JP3701615B2 - 筒状サポータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、膝、肘、腰、首および頭等の保温や健康維持を目的として好適に使用することができ、かつ丸編み機によって容易に製造可能な筒状サポータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
保温サポータや健康サポータなどと呼ばれ、膝、肘、腰、首および頭等の保温や健康維持を目的として使用される筒状のサポータとして、ゴム状弾性糸を合成繊維の仮撚加工糸で被覆してなる被覆弾性糸と、ゴム状弾性を有しない通常編糸とを編糸に使用し、丸編み靴下機その他の丸編み機で交編して得られる筒状サポータが知られている。
【0003】
しかしながら、従来の筒状サポータは、全体を密な組織で編成し、かつ編み始め部分や編み終わり部分を通常の縫い糸による縫製で止めていたので、編地の伸び率が低下し、例えば丸編み靴下機(B式5インチ、168本)で編成した平編み組織の筒状サポータ(編地幅:約8cm)では、編み始めおよび編み終わりを除く中央部分の伸長時の最大編地幅が23cm程度(周長が46cm程度)となり、特に縫製で仕上げた編み終わり部分では20%減の18cm程度(周長が36cm程度)になっていた。
【0004】
したがって、市販用の膝用サポータとしては、筒状に編成され、偏平に畳んだ状態の最大編地幅が20.5cmのM寸、23cmのL寸、25.5cmのLL寸等、多種類のサイズを用意する必要があり、編地幅28cmの3L寸、30.5cmの4L寸、33cmの5L寸等は、編地を裁断、縫製して製造していた。そして、大きめのサイズを着用した場合はずり落ちが生じ、小さめのサイズを着用した場合は締付けや圧迫感が強くなり、また伸び率を大きくするために編糸のループ長を長く設定した場合は、着用後に編糸の弛みが大きくなって一部がパイル状に突出し、外観不良になるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、膝、肘、腰、首および頭等の使用部位別に、それぞれ一種類のサイズを用意すればM寸から5L寸までの任意のサイズに対しフリーサイズに利用が可能で、しかもずり落ちが少なく、締付け感や圧迫感がなく、外観およびフィット性が良好で、薄く、軽く、暖かく、かつ丸編み靴下機等の丸編み機を用いて無縫製で容易に製造することが可能な筒状サポータを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る筒状サポータは、ゴム状弾性糸を合成繊維の仮撚加工糸で被覆してなる被覆弾性糸と、ゴム状弾性を有しない通常編糸とを交編した丸編み地からなり、この丸編み地の両端部を除く本体部が通常編糸によって平編み組織に編成され、上記丸編み地の両端部が靴下のダブルウエルトと同様に上記本体部の半分のウエール数で平編み組織の袋に形成され、両端部の袋を構成する外側部分および内側部分、並びに本体部がそれぞれループ長の短い編目からなる短ループコースと長い編目からなる長ループコースとを1コース交互に配して形成され、上記両端部の袋を構成する外側部分、内側部分および上記本体部の各短ループコースに上記の被覆弾性糸が緯糸として挿入されて短ループコースが緯畝を形成し、上記本体部の終端ループと編み終わり側端部の終端ループとを接結する編糸が被覆弾性糸であり、本体部および両端部がほぼ等しい幅を備えていることを特徴とする。
【0007】
上記の筒状サポータは、両端部および本体部の全体が被覆弾性糸と通常編糸とで交編され、かつ短ループコースと長ループコースとが1コース交互に配列され、短ループコースに被覆弾性糸が挿入されて緯畝を形成するため、大きい伸び率が得られ、しかも収縮時に編目が元の形に戻り易く、組織乱れが生じ難くなる。そして、両端部が靴下のダブルウエルトと同様に、本体部の半分のウエール密度で、本体部とほぼ等しい幅の袋状に形成されるので、本体部とほぼ等しい伸び率を維持しながら、弾力はほぼ2倍となる。しかも、両端部が上記の袋状に形成されるので、履き口に編み始めまたは編み終わりが位置することがなく、かつ編み終わり端の編目ループが本体部の端の編目ループに、縫い糸による縫製でなく、編糸による編成によって接結され、この編糸が被覆弾性糸であるから、編み始めまたは編み終わりからほつれる危険が少なく、また縫い糸を用いた場合のように伸びが阻害されることがなく、編地の全体がほぼ均一の伸び率を備えている。
【0008】
したがって、上記の筒状サポータを人体サイズの5L寸に合わせて設計して着用した場合、着用者のサイズにほとんど関係なく、着用部分全体がほぼ均一な力でソフトに、違和感なく包まれ、しかもずり落ちがほとんど生じない。なお、この発明の筒状サポータは、被着部分の長さに合わせて編成し、これを一重で着用してもよく、また被着部分の約2倍の長さに編成し、これを二重の筒状に折重ねて着用してもよい。
【0009】
後者の場合は、編み始め側端部の袋部と編み終わり側端部の袋部とが長さ方向にずれるように折り重ね、この袋部が人体の細い側(例えば、膝用の筒状サポータであれば膝下のふくらはぎ)を、中央の折曲げ部が人体の太い側(例えば、膝用の筒状サポータであれば膝上の大腿部)を向くように着用することが好ましく、この場合は、反対向きに着用した場合や前者の一重の場合に比べ、比較的太い大腿部側の締付けが緩和される一方、細いふくらはぎ側の締付けが強化され、違和感なく、ずれ落ちを防ぐことができる。
【0010】
この発明で用いる通常編糸は、天然繊維、再生繊維、合成繊維、半合成繊維等からなるフィラメント糸、紡績糸、捲縮加工糸等であってゴム状弾性を有しない通常の編織用糸であれば、任意であるが、赤外線放射性セラミックスおよびプラチナの少なくとも一方を粉末の形で含有する合成繊維、半合成繊維、再生繊維等の化学繊維ステープル、例えばアクリル系繊維と、綿繊維、レーヨンステープル等の繊維素系繊維との混紡糸を用いることができ、この場合は、赤外線放射性セラミックスまたはプラチナを含有することによって、保温性が向上し、編地を薄手にし、軽量化することができる。そして、綿繊維等の繊維素系繊維ステープルを混紡することにより、肌触りおよび吸汗性が改善される。
【0011】
上記筒状サポータの基本構造を、説明の簡易化のため通常編糸のみによる編成方法で説明すると、丸編機、例えば丸編み靴下機を用い、先ず編み始めの編目を常法にしたがい全針を使って形成し、次いで、半数の針、例えば奇数番目の針をウエルト位置に保持し、残りの偶数番目の針のみで短ループコースと長ループコースとを交互に編成し、合計8〜20コース程度の編み始め側端部を形成する。しかるのち、再び全針を使って短ループコースと長ループコースとを交互に編成し、その最初の編成時に奇数番目の針に掛けられた編糸が上記ウエルト位置に保持されていた編目を通ることにより、上記編み始め側端部の最初の編目と本体部の最初の編目とが接合されて編み始め側端部が靴下のダブルウエルト状の袋に形成される。
【0012】
上記編み始め側端部の袋が形成された後、全針を使った短ループコースと長ループコースとの交互編成を続行して用途に応じて合計30〜300コースの本体部を形成する。そして、上記の本体部を形成した後、再び半数の針、例えば奇数番目の針をウエルト位置に保持し、残りの偶数番目の針のみで短ループコースと長ループコースとを交互に編成し、合計8〜20コース程度の編み終わり側端部を形成し、しかるのち再び全針を使って短ループコースを数コース編成すると、その最初の編成時に奇数番目の針に掛けられた編糸がウエルト位置に保持されていた編目を通るので、上記本体部の最終編目と編み終わり側端部の最終編目とが接合されて編み終わり側端部が靴下のダブルウエルト状の袋に形成される。
【0013】
この発明では、上記の通常編糸に加えて被覆弾性糸が用いられ、この被覆弾性糸が上記の編み始め側端部、本体部および編み終わり側端部を通じてその短ループコースに緯糸状に挿入される。例えば、裏目側に浮くシンカーループ1個ごとに上下が反転するように挿入される。そのため、被覆弾性糸がほぼ真っ直ぐな直線状に挿入され、その伸びが最大限に活かされ、編地の伸びが大きくなり、裏目側に短ループコースに沿った緯畝が形成される。上記編み始め側端部および編み終わり側端部の両端部の袋を構成する外側部分および内側部分、並びに本体部を編成する被覆弾性糸の伸び率、すなわち芯糸であるゴム状弾性糸の伸度はなるべく大きいことが好ましく、その点でウレタン弾性糸よりもゴム糸が好ましい。
【0014】
一方、本体部の最終編目と編み終わり側端部の最終編目とを接結する編糸は、編み終わり部分からほつれが始まるのを防ぐ端止め糸であり、その点で通常編糸よりも被覆弾性糸が好ましく、特にゴム糸に比して伸びが小さく、硬めのウレタン弾性糸で細いデニールのものを芯糸に用いたものが好ましい。
【0015】
また、上記の筒状サポータの編成では、本体部の編成から編み終わり側端部の編成に移る際、本体部の終端部を構成する通常編糸からなる編目が1針おきにウエルト位置に保持され、この通常編糸の編目が編成済みの本体部および編み始め側端部の全体を吊り下げる形になり、該通常編糸の負荷が大きくなるので、上記本体部の終端部を構成する通常編糸は、強度に優れていることが好ましい。したがって、本体部の終端部を構成する通常編糸は、合成繊維のフィラメント糸が好ましく、本体部および編み始め側端部の通常編糸として紡績糸、特に前記の混紡糸が用いられている場合は、該紡績糸または混紡糸を合成繊維のフィラメント糸で置換することが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は保温用筒状サポータの一例を示し、裏目側を外に出した状態で図示されている。この図1において、10は編み始め側端部、20は本体部、30は編み終わり側端部であり、これらの編み始め側端部10、本体部20および編み終わり側端部30は、通常編糸と被覆弾性糸とを用い、丸編み靴下機等の丸編機によって連続して平編み組織に編成されている。ただし、本体部20は、全針で編成されるのに対し、編み始め側端部10および編み終わり側端部30は、双方共、1本おきの針で、本体部20のウエール密度の半分の密度に編成される。
【0017】
そして、編み始め側端部10は、中間10aで内側に折り返されて内側部分11と外側部分12とに二分され、内側部分11の始端と本体部20の始端とが本体部20の編成開始に伴って綴じられ、靴下のダブルウエルトと同様の袋に形成される。他方、編み終わり側端部30は、上記同様に中間30aで内側に折り返されて外側部分31と内側部分32とに二分され、本体部20の終端と内側部分32の終端とが被覆弾性糸を編糸として全針を使った綴じ編みによって綴じられ、かつ端止めされて上記同様の袋に形成される。
【0018】
なお、上記の筒状サポータは、編み始め側端部10の内側部分11、外側部分12、本体部20、編み終わり側端部30の外側部分31、内側部分32および綴じ編み部33の順に編成され、本体部20の編成開始によって編み始め側端部10の袋が形成され、綴じ編み部33の編成開始によって編み終わり側端部30の袋が形成される。そして、綴じ編み部33を除く全コースを通じて通常編糸の短ループコースと長ループコースとが交互に編成され、短ループコースに被覆弾性糸が挿入されて裏目側に緯畝Tが形成される。
【0019】
図2に編み組織が裏目側から見た状態で例示される。編み始め側端部10は、全針を使った通常編糸40の平編みで開始され、最初に形成された編目41、42(図の下端参照)の中で一つおきの、例えば奇数番目の編目41のみが針で拾われてループ長の短い編目41aと長い編目41bとが交互に編成され、これによって短ループコースと長ループコースとが1列交互に形成される一方、偶数番目の編目42は、ウエルト位置にある偶数番目の針52に掛けられて編成を休止する。そして、被覆弾性糸43が裏目側に横たわるように挿入され、短い編目41aのシンカーループで押さえられる。
【0020】
上記編み始め側端部10の編成状態が図3(a)および図3(b)に示される。図3(a)において、51はニット位置にある奇数番目の針、52はウエルト位置にある偶数番目の針であり、このウエルト位置の針52に偶数番目の編目42が掛けられ、ニット位置の針51によって奇数番目の編目41に続く編成が行われ、ループ長の短い41aと長い編目41bとが交互に形成される。ただし、編み始めの編目41は針51から外れ、編成中の編目41a(または41b)のみが針51に掛かり、この針51のフックに次コースの編糸40が掛けられ、得られた編み始め側端部10は、シリンダ(図示されていない)の内側を下向きに下降する。
【0021】
上記のようにして短ループコースおよび長ループコースが交互に編成され、その合計コース数が8〜20コース程度に達し、編み始め側端部10の編成が終わる際は、図3(b)に示すように、偶数番目の針52もニット位置に上昇し、前記編み始めの編目42は針52の下部に移動し、奇数番目の針51および偶数番目の針52の全数による編成が再開され、前記の本体部20が形成される。そのため、偶数番目の針52では、この針52の下部に掛けられていた最初の編目42に続いて本体部20の編目が形成され、前記の編み始め側端部10の編み始めと編み終わりとが接合され、編み始め側端部10が袋状となる。すなわち、偶数番目の針52により、図2の下端に示す偶数番目の編目42に続けて本体部20の編目が形成される。
【0022】
図2に示すように、本体部20では、ウエール密度が編み始め側端部10の2倍の編目41a、41bが通常編糸40によって形成される。そして、偶数番目の針によっても奇数番目と同様にループ長の短い41aと長い編目41bとが交互に形成され、被覆弾性糸43が本体部20の裏目側に横たわるように挿入され、前記同様に短い編目41aのシンカーループで押さえられ、本体部20に大きい伸縮性を付与する。なお、この本体部20は、短ループコースおよび長ループコースの合計30〜300コースの長さに編成される。
【0023】
上記本体部20の編成が終わると、図2の上部に示される編み終わり側端部30が編成される。すなわち、図4(a)に示すように、偶数番目の針52が再びウエルト位置に置かれ、前記同様に奇数番目の針51のみによる編成が開始される。そして、短ループコースおよび長ループコースの合計が8〜20コースの所定長に達すると、図4(b)に示すように、奇数番目の針51および偶数番目の針52による編成が再開される。すなわち、図2の上端の編目41aに続いて全数の針による平編み組織の編成すなわち綴じ編みが数コース行われ、図1の綴じ編み部33が形成され、これによって編み終わり側端部30が袋状に綴じられる。なお、鎖線で示す編目42は、ウエルト位置におかれた編目である。
【0024】
この綴じ編みの場合、編糸45(図4(b)参照)には、編み始め側端部10、本体部20および編み終わり側端部30に挿入された被覆弾性糸よりも細い被覆弾性糸が用いられ、その3〜10コース程度の編成によって編み終わり端部30が袋に形成され、かつ編み終わりからのほつれ止めが行われる。なお、上記被覆弾性糸45の芯糸はゴム糸よりもウレタン弾性糸が好ましい。
【0025】
上記の編成で得られた筒状サポータは、熱セットによって形を整えられて製品化される。そして、図5(a)に示すように、膝等の必要箇所にそのまま一重で着用することができる。なお、表目側および裏目側のいずれを外側に出してもよいが、裏目側の方が図1の緯畝Tが現われる点で意匠的に優れる。また、図5(b)に示すように、被着部分の約2倍の長さに編成し、これを二重の筒状に折重ねて着用してもよく、この場合は、編み始め側端部10の袋部と編み終わり側端部30の袋部とが長さ方向に数センチメートルずれるように折り重ね、この袋部が膝下を、本体部20の中央折曲げ部が膝上の大腿部を向くように着用することが好ましい。
【0026】
上記の筒状サポータにおいて、保温用の場合、通常編糸40は、通常の繊維素系繊維と赤外線放射性セラミックスやプラチナを含有する化学繊維ステープルとの混紡糸が好ましい。上記の通常の繊維素系繊維および化学繊維ステープルの混紡率は80/20〜50/50が好ましい。また、上記混紡糸は、単糸または2本以上の引揃えで使用することができ、単糸使いの方が編成が容易であり、引揃えで使った場合は風合いが一層ソフトになる。ただし、撚り糸は、肌触りが硬くなる点で好ましくない。なお、単糸使いまたは引揃え使いの場合の合計太さは綿番手で16/1〜8/1番が好ましい。
【0027】
また、被覆弾性糸43としては、伸びの点でゴム糸を合成繊維の仮撚加工糸で被覆したものが好ましく、その芯糸であるゴム糸の太さは、ゴム糸番手の100〜110番が好ましい。また、被覆弾性糸43は、上記ゴム糸をポリエステルまたはナイロンのマルチフィラメント糸(50〜100デニール)で二重に被覆したダブルカバリング糸が好ましく、その伸び率は5倍以上が好ましい。
【0028】
編み終わり端部30を袋状に綴じるための綴じ編み糸45は、20デニール程度のウレタン弾性糸を芯糸とし、30〜70デニールのナイロンマルチフィラメント糸仮撚加工糸でカバリングした被覆弾性糸で、約3倍の最大伸びを有するものが好ましい。また、本体部20の終端部では、上記混紡糸の通常編糸に代えて、合成繊維のマルチフィラメント糸、特にナイロンマルチフィラメント糸の70〜100デニールの双糸を用いるのが強度の点で好ましい。
【0029】
そして、膝の保温用サポータとする場合は、丸編み靴下機(5インチ径、編針数168本)を用いて編成することができる。この場合、ループ長の短い編目長(ウエール方向長さ)は約3mmに設定し、この短い編目と長い編目のループ長比は1/2程度に設定することが好ましく、編成完了後の仕上げ幅は70〜90mm、全長は50〜2000mmが好ましく、これによって膝の保温用サポータとしてフリーサイズが可能な伸びが得られる。
【0030】
【実施例】
自動丸編靴下機(5インチB式、編針数168本)を改造してヒールやトウの編成機構を除去し、代わりに両端部のダブルウエルトの編成が可能になるようにし、膝の保温用に好適な筒状サポータを試作した。通常編糸40には、綿およびプラチナ入りアクリル繊維の70/30混紡糸の10番単糸(ダイヤ毛糸株式会社製「プラチナ・綿混紡糸」)を用いた。また、被覆弾性糸43には、ゴム糸番手100番のゴム糸を75デニールのポリエステルマルチフィラメント糸でダブルカバリングして得られた伸び率が約5倍の被覆弾性糸43を用いた。また、本体部20の終端部の1コースでは、上記混紡糸の通常編糸40に代え、ナイロンマルチフィラメント糸の70デニール双糸を用いた。更に、編み終わり側端部30を袋状に綴じるための綴じ編み糸45として、20デニールウレタン弾性糸を芯糸とし、70デニールのナイロンマルチフィラメント糸仮撚加工糸でカバリングした伸び率が約3倍の被覆弾性糸(通称:F.T.Y)を用いた。
【0031】
上記の編糸および靴下丸編機を用い、図2の組織の筒状サポータを編成した。得られた筒状サポータにおいて、ループ長の短い編目の長さ(ウエール方向の長さ)が約3mm、長い編目の長さが約6mmで編成し、編み始め側端部10および編み終わり側端部30における短ループコースと長ループコースの合計コース数はそれぞれ20コースとし、本体部20における上記の合計コース数は80コースとし、編み始め側端部10および編み終わり側端部30をそれぞれ袋に形成し、仕上げ幅80mm、仕上げ長さ230mmの筒状サポータ(実施例1)を得た。なお、編み終わり側端部30を袋に形成する際の綴じ編み糸45による編成は8コースとした。
【0032】
上記実施例1の本体部20の編成コース数を短ループコースと長ループコースの合計コース数で220コースとし、その他は実施例1と同様にして仕上げ幅80mm、仕上げ長さ680mmの筒状サポータ(実施例2)を得た。
【0033】
上記の実施例1および実施例2の筒状サポータをそれぞれM寸の女性および5L寸の女性に着用させた。ただし、実施例1の筒状サポータは、図5(a)のようにそのまま着用し、実施例2の筒状サポータは、図5(b)のように二つ折りにして着用した。この着用試験の結果は、いずれも違和感がなく、着用感が良好であり、ずり落ちもほとんど生じなかった。
【0034】
【発明の効果】
上記のとおり、この発明の筒状サポータは、フリーサイズで利用が可能で、しかもずり落ちが少なく、締付け感や圧迫感がなく、外観およびフィット性が良好で、薄く、軽く、暖かく、かつ丸編み靴下機等の丸編み機を用いて無縫製で容易に製造することができる。特に請求項2に係る発明は、伸びを大きくするのに有利であり、かつ編み終わり側端部からほつれが生じるのを防ぐことができる。また、請求項3に係る発明は、本体部の終端部を構成する通常編糸の強度が向上し、編成が容易になる。また、請求項4に係る発明は、保温性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の一部を破断した正面図である。
【図2】実施形態1の組織図である。
【図3】編み始め側端部における編成方法の説明図である。
【図4】編み終わり側端部における編成方法の説明図である。
【図5】着用状態を示す膝部分の側面図である。
【符号の説明】
10:編み始め側端部
11内側部分
12:外側部分
20:本体部
30:編み終わり側端部
31:外側部分
32:内側部分
33:綴じ編み部
40:通常編糸
41、41a、41b、42編目
43:被覆弾性糸
45:綴じ編み糸(被覆弾性糸)
51、52:針
T:緯畝

Claims (4)

  1. ゴム状弾性糸を合成繊維の仮撚加工糸で被覆してなる被覆弾性糸と、ゴム状弾性を有しない通常編糸とを交編した丸編み地からなり、この丸編み地の両端部を除く本体部が通常編糸によって平編み組織に編成され、上記丸編み地の両端部が靴下のダブルウエルトと同様に上記本体部の半分のウエール数で平編み組織の袋に形成され、両端部の袋を構成する外側部分および内側部分、並びに本体部がそれぞれループ長の短い編目からなる短ループコースと長い編目からなる長ループコースとを1コース交互に配して形成され、上記両端部の袋を構成する外側部分、内側部分および上記本体部の各短ループコースに上記の被覆弾性糸が緯糸として挿入されて短ループコースが緯畝を形成し、上記本体部の終端ループと編み終わり側端部の終端ループとを接結する編糸が被覆弾性糸であり、本体部および両端部がほぼ等しい幅を備えていることを特徴とする筒状サポータ。
  2. 両端部の袋を構成する外側部分および内側部分、並びに本体部を編成する被覆弾性糸の芯糸がゴム糸であり、本体部の終端ループと編み終わり側端部の終端ループとを接結する編糸がポリウレタン弾性糸を芯糸とする被覆弾性糸である請求項1記載の筒状サポータ。
  3. 本体部の終端部を構成する通常編糸が合成繊維のフィラメント糸である請求項1または2に記載の筒状サポータ。
  4. 通常編糸が赤外線放射性セラミックスおよびプラチナの少なくとも一方を粉末の形で含有する化学繊維ステープルと繊維素系繊維ステープルとの混紡糸である請求項1〜3のいずれかに記載の筒状サポータ。
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