JP3702098B2 - ダイカスト金型の冷却方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイカスト金型の金型温度を最適に管理できるダイカスト金型の冷却方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ダイカスト金型内に形成した冷却液通路内に冷却水を通水させて該金型を冷却する内部冷却と、該金型の外部から冷却水を噴射して該金型を冷却する外部冷却とを有するダイカスト金型の冷却方法がある(例えば、特開平9−29415号公報の従来の技術)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のダイカスト金型の冷却方法は、作業者が冷却水のバルブを開閉して金型温度の制御をしているが、バルブの開閉操作は作業者の経験と勘による作業であり、金型温度を常に適切に制御できるとは限らず、焼き付き等のトラブルが発生するという問題点を有する。
そこで、本発明は、係る問題点を解決するためになされたものであり、金型温度を適切に管理することのできるダイカスト金型の冷却方法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、金型内に形成した冷却液通路内に冷却液を通液させて該金型内を冷却する内部冷却と、該金型の外部から冷却液を噴射して該金型を冷却する外部冷却とを有するダイカスト金型の冷却方法において、
鋳物取り出し後の金型内部温度を測定し、該測定結果と、予め設定した金型内部温度と金型内を通液する冷却液の通液量との関係とに基づいて次回ショットにおける該冷却液の通液量を設定すると共に、
該鋳物取り出し後の金型キャビティ面温度を測定し、該金型内部温度の測定結果と該金型キャビティ面温度の測定結果との差と、予め設定された該両温度の差と該金型キャビティ面に噴射する冷却液の噴射量との関係とに基づいて該次回ショットにおける冷却液の噴射量を設定することを特徴とする。
【0005】
本方法によれば、鋳物取り出し後の金型内部温度を目標温度に近づけることができると共に、冷却液の噴射後の金型内部温度と金型キャビティ面温度との差を目標温度差に近づけることができ、金型温度を量産時の金型の定常温度に設定できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
金型内部の冷却液通路内を通液する冷却液の種類は限定されず、水、エチレングリコール、又は油等を使用することができる。
金型外部から金型キャビティ面に噴射する冷却液としては、良好な気化性を有する液体、例えば、水、水とアルコールとの混合液体等を用いることができ、冷却液は、該液体のみで使用してもよく、該液体に離型剤を混合して使用してもよい。
金型内部温度の測定は、金型キャビティ面から15〜30mm程度内側であり、かつ冷却液通路からなるべく離れた位置で行うことが望ましい。
金型内部温度と冷却液の通液量との関係、及び金型内部温度と金型キャビティ面温度との差と冷却液の噴射量との関係は、表により表現してもよく、グラフにより表現してもよく、関数により表現してもよい。
金型内部温度と冷却液の通液量との関係、及び金型内部温度と金型キャビティ面温度との差と冷却液の噴射量との関係は、冷却液温度、外気温等の条件により異なったものとなるが、これらの関係は各条件が変化するごとに各条件に適したものを用いる。
金型内部を冷却する冷却液の通液量は、単位時間当たりの流量を変更して調整してもよく、所定流量下での通液時間を変更して調整してもよい。
金型キャビティ面を冷却する冷却液の噴射量は、単位時間当たりの噴射量である単位噴射量を変更して調整してもよく、所定単位噴射量下での噴射時間を変更して調整してもよい。
【0007】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図1〜6に基づいて説明する。
最初に本発明のダイカスト金型の冷却方法に使用するダイカスト金型装置を説明する。
図1に示すように、ダイカスト金型1は、固定プレート2に固定された固定型3と可動プレート4に固定された可動型5とから形成されている。
【0008】
固定型3は、固定プレート2に固定された基盤部6と、可動型5との型合わせ面7が形成された本体部8と、基盤部6と本体部8とを連結し、かつ内部にエジェクタ9を備えた連結部10とから形成されている。エジェクタ9は、本体部8を挿通する2本のエジェクタピン11を有し、エジェクタピン11を支持する支持板12が、固定プレート2及び基盤部6を挿通するシリンダロッド13を介してエジェクタ駆動装置(図示せず)に連結されている。
固定型3の本体部8の型合わせ面7には、金型キャビティ面14が形成され、金型キャビティ面14近傍の本体部8には温度測定装置(図示せず)に連結した熱電対15が埋設されている。熱電対15の先端は、水平方向(図1中前後方向)に貫設された冷却水通路16a、16bから上下方向に等距離を隔てて配置されている。
【0009】
可動型5及び可動プレート4には射出スリーブ17が嵌挿され、射出スリーブ17中には、ピストン装置20が配設されている。ピストン装置20により射出スリーブ17中を流通するアルミ溶湯18が押圧され、アルミ溶湯18が可動型5と固定型3との間に形成されたキャビティ19に充填される。
可動型5の上方には、固定型3表面の温度を検出する赤外線式表面温度測定器21が取り付け治具(図示せず)を介して可動プレート4と一体的に取り付けられている。
【0010】
次に、上記ダイカスト金型装置を用いてダイカスト金型1の冷却方法を説明する。
図4に、1回のショットにおいて表面温度測定器21により測定される固定型3の表面温度Sと、熱電対15により測定される金型内部温度Iとを示す。図4の横軸はショット開始T0から終了T4に至るまでの経過時間であり、縦軸は温度である。
図4に示すように、1回のショットは、4つの時間領域T0−T1、T1−T2、T2−T3、T3−T4に分けることができる。このような4つの時間領域に分けるのは、表面温度測定器21が該各時間領域毎に固定型3の異なる部位の温度を測定するためである。そこで、最初に該各時間領域における工程作業と表面温度測定器21の測温部位とを説明し、次いで次回ショットにおける金型冷却条件を設定する方法を説明する。
【0011】
T0−T1では、図1に示すように、固定型3と可動型5とが閉じた状態でキャビティ19中にアルミ溶湯18が供給され、それと同時に固定型3の冷却水通路16a、16b、16cに冷却水が通水され、鋳造が行われる。この際、表面温度測定器21は固定型3の上面22の温度を測定するため、表面温度Sは低い値を示す。
【0012】
T1−T2では、図2に示すように可動型5が固定型3から離型し、鋳物23は固定型3に保持される。表面温度測定器21は、鋳物23の表面温度を測定する。
【0013】
T2−T3では、図3に示すように鋳物23がエジェクタピン11により押し出されて固定型3から取り外され、表面温度測定器21は、金型キャビティ面14の表面温度を測定する。この際、固定型3と可動型5との間に冷却スプレー24を配置し、冷却スプレー24によりT2から所定時間金型キャビティ面に冷却水を噴射して金型キャビティ面14を冷却する。冷却水の噴射終了後、冷却スプレー24を両型3、5の間から取り除く。
【0014】
T3−T4では、固定型3と可動型5とが型合わせされ、次のショットの準備が行われる。表面温度測定器21は、固定型3の上面22の温度を測定する。
【0015】
次回ショットにおける冷却水通水時間は、図5のグラフに示す金型内部温度と冷却水通水時間との関係に基づき、T2における金型内部温度I(T2)に対応する冷却水通水時間を設定時間とする。
次回ショットにおいて、キャビティ19中にアルミ溶湯18を注湯すると同時に冷却水通路16a、16b、16cに冷却水を通水し、通水状態を該設定時間維持すると、該次回ショットにおける冷却水通水終了時点の金型内部温度Iが図5のグラフ作成の前提条件となった目標温度に近づく。
【0016】
次回ショットにおける冷却水噴射時間は、図6のグラフに示す温度差(金型内部温度と金型キャビティ面温度との温度差)と冷却水噴射時間との関係に基づき、T2における金型内部温度I(T2)と金型キャビティ面温度S(T2)との温度差に対応する冷却水噴射時間を設定時間とする。
次回ショットにおいてT2の時点から金型キャビティ面14に該設定時間冷却水を噴射すると、該次回ショットにおける冷却水噴射終了時点の金型キャビティ面温度Sと金型内部温度Iとの差が図6のグラフ作成の前提条件となった目標温度差に近づく。
【0017】
次回ショットにおける冷却水通水終了時点の金型内部温度Iを目標温度に近づけ、かつ該次回ショットにおける冷却水噴射終了時点の金型内部温度Iと金型キャビティ面温度Sとの差を目標温度差に近づけることにより、金型1の温度を量産時の金型1の定常温度に設定できる。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、金型内に形成した冷却液通路内に冷却液を通液させて該金型内を冷却する内部冷却と、該金型の外部から冷却液を噴射して該金型を冷却する外部冷却とを有するダイカスト金型の冷却方法において、鋳物取り出し後の金型内部温度を測定し、該測定結果と、予め設定した金型内部温度と金型内を通液する冷却液の通液量との関係とに基づいて次回ショットにおける該冷却液の通液量を設定すると共に、該鋳物取り出し後の金型キャビティ面温度を測定し、該金型内部温度の測定結果と該金型キャビティ面温度の測定結果との差と、予め設定された該両温度の差と該金型キャビティ面に噴射する冷却液の噴射量との関係とに基づいて該次回ショットにおける冷却液の噴射量を設定するので、金型内部温度及び金型キャビティ面温度を測定したショットの次回ショットにおいて、金型内部温度を目標温度に近づけることができると共に該金型内部温度と金型キャビティ面温度との差を目標温度差に近づけることができ、金型温度を量産時の金型の定常温度に設定できるため、本発明方法を各ショットにおいて繰り返し実施することにより常に安定した鋳物製品を鋳造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を説明するために用いたダイカスト金型装置の図である。
【図2】可動型と固定型とが離型した状態のダイカスト金型装置の図である。
【図3】可動型から鋳物を取り外した後の状態を示すダイカスト金型装置の図である。
【図4】1回のショットにおける経過時間と金型温度との関係を示す図である。
【図5】金型内部温度と冷却水通水時間との関係を示す図である。
【図6】金型内部温度と金型キャビティ面温度との温度差と金型キャビティ面への冷却水噴射時間との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 金型
14 金型キャビティ面
15 熱電対
16a、16b、16c 冷却水通路
21 表面温度測定器
24 冷却スプレー
Claims (1)
- 金型内に形成した冷却液通路内に冷却液を通液させて該金型内を冷却する内部冷却と、該金型の外部から冷却液を噴射して該金型を冷却する外部冷却とを有するダイカスト金型の冷却方法において、
鋳物取り出し後の金型内部温度を測定し、該測定結果と、予め設定した金型内部温度と金型内を通液する冷却液の通液量との関係とに基づいて次回ショットにおける該冷却液の通液量を設定すると共に、
該鋳物取り出し後の金型キャビティ面温度を測定し、該金型内部温度の測定結果と該金型キャビティ面温度の測定結果との差と、予め設定された該両温度の差と該金型キャビティ面に噴射する冷却液の噴射量との関係とに基づいて該次回ショットにおける冷却液の噴射量を設定することを特徴とするダイカスト金型の冷却方法。
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