JP3699745B2 - 珪酸カルシウム板の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、珪酸カルシウム板の製造方法に関し、更に詳細には軽量(例えば嵩比重1.0以下)珪酸カルシウム板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術・課題】
従来、珪酸カルシウム板は、軽量で、優れた加工性及び寸法安定性をもち、更に不燃性であるという特徴を有し、建築材料として主として内装用に広く使用されている。このような珪酸カルシウム板の成形法として、抄造法、プレスモールド法及び単層成形法等が利用され、石灰質原料、珪酸質原料、無機質充填材を含有してなる原料スラリーから成形された成形体を、通常は圧力容器内で飽和水蒸気により反応硬化することにより珪酸カルシウム板が製造されている。
【0003】
しかし、特に抄造法において、軽量珪酸カルシウム板を製造する場合には、水熱反応前の成形体の層間強度が弱く、また、含有水分量が多いため、水熱反応中に余剰水の熱膨張が生じたり、蒸気圧が高くなり、層間剥離やパンクといった問題を生ずることがある。
【0004】
これらの問題を防止するため、成形後にプレスを行い、その後に水熱反応を行ったり、水熱反応中にターンバックルを用いて締め付けるという方法が行われているが、これらの方法を講ずると嵩比重が高くなったり、製造に人手がかかるといった欠点があった。
【0005】
また、特開平6−287083号公報に示されている余剰水の除去方法もあるが、特殊な容器あるいは蒸気の過熱器を必要とするため一般的な方法とは言えない。
【0006】
更に、本発明者らは、既に特願平6−323225号及び特願平7−5013号に、珪酸質原料の一部として石灰質原料との反応性が良い非晶質珪酸原料や珪酸塩原料を用いたり、ポルトランドセメントや高炉水砕スラグといった硬化剤を添加する方法を提案しているが、高価な原料を使用したり、嵩比重が高くなるといった欠点がある。
【0007】
従って、本発明の目的は、非晶質珪酸原料や珪酸塩原料あるいはポルトランドセメント、高炉水砕スラグといった硬化剤の添加量を少なくしても、水熱反応の前の成形体(グリーンシート)の層間強度を向上し、水熱反応中に層間剥離やパンクを生ずることがない軽量珪酸カルシウム板の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、固形分として石灰質原料17〜50重量%、珪酸質原料15〜45重量%、繊維質原料2〜8重量%及び無機質充填材5〜40重量%を含有してなる原料スラリーを抄造法により積層して成形後、得られた成形体を圧力容器内で水熱反応させることからなる珪酸カルシウム板の製造方法において、丸網式抄造機の1番目及び最後の抄箱に入れるスラリーのうちのどちらか一方は、固形分として比表面積が1m2/g以上の非晶質珪酸原料または珪酸塩原料の1種または2種以上92〜98重量%及び繊維質原料2〜8重量%を含有してなるスラリーであり、該スラリーによる抄造厚を丸網式抄造機のフェルトが一周する間に抄造される全抄造厚の1〜10%とし、且つ成形体を水熱反応させる前に、成形体を30〜80℃の養生温度で、(養生温度−15)×養生時間=120℃・時間以上となる条件下で1次養生することを特徴とする軽量珪酸カルシウム板の製造方法に係る。
【0009】
また、本発明は、固形分として石灰質原料17〜50重量%、珪酸質原料15〜45重量%、繊維質原料2〜8重量%及び無機質充填材5〜40重量%を含有してなる原料スラリーを抄造法により積層して成形後、得られた成形体を圧力容器内で水熱反応させることからなる珪酸カルシウム板の製造方法において、丸網式抄造機の1番目及び最後の抄箱に入れるスラリーのうちのどちらか一方は、固形分として比表面積が1m2/g以上の非晶質珪酸原料または珪酸塩原料の1種または2種以上20重量%超え98重量%未満、繊維質原料2〜8重量%、及び石灰質原料及び充填材からなる群から選択される1種または2種以上の成分を78重量%以下含有してなるスラリーであり、該スラリーによる抄造厚を丸網式抄造機のフゥルトが一周する間に抄造される全抄造厚の1〜10%とし、且つ成形体を水熱反応させる前に、成形体を30〜80℃の養生温度で、(養生温度−15)×養生時間=120℃・時間以上となる条件下で1次養生することを特徴とする軽量珪酸カルシウム板の製造方法に係る。
【0010】
更に、本発明は、固形分として石灰質原料17〜50重量%、珪酸質原料15〜45重量%、繊維質原料2〜8重量%及び無機質充填材5〜40重量%を含有してなる原料スラリーを抄造法により積層して成形後、得られた成形体を圧力容器内で水熱反応させることからなる珪酸カルシウム板の製造方法において、丸網式抄造機の1番目及び最後の抄箱に入れるスラリーのうちのどちらか一方は、固形分としてポルトランドセメント、アルミナセメント及び高炉水砕スラグからなる群から選択された硬化剤92〜98重量%及び繊維質原料2〜8重量%を含有してなるスラリーであり、該スラリーによる抄造厚を丸網式抄造機のフェルトが一周する間に抄造される全抄造厚の1〜10%とし、且つ成形体を水熱反応させる前に、成形体を30〜80℃の養生温度で、(養生温度−10)×養生時間=120℃・時間以上となる条件で1次養生することを特徴とする軽量珪酸カルシウム板の製造方法に係る。
【0011】
また、本発明は、固形分として石灰質原料17〜50重量%、珪酸質原料15〜45重量%、繊維質原料2〜8重量%及び無機質充填材5〜40重量%を含有してなる原料スラリーを抄造法により積層して成形後、得られた成形体を圧力容器内で水熱反応させることからなる珪酸カルシウム板の製造方法において、丸網式抄造機の1番目及び最後の抄箱に入れるスラリーのうちのどちらか一方は、固形分としてポルトランドセメント、アルミナセメント及び高炉水砕スラグからなる群から選択された硬化剤20重量%超え98重量%未満、繊維質原料2〜8重量%、及び石灰質原料及び充填材からなる群から選択される1種または2種以上の成分を78重量%以下を含有してなるスラリーであり、該スラリーによる抄造厚を丸網式抄造機のフェルトが一周する間に抄造される全抄造厚の1〜10%とし、且つ成形体を水熱反応させる前に、成形体を30〜80℃の養生温度で、(養生温度−10)×養生時間=120℃・時間以上となる条件下で1次養生することを特徴とする軽量珪酸カルシウム板の製造方法に係る。
【0013】
【作用】
本発明の軽量珪酸カルシウム板(以下、単に「珪酸カルシウム板」と記載する)の製造方法に使用される原料スラリーの基本組成は、固形分として石灰質原料17〜50重量%、珪酸質原料15〜45重量%、繊維質原料2〜8重量%及び無機質充填材5〜40重量%を含有してなる慣用のものである。
【0014】
ここで、石灰質原料としては、例えば消石灰、生石灰等を使用することができる。なお、石灰質原料の配合量が17重量%未満であったり、50重量%を超えると曲げ強度が低く、吸水による寸法変化率が大きくなるために好ましくない。
【0015】
また、珪酸質原料としては、例えば珪砂、フライアッシュ等を使用することができる。なお、珪酸質原料の配合量が15重量%未満であったり、45重量%を超えると曲げ強度が低く、吸水による寸法変化率が大きくなるために好ましくない。
【0016】
また、石灰質原料と珪酸質原料については、上記割合のうち、石灰質原料2〜20重量%、珪酸質原料3〜25重量%を予めゲル化して使用することができる。ゲル化条件の例としては、75〜90℃の温度で1.5〜4時間が挙げられる。
【0017】
更に、繊維質原料としては、例えばセルロース繊維、ポリプロピレン、ビニロン、ガラスファイバー、カーボンファイバー等を使用することができる。なお、繊維質原料の配合量が2重量%未満であると、曲げ強度が低くなるために好ましくなく、8重量%を超えると不燃性でなくなるために好ましくない。また、ポリプロピレン、ビニロン、ガラスファイバー、カーボンファイバー等を使用する場合、それらの配合量は5重量%以下とすることが好ましい。
【0018】
また、無機質充填材としては、例えばパーライト、ウォラストナイト、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、石膏等を使用することができる。なお、無機質充填材の配合量が5重量%未満であると、吸水による寸法変化率が大きくなるために好ましくなく、また、40重量%を超えると曲げ強度が低下するために好ましくない。
【0019】
本発明の第1の特徴は、上述のような成分配合を有する原料スラリーを抄造法により積層して成形するにあたり、丸網式抄造機の1番目及び最後の抄箱に入れるスラリーのうちのどちらか一方は、上記基本組成のスラリーではなく、固形分として比表面積が1m2/gの非晶質珪酸原料または珪酸塩原料の1種または2種以上92〜98重量%及び繊維質原料2〜8重量%を含有してなるスラリー(1)または固形分として比表面積が1m2/gの非晶質珪酸原料または珪酸塩原料の1種または2種以上20重量%超え98重量%未満、繊維質原料2〜8重量%、及び石灰質原料及び充填材からなる群から選択された1種または2種以上を78重量%以下含有してなるスラリー(2)とすることである。ここで、本明細書に記載する「比表面積」はN2ガス吸着法により測定したものを言う。なお、非晶質珪酸原料または珪酸塩原料の比表面積が1m2/g未満であると、反応性が悪く、水熱反応前に十分な層間強度を付与することができないために好ましくない。
【0020】
なお、スラリー(1)及び(2)において、比表面積が1m2/g以上の非晶質珪酸原料としては、例えば珪藻土、シリコンダスト、フライアッシュ、ホワイトカーボン等を挙げることができる。また、比表面積が1m2/g以上の珪酸塩原料としては、ゼオライト、パイロフィライト、アロフェン、モンモリロナイト鉱物、緑泥石鉱物、アタパルジャイト等が挙げられる。
【0021】
スラリー(1)において、比表面積が1m2/g以上の非晶質珪酸原料または珪酸塩原料の配合割合は、92〜98重量%の範囲内である。ここで、上記非晶質珪酸原料または珪酸塩原料の配合割合が98重量%を超えると後述のように繊維質原料を配合できなくなり、抄造時の粉体のロスが多くなるために好ましくない。
【0022】
なお、スラリー(1)及び(2)において、繊維質原料としてはセルロース繊維等を用いることができ、その配合量は2〜8重量%の範囲内である。ここで、繊維質原料の配合量が2重量%未満であると抄造時に粉体のロスが多くなるために好ましくなく、また、8重量%を超えると繊維質原料の層ができ、剥離し易くなるために好ましくない。
【0023】
また、スラリー(2)においては、石灰質原料及び充填材からなる群から選択された1種または2種以上を78重量%以下の量で配合することができる。即ち、スラリー(2)においては、比表面積が1m2/g以上の非晶質珪酸原料または珪酸塩原料の配合割合は、20重量%を超え98重量%未満となる。ここで石灰質原料及び充填材からなる群から選択された1種または2種以上を配合することにより、層間強度を維持しつつ、珪酸カルシウム板の原料コストを低下させることができる。なお、石灰質原料及び充填材から選択された成分の配合割合が78重量%を超えると層間強度の発現性が悪いために好ましくない。ここで、石灰質原料としては、例えば消石灰、生石灰等を使用することができ、更に、充填材としては、例えばパーライト、ウォラストナイト、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、石膏、珪砂等を使用することができる。
【0024】
本発明方法は、上記スラリー(1)または(2)は、丸網式抄造機の1番目と最後の抄箱にどちらか一方のスラリーとして使用し、他方の抄箱に基本スラリーを使用するものである。
【0025】
また、本発明の他の方法においては、丸網式抄造機の1番目または最後の抄箱のどちらか一方に硬化剤を含有するスラリーを使用することができる。硬化剤は1次養生により層間強度を向上させるものであり、例えばポルトランドセメント、アルミナセメント、高炉水砕スラグ等を使用することができる。硬化剤を使用する場合には、硬化剤92〜98重量%、繊維質原料2〜8重量%を固形分とするスラリー(3)とする。硬化剤の配合量が92重量%未満では繊維質原料の配合割合が多くなり過ぎるために好ましくなく、また、98重量%を超えると繊維質原料の配合量が少なくなり過ぎて抄造時に粉体ロスが多くなるために好ましくない。
【0026】
更に、スラリー(3)において、石灰質原料及び充填材からなる群から選択された1種または2種以上を78重量%以下の量で配合することができる。即ち、スラリー(2)においては、比表面積が1m2/g以上の非晶質珪酸原料または珪酸塩原料の配合割合は、20重量%を超え98重量%未満となる。ここで石灰質原料及び充填材からなる群から選択された1種または2種以上を配合することにより、層間強度を維持しつつ、珪酸カルシウム板の原料コストを低下させることができる。なお、石灰質原料及び充填材から選択された成分の配合割合が78重量%を超えると層間強度の発現性が悪いために好ましくない。ここで、石灰質原料としては、例えば消石灰、生石灰等を使用することができ、更に、充填材としては、例えばパーライト、ウォラストナイト、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、石膏、珪砂等を使用することができる。
【0027】
なお、上記スラリー(1)〜(4)を使用して丸網式抄造機で抄造する場合、抄造機のフェルトが一周する間に抄造される全抄造厚の1〜10%、好ましくは1〜5%程度の厚さを上記スラリー(1)〜(4)により抄造された層から構成することが好ましい。ここで、抄造厚が1%未満では層間強度の発現性が悪いために剥離が起こり易く、10%を超えるとスラリー(1)または(2)を使用する場合には抄造性が低下し、生産効率が低下するために好ましくなく、また、スラリー(3)または(4)を使用する場合には、得られる珪酸カルシウム板の嵩比重が高くなるために好ましくない。
【0028】
本発明の第2の特徴は、丸網式抄造機により上述のようにして得られた成形体をそのまま水熱反応させるのではなく、1次養生することにある。ここで、丸網式抄造機の1番目または最後の抄箱のどちらか一方に入れるスラリーがスラリー(1)または(2)の場合には、1次養生は(養生温度−15)×養生時間=120℃・時間以上となる条件下で行う。1次養生の条件が120℃・時間未満であると、養生不足で成形体に充分な層間温度を付与することができないために好ましくない。なお、1次養生は、30〜80℃の範囲内の温度、240℃・時間以上の条件下で1次養生を行うことが好ましい。
【0029】
また、丸網式抄造機の1番目または最後の抄箱のどちらか一方に入れるスラリーがスラリー(3)または(4)即ち硬化剤を含有するものである場合には、1次養生は(養生温度−10)×養生時間=120℃・時間以上となる条件下で行う。これは石灰質原料と珪酸質原料との反応に比べ、硬化剤の反応は低温でも進行し易いためである。なお、1次養生は、30〜80℃の範囲内の温度、240℃・時間以上の条件下で1次養生を行うことが好ましい。
【0030】
上述のような1次養生を行った後の成形体は、慣用の水熱反応条件下で水熱反応させ、その後の慣用の工程を経て珪酸カルシウム板とすることができる。なお、水熱反応は、圧力容器中、飽和水蒸気圧下で温度150〜200℃、好ましくは170〜190℃で5〜20時間、好ましくは8〜12時間の条件下で行うことができる。
【0031】
上述のような本発明方法により製造された軽量珪酸カルシウム板は、層間剥離強度が曲げ強度(絶乾状態)の3%以上と非常に優れた値を示すものとなる。なお、曲げ強度は、JIS A 5418に準じて3号試験片で試験した結果であり、層間剥離強度試験は30×30mmで行った結果である。
【0032】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明方法の珪酸カルシウム板の製造方法を更に説明する。
実施例、比較例
表1〜4に示す配合割合で原料を配合し、12倍の水で撹拌、混合した。なお、ゲルは消石灰10重量%、珪藻土10重量%を90℃・2時間の条件で合成した。更に、水を加えて固形分濃度約3重量%の原料スラリーとした。また、丸網式抄造機の1番目または4番目(最後)の抄箱も同様に配合、混合して濃度約2%のスラリーとし、合計厚6mmに抄造した。なお、丸網式抄造機のフェルト1週当たりの抄造厚に対するスラリー(1)〜(4)を使用した層の抄造厚を「厚さの割合(%)」として表1〜4に示した。
次に、表1に記載する温度、時間で1次養生した後、圧力容器中、飽和蒸気圧下で180℃、10時間の条件で水熱反応を行った。
表1に、水熱反応後の嵩比重、曲げ強度並びに層間剥離強度(共に絶乾状態)を示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
なお、上記表1〜4中、シリコンダストはN2ガス吸着法による比表面積が20m2/g、珪藻土は比表面積が2.0m2/g、ゼオライトは比表面積が6.5m2/gのものである。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明の珪酸カルシウム板の製造方法によれば、原料スラリーを抄造法により成形しても、成形体を1次養生することにより、成形体に層間強度を付与することができ、それによって水熱反応中の成形体の剥離、パンクを防止できると共に、得られる珪酸カルシウム板の層間剥離強度を向上させることができるという効果を奏するものである。
Claims (4)
- 固形分として石灰質原料17〜50重量%、珪酸質原料15〜45重量%、繊維質原料2〜8重量%及び無機質充填材5〜40重量%を含有してなる原料スラリーを抄造法により積層して成形後、得られた成形体を圧力容器内で水熱反応させることからなる珪酸カルシウム板の製造方法において、丸網式抄造機の1番目及び最後の抄箱に入れるスラリーのうちのどちらか一方は、固形分として比表面積が1m2/g以上の非晶質珪酸原料または珪酸塩原料の1種または2種以上92〜98重量%及び繊維質原料2〜8重量%を含有してなるスラリーであり、該スラリーによる抄造厚を丸網式抄造機のフェルトが一周する間に抄造される全抄造厚の1〜10%とし、且つ成形体を水熱反応させる前に、成形体を30〜80℃の養生温度で、(養生温度−15)×養生時間=120℃・時間以上となる条件下で1次養生することを特徴とする軽量珪酸カルシウム板の製造方法。
- 固形分として石灰質原料17〜50重量%、珪酸質原料15〜45重量%、繊維質原料2〜8重量%及び無機質充填材5〜40重量%を含有してなる原料スラリーを抄造法により積層して成形後、得られた成形体を圧力容器内で水熱反応させることからなる珪酸カルシウム板の製造方法において、丸網式抄造機の1番目及び最後の抄箱に入れるスラリーのうちのどちらか一方は、固形分として比表面積が1m2/g以上の非晶質珪酸原料または珪酸塩原料の1種または2種以上20重量%超え98重量%未満、繊維質原料2〜8重量%、及び石灰質原料及び充填材からなる群から選択される1種または2種以上の成分を78重量%以下含有してなるスラリーであり、該スラリーによる抄造厚を丸網式抄造機のフゥルトが一周する間に抄造される全抄造厚の1〜10%とし、且つ成形体を水熱反応させる前に、成形体を30〜80℃の養生温度で、(養生温度−15)×養生時間=120℃・時間以上となる条件下で1次養生することを特徴とする軽量珪酸カルシウム板の製造方法。
- 固形分として石灰質原料17〜50重量%、珪酸質原料15〜45重量%、繊維質原料2〜8重量%及び無機質充填材5〜40重量%を含有してなる原料スラリーを抄造法により積層して成形後、得られた成形体を圧力容器内で水熱反応させることからなる珪酸カルシウム板の製造方法において、丸網式抄造機の1番目及び最後の抄箱に入れるスラリーのうちのどちらか一方は、固形分としてポルトランドセメント、アルミナセメント及び高炉水砕スラグからなる群から選択された硬化剤92〜98重量%及び繊維質原料2〜8重量%を含有してなるスラリーであり、該スラリーによる抄造厚を丸網式抄造機のフェルトが一周する間に抄造される全抄造厚の1〜10%とし、且つ成形体を水熱反応させる前に、成形体を30〜80℃の養生温度で、(養生温度−10)×養生時間=120℃・時間以上となる条件で1次養生することを特徴とする軽量珪酸カルシウム板の製造方法。
- 固形分として石灰質原料17〜50重量%、珪酸質原料15〜45重量%、繊維質原料2〜8重量%及び無機質充填材5〜40重量%を含有してなる原料スラリーを抄造法により積層して成形後、得られた成形体を圧力容器内で水熱反応させることからなる珪酸カルシウム板の製造方法において、丸網式抄造機の1番目及び最後の抄箱に入れるスラリーのうちのどちらか一方は、固形分としてポルトランドセメント、アルミナセメント及び高炉水砕スラグからなる群から選択された硬化剤20重量%超え98重量%未満、繊維質原料2〜8重量%、及び石灰質原料及び充填材からなる群から選択される1種または2種以上の成分を78重量%以下を含有してなるスラリーであり、該スラリーによる抄造厚を丸網式抄造機のフェルトが一周する間に抄造される全抄造厚の1〜10%とし、且つ成形体を水熱反応させる前に、成形体を30〜80℃の養生温度で、(養生温度−10)×養生時間=120℃・時間以上となる条件下で1次養生することを特徴とする軽量珪酸カルシウム板の製造方法。
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