JP3703238B2 - ウオーム軸 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボデーに取り付けられたカム軸にウオームホイルとそのウオームホイルに噛み合うウオームギヤとが設けられ、そのウオームギヤはウオーム軸の外周に設けられたボール溝とボール溝と係合するボールとで回り止めされているスラックアジャスタに関する。より詳細には、本発明はスラックアジャスタで用いられるウオーム軸の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
車輌のドラムタイプのエアブレーキにおいて、例えば図3に示すように、ホイル側のブレーキチャンバ20とブレーキシュー22を作動するブレーキカム21とを連結しブレーキを作動させると共に、図示しないブレーキドラムとブレーキシュー22との隙間を調整するブレーキ調整が、ブレーキカム21によりブレーキシュー22をアンカーピン23の周りに回動させて行われるスラックアジャスタ1は知られている。
【0003】
そして、この隙間調整は図4、図5を参照して、スラックアジャスタ1のボデー2とブレーキカム21が取り付けられているカム軸3との相対位置を移動することにより行われている。即ち、ボデー2に回転自在に設けられたカム軸3にはウオームホイル4が噛み合い、そのウオームホイル4にはボデー2に回転自在に支持されたウオーム軸6に圧入されたウオームギヤ5が噛み合っている。
【0004】
また、ウオーム軸6の端部にはボール溝11(又は凹部)が設けられ、スプリング8でウオーム軸6の方向に付勢されたボール7とボール溝11とが係合して、ウオーム軸6が回り止めされている。そして、ウオーム軸6をボール7に抗して回転することでウオームギヤ5、ウオームホイル4を介してブレーキカム21を回動してブレーキシュー22を半径方向外方或は内方に移動させて隙間を調整している。
【0005】
また、前記ボール7と係合しているボール溝11(或は凹部)の断面形状は、図6を参照して、ボール7がV字状の底部B(例えば交角120度)に接しないで、側部Aに接することによりカム軸6が完全にロックされるよう構成されている。
【0006】
さらに、ボデー2の両側にはカバー10、10がリベット10aにより取り付けられてボデー2の内部を保護している。ここで符号9はめくら蓋、12はグリスニップルをそれぞれ示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の技術においては、カバーがリベット等で固定されているが、ガスケットを介してカバーが取り付けられていても、スラックアジャスタの取付位置がタイヤに近く、水溜り等を走行した場合にはガスケットがあっても水の侵入することがあり、長期使用によってウオーム軸とボデー間で錆が発生して固着することがあり、ブレーキ調整ができないという不具合が発生する。
【0008】
本発明はこの様な従来技術の問題点に鑑みて提案されたもので、多少の水がボデー内に侵入しても、ウオーム軸等の錆固着が発生せず、構造が簡単なスラックアジャスタの錆固着防止技術として利用出来る様なウオーム軸の提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ボデー(2)に取付けられたカム軸(3)にウオームホイル(4)と、そのウオームホイル(4)に噛み合うウオームギヤ(5)とが設けられ、そのウオームギヤ(5)はウオーム軸(6)の外周に設けられた複数のボール溝(11)とそのボール溝(11)と係合するボール(7)とで回り止めされており、ウオーム軸(6)をボール(7)に抗して回転することでウオームギヤ(5)とウオームホイル(4)とを介してブレーキカム(21)を回動させブレーキシュー(22)を半径方向外方或いは内方に移動させ隙間を調整するスラックアジャスタ(1)で用いられるウオーム軸(6)において、前記ボール溝(11)の断面形状は交差角(α)が従来の120度より大きい鈍角をなすV字状に形成された底部(11b、11b)と、それらの底部(11b、11b)と連なり互いに鋭角をなすように形成された側壁(11a、11a)とを有し、ボール(7)がそのV字状の底部(11b、11b)に接して位置決めされたときにボール(7)と側壁(11a)とは隙間(g)を有している。
【0010】
この様に構成された本発明のウオーム軸によってスラックアジャスタを構成すれば、ボール溝の側壁とボールとの間に形成された僅かな隙間のため、ウオーム軸はブレーキの作動等により常に僅かに回動していることとなる。従って、たとえボデー内部に水が入ったとしても、錆によって当該ウオーム軸が固着してしまう(錆固着が生じる)ことがない。そして、ウオーム軸の錆固着が防止されることに伴い、本発明を用いたスラックアジャスタを備えたエアブレーキでは、ブレーキ調整に支障を来すことがない。
【0012】
なお、発明者等は種々の研究の結果、本発明の実施に際して、V字状に構成されたボール溝の底部が構成する比較的大きな鈍角を140度とし、ボール溝の相対する前記側壁を延長して構成される交差角度を60度として、ボール溝の側壁とボールとの前記隙間を0.2mmとするのが非常に好適である旨を見出している。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
図において、従来技術と同じ機能を有する部材には同じ符号を付して、詳細な重複説明は省略する。
【0015】
図1は本発明にかかるスラックアジャスタの錆固着防止装置の一実施の形態を示すウオーム軸の複数(図示の例は6個)のボール溝11の断面を示している。図において、それぞれのボール溝11は底部11bが大きな鈍角(例えば140度)を有しボール7がそれぞれの面に接する2つの平面とそれらの平面に連なる溝の側壁11a、11aとで形成されている。
【0016】
そして、それらの側壁11aは互いに鋭角(例えば60度)をなすよう形成され、ボール7が底部11b、11bに接した状態で側壁11aとボール7とは僅かの隙間g(例えば0.2m/m)を有するよう構成されている。
【0017】
なお、ボール溝11は同じ断面形状を有する凹部であっても支障がない。
【0018】
以下、作用について説明する。
【0019】
ウオーム軸3はボール7が大きな鈍角を有するV字状の底部11b、11bに接して位置決めされているが、ボール7と側壁11aとは僅かの隙間gを有しているので、例えばブレーキ作動等によりカム軸3、ウオームホイル4を介して大きな力がウオームギヤ5に掛かると、ウオーム軸6と共にボール7と側壁11aとの隙間g分だけ僅かに回動できる。したがって、ウオーム軸6は常に僅かだけ動いていることになり、ボデー内に水が侵入することがあっても錆固着することがない。
【0020】
図2は、本発明に係るウオーム軸の横断面形状、特にボール溝の形状を特定するために、その一例を示している。
【0021】
図2で示す例では、ボール7の直径7−φは8mmであり、側壁11aとボール7との僅かな隙間gは0.2mmとなっている。そして、ボール溝11の底部11b、11bが構成する交差角(大きな鈍角)αは140度となっており、図2の垂直線Vと底部11bとが形成する角度α/2は70度となっている。
【0022】
ここで、図2における符合11−Cは底部11b、11bの交差する箇所を示し、符合Oはウオーム軸(の横断面)の中心を示している。
【0023】
また、ボール溝11の側壁11a、11a(の延長線)が構成する交差角βは60度であり、一方の側壁11a(の延長線)と垂直線Vが形成する角度β/2は30度である。
【0024】
これに対して、図7では、図1、2の実施形態と同様、直径8mmのボールと組み合わせて用いられる従来のウオーム軸の横断面形状が示されている。図7で示す従来のウオーム軸6は、図2の角度αに相当する角度が120度となっており、角度α/2に相当する角度が60度、図2の角度βに相当する角度が60度、角度β/2に相当する角度が30度、となっている。
【0025】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されており、ボール溝の側壁とボールとの間に形成された僅かな隙間のため、ウオーム軸はブレーキの作動等により常に僅かに回動している。そのため、たとえボデー内部に水が入っても錆固着することがない。その結果、ブレーキ調整に支障を来すことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すウオーム軸の溝部断面図。
【図2】本発明の一実施例の形状を詳細に特定する正面図。
【図3】従来のエアブレーキを示す側面図。
【図4】従来のスラックアジャスタの例を示す部分断面正面図。
【図5】従来のスラックアジャスタの例を示す側面図。
【図6】従来のウオーム軸の溝部の断面を示す図。
【図7】従来のウオーム軸溝部の一例の形状を詳細に特定する正面図。
【符号の説明】
1・・・スラックアジャスタ
2・・・ボデー
3・・・ブレーキカム軸
4・・・ウオームホイル
5・・・ウオームギヤ
6・・・ウオーム軸
7・・・ボール
11・・・ボール溝
20・・・ブレーキチャンバ
21・・・ブレーキカム
22・・・ブレーキシュー
Claims (1)
- ボデー(2)に取付けられたカム軸(3)にウオームホイル(4)と、そのウオームホイル(4)に噛み合うウオームギヤ(5)とが設けられ、そのウオームギヤ(5)はウオーム軸(6)の外周に設けられた複数のボール溝(11)とそのボール溝(11)と係合するボール(7)とで回り止めされており、ウオーム軸(6)をボール(7)に抗して回転することでウオームギヤ(5)とウオームホイル(4)とを介してブレーキカム(21)を回動させブレーキシュー(22)を半径方向外方或いは内方に移動させ隙間を調整するスラックアジャスタ(1)で用いられるウオーム軸(6)において、前記ボール溝(11)の断面形状は交差角(α)が従来の120度より大きい鈍角をなすV字状に形成された底部(11b、11b)と、それらの底部(11b、11b)と連なり互いに鋭角をなすように形成された側壁(11a、11a)とを有し、ボール(7)がそのV字状の底部(11b、11b)に接して位置決めされたときにボール(7)と側壁(11a)とは隙間(g)を有していることを特徴とするスラックアジャスタで用いられるウオーム軸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00350897A JP3703238B2 (ja) | 1997-01-13 | 1997-01-13 | ウオーム軸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00350897A JP3703238B2 (ja) | 1997-01-13 | 1997-01-13 | ウオーム軸 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10196694A JPH10196694A (ja) | 1998-07-31 |
JP3703238B2 true JP3703238B2 (ja) | 2005-10-05 |
Family
ID=11559307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00350897A Expired - Lifetime JP3703238B2 (ja) | 1997-01-13 | 1997-01-13 | ウオーム軸 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3703238B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105864325B (zh) * | 2016-06-22 | 2018-09-25 | 诸暨市辉邦科技有限公司 | 梅花齿结构的刹车调整臂 |
-
1997
- 1997-01-13 JP JP00350897A patent/JP3703238B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10196694A (ja) | 1998-07-31 |
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