JPH0569105A - 低圧鋳造方法及びその装置 - Google Patents

低圧鋳造方法及びその装置

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JPH0569105A
JPH0569105A JP26271391A JP26271391A JPH0569105A JP H0569105 A JPH0569105 A JP H0569105A JP 26271391 A JP26271391 A JP 26271391A JP 26271391 A JP26271391 A JP 26271391A JP H0569105 A JPH0569105 A JP H0569105A
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JP
Japan
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molten metal
cavity space
section
runner
cross
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JP26271391A
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English (en)
Inventor
Takashi Ikeda
孝史 池田
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Toyo Machinery and Metal Co Ltd
Original Assignee
Toyo Machinery and Metal Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0569105A publication Critical patent/JPH0569105A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低圧鋳造機での鋳込み後、冷却過程
における溶湯に加圧ピンの打ち込みを有効に行って鋳造
品をより緻密にする。 【構成】 炉(13)内の加圧により湯道孔(81)を
通して溶湯(12)を金型のキャビティ空間(イ)に徐々に注
入する低圧鋳造方法において、溶湯(12)のキャビティ空
間(イ)への注入時に炉(13)内からキャビティ空間(イ)に通
ずる溶湯流路の一部でその断面を変更すると共に注入完
了後該流路断面変更部(24)で溶湯流路を閉塞し、次いで
冷却時に、該溶湯流路を遮断した状態で鋳造物(ロ)に加
圧ピン(16)の打ち込みを行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低圧鋳造方法及びその装
置に関する。さらに詳しくは、例えば自動車用アルミホ
イールのような軽量強度部品の鋳造に好適な低圧鋳造方
法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車用アルミホイールのような
軽量強度部品を鋳造するために実用化された技術として
は低圧鋳造方法がある。この方法を実施するための装置
としては、例えば図2に示すような立型低圧鋳造機が用
いられている。すなわち同図の鋳造機は、装置の基盤と
なる水平に設置されたボトムプラテン(1)と、これに対
向して配置されるトッププラテン(2)と、これら両プラ
テン(1)(2)の四隅に固定され鋳造機の枠体を構成するタ
イバー(3)と、トッププラテン(2)の中央上部に固定され
た昇降シリンダ(4)のピストンロッド(41)に連結され、
ボトムプラテン(2)に近接・離間自在に構成された可動
プラテン(6)とからなり、ボトムプラテン(1)の中央に
は、下方垂直に円形断面のストーク(7)が嵌装されてお
り、下型(8)がその中央の湯道孔(81)をストーク(7)と同
心にしてボトムプラテン(2)の中央に搭載されている。
一方、サイド型(9)は割型構造となっており、下型(8)と
組にして下型(8)の上部に搭載され、上型(10)は可動プ
ラテン(6)に装着されている。以上の下型(8)、サイド型
(9)、上型(10)とによって鋳造製品を得るためのキャビ
ティ空間(イ)が形成される。さらに、ストーク(7)に対し
て湯道管(11)が下方に液密にかつ着脱自在に連接されて
おり、該湯道管(11)は溶湯(12)を保持する炉(13)を密閉
する蓋体(14)の上部中央に設けられるベローズ構造(15)
によって気密かつ伸縮可能に構成されている。
【0003】上記蓋体(14)には図示しない加圧エア入口
及び出口が穿設されており、炉内の溶湯(12)を加圧エア
によって押し上げてキャビティ空間に充填し、充填完了
後炉内エアを逃がして溶湯湯面を自然の位置まで下げる
ことができる。上記立型低圧鋳造機(1)ではストーク(7)
を通じて溶融アルミ合金等の溶湯を低速、低圧で押し上
げ、充填することができ、高速ダイカスト法の時のよう
に充填時にエアを巻き込むことがないので、最上部のホ
イール周縁部まで溶湯を充填する事ができ、且つホイー
ル上面から下面に向けて長く伸びた樹木状晶を形成でき
る点で優れているものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような低圧鋳造
機(1)で例えば自動車用アルミホイールのような軽量強
度部品を鋳造する場合、キャビティ空間(イ)に溶湯を鋳
込んだ後、その冷却時において加圧ピン等を打ち込む等
により、鋳造物をさらに緻密に仕上げるようにすること
が望ましい。
【0005】しかしながら、低圧鋳造機において形成さ
れるキャビティ空間(イ)は、ストーク(7)を通じて炉(13)
内に連通する構成であり、閉空間とはならないため、キ
ャビティ空間(イ)に鋳込んだ溶湯を冷却過程で上記のよ
うに加圧ピンを打ち込む場合、キャビティ空間内の半固
体状の溶湯に及ぼされる作用力は、ストーク(7)を通じ
て逃げてしまい、打ち込み効果が半減してしまうことに
なり、緻密な鋳造品を得ることができない。
【0006】そこで本発明の解決しようとする課題は、
従来の低圧鋳造機にも適用可能であって、炉内とキャビ
ティ空間との連通を簡便に開閉するチェック機構を設け
ることにより、鋳込み後冷却時において加圧ピンの打ち
込みを確実に行わせることを可能にする低圧鋳造方法及
びその装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かくして本願発明によれ
ば、加圧により湯道孔(81)を通して溶湯(12)を金型(8)
(9)(10)のキャビティ空間(イ)に徐々に注入する低圧鋳造
方法において、溶湯(12)のキャビティ空間(イ)への注入
時に炉(13)内からキャビティ空間(イ)に通ずる溶湯流路
(a)の一部でその断面を変更すると共に注入完了後該流
路断面変更部(24)で溶湯流路(21)を閉塞し、次いで冷却
時に、該溶湯流路(21)を遮断した状態で鋳造物に加圧ピ
ン(16)の打ち込みを行うことを特徴とする低圧鋳造方法
が提供される。
【0008】従って上記発明の方法を実施する装置とし
ては、開閉自在で内部にキャビティ空間(イ)を構成する
と共に該キャビティ空間(イ)に溶湯(12)を導入し得る湯
道孔(81)を有する金型と、溶湯(12)を貯留できかつこの
溶湯(12)を上方へ供給し得る湯道管(11)を有する炉(13)
とを備え、炉内の加圧により湯道管(11)及び湯道孔(81)
を通じて溶湯(12)を金型のキャビティ空間(イ)に徐々に
注入する低圧鋳造装置であって、上記湯道管(11)と湯道
孔(81)との間の溶湯流路(21)の一部に、上側流路(22)断
面が下側流路(23)断面よりも大きく設定された流路断面
変更部(24)と、該流路断面変更部(24)上に上記下側流路
断面径より大きい径を有して載置され湯道管(11)から押
し上げられる溶湯(12)を流通させ、かつ溶湯の押上解除
後自重により流路断面変更部(24)を閉塞して湯切りする
と同時に該溶湯流路(21)を遮断しうるボール状物(25)と
からなるチェック機構(ハ)を設けると共に、該チェック
機構(ハ)による溶湯流路(21)遮断時にキャビティ空間(イ)
内の鋳造物を加圧する加圧ピン(16)を具備したことを特
徴とする低圧鋳造装置を提供することができる。
【0009】本願発明の装置は、後述するチェック機構
(ハ)を設けること以外は、従来汎用されている加圧ピン
を備えた立型低圧鋳造機を利用することができる。
【0010】本願発明の装置におけるチェック機構(ハ)
は、湯道管(11)と湯道孔(81)との間の溶湯流路(21)に構
成される。該溶湯流路(21)には、上側流路(22)断面が下
側流路(23)断面よりも大きく設定された流路断面変更部
(24)が設けられ、この流路断面変更部(24)には、上記下
側流路断面径より大きい径を有するボール状物(25)が載
置される。ボール状物(25)が載置されるとは、下からの
溶湯の押し上げがないときは流路断面変更部(24)に嵌ま
った状態であり、下からの溶湯(12)の押し上げがあると
きは、この溶湯(12)の押上げによって容易に該変更部(2
4)から上方に離される状態をいう。
【0011】上記チェック機構(ハ)は、湯道管(11)と湯
道孔(81)との間の溶湯流路(21)のいずれに設けられても
よいが、湯道孔(81)及び湯道管(11)にそれぞれ連結可能
な流路部を別体構成し、この流路部に設けることが、従
来の低圧鋳造機を利用する際に、構成の変更を最小限に
止める点から好ましいものである。この流路部の一例と
して例えば従来の低圧鋳造機の一部として用いられてい
るストークを改良する等が挙げられ、この具体的な構成
例については後述する実施例の記載が参照される。
【0012】ところで、キャビティ空間(イ)に溶湯が注
入される際や、注入後金型を冷却する際には、チェック
機構(ハ)の溶湯流路(21)を通過する溶湯の流動性を保持
することが、鋳造工程を繰り返す上で必要となるが、こ
れに対しては『請求項3』に示すように、上記チェック
機構(ハ)に、少なくとも、キャビティ空間(イ)への溶湯注
入時には該チェック機構(ハ)の溶湯流路(21)を通過する
溶湯(12)の温度を保持し、かつ注入後の金型冷却時に
は、該チェック機構(ハ)の溶湯流路(21)の溶湯(12)をそ
の凝固点以上に保持しうる温調可能な加熱手段(26)を具
備することが好ましい。上記温調例としては、アルミニ
ウム合金の溶湯を使用する場合、例えば、溶湯の注入過
程においては450〜500℃程度が、冷却時は600〜650℃程
度がそれぞれ挙げられる。
【0013】また、本願発明の装置において、湯道孔(8
1)の下端開口部(82)がチェック機構(ハ)に接続される構
成であって、該開口部(82)の開口断面径がボール状物(2
5)の径よりも小さく設定されている場合、『請求項4』
に示すように、ボール状物(25)によって湯道孔(81)開口
面が閉塞されたときでも、湯道管(11)から押し上げられ
る溶湯(12)を湯道孔(81)に流通できるように、上記湯道
孔開口部内壁(83)に、1つ以上の溶湯流通溝(84)を設け
ることが好ましい。
【0014】本願発明の装置に用いられる上記ボール状
物(25)は、十分な耐熱性を有すると共に溶湯との湯切れ
が良好な点から、少なくとも表面がセラミックで構成さ
れる。具体的にはセラミックボールや金属製のボールに
表面がセラミックコーティングされたものを挙げること
ができる。セラミックとしては例えばアルミナ、チッ化
ケイ素等が挙げられる。また、本願発明の装置に設けら
れる加圧ピン(16)は、ボール状物(25)によって流路断面
変更部(24)が閉塞されたときに、キャビティ空間(イ)内
に保持された鋳造物(ロ)をピン打ち込みによって加圧で
きるよう構成されるものであればいずれの構成であって
もよい。
【0015】
【作用】本願発明によれば、湯導管(11)を押上げられて
キャビティ空間(イ)に注入される溶湯(12)は、その押上
げの途中で流路断面が変更された流路断面変更部(24)を
通過し、このとき該流路断面変更部(24)に載置されたボ
ール状物(25)を押上げて導入されるが、注入完了と同時
に溶湯(12)の押上げが解除されると、ボール状物(25)は
その自重により流路断面変更部(24)を閉塞するので、湯
切れが適切に行われると同時にキャビティ空間(イ)と湯
道管(11)との連通は遮断される。この遮断状態のままキ
ャビティ空間(イ)内では溶湯(12)の冷却が行われ、次い
でキャビティ空間(イ)内の凝固しつつある鋳造物(ロ)に加
圧ピン(16)が打ち込まれるが、加圧ピン(16)による押圧
は、ボール状物(25)にて遮断された閉空間であるキャビ
ティ空間(イ)内の鋳造物(ロ)に有効に作用して、微細な空
隙が消滅して緻密な鋳造物(ロ)が得られることとなる。
【0016】本願『請求項3』によれば、キャピティ空
間(イ)に溶湯を注入する場合は、チェック機構(ハ)に具備
されている加熱手段(26)により溶湯流路(21)が加熱され
て、炉(13)から湯道管(11)を通じて供給される熱い溶湯
(12)が保温されることとなり、適正な流動性が保持され
てスムースに注入されることとなる。また注入後、金型
を冷却する場合は加熱手段(26)によりチェック機構(ハ)
が所定の温度に加熱されるので、チェック機構(ハ)内に
残留する溶湯は凝固せずに流動性が保持されることとな
り、次の注入工程がスムースに行われることとなる。
【0017】本願『請求項4』によれば、湯道孔(81)の
下端開口部(82)がチェック機構(ハ)に接続されていて
も、該開口部内壁(83)には溶湯流通溝(84)が1つ以上設
けられているので、ボール状物(25)が湯道管(11)から押
し上げられる溶湯(12)によって湯道孔開口部(82)を閉塞
しても、上記溶湯流通溝(84)を通じて溶湯は湯道孔(81)
内に流入されキャビティ空間(イ)に注入されることとな
る。
【0018】
【実施例】以下、本発明を図示実施例に従って詳述する
が、これによって本発明が限定されるものではない。図
1は本発明にかかる低圧鋳造装置の一例の立型鋳造機の
概略断面図である。同図において、(1)は装置の基盤と
なるボトムプラテンで、水平に設置されている。それに
対して(2)はトッププラテン、(3)は両端にねじを螺切し
てある複数本のタイバーで、(1)(2)両プラテンの四隅の
挿入孔にタイバー(3)を挿入し、固定ナットで締結し、
鋳造機の枠体を構成する。昇降シリンダ(4)は、トップ
プラテン(2)の中央上部に固着されており、そのピスト
ンロッド(41)は、四隅の挿入孔をタイバー(5)で摺動自
在に支持されている可動プラテン(6)の中央上面に固着
されているので、可動プラテン(6)は昇降自在となる。
【0019】ボトムプラテン(1)の中央には、後述する
チェック機構(ハ)が構成された溶湯流路(21)を有するス
トーク(20)が嵌装してあり、ボトムプラテン(1)上に
は、下型(8)がその中央に設けられた湯道孔(81)を上記
ストーク(20)と同心にして、搭載されている。サイド型
(9)は割型構造となっており、下型(8)と組にして下型
(8)の上部に搭載される。上型(10)は可動プラテン(6)に
装着されている。以上の下型(8)、サイド型(9)、上型(1
0)とによって鋳造製品を得るためのキャビティ空間(イ)
が形成される。
【0020】ストーク(20)に対して湯道管(11)が下方に
液密にかつ着脱自在に連接されている。該湯道管(11)は
溶湯(12)を保持する炉(13)を密閉する蓋体(14)の上部中
央に設けられるベローズ構造(15)によって気密かつ伸縮
可能に構成されている。この湯道管(11)の端部(11a)は
フランジ状とっている。ストーク(20)及び湯道管(11)は
耐熱性の断熱材料で構成されている。
【0021】断熱材料製の炉(13)は、図示しない溶解炉
で適温に溶解したアルミホイール用合金の溶湯(12)を保
持している。溶湯(12)を注湯された後、炉(13)の入口側
上部は断熱材料製の蓋体(14)で密閉される。炉(13)全体
は溶湯の補充注湯や保守管理などのために鋳造機から分
離することができる構造となっている。なお、蓋体(14)
には図示しない加圧エア入口及び出口が穿設されてお
り、これらには図示しない弁装置を有し、炉(13)内の溶
湯(12)を加圧エアによって押し上げてキャビティ空間
(イ)に充填し、充填完了後炉内エアを逃がして溶湯湯面
を自然の位置まで下げることができる。
【0022】(16)は加圧ピンでありシリンダ駆動されて
いる。
【0023】(16a)はスクイズピンで、可動プラテン(6)
及び上型(10)を貫通する貫通孔(16a)に嵌挿され、頭部
が一定の長さで可動プラテン(6)上に飛び出すようにば
ね(17)により付勢されている。そして可動プラテン(6)
が昇降シリンダ(4)によって上昇したとき、トッププラ
テン(2)に当接してさらに上型(10)内に侵入することが
てき、これによって該上型(10)に接着している鋳造品
(ロ)を離型するように構成されている。
【0024】ストーク(20)は、図2に示すように、径の
大きい上部流路(22)と径の小さい下部流路(23)とが同心
にて配置され、さらにこれらの流路(22)(23)がテーパ面
(24)で連結されて全体として漏斗状の形状をなした溶湯
流路(21)を有している。上部流路(22)径は湯道孔(81)の
下端開口径よりも大きく、下部流路(23)は湯道管(11)の
内径と略同等に形成されている。そして、上部流路(22)
内には、下部流路(23)径よりも大きい径を有し、かつ該
下部流路(23)を閉塞できるセラミックボール(25)が収納
されている。これら上部流路(22)、下部流路(23)及びセ
ラミックボール(25)によってチェック機構(ハ)が構成さ
れている。
【0025】また上記ストーク(20)の外側には、該スト
ーク(20)周囲を囲橈しうる分割可能なセラミックヒータ
(26)が設けられており、該セラミックヒータ(26)は、所
定の温度に加熱できる図示しない温調手段に接続されて
いる。なお、この図示しない温調手段は、予め加熱温度
を設定することができ、かつこの立型鋳造機の成形サイ
クルに応じて溶湯注入時及び金型冷却時に対してそれぞ
れ設定された温度でセラミックヒータ(26)を加熱できる
ように構成されている。上記加熱温度の一例としては、
溶湯がアルミニウム合金である場合、溶湯注入時は450
〜500℃程度が、金型冷却時600〜650℃程度が挙げられ
るが、これに限定されない。
【0026】またさらに、湯道孔(81)とチェック機構
(ハ)との関係は図3に示すように構成されている。すな
わち、湯道孔(81)の下端開口部(82)はチェック機構(ハ)
に接続され、その開口部(82)の径はセラミックボール(2
5)の径よりも小さく設定されている。そして、該開口部
内壁(83)には、4つの溶湯流通溝(84)が上下方向に設け
られている。このような構成であるので、湯道管(11)か
ら押し上げられる溶湯(12)によってセラミックボール(2
5)が湯道孔開口部(82)に当接しこれを閉塞しても、セラ
ミックボール(25)と湯道孔開口部(82)との間には溶湯流
通溝(84)による間隙が確保されているので、この間隙を
通じて溶湯は湯道孔(81)内に流入することができる。
【0027】以上の構成からなる本発明の低圧鋳造機の
作用について述べる。 型 締 昇降シリンダ(4)によって可動プラテン(6)が下降し、上
型(10)とサイド型(9)とのパーティング面が当接する。 溶湯に加圧 上記状態において、まず、チェック機構(ハ)に設けられ
たセラミックヒータ()が温調手段の制御によって所定温
度(例えば450〜500℃程度に)加熱される。次いで、炉
(13)の蓋体(14)の加圧エア入口から、例えば5kgf/cm
程度のエアをかけて、炉内の溶湯(12)の湯面を押し下げ
ることにより、溶湯(12)は湯道管(11)、ストーク(20)及
び湯道孔(81)を押し上げられる。
【0028】充 填 湯道管(11)を押し上げられる溶湯(12)は、ストーク(20)
内の下部流路(23)を通過してその上に載置されているセ
ラミックボール(25)を押し上げて上部流路(22)に侵入
し、さらに湯道孔(81)を経てキャビティ空間(イ)に導入
されていくが、この導入過程においてストーク(20)はセ
ラミックヒータ(26)により加熱されているので、溶湯は
保温され適正な流動性が保持される。所定量の溶湯でキ
ャビティ空間(イ)が充填されると、加圧エアによる炉(1
3)内の加圧が中止され注湯が停止されるが、このとき押
上力が解除される共にセラミックボール(25)は上部流路
(22)と下部流路(23)との接続面であるテーパ面(24)に支
持されて、下部流路(23)を閉塞する。このとき、テーパ
面(24)によって表面張力が小さく設定された溶湯(12)に
対してさらにセラミツクボール(25)の球面がこのテーパ
面(24)に載って下部流路(23)の開口面を閉塞するので、
溶湯(12)の湯切れが良好に行われることとなる。同時に
キャビティ空間(イ)が閉空間となる。
【0029】冷却 まず、図示しない温調手段の制御によって、セラミック
ヒータ(26)がさらに所定温度(例えば600〜650℃程度)
に加熱される。上記のごとくセラミツクボール(25)によ
り湯切りされてキャビティ空間(イ)に保持されたまま溶
湯が冷却され始めるが、所定時間経過し、溶湯が適切に
凝固したところで、加圧ピン(16)による打ち込みが行わ
れる。このとき、キャビティ空間(イ)内は、炉(13)内と
の連通がセラミツクボール(25)により遮断されて閉空間
が構成されているので、加圧ピン(16)を通じてキャビテ
ィ空間(イ)内の凝固した溶湯に及ぼされる力は、炉(13)
内に逃げず有効にキャビティ空間(イ)内の凝固過程の溶
湯全体に作用することとなり、微細な空隙が消滅して緻
密な鋳造品(ロ)に成形されることとなる。また、湯切り
されてチェック機構(ハ)内の溶湯流路(21)内に残留した
溶湯は、セラミックヒータ(26)の加熱によりその凝固点
以上に温度が保持されるので、流動性を保持したまま溶
湯流路(21)内に貯留されることとなる。
【0030】製品取り出し さらに所定時間が経過し、凝固が完了した時点で、サイ
ド型(9)が下型(8)の上で左右に開いた後、昇降シリンダ
(4)によって可動プラテン(6)が上型(10)及び鋳造品(ロ)
と共に上昇する。この上昇に伴ってスクイズピン(16a)
がトッププラテン(2)の下面に当接すると、このスクイ
ズピン(16a)が下向きに押されて鋳造品(ロ)が上型(10)か
ら分離され、鋳造品(ロ)は取り出された後、次の低圧鋳
造に備えられる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、キャビティ空間内へ溶
湯を注入して充填するとき、炉内加圧を止めるだけで湯
切りを良好に行うことができ、鋳造操作を非常に良好に
繰り返すことができる。また本発明によれば、湯切りと
同時にキャビティ空間と炉内との連通を遮断でき、キャ
ビティ空間を完全な閉空間とできるので、冷却・凝固過
程において加圧ピンによる打ち込みの作用力を有効に鋳
造品全体に加えることができ、これにより微細な空隙を
消滅させて緻密な鋳造品を成形することができる。従っ
て、長く伸びた樹木状晶を形成できるという低圧鋳造法
の長所を保持した上でさらに、緻密に成形することがで
きるので、非常に強度の強い良質な鋳造品を成形するこ
とができる。またさらに、溶湯注入時及び金型冷却時に
それぞれチェック機構が所定温度に温度制御されるの
で、鋳造工程中にチェック機構内で溶湯が凝固すること
がなく、スムースに鋳造工程を進めることができ、歩留
まりを上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の低圧鋳造機の一実施例の要部概略縦断
面図
【図2】図1の低圧鋳造機におけるチェック機構の要部
分解斜視図
【図3】チェツク機構と湯道孔との関係を示す部分拡大
構成図
【図4】従来例の図1相当図
【符号の説明】
(1)…ボトムプラテン (2)…トッ
ププラテン (3),(5)…タイバー (4)…昇降
シリンダ (6)…可動プラテン (7),(20)…
ストーク (8)…下型 (9)…サイ
ド型 (10)…上型 (11)…湯道
管 (12)…溶湯 (13)…炉 (16)…加圧ピン (21)…溶湯
流路 (22)…上部流路 (23)…下部
流路 (24)…テーパ面 (25)…セラ
ミックボール (26)…セラミックヒータ (81)…湯道
孔 (イ)…キャビティ空間 (ロ)…鋳造
品 (ハ)…チェック機構

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉内の加圧により湯道孔を通して
    溶湯を金型のキャビティ空間に徐々に注入する低圧鋳造
    方法において、 溶湯のキャビティ空間への注入時に炉内からキャビティ
    空間に通ずる溶湯流路の一部でその断面を変更すると共
    に注入完了後、該流路断面変更部で溶湯流路を閉塞し、
    次いで冷却時に、該溶湯流路を遮断した状態で鋳造物に
    加圧ピンの打ち込みを行うことを特徴とする低圧鋳造方
    法。
  2. 【請求項2】 開閉自在で内部にキャビティ空間
    を構成すると共に該キャビティ空間に溶湯を導入し得る
    湯道孔を有する金型と、溶湯を貯留できかつこの溶湯を
    上方へ供給し得る湯道管を有する炉とを備え、炉内の加
    圧により湯道管及び湯道孔を通じて溶湯を金型のキャビ
    ティ空間に徐々に注入する低圧鋳造装置であって、 上記湯道管と湯道孔との間の溶湯流路の一部に、上側流
    路断面が下側流路断面よりも大きく設定された流路断面
    変更部と、該流路断面変更部上に上記下側流路断面径よ
    り大きい径を有して載置され湯道管から押し上げられる
    溶湯を流通させ、かつ溶湯の押上解除後自重により流路
    断面変更部を閉塞して湯切りすると同時に該溶湯流路を
    遮断しうるボール状物とからなるチェック機構を設ける
    と共に、該チェック機構による溶湯流路遮断時にキャビ
    ティ空間内の鋳造物を加圧する加圧ピンを具備したこと
    を特徴とする低圧鋳造装置。
  3. 【請求項3】 チェック機構が、少なくとも、キ
    ャビティ空間への溶湯注入時には該チェック機構の溶湯
    流路を流動する溶湯の温度を保持し、かつ注入後の金型
    冷却時には、該チェック機構の溶湯流路の溶湯をその凝
    固点以上に保持しうる温調可能な加熱手段を具備してな
    る請求項2記載の低圧鋳造装置。
  4. 【請求項4】 湯道孔の下端開口部がチェック機
    構に接続されており、該開口部の開口断面径がボール状
    物の径よりも小さく設定され、該ボール状物によって湯
    道孔開口面が閉塞された際に湯道管から押し上げられる
    溶湯を湯道孔に流通しうる溶湯流通溝が上記湯道孔開口
    部内壁に1つ以上設けられてなる請求項2記載の低圧鋳
    造装置。
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