JP3703327B2 - インク容器の蓋固着方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク吸収体を用いたインク容器の蓋固着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクをインクジェット記録ヘッドより吐出させ、被記録媒体に記録を行うインクジェットカートリッジにおいては、良好な印字を得るためにインクジェット記録ヘッドのインク供給圧を負圧にする必要がある。この制御手段としてもっともよく利用されるのが、インクジェットカートリッジのインク容器内に発泡ウレタン等の多孔質体を挿入しておくことである。
【0003】
前記インク容器内の多孔質体のメニスカス力によりインク容器内のインクは負圧を持ち、インクジェット記録ヘッドに供給されることになるのである。前記発泡ウレタンはインクジェット記録ヘッドに適正な負圧を与えるため、インク容器内に挿入される場合、インク吸収体は直方体の原体を、1/3〜1/4程度に圧縮して使用するのが一般的である。
【0004】
この圧縮方法としては、『ウレタンフォームの圧縮充填方法』(特開平5−463)に見られるように、枠体及び枠体内を摺動可能な壁(シリンダ)を持った圧縮装置により、原体を適当な倍率にまで圧縮し、前記圧縮のための摺動可能な壁をガイドとして使用して挿入していく方法が取られる。
【0005】
このときインク吸収体はインク容器のインク吸収体挿入のための上部開放部よりも深い部分まで挿入される。これはインク吸収体挿入後、インク容器を密閉するための蓋を超音波等で溶着するときに、インク吸収体の蓋への噛み込みを防止するためである。
【0006】
しかし、近年、プリンタの小型化に伴いインクジェットカートリッジもかなり小型化してきている。このように小型化したインクジェットカートリッジに使用されるインク容器のうち、特にインク吸収体挿入方向の長さが短いインク容器においては、インク吸収体を多少深くまで挿入したとしても、そのままの状態で放置しておくと、図4に示すように、圧縮されたインク吸収体112の反力により、短時間のうちにインク吸収体112はインク容器111の開口部の上にまではみ出してしまう傾向にある。これは、インク吸収体112とインク容器111とが接する部分を余計に押し込むことをしても、インク吸収体112がインク容器111の開口部の上にはみ出るまでの時間が長くなるだけである。
【0007】
このようにインク吸収体112がインク容器111からはみ出してしまうと、インク容器111の密閉のための溶着時に、インク容器111と図示しない蓋との溶着時に、インク容器111と蓋との溶着部へインク吸収体112の噛み込みが発生したり、あまりにもインク吸収体112のはみ出し量が多い場合には、インク容器111への蓋の溶着が不可能となる場合さえ発生する等の問題があった。
【0008】
これらの問題を解決するための手段として、従来、『インク容器の製造方法』(特開平8−58106)が知られている。
この『インク容器の製造方法』(特開平8−58106)では、インク吸収体をインク容器に挿入する装置の押し込み部に突起を設け、インク吸収体とインク容器とが接触する部分を余計に押し込むことによって、インク吸収体がその反発力により盛り上がって蓋を持ち上げインク容器よりはみ出すのを防ぎ、インク吸収体の蓋への噛み込みを防止するようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5に示すように、インク容器111にインク吸収体112を押し込んだ状態で長い時間放置すれば、やはり反発力によって盛り上がってきて、蓋113が溶着出来なくなる。また、インク容器111の壁面の付近はインク吸収体112の盛り上がりもなく、蓋113への噛み込みは発生しない場合でも、やはりその反発力によってインク容器111の中央部付近はインク吸収体112が盛り上がり、蓋113の装着を妨げるといった不具合があった。
【0010】
さらに、インク容器111に蓋113を溶着するときに、インク吸収体112の盛り上がりによって蓋113が装着できない不具合を防ぐために、溶着装置の治具部にインク容器111と蓋113をセットした後、上側からインク容器111共々蓋113を押さえつけるという方法もあるが、この場合、蓋113に押さえつけるための場所を用意する必要があり、その結果、インクカートリッジそのものが大きくなってしまうといった不具合がある。
【0011】
本発明は以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化したインク容器においても、圧縮されたインク吸収体をインク容器内に挿入した後、インク吸収体が蓋を持ち上げたりすることなく、インク容器と蓋の固着が確実に行われるようなインク容器の蓋固着方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、上面が解放されたインク容器内にインク吸収体を挿入し、次いで解放面を蓋で覆い固着するインク容器の製造方法において、前記インク容器に蓋を被せた状態で、前記インク容器に設けられた穴より該インク容器内部の空気を吸引し、吸引により発生した負圧によって蓋を保持した後、前記蓋を固着することを特徴としたインク容器の蓋固着方法である。この構成では、小型化したインク容器においても、圧縮されたインク吸収体をインク容器内に挿入した後、インク吸収体が蓋を持ち上げたりすることがない。
【0013】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のインク容器の蓋固着方法において、前記インク容器の開放面を覆う蓋を溶着することによって固着することを特徴とするインク容器の蓋固着方法である。この構成では、接着剤などの溶剤が不要なので、溶剤による悪影響、例えば、作業者が吸引する虞があり、作業者のための環境に優れるという利点がある。また、接着剤塗布後の接着剤のはみ出し等の問題がない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示すインクカートリッジの分解斜視図である。
図1に示すように、このインクカートリッジは、底部にインク供給口4が形成されたインク容器1と、インク容器1内に挿入されるインク吸収体2と、インク容器1の上面開口部を密閉する蓋3とを備えている。
【0015】
前記インク容器1は、上面が開放された内部空間を有する直方体状に形成されている。
前記インク吸収体2は、インクを保持し、適度な負圧を発生させるものであり、例えば発泡樹脂、発泡ポリウレタンの多孔質体等から構成されている。
前記蓋3は、インク吸収体2をインク容器1内に挿入後、インク容器1の開放面を塞ぐためのものである。なお、3aは必要に応じて大気と連通可能な空気取り入れ口であり、溶着が終わるまでは密閉されている。
前記インク供給口4は、インク容器1内に貯えられたインクを図示しないインクジェットヘッドに供給するためのものである。
【0016】
図2は、インク容器に蓋を溶着するために用いられる溶着装置の一構成例の概略を示した図である。
図2に示すように、この溶着装置は、装置架台11上に取り付けられた超音波溶着機12と、超音波溶着機12の先端に取り付けられ、超音波溶着機12で発振された超音波振動を増幅して蓋3に伝えるためのホーン13と、装置架台11上のホーン13の真下となる位置に取り付けられ、インク吸収体2が挿入されたインク容器1をセットするための治具14と、治具14上にインク容器1がセットされたときにインク容器1のインク供給口4と密着する位置に配置されている吸引用の穴15と、吸引用の穴15に一端が接続されているホース、チューブ等の内空な管16と、管16の他端に接続され、真空ポンプなどの負圧を発生させる負圧発生装置17とを備えて構成されている。
【0017】
装置架台11上に超音波溶着機12が載せられており、その先端に超音波溶着機12で発振された超音波振動を増幅して蓋3に伝えるためのホーン13が取り付けられている。さらに、架台上のホーン13の真下となる位置に、インク吸収体2を挿入されたインク容器1をセットするための治具14が載せられていて、インク容器1がセットされたときにインク供給口4と密着する位置に吸引用の穴15が設けられている。吸引用の穴15にはホース、チューブ等の内空な管16の一端が接続されており、管16の他端は、真空ポンプなどの負圧を発生させる負圧発生装置17に接続されている。
【0018】
このような溶着装置を用いてインク容器1の蓋を溶着するには、先ず、図3(A)に示すように、インク吸収体2が挿入されたインク容器1の開放面に、蓋3を被せた状態で治具14にセットする。そのまま放置すると、図3(B)に示すように、インク吸収体2の反発力によって、インク吸収体2自身が盛り上がり、蓋3を持ち上げてしまい位置がずれたりして溶着が不可能な状態になってしまう。
【0019】
そこで、次に、図3(C)に示すように、インク容器1に蓋3を被せた状態で治具14にセットしたとき、負圧発生装置17を運転すると、負圧発生装置17に接続されている内空な管16を通して、インク容器1内の空気が吸引されるため、インク容器1内が負圧の状態となり、大気圧との圧力差によって蓋3が押さえつけられる。このとき、インク容器1内の圧力と大気圧との差によって発生する蓋3を押さえる力を、インク吸収体2が自身の反発力によって蓋3を持ち上げようとする力よりも大きくなるように、インク容器1内の圧力を調整する。これにより、蓋3の溶着時に、インク吸収体2によって蓋3が持ち上がることがない。
その後に、超音波溶着機12のホーン13を蓋3上にセットし、超音波溶着機12を作動させることにより、良好な溶着を行うことができる。このように
【0020】
以上の実施形態のインク容器の蓋固着方法によれば、インク容器1内にインク吸収体2を挿入し蓋3を被せた状態、即ち固着前の状態で長時間放置しても上述した圧力差により蓋3をインク容器1の開放面に密着させた状態を保持することができ、確実且つ容易に蓋を固着することができる。
【0021】
さらに、インク容器1に被せる蓋3に蓋3を押さえつけるための場所を用意したり蓋3の強度を上げる必要がないので、小型化が可能である。
【0022】
したがって、小型化したインク容器1においても、圧縮されたインク吸収体2をインク容器1内に挿入した後、インク吸収体2が蓋を持ち上げたりすることなく、インク容器1と蓋3との固着が確実に行われるようなインク容器1の蓋固着方法を提供することができる。
【0023】
以上の実施形態では、インク容器に蓋を超音波溶着する場合について説明したが、本発明は超音波以外の熱溶着等にも適用することができる。また、本発明は溶着以外にも接着等の固着にも適用することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0024】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明のインク容器の蓋固着方法によれば、上面が解放されたインク容器内にインク吸収体を挿入し、次いで解放面を蓋で覆い固着するインク容器の製造方法において、前記インク容器に蓋を被せた状態で、前記インク容器に設けられた穴より該インク容器内部の空気を吸引し、吸引により発生した負圧によって蓋を保持した後、前記蓋を固着するので、小型化したインク容器においても、圧縮されたインク吸収体をインク容器内に挿入した後、インク吸収体が蓋を持ち上げたりすることなく、インク容器と蓋の固着が確実に行われるようなインク容器の蓋固着方法を提供することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すインクカートリッジの分解斜視図である。
【図2】インク容器に蓋を溶着するために用いられる溶着装置の一構成例の概略を示した図である。
【図3】図2の溶着装置を用いてインク容器の蓋を溶着する方法を示す図であり、(A)はインク吸収体をインク容器内に挿入して蓋を被せた直後を示し、(B)は負圧発生装置を作動させずに放置した後を示し、(C)は負圧発生装置を作動させて放置した後を示す。
【図4】従来例におけるインク容器内へのインク吸収体の挿入状態を示す断面図である。
【図5】従来例における蓋の挙動を示す図である。
【符号の説明】
1 インク容器
2 インク吸収体
3 蓋
4 穴
Claims (2)
- 上面が解放されたインク容器内にインク吸収体を挿入し、次いで解放面を蓋で覆い固着するインク容器の製造方法において、前記インク容器に蓋を被せた状態で、前記インク容器に設けられた穴より該インク容器内部の空気を吸引し、吸引により発生した負圧によって蓋を保持した後、前記蓋を固着することを特徴としたインク容器の蓋固着方法。
- 前記インク容器の開放面を覆う蓋を溶着することによって固着することを特徴とする請求項1に記載のインク容器の蓋固着方法。
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