JP3700432B2 - 農業ハウス用ハウスバンド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、農業ハウスに張設する農業用フィルムを押さえるためのハウスバンドに関する発明であり、特にポリオレフィン系農業用フィルムを用いた農業ハウスに適用することにより、農業フィルムの擦れ破れの発生等を防止するハウスバンドに関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、塩化ビニル系樹脂などからなる農業用フィルムを金属パイプ等により構築された骨組みパイプの外側に被覆張設した農業ハウスにおいて、強い風雨により農業用フィルムが吹き飛ぶことを防止するために、図1に示すように、アーチ状骨組み(2)と横方向骨組み(3)の上に展張された農業用フィルム(4)の上から、複数本のハウスバンド(1)を、アーチ状パイプ骨組み(2)の間に、それと平行になるよう掛け渡し、ハウスバンドの両端を農業ハウスの両側面下部で固定して農業用フィルムを押さえることが行われていた。
【0003】
従来、かかるハウスバンド(1)としては、通常、例えば図3に示すように、両端部にワイヤーや強度フィラメント(5)を入れ込んでなる黒色バンド状の硬質プラスチック成形体が一般的に用いられており、かかるハウスバンドは通常その幅が10mm前後、最大でも15mm程度であって、主にその突出した両端部が農業用フィルムと線接触し、農業用フィルムを押さえる役割を発揮するものである。
【0004】
ところで近年、非塩ビを求める風潮から、塩化ビニル系樹脂からなる農業用フィルムに代わり、ポリオレフィン系樹脂からなる農業用フィルムを用いた農業ハウスが適用されはじめている。
しかし、ポリオレフィン系樹脂からなる農業用フィルムは、従来の塩化ビニル系樹脂からなる農業用フィルムに比べ、摩擦係数が高く、強度、特に耐摩擦強度が弱いという弱点を有している。そのため、図1に示す農業ハウスの横方向の骨組み金属パイプ(3)と、従来のハウスバンド(1)との接点(4’)において挟まれた農業用フィルムの部分において、擦れが生じ、農業用フィルムが白化し擦れ破れが生じることにより、その部分から農業用フィルムが破れるという問題が生じていた。
【0005】
そのため、ポリオレフィン系樹脂を用いた農業用フィルムを適用した農業ハウスにおいては、ハウスバンドを適用しない方法を採用するなどしている。
しかしながら、強風にさらされる地域などでは、やはり、ハウスバンドを適用しない農業ハウスのフィルム吹き飛びは問題であり、こすれ破れの生じない方法で農業用ハウスのフィルム押さえをする方法が望まれていた。
【0006】
また、従来の黒色硬質プラスチックバンドでは、耐候性を付与するために黒色に着色したものが主であったが、幅が狭いにせよ、農業ハウスの一部を遮光するため、3〜4%程度光線透過率が低下するという問題があった。また、従来のハウスバンドは硬いために、ハウス両側面下部においてプラスチックバンドを結び固定することが容易でないという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち本願発明の目的は、農業ハウスに展張されるポリオレフィン系樹脂等からなる農業用フィルムを、こすれ破れ等を発生させない方法で良好にフィルム押さえをするためのハウスバンドを提供することにある。また、耐候性を保持するとともに、光線透過率が低下せず、また、結び固定が容易なハウスバンドを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、本発明者等は鋭意検討した結果、従来の端部にワイヤー等を入れ込んでなる黒色硬質プラスチックバンドに代えて、極めて幅広で、かつ、柔軟性が高く、多層構造を長尺方向に延伸することにより長尺方向の引張破断強度を一定以上にしたポリオレフィン系延伸フィルムをハウスバンドとして用いることにより、従来の問題点であった、強い風雨時の農業用フィルムの摩擦による擦れ破れを生じずに、しかも農業用フィルムへのフィット感が良好で、面接触により農業用フィルムを十分押さえることができるハウスバンドが提供できることを見いだし、本発明に到達したものである。
【0009】
すなわち、本発明の要旨は、農業ハウスに展張した農業用フィルムを押さえるためのハウスバンドであって、幅が50mm以上であり、長尺方向の引張破断強度が1200kg/cm2 以上の、少なくとも長尺方向に延伸処理が施された多層構造を有するポリオレフィン系延伸フィルムからなることを特徴とする農業ハウス用ハウスバンドにあり、更に好ましくは、それぞれ、該多層構造のポリオレフィン系延伸フィルムの少なくとも一層に光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含有してなることを特徴とする農業ハウス用ハウスバンド、該多層構造を有するポリオレフィン系延伸フィルムが、少なくとも、農業用フィルムに密着する側の外層になる第1の層と、第2の層を有してなり、第1の層は、密度が0. 930g/cm3 以下の直鎖状低密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、又はその混合物を主成分とする層であり、第2の層は、(a)ポリプロピレン、密度が0.965g/cm3 以下の高密度ポリエチレン、又はその混合物からなる樹脂と、(b)密度が0. 930g/cm3 以下の直鎖状低密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、又はその混合物からなる樹脂、との混合樹脂を主成分とする層であることを特徴とする農業ハウス用ハウスバンド、該第1の層が、両外層に設けられていることを特徴とする農業ハウス用ハウスバンド、該第1の層、該第2の層、粘着層をこの順に積層した2枚の多層半体が、それぞれの粘着層どうしが貼り合わされてなり、両外層に第1の層が配されていることを特徴とする農業ハウス用ハウスバンド、該農業用フィルムが、ポリオレフィン系農業用フィルムであることを特徴とする農業ハウス用ハウスバンド、にある。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
図2に本願発明のハウスバンド(6)を農業ハウスに適用した概略図を示し、図4には本願発明のハウスバンドを示した概略図、図5には、本願発明のハウスバンドの好適な態様の一つの断面図を示している。
【0011】
本願発明におけるハウスバンド(6)は、少なくとも長尺方向に延伸処理が施された多層構造を有するポリオレフィン系延伸フィルムからなることを一つの特徴とする。
該多層構造としては、少なくとも第1の層(7)と第2の層(8)とからなり、第1の層(7)が、少なくともハウスバンドの農業用フィルムに密着する側の外層になるように設けられる。尚、ハウスバンドのいずれの面が農業用フィルムに密着する側となっても良いように、第1の層(7)が、フィルムの両外層に設けられる3層以上の態様が好ましい。
【0012】
かかる第1の層(7)としては、密度が0. 930g/cm3 以下の直鎖状低密度ポリエチレン、または高圧法低密度ポリエチレン、またはその混合物を主成分とする層が挙げられ、特に直鎖状低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。この第1の層を設けることで、高い強度を有しつつ、かつ、農業用フィルムとのフィット感を向上させ、摩擦発生を低減し、更に透明性が良好なので、ハウス内への高い光線透過率を可能とする。尚、ポリエチレンの密度は、0. 930g/cm3 以下、好ましくは0.900g/cm3 以上0.930g/cm3 以下とすることが良く、この値が大きすぎると、透明性が低下する傾向がある。尚、第1の層の特性を損なわない範囲で、他の樹脂を混合しても良い。
【0013】
一方、第2の層(8)としては、(a)ポリプロピレン、密度が0.965g/cm3 以下の高密度ポリエチレン、又はその混合物と、(b)密度が0. 930g/cm3 以下の直鎖状低密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、又はその混合物とからなる混合樹脂を主成分とする層が挙げられる。好ましくは該混合樹脂のうち、(a)のポリプロピレン及び/又は密度が0.965g/cm3 以下の高密度ポリエチレンの含有量が10〜90%であることが好ましい。この比率が小さいと、クリープ性、材料強度が低下する傾向にあり、一方大きすぎると透明性が低下する傾向にある。
【0014】
又、(a)で用いるポリプロピレンは、エチレン含有量が10%以下のものが好ましく、全くエチレンを含有しないものであってもよい。又、用いる高密度ポリエチレンは、メルトインデックスが5.0以下であるものが好ましい。尚、より高い強度を達成するためには、高密度ポリエチレンを用いる方が好ましい。
【0015】
(b)で用いる直鎖状低密度ポリエチレン又は低密度ポリエチレンのいずれか又は両方は、いずれも密度は0.930g/cm3 以下、好ましくは0.900g/cm3 以上0.930g/cm3 以下が好ましく、大きすぎると、透明性や、強度が低下する傾向にある。
【0016】
(a)又は(b)において用いられる直鎖状低密度ポリエチレンとしては、いわゆるメタロセン系触媒により製造されたメタロセンポリエチレンを用いることが、高強度を達成する上で好ましい。
この第2の層は、ハウスバンド特性として必要な、引張りに対する強度を高めるとともに、適度なクリープ性を与える作用があるので、全体の層の厚さに対し、第2の層の厚さが30〜90%であることが好ましい。内層の厚さが少なすぎると、強度、クリープ性が低下し、多すぎても強度が低下し、透明性が低下する傾向があるからである。尚、第2層の特性を損なわない範囲で、この他の樹脂を混合しても良い。
【0017】
本発明の多層構造フィルムは、第1層(7)と第2層(8)が1層ずつあるもの、第1層と第2層がそれぞれ複数層あるもの、また、他の異なる層を有しているものでもかまわないが、好ましくは、両外層が第1層からなり、内部が第2層である3層構造からなる態様、又は、第1層、第2層、他の層、第2層、第1層と積層された5層以上の構造からなる態様が挙げられる。
【0018】
特に、製造容易性の点と、より高強度のハウスバンドを達成する点から、図5に示すように、第1層(7)と第2層(8)を少なくとも有する多層半体(10)をそれぞれ、押し出し成形法等により製造、延伸した後、2つの多層半体を、第1層が両外層になるよう貼り合わせて製造する方法が好適な製造法として挙げられる。
【0019】
貼り合わせ方法としては、任意の方法を適用できるが、例えば多層半体の成形直後の圧接などにより行える。従って、図5に示すように、多層半体(10)の第1層が設けられたのとは反対の面に、粘着層(9)を予め積層成形して、すなわち、第1層(7)、第2層(8)、粘着層(9)をこの順に積層した多層半体(10)を製造してなり、かかる粘着層(9)同士が貼り合わされる様に貼り合わせる方法が簡便で好ましい。
【0020】
かかる粘着層(9)としては、第2層との密着性を備えかつある程度の強度を担保する必要があるため、例えば密度が0.890g/cm3 以上0.920g/cm3 以下の超低密度ポリエチレンを主成分とする層などが挙げられ、特にいわゆるメタロセン系触媒により製造された線状低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。かかる粘着層を設けた場合は、第1の層(7)の厚さ、第2の層(8)の厚さ、粘着層(9)の厚さを、それぞれ1:1〜10:0.1〜1とする態様が好ましい。
【0021】
本発明のハウスバンドは、少なくとも上記の第1層及び第2層を積層した多層構造のポリオレフィン系樹脂フィルムを少なくとも長尺方向に延伸することで、ハウスバンド全体の長尺方向のJIS K6783 法による引張破断強度が1200kg/cm2 以上とした多層構造ポリオレフィン系樹脂フィルムを用いることを特徴とする。該引張破断強度が小さすぎると、容易に破断しやすく、ハウスバンドを緊張固定し、農業用フィルムが風雨により吹き飛ぶことを防止するという作用が発揮できない。しかしあまりにも引張破断強度が高すぎると、かえって農業用フィルムの破断を引き起こす可能性があるので、好ましくは1200kg/cm2 以上3000kg/cm2 以下、更に好ましくは1300kg/cm2 以上2800kg/cm2 以下であることが好ましい。
【0022】
かかる延伸倍率は、延伸前の積層した多層体の厚さと、要求する延伸後の所望の厚さにも関係するが、1.5〜10倍、好ましくは、3〜8倍であることが望ましい。延伸倍率が低いと、クリープ性が低下し、延伸むらが生じ、透明性も低下する傾向にある。一方、延伸倍率が高すぎると、ハウスバンドの衝撃強度が低下する。延伸は、少なくとも長尺方向へ上記倍率延伸すればよいが、2軸延伸を行うこともできる。しかし2軸延伸だと横裂けが生じやすいので、長尺方向への一軸延伸であることが好ましい。
【0023】
本発明のハウスバンドの幅方向の幅は、50mm以上であることを必要とし、好ましくは60mm以上200mm以下であることが望ましい。
50mm以上と従来のハウスバンドの幅の5倍以上の幅を要するのは、従来のワイヤー入りの黒色硬質プラスチック製ハウスバンドでは、硬くしかも厚い材質であり、かつ主としてワイヤー部分の作用で農業用フィルムを押さえていたのに対し、本発明のハウスバンドは、柔軟性があり、かつ薄い材質であるため、幅広とすることにより農業用フィルムに面接触をして農業用フィルムを押さえる作用を十分発揮させるためである。
【0024】
本発明のハウスバンドの厚さは、好ましくは、300μm以下、更に好ましくは150μm以下10μm以上、特に130μm以下20μm以上が望ましい。薄すぎると引張強度を満足することが困難であり、厚すぎると製造コストの面や取り扱いの面から好ましくないからである。
【0025】
本発明の更なる特徴としては、本願発明のハウスバンドは、ヘイズ値が20%以下の透明フィルムであることが挙げられる。従来のハウスバンドに比べ幅が50mm以上と幅広であるため、ヘイズ値が20%以下の透明フィルムとすることにより、ハウス内の作物栽培に与える光線透過率を低下させることのない、良好なハウスバンドを提供することができる。
【0026】
更に、本願発明のハウスバンドは、炎天下風雨にさらされる農業ハウスに長期間適用されるものであるため、多層構造の少なくとも一層に、光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を配合することが好ましい。
光安定剤としては、例えば2,2,6,6−テトラメチルピペリジン単位含有のヒンダードアミン系光安定剤があげられ、具体的には、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート等のヒンダードアミン系化合物があげられる。
【0027】
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系、フェニルサリシレート系等の紫外線吸収剤があげられる。中でも、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤および/またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましい。
光安定剤又は紫外線吸収剤の配合量は、それぞれ樹脂100重量部あたり、0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部である。
【0028】
特に好ましい層構成としては、外層である第1層に光安定剤配合し、内層である第2層に紫外線吸収剤を配合する例が挙げられる。
上記のように製造された農業ハウス用ハウスバンドは、金属パイプからなる骨組みの上に農業用フィルムを展張した農業ハウスの農業用フィルムの押さえに用いることができる。
【0029】
塩化ビニル樹脂からなる農業用フィルムを用いた農業ハウスに適用しても、光線透過率の向上、結び固定の容易性、取り扱い容易性、等の点から良いが、特に、近年、適用数が増加してきている、ポリエチレン系、酢酸ビニル系などのポリオレフィン系の農業用フィルムを適用した農業ハウスにおいて、本願発明のハウスバンドを適用すると、従来のハウスバンドで生じていた、擦れ白化、擦れ破れを生じることがなく、好適に農業用フィルムの押さえが達成できる。
また、結び固定が容易にできるだけでなく、農業用フィルムを固定するためのスプリング止めを利用して、農業用フィルムと共に固定することができ、固定作業が簡単になる。
【0030】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図面を参照して説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでない。
以下に示す本発明の多層構造からなるハウスバンドを作成し、比較例の従来のハウスバンドとの比較を行った。
【0031】
(実施例1)
(ハウスバンドの製造)
図4及び図5に示す本発明の実施例1のハウスバンド(6)は、下記に示す組成の第1層(7)、第2層(8)、粘着層(9)からなる多層半体(10)をそれぞれ第1層、第2層、粘着層を1:2:1の厚さとなるよう成形し、これら多層半体(10)を一軸延伸により7倍に延伸したのち、2枚の多層半体(10)を(9)粘着層同士が中に、第1層(7)が両外層になるように圧着貼り合わせた後、長尺方向が延伸方向となるように幅70mmに切断し、幅が70mmで厚さが70μmのテープ状の実施例1に用いるハウスバンドを製造した。このハウスバンドの長尺方向の引張破断強度は、1620g/cm3 であった。
【0032】
第1層は、密度が0. 912g/cm3 のメタロセン系触媒により製造された直鎖状低密度ポリエチレン(ダウケミカル社製「エリート2045」)100部に対し、光安定剤(三菱化学社製「コーカノックス」)2部を配合した組成とした。
第2層は、密度がメルトインデックスが0. 8で、密度が0. 948g/cm3 の高密度ポリエチレン60部と、密度が0. 912g/cm3 の直鎖状低密度ポリエチレン(ダウケミカル社製「エリート2045」)40部の混合物に対し、紫外線吸収剤を2部配合した組成とした。
粘着層は、密度が0.930g/cm3 のメタロセン系触媒により製造された直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリケム社製「カーネルKF260」)を用いた。
【0033】
(比較例1)
比較例1としては、市販の、両端部に強化糸を入れ込んだ黒色硬質プラスチック製のハウスバンド(幅10mm)を用いた。
(評価方法)
金属パイプを骨組とし、ポリオレフィン系樹脂の農業用フィルムを展張した農業ハウスの、アーチ状骨組みの間に、実施例1及び比較例1のハウスバンドを図1及び図2に示すように、それぞれ張設した後、1年の経過を観察した。
【0034】
この結果、比較例1のハウスバンドを用いた場合には、60日くらいで金属パイプと農業用フィルムの接点において、擦れが原因と考えられるフィルム破断が生じてしまったのに対し、実施例1のハウスバンドを用いた農業ハウスにおいては、1年経過後においても、破れが生じなかった。
【0035】
又、実施例1の場合のハウス内部の光線透過率は、ほとんど低下していなかったが、比較例1のハウス内部の光線透過率は3%低下していた。
更に、実施例1のハウスバンドは、容易にハウス側面下部において結び固定又はスプリング止めにより固定できたが、比較例1のハウスバンドは、結び固定やスプリング止めは不可能で、特殊なハウスバンド固定具を使い固定を行った。
【0036】
【発明の効果】
本発明のハウスバンドを用いることにより、摩擦強度の弱いポリオレフィン系農業用フィルムを用いた農業ハウスに適用する場合であっても、骨組み金属パイプとハウスバンドとの接点における農業用フィルムの擦れ破れが生じずに、かつ、農業用フィルムにより良くフィットし面接触することにより、十分な農業用フィルムの押さえを達成することができる。
また、本発明の好適なハウスバンドは透明であるので、従来の黒色バンドに比べ、光線透過率が高く、栽培作物に与える悪影響が少ないこと、また、従来の硬質バンドに比べ、容易に結び固定やスプリング止め固定ができるなどの利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のハウスバンドを用いた農業ハウスの概略図である。
【図2】本願発明のハウスバンドを用いた農業ハウスの概略図である。
【図3】従来の黒色硬質プラスチックバンドを示した図である。
【図4】本願発明のハウスバンドを示した図である。
【図5】本願発明のハウスバンドの好適な態様の一つの断面図を示した図である。
【符号の説明】
1:従来のハウスバンド、2:アーチ状骨組み、3:横方向骨組み、4:農業用フィルム、5:ワイヤー又は強化フィラメント、6:本願発明のハウスバンド、7:第1層、8:第2層、9:粘着層、10:多層半体
Claims (5)
- 農業ハウスに展張した農業用フィルムを押さえるためのハウスバンドであって、幅が50mm以上であり、長尺方向の引張破断強度が1200kg/cm2 以上の、少なくとも長尺方向に延伸処理が施された多層構造を有するポリオレフィン系延伸フィルムであり、該多層構造を有するポリオレフィン系延伸フィルムが、少なくとも、農業用フィルムに密着する側の外層になる第1の層と、第2の層を有してなり、第1の層は、密度が0 . 930g/cm 3 以下の直鎖状低密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、又はその混合物を主成分とする層であり、第2の層は、(a)ポリプロピレン、密度が0.965g/cm 3 以下の高密度ポリエチレン、又はその混合物からなる樹脂と、(b)密度が0 . 930g/cm 3 以下の直鎖状低密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、又はその混合物からなる樹脂、との混合樹脂を主成分とする層であることを特徴とする農業ハウス用ハウスバンド。
- 該多層構造のポリオレフィン系延伸フィルムの少なくとも一層に光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含有してなることを特徴とする請求項1記載の農業ハウス用ハウスバンド。
- 該第1の層が、両外層に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の農業ハウス用ハウスバンド。
- 該第1の層、該第2の層、粘着層をこの順に積層した2枚の多層半体が、それぞれの粘着層どうしが貼り合わされてなり、両外層に第1の層が配されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかの項に記載の農業ハウス用ハウスバンド。
- 該農業用フィルムが、ポリオレフィン系農業用フィルムであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかの項に記載の農業ハウス用ハウスバンド。
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