JP3702000B2 - 回転遊戯具 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばコーヒーカップを模した形状(カップ形乗物)をなし、その中心軸をほぼ中心として回転させるようにした回転遊戯具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、公園、遊園地などに設けられる、例えばいわゆるコーヒーカップ、すなわちコーヒーカップ形乗物などの回転遊戯具として、遊戯具本体の底面に、その中心軸を中心とする円を描く方向に回転可能なキャスターを例えば4か所、等間隔に固定し、遊戯具本体の中心軸を地面に設置した支持ベース上の回転軸穴に回転自在に垂直に嵌合させたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような構成からなる従来のコーヒーカップ形乗物などの回転遊戯具においては、キャスターが遊戯具本体の底面に固定され、その底面の回転中心部を支持ベースに回転自在に嵌合させているため、野外に設置され風、雨にさらされると泥、ゴミなどがキャスターや回転部の回転軸部に詰まり易く、それにより回転が重くなり易いという問題があった。さらに、いわゆるコーヒーカップ形乗物などの回転遊戯具では、このように泥、ゴミなどがキャスターや回転部の回転軸部に詰ったとき、いちいち遊戯具本体を取り外し、遊戯具本体を裏返しキャスターや回転部の回転軸部を掃除する必要があり、その掃除もきわめて面倒であった。さらに、従来のコーヒーカップ形乗物などの回転遊戯具は、単に水平面内にて回転するのみであり、スリルに乏しく面白みに欠けるものであった。
【0004】
したがって、本発明は風、雨にさらされても泥、ゴミなどがキャスターや回転部の回転軸部に詰まりにくく、たとえ泥、ゴミなどが詰まったときでも、掃除を簡単に行うことができ、かつ娯楽性を改善したコーヒーカップ形乗物などの回転遊戯具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決する手段】
本発明は上記課題を解決するため、遊戯具本体を傾斜面をなす支持ベース上に支持させ、遊戯具本体を傾斜しつつ回転させるようにするという手段を講じた。
【0006】
すなわち、本発明は、底面に回転軸を中心とする環状または円形状凹部を有する遊戯具本体と、傾斜上面を有し該遊戯具本体を傾斜状態で回転自在に軸支する支持ベースと、該支持ベースの傾斜上面に等間隔に固定され該遊戯具本体の環状または円形状凹部に衝合して該遊戯具本体を回転自在に支持する複数個のキャスターその他の回転子とを具備してなる回転遊戯具を提供するものである。
なお、遊戯具本体の回転中心部に筒状体を底面から突出するようにして設け、他方、支持ベースの傾斜上面からポールを傾斜上面に対し垂直に突出するようにして設け、この遊戯具本体の筒状体に支持ベースのポールを嵌挿させることにより、遊戯具本体を傾斜しつつ回転させるようにすることが好ましい。
遊戯具本体としては例えばカップ形乗物を用いることができる。
【0007】
【作用】
遊戯具本体は、支持ベースの傾斜上面にて傾斜して回転するようになっているから、泥、ゴミなどはその傾斜面を介して下方に自然に落下し排出され易くなり、そのため泥、ゴミなどがキャスターや回転部に詰りずらくなる。また、遊戯具本体をその底面に形成された環状または円形状凹部を介して複数個、例えば4個のキャスターその他の回転子上に載置させ、これらキャスターを介して回転自在とすることにより、キャスターが遊戯具本体の底面に固定されている従来のものと比較して泥、ゴミなどをキャスターや回転部の回転軸部に巻き込むことが更に少なく、また泥、ゴミなどがキャスターや回転部に詰った場合でも、遊戯具本体を退かし支持ベース上のキャスターを掃除することができるので、掃除も簡単で済む。さらに、遊戯具本体は適度に傾斜した状態で回転するので、スリルに富み、娯楽性も向上する。
【0008】
【実施例】
まず、本発明をコーヒーカップ形乗物に適用した図1ないし図2に記載の実施例を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる回転遊戯具の正面を一部断面にして示す図、図2はこの回転遊戯具の側面図である。これら図から明らかなように、この回転遊戯具は主として遊戯具本体としてのコーヒーカップ形乗物11と、コーヒーカップ形乗物11を設置するため地面上に施される支持ベース12と、この支持ベース12上面に固定された4個のキャスター13とからなっている。
【0009】
コーヒーカップ形乗物11は、ほぼお椀形をなし、その内部に内壁の沿って座席14が設けられていて数人の子供が座れるようになっている。また、その一側は縦方向に切欠されていて、これを出入口15として人が出入りすることができるようになっている。
また、このコーヒーカップ形乗物11の中心には座席14より若干高く筒体16が床面17から垂直に立設されていて、この中心軸に保持ハンドル18を頂部に固定したポール19が嵌挿されていて、筒体16の上下に配設された一対のベアリング20、21を介してコーヒーカップ形乗物11が筒体16とともにポール19の周りにて回転自在となっている。
【0010】
コーヒーカップ形乗物11の床面17に対応する裏側の底面には、コーヒーカップ形乗物11の回転軸を中心とする円形状の凹部25が形成されている。
支持ベース12はその周縁に環状縁部26が張出していて、この縁部26を介して適当数のアンカーパイル27を挿入し、これにより地面に支持ベース12を固定し得るようになっている。支持ベース12の上面は図示のように所望の角度の傾斜面12aとなっていて、この傾斜面12aに後述のキャスター固定板28が固定されている。また、このキャスター固定板28のほぼ中央部には上記ポール19が傾斜面12aに対して垂直に突設されている。すなわち、ポール19は地面に対して傾斜した状態で立設されている。コーヒーカップ形乗物11がこの傾斜したポール19の回転軸の周りに回転することになるから、これによりコーヒーカップ形乗物11もこの傾斜面12aに準じて傾斜した状態で回転することになる。
【0011】
4個のキャスター13はキャスター固定板28にその中心から互いに90度をなす角度を以て等間隔に固定されていて、その上部はコーヒーカップ形乗物11の円形状凹部25の内壁に接近するようにしてこの円形状凹部25と嵌合している(なお、この嵌合深さは、この嵌合が通常外れない程度であればよい)。なお、各キャスター13はキャスター固定板28の所定位置に立設された一対の支持板29と、この一対の支持板29に軸支された車輪30とからなり、この車輪30がコーヒーカップ形乗物11の円形状凹部25の底面と接してコーヒーカップ形乗物11を支持するとともに、コーヒーカップ形乗物11の回転軸を中心とする円を描く方向(接線方向)に回転することによりコーヒーカップ形乗物11を回転自在としている。
【0012】
次に、以上の構成からなる回転遊戯具の動作について説明すると、このコーヒーカップ形乗物11は、その外から、または内側から保持ハンドル18を介して、手動により左右のいづれかの方向に向けて押す、あるいは引くことにより、同時にコーヒーカップ形乗物11をキャスター13の車輪30を介してポール19を回転中心として傾斜させながら左右いづれの方向にも自由に回転させることができる。
【0013】
また、泥、ゴミなどがキャスター13に詰まって、回転が鈍くなったときは、コーヒーカップ形乗物11を人手等により持ち上げ、ポール19との嵌合を解き、横に移動させれば、各キャスター13がそのまま支持ベース12上にて露出することになるので、この泥、ゴミなどを水などにより容易に取り除くことができる。
【0014】
なお、上記実施例では、キャスター13の数を4個のものについて説明したが、これに限らず5個以上であってもよい。また、コーヒーカップ形乗物11内部の構造についても、上記実施例のものに限らず、任意に変更することができる。例えば必要に応じて出入口15に開閉扉を設けることもできる。
さらに、上記実施例では、コーヒーカップ形乗物11の裏側底面に、コーヒーカップ形乗物11の回転軸を中心とする円形状の凹部25を形成したものについて説明したが、これに限らず、コーヒーカップ形乗物11の回転軸を中心とする円環状の凹部を形成し、これにキャスター13の車輪30を嵌合させるようにしてもよい。また、上記実施例とは逆に、コーヒーカップ形乗物11の回転軸の底面にキャスター13を固定させ、支持ベース12の傾斜面12aにて回転走行させるようにしてもよい。
また、上記実施例では、回転子の一例としてキャスターを例示したが、その他の回転子としては、例えば支持ベース上にブラケットを介して上向きに取り付けられた回転ローラ、同様に軸受けを介して取り付けられたスチールボール等であってもよい。
【0015】
図3ないし図5は本発明の回転遊戯具の他の実施例を示すものであって、図3はその側面図、図4はその平面図、図5はその斜視図である。この実施例は前記実施例のコーヒーカップ形乗物11の代わりに、その外周壁面の中間位置に沿ってリブ状の環状突起41aを付加したカップ形状のカップ形乗物41を用いた以外は前記実施例と実質的に全く同一であり、したがって、前記実施例と同一部分については同一符号を付すことにより説明を省略する。また、その動作についても全く同一であり、このカップ形乗物41は、その外から、または内側から保持ハンドル18を介して、手動により左右のいづれかの方向に向けて押す、あるいは引くことにより、同時にカップ形乗物41をキャスター13の車輪30を介してポール19を回転中心として傾斜させながら左右いづれの方向にも自由に回転させることができる。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の回転遊戯具によれば、遊戯具本体は、支持ベースの傾斜上面に傾斜して回転するようになっているから、泥、ゴミなどはその傾斜面を介して下方に自然に落下し排出され易くなり、泥、ゴミなどがキャスターや回転部に詰りずらくなる。また、遊戯具本体の底面に環状または円形状凹部を形成し、他方、地面に設置する支持ベース上に適当数のキャスターを固定し、これらキャスターを上記環状または円形状凹部に嵌合させ、遊戯具本体を回転自在に支持するようにすることにより、キャスターが遊戯具本体の底面に固定された従来の回転遊戯具と比較して泥、ゴミなどをキャスターや回転部の回転軸部に巻き込むことが少なく、また泥、ゴミなどでキャスターや回転部に詰った場合でも、遊戯具本体を退かすだけで支持ベース上のキャスターを掃除することができるので、掃除も簡単で済むことになる。さらに、遊戯具本体は適度に傾斜した状態で回転するので、スリルに富み、娯楽性も著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる回転遊戯具の正面断面図。
【図2】 図1に示す回転遊戯具の側面図。
【図3】 本発明の他の実施例に係わる回転遊戯具の側面図。
【図4】 図3に示す回転遊戯具の平面図。
【図5】 図3に示す回転遊戯具の斜視図。
【符号の説明】
11…コーヒーカップ、 12…支持ベース、 13…キャスター、 14…座席、 15…出入口、 17…床面、 18…保持ハンドル、 19…ポール、 20、21…ベアリング、 25…円形状の凹部、 27…アンカーパイル、 28…キャスター固定板、 30…車輪、 41…カップ形乗物。

Claims (3)

  1. 底面に回転軸を中心とする環状または円形状凹部を有する遊戯具本体と、傾斜上面を有し該遊戯具本体を傾斜状態で回転自在に軸支する支持ベースと、該支持ベースの傾斜上面に等間隔に固定され該遊戯具本体の環状または円形状凹部に衝合して該遊戯具本体を回転自在に支持する複数個のキャスターその他の回転子とを具備してなる回転遊戯具。
  2. 遊戯具本体の回転中心部に筒状体が底面から突出して設けられ、他方、支持ベースの傾斜上面からポールが傾斜上面に対し垂直に突出して設けられ、該遊戯具本体の筒状体に支持ベースのポールを嵌挿させることにより、該遊戯具本体が傾斜しつつ回転自在となっていることを特徴とする請求項1に記載の回転遊戯具。
  3. 遊戯具本体がカップ形乗物であって、内部の内壁に沿って遊戯者が着座する座席を一体に設けてなることを特徴とする請求項2に記載の回転遊戯具。
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