JP3701133B2 - 質量分析装置及び分析値の自動診断方法 - Google Patents

質量分析装置及び分析値の自動診断方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマをイオン源とした質量分析装置及び分析値の自動診断方法に係わり、特に、水道水などの多検体多元素を含む試料を分析するのに適した質量分析装置及び分析値の自動診断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
イオン源にICP(Inductively Coupled plasma)あるいはMIP(Microwave Induced plasma)その他のイオン源を用い、質量分析部に四重極、セクタ、イオントラップタイプ、TOF(Time of flight)等を用いたプラズマイオン源質量分析装置において定量分析を行う場合、これに先立って定性分析を行い、試料中の目的元素に対して干渉分子イオンの生成がない事を確認する作業を行う。この後、試料中の目的元素のある質量数に着目して定量分析と評価を行う。
【0003】
例えば銅は、天然において質量数63と65の安定同位体が存在するが、定量分析を行う場合、どちらかの同位体に着目して分析を行う事が一般的である。
【0004】
一方、分析結果を表示装置に表示して作業性を高めることについても配慮が為されている。例えば、特開平6−124686号公報には、多価イオン質量スペクトルを得る表示装置において、多価イオン質量スペクトルの他に、イオン価や分子量分布スペクトルの双方を画面を通して表示でき、しかも、この分子量分布スペクトルの作成精度を容易に高める質量分析装置が開示されている。また、特開平8−17391号公報には、質量分析装置によって得られる質量スペクトルに対して、同位体スペクトルのシュミレーション及び元素組成に対する構造判定を介してスペクトルの元素組成の推定、同定を行う質量スペクトル解析法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、定量分析を行う場合、どちらかの同位体に着目して分析を行う方法を取ると、一つの試料に対して定性分析、定量分析と二度の測定とデータ評価を行う必要がある。このように、分析値を得る為に二度の作業が発生すると、多検体を迅速に測定する要求が強い環境水や水道水等の試料のルーチン分析には重大な支障をきたし、試料測定において迅速な対応をとる事ができない。
【0006】
そこで、分析作業を迅速に行うべく、定性分析を省略し、目的元素を複数同位体を用いて定量分析のみで分析値を求めるようにすると、その評価が分析者により異なる可能性があり、統一のとれた分析値の評価が困難である。
【0007】
すなわち、得られた分析値の正確さについて人によって判定基準が異なり、分析値の報告時に混乱を生じる可能性がある。
【0008】
本発明の目的は、水道水などの多検体多元素を含む試料を迅速に測定し、ルーチン分析業務の効率向上が図れる、プラズマイオン源質量分析装置及び分析値の自動診断方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、多検体多元素を含む試料の測定において、人による主観的な分析値の判定誤差をなくし、分析値の信頼性を確保できるプラズマイオン源質量分析装置及び分析値の自動診断方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
プラズマイオン源と質量分析部を備え試料を分析するプラズマイオン源質量分析装置において、目的元素の分析値の測定許容誤差範囲を決定する手段と、標準液について目的元素の複数の同位体の測定質量数の選定を行って、当該目的元素について検量線を作成して定量分析を行う手段と、当該目的元素の複数の同位体の検量線について相関係数を求める手段と、当該相関係数が所定値内である場合において標準液の当該目的元素についての分析値の測定結果が前記測定許容誤差範囲内にあることを確認する手段と、当該確認がなされると未知試料の複数の同位体の検量線を用いて未知試料を測定する手段と、当該未知試料の複数の同位体の測定結果が前記測定許容誤差範囲内にあるかを判定する手段と、前記測定許容範囲内にあれば各同位体についての定量分析値を未知試料の分析値とする手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の他の特徴は、プラズマイオン源と質量分析部を備えたプラズマイオン源質量分析装置において、予め作成しておいた干渉分子イオンのデータベースを参照して、前記干渉分子イオンの影響を受けないように定量に用いる目的元素の同位体を選択し、該同位体を用いて定量分析を行う機能を具備したことにある。
【0012】
本発明の他の特徴は、前記診断結果に基づくコメントを前記分析値と共に出力表示する機能を具備したプラズマイオン源質量分析装置にある。
【0013】
本発明の他の特徴は、イオン源と質量分析部を備えたプラズマイオン源質量分析装置を用いた試料の自動診断方法において、予め作成しておいた干渉分子イオンのデータベースを参照して、前記干渉分子イオンの影響を受けないように定量に用いる目的元素の複数の同位体を選択し、該複数の同位体を用いて検量線を作成して定量分析を行い、該検量線を用いた分析値を比較して分析誤差を求め、予め決めておいた測定許容誤差範囲内に前記分析値が入っているかどうかを診断することにある。
【0014】
本発明によれば、定性分析を省略することができ、多検体多元素に関する分析値の信頼性を確保し、多検体多元素を迅速に測定し、ルーチン分析業務の効率向上が図れる。また、ルーチン分析業務において人による分析値の判定処理を極力減少させ、分析結果について人による主観的な判定誤差をなくすようにし分析業務の効率向上が図れる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に用いるプラズマイオン源質量分析装置は、イオン源にICPあるいはMIPまたはその他のプラズマを用いたもので、質量分析計には四重極、セクタ、イオントラップタイプ、TOFなど質量分散させる機能を有するものである。このプラズマイオン源質量分析装置において定量される元素の分析値は、試料中の目的元素のある質量数に着目して算出される。例えば銅は、天然において質量数63と65の安定同位体が存在するが、定量分析を行う場合、どちらかの同位体(通常は、存在比の高い同位体)に着目して分析を行う事が一般的である。
【0016】
以下、本発明の実施例として、プラズマイオン源質量分析装置のうち、イオン源にICPを用い、質量分析部にイオントラップタイプの質量分析計を使用した装置を取り上げ、水道水など実試料中の銅の分析値を評価した例を説明する。
【0017】
まず、プラズマイオン源質量分析装置における目的元素の測定原理を図1に示す。図1において、水系試料、有機溶媒またはそれらの混合物1は、試料導入用キャピラリー2によって装置3へ導入され、霧化された後にイオン源であるICP4へ運ばれて効率よくイオン化される。イオン化された目的元素は、インターフェイス5を通過し、イオンレンズ7により、軌道6のごとく軌跡を描きながら、イオントラップタイプの質量分析計8へ入射する。ここで、イオンを質量数毎に分別してカウントする事により目的とするイオンの情報を得る。得られた結果は、操作・データ処理用のパソコン9に示され、定量分析演算等がなされ、その結果を知ることができる。
【0018】
パソコン9は機能的にみて、入力手段90と、データ収集部91と、メモリ92と、分析、判断部93、出力表示制御部94及び出力手段95を備えている。入力手段90を介して質量分析計8で得られたイオン情報や、測定許容誤差のデータが入力される。データ収集部91ではイオン情報の収集、整理を行う。メモリ92には、上記イオン情報や測定許容誤差のデータに加えて、予め作成された干渉分子イオンのデータベースも含まれる。分析、判断部93では、以下で説明するような分析、判断の処理を行う。出力表示制御部94は、出力手段95を構成するデータ処理用のPC表示画面や帳票上に、分析値と共に分析、判断部93の処理結果に基づいたコメント等を示すための処理を行う。
【0019】
定量分析にあたっては、まず目的元素について選択する。たとえば銅について測定を行うように指定すると予め登録されている干渉分子イオンの情報が質量数毎に示され、干渉の有る無しが視覚的に確認できるようになっており、目的元素について干渉分子イオンのない質量数を選択する事ができるように工夫されている。
【0020】
次に、本発明のプラズマイオン源質量分析装置における分析値の自動診断方法について、図2ないし図5により説明する。
【0021】
図2は、分析値自動診断の準備段階を示すフローシートである。本発明では、定性分析は行わず゛、定量分析からスタートする(201)。測定者は分析値について任意の測定許容誤差、例えば±10%以内、を指定する(202)。次に、目的元素の同位体が複数有るか否か判断する(203)。複数有る場合は、次に、目的元素の測定質量数の選定を行う(204)。標準溶液を用いて目的元素の複数同位体の検量線を作成し(205)、その相関係数が0.999以上である事を確認する(206)。相関係数が0.999以上でないときは、検量線の作成をやり直す。また、検量線作成用に用いた溶液を再度測定して(207)、複数の同位体により求められた濃度の誤差が、例えば±10%以内にある事を確認する(208)。この標準溶液を用いた確認時に、許容値を外れた場合には再測定を行い(209〜210)、再度許容値を外れた場合には分析を中止する(212)。一方、標準溶液を用いて確認した結果が良好であれば、未知試料の測定、分析を行う(214〜215)。未知試料の測定、分析の詳細は図3で説明する。
【0022】
また、ステップ203において、マンガンのように複数の同位体を持たない元素の場合、同位体の検量線を作成し(217)、その相関係数が0.999以上である事を確認す(218)。以下、ステップ207と同様な処理を行い、未知試料の測定、分析を行う(227)。この場合の未知試料の測定、分析の詳細は、図5で説明する。
【0023】
次に、図3に、未知試料の分析値の診断に関するフローシートの一例を示した。まず、図2における、各質量数における未知試料の分析結果を取り込み(300)、それが定量限界値のn倍以上か判断する(301)。n倍未満の場合、すなわち、複数同位体の検量線を用いて求めた濃度が低過ぎる場合各々の同位体における定量限界値を各々の検量線を用いて算出し、定量限界値に任意の倍数を積した値以下の分析値が測定した複数同位体の一つにでも得られた場合には、分析値の信頼性が低い旨をコメントし(302)、最も同位体比の高い質量数で得られた分析値を推定値として示すか(314)、または診断結果に取り入れないといった機能を持たせる。
【0024】
一方、n倍以上の場合は、目的元素の複数の同位体の分析値が測定許容誤差範囲内か否かを判定する(303)。測定許容誤差範囲内であれば(311)、データ処理画面上あるいは帳票上に得られた分析値は信頼性の高いものである旨のコメントを示し(312)、分析値は各同位体の定量分析値の平均とする(313)。
一方、目的元素の複数の同位体の分析値が測定許容誤差範囲を超えた場合には(304)、分析値の信頼性が低い事を知らせるコメントを示し(305)、さらに予め干渉分子イオンのデータベースが作成されているか判断し(306)、作成されている場合、干渉分子イオンのデータベース上から測定値に誤差を与える原因となる干渉分子イオンについて掲示して、測定者に注意を喚起するとともに(307)、干渉分子イオンの生成がないと考えられる、より信頼性が高い(通常は同位体別分析値を比較して低い方の値)分析値をデータ処理画面上あるいは帳票上に示すようにし分析値として推定する旨コメントを示す(308)。また、測定をおこなった同位体のうち高い分析値に対して、最大に含有する可能性がある濃度として、これも同時にデータ処理画面上あるいは帳票上に示すようにする(309)。
【0025】
さらに、分析値が測定許容誤差範囲を超えていて、データベースに干渉分子イオンの記述がない場合は、干渉分子イオンのデータベースが無くデータの信頼性が低いこと、及び未確認の干渉分子イオンの生成の可能性がある旨掲示して、測定者に注意を喚起し(310)、より低い分析値のデータを推定分析値とし、もっとも高い分析値を最大に含有する可能性がある濃度として示す(308〜309)。
【0026】
例えば、銅を目的元素とした具体的な例では、試料中に硫酸塩が多量に存在すると65Cuの質量数の位置には32S33S、33S16O16Oなどの干渉分子イオンが生成し、本来よりも高めの分析値が得られる。これに対して63Cuには生成されない事から、63Cuによる分析結果と65Cuによる分析結果は異なる分析値を示すことになる。この結果に対して、干渉分子イオンのデータベース上から、 65Cuには32S33S、33S16O16Oのような分子イオンが生成する旨、注意を喚起するコメントをデータ処理画面上および帳票上に示し、干渉分子イオンの生成が無いと考えられる63Cuによる分析値を推定分析値として示すようにする。また、65Cuの分析値については、最大に含有する可能性がある濃度として、これも同時にデータ処理画面上あるいは帳票上に示すようにする。
図4に、データ処理画面上あるいは帳票上における分析結果の表示例を示した。図4(a)は、各同位体による定量分析値が測定許容誤差範囲内である場合(図3のステップ311)の表示例、図4(b)はこれを超えた場合(図3のステップ304)の表示例である。たとえば銅について測定を行うように指定すると、表示の質量数の欄には、予め登録されている干渉分子イオンの情報が質量数(63Cuと65Cu)毎に示され、干渉の有る無しが視覚的に確認できるようになっており、目的元素について干渉分子イオンのない質量数を選択する事ができるように工夫されている。また、定量値の欄には、質量数に対応して定量値が表示される。
【0027】
図4(a)に示すように、測定許容誤差範囲内であれば、測定許容誤差範囲の欄にはOKと表示し、分析値の欄には各同位体の定量分析値の平均値を示し、コメント欄には、得られた分析値が信頼性の高いものである旨のコメントを示す。
【0028】
また、図4(b)に示すように、定量分析値が測定許容誤差範囲を超えている場合は、測定許容誤差範囲の欄にはOverと表示し、分析値の欄には最も同位体比の高い質量数で得られた分析値を推定値として示し、コメント欄には、干渉分子イオンのデータベースが無くデータの信頼性が低いことや干渉分子イオンの生成の可能性がある旨掲示する。
【0029】
さらに、図4の例では、定量限界値の欄を設けて各同位体の定量限界値による評価についても示している。なお、ここでは同位体が2つである銅を取り上げているが、ニッケルのように同位体を5つもつような元素についても、それぞれの同位体について分析値を求め、同様な評価を行えるようにする。
次に、マンガンのように複数の同位体を持たない元素の場合、図5に示すように、図3の303に相当する処理を省略し、305、307、310に相当する処理を行う。
【0030】
以上述べたように、本発明は、プラズマをイオン源とした質量分析装置により、水道水などの試料を分析する場合において、目的元素の複数同位体を分析して分析値を求め、その結果から分析値の正確さについて自動診断することにより、分析値の信頼性を確保するとともにルーチン分析業務における効率向上を図ることができる。また、予め作成された干渉分子イオンのデータベースを用い、干渉分子イオンを避けて目的元素の質量数を選択して分析を行えるようにしたため、分析値の信頼性を確保し、ルーチン分析業務において人による分析値の判定を極力減少させ、主観的な判定誤差をなくし効率向上が図れる。
【0031】
【発明の効果】
本発明の質量分析装置は、定量分析値を得る為に予め定性分析を行うことを不要とし、多検体多元素を迅速に分析できるものであり、ルーチン分析業務の効率向上が図れる。
【0032】
また、分析業務において人による判定を極力減少させ、分析値の人による主観的な判定誤差をなくし、ルーチン分析業務における分析値の信頼性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したプラズマイオン源質量分析計の一実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例における、分析値自動診断の準備段階をの処理示すフロー図である。
【図3】本発明の実施例における、未知試料分析値自動診断の処理フロー図である。
【図4】本発明の実施例における、各同位体による定量分析値が測定許容誤差範囲内である場合と、これを超えた場合の表示の例を示した図である。
【図5】本発明の実施例における、未知試料分析値自動診断の処理フロー図である。
【符号の説明】
1:試料 2:試料導入用キャピラリー 3:試料霧化部 4:ICP 5:インターフェイス 6:イオン軌道 7:イオンレンズ 8:イオントラップタイプ質量分析計 9:操作・データ処理用パソコン

Claims (8)

  1. プラズマイオン源と質量分析部を備え試料を分析するプラズマイオン源質量分析装置において、目的元素の分析値の測定許容誤差範囲を決定する手段と、標準液について目的元素の複数の同位体の測定質量数の選定を行って、当該目的元素について検量線を作成して定量分析を行う手段と、当該目的元素の複数の同位体の検量線について相関係数を求める手段と、当該相関係数が所定値内である場合において標準液の当該目的元素についての分析値の測定結果が前記測定許容誤差範囲内にあることを確認する手段と、当該確認がなされると未知試料の複数の同位体の検量線を用いて未知試料を測定する手段と、当該未知試料の複数の同位体の測定結果が前記測定許容誤差範囲内にあるかを判定する手段と、前記測定許容範囲内にあれば各同位体についての定量分析値を未知試料の分析値とする手段とを備えたことを特徴とするプラズマイオン源質量分析装置。
  2. 請求項1のプラズマイオン源質量分析装置において、予め作成しておいた干渉分子イオンのデータベースを参照して、前記干渉分子イオンの影響を受けないように定量に用いる目的元素の同位体を選択する手段を備え、該同位体を用いて検量線を作成して定量分析を行うことを特徴としたプラズマイオン源質量分析装置。
  3. 請求項1のプラズマイオン源質量分析装置において、同位元素が1つの目的元素について検量線を作成して定量分析を行う手段と、当該目的元素の1つの同位元素の検量線について相関係数を求める手段と、当該相関係数が所定値内である場合において標準液の当該目的元素についての分析値の測定結果が前記測定許容誤差範囲内にあることを確認する手段と、当該確認がなされると未知試料の1つの同位体の検量線について測定する手段と、
    当該未知試料の1つの同位体の測定結果が前記測定許容誤差範囲内にあるかを判定する手段と、前記測定許容範囲内にあれば当該同位体についての定量分析値を未知試料の分析値とする手段とを備えたことを特徴とするプラズマイオン源質量分析装置。
  4. 請求項1のプラズマイオン源質量分析装置において、前記判定結果に基づくコメントを前記分析値と共に出力手段に出力表示する手段とを具備したプラズマイオン源質量分析装置。
  5. 請求項1、3または4のプラズマイオン源質量分析装置において、予め決めておいた測定許容誤差範囲内に測定値が入っている場合、出力手段の表示画面もしくは帳票上に信頼性の高い分析値である旨コメントを示す手段と、予め決めておいた測定許容誤差範囲内に測定値が入っていない場合、予め作成されている干渉分子イオンのデータベースから干渉分子イオンを検索する手段と、該検索の結果、該当するものがあれば前記表示画面もしくは帳票上に示し、前記分析値の信頼性が低い事を示したコメントと、最も濃度が低い同位体の分析値を推定値として、また最も濃度が高い分析値を最大に含有する可能性がある濃度として前記表示画面もしくは帳票上に示す手段を具備したプラズマイオン源質量分析装置。
  6. 請求項1、3または4のプラズマイオン源質量分析装置において、定量分析用の検量線より各々の同位体における定量限界値を算出し、定量限界値に任意の倍数を積した値以下の分析値が測定した複数同位体の一つにでも得られた場合には、前記分析値の信頼性が低い事を出力手段の表示画面もしくは帳票上に示す手段、または診断結果に取り入れない手段を具備したプラズマイオン源質量分析装置。
  7. 請求項1、3または4において、複数の同位体を持たない元素に関しては、予め作成されている干渉分子イオンのデータベースに干渉分子イオンが登録されている場合、前記分析値とともに干渉分子イオンの生成の可能性を示すコメントを出力手段の表示画面もしくは帳票上に示す手段を有したプラズマイオン源質量分析装置。
  8. プラズマイオン源と質量分析部を備え試料を分析するプラズマイオン源質量分析方法において、プラズマイオン源質量分析装置は、目的元素の分析値の測定許容誤差範囲を決定し、標準液を用いて目的元素の複数の同位体の測定質量数の選定を行って、当該目的元素について検量線を作成して定量分析を行う、当該目的元素の複数の同位体の検量線について相関係数を求め、当該相関係数が所定値内である場合において標準液の当該目的元素についての分析値の測定結果が前記測定許容誤差範囲内にあることを確認し、当該確認がなされると未知試料の複数の同位体について測定し、当該未知試料の複数の同位体の検量線測定結果が前記測定許容誤差範囲内にあるかを判定し、前記測定許容範囲内にあれば各同位体についての定量分析値を未知試料の分析値とすることを特徴とするプラズマイオン源質量分析装置によるプラズマイオン源質量分析方法。
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