JP3703420B2 - 有機性廃棄物の処理方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンモニア及び水分を含む有機性廃棄物の原液、有機性廃棄物に前処理を施した液、有機性廃棄物をメタン発酵処理した後の消化脱離液、又は消化脱離液から固形分を一部除去した液などを加熱濃縮して濃縮液と凝縮水に分ける処理方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、メタン発酵により畜産し尿を処理した場合、発酵完了後も大量の有機物が消化液中に残存しており、この液を一般の河川や水環境へ直接放流することはできないため、メタン発酵プラントには大がかりな廃水処理設備を併設する必要があった。畜産し尿の排出地区によっては、メタン発酵完了後の消化液を液体肥料として草地へ散布することができるという、恵まれた環境が整った地区も一部には存在している。しかしながら、消化液を液体肥料として利用する場合でも、従来は消化液をそのまま散布しているので、液量が多過ぎて輸送や散布に時間及び費用がかかり過ぎるという問題があった。
【0003】
また、例えば、特開平10−150973号公報には、メタン発酵槽からの消化脱離液を中空糸膜を設置した装置に導入して、膜ろ過した処理水を得るとともに、濃縮消化液をメタン発酵槽に戻して発酵効率を高く維持するという装置が開示されている。この装置では、膜の交換やメンテナンス等に手間及び費用がかかるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、畜産し尿などの有機性廃棄物をメタン発酵させメタンガスを回収しながらこれら有機性廃棄物を処理する方法において、メタン発酵後の消化液は廃水処理設備で処理してから河川等に放流する必要があった。また、消化液を液体肥料として有効利用する場合でも利用性、輸送性に難があった。
【0005】
一方、例えば、畜産の分野で最大の関心事は毎日大量に排出される畜産し尿の処理であり、最も優れた処理方法の一種であるメタン発酵処理法の普及を促進するための一つの手段として、上記の課題を解決することができる処理方法及び装置の開発が望まれている。また、メタン発酵技術の分野に限らず、アンモニア及び水分を含む有機性廃棄物の原液、有機性廃棄物からSSを一部除去した処理液などを対象とした処理方法及び装置についても、廃液処理を必要としない簡便で安価な処理技術の開発が望まれている。この場合、放流水へのアンモニアの混入を可能な限り防止して、厳しい放流基準にも対処できる技術とすることが望ましい。
【0006】
本発明は上記の諸点に鑑みなされたもので、本発明の目的は、アンモニア及び水分を含む有機性廃棄物の原液、有機性廃棄物に前処理(固形分の一部除去等)を施した液、有機性廃棄物をメタン発酵処理した後の消化脱離液、又は消化脱離液から固形分を一部除去した液などを加熱濃縮して濃縮液と凝縮水とに分けることにより、廃水処理設備を必要とせず、濃縮工程で得られた凝縮水は簡便な方法で放流可能であり、濃縮液を液体肥料として有効利用する場合には利用性、輸送性が向上する処理方法及び装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の有機性廃棄物の処理方法は、有機性廃棄物又は有機性廃棄物の処理液を第1濃縮工程で加熱・濃縮してアンモニアをストリッピングさせ、アンモニア水を濃縮して分離した後、アンモニアを除去した処理液を第2濃縮工程で加熱・濃縮して濃縮処理液と凝縮水とに分離するように構成されている。
【0008】
また、本発明の処理方法は、有機性廃棄物をメタン発酵した後の消化液又は該消化液から固形分を一部除去した液を第1濃縮工程で加熱・濃縮してアンモニアをストリッピングさせ、アンモニア水を濃縮して分離した後、アンモニアを除去した消化液を第2濃縮工程で加熱・濃縮して濃縮消化液と凝縮水とに分離することを特徴としている。この場合、加熱濃縮の熱源としては、メタン発酵で発生したメタンガスによる発電及び/又は熱利用で発生した余剰熱を利用する。
【0009】
上記の方法では、第1濃縮工程において、原液のpH値をアルカリ性側に調整した後、加熱・濃縮してアンモニアをストリッピングさせることができる。また、第2濃縮工程において、液のpH値を酸性側に調整した後、加熱・濃縮してアンモニア濃度の低い凝縮水を得ることができる。アンモニアストリッピングはpH値が高い方が効率よくアンモニアを回収でき、蒸留ではpH値が低い方がアンモニアの凝縮を抑えることができる。これにより、凝縮水(蒸留水)へのアンモニアの混入を防止することができる。
【0010】
また、本発明の処理方法は、有機性廃棄物をメタン発酵した後の消化液又は該消化液から固形分を一部除去した液のpH値を酸性側に調整した後、加熱・濃縮して濃縮消化液と凝縮水とに分離することを特徴としている。加熱・濃縮をpH値の低い状態で行うことにより、アンモニアの凝縮が抑えられ、凝縮水(蒸留水)のアンモニア濃度を低下させることができる。
【0011】
本発明の有機性廃棄物の処理装置は、有機性廃棄物又は有機性廃棄物の処理液を噴霧し加熱してアンモニアをストリッピングさせ、アンモニアを除去した処理液の一部と熱交換して凝縮させたアンモニア水を濃縮して分離する第1蒸発手段と、アンモニアを除去した処理液を散布し加熱濃縮して、濃縮処理液を分離するとともに、加熱により蒸発した水分を蒸気として取り出し、前記の散布した処理液と熱交換して凝縮させ蒸留水を回収する第2蒸発手段とを包含してなることを特徴としている。
【0012】
また、本発明の処理装置は、有機性廃棄物をメタン発酵した後の消化液又は該消化液から固形分を一部除去した液を噴霧し加熱してアンモニアをストリッピングさせ、アンモニアを除去した消化液の一部と熱交換して凝縮させたアンモニア水を濃縮して分離する第1蒸発手段と、アンモニアを除去した消化液を散布し加熱濃縮して、濃縮消化液を分離するとともに、加熱により蒸発した水分を蒸気として取り出し、前記の散布した消化液と熱交換して凝縮させ蒸留水を回収する第2蒸発手段とを包含してなることを特徴としている。この場合、第1蒸発手段及び/又は第2蒸発手段での加熱の熱源としては、メタン発酵で発生したメタンガスを燃料とした発電及び/又は熱利用で発生する余剰熱を利用する。
【0013】
上記の装置においては、第1蒸発手段に、アンモニアのストリッピングをpH値の高い状態で行わせるためのpH値調整手段を設けることができる。また、第2蒸発手段に、蒸留操作をpH値の低い状態で行ってアンモニアの凝縮を抑制するためのpH値調整手段を設けることができる。第1蒸発手段での加熱濃縮をアルカリ性側で行うことによって、アンモニアを効率よく回収でき、処理液のアンモニア濃度をより低下させることができる。また、第2蒸発手段での加熱濃縮を酸性側で行うことによって、アンモニアの凝縮を抑制し、蒸留水のアンモニア濃度をより低下させることができる。これらのpH調整を一方だけ、あるいは両方実施することにより、放流される蒸留水のアンモニア濃度をコントロールすることが可能である。
【0014】
また、本発明の処理装置は、有機性廃棄物をメタン発酵した後の消化液又は該消化液から固形分を一部除去した液のpH値を酸性側に調整するpH値調整手段と、pH値を酸性側に調整した消化液を加熱・濃縮して濃縮消化液と蒸発したガス成分とに分離する加熱器を付帯したフラッシュ式蒸発器と、フラッシュ式蒸発器からのガス成分を冷却水と熱交換することで凝縮水を得る凝縮手段とを包含してなることを特徴としている。
このように、上記の本発明の装置は、有機性廃棄物をメタン発酵した後の消化液又は該消化液から固形分を一部除去した液をpH値調整槽などのpH値調整手段にて酸性側に調整し、加熱器を付帯したフラッシュ式蒸発器にて濃縮し、濃縮消化液を得て、ガス側はコンデンサーなどの凝縮手段にて冷却水と熱交換することで凝縮水を得ることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することが可能なものである。図1は、本発明の実施の第1形態による有機性廃棄物の処理装置の概略構成を示している。本実施の形態では、一例として、畜産し尿等の有機性廃棄物をメタン発酵した後の消化脱離液を処理する場合を示しているが、有機性廃棄物の原液、有機性廃棄物から固形分を一部除去した処理液、又は消化脱離液から固形分を一部除去した液などを処理する場合も同様である。
【0016】
図1に示すように、消化液貯槽10内の消化脱離液は、ポンプ12により第1蒸発装置14における吸収塔16に導かれる。消化液は吸収塔16に導入されるまでの間に、熱交換器18、20、22で加温される。熱交換器18の加熱媒体は後述の気液分離した濃縮アンモニア水であり、熱交換器20の加熱媒体は後述の凝縮水であり、熱交換器22の加熱媒体は後述の加熱濃縮したアンモニア水である。吸収塔16に噴霧された消化液は、pHの高い状態でアンモニアのストリッピングが行われ、蒸発したアンモニアはポンプ24を経由して第1蒸発装置14の熱交換器26に導入される。熱交換器26にはアンモニアを除去した消化液が循環しており、熱交換器26に導入されたアンモニアは循環消化液と熱交換して冷却・凝縮される。凝縮したアンモニア水は前述の熱交換器22で冷却され、気液分離装置28にて気体側の濃縮アンモニアと残りの液体とに分離される。気液分離装置28としては、ドレンポット、ミストセパレーターなどが用いられる。分離された液体は吸収塔16に噴霧され、気体側の濃縮アンモニアは前述の熱交換器18で冷却・凝縮されてアンモニアタンク30に貯留される。この濃縮アンモニア水は液体肥料として利用可能である。
【0017】
一方、アンモニアを除去した消化液は、ポンプ32により抜き出されて加熱器34で加熱され、前述のように熱交換器26でさらに加熱されて循環している。加熱器34の熱源としては、メタン発酵プラントの余剰熱の一部、すなわち、メタン発酵で発生したメタンガスを燃料とした発電及び/又は熱利用で発生する廃熱で加温した温水等が利用できる。循環している消化液は、その一部が抜き出されて第2蒸発装置36に導入される。
【0018】
第2蒸発装置36では、アンモニアを除去した消化液がポンプ38により抜き出されて加熱器40で加熱され、後述のガス洗浄した蒸気が加熱媒体としてチューブ内を流れている熱交換器42でさらに加熱されて循環している。44は液体散布装置である。加熱器40の熱源としては、メタン発酵プラントの余剰熱の一部、すなわち、メタン発酵で発生したメタンガスを燃料とした発電及び/又は熱利用で発生する廃熱で加温した温水等が利用できる。加熱器40、熱交換器42により消化液は加熱濃縮され、蒸発した水分は蒸気取出し口46から取り出される。この加熱濃縮はpH値の低い状態で行われる。取り出された蒸気はポンプ48を経由してスクラバー等の湿式ガス洗浄装置50に導入され、ここでガス洗浄が行われる。湿式ガス洗浄装置50からの洗浄後の液は第2蒸発装置36の循環消化液に混合される。なお、図1では、一例として、薬品タンク52、54からそれぞれ水酸化ナトリウム水溶液、硝酸水溶液をガス洗浄用の薬品として湿式ガス洗浄装置50に供給しているが、ガス洗浄水に添加する薬品(薬品を添加しない場合もある)は、消化液又は処理液等に含まれる成分によって任意に変えることが可能である。また、ガス洗浄が不要な場合もあり、この場合はスクラバー等の湿式ガス洗浄装置を省略することが可能である。
【0019】
湿式ガス洗浄装置50で洗浄された蒸気は、前述の熱交換器42で循環消化液と熱交換して冷却・凝縮され、凝縮水(蒸留水)として取り出される。凝縮水は凝縮水受槽56、ポンプ58を経由して前述の熱交換器20で冷却され、凝縮水(蒸留水)貯槽60に貯留される。凝縮水はそのまま、あるいは簡単な処理を施すだけで、一般の河川、その他の水環境に放流可能であり、大がかりな廃水処理設備は不要である。特に、1段目のアンモニアストリッピングをpHの高い状態で行い、さらに、2段目の蒸留をpHの低い状態で行うことにより、凝縮水(蒸留水)へのアンモニアの混入を有効に防止でき、厳しい放流基準に対しても放流される凝縮水はその基準を満たすことが可能となる。
一方、加熱器40、熱交換器42で加熱濃縮された消化液は、第2蒸発装置36から抜き出され、濃縮液貯槽62に貯留される。この濃縮消化液は液体肥料として利用可能であり、濃縮により利用性、輸送性が高まっている。
【0020】
図2は、本発明の実施の第2形態による有機性廃棄物の処理装置の概略構成を示している。本実施の形態では、一例として、畜産し尿等の有機性廃棄物をメタン発酵した後の消化液を処理する場合を示しているが、有機性廃棄物の原液、有機性廃棄物から固形分を一部除去した処理液、又は消化液から固形分を一部除去した液などを処理する場合も同様である。
pH値調整槽(図示略)にてpH値が酸性側に調整された消化液は、フラッシュ式蒸発器64に導入される。フラッシュ式蒸発器64は加熱器66を付帯した構成であり、加熱器66に供給された水及び循環消化液がヒーター68で加熱されてフラッシュ式蒸発器64内に噴霧される。70は緊急蒸気出口、72はドレン排出管である。加熱濃縮を酸性側で行うことで、アンモニアの凝縮が抑制され、蒸留水へのアンモニアの混入が防止できる。
【0021】
フラッシュ式蒸発器64にて濃縮された消化液は、循環ポンプ74を経由して一部は前記の循環消化液として加熱器66を付帯したフラッシュ式蒸発器64に循環され、残りは濃縮消化液として抜き出される。この濃縮消化液は液体肥料として利用可能であり、濃縮により利用性、輸送性が高まっている。76、78はドレン排出管である。
フラッシュ式蒸発器64で蒸発したガス成分は、加熱器66からのガス成分と一緒にコンデンサー80に導入される。コンデンサー80では、ガス成分が冷却水と熱交換されて水蒸気が凝縮水となる。得られた凝縮水は凝縮水ポンプ82によりコンデンサー80から取り出される。凝縮水はそのまま、あるいは簡単な処理を施すだけで、一般の河川、その他の水環境に放流可能であり、大がかりな廃水処理設備は不要である。なお、凝縮水の一部はコンデンサー80に戻される場合がある。84はドレン排出管である。
【0022】
コンデンサー80にて凝縮水を除去した後の残りのガス成分には、アンモニア等が含まれており、このガス成分がコンデンサー80から抜き出され、真空ポンプ86を経由してシール水タンク88に導入される。シール水タンク88には水(清水)が供給され、タンク88内のシール水は、シール水ポンプ90により抜き出されてシール水クーラー92にて冷却水と熱交換して冷却され、その一部がシール水タンク88に戻される。シール水クーラー92で冷却されたシール水の残りは、そのうちの一部が前述の循環ポンプ74を経由してシール水タンク88に循環され、他のシール水は排出される。排出されるシール水にはアンモニア等が含まれている。94はドレン排出管、96はガス抜出管である。
【0023】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されているので、つぎのような効果を奏する。
(1) 有機性廃棄物の原液、有機性廃棄物に前処理を施した液、有機性廃棄物をメタン発酵処理した後の消化液又は消化液から固形分を一部除去した液などを加熱濃縮して濃縮液と凝縮水とに分けるので、廃水処理設備が不要となり、簡便で安価な処理方法及び装置が実現できる。
(2) 濃縮工程で得られた凝縮水は簡便な方法で放流可能である。特に、2段の濃縮を行う場合に、1段目のアンモニアストリッピングをpHの高い状態で行い、さらに、2段目の蒸留をpHの低い状態で行うことにより、放流される凝縮水(蒸留水)へのアンモニアの混入を有効に防止でき、厳しい放流基準に対しても放流水はその基準を満たすことが可能である。
(3) 濃縮液を液体肥料として有効利用する場合、利用性、輸送性を向上させることができる。具体的には、濃縮により輸送や散布にかかる時間及び費用が低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態による有機性廃棄物の処理装置の一例を示す系統的概略構成説明図である。
【図2】本発明の実施の第2形態による有機性廃棄物の処理装置の一例を示す系統的概略構成説明図である。
【符号の説明】
10 消化液貯槽
12、24、32、38、48、58 ポンプ
14 第1蒸発装置
16 吸収塔
18、20、22、26、42 熱交換器
28 気液分離装置
30 アンモニアタンク
34、40 加熱器
36 第2蒸発装置
44 液体散布装置
46 蒸気取出し口
50 湿式ガス洗浄装置
52、54 薬品タンク
56 凝縮水受槽
60 凝縮水(蒸留水)貯槽
62 濃縮液貯槽
64 フラッシュ式蒸発器
66 加熱器
68 ヒーター
70 緊急蒸気出口
72、76、78、84、94 ドレン排出管
74 循環ポンプ
80 コンデンサー
82 凝縮水ポンプ
86 真空ポンプ
88 シール水タンク
90 シール水ポンプ
92 シール水クーラー
96 ガス抜出管

Claims (12)

  1. 有機性廃棄物又は有機性廃棄物の処理液を第1濃縮工程で加熱・濃縮してアンモニアをストリッピングさせ、アンモニア水を濃縮して分離した後、アンモニアを除去した処理液を第2濃縮工程で加熱・濃縮して液体肥料として利用するための濃縮処理液と凝縮水とに分離することを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。
  2. 有機性廃棄物をメタン発酵した後の消化液又は該消化液から固形分を一部除去した液を第1濃縮工程で加熱・濃縮してアンモニアをストリッピングさせ、アンモニア水を濃縮して分離した後、アンモニアを除去した消化液を第2濃縮工程で加熱・濃縮して液体肥料として利用するための濃縮消化液と凝縮水とに分離することを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。
  3. 第1濃縮工程において、原液のpH値をアルカリ性側に調整した後、加熱・濃縮してアンモニアをストリッピングさせる請求項1又は2記載の有機性廃棄物の処理方法。
  4. 第2濃縮工程において、液のpH値を酸性側に調整した後、加熱・濃縮してアンモニア濃度の低い凝縮水を得る請求項1、2又は3記載の有機性廃棄物の処理方法。
  5. 有機性廃棄物をメタン発酵した後の消化液又は該消化液から固形分を一部除去した液のpH値を酸性側に調整した後、加熱・濃縮して液体肥料として利用するための濃縮消化液と凝縮水とに分離することを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。
  6. 加熱濃縮の熱源として、メタン発酵で発生したメタンガスによる発電及び/又は熱利用で発生した余剰熱を利用する請求項2〜5のいずれかに記載の有機性廃棄物の処理方法。
  7. 有機性廃棄物又は有機性廃棄物の処理液を噴霧し加熱してアンモニアをストリッピングさせ、アンモニアを除去した処理液の一部と熱交換して凝縮させたアンモニア水を濃縮して分離する第1蒸発手段と、
    アンモニアを除去した処理液を散布し加熱濃縮して、液体肥料として利用するための濃縮処理液を分離するとともに、加熱により蒸発した水分を蒸気として取り出し、前記の散布した処理液と熱交換して凝縮させ蒸留水を回収する第2蒸発手段とを包含してなることを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
  8. 有機性廃棄物をメタン発酵した後の消化液又は該消化液から固形分を一部除去した液を噴霧し加熱してアンモニアをストリッピングさせ、アンモニアを除去した消化液の一部と熱交換して凝縮させたアンモニア水を濃縮して分離する第1蒸発手段と、
    アンモニアを除去した消化液を散布し加熱濃縮して、液体肥料として利用するための濃縮消化液を分離するとともに、加熱により蒸発した水分を蒸気として取り出し、前記の散布した消化液と熱交換して凝縮させ蒸留水を回収する第2蒸発手段とを包含してなることを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
  9. 第1蒸発手段及び/又は第2蒸発手段での加熱の熱源が、メタン発酵で発生したメタンガスを燃料とした発電及び/又は熱利用で発生する余剰熱である請求項8記載の有機性廃棄物の処理装置。
  10. 第1蒸発手段に、アンモニアのストリッピングをpH値の高い状態で行わせるためのpH値調整手段を設けた請求項7、8又は9記載の有機性廃棄物の処理装置。
  11. 第2蒸発手段に、蒸留操作をpH値の低い状態で行ってアンモニアの凝縮を抑制するためのpH値調整手段を設けた請求項7〜10のいずれかに記載の有機性廃棄物の処理装置。
  12. 有機性廃棄物をメタン発酵した後の消化液又は該消化液から固形分を一部除去した液のpH値を酸性側に調整するpH値調整手段と、
    pH値を酸性側に調整した消化液を加熱・濃縮して液体肥料として利用するための濃縮消化液と蒸発したガス成分とに分離する加熱器を付帯したフラッシュ式蒸発器と、
    フラッシュ式蒸発器からのガス成分を冷却水と熱交換することで凝縮水を得る凝縮手段とを包含してなることを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
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