す。基板搬送路60の上方に、2組の薬液噴出部70及び80が配置されている。薬液噴出部70において、複数のノズル支持軸71が搬送路60の搬送方向61に平行に配置されている。ノズル支持軸71の各々に、一定の間隔をおいてノズル72が取り付けられている。各ノズル支持軸71の一端は、回動機構74を介して薬液供給軸73に連結されている。各ノズル支持軸71の他端は、先端保持軸75により回動可能に保持されている。
【0067】
薬液供給軸73内に薬液が供給される。薬液供給軸73内の薬液が、回動機構74を通ってノズル支持軸71内に供給される。ノズル支持軸71内に供給された薬液は、ノズル72から搬送路60上を搬送される基板の表面に吹き付けられる。このとき、回動機構74がノズル支持軸71を、その軸を中心として回動させる。ノズル72から噴出する薬液の向きが、搬送方向61に対して垂直な仮想平面内で変化し、薬液流が、搬送路60上を搬送される基板表面を、搬送方向61に直交する方向に走査する。基板の表面に搬送方向61に対して垂直な方向に延在する溝が形成されている場合に、溝の底部まで効率的に薬液を吹き付けることができる。
【0068】
薬液噴出部80は、ノズル支持軸81、ノズル82、薬液供給軸83、回動機構84、先端保持軸85を含んで構成され、薬液噴出部70を搬送路面に平行な面内で90°回転させた構成と同様である。薬液支持軸81を回動させると、ノズル82から噴出する薬液の向きが、搬送方向61に対して平行な仮想平面内で変化し、薬液流が、搬送路60上を搬送される基板表面を、搬送方向61に平行な方向に走査する。基板の表面に搬送方向61に対して平行な方向に延在する溝が形成されている場合に、溝の底部まで効率的に薬液を吹き付けることができる。
【0069】
このように2つの薬液噴出部を設け、各薬液噴出部から噴出する薬液流が、基板表面を互いに直交する方向に走査するように配置することにより、搬送方向に平行な溝が形成されている基板、及び搬送方向に直交する溝が形成されている基板のいずれの表面をも、安定して薬液に晒すことができる。
【0070】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基板表面に形成された凹凸模様に応じて、適切な方向から流体を吹き付けることができる。このため、基板表面を効率的に処理することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による基板処理装置の概略を示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施例の変形例による基板処理装置の概略を示す平面図である。
【図3】本発明の第2の実施例による基板処理装置の概略を示す平面図である。
【図4】本発明の第2の実施例による基板処理装置の基板回転機構の一例の概略を示す正面図である。
【図5】本発明の第3の実施例による基板処理装置の概略を示す平面図である。
【図6】本発明の第3の実施例による基板処理装置の分岐機構の一例の概略を示す断面図である。
【図7】本発明の第4の実施例による基板処理装置の概略を示す平面図である。
【符号の説明】
1 搬送路
2 基板
3、4、20、21A、21B、25、26 エアーナイフ
5、6 ガス流の向きの垂直投影像
7 搬送方向
10、11 凹凸の縞状模様
12 制御手段
20a、22A、22B 支軸
27 レール
31 第1搬送路
32 基板回転機構
33 第2搬送路
34 基板
35 縞模様
36 エアーナイフ
37 搬送方向
38 制御手段
39 ガス流の向きの垂直投影像
40 分岐機構
41 入側搬送路
42 第1出側搬送路
43 第2出側搬送路
44、45 エアーナイフ
46、47 ガス流の向きの垂直投影像
48、49、50 搬送方向
51、52 基板
53 ローラ
55 基板
56 制御手段
60 搬送路
61 搬送方向
70、80 薬液噴出部
71、81 ノズル支持軸
72、82 ノズル
73、83 薬液供給軸
74、84 回動機構
75、85 先端保持軸

Claims (14)

  1. 縞模様状に凹凸が形成された表面を有する基板を、搬送路に沿って搬送する工程と、
    前記基板の表面に表された縞模様の縞の向きに応じて、基板に吹き付ける流体の噴出方向を決定する工程と、
    決定された噴出方向に流体を噴出し、前記基板の表面上に該流体を吹き付け、基板表面を処理する工程と
    を有する基板処理方法。
  2. 前記噴出方向を決定する工程において、前記基板の表面に表された縞模様の縞の向きと、噴出方向を基板表面へ垂直投影した像とのなす角度が45°未満となるように噴出方向を決定する請求項1に記載の基板処理方法。
  3. 前記噴出方向を決定する工程が、相互に異なる方向に流体を噴出する少なくとも2つの噴出手段から、前記基板の表面に表された縞模様の縞の向きに応じて、少なくとも1つの噴出手段を選択する工程を含み、
    前記基板表面を処理する工程が、選択された噴出手段から流体を吹き出す工程を含む請求項1または2に記載の基板処理方法。
  4. 前記基板表面を処理する工程が、さらに、前記基板の搬送を一時停止し、選択された前記噴出手段を基板表面に対して平行な仮想平面に沿って移動させながら流体を吹き出す工程を含む請求項3に記載の基板処理方法。
  5. 前記噴出方向を決定する工程が、噴出方向可変の噴出手段を調整して、所望の噴出方向に設定する工程を含み、
    前記基板表面を処理する工程が、噴出方向が設定された前記噴出手段から流体を吹き出す工程を含む請求項1または2に記載の基板処理方法。
  6. 前記基板表面を処理する工程が、基板の搬送の向きを周期的に複数回反転させ、前記基板の表面を前記流体に晒す工程を含む請求項1〜5のいずれかに記載の基板処理方法。
  7. 縞模様状に凹凸が形成された表面を有する基板を、搬送路に沿って搬送する工程と、
    前記基板の表面上に流体を吹き付け、基板表面を処理する工程と
    を含み、
    前記搬送する工程と基板表面を処理する工程との間に、さらに、前記基板表面を処理する工程で吹き付けられる流体の流れの方向を前記基板表面に垂直投影した像と前記基板表面に表された縞模様の縞の方向とのなす角が45°未満になるように、前記基板を回転させる工程を含む基板処理方法。
  8. 前記基板表面を処理する工程が、基板の搬送の向きを周期的に複数回反転させ、前記基板の表面を前記流体に晒す工程を含む請求項7に記載の基板処理方法。
  9. 縞模様状に凹凸が形成された表面を有する基板を、入側搬送路に沿って搬送する工程と、
    前記基板の表面に表された縞模様の縞の向きに応じて、前記基板を第1の出側搬送路と第2の出側搬送路のいずれかに振り分ける工程と、
    前記第1または第2の出側搬送路を搬送される前記基板の表面に流体を吹き付けて基板表面を処理する工程と
    を含む基板処理方法。
  10. 前記基板表面を処理する工程が、基板の搬送の向きを周期的に複数回反転させ、前記基板の表面を前記流体に晒す工程を含む請求項9に記載の基板処理方法。
  11. 処理対象基板を搬送する搬送路と、
    流体の噴出方向を相互に異にし、前記搬送路を搬送される処理対象基板の表面に流体を吹き付けて基板表面を処理する第1及び第2の噴出手段と、
    前記第1及び第2の噴出手段のうち、前記搬送路を搬送される基板の表面に形成された凹凸模様に応じて一方の噴出手段を選択し、選択された噴出手段から流体を噴出する制御手段と
    を有する基板処理装置。
  12. 前記第1の噴出手段から噴出される流体の流れの向きに対応するベクトルを前記搬送路を搬送される基板表面に垂直投影したベクトルと前記搬送路の搬送方向に対応するベクトルとのなす角度が135°よりも大きくかつ180°未満であり、
    前記第2の噴出手段から噴出される流体の流れの向きに対応するベクトルを前記搬送路を搬送される基板表面に垂直投影したベクトルと前記搬送路の搬送方向に対応するベクトルとのなす角度が90°よりも大きくかつ135°未満であり、
    前記制御手段が、前記搬送路を搬送される基板の表面に搬送方向に対して平行な縞模様状の凹凸が形成されている場合には、前記第1の噴出手段から流体を噴出させ、前記搬送路を搬送される基板の表面に搬送方向に対して垂直な縞模様状の凹凸が形成されている場合には、前記第2の噴出手段から流体を噴出させる請求項11に記載の基板処理装置。
  13. 処理対象基板を搬送する搬送路と、
    前記搬送路を搬送される処理対象基板の表面に流体を吹き付けて基板表面を処理する流体噴出方向可変の噴出手段と、
    前記搬送路を搬送される基板の表面に形成された凹凸模様に応じて、前記噴出手段の噴出方向を変化させる制御手段と
    を有する基板処理装置。
  14. 前記噴出手段が、流体の流れの向きに対応するベクトルを前記搬送路を搬送される基板表面に垂直投影したベクトルと前記搬送路の搬送方向に対応するベクトルとのなす角度が135°よりも大きくかつ180°未満の第1の状態と、該角度が90°よりも大きくかつ135°未満の第2の状態をとることができ、
    前記制御手段が、前記搬送路を搬送される基板の表面に搬送方向に対して平行な縞模様状の凹凸が形成されている場合には、前記噴出手段を第1の状態とし、前記搬送路を搬送される基板の表面に搬送方向に対して垂直な縞模様状の凹凸が形成されている場合には、前記噴出手段を第2の状態とする請求項13に記載の基板処理装置。
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