JP4553810B2 - 有機性廃液の処理装置及び処理方法 - Google Patents

有機性廃液の処理装置及び処理方法 Download PDF

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本発明は、畜舎から排出される蓄糞尿などの有機性廃液や、その有機性廃液を嫌気発酵させてバイオガスを取り出した後のいわゆる消化液を減容化し、貯留や運搬などの取り扱いが容易な肥料を生産するものであって、特に蒸留システムに多重効用缶を用いてエネルギコストを抑えた有機性廃液の処理装置及び処理方法に関する。
例えば、バイオガスプラントでは、嫌気発酵により蓄糞尿からバイオガスの採取処理が行われるが、処理後の消化液には多量の窒素分やSS分が残存しているので、この液を一般の河川や水環境へ直接放流することはできない。そのため、消化液を液体肥料として有効に利用することが望まれる。ただし、消化液はバイオガスを採取する前の状態からほとんど重量や容積の変化がないため、大量の消化液の貯留や運搬などが問題であった。例えば、牛200頭を有する畜舎では、およそ一日16トンの蓄糞尿が排出されるが、肥料として散布する時期は春と秋の年2回であるため、半年分の約3000トンの消化液を貯留しておく極めて大型のタンクが必要になる。また、液体肥料として消化液をタンクの周辺に散布できる環境が整っていればよいが、離れた土地に散布する場合には運搬の手間やコストがかかってしまう。更に、圃場が狭くて散布できないような場所では、そもそも消化液を液体肥料として利用できないため、多大な手間とコストをかけて排水処理を行うこととなる。
そうした問題を解決するため、特開2003−117593号公報には有機性廃液の処理装置及び処理方法が提案されている。これは、アンモニア及び水分を含む有機性廃棄物の原液、有機性廃棄物に前処理(固形分の一部除去等)を施した液、有機性廃棄物をメタン発酵処理した後の消化脱離液、又は消化脱離液から固形分を一部除去した液などを処理するものであって、加熱濃縮して濃縮液と凝縮水とに分けることにより、廃水処理設備を必要とせず、濃縮工程で得られた凝縮水は簡便な方法で放流可能であり、濃縮液を液体肥料として有効利用する場合には利用性、輸送性を向上する処理装置及び処理方法として記載されている。
図4は、同公報に記載された有機性廃液処理装置について、その概略構成を示した図である。これには、畜糞尿等の有機性廃棄物をメタン発酵した後の消化液を処理する場合が示されている。消化液貯槽100内の消化液は、ポンプ101により第1蒸発装置110における吸収塔111に導かれるが、その間に熱交換器102,103,104で加温される。吸収塔111に噴霧された消化液は、蒸発したアンモニアがポンプ112を経由して第1蒸発装置110の熱交換器113に導入される。熱交換器113にはアンモニアを除去した消化液が循環しており、導入されたアンモニアが循環消化液と熱交換して冷却・凝縮される。
凝縮したアンモニア水は、熱交換器104で冷却され、気液分離装置105にて気体側の濃縮アンモニアと残りの液体とに分離される。分離された液体は吸収塔111に噴霧され、気体側の濃縮アンモニアは熱交換器102で冷却・凝縮されてアンモニアタンク200に貯留される。この濃縮アンモニア水は液体肥料として利用可能である。一方、アンモニアを除去した消化液は、ポンプ114により抜き出されて加熱器115で加熱され、熱交換器113でさらに加熱されて循環し、その一部が抜き出されて第2蒸発装置120に導入される。
第2蒸発装置120では、アンモニアを除去した消化液がポンプ121に送り出されて加熱器122、さらに熱交換器123でも加熱されて循環している。消化液は、加熱器122や熱交換器123によって加熱濃縮され、蒸発した水分が蒸気取出し口124から取り出される。取り出された蒸気はポンプ125を経由してスクラバー等の湿式ガス洗浄装置126に導入され、ここでガス洗浄が行われる。湿式ガス洗浄装置126からの洗浄後の液は第2蒸発装置120の循環消化液に混合される。湿式ガス洗浄装置126には、薬品タンク130,140からそれぞれ水酸化ナトリウム水溶液、硝酸水溶液をガス洗浄用の薬品が供給されている。
湿式ガス洗浄装置126で洗浄された蒸気は、前述の熱交換器123で循環消化液と熱交換して冷却・凝縮され、凝縮水(蒸留水)として取り出される。凝縮水は凝縮水受槽127及びポンプ128を経由して熱交換器103で冷却され、凝縮水(蒸留水)貯槽300に貯留される。凝縮水はそのまま、あるいは簡単な処理を施して一般の河川などに放流できる。一方、加熱器122及び熱交換器123で加熱濃縮された消化液は、第2蒸発装置120から抜き出され、濃縮液貯槽400に貯留される。この濃縮消化液は液体肥料として利用可能であり、濃縮により利用性、輸送性が高まっている。
特開2003−117593号公報(第4−5頁、図1)
こうした従来の有機性廃液の処理装置および処理方法では、排水基準を満たした浄水を得るために、湿式ガス洗浄装置126に薬品タンク130,140から水酸化ナトリウム水溶液や酸水溶液といったガス洗浄用の薬品が供給されるため、消化液を処理するためのコストが上がってしまい、薬品供給のための手間もかかるものであった。
また、従来の有機性廃液の処理装置および処理方法では、有機性廃棄物に前処理(固形分の一部除去等)を施した液を用いる場合、例えば濃硫酸を使用することが考えられ、濃硫酸を使用すれば濃縮液が酸性になるので中和する必要がある。そのため、薬品使用の安全性やコストがかかることになり、好ましいものではない。
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、薬品を使用することなく有機性廃液などから放流可能な蒸留液を効率良く取り出す有機性廃液の処理装置および処理方法を提供することを目的とする。
本発明に係る有機性廃液の処理装置は、有機性廃液やその有機性廃液に対して一定処理を施したアンモニアを含む処理対象液について、その処理対象液を蒸発させた蒸気を凝縮してアンモニア濃度の低い浄水と高濃度のアンモニア水とを分離して取り出すようにしたものであって、蒸発缶内に供給された処理対象液が加熱蒸気の送り込まれた伝熱管に触れて蒸発し、その伝熱管に送り込まれた加熱蒸気が潜熱を奪われ凝縮して蒸留液となるようにした濃縮機を複数連続的に接続し、各濃縮機における蒸発と凝縮とが多工程で実行される多重効用缶が構成され、前工程の濃縮機と後工程の濃縮機とは、前工程の濃縮機で発生した処理対象液の蒸気が後工程の濃縮機の蒸発缶内に供給された処理対象液を蒸発させる加熱源として伝熱管に送り込まれ、前工程の濃縮機で蒸発しなかった処理対象液の残渣が後工程の濃縮機に処理対象液として供給されるよう接続され、処理対象液の蒸気が送り込まれる濃縮機は、蒸気が高温側と低温側との2段階で凝縮するものであり、第1の濃縮機で蒸発した蒸気を凝縮させる第2の濃縮機で得られた低温側の蒸留液をアンモニア水として採取し、最後の濃縮機で凝縮した高温側の蒸留液を浄水として採取し、その他の箇所で凝縮した蒸留液を前工程の濃縮機に戻すように接続されたものであることを特徴とする。
また、本発明に係る有機性廃液の処理装置は、前記複数の濃縮機のうち、第1の濃縮機と最後の濃縮機とは、最後の濃縮機で蒸発した水蒸気が第1の濃縮機の伝熱管に送り込まれ、第1の濃縮機の伝熱管で凝縮した水が最後の濃縮機の蒸発缶に供給されるように接続され、水が蒸発と凝縮とを繰り返すようにコンプレッサを設けて循環するようにしたものであることが好ましい。
また、本発明に係る有機性廃液の処理装置は、第1から第4の4台の濃縮機を有し、第2濃縮機は、高温側で凝縮した蒸留液が第1濃縮機に戻るように接続され、第3濃縮機は、高温側で凝縮した蒸留液が第2濃縮機に、低温側で凝縮した蒸留液が第1濃縮機に戻るように接続され、第4濃縮機は、低温側で凝縮した蒸留液が第2濃縮機に戻るように接続されたものであることが好ましい。
また、本発明に係る有機性廃液の処理装置は、伝熱管内の蒸気を高温側と低温側との2段階で凝縮する濃縮機では、低温側で得られる蒸留液よりも高温側で得られる蒸留液の量が多くなるようにしたものであることが好ましい。
また、本発明に係る有機性廃液の処理装置は、前記濃縮機で発生した蒸気を減圧下で加熱して後工程の濃縮機へ送り込むようにしたものであることが好ましい。
一方、本発明に係る有機性廃液の処理方法は、有機性廃液やその有機性廃液に対して一定処理を施したアンモニアを含む処理対象液について、その処理対象液を蒸発させた蒸気を凝縮してアンモニア濃度の低い浄水と高濃度のアンモニア水とを分離して取り出すようにしたものであって、蒸発缶内に供給された処理対象液を加熱蒸気を送り込んだ伝熱管によって蒸発させ、その伝熱管に送り込んだ加熱蒸気が潜熱を奪われ凝縮して蒸留液となるようにした濃縮機を複数連続的に接続して各濃縮機において蒸発と凝縮とを多工程で行うものであり、前工程の濃縮機で発生した処理対象液の蒸気が後工程の濃縮機の蒸発缶内に供給された処理対象液を蒸発させる加熱源として伝熱管に送り込み、前工程の濃縮機で蒸発しなかった処理対象液の残渣を後工程の濃縮機に処理対象液として供給し、処理対象液の蒸気が送り込まれる濃縮機では、蒸気を高温側と低温側との2段階で凝縮し、第1の濃縮機で蒸発した蒸気を凝縮させる第2の濃縮機で得られた低温側の蒸留液をアンモニア水として採取し、最後の濃縮機で凝縮した高温側の蒸留液を浄水として採取し、その他の箇所で凝縮した蒸留液を前工程の濃縮機に戻すように還流させることを特徴とする。
また、本発明に係る有機性廃液の処理方法は、前記複数の濃縮機のうち、最後の濃縮機で蒸発した水蒸気を第1の濃縮機の伝熱管に送り込み、第1の濃縮機の伝熱管で凝縮した水を最後の濃縮機の蒸発缶に供給し、第1の濃縮機と最後の濃縮機との間で水が蒸発と凝縮とを繰り返すように循環させることが好ましい。
また、本発明に係る有機性廃液の処理方法は、前記濃縮機を4台接続し、第2濃縮機の高温側で凝縮した蒸留液を第1濃縮機に戻し、第3濃縮機の高温側で凝縮した蒸留液を第2濃縮機に、低温側で凝縮した蒸留液を第1濃縮機に戻し、第4濃縮機の低温側で凝縮した蒸留液を第2濃縮機に戻すように還流させることが好ましい。
また、本発明に係る有機性廃液の処理方法は、伝熱管内の蒸気を高温側と低温側との2段階で凝縮する濃縮機では、低温側で得られる蒸留液よりも高温側で得られる蒸留液の量を多くすることが好ましい。
また、本発明に係る有機性廃液の処理方法は、前記濃縮機で発生した蒸気を減圧下で加熱して後工程の濃縮機へ送り込むようにしたことが好ましい。
よって、本発明によれば、濃縮機に供給された処理対象液は蒸発と凝縮を繰り返して連続的に処理される。その際、処理対象液内の沸点の低いアンモニアは、繰り返し蒸発することにより各濃縮機で蒸発しなかった残渣内のアンモニア濃度が低くなり、最後の濃縮機において蒸気が凝縮して得られる浄水のアンモニア濃度を低いものとすることができる。また、前工程の濃縮機から送り込まれた蒸気を後工程の濃縮機で凝縮した蒸留液について、再びその蒸留液を前工程の濃縮機に戻して還流させることにより、効率良く放流可能な浄水を得ることができる。
次に、本発明に係る有機性廃液の処理装置及び処理方法について、その一実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。バイオガスプラントでは、前述したように畜舎から排出される蓄糞尿においてCH4 ,CO2 ,H2S ,H2 などのバイオガスを採取し、本実施形態の有機性廃液処理装置では、そのバイオガスプラントから得られる消化液を固液分離機にかけて固形分と、濾液に分離する。ここで得られる固形分は、バイオガスプラントにおいてメタン菌によって有機物が無機化されているので、そのまま発酵済み堆肥として利用することができる。そして、本実施形態では、特に固形分が除かれた消化液の濾液(以下、このようにして得られた濾液を「原液」という)について肥料成分を減容化し、多くを一般河川へ放流できるようにする
図1は、有機性廃液処理装置の実施形態を概念的に示した図である。そこで先ず、この有機性廃液処理装置1の構造について説明する。
有機性廃液処理装置1は、バイオガスプラントから送られた消化液を一時的に蓄える消化液タンク11を有し、それには所定量の消化液を二次側に送るための定量ポンプ12が接続されている。そして、この定量ポンプ12を介して固液分離機13が接続されている。固液分離機13としては、例えばフィルタープレス、スクリュープレスまたは遠心分離式のデカンタが用いられる。
そして、その固液分離機13には、消化液から分離して排出された固形分を蓄えておくための堆肥タンク14が接続され、更に、消化液から固形分が除かれた原液を予熱するための加熱容器15が接続されている。固液分離機13を用いて固形分を除去した原液を送り出すのは、例えば蓄糞尿を扱うバイオガスプラントからの消化液、藁くずなどの夾雑物が発酵されずに残っているので、それが二次側に接続されている濃縮機などにおいて悪影響を及ぼさないようにするためである。
本実施形態の有機性廃液処理装置1は、連続処理によって原液を浄水とアンモニア水に分離するようにしたものであり、加熱容器15の二次側には供給ポンプ16があって単位時間当たり一定量の原液が連続して送られるようになっている。そして、その供給ポンプ16の先には、原料を蒸発及び凝縮してアンモニアと放流可能な浄水を得るための蒸留部20が構成されている。ここで図2は、本実施形態の有機性廃液処理装置を構成する蒸留部20を示した図である。
本実施形態の蒸留部20は、蒸発缶によって構成された濃縮機21〜24が複数連続的に接続された多重効用缶によって構成されている。具体的には、第1、第2、第3、第4濃縮機21〜24が配置され、それらがパイプによって接続され、各濃縮機が順に第1乃至第4工程を実施するようになっている。
各濃縮機21〜24は、例えば次のような構造をしている。蒸発缶21a,22a,23a,24a内には伝熱管21b,22b,23b,24bが通されており、その蒸発缶21a,22a,23a,24a内に噴霧される原液が伝熱管21b,22b,23b,24bに触れて蒸発するようになっている。そして、その蒸発缶21a,22a,23a,24aには、缶内で蒸発しなかった原液(残渣)が蓄えられる貯留部21c,22c,23c,24cが形成されている。
従って、各濃縮機21〜24は、蒸発缶21a,22a,23a,24a内に供給された原液が伝熱管21b,22b,23b,24bに触れて蒸気となる一方、その伝熱管21b,22b,23b,24bに送り込まれた加熱蒸気は潜熱が奪われて凝縮し、蒸発と凝縮とが同時に行われるよう構成されている。
連続的に接続された4台の濃縮機のうち、最初の第1濃縮機21と最後の第4濃縮機24との間では、最初に供給される原液を蒸発させるための加熱源となる蒸気をつくり出すよう構成されている。すなわち、第1濃縮機21の伝熱管21bと第4濃縮機24の蒸発缶24aが、スチームトラップ25が配管されたドレンライン26と、スチームコンプレッサ27が配管されたスチームライン28とで接続され、第1濃縮機21から第4濃縮機24へはドレン(水)が送られ、逆に第4濃縮機24から第1濃縮機21にはスチーム(水蒸気)が送られるようになっている。
こうした第1濃縮機21と第4濃縮機24、第1濃縮機21では送り込まれた原液を一定の温度で蒸発させる加熱蒸気を得るためのサイクルが行われるようになっている。ただし、運転中は伝熱管21b内には高温のスチームが第4濃縮機24から送り込まれて原液が触れる管表面を高温に保つことができるが、運転開始時にはそれができないので第1濃縮機21に対して系外から一時的に水蒸気Sが送り込まれるようになっている。
第1濃縮機21の蒸発缶21aは図1に示した供給ポンプ16に接続されており、単位時間当たり一定量の原液が連続して送られてくるようになっている。そして、第1濃縮機21で蒸発した原液の蒸気が次の第2蒸発器22で原液を蒸発させるための加熱源となる。同じように第3、第4濃縮機23,24でも前工程の濃縮機で蒸発した原液の蒸気が次工程で原液を蒸発させるための加熱源になっている。従って、4台の濃縮機21〜24は、蒸気の発生する蒸発缶21a,22a,23aと伝熱管22b,23b,24bとが熱供給ライン31,32,33によってそれぞれ接続されている。
第1濃縮機21の伝熱管21bには水が送り込まれているが、第2、第3、第4濃縮機22〜24に送り込まれる原液はアンモニア等を含むものである。本実施形態の有機性廃液処理装置1では、原液の蒸気を凝縮するこの第2、第3、第4濃縮機22〜24を通してアンモニア濃度の高いアンモニア水と、排水基準を満たすようにアンモニア濃度の低い浄水とを得るようにしている。そこで、第2、第3、第4濃縮機22〜24の伝熱管22b,23b,24bは、蒸気を2段階の温度で別々に凝縮するいわゆる分縮を行うように凝縮部が構成されている。これは原液内に含まれているアンモニアの沸点が水の沸点よりも低いため、蒸発して気化したアンモニアが水よりも凝縮し難いことを利用している。
各濃縮機21〜24は内部に数百本の単位で伝熱管21b,22b,23b,24bが設置され、特に第2乃至第4濃縮機22〜24では上下方向に所定の本数に分けたブロックが形成されている。そして、伝熱管22b,23b,24bは、前工程の各濃縮機21〜23からの加熱蒸気が先に送り込まれるブロックよりも、その下流側のブロック側に対し噴霧された原液が接触するようになっている。従って、上流側ブロックよりも下流側ブロックの方が、先に大量の原液が触れてより多くの熱が奪われるため低温側凝縮部が構成され、その低温側凝縮部で一部が蒸発した後の状態の原液が触れる上流側ブロックでは原液の温度が上がっているため高温側凝縮部が構成される。
第2、第3、第4濃縮機22〜24では、こうして伝熱管22b,23b,24bによる分縮器が構成され、低温側凝縮部には、そこで得られた蒸留液を送る低温側ライン35,36,37が、そして高温側凝縮部には、そこで得られた蒸留液を送る高温側ライン39,40,41がそれぞれ接続されている。なお、蒸留液を送る低温側ライン35,36,37及び高温側ライン39,40,41には、ドレンライン26と同様、蒸気が漏れないようそれぞれにスチームトラップ25(図面上の符号は省略)が配管されている。
第2濃縮機22では、その低温側ライン35がアンモニア水を貯留するタンク51に接続され、高温側ライン39は、蒸留液を再び供給ポンプ16からの原液と混合して第1濃縮機21へ戻すようにするため還流ライン42に接続されている。また、第3濃縮機23では、低温側ライン36が、蒸留液を第1濃縮機21へ戻すようにするため還流ライン42に接続され、一方の高温側ライン40は、蒸留液を第2濃縮機22へ戻すようにするため還流ライン43に接続されている。そして、第4濃縮機24では、低温側ライン37が蒸留液を第2濃縮機22へ戻すようにするため還流ライン43に接続され、高温側ライン41は排水可能な浄水を貯留するタンク53に接続されている。
ところで、この蒸留部20では第1、第2、第3濃縮機21〜23の蒸発缶21a,22a,23aに対し原液が順に供給され、3段階で蒸発が繰り返されるようになっている。そして、各段階で蒸発しなかった残渣は、第1濃縮機21から第2濃縮機22へ、そして第2濃縮機から第3濃縮機23と送り込まれ、最終的に残ったものがタンク52に貯留されるようになっている。そこで、各濃縮機21〜23の間では、貯留部21cと蒸発缶22aとが液ライン45で接続され、貯留部22cと蒸発缶23aとが液ライン46で接続され、更に貯留部23cには液ライン47を介してタンク52が接続されている。
ここで図3は、蒸留部20の各処理工程における流量割合などを示した図である。本実施形態では、濃縮機を連続して接続したいわゆる多重効用缶を構成しているが、前述したように第1、第2濃縮機21,22に蒸留液を戻して還流させ、共に流量(180)の原液が供給されるようになっている。そして定常運転時の各濃縮機21〜24では、前工程の濃縮機(第1濃縮機21においては第4濃縮機24)で得られた蒸気が原液や水を蒸発させるための加熱源となるため、系外から熱を供給することなく連続的に運転を継続させるには各濃縮機21〜24での蒸発量を揃える必要がある。
本実施形態では、図3に示すように、熱供給ライン31,32,33(図2参照)に流れる蒸気の流量が(80)に揃うようになっている。そして、各工程において原液が所定流量(80)だけ蒸発するように、各濃縮機21〜24で発生した蒸気を減圧下で加熱して次工程へ送るようにしている。
例えば、第1濃縮機21と第4濃縮機24との間を循環する水は、第4濃縮機24から得られた水蒸気は常圧で100℃であるが、スチームコンプレッサ27の吐出側スチームライン28内が0.55MPaに昇圧され水蒸気の温度が160℃に加熱されているようになっている。そして、第1濃縮機21で得られた原液の蒸気は、熱供給ライン31内が0.35MPaまで減圧されて145℃に加熱されるようになっている。同じように、第2濃縮機22で得られた原液の蒸気は、熱供給ライン32内が0.18MPaまで減圧されて130℃に加熱され、更に第3濃縮機23で得られた原液の蒸気は、熱供給ライン33内が0.08MPaまで減圧されて115℃に加熱されるようになっている。なお、図2及び図3には図示していないが、蒸気や原液などの液体を次工程へ送るためのポンプが適所に備えられ、次に説明する各流体の流れをつくっている。
次に、有機性廃液処理方法の一実施形態を有機性廃液処理装置1の運転によって行われる処理の流れに従って説明する。
図1に示す有機性廃液処理装置1では、バイオガスプラントから送られた消化液消化液タンク11に一時的に蓄えられ、定量ポンプ12によって所定量の消化液が固液分離機13に送り込まれる。固液分離機13では、遠心分離によって固形分が取り除かれた原液が加熱容器15へ送られ、藁くずなどの固形分は堆肥タンク14に入れられる。こうして堆肥タンク14に送られた固形分は、無機態の窒素、リン、カリを含んだ発酵済みの堆肥として利用される。加熱容器15では、原液が撹拌されながらヒータによって暖められて予熱処理が施される。そして、供給ポンプ16によって単位時間当たりに一定量の原液が図2に示す蒸留部20へと供給される。以下、図2及び図3を参照して説明する。
本実施形態では、例えば供給ポンプ16から第1濃縮機21へ単位時間当たりに流量(100)の原液aが供給される。そして、定常運転時には第2濃縮機22から流量(70)の蒸留液(還流液)bが、更に第3濃縮機23からは流量(10)蒸留液(還流液)cが原液aに加えられ、合計流量(180)の原液dが処理対象液として第1濃縮機21へと供給される。ここで原液aに還流液b,cが混合した混合液を「第1処理液d」とする。
運転開始時には第1濃縮機21に対して系外から一時的に伝熱管21bへ水蒸気Sが送り込まれる。そこで、第1濃縮機21の蒸発缶21a内に噴霧された第1処理液dが伝熱管21bに触れて一部が蒸発し、蒸発しなかった残渣が貯留部21cに蓄えられる。伝熱管21bへの水蒸気Sは第1処理液dの蒸発によって潜熱が奪われて凝縮して水となり、ドレンライン26を通って第4濃縮機24の蒸発缶24a内に供給される。そして第4濃縮機24では、伝熱管24bに触れて再び水蒸気になり、スチームコンプレッサ27によりスチームライン28を介して接続された第1濃縮機21の伝熱管21bへと送り込まれる。定常運転時には、第1濃縮機21での凝縮と第4濃縮機24での蒸発とが繰り返えされ系外からの熱供給は必要なく、スチームコンプレッサ27の動力だけで運転が継続されることとなる。
一方、第1濃縮機21で得られた第1処理液dの蒸気eは、次工程の第2濃縮機22における加熱源として伝熱管22bへ送り込まれ、残渣fは第2濃縮機22での処理対象液として蒸発缶22a内に供給される。このとき第1濃縮機21では、供給された流量(180)の第1処理液dのうち流量(80)が蒸気eとなり、残る流量(100)が残渣fとなる。そして、第2濃縮機22蒸発缶22aには、第1濃縮機21からの残渣fの他、第3濃縮機23から流量(70)の蒸留液(還流液)gと、第4濃縮機23から流量(10)の蒸留液(還流液)hとが加えられ、合計流量(180)の第2処理液iが処理対象液として供給される。
従って、第2濃縮機22では、蒸発缶22a内に供給された第2処理液iが、蒸気eが送り込まれた伝熱管22bに触れて一部が蒸発し、蒸発しなかった残渣が貯留部22cに蓄えられる。このとき、第2濃縮機22でも、供給された流量(180)の第2処理液iのうち流量(80)が蒸気jとなり、残る流量(100)が残渣kとなる。従って、第3濃縮機23蒸発缶23aには、第2濃縮機22からの残渣kが処理対象液として供給される。その第3濃縮機23では、蒸発缶23a内に供給された残渣kが、蒸気jが送り込まれた伝熱管23bに触れて蒸発する。第3濃縮機23では、供給された流量(100)の第2処理液iのうち流量(80)が蒸気lとなり、流量(20)が残渣mとなる。そして、蒸気lは第4濃縮機24の伝熱管24bに送り込まれ、前述したように第1濃縮機21からドレンライン26を通って循環する水が伝熱管24bに触れて再び水蒸気になる。
一方、加熱蒸気として第2、第3、第4濃縮機22,23,24へ送り込まれた蒸気e,j,lは、それぞれ2段階の温度で別々に凝縮する分縮が行われる。すなわち、伝熱管内の加熱蒸気は、蒸発缶内に噴霧された処理液や残渣が伝熱管に触れることによって潜熱を奪われて凝縮するが、先ず高温側凝縮部では処理対象液の温度が上がっているため、沸点より僅かに低い温度で加熱蒸気が凝縮する。そして、高温側凝縮部で凝縮しなかった加熱蒸気は更に低温側凝縮部に送られ、そこで完全に凝縮することになる。こうして各濃縮機22,23,24からは高温側凝縮部と低温側濃縮部との2段階で凝縮したそれぞれの蒸留液が取り出される。
そこで、第2濃縮機22では、アンモニア高濃度の蒸気eが先ず高温側凝縮部に送り込まれると、そこでは沸点が高い水分が先に凝縮し、その蒸留液が還流液bとして第1濃縮機21へ戻される。そして、高温側凝縮部を通過した蒸気は、低温側凝縮部に送り込まれて凝縮し、その蒸留液がアンモニア水nとなってタンク51へと蓄えられることになる。第2濃縮機22では、還流量を多くするように設定されているため、供給された蒸気eは、流量(80)のうち流量(70)が高温側凝縮部で還流液bとなるように凝縮され、流量(10)のアンモニア水nが低温側凝縮部で凝縮される。このとき、還流液bのアンモニア濃度は、1157mg/kgと低く、逆にアンモニア水gは11879mg/kgと高濃度である。
次に、第1濃縮機21では沸点の低いアンモニア成分は多くが蒸発し、残渣fはアンモニア濃度がより低くなっており、その残渣fと後述するようにアンモニア濃度の低い蒸留液g,hを加えた第2処理液iが第2濃縮機22で蒸発し、蒸気jとなって第3濃縮機23の伝熱管23bへと送り込まれる。この第3濃縮機23でも高温側凝縮部に送り込まれた蒸気jは沸点が高い水分が先に凝縮し、その蒸留液が還流液gとして第2濃縮機22側へ戻される。そして、高温側凝縮部を通過した蒸気は、低温側凝縮部に送り込まれて凝縮し、その蒸留液が還流cとなって第1濃縮機21側へ戻される。ここでは、各工程の流量調整のため、供給された蒸気jは、流量(80)のうち流量(70)が高温側凝縮部で還流液gとなるように凝縮され、流量(10)が低温側凝縮部で凝縮され還流液cとなる。このとき、高温部側の還流液gのアンモニア濃度は、175mg/kgと低く、低温部側の還流液cも元の蒸気jのアンモニア濃度が低いため1800mg/kgに抑えられている。
そして、第2濃縮機22で沸点の低いアンモニア成分の多くが蒸発しているため、更に残渣kはアンモニア濃度が低くなっており、それが第3濃縮機23で蒸発し、蒸気lとなって第4濃縮機24の伝熱管24bへと送り込まれる。この第4濃縮機24でも先ず高温側凝縮部に送り込まれた蒸気lは沸点が高い水分が先に凝縮し、その蒸留液が浄水oとしてタンク53へと蓄えられ、高温側凝縮部を通過した蒸気は低温側凝縮部に送り込まれて凝縮し、その蒸留液が還流hとなって第1濃縮機21側へ戻される。ここでは、放流水を多くとるため、供給された流量(80)の蒸気lから流量(70)が浄水oとなるべく高温側凝縮部で凝縮され、残る流量(10)が低温側凝縮部で凝縮して還流液hとなる。こうして得られる高温部側の浄水oのアンモニア濃度は17mg/kgであり、低温部側の還流液hも元の蒸気lのアンモニア濃度が低いため170mg/kgに抑えられている。
よって、以上に説明した本実施形態では、供給ポンプ16から送り出される原液aは連続的に処理され、単位時間当たりに供給される流量(100)の原液aのうち、流量(70)が放流水となる浄水oとしてタンク53に採取され、流量(10)がアンモニア水nとしてタンク51に採取され、更には流量(20)の残渣mがタンク52に取り出される。
そして、本実施形態の有機性廃液処理装置1では、第1乃至第4濃縮機21〜24を接続した多重効用缶を構成し、運転開始時には第1濃縮機21に対して系外から一時的にエネルギが供給されるが、その後は各工程で生じる蒸気によって運転を継続できるようにしたためランニングコストを低減させることが可能になる。
更に、第1濃縮機21及び第2濃縮機22までの2工程で原液を蒸発させているため残渣kのアンモニア成分を低くし、更に3工程目の第3濃縮機23では、その残渣kを蒸発した蒸気lから4工程目の第4濃縮機24で浄水oを得ているため、排水基準を超えてアンモニア濃度を大幅に下げることができる。
また、第2乃至第4濃縮機22〜24では蒸気を高温側と低温側とで凝縮する分縮を行い、アンモニア濃度の低い還流液b,cや還流液g,hをそれぞれ第1濃縮機21や第2濃縮機22へ戻しているため、供給される原液の70%を放流水として効率良く取り出すことができる。
ところで、第2、第4濃縮機22,24において凝縮して取り出されたアンモニア水nや浄水o、更に第3濃縮機23において取り出された残渣mは熱をもっている。一方、本実施形態の有機性廃液処理装置1では、蒸留部20へ原液を送り込む加熱容器15内において原液が撹拌されながらヒータによって暖められて予熱処理が施されている。そこで、取り出された各液n,o,mの熱を原液を予熱するための加熱源に利用することによって更にエネルギコストを抑えることができる。
以上、本発明に係る有機性廃液の処理装置及び処理方法について一実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
前記実施形態では、図3で示したような流量割合で運転しているが、これは一例であってこの他の流量で設定するものであってもよい。
有機性廃液処理装置の一実施形態を概念的に示した図である。 実施形態の有機性廃液処理装置を構成する蒸留部を概念的に示した図である。 図2に示した蒸留部を示した図であって、特に各処理工程における流量割合などを数値で示したものである。 従来の有機性廃液処理装置の概略構成を示した図である。
符号の説明
1 有機性廃液処理装置
11 消化液タンク
12 定量ポンプ
13 固液分離機
14 堆肥タンク
15 加熱容器
16 供給ポンプ
20 蒸留部
21 第1濃縮機
22 第2濃縮機
23 第3濃縮機
24 第4濃縮機
21a,22a,23a,24a 蒸発缶
21b,22b,23b,24b 伝熱管
21c,22c,23c,24c 貯留部
25 スチームトラップ
27 スチームコンプレッサ
51,52,53 タンク

Claims (10)

  1. 有機性廃液やその有機性廃液に対して一定処理を施したアンモニアを含む処理対象液について、その処理対象液を蒸発させた蒸気を凝縮してアンモニア濃度の低い浄水と高濃度のアンモニア水とを分離して取り出すようにした有機性廃液の処理装置において、
    蒸発缶内に供給された処理対象液が加熱蒸気の送り込まれた伝熱管に触れて蒸発し、その伝熱管に送り込まれた加熱蒸気が潜熱を奪われ凝縮して蒸留液となるようにした濃縮機を複数連続的に接続し、各濃縮機における蒸発と凝縮とが多工程で実行される多重効用缶が構成され、
    前工程の濃縮機と後工程の濃縮機とは、前工程の濃縮機で発生した処理対象液の蒸気が後工程の濃縮機の蒸発缶内に供給された処理対象液を蒸発させる加熱源として伝熱管に送り込まれ、前工程の濃縮機で蒸発しなかった処理対象液の残渣が後工程の濃縮機に処理対象液として供給されるよう接続され、
    処理対象液の蒸気が送り込まれる濃縮機は、蒸気が高温側と低温側との2段階で凝縮するものであり、第1の濃縮機で蒸発した蒸気を凝縮させる第2の濃縮機で得られた低温側の蒸留液をアンモニア水として採取し、最後の濃縮機で凝縮した高温側の蒸留液を浄水として採取し、その他の箇所で凝縮した蒸留液を前工程の濃縮機に戻すように接続されたものであることを特徴とする有機性廃液の処理装置。
  2. 請求項1に記載する有機性廃液の処理装置において、
    前記複数の濃縮機のうち、第1の濃縮機と最後の濃縮機とは、最後の濃縮機で蒸発した水蒸気が第1の濃縮機の伝熱管に送り込まれ、第1の濃縮機の伝熱管で凝縮した水が最後の濃縮機の蒸発缶に供給されるように接続され、水が蒸発と凝縮とを繰り返すようにコンプレッサを設けて循環するようにしたものであることを特徴とする有機性廃液の処理装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する有機性廃液の処理装置において、
    第1から第4の4台の濃縮機を有し、第2濃縮機は、高温側で凝縮した蒸留液が第1濃縮機に戻るように接続され、第3濃縮機は、高温側で凝縮した蒸留液が第2濃縮機に、低温側で凝縮した蒸留液が第1濃縮機に戻るように接続され、第4濃縮機は、低温側で凝縮した蒸留液が第2濃縮機に戻るように接続されたものであることを特徴とする有機性廃液の処理装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載する有機性廃液の処理装置において、
    伝熱管内の蒸気を高温側と低温側との2段階で凝縮する濃縮機では、低温側で得られる蒸留液よりも高温側で得られる蒸留液の量が多くなるようにしたものであることを特徴とする有機性廃液の処理装置。
  5. 請求項2乃至請求項4のいずれかに記載する有機性廃液の処理装置において、
    前記濃縮機で発生した蒸気を減圧下で加熱して後工程の濃縮機へ送り込むようにしたものであることを特徴とする有機性廃液の処理装置。
  6. 有機性廃液やその有機性廃液に対して一定処理を施したアンモニアを含む処理対象液について、その処理対象液を蒸発させた蒸気を凝縮してアンモニア濃度の低い浄水と高濃度のアンモニア水とを分離して取り出すようにした有機性廃液の処理方法において、
    蒸発缶内に供給された処理対象液を加熱蒸気を送り込んだ伝熱管によって蒸発させ、その伝熱管に送り込んだ加熱蒸気が潜熱を奪われ凝縮して蒸留液となるようにした濃縮機を複数連続的に接続して各濃縮機において蒸発と凝縮とを多工程で行うものであり、
    前工程の濃縮機で発生した処理対象液の蒸気が後工程の濃縮機の蒸発缶内に供給された処理対象液を蒸発させる加熱源として伝熱管に送り込み、前工程の濃縮機で蒸発しなかった処理対象液の残渣を後工程の濃縮機に処理対象液として供給し、
    処理対象液の蒸気が送り込まれる濃縮機では、蒸気を高温側と低温側との2段階で凝縮し、第1の濃縮機で蒸発した蒸気を凝縮させる第2の濃縮機で得られた低温側の蒸留液をアンモニア水として採取し、最後の濃縮機で凝縮した高温側の蒸留液を浄水として採取し、その他の箇所で凝縮した蒸留液を前工程の濃縮機に戻すように還流させることを特徴とする有機性廃液の処理方法。
  7. 請求項6に記載する有機性廃液の処理方法において、
    前記複数の濃縮機のうち、最後の濃縮機で蒸発した水蒸気を第1の濃縮機の伝熱管に送り込み、第1の濃縮機の伝熱管で凝縮した水を最後の濃縮機の蒸発缶に供給し、第1の濃縮機と最後の濃縮機との間で水が蒸発と凝縮とを繰り返すように循環させることを特徴とする有機性廃液の処理方法。
  8. 請求項5又は請求項6に記載する有機性廃液の処理方法において、
    前記濃縮機を4台接続し、第2濃縮機の高温側で凝縮した蒸留液を第1濃縮機に戻し、第3濃縮機の高温側で凝縮した蒸留液を第2濃縮機に、低温側で凝縮した蒸留液を第1濃縮機に戻し、第4濃縮機の低温側で凝縮した蒸留液を第2濃縮機に戻すように還流させたことを特徴とする有機性廃液の処理方法。
  9. 請求項6乃至請求項8のいずれかに記載する有機性廃液の処理方法において、
    伝熱管内の蒸気を高温側と低温側との2段階で凝縮する濃縮機では、低温側で得られる蒸留液よりも高温側で得られる蒸留液の量を多くすることを特徴とする有機性廃液の処理方法。
  10. 請求項6乃至請求項9のいずれかに記載する有機性廃液の処理方法において、
    前記濃縮機で発生した蒸気を減圧下で加熱して後工程の濃縮機へ送り込むようにしたことを特徴とする有機性廃液の処理方法。
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