JP3702317B2 - ワイヤー操作装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ワイヤー操作装置に関し、特に、操作ワイヤーの着脱を容易に行なうための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワイヤー操作装置の適用例として、自転車等の変速操作装置が知られている。図14は、従来の自転車用の変速操作装置2の構成の一部を示す概念図である。変速操作装置2は、自転車のハンドルバー4に固定された筐体6と、筐体6に対し回動可能に支持された操作体8とを備えている。
【0003】
操作体8のニップル収納部8aには、インナーワイヤー10(図15A参照)の一端を構成するニップル12が収納されている。インナーワイヤー10のワイヤー体14は、操作体8のワイヤー孔8b、筐体6のワイヤー孔6aを介して、変速操作装置2の外部に導出される。
【0004】
操作体8を、P1方向またはP2方向に回動させることにより、インナーワイヤー10のワイヤー体14をP3方向に牽引し、またはP4方向に繰出すことができる。これにより、インナーワイヤー10の他端(ワイヤー体14の先端部14a、図15A参照)にボルト・ナットなどの締結手段を用いて接続された変速機(図示せず)を、操作することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の変速操作装置2には、次のような問題点があった。図15Aに示す片ニップル型のインナーワイヤー10を変速操作装置2にセットする場合、ワイヤー体14の先端部14aを、筐体6の着脱用孔6b、操作体8のニップル収納部8a、ワイヤー孔8b、筐体6のワイヤー孔6aの順に、P4方向に通さなければならない。このため、インナーワイヤー10のワイヤー体14が長い場合には、変速操作装置2へのセットに時間を要する。
【0006】
また、変速機によっては、インナーワイヤーの他端との接続を、締結手段を用いず、変速操作装置2との接続同様、ニップルを用いて行なわなければならないものがある。このような場合、図15Bに示すような、両端ニップル型のインナーワイヤー16を用いることになる。ところが、操作体8のワイヤー孔8b、筐体6のワイヤー孔6aは、いずれもワイヤー体14の直径より、ほんのわずか大きいものの、ニップル12の径よりは、かなり小さい。したがって、上述の従来の変速操作装置2には、両端ニップル型のインナーワイヤー16を用いることができない。
【0007】
このような場合、図15Aに示す片ニップル型のインナーワイヤー10を、前述の手順にしたがって変速操作装置2にセットした後、ワイヤー体14の他端を変速機の所定箇所に挿通し、その後、先端部14a(図15A参照)に、ニップル状の止め金具(図示せず)をかしめる方法がある。
【0008】
しかしながら、この方法によっては、変速操作装置2と該変速機との接続は可能となるものの、煩雑なかしめ工程が必要となり、製造コストが上昇する。また、インナーワイヤーに大きい引っ張り力が作用した場合、かしめた止め金具がインナーワイヤーの先端部14aから抜けるおそれがある。さらに、インナーワイヤーが劣化した場合、ユーザーが取り替え作業を行なうことが困難である。
【0009】
この発明は、このような問題点を解決し、インナーワイヤーを短時間で着脱することができ、また、両端ニップル型のインナーワイヤーを着脱することができる、自転車用変速操作装置などのワイヤー操作装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1のワイヤー操作装置は、
支持本体、
支持本体に対し回動可能に支持されるとともに、操作ワイヤーの膨出係止体を当該回動方向に係止し得るワイヤー係止部を有する操作体、
を備え、
操作体の回動操作に伴い、操作ワイヤーを牽引しまたは繰出す
ワイヤー操作装置において、
前記ワイヤー係止部を、当該ワイヤー係止部の前記回動方向とほぼ直交する方向に、操作ワイヤーの膨出係止体を着脱し得るよう構成し、
少なくとも前記支持本体の一部を用いた、操作ワイヤーのワイヤー体を挿通するワイヤー挿通部、
少なくとも前記支持本体の一部を用い、ワイヤー挿通部を含むようまたはワイヤー挿通部に連続するよう形成した、操作ワイヤーの膨出係止体を挿通し得る着脱用係止体挿通孔、
を設けたこと
を特徴とする。
【0011】
さらに、請求項1のワイヤー操作装置においては、前記支持本体は、略環状円板状の本体基部と本体基部から立設された支持内筒と本体基部から立設された保護外筒とにより形成された略環状空間を備え、前記操作体は、前記略環状空間内に配置される、前記ワイヤー係止部を含むワイヤー巻取り部、ワイヤー巻取り部に連続して設けられた操作体基部、操作体基部に連続して設けられた握持操作部、を備え、前記着脱用係止体挿通孔を、本体基部に対しほぼ直交する方向に、本体基部および保護外筒を貫通するよう形成し、前記ワイヤー挿通部を、前記着脱用係止体挿通孔により切り欠かれた保護外筒の切欠き部により形成し、本体基部に、着脱用係止体挿通孔に連続して形成された着脱用ワイヤー通し孔、着脱用ワイヤー通し孔に連続して形成された第2の着脱用係止体挿通孔、を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項2のワイヤー操作装置は、支持本体、支持本体に対し回動可能に支持されるとともに、操作ワイヤーの膨出係止体を当該回動方向に係止し得るワイヤー係止部を有する操作体、を備え、操作体の回動操作に伴い、操作ワイヤーを牽引しまたは繰出すワイヤー操作装置において、前記ワイヤー係止部を、当該ワイヤー係止部の前記回動方向とほぼ直交する方向に、操作ワイヤーの膨出係止体を着脱し得るよう構成し、少なくとも前記支持本体の一部を用いた、操作ワイヤーのワイヤー体を挿通するワイヤー挿通部、少なくとも前記支持本体の一部を用い、ワイヤー挿通部に連続して外部に開放されたワイヤー着脱用溝部、を設けたことを特徴とする。
さらに、請求項2のワイヤー操作装置においては、前記支持本体は、略環状円板状の本体基部と本体基部から立設された支持内筒と本体基部から立設された保護外筒とにより形成された略環状空間を備え、前記操作体は、前記略環状空間内に配置される、前記ワイヤー係止部を含むワイヤー巻取り部、ワイヤー巻取り部に連続して設けられた操作体基部、操作体基部に連続して設けられた握持操作部、を備え、本体基部に、ワイヤー着脱用溝部に連続して形成された着脱用ワイヤー通し孔および第2の着脱用係止体挿通孔、を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項3のワイヤー操作装置は、支持本体、支持本体に対し回動可能に支持されるとともに、操作ワイヤーの膨出係止体を当該回動方向に係止し得るワイヤー係止部を有する操作体、を備え、操作体の回動操作に伴い、操作ワイヤーを牽引しまたは繰出すワイヤー操作装置において、前記ワイヤー係止部を、当該ワイヤー係止部の前記回動方向とほぼ直交する方向に、操作ワイヤーの膨出係止体を着脱し得るよう構成し、少なくとも前記支持本体の一部を用いた、操作ワイヤーのワイヤー体を挿通するワイヤー挿通部、少なくとも前記支持本体の一部を用い、ワイヤー挿通部を含むようまたはワイヤー挿通部に連続するよう形成した、操作ワイヤーの膨出係止体を挿通し得る着脱用係止体挿通孔、を設けたワイヤー操作装置であって、さらに、当該ワイヤー操作装置において、前記ワイヤー挿通部に連続して設けられたワイヤー案内溝を有するワイヤー案内部、ワイヤー案内部の略先端部に設けられ、ワイヤー鞘の端部を係止するとともに、ワイヤー鞘の端部近傍に設けられた凹部に係合する係合突起を有する鞘端係止部、を設けたことを特徴とする。
請求項4のワイヤー操作装置は、支持本体、支持本体に対し回動可能に支持されるとともに、操作ワイヤーの膨出係止体を当該回動方向に係止し得るワイヤー係止部を有する操作体、を備え、操作体の回動操作に伴い、操作ワイヤーを牽引しまたは繰出すワイヤー操作装置において、前記ワイヤー係止部を、当該ワイヤー係止部の前記回動方向とほぼ直交する方向に、操作ワイヤーの膨出係止体を着脱し得るよう構成し、少なくとも前記支持本体の一部を用いた、操作ワイヤーのワイヤー体を挿通するワイヤー挿通部、少なくとも前記支持本体の一部を用い、ワイヤー挿通部に連続して外部に開放されたワイヤー着脱用溝部、を設けたワイヤー操作装置であって、さらに、当該ワイヤー操作装置において、前記ワイヤー挿通部に連続して設けられたワイヤー案内溝を有するワイヤー案内部、ワイヤー案内部の略先端部に設けられ、ワイヤー鞘の端部を係止するとともに、ワイヤー鞘の端部近傍に設けられた凹部に係合する係合突起を有する鞘端係止部、を設けたことを特徴とする。
【0014】
【発明の効果】
請求項1のワイヤー操作装置は、回動方向とほぼ直交する方向に操作ワイヤーの膨出係止体を着脱し得るようワイヤー係止部を構成するとともに、ワイヤー挿通部を含むようまたはワイヤー挿通部に連続するよう形成した着脱用係止体挿通孔を設けたことを特徴とする。
【0015】
したがって、操作ワイヤーをセットする場合、操作ワイヤーの膨出係止体を、着脱用係止体挿通孔を通してワイヤー操作装置に挿入することができ、挿入した膨出係止体を、ワイヤー係止部に係止することができる。このため、膨出係止体側から操作ワイヤーを挿入し、セットすることができる。セットされた操作ワイヤーを、ワイヤー操作装置から取り外す場合も、セット時と逆の手順で行なうことができる。すなわち、ワイヤー体の両端に膨出係止体が設けられた操作ワイヤーであっても、ワイヤー操作装置に着脱することが可能となる。
【0016】
また、操作ワイヤーの着脱に際し、ワイヤー体の全長に渡ってワイヤー挿通部に通す必要がない。このため、操作ワイヤーの着脱を短時間で行なうことができる。さらに、着脱用係止体挿通孔を、ワイヤー挿通部を含むようまたはワイヤー挿通部に連続するよう形成したので、ワイヤー挿通部に連続して外部に開放されたワイヤー着脱用溝部を設ける構成に比較して、支持本体の強度を高く保つことができる。
【0017】
さらに、請求項1のワイヤー操作装置は、操作体が握持操作部を有し、かつ、操作体のワイヤー係止部を含むワイヤー巻取り部は、支持本体の保護外筒に覆われている。また、支持本体の本体基部に、着脱用係止体挿通孔に連続して形成された着脱用ワイヤー通し孔、着脱用ワイヤー通し孔に連続して形成された第2の着脱用係止体挿通孔を設けたことを特徴とする。
【0018】
したがって、操作ワイヤーをセットする場合、操作ワイヤーの膨出係止体を、着脱用係止体挿通孔を貫通して一旦ワイヤー操作装置の外部に露出させ、その後、第2の着脱用係止体挿通孔を介して、該膨出係止体を、ワイヤー係止部に係止することができる。
【0019】
このため、いわゆるグリップ操作型の自転車用変速操作装置に適用した場合、該装置を自転車のハンドルバーに取り付けた状態であっても、開放された本体基部側を利用して、操作ワイヤーの着脱を容易に行なうことができる。
【0020】
請求項2のワイヤー操作装置は、回動方向とほぼ直交する方向に操作ワイヤーの膨出係止体を着脱し得るようワイヤー係止部を構成するとともに、ワイヤー挿通部に連続して外部に開放されたワイヤー着脱用溝部を設けたことを特徴とする。
【0021】
したがって、操作ワイヤーをセットする場合、ワイヤー体を、該ワイヤー体に直交する方向に、ワイヤー着脱用溝部を介して、ワイヤー挿通部に挿入することができる。さらに、操作ワイヤーの膨出係止体を、ワイヤー係止部に係止することができる。このため、膨出係止体側から操作ワイヤーを挿入し、セットすることができる。セットされた操作ワイヤーを、ワイヤー操作装置から取り外す場合も、セット時と逆の手順で行なうことができる。すなわち、ワイヤー体の両端に膨出係止体が設けられた操作ワイヤーであっても、ワイヤー操作装置に着脱することが可能となる。
【0022】
また、操作ワイヤーの着脱に際し、ワイヤー体の全長に渡ってワイヤー挿通部に通す必要がない。このため、操作ワイヤーの着脱を短時間で行なうことができる。
【0023】
請求項3および4のワイヤー操作装置は、ワイヤー挿通部に連続して設けられたワイヤー案内溝を有するワイヤー案内部と、ワイヤー案内部の略先端部に設けられ係合突起を有する鞘端係止部を設けたことを特徴とする。
【0024】
したがって、ワイヤー挿通部から取り出したワイヤー体を、ワイヤー案内溝に沿うよう配置するだけで、容易に、操作ワイヤーを任意の方向に導出することができる。さらに、鞘端係止部にワイヤー鞘を挿入することにより、ワイヤー鞘の端部近傍に設けられた凹部に、鞘端係止部の係合突起が係合する。このため、ワイヤー鞘が鞘端係止部から外れにくくなる。この結果、ワイヤー体がワイヤー案内部から外れにくくなる。すなわち、容易に、操作ワイヤーを任意の方向に導出することができ、かつ、ワイヤー体をワイヤー案内部から外れにくくすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、自転車のハンドルバー28に装着された、この発明の一実施形態によるワイヤー操作装置である自転車用の変速操作装置30を、自転車の前上方から見た図面である。変速操作装置30は、ハンドルバー28の端部に装着されたハンドルグリップ26の内方(Q6方向)に配置され、ハンドルバー28に固定される。変速操作装置30は、支持本体であるレバー台32、および操作体60を備えている。
【0026】
ハンドルグリップ26と変速操作装置30との間には、ハンドルグリップ26と操作体60とが直接接触することを防止するために、スライド座金24が介装されている。なお、変速操作装置30のさらに内方には、ブレーキ操作装置(図示せず)が装着される。
【0027】
図2は、変速操作装置30の、図1における断面V1−V1を示す図面である。図2に示すように、レバー台32の一部を構成する、略環状円板状のレバー台基部(本体基部)34の内径部には、円筒状の保持金具80が内挿されている。保持金具80の円筒面に螺入された止めねじ82を締め込むことにより、保持金具80ともども、レバー台32をハンドルバー28に固定することができる。
【0028】
略環状円板状に形成されたレバー台基部34の外方(Q5方向)には、ハンドルバー28を取囲むように、円筒状の支持内筒42が立設されている。支持内筒42とほぼ同心状に、保護外筒44が立設されている。支持内筒42と保護外筒44との間に、ドーナツ状の略環状空間48が形成されている。
【0029】
操作体60は、レバー台32の支持内筒42に回動可能に支持されるとともに、レバー台32に設けられた係合爪(図示せず)により、Q5方向に離間することができないよう構成されている。操作体60は、ワイヤー巻取部62、操作体基部66、および握持操作部である操作グリップ68を、この順に、Q5方向に連続的に配置するよう形成されている。ワイヤー巻取部62および操作体基部66は、レバー台32の略環状空間48内に収納されている。操作グリップ68は、外部に露出している。
【0030】
操作体60のワイヤー巻取部62は、図6に示すように、円筒状の巻胴63と、巻胴63の略接線方向に設けられたワイヤー係止部であるニップル収納部64とを備えている。図6に示すように、ニップル収納部64に収納された、膨出係止体であるニップル12は、操作体60に対し、円周方向(Q1およびQ2方向)に固定的に保持される一方、紙面手前方向(図2のQ6方向)に取り外し可能となっている。
【0031】
図3に、変速操作装置30を、図2のV2方向から見た図を示す。図3に示すように、レバー台32には、紙面にほぼ直交する方向に貫通するよう形成された着脱用係止体挿通孔36、着脱用ワイヤー通し孔38および第2の着脱用係止体挿通孔40が、この順に、連続して設けられている。図4は、変速操作装置30を、図2のV3方向から見た図面である。図3と図4とから分かるように、着脱用係止体挿通孔36は、変速操作装置30を、ほぼQ5(Q6)方向に貫通するよう設けられている。この、着脱用係止体挿通孔36、着脱用ワイヤー通し孔38および第2の着脱用係止体挿通孔40を介して、操作ワイヤーであるインナーワイヤー16(図15B参照)を、変速操作装置30に着脱することができる(後述)。
【0032】
図5は、変速操作装置30の、図3における断面V4−V4を示す図面である。図5に示すように、レバー台32の保護外筒44の一部を切り欠いて、ワイヤー挿通部46を形成している。
【0033】
レバー台32には、ワイヤー挿通部46の近傍を起点とするワイヤー案内部50が、略L字状に突設されている。ワイヤー案内部50には、インナーワイヤー16のワイヤー体14を案内するための、ワイヤー案内溝51が設けられている。
【0034】
ワイヤー案内溝51は、ワイヤー挿通部46に連続して設けられている。したがって、ワイヤー体14は、レバー台32のワイヤー挿通部46を介して外部に導出され、ワイヤー案内溝51により、Q6方向に案内される。すなわち、図6に示すように、操作グリップ68をQ1方向に回動させて、ワイヤー体14を巻胴63に巻取れば、ワイヤー体14はQ3方向に牽引され、図5に示すように、ワイヤー案内部50により変向された後、Q5方向に牽引される。逆に、操作グリップ68をQ2方向(図6参照)に回動させれば、ワイヤー体14は、図5に示すように、Q6方向に繰出される。
【0035】
ワイヤー案内溝51は、略L字状のワイヤー案内部50全長にわたり、外部に開放されるよう形成されている。したがって、ワイヤー体14が長い場合であっても、孔に通す必要がないため、セットが容易である。
【0036】
ワイヤー案内部50の略先端部には、鞘端係止部であるアウター受け部52が形成されている。図7に拡大図で示すように、アウター受け部52は、ワイヤー鞘であるアウター筒18の端部にはめ込まれたアウターキャップ20を挿入することができるよう、略円筒状内面52aを備えている。略円筒状内面52aには、係合突起である凸条54が周設されている。凸条54と、アウターキャップ20に周設された凹条(凹部)とを、係合させることにより、レバー台32とアウター筒18とを、所定の強さで結合することができる。
【0037】
なお、前述のように、変速操作装置30のさらに内方(Q6方向)には、ブレーキ操作装置(図示せず)が装着される。このため、図5に示すように、この実施形態においては、該ブレーキ操作装置との干渉を避けるため、レバー台基部34の内方端34aに比し、ワイヤー案内部50の基部内方50aが、外方(Q5方向)側に退避した状態になるよう形成している。
【0038】
つぎに、ハンドルバー28(図1参照)に取り付けられた上述の変速操作装置30に、両端ニップル型のインナーワイヤー16(図15B参照)をセットする手順について説明する。まず、図4に示す着脱用係止体挿通孔36に、紙面手前から、紙面向う側に向けて、インナーワイヤー16のニップル12を貫通させる。図5に、貫通前のニップル12の位置を(a)で、貫通方向をR1で示す。
【0039】
図8に示すように、着脱用係止体挿通孔36に、ニップル12を貫通させた後、(b)の位置からワイヤー体14を、R2方向に回転させ、図9に示す(c)の位置に移動させる。ワイヤー体14を、(c)の位置から、さらにR2方向に回転させることにより、ニップル12を、第2の着脱用係止体挿通孔40を介して、図5に示す操作体60のニップル収納部64に収めることができる。このとき、レバー台32のQ6側(図9参照)に露出したワイヤー体14は、着脱用ワイヤー通し孔38を介して、図5に示す操作体60の巻胴63上に移動させることができる。この状態を、図10(d)に示す。
【0040】
図10(d)の状態から、ワイヤー体14を、さらにR2方向に回転させ、(e)の状態にする。(e)の状態から、アウター筒18をQ5方向に移動させることにより、アウター筒18のアウターキャップ20を、アウター受け部52の略円筒状内面52aに挿入する。この状態を、図11(f)に示す。このとき、図7に示すように、略円筒状内面52aの凸条54と、アウターキャップ20の凹条20aとが係合し、レバー台32とアウター筒18とが、所定の強さで結合される。
【0041】
最後に、ニップル12が操作体60のニップル収納部64(図5参照)から抜出ることを防止するために、レバー台32の第2の着脱用係止体挿通孔40に、キャップ84を挿入する。なお、このキャップ84は、単純な片フランジ付き円筒形状に形成されている。したがって、着脱用係止体挿通孔40に挿入する際、着脱用係止体挿通孔40に対して、キャップ84の円筒軸回りの回転位置を合わせる必要がない。これは、インナーワイヤー16の着脱作業を、ユーザーが行なう場合を考慮したものである。
【0042】
変速操作装置30からインナーワイヤー16を取り外す作業は、上述のセットする手順と逆の手順で行なえばよい。なお、図15Aに示す、片ニップル型のインナーワイヤー10についても、インナーワイヤー16の場合と同様の手順で着脱作業を行なうことができる。
【0043】
つぎに、図12に、この発明の他の実施形態によるワイヤー操作装置である自転車用の変速操作装置130を、自転車の前上方から見た図面を示す。変速操作装置130は、前述の実施形態同様、レバー台132および操作体60を備えており、後述する構造以外の構造は、前述の変速操作装置30と、ほぼ同様である。
【0044】
この変速操作装置130は、前述の着脱用係止体挿通孔36(図3参照)に代え、ワイヤー着脱用溝部136を備えている。図12に示すように、ワイヤー着脱用溝部136は、ワイヤー挿通部46に連続して設けられるとともに、外部に開放されている。また、図13に示すように、ワイヤー着脱用溝部136は、着脱用ワイヤー通し孔38および第2の着脱用係止体挿通孔40と連続的に形成されている。
【0045】
図13に示すように、この変速操作装置130に、インナーワイヤー16(図15B参照)をセットするには、まず、ワイヤー着脱用溝部136の直上に配置したワイヤー体14を、R3の方向に移動して、ワイヤー着脱用溝部136に挿入する。
【0046】
続いて、前述の実施形態の場合と同様の作業(図9〜図11参照)を行なうことにより、変速操作装置130に、インナーワイヤー16をセットすることができる。変速操作装置130からインナーワイヤー16を取り外す作業も、前述の実施形態同様、セットする手順と逆の手順で行なえばよい。図15Aに示す、片ニップル型のインナーワイヤー10の場合も、同様の作業を行なえばよい。
【0047】
なお、上述の各実施形態においては、自転車のハンドルバーに装着された自転車用の変速操作装置を例に説明したが、この発明は、ハンドルポストなど、ハンドルバー以外の箇所に装着された自転車用の変速操作装置にも適用される。さらに、自転車用の変速操作装置以外に、原動機のスロットル操作装置など、ワイヤー操作装置一般に適用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】自転車のハンドルバーに装着された、この発明の一実施形態によるワイヤー操作装置である自転車用の変速操作装置30を、自転車の前上方から見た図面である。
【図2】変速操作装置30の、図1における断面V1−V1を示す図面である。
【図3】変速操作装置30を、図2のV2方向から見た図面である
【図4】変速操作装置30を、図2のV3方向から見た図面である。
【図5】変速操作装置30の、図3における断面V4−V4を示す図面である。
【図6】操作体60を、図2におけるV2方向から見た図面である。
【図7】アウター受け部52の拡大図である。
【図8】変速操作装置30にインナーワイヤーをセットする手順について説明するための図面である。
【図9】変速操作装置30にインナーワイヤーをセットする手順について説明するための図面である。
【図10】変速操作装置30にインナーワイヤーをセットする手順について説明するための図面である。
【図11】変速操作装置30にインナーワイヤーをセットする手順について説明するための図面である。
【図12】自転車のハンドルバーに装着された、この発明の他の実施形態によるワイヤー操作装置である自転車用の変速操作装置130を、自転車の前上方から見た図面である。
【図13】変速操作装置130にインナーワイヤーをセットする手順について説明するための図面である。
【図14】従来の自転車用の変速操作装置の構成の一部を示す概念図である。
【図15】片ニップル型インナーワイヤーおよび両端ニップル型インナーワイヤーの構成を示す図面である。
【符号の説明】
12・・・・・・・ニップル
14・・・・・・・ワイヤー体
32・・・・・・・レバー台
36・・・・・・・着脱用係止体挿通孔
38・・・・・・・着脱用ワイヤー通し孔
40・・・・・・・第2の着脱用係止体挿通孔
60・・・・・・・操作体
Claims (4)
- 支持本体、
支持本体に対し回動可能に支持されるとともに、操作ワイヤーの膨出係止体を当該回動方向に係止し得るワイヤー係止部を有する操作体、
を備え、
操作体の回動操作に伴い、操作ワイヤーを牽引しまたは繰出す
ワイヤー操作装置において、
前記ワイヤー係止部を、当該ワイヤー係止部の前記回動方向とほぼ直交する方向に、操作ワイヤーの膨出係止体を着脱し得るよう構成し、
少なくとも前記支持本体の一部を用いた、操作ワイヤーのワイヤー体を挿通するワイヤー挿通部、
少なくとも前記支持本体の一部を用い、ワイヤー挿通部を含むようまたはワイヤー挿通部に連続するよう形成した、操作ワイヤーの膨出係止体を挿通し得る着脱用係止体挿通孔、
を設けたワイヤー操作装置であって、さらに、
当該ワイヤー操作装置において、
前記支持本体は、
略環状円板状の本体基部と本体基部から立設された支持内筒と本体基部から立設された保護外筒とにより形成された略環状空間を備え、
前記操作体は、
前記略環状空間内に配置される、前記ワイヤー係止部を含むワイヤー巻取り部、
ワイヤー巻取り部に連続して設けられた操作体基部、
操作体基部に連続して設けられた握持操作部、
を備え、
前記着脱用係止体挿通孔を、
本体基部に対しほぼ直交する方向に、本体基部および保護外筒を貫通するよう形成し、
前記ワイヤー挿通部を、
前記着脱用係止体挿通孔により切り欠かれた保護外筒の切欠き部により形成し、
本体基部に、
着脱用係止体挿通孔に連続して形成された着脱用ワイヤー通し孔、
着脱用ワイヤー通し孔に連続して形成された第2の着脱用係止体挿通孔、
を設けたこと
を特徴とするワイヤー操作装置。 - 支持本体、
支持本体に対し回動可能に支持されるとともに、操作ワイヤーの膨出係止体を当該回動方向に係止し得るワイヤー係止部を有する操作体、
を備え、
操作体の回動操作に伴い、操作ワイヤーを牽引しまたは繰出す
ワイヤー操作装置において、
前記ワイヤー係止部を、当該ワイヤー係止部の前記回動方向とほぼ直交する方向に、操作ワイヤーの膨出係止体を着脱し得るよう構成し、
少なくとも前記支持本体の一部を用いた、操作ワイヤーのワイヤー体を挿通するワイヤー挿通部、
少なくとも前記支持本体の一部を用い、ワイヤー挿通部に連続して外部に開放されたワイヤー着脱用溝部、
を設けたワイヤー操作装置であって、さらに、
当該ワイヤー操作装置において、
前記支持本体は、
略環状円板状の本体基部と本体基部から立設された支持内筒と本体基部から立設された保護外筒とにより形成された略環状空間を備え、
前記操作体は、
前記略環状空間内に配置される、前記ワイヤー係止部を含むワイヤー巻取り部、
ワイヤー巻取り部に連続して設けられた操作体基部、
操作体基部に連続して設けられた握持操作部、
を備え、
本体基部に、
ワイヤー着脱用溝部に連続して形成された着脱用ワイヤー通し孔および第2の着脱用係止体挿通孔、
を設けたこと
を特徴とするワイヤー操作装置。 - 支持本体、
支持本体に対し回動可能に支持されるとともに、操作ワイヤーの膨出係止体を当該回動方向に係止し得るワイヤー係止部を有する操作体、
を備え、
操作体の回動操作に伴い、操作ワイヤーを牽引しまたは繰出す
ワイヤー操作装置において、
前記ワイヤー係止部を、当該ワイヤー係止部の前記回動方向とほぼ直交する方向に、操作ワイヤーの膨出係止体を着脱し得るよう構成し、
少なくとも前記支持本体の一部を用いた、操作ワイヤーのワイヤー体を挿通するワイヤー挿通部、
少なくとも前記支持本体の一部を用い、ワイヤー挿通部を含むようまたはワイヤー挿通部に連続するよう形成した、操作ワイヤーの膨出係止体を挿通し得る着脱用係止体挿通孔、
を設けたワイヤー操作装置であって、さらに、
当該ワイヤー操作装置において、
前記ワイヤー挿通部に連続して設けられたワイヤー案内溝を有するワイヤー案内部、
ワイヤー案内部の略先端部に設けられ、ワイヤー鞘の端部を係止するとともに、ワイヤー鞘の端部近傍に設けられた凹部に係合する係合突起を有する鞘端係止部、
を設けたこと
を特徴とするワイヤー操作装置。 - 支持本体、
支持本体に対し回動可能に支持されるとともに、操作ワイヤーの膨出係止体を当該回動方向に係止し得るワイヤー係止部を有する操作体、
を備え、
操作体の回動操作に伴い、操作ワイヤーを牽引しまたは繰出す
ワイヤー操作装置において、
前記ワイヤー係止部を、当該ワイヤー係止部の前記回動方向とほぼ直交する方向に、操作ワイヤーの膨出係止体を着脱し得るよう構成し、
少なくとも前記支持本体の一部を用いた、操作ワイヤーのワイヤー体を挿通するワイヤー挿通部、
少なくとも前記支持本体の一部を用い、ワイヤー挿通部に連続して外部に開放されたワイヤー着脱用溝部、
を設けたワイヤー操作装置であって、さらに、
当該ワイヤー操作装置において、
前記ワイヤー挿通部に連続して設けられたワイヤー案内溝を有するワイヤー案内部、
ワイヤー案内部の略先端部に設けられ、ワイヤー鞘の端部を係止するとともに、ワイヤー鞘の端部近傍に設けられた凹部に係合する係合突起を有する鞘端係止部、
を設けたこと
を特徴とするワイヤー操作装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02767796A JP3702317B2 (ja) | 1996-02-15 | 1996-02-15 | ワイヤー操作装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP02767796A JP3702317B2 (ja) | 1996-02-15 | 1996-02-15 | ワイヤー操作装置 |
Publications (2)
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JPH09221087A JPH09221087A (ja) | 1997-08-26 |
JP3702317B2 true JP3702317B2 (ja) | 2005-10-05 |
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Family Applications (1)
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JP02767796A Expired - Fee Related JP3702317B2 (ja) | 1996-02-15 | 1996-02-15 | ワイヤー操作装置 |
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JP (1) | JP3702317B2 (ja) |
-
1996
- 1996-02-15 JP JP02767796A patent/JP3702317B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09221087A (ja) | 1997-08-26 |
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