JP3219319B2 - 農業用フィルム - Google Patents

農業用フィルム

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JP3219319B2
JP3219319B2 JP30138692A JP30138692A JP3219319B2 JP 3219319 B2 JP3219319 B2 JP 3219319B2 JP 30138692 A JP30138692 A JP 30138692A JP 30138692 A JP30138692 A JP 30138692A JP 3219319 B2 JP3219319 B2 JP 3219319B2
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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  • Greenhouses (AREA)
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は直達光が少なく、光線透
過率の大きいエチレン・酢酸ビニル共重合体系農業用フ
ィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に農業用フィルムとしては光線透過
率の大きいものが望まれているが、作物の種類によって
は直達光の割合をできるだけ少なくし、散乱光の割合を
増加させることが望まれている。例えば葉たばこやレタ
スのような軟弱野菜の育苗ハウスにおいては、葉の日焼
け防止のために、また葉たばこの乾燥ハウスにおいては
急乾燥の防止、あるいはむれ葉、くされ葉の生出防止の
ために、それぞれ直達光の少ない農業用フィルムの使用
が必須であり、一般には梨地タイプのものが用いられて
きた。従来の梨地フィルムは、フィルム加工時にエンボ
スロールによりフィルム表面を粗面化する方法によって
製造されるものが多く、また可塑剤を含むポリ塩化ビニ
ルフィルムが主流を占めていた。このため実用面におい
ては、ハウスやトンネルなどに展張したときに、大気中
の塵埃によってフィルム表面が汚れ、光線透過率の経時
低下を来すという欠点を有していた。
【0003】このような欠点を改良する方法として、エ
ンボス加工のような機械的手段を採らず、2種以上のオ
レフィン系樹脂のブレンドを用いる方法が特開昭 59-14
5146号公報において提案されている。この提案では高密
度ポリエチレンの使用が必須となっているため、フィル
ムの柔軟性に関し、品質設計の選択巾が狭いという欠点
があった。また農業用フィルムにしばしば添加される保
温剤や防曇剤は吸湿性が高いが、該提案ではフィルム加
工を高温で行う必要があるため、このような添加剤を配
合する場合には発泡トラブルが生ずる恐れがあった。さ
らに光線透過率が必ずしも充分に大きいとは言えなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは廃棄物処
理や耐汚れ性に問題のあるポリ塩化ビニルフィルムに代
わる材料として注目されているエチレン・酢酸ビニル共
重合体をベースとする多層農業用フィルムにおいて、塵
埃付着の恐れのあるエンボス加工のような機械的加工手
段を採用することなく、また光線透過率を非常に高い水
準に保ちつつ直達光を低減させる手法について検討を行
った。その結果、農業用フィルムの最外層の少なくとも
一層に下記するようなエチレン・酢酸ビニル共重合体層
を設けることによりその目的が達成できることを知っ
た。
【0005】従って本発明の目的は、光線透過率が高く
直達光の少ないエチレン・酢酸ビニル共重合体系農業用
フィルムを提供することにある。本発明の他の目的は、
柔軟で強度及び保温性が優れた農業用フィルムを提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、最外層
及び最内層の少なくとも一層が、酢酸ビニル含有量が
4〜34重量%、メルトフローレート(MFR)が4〜
50g/10分のエチレン・酢酸ビニル共重合体(A)
及びMFRが0.04〜2.0g/10分の低密度ポリ
エチレン(B)の混合物からなり、且つ(A)と(B)
の混合割合が(A)/(B)=35〜90/65〜10
(重量比)、該混合物の平均酢酸ビニル含有量が12〜
22重量%、及びそのMFR比((A)のMFR/
(B)のMFR)=10〜100である混合物層であ
り、該混合物層と他のオレフィン系樹脂層とからなる多
層構造をなし、全光線透過率が80%以上、トランスが
10%以下である農業用フィルムが提供される
【0007】本発明においては、フィルムの最外層及び
最内層の少なくとも一層に樹脂混合物層がもちいられ
る。すなわちトンネル張やハウス張にした場合の最外層
または最内層あるいは両層に該当する部分のいずれかに
樹脂混合物層が用いられる。樹脂混合物の一つの成分
は、酢酸ビニル含有量が24〜34重量%、好ましくは
26〜32重量%、MFRが4〜50g/10分、好ま
しくは6〜30g/10分のエチレン・酢酸ビニル共重
合体が用いられる。酢酸ビニル含有量が上記範囲より少
ない共重合体を用いても所望の光線透過特性を有するフ
ィルムを得ることは難しく、また逆に酢酸ビンル含有量
が上記範囲より大きい共重合体を用いると、ブロッキン
グ性を増すと共に塵埃が付着し易くなるので好ましくな
い。また該共重合体のMFRが前記範囲よりも小さいも
のを用いると、所望の光線透過特性を有するフィルムを
得ることは難しく、逆にこれよりMFRの大きいものを
用いると、フィッシュアイが生ずるようになるので好ま
しくない。
【0008】樹脂混合物層の他の成分としては、MFR
が0.04〜2.0g/10分、好ましくは0.1〜
1.0g/10分の低密度ポリエチレンが用いられる。
MFRが上記範囲より小さいものを用いると、フィッシ
ュアイが生じやすく、また上記範囲より大きいもの用い
ると、所望の光学性能のフィルムを得ることは難しくな
る。ここに低密度ポリエチレンは、密度が0.900〜
0.935g/cc、好ましくは0.905〜0.93
0g/ccのものであり、高圧法のポリエチレンであっ
ても、中低圧法によってエチレンと炭素数3〜10程度
のα−オレフィンとの共重合によって製造される線状低
密度ポリエチレンであってもよい。
【0009】(A)成分と(B)成分の混合割合は、
(A)/(B)=35〜90/65〜10(重量比)、
好ましくは(A)/(B)=40〜80/60〜20の
割合であって、かつ平均酢酸ビニル含有量が12〜22
重量%、及び(A)のMFR/(B)のMFR=10〜
100、好ましくは20〜90の範囲にすることが必要
である。平均酢酸ビニル含有量が上記範囲より少ない
か、あるいはMFRの比が前記範囲より少なくなると、
目的とする光学特性を有するフィルムを得ることが難し
い。一方、平均酢酸ビニル含有量が上記範囲より大きく
なると、ブロッキング傾向が強くなり、塵埃が付着し易
くなるので好ましくない。さらにMFR比が前記範囲よ
り大きくなると、フィッシュアイが生じ易くなるので好
ましくない。
【0010】本発明の樹脂混合物層は、上記(A),
(B)両成分を前記割合で含んでいる限り、光学特性を
損なわない範囲において、(B)成分と異なる低密度ポ
リエチレンを、(A),(B)両成分100重量部当
り、100重量部以下、好ましくは50重量部以下の割
合で配合することができる。このような低密度ポリエチ
レンは、MFRが2.0g/10分を越えるものである
が、好ましくは20g/10分以下、より好ましくは1
0g/10分以下のものである。該低密度ポリエチレン
の配合により光学特性を損なうことなく樹脂混合物層の
耐融着性を向上させることができる。
【0011】本発明では、前記成分(A)及び(B)を
含有する樹脂混合物をフィルムの最外層及び最内層の少
なくとも一方の層として設けることが光学的特性の点で
重要である。即ち、このような樹脂混合物を3層以上の
多層フィルムの中間層として用いても所望の光学性能を
有するものは得られない。
【0012】本発明においては、前記樹脂混合物層のほ
かに他のオレフィン樹脂層を設けた多層構造のフィルム
とする。樹脂混合物を単層のフィルムとして使用するよ
りは、他のオレフィン樹脂層との積層体とすることによ
り、農業用フィルムにあった機械的強度、耐久性、保温
性等の必要特性を得やすい。一般には2層又は3層の構
成であり、樹脂混合物層を比較的薄肉層で形成し、オレ
フィン樹脂層を厚肉層に形成するのが一般的である。
【0013】オレフィン樹脂としては、酢酸ビニル含有
量が20重量%以下、好ましくは15重量%以下のエチレ
ン・酢酸ビニル共重合体、低密度ポリエチレン、エチレ
ン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アイオノマ
ーあるいはこれらの混合物などが好適例としてあげられ
る。これらはMFRが0.5〜20g/10分、とくに
1〜10g/10分程度のものを用いるのが好ましい。
これらの中では、中間層として用いる場合には、保温剤
との親和性、経済性、樹脂混合物層との層間接着性など
を考慮すると、エチレン・酢酸ビニル共重合体の使用が
最も好ましい。また該樹脂層を最外層の一つとして使用
するときには、エチレン・酢酸ビニル共重合体又は低密
度ポリエチレンから選ぶことが望ましい。
【0014】樹脂混合物層の厚みは、3〜100μm程
度、とくに10〜100μm程度であり、オレフィン樹
脂層の厚みは、20〜200μm程度、とくに30〜15
0μm程度(2層以上有するときはその合計厚み)とす
るのが好ましい。各層には保温剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、耐光安定剤、防曇剤、防霧剤等が適宜配合され
る。保温剤として樹脂層の屈折率と近似した屈折率を有
する公知のものが使用できるが、とくに保温性が良く、
光線透過性に悪影響を及ぼさないハイドロタルサイトの
使用が最も好ましい。保温剤の使用量は、樹脂成分10
0重量部当たり、0.1〜10重量部、とくに0.2〜
7重量部の割合とするのが望ましいが、3層フィルムに
おいては展張した場合の外層と中間層に、2層フィルム
においては展張した場合の外層に樹脂成分100重量部
当り、30重量部以下、好ましくは20重量部以下で重
点配合することが望ましい。
【0015】本発明によれば、上記の如き構成を採るこ
とにより、全光線透過率が80%以上、通常90%以
上、好ましくは92%以上、トランスが10%以下、通
常3%以下、好ましくは1%以下のものを容易に提供す
ることができる。またヘイズ値が30%以上、一般には
40%以上、好ましくは45%以上のものを容易に提供
することができる。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、柔軟性、耐融着性、保
温性に優れ、全光線透過率が高くかつ直達光の少ない農
業用フィルムを提供することができる。かかる特性を生
かし、直射光を嫌う軟弱野菜や葉たばこ、稲などの育
苗、葉たばこの乾燥などの保温性フィルムとして、トン
ネル張やハウス張に使用することができる。
【0017】
【実施例】次に実施例により説明するが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。 評価方法 全光線透過率及び曇り度(HAZE)・・・JIS K6714-77に
準拠 トランス・・・ASTM D1746に準拠して測定した透明度(T
ransmittance) 保 温 性・・・放射率計Dand S.AERD型式を使用
して求めた長波放射率を保温性の尺度とした。 耐汚れ性・・・千葉県市原市に間口2m、高さ2m、長
さ9mのアーチ型の小型農業用パイプハウスを建て、19
90年7月から1991年7月まで展張し、1年経過後の全光
線透過率を測定し、その尺度とした。
【0018】実施例1 (多層フィルムの製造)3種3層インフレダイス(口径
150mm)を装備した多層インレーション装置を使用
し、口径45mmの押出機を通じ、溶融ゾーン温度14
0℃、ダイス温度140℃の条件で各層に下記組成のも
のを供給し、ダイ内で合体させて得た3層構造の管状体
を、ブローアップレイショ2.8の条件でインフレーシ
ョン成形し、折径650mm、各層の厚みが、外層0.
02mm、中間層0.02mm、内層0.06mmの多
層フィルムを得た。
【0019】外層・・・エチレン・酢酸ビニル共重合体
(酢酸ビニル含有量28重量%、MFR15g/10
分、三井・デュポンポリケミカル社製 EVAFLEX P2807)
39.2重量%と、低密度ポリエチレン(密度0.922
g/cc、MFR0.25g/10分、日本石油化学社製レ
クスロンF102)26.1重量%と、低密度ポリエチ
レン(密度0.923g/cc、MFR3.7g/10
分、三井石油化学社製ミラソン16 28.0重量%
と、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤0.1重量%と、ヒ
ンダードアミン系耐光安定剤0.1重量%と、保温剤
(ハイドロタルサイト 協和化学社製 DHT−4A)
6.5重量%。
【0020】中間層・・エチレン・酢酸ビニル共重合体
(酢酸ビニル含有量14.5重量%、MFR1.3g/10
分、三井・デュポンポリケミカル社製 EVAFLEXP1403 )
85.6重量%と、防曇剤1.1重量%と、ベンゾフェノ
ン系紫外線吸収剤0.05重量%と、ヒンダードアミン
系耐光安定剤0.15重量%と、融着防止剤0.1重量
%と、保温剤(ハイドロタルサイト 協和化学社製DH
T−4A)13重量%。
【0021】内層・・・エチレン・酢酸ビニル共重合体
(酢酸ビニル含有量9.1重量%、MFR1.5g/10
分、三井・デュポンポリケミカル社製 EVAFLEXV340)9
6.29重量%と、防曇剤1.41重量%と、ベンゾフェノ
ン系紫外線吸収剤0.05重量%と、ヒンダードアミン
系耐光安定剤0.15重量%と、融着防止剤0.1重量
%と、保温剤(DHT−4A)2重量%。得られたフィ
ルムの物性は第1表に示す通り、全光線透過率が高く、
定軸光線透過率(直達光透過率)が低く、且つ高い保温
特性を示すものであった。
【0022】(ハウスとしての試験)上記実施例1の多
層フィルム(使用年数2年目)を用い、外層面がハウス
の外側になるように展着して、80平方メートル(4m
×20m)、高さ2.2mのカマボコ型葉たばこ乾燥用
ハウスをつくり、これを本発明区とした。これに対し、
対照標準として農業用ポリ塩化ビニールフィルム(梨地
タイプ、0.1mm厚、使用年数2年目)を用いて、本
発明区と同構造の乾燥ハウスを用い、これを対照区とし
た。なお、試験開始時に測定した全光線透過率は本発明
区、対照区それぞれ81%、48%であった。なお、実
施例1の多層フィルム、農業用ポリ塩化ビニールフィル
ムの製造時の全光線透過率はそれぞれ96%、75%で
あり、農業用ポリ塩化ビニールフィルムは防塵性が悪い
ために光線透過率がかなり劣化していた。
【0023】そして、本発明区と対照区にそれぞれバー
レー種たばこの合葉を700kg予め「粗水切り」処理
をせずに、そのまま吊り込んで乾燥させた。試験は19
92年8月8日から8月20日まで青森県十和田市にお
いて実施し、本発明区、対照区共裾開け等の乾燥管理は
同様に行った。また、乾燥期間13日間のうち6日間は
晴天日であったため、本発明区、対照区共に高温防止の
ために遮光幕(遮光率90%)を被覆した。
【0024】表2に乾燥期間13日間の日中温度、夜間
温度の平均値と1日の最高、最低温度の平均値を示す。
本発明区は対照区に比べ、上述したようにフィルムの防
塵性が高いことによる全光線透過率が高いために、日中
温度の平均値、最高温度の平均値がそれぞれ約3℃、約
7℃高かった。また、本発明の多層フィルムの保温性が
農業用ポリ塩化ビニールフィルムとほぼ同じであるため
に、夜間温度、最低温度は両区に差はなかった。
【0025】また、図1に乾燥開始後9日目(葉たばこ
乾燥の進行状況は褐変7割)の曇天日、図2に乾燥開始
後10日目(葉たばこ乾燥の進行状況は褐変8割)の雨
天日に6時から18時までのハウス内の温度変化を外気
温度と共に示す。Aは本発明区、Bは対照区、Cは外気
温度である。なお、両日共に遮光幕の着用は行わなかっ
た。本発明区は対照区に比べ、曇天日、雨天日共にハウ
ス内温度が高く、上述した平均値による結果と一致して
いた。
【0026】乾燥終了時の該乾葉の品質を調査した結果
を、タイプ別千分比とkg当り代金比率として、表3に
示す。表3から明らかなように、ハウス内温度が対照区
より高く、排湿等の乾燥管理が行い易かったために本発
明区の乾葉は対照区に比べ、むれ葉、くすみ葉の生出が
少なかった。このため、最も品質がよいAタイプの産出
が多く、kg当り代金比率が対照区より本発明区が上回
った。
【0027】さらに、表4に本発明区の多層フィルムと
対照区の農業用ポリ塩化ビニールフィルムの使用適正の
調査結果を示した。本発明区の多層フィルム破損状況、
防塵性、耐寒性、ベトツキ性は対照区の農業用ポリ塩化
ビニールフィルムよりかなり良好であった。また、酢酸
ビニール系フィルムによくみられる開閉の難易(ブロッ
キングによるフィルム同士の接着)もなかった。加え
て、ポリオレフィン系フィルムによくみられる弾力性の
悪さも認められなかった。
【0028】また、本発明乾燥用ハウスを1992年3
月に育苗用ハウスとしてバーレー種たばこの育苗を行っ
たところ、直達光の透過が少ないために苗の日焼けが全
くみられず、健苗が生産された。一方、対照乾燥用ハウ
スを本発明ハウスと同様にバーレー種たばこの育苗を行
ったところ、フィルムの防塵性が悪く、空気中の埃を多
量に付着していたため、光線透過率が低くなり、ハウス
内の光が不足し、苗は軟弱に徒長し、腰高苗となった。
【0029】実施例2 実施例1において、外層用樹脂成分をエチレン・酢酸ビ
ニル共重合体(酢酸ビニル含有量28重量%、MFR1
5g/10分、三井・デュポンポリケミカル社製 EVAFL
EX P2807)56.0重量%と、低密度ポリエチレン(密
度0.922g/cc、MFR0.25g/10分、日本石油
化学社製 レクスロンF102)37.3重量%と、ベ
ンゾフェノン系紫外線吸収剤0.1重量%と、ヒンダー
ドアミン系耐光安定剤0.1重量%と、保温剤(ハイド
ロタルサイト)6.5重量%とする以外は実施例1と同
様にフィルム成形を行った。得られたフィルムの物性は
表1に示す通り、全光線透過率が高く、定軸光線透過率
が低く、高い保温性を示すものであった。
【0030】実施例3 実施例1において、中間層用樹脂エチレン・ 酢酸ビニ
ル共重合体 ( EVAFLEXP1403 )と内層用樹脂エチレン
・酢酸ビニル共重合体(EVAFLEX V340)を入れ替えて、
中間層用樹脂をEVAFLEX V340とし、内層用樹脂をEVAFLE
X P1403 とした以外は実施例1と同様にフィルム成形を
行った。得られたフィルムの物性は表1に示す通り、全
光線透過率が高く、定軸光線透過率が低く、高い保温性
を示すものであった。
【0031】実施例4 実施例1において、層厚みを、外層0.01mm、中間
層0.03mm、内層0.06mmとするとともに、外
層への保温剤(ハイドロタルサイト)の使用をやめた以
外は実施例1と同様にフィルム成形を行った。得られた
フィルムの物性は表1に示す通り、全光線透過率が高
く、定軸光線透過率が低く、高い保温特性を示すもので
あった。
【0032】実施例5 実施例1において内層の樹脂成分として、エチレン・酢
酸ビニル共重合体(EVAFLEX P2807 )と、低密
度ポリエチレン(レクスロンF102 )と、低密度ポリエ
チレン(ミラソン16)の42/28/30の混合樹脂
を使用し、且つ防曇剤1.5重量%、ベンゾフェノン系
紫外線吸収剤0.1重量%、ヒンダードアミン系耐光安
定剤0.1重量%を配合したものを用い、また中間層の
保温剤の配合量を6.3重量%とし、各層の厚みを、外
層0.02mm、中間層0.06mm、内層0.02mmの
3層フィルムを製造した。得られたフィルムの物性は表
1に示すとおり、優れた特性を示した。
【0033】比較例1 実施例1において、外層の樹脂成分を低密度ポリエチレ
ン(ミラソン16)に変えた以外は同様にしてフィルム
成形を行い、外層0.02mm、中間層0.02mm、内層
0.06mmの3層フィルムを得た。得られたフィルムの
物性は表1に示すとおり、定軸光線透過率が高く、非梨
地状であった。
【0034】比較例2 実施例1において、外層の樹脂成分として、エチレン・
酢酸ビニル共重合体(EVAFLEX BRV340)を使用するとと
もに、中間層の樹脂成分をエチレン・酢酸ビニル共重合
体(EVAFLEX P2807)60重量%と低密度ポリエチレン
(レクスロンF102)40重量%の混合樹脂成分を用
いた以外は実施例1と同様に行い、外層0.02mm、中
間層0.02mm、内層0.06mmの3層フィルムを得
た。その物性は表1に示すとおり、定軸光線透過率が高
く、非梨地状のフィルムであった。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】 注)1.測定位置:屋根部被覆材下 50cm 2.測定期間:1992年8月8日〜8月20日 3.測定場所:青森県十和田市 4.日中温度:6時〜18時 夜間温度:18時〜5時 5.平均温度:30分毎の測定値の平均値 6.最高温度:1日の最高値の13日間の平均値 7.最低温度:1日の最低値の13日間の平均値
【0037】
【表3】 A:正常葉、 B:軽度の品質低下葉、C:
中度の品質低下葉、 D:重度の品質低下葉 (* キログラム当り代金比率は、平成4年の葉分タイ
プ別葉たばこ買入価格により算出した。)
【0038】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1における乾燥開始後9日目(葉たば
こ乾燥の進行状況は褐変7割)の曇天日に6時から18
時までのハウス内の温度変化を外気温度と共に示すグラ
フであり、Aは本発明区、Bは対照区、Cは外気温度で
ある。
【図2】 実施例1における乾燥開始後10日目(葉た
ばこ乾燥の進行状況は褐変8割)の雨天日に6時から1
8時までのハウス内の温度変化を外気温度と共に示すグ
ラフであり、Aは本発明区、Bは対照区、Cは外気温度
である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B32B 27/32 B32B 27/32 E (56)参考文献 特開 昭63−149147(JP,A) 特開 平4−238029(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 A01G 9/14 A01G 13/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最外層及び最内層の少なくとも一層が、
    酢酸ビニル含有量が24〜34重量%、メルトフローレ
    ート(MFR)が4〜50g/10分のエチレン・酢酸
    ビニル共重合体(A)及びMFRが0.04〜2.0g
    /10分の低密度ポリエチレン(B)の混合物からな
    り、且つ(A)と(B)の混合割合が(A)/(B)=
    35〜90/65〜10(重量比)、該混合物の平均酢
    酸ビニル含有量が12〜22重量%、及びそのMFR比
    ((A)のMFR/(B)のMFR)=10〜100で
    ある混合物層であり、該混合物層と他のオレフィン系樹
    脂層とからなる多層構造をなし、全光線透過率が80%
    以上、トランスが10%以下である農業用フィルム。
  2. 【請求項2】 前記混合物層は、(A)と(B)との合
    計100重量部当り、MFRが2.0g/10分を越え
    る低密度ポリエチレンを100重量部以下の量で含有し
    ている請求項1記載の農業用フィルム。
  3. 【請求項3】 少なくとも1層に保温剤が配合されてな
    る請求項1又は2記載の農業用フィルム。
  4. 【請求項4】 保温剤がハイドロタルサイトである請求
    項3記載の農業用フィルム。
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