JP3700429B2 - 画像処理装置、画像処理方法および画像出力装置 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法および画像出力装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数ページ分の画像データを合成して1枚の用紙の同一面に出力する複写機やプリンタに用いて好適な画像処理装置、画像処理方法および画像出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機およびプリンタ等においては、複数ページ分の画像データを合成して1枚の用紙の同一面に出力する機能を有するものが知られている。ここで、用紙の同一面に2ページ分の画像データを合成するモードを「2in1モード」、4ページ分の画像データを合成するモードを「4in1モード」といい、一般的にNページ分の画像データを同一面に合成するモードを「Nin1モード」という。
【0003】
Nin1モードを用いる場合には、メモリ容量を削減するために、同一面に出力される画像データを一旦圧縮しておくことが一般的である。圧縮方式としては、8×8画素から成るブロックを単位として圧縮するJPEGが広く用いられている。ここで、合成した画像データを用紙に出力する場合は、図13(a)に示すように、用紙の短辺側を主走査方向にする場合と、用紙の長辺側を主走査方向にする場合とが考えられる。
【0004】
特開平6−316363号公報においては、合成した画像データを圧縮されていない状態でページメモリに展開して出力する複写機が開示されている。この技術においては、ページメモリの読み出し方向を設定することによって図13(a),(b)のいずれの方向にも用紙を出力することができる。しかし、かかるページメモリには多大な記憶容量が必要になるという問題がある。
【0005】
また、特開平5−244388号公報においては、2in1モードにおいて2ページ分の圧縮画像データを少しづつ伸長しながら出力する画像記録装置が開示されている。この技術においては、一方の圧縮画像データの伸長処理が終了した後に他方の伸長処理が開始されるため、用紙の出力方向は同図(a)の方向に限られてしまう。すなわち、用紙の搬送方向である副走査方向が長くなるため、出力速度が低下するという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の技術においては、用紙の長辺を主走査方向にするにはページメモリを設けるために多大な記憶容量が必要になり、ページメモリを削減するためには短辺側を主走査方向にせざるを得ず、出力速度が低下するという問題がある。この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、少ない記憶容量で高速な画像出力を行える画像処理装置、画像処理方法および画像出力装置を提供することを第1の目的としている。
【0007】
ところで、JPEG方式においては8×8画素から成るブロックを単位として画像データが圧縮されるが、実際の画像データのサイズは「8」の倍数になるとは限らない。従って、圧縮画像データの主走査方向および副走査方向のサイズは、実際の画像データのサイズ以上の「8」の倍数に変更され、追加された部分には不要画素(一般的には白色)が詰め込まれることになる。このように、不要画素を含めて拡大された圧縮画像データを図14(a)に示す。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、一の見地においては、第1〜第Nの画像データを主走査方向に配列して合成する画像処理装置であって、前記各画像データを圧縮してなる複数の圧縮画像データを前記主走査方向に向けて順次伸長する伸長手段と、前記伸長手段によって得られた前記各画像データの一部を記憶するバッファと、前記伸長手段によって得られた前記各画像データの各ラインの終端の不要画素を除去して出力するように、前記バッファに対する書き込みまたは読み出し制御を行う制御手段と、前記伸長手段によって得られた前記第1〜第N−1の画像データを前記バッファを介して出力し、前記第Nの画像を前記バッファを介さずに出力する出力手段とを有することを特徴とする。
また、本発明は他の見地においては、第1〜第Nの画像データを主走査方向に配列して合成する画像処理装置であって、前記各画像データを圧縮して成る複数の圧縮画像データを前記主走査方向に向けてブロック単位で順次伸長する伸長手段と、前記伸長手段によって得られた前記各画像データの全部または一部を記憶するバッファと、前記伸長手段によって得られた前記各画像データの終端のブロック内の不要画素を除去して出力するように、前記バッファに対する書き込みおよび読み出し制御を行う制御手段と、前記伸長手段によって得られた前記第1〜第N−1の画像データを前記バッファを介して出力し、前記第Nの画像を前記バッファを介さずに出力する出力手段とを有することを特徴とする。
また、本発明は他の見地においては、第1および第2の圧縮画像データを伸長して同一面上で出力する画像処理方法において、前記第1の圧縮画像データの一部を伸長する第1過程と、前記第2の圧縮画像データの一部であって、前記第1過程で伸長された前記第1の圧縮画像データの一部に対して主走査方向に沿って隣接すべき部分を伸長する第2過程と、前記第1および第2過程で得られた伸長された画像データをバッファを介して出力する第3過程と、前記第1の圧縮画像データの一部であって、既に伸長された部分に続く部分を伸長する第4過程と、前記第2の圧縮画像データの一部であって、既に伸長された部分に続くとともに前記第4過程で伸長された前記第1の圧縮画像データの一部に対して主走査方向に沿って隣接すべき部分を伸長する第5過程と、前記第4および第5過程で得られた伸長された画像データを出力する第6過程であって、該伸長された画像データに後続する画像データがある場合には、該伸長された画像データをバッファを介して出力する一方、後続する画像データがない場合には該伸長された画像データをバッファを介さずに出力する第6過程と、前記第4〜第6過程を複数回繰返す第7過程とを有することを特徴とする画像処理方法を有することを特徴とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、一の見地においては、第1〜第Nの画像データを主走査方向に配列して合成する画像処理装置であって、前記各画像データを圧縮して成る複数の圧縮画像データを前記主走査方向に向けて順次伸長する伸長手段と、前記伸長手段によって得られた前記各画像データの一部を記憶するバッファと、前記伸長手段によって得られた前記各画像データの各ラインの終端の不要画素を除去して出力するように、前記バッファに対する書き込みまたは読み出し制御を行う制御手段とを有することを特徴とする。
また、本発明は他の見地においては、第1〜第Nの画像データを主走査方向に配列して合成する画像処理装置であって、前記各画像データを圧縮して成る複数の圧縮画像データを前記主走査方向に向けてブロック単位で順次伸長する伸長手段と、前記伸長手段によって得られた前記各画像データの全部または一部を記憶するバッファと、前記伸長手段によって得られた前記各画像データの終端のブロック内の不要画素を除去して出力するように、前記バッファに対する書き込みおよび読み出し制御を行う制御手段とを有することを特徴とする。
また、本発明は他の見地においては、第1および第2の圧縮画像データを伸長して同一面上で出力する画像処理方法において、前記第1の圧縮画像データの一部を伸長する第1過程と、前記第2の圧縮画像データの一部であって、前記第1過程で伸長された前記第1の圧縮画像データの一部に対して主走査方向に沿って隣接すべき部分を伸長する第2過程と、前記第1および第2過程で得られた伸長された画像データを出力する第3過程と、前記第1の圧縮画像データの一部であって、既に伸長された部分に続く部分を伸長する第4過程と、前記第2の圧縮画像データの一部であって、既に伸長された部分に続くとともに前記第4過程で伸長された前記第1の圧縮画像データの一部に対して主走査方向に沿って隣接すべき部分を伸長する第5過程と、前記第4および第5過程で得られた伸長された画像データを出力する第6過程と、前記第4〜第6過程を複数回繰返す第7過程とを有することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
1.第1実施形態
1.1.実施形態の構成
次に本発明の一実施形態の画像処理装置の構成を図1に示す。本画像処理装置は、例えば複写機あるいはプリンタ等の画像出力装置に設けられるものである。図において1および2はコードFIFOバッファであり、原稿等から読み込まれた画像データをJPEG方式で圧縮して成るJPEGコードが各々供給される。例えば、コードFIFOバッファ1には原稿の第1枚目のJPEGコード(第1JPEGコード)が供給され、コードFIFOバッファ2には原稿の第2枚目のJPEGコード(第2JPEGコード)が供給される。
【0011】
なお、「FIFO」は「First-In First-Out」の略であり、書き込まれた順序でデータが読み出されるバッファを意味する。コードFIFOバッファ1,2は、第1,第2JPEGコードを一時的に記憶し、後段の回路における伸長処理等に対してタイミング合わせを行うために設けられている。また、JPEGコードとは、図3に示すように、原画像データを8×8画素から成るブロック単位に分割し、各ブロックを圧縮して成るコードである。
【0012】
また、各JPEGコードには、1ブロックライン毎にブロックラインの終端を表示するEOIマーカコードが挿入される。3はコード入力部であり、後述するコード選択信号に基づいてコードFIFOバッファ1,2の何れか一方を選択して読み出し、読み出したJPEGコードを出力する。4は伸長部であり、コード入力部3から出力されたJPEGコードを伸長し、伸長された画像データ(伸長画像データ)をブロック単位で順次出力する。
【0013】
5はブロックバッファ部であり、伸長部4から出力された伸長画像データをブロック単位で順次記憶するとともに、記憶した伸長画像データを1ライン単位で出力する。ここで、ブロックバッファ部5の構成を図4(a)に示す。図においてブロックバッファ部5は、ブロックバッファ501,502から構成される。ブロックバッファ501,502は、各々「2(M+N)×8」画素の容量を有している。ここでMは有効画素数であり、圧縮される前の原画像データの横方向の幅に等しい。Nは不要画素数であり、「M+N」を「8」の倍数にそろえるための不要画素の数(0〜7)である。これは、JPEG方式においては、主走査方向および副走査方向の画素数を「8」の倍数に設定することを前提にしているためである。
【0014】
従って、ブロックバッファ部5全体では、「4(M+N)×8」画素の記憶容量を有する。ブロックバッファ501,502は、一方が書込み状態になっている時に他方は読出し状態に設定される。そして、「2」ブロックライン毎に書込み/読出し状態が切換られる。これにより、ブロックバッファ部5全体としては、書込み/読出し動作を連続的に行うことができる。次に、同図(b)にブロックバッファ部5における書き込み順序を示す。伸長部4からはブロック単位の伸長画像データが供給されるため、ブロックバッファ部5においては最初のブロックの第1ライン、同ブロックの第2ライン、……同ブロックの第8ラインの順で伸長画像データが書き込まれる。以後のブロックに対しても同様である。
【0015】
一方、ブロックバッファ部5における伸長画像データの読み出し順序を同図(c)に示す。画像出力装置にはライン毎に伸長画像データを供給する必要があるため、最初にブロックバッファ部5内の全ブロックの第1ラインの内容が読み出され、次に第2ライン、……、第8ラインの順で同様に伸長画像データが読み出されることになる。
【0016】
図1に戻り、6は伸長制御部であり、コード入力部3から出力されたJPEGコードを監視しマーカコードを検出するとともに、コード入力部3に対してコード選択信号を供給する。ここで、コード選択信号は、EOIマーカコードが検出される度に(「1」ブロックライン毎に)切り替えられる。これにより、コード入力部3は、「1」ブロックラインの第1JPEGコードと、主走査方向に沿ってこれに隣接して出力されるべき部分における「1」ブロックラインの第2JPEGコードとを交互に出力することになる。
【0017】
また、伸長制御部6は、ブロックバッファ部5に対してライトポインタ、ライトイネーブル信号、リードポインタ、リードイネーブル信号を供給することにより、ブロックバッファ部5に対する読み出し/書き込み制御を行う。ここでライトポインタとは書き込みアドレス、ライトイネーブル信号は書き込みを許可する信号、リードポインタは読み出しアドレス、リードイネーブル信号は読み出しを許可する信号である。
【0018】
ここで、伸長部4からブロックバッファ部5に供給される伸長画像データを図5に示す。図において第1JPEGコードの第1ブロックラインに対応する伸長画像データは、8×8画素のブロック単位で順次ブロックバッファ部5に転送される。ここで第1JPEGコードの原画像データの主走査方向の有効画素数が8の倍数でない場合には、最終ブロックにはN(=1〜7)画素の不要画素が含まれることになる。
【0019】
次に、第1JPEGコードと同様に、第2JPEGコードの第1ブロックラインに対応する伸長画像データが、ブロック単位で順次ブロックバッファ部5に転送される。この伸長画像データにおいても、原画像データの主走査方向の有効画素数が8の倍数でない場合には、最終ブロックにはN(=1〜7)画素の不要画素が含まれることになる。以後の第2ブロックラインから最終ブロックラインに至る各ブロックラインにも、同様に不要画素が含まれる。
【0020】
1.2.実施形態の動作
次に、本実施形態の動作を説明する。まず、最初に伸長制御部6に上記有効画素数M、不要画素数N、および副走査方向のブロックライン数Lが記憶される。これらは、例えば検出した用紙サイズ等に基づいて決定される。次に、図示せぬスキャナ等によって原稿が2枚読取られ、それぞれの原画像データが圧縮されることによって第1,第2JPEGコードが生成される。次に、これら第1,第2JPEGコードがコードFIFOバッファ1,2に各々供給され始めると、コード入力部3はコード選択信号に基づいて切り替えられつつコードFIFOバッファ1,2の読み出しを開始する。
【0021】
これにより、コード入力部3より、第1,第2JPEGコードが切り替えられつつ出力される。次に、伸長部4においては、供給されたJPEGコードが伸長され、1ブロック単位で伸長画像データが出力される。次に、伸長制御部6においては、ブロックバッファ部5に対してライトイネーブル信号が供給され、かつ、図4(b)に示した順序に従って伸長画像データが書き込まれるようにライトポインタの値が設定される。
【0022】
ここで、第1,第2JPEGコードの各第1ブロックラインに対する伸長処理が終了すると、ブロックバッファ部5の内容(正確にはブロックバッファ501,502のうち一方の内容、以下同)は図6(a)に示すようになる。ここで、伸長制御部6からブロックバッファ部5に対してリードイネーブル信号が供給されるとともに、不要画素をスキップしつつ伸長画像データを1ライン毎に読み出すようにリードポインタの値が設定される。すなわち、リードポインタは最初にブロックバッファ部5の先頭アドレス(0)に設定され、「M−1」に達するまで、リードポインタが1づつインクリメントされる。
【0023】
リードポインタが「M−1」に達すると、リードポインタは次に「M+N」に設定され、「2M+N−1」に達するまで、リードポインタがさらに1づつインクリメントされる。リードポインタが「2M+N−1」に達すると、次にリードポインタは第2ラインの先頭アドレス(Xとする)に設定される。次に、リードポインタは、「X+M−1」に達するまで1づつインクリメントされ、次に「X+M+N」に設定される。そして、「X+2M+N−1」に達するまで1づつインクリメントされる。
【0024】
以後、上記「X」を第3〜第8ラインの先頭アドレスに代えて、上述した処理が繰返される。これにより、図6(b)に示すように、不要画素をスキップしつつ、伸長画像データがライン毎に連続的に読み出される。読み出された画像データは、図示せぬ出力エンジン等を介して出力され、不要画素を除去した出力画像が得られることになる。
【0025】
2.第2実施形態
2.1.実施形態の構成
次に、本発明の第2実施形態の構成を図9を参照し説明する。
図において11,12,……1iはコードFIFOバッファであり、第1実施形態におけるコードFIFOバッファ1,2と同様に構成されて各々第1,第2,……,第iJPEGコードを記憶する。23はコード入力部であり、コード選択信号に基づいて上記コードFIFOバッファ11,12,……1iのうち何れかを選択して読み出し、読み出したJPEGコードを出力する。
【0026】
24は伸長部であり、第1実施形態の伸長部4と同様に、受信したJPEGコードをラスタデータに伸長する。但し、伸長部24はブロック単位の伸長画像データをライン単位の伸長画像データに変換して出力する点が異なる。
【0027】
27はラインバッファ部であり、第1,第2,……,第iJPEGコードに対応する伸長画像データの不要画素数をN1,N2,……,Niとしたとき、「Ni」を除いた合計である不要画素数NT(但し、NT=N1+N2+……+Ni-1)に相当する記憶容量を有するシフトレジスタによって構成されている。換言すれば、ラインバッファ部27は不要画素数NTに相当する最大遅延時間を有する遅延回路である。そして、ラインバッファ部27に対してデータを入力するタップ位置は自在に設定することができ、これによって所望の遅延時間を得ることが可能である。
【0028】
28はデータ出力部であり、第1,第2,……,第(i−1)JPEGコードに対応する伸長画像データをラインバッファ部27から受信するとともに、第iJPEGコードに対応する伸長画像データを伸長部24から受信し、これら受信した伸長画像データを出力する。
【0029】
26は伸長制御部であり、上記各構成要素を制御する。まず、伸長制御部26は、コードFIFOバッファ11,12,……1iが循環的に選択されるようにコード入力部23に対してコード選択信号を供給する。すなわち、伸長制御部26にあってはコード入力部23から出力されるJPEGコードが監視され、EOIマーカコードが検出されると、次のコードFIFOバッファに切り替えるようコード選択信号を出力する。
【0030】
これにより、第1,第2,……,第(i−1)JPEGコードは、ブロックライン毎に、伸長部24に順次入力されることになる。さらに、伸長制御部26は、ラインバッファ部27およびデータ出力部28を制御するが、その詳細については動作とともに説明する。
【0031】
2.2.実施形態の動作
次に、本実施形態の動作を説明する。最初に伸長制御部26には、各JPEGコードに対応する伸長画像データ中における不要画素数N1,N2,……,Niが記憶される。また、第1,第2,……,第iJPEGコードは予め得られていることとする。
【0032】
次に、伸長制御部26は、コード入力部23に対して、コードFIFOバッファ11を選択させるコード選択信号を供給する。これにより、コード入力部23を介して第1JPEGコードが伸長部24に供給される。ここで第1JPEGコードに含まれるEOIマーカコードが伸長制御部26によって検出されると、次にコードFIFOバッファ12を選択させるコード選択信号がコード入力部23に供給される。
【0033】
以下同様に、第1,第2,……,第iJPEGコードの第1ブロックラインが全て伸長部24に供給されると、伸長部24から合成後のライン単位の伸長画像データが出力される。まず、伸長部24から第1JPEGコードに対応する伸長画像データの第1ラインの画像データが出力される。その時、ラインバッファ部27にはライトイネーブル信号が供給され、該画像データはラインバッファ部27に順次記憶されることになる。
【0034】
次に、不要画素数NT(但し、NT=N1+N2+……+Ni-1)に相当する時間が経過すると、上記画像データは入力された順序でラインバッファ部27から出力される。その際、ラインバッファ部27側を選択するように、伸長制御部26からデータ出力部28に対してラスタ選択信号が供給され、ラインバッファ部27から出力された画像データはそのままデータ出力部28を介して出力される。
【0035】
一方、伸長部24においては、第1JPEGコードに対応する伸長画像データの第1ラインの画像データの出力が完了すると、第2JPEGコードに対応する伸長画像データの第1ラインの画像データが出力される。その際、伸長制御部26の制御により、ラインバッファ部27のタップ位置が変更され、N2+N3+……+Ni-1(NTよりもN1だけ少ない画素数)に相当する時間だけ遅延するように該画像データが入力される。
【0036】
換言すれば、第1JPEGコードに対応する伸長画像データの第1ラインの末尾にあった画素数N1の不要画素は、上書きされることになる。これにより、ラインバッファ部27から第1JPEGコードに対応する伸長画像データの第1ラインの有効画素が全て出力されると、これに引き続いて第2JPEGコードに対応する伸長画像データの第1ラインの有効画素が出力されることになる。
【0037】
以後同様に、第pJPEGコード(1<p≦i−1)に対応する伸長画像データの第1ラインの出力が伸長部24において開始される毎に、ラインバッファ部27における遅延時間はNp-1づつ短くされ、第p−1JPEGコードに対応する伸長画像データの第1ラインの画像データの不要画素が順次上書きされてゆくことになる。
【0038】
やがて伸長部24から第iJPEGコードに対応する伸長画像データの第1ラインの出力が開始される。そのタイミングは、第(i−1)JPEGコードに対応する伸長画像データの第1ラインの画像データのうち不要画素を除く部分の出力が完了するタイミングでもある。そこで、伸長制御部26からデータ出力部28に対して、伸長部24を選択させるラスタ選択信号が供給される。
【0039】
そして、第iJPEGコードに対応する伸長画像データにおいて不要画素が出力されるタイミングになると、伸長制御部26の制御の下、データ出力部28のデータ出力が禁止状態にされる。これにより、データ出力部28から出力される画像データは、第1,第2,……,第iJPEGコードに対応する伸長画像データの各第1ラインの画像データのうち有効画素のみをつなげたものに等しくなる。以下、同様の処理が各伸長画像データの第2ライン以降についても行われる。
【0040】
本実施形態によって得られる出力画像データの例を図10に示す。ここでは、第1実施形態と同様に合成する画像数iを「2」とした場合の例を示す。
【0041】
3.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態の構成を図11を参照し説明する。なお、図において図9の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
まず、上記第2実施形態においては、第1,第2,……,第(i−1)JPEGコードに対応する伸長画像データはラインバッファ部27を介して出力され、第iJPEGコードに対応する画像データはラインバッファ部27をバイパスして出力された。しかし、本実施形態においては、全伸長画像データがラインバッファ部37を介して出力される点が異なる。
【0042】
ラインバッファ部37の記憶容量は、上記ラインバッファ部27よりも1画素分多い「不要画素数NT+1」になる。これは、第iJPEGコードに対応する伸長画像データもラインバッファ部37を介して出力されるため、該伸長画像データに対して1画素相当の最小の遅延長を付与したものである。
【0043】
本実施形態の動作は第2実施形態と同様であるが、第1JPEGコードに対応するラインバッファ部37の遅延量は「不要画素数NT+1」画素である。以後の伸長画像データの遅延量も第2実施形態の場合と比較して「1画素」相当だけ長くなる。そして、第iJPEGコードが伸長部24から出力されると、ラインバッファ部37の遅延量は「1画素」に設定される。
【0044】
やがて第iJPEGコードに対応する伸長画像データにおいて不要画素が出力されるタイミングになると、伸長制御部36の制御の下、ラインバッファ部37のデータ出力が禁止状態にされる。これにより、ラインバッファ部37から出力される画像データは、第1,第2,……,第iJPEGコードに対応する伸長画像データの各第1ラインの画像データのうち有効画素のみをつなげたものに等しくなる。また、同様の処理が各伸長画像データの第2ライン以降についても行われる。
【0045】
本実施形態によって得られる出力画像データの例を図12に示す。ここでは、第1,第2実施形態と同様に合成する画像数iを「2」とした場合の例を示す。
以上のように第3実施形態においては、第2実施形態におけるデータ出力部28を設ける必要がなくなるから、より簡単な構成および制御で不要画素を除去することができる。
【0046】
4.変形例
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
(1)第1実施形態における第2の不要画素除去方法
上記第1実施形態においては、不要画素を含む伸長画像データをブロックバッファ部5に書き込んだ後、不要画素を読み飛ばすことによって不要画素を除去した。しかし、ブロックバッファ部5に最初から不要画素を「書き込まない」ことによってこれらを除去することも可能である。
【0047】
かかる動作の詳細を図7を参照し説明する。
まず、第1実施形態と同様に、最初に伸長制御部6に有効画素数M、不要画素数N、および副走査方向のブロックライン数Lが記憶され。次に、予め得られた第1,第2JPEGコードがコードFIFOバッファ1,2に各々供給され始めると、コード入力部3より、第1,第2JPEGコードが切り替えられつつ出力される。
【0048】
次に、伸長部4においては、供給されたJPEGコードが伸長され、1ブロック単位で伸長画像データが出力される。伸長制御部6においては、主走査方向および副走査方向の画素数がカウントされ、図4(b)に示した順序に従って伸長画像データが書き込まれるようにライトポインタの値が設定される。但し、伸長制御部6は、ライトポインタが最終ブロックの不要画素に対応する値になると、ライトイネーブル信号をディセネーブル状態に設定する。
【0049】
ブロックバッファ部5においては、ライトイネーブル信号がイネーブル状態の時にライトポインタによって指定されたアドレスに伸長画像データを書き込むから、有効画素のみがブロックバッファ部5に書き込まれることになる。
【0050】
第1JPEGコードに対応する伸長画像データの書き込みが終了すると、その不要画素数に相当する値だけライトポインタが戻される。この戻された位置を図7(a)において「M」で示す。そして、ライトイネーブル信号が再度イネーブル状態に設定され、第1JPEGコードの場合と同様の処理が第2JPEGコードに対しても行われる。以上の処理により、ブロックバッファ部5内には、伸長画像データの有効画素のみが格納されることになる。
【0051】
次に、ブロックバッファ部5から伸長画像データを読み出す処理を同図(b)に示す。伸長制御部6は、ブロックバッファ部5に蓄積された伸長画像データを各ライン毎に単に主走査方向に沿って有効画素数Mの2倍づつ順次読み出すようにリードポインタを設定する。順次読み出された伸長画像データは有効画素のみによって構成されているから、これによって不要画素を除去することができる。
【0052】
(2)第1実施形態における第3の不要画素除去方法
上記「第2の不要画素除去方法」においては、ブロックバッファ部5に不要画素を「書き込まない」ことによって不要画素を除去した。しかし、ブロックバッファ部5に不要画素を一旦書き込んだとしても、有効画素で上書きしてしまえば、最初から書き込まなかった場合と同様である。
【0053】
かかる動作の詳細を図8を参照し説明する。
まず、第1実施形態と同様に、最初に伸長制御部6に有効画素数M、不要画素数N、および副走査方向のブロックライン数Lが記憶され。次に、予め得られた第1,第2JPEGコードがコードFIFOバッファ1,2に各々供給され始めると、コード入力部3より、第1,第2JPEGコードが切り替えられつつ出力される。
【0054】
次に、伸長部4においては、供給されたJPEGコードが伸長され、1ブロック単位で伸長画像データが出力される。伸長制御部6においては、主走査方向および副走査方向の画素数がカウントされ、図4(b)に示した順序に従って伸長画像データが書き込まれるようにライトポインタの値が設定される。その際、ライトイネーブル信号は常にイネーブル状態に設定されるため、有効画素および不要画素の双方がブロックバッファ部5に書き込まれることになる。
【0055】
第1JPEGコードに対応する伸長画像データの書き込みが終了すると、その不要画素数に相当する値だけライトポインタが戻される。この戻された位置を図8(a-1)において「M」で示す。そして、ライトイネーブル信号が再度イネーブル状態に設定され、第1JPEGコードの場合と同様の処理が第2JPEGコードに対しても行われる。以上の処理により、ブロックバッファ部5内には、第1,第2JPEGコードに対応する伸長画像データの有効画素と、第2JPEGコードに対応する伸長画像データの不要画素とが格納されることになる。
【0056】
次に、ブロックバッファ部5から伸長画像データを読み出す処理を同図(b)に示す。伸長制御部6は、ブロックバッファ部5に蓄積された伸長画像データを各ライン毎に単に主走査方向に沿って有効画素数Mの2倍づつ順次読み出すようにリードポインタを設定する。これにより、第2JPEGコードに対応する伸長画像データの不要画素は読み出されず、順次読み出された伸長画像データは有効画素のみによって構成されているから、これによって不要画素を除去することができる。
【0057】
(3)第1実施形態における第4の不要画素除去方法
上記第1実施形態においては、有効画素および不要画素の双方をブロックバッファ部5に書き込んだ後、不要画素を避けつつ伸長画像データを読み出すようにリードポインタを設定し不要画素を除去した。しかし、不要画素を格納するアドレスがリードポインタによって指示されたとしても、リードイネーブル信号がディセネーブルであれば、結果的に不要画素は読み出されないことになる。
【0058】
従って、上記第1実施形態においては、連続的にインクリメントされるようにリードポインタを設定し、不要画素に対応するアドレスが指示されるタイミングにおいてリードイネーブル信号をディセネーブル状態に設定し、他のタイミングにおいてはリードイネーブル信号をイネーブル状態に設定するようにしてもよい。
【0059】
(4)他の不要画素除去方法
上記「第3の不要画素除去方法」においては、ブロックバッファ部5内に格納された第2JPEGコードの伸長画像データの不要画素を読み飛ばすようにしたが、これに限らず、「第2の不要画素除去方法」と同様の方法で該不要画素をブロックバッファ部5に書き込まないようにしてもよいし、「第4の不要画素除去方法」と同様の方法で該不要画素を読み飛ばすようにしてもよい。さらに、第2JPEGコードの伸長画像データの不要画素として例えば予め白データ(全て“0”データ)が書き込まれている場合は、この不要画素を除去せずにそのまま出力してもよい。
【0060】
(5)上記第1実施形態においては2in1モードにおける画像処理装置の動作を説明したが、第2,3実施形態と同様に3ページ以上の合成にも適用できることは言うまでもない。さらに、第2,3実施形態に示したように、有効画素数Mおよび不要画素数Nは、各JPEGコード毎に異なってもよい。
【0061】
(6)上記各実施形態においては、ブロック単位で圧縮されたJPEGコードを伸長する例を説明したが、本発明はこれに限らず種々の単位で圧縮された画像を伸長する装置に適用できる。
【0062】
(7)上記各実施形態の画像処理装置は、複写機あるいはプリンタ等に適用されるものに限られず、例えばディスプレイ等、各種の画像出力装置に適用してもよい。
【0063】
(8)上記各実施形態においては、各JPEGコードに含まれるEOIマーカコードに基づいて各JPEGコードの切り替えを行ったが、伸長制御部6,26,36において各ブロックライン毎のコード数を予め記憶しておき、入力されるコード数がその数に達する毎にJPEGコードを切り替えてもよい。
【0064】
(9)第2,3実施形態においては、ラインバッファ部27,37をシフトレジスタによって構成したが、これに代えて、伸長画像データを遅延できる種々の回路(例えばFIFOバッファ)を用いてもよい。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、複数の圧縮画像データを主走査方向に沿って伸長しつつ出力できるから、僅かな記憶容量で高速な画像出力を行うことができる。さらに、不要画素を除去できる構成においては、各画像を記録用紙等の上に隙間なく配列することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の各実施形態における原稿画像と合成画像との関係を示す図である。
【図3】 JPEG方式の動作説明図である。
【図4】 第1実施形態におけるブロックバッファ部5の動作説明図である。
【図5】 第1実施形態における伸長部4の動作説明図である。
【図6】 第1実施形態の動作説明図である。
【図7】 第1実施形態の変形例(第2の不要画素除去方法)の動作説明図である。
【図8】 第1実施形態の他の変形例(第3の不要画素除去方法)の動作説明図である。
【図9】 本発明の第2実施形態の構成を示すブロック図である。
【図10】 第2実施形態の動作説明図である。
【図11】 本発明の第3実施形態の構成を示すブロック図である。
【図12】 第3実施形態の動作説明図である。
【図13】 従来技術の動作説明図である。
【図14】 本発明の目的の説明図である。
【符号の説明】
1,2 コードFIFOバッファ
3 コード入力部
4 伸長部
5 ブロックバッファ部
6 伸長制御部
6,26,36 伸長制御部
8 ブロックバッファ
11,12,……1i コードFIFOバッファ
23 コード入力部
24 伸長部
27,37 ラインバッファ部
28 データ出力部
37 ラインバッファ部
501,502 ブロックバッファ

Claims (9)

  1. 第1〜第Nの画像データを主走査方向に配列して合成する画像処理装置であって、
    前記各画像データを圧縮してなる複数の圧縮画像データを前記主走査方向に向けて順次伸長する伸長手段と、
    前記伸長手段によって得られた前記各画像データの一部を記憶するバッファと、
    前記伸長手段によって得られた前記各画像データの各ラインの終端の不要画素を除去して出力するように、前記バッファに対する書き込みまたは読み出し制御を行う制御手段と、
    前記伸長手段によって得られた前記第1〜第N−1の画像データを前記バッファを介して出力し、前記第Nの画像を前記バッファを介さずに出力する出力手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 第1〜第Nの画像データを主走査方向に配列して合成する画像処理装置であって、
    前記各画像データを圧縮して成る複数の圧縮画像データを前記主走査方向に向けてブロック単位で順次伸長する伸長手段と、
    前記伸長手段によって得られた前記各画像データの全部または一部を記憶するバッファと、
    前記伸長手段によって得られた前記各画像データの終端のブロック内の不要画素を除去して出力するように、前記バッファに対する書き込みおよび読み出し制御を行う制御手段と、
    前記伸長手段によって得られた前記第1〜第N−1の画像データを前記バッファを介して出力し、前記第Nの画像を前記バッファを介さずに出力する出力手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  3. 前記バッファは、前記第1〜第N−1の画像データの各々における不要画素数の和に相当する記憶容量を有している
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記バッファは、前記伸長手段から出力されたブロック単位の画像データを入力し、これをライン単位の画像データとして出力するバッファであることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  5. 前記制御手段は、前記バッファに記憶された前記不要画素を出力しないように制御することを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の画像処理装置。
  6. 前記制御手段は、前記バッファに前記不要画素が記憶されないように制御することを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の画像処理装置。
  7. 第1および第2の圧縮画像データを伸長して同一面上で出力する画像処理方法において、
    前記第1の圧縮画像データの一部を伸長する第1過程と、
    前記第2の圧縮画像データの一部であって、前記第1過程で伸長された前記第1の圧縮画像データの一部に対して主走査方向に沿って隣接すべき部分を伸長する第2過程と、
    前記第1および第2過程で得られた伸長された画像データをバッファを介して出力する第3過程と、
    前記第1の圧縮画像データの一部であって、既に伸長された部分に続く部分を伸長する第4過程と、
    前記第2の圧縮画像データの一部であって、既に伸長された部分に続くとともに前記第4過程で伸長された前記第1の圧縮画像データの一部に対して主走査方向に沿って隣接すべき部分を伸長する第5過程と、
    前記第4および第5過程で得られた伸長された画像データを出力する第6過程であって、該伸長された画像データに後続する画像データがある場合には、該伸長された画像データをバッファを介して出力する一方、後続する画像データがない場合には該伸長された画像データをバッファを介さずに出力する第6過程と、
    前記第4〜第6過程を複数回繰返す第7過程と
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  8. 請求項7記載の方法を実行することを特徴とする画像処理装置。
  9. 請求項1〜6または8の何れかに記載の画像処理装置を含むことを特徴とする画像出力装置。
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