JP3699300B2 - ウインドレギュレータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ドア等の窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータに関し、特に、モータにより駆動されるワイヤでもって、窓ガラスを牽引し、昇降させるワイヤ式ウインドレギュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のサイドドアの窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータとして、図4に示すものがある。この図において、レール状のガイド1,2は、窓ガラスWの幅方向(車の前後方向)に離間し且つ窓ガラスWの昇降方向に向けて並列に配置され、図示しないドアパネル(インナパネル)に固定されている。
【0003】
このガイド1,2の上端近傍(上方の端部若しくはその近傍)には、それぞれアッパプーリ3,4が設けられている。又、ガイド1,2の下端近傍(下方の端部若しくはその近傍)には、それぞれロアプーリ5,6が設けられている。
【0004】
正逆回転が可能なモータ7やこれによって回転駆動されるドラム8等からなる駆動部10は、ガイド1とガイド2の間に配置され、図示しないドアパネルに固定されている。ワイヤ9は、ドラム8から、ガイド1側のロアプーリ5,アッパプーリ3へと掛け渡された後、ガイド2側のロアプーリ6,アッパプーリ4へと掛け渡され、ドラム8に戻るように、たすき掛け状に掛け回されている。又、ワイヤ9は、ドラム8に、複数ターン巻かれている。
【0005】
このたすき掛け状の掛け回しにより、ワイヤ9のアッパプーリ3・ロアプーリ5間の張架部分は、アッパプーリ4・ロアプーリ6間の張架部分と同方向に昇降することになる。
【0006】
窓ガラスWの下端前方位置を支持するスライダベース11は、ワイヤ9におけるアッパプーリ3・ロアプーリ5間の張架部分に係止され、窓ガラスWの下端後方位置を支持するスライダベース12は、ワイヤ9におけるアッパプーリ4・ロアプーリ6間の張架部分に係止されている。
【0007】
上記構成により、モータ7が正転すると、所定方向にドラム8が回転し、これに巻き掛けられたワイヤ9が移動して、スライダベース11,12が上昇し、窓ガラスWも上昇することになる。一方、モータ7が逆転すると、スライダベース11,12が下降し、窓ガラスWも下降することになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成のウインドレギュレータでは、組立時には、構成部品の取付位置のバラツキ(例えば、アッパプーリ3,4やロアプーリ5,6の取付位置のバラツキや、スライダベース11,12とワイヤ9との取付位置のバラツキ等)により、スライダベース11とスライダベース12とが同一高さにならず、このスライダベース11,12に前後を支持された窓ガラスWが窓枠(ドアサッシュ等)に対して傾き、正常な閉位置をとれないことが多い。
【0009】
そこで、組立後、窓ガラスWを水平位置に調整する作業が必要になる。この調整作業では、スライダベース11,12の上死点位置で、窓ガラスWをスライダベース11,12に対して相対的にずらせて、窓ガラスWを正常な閉位置(水平位置)に移動させ、この移動後、スライダベース11,12に窓ガラスWを固定している。
【0010】
このように、従来のウインドレギュレータでは、組立後、窓ガラスの傾き調整作業が必要になり、組立工数が増えるという問題がある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、第1の課題は、組立後に窓ガラスの傾き調整作業が不要なウインドレギュレータを提供することである。
【0011】
本発明の第2の課題は、組立後に窓ガラスの傾き調整作業が不要なウインドレギュレータを簡単な構成で提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決する本発明の内、請求項1記載の発明は、窓ガラスの幅方向に離間し且つ窓ガラスの昇降方向に向けて並列に配置された第1,第2ガイドと、該第1,第2ガイドの上端近傍にそれぞれ配置された第1,第2アッパプーリと、前記第1,第2ガイドの下端近傍にそれぞれ配置された第1,第2ロアプーリと、正逆回転が可能なモータと、第1,第2ドラムと、前記モータにより同期して回転駆動される第1,第2ギヤプレートと、前記第1ギヤプレートと前記第1ドラムとの間のトルク伝達機構であって、前記第1ドラムの回転が拘束されて前記第1ギヤプレートに所定値以上のトルクがかかると前記第1ギヤプレートを空転させるトルクリミッタ付きの第1トルク伝達機構と、前記第2ギヤプレートと前記第2ドラムとの間のトルク伝達機構であって、前記第2ドラムの回転が拘束されて前記第2ギヤプレートに所定値以上のトルクがかかると前記第2ギヤプレートを空転させるトルクリミッタ付きの第2トルク伝達機構と、前記第1アッパプーリと第1ロアプーリに掛け渡されると共に、前記第1ドラムに巻き掛けられた第1ワイヤと、前記第2アッパプーリと第2ロアプーリに掛け渡されると共に、この第2アッパプーリ・第2ロアプーリ間の張架部分が、前記第1ワイヤの前記第1アッパプーリ・第1ロアプーリ間の張架部分と同方向に昇降するように、前記第2ドラムに巻き掛けられた第2ワイヤと、窓ガラスを支持すると共に、前記第1ワイヤにおける第1アッパプーリ・第1ロアプーリ間の張架部分に係止され、前記第1ガイドに沿って移動することにより窓ガラスを昇降させる第1スライダベースと、窓ガラスを支持すると共に、前記第2ワイヤにおける第2アッパプーリ・第2ロアプーリ間の張架部分に係止され、前記第2ガイドに沿って移動することにより窓ガラスを昇降させる第2スライダベースと、を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
本発明では、モータが正転すると、この回転が第1,第2トルク伝達機構を介して第1,第2ドラムに伝わり、第1,第2ドラムが所定方向に回転し、これに巻き掛けられた第1,第2ワイヤが移動して、第1,第2スライダベースが上昇し、窓ガラスも上昇することになる。一方、モータが逆転すると、第1,第2スライダベースが下降し、窓ガラスも下降することになる。
【0014】
このウインドレギュレータでは、組立時に、第1スライダベースと第2スライダベースとが同一高さにならず、第1,第2スライダベースに前後を支持された窓ガラスが窓枠に対して傾いていたとしても、一度、窓ガラスを上死点(最高位置)まで上昇させることにより、自動的に窓ガラスを水平位置に調整できる。
【0015】
即ち、モータを正転させると、この回転が第1,第2トルク伝達機構を介して第1,第2ドラムに伝わり、第1,第2ドラムの双方が所定方向に同じだけ回転し、これに巻き掛けられた第1,第2ワイヤも同じだけ移動して、第1,第2スライダベースが同じだけ上昇し、窓ガラスもその傾きを維持した状態で上昇する。そして、窓ガラスの上側に傾いた部分が窓枠に当接すると、当接側のスライダベースは上昇できなくなり、当接側のドラムも回転できなくなる。
【0016】
当接側のドラムが回転を停止しても、第1,第2トルク伝達機構の存在によって、非当接側のドラムには回転が伝達され、非当接側のスライダベースは上昇を続ける。このため、窓ガラスは、その傾きを是正する方向に回転することになる。非当接側のスライダベースだけが上昇を続け、窓ガラスの傾きが無くなると、当初、窓ガラスの下側に傾いた部分も窓枠に当接することになり、当接側,非当接側の双方のドラムが回転できなくなる。これにより、窓ガラスの閉動作が終了することになる。
【0017】
この閉状態から、窓ガラスを下降させるため、モータを逆転させると、この回転が第1,第2トルク伝達機構を介して第1,第2ドラムに伝わり、第1,第2ドラムの双方が所定方向に同じだけ回転し、これに巻き掛けられた第1,第2ワイヤも同じだけ移動して、第1,第2スライダベースが同じだけ下降し、窓ガラスは傾き零の水平状態を維持したままで下降する。これ以後も、窓ガラスの水平状態は維持され、仮に、後発的に水平状態が崩れても、窓ガラスを上死点(最高位置)まで上昇させる度に、自動的に水平位置に調整されることになる。このように、本発明では、一度、窓ガラスを上死点まで上昇させることにより、自動的に窓ガラスを水平位置に調整でき、組立後に窓ガラスの傾き調整するために、特別な作業を行う必要はない。
【0018】
請求項2記載の発明では、窓ガラスの上昇時にのみ、第1,第2ギヤプレートを空転させるように、第1,第2のトルク伝達機構を構成したことを特徴とするものである。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、第1ギヤプレートと第1ドラムとを、同軸的に且つ軸方向に相対的に移動可能に設け、第2ギヤプレートと第2ドラムとを、同軸的に且つ軸方向に相対的に移動可能に設け、第1,第2トルク伝達機構を、第1,第2ギヤプレートと第1,第2ドラムの両対向面上に両者が噛合するように円環状に形成されたラチェットと、第1,第2ドラム上のラチェットと第1,第2ギヤプレート上のラチェットとを弾性的に押し付ける第1,第2付勢手段とから構成したことを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1〜図3を用いて本発明の形態例を説明する。ここで、図1は本形態例の全体構成を示す図、図2は図1中のトルク伝達機構及びその周辺部分の主要構成を示す斜視図、図3は図2中のトルク伝達機構の主要構成を示す斜視図である。
【0021】
まず、図1において、ガイド21,22は、窓ガラスWの幅方向に離間し且つ窓ガラスWの昇降方向に向けて並列に配置され、図示しないドアパネルに固定されている。このガイド21,22の上端近傍には、それぞれアッパプーリ23,24が設けられている。又、ガイド21,22の下端近傍には、それぞれロアプーリ25,26が設けられている。
【0022】
正逆回転が可能なモータ27の回転力は、図2に示すように、ギヤボックス28の出力軸28aと連結された平歯車でなるドライブギヤ29を介して、このドライブギヤ29に噛合(外接)した平歯車でなるギヤプレート31,32に伝達され、更に、後述のトルク伝達機構41,42を介して、ドラム51,52に伝達されるようになっている。
【0023】
ギヤプレート31,32とドラム51,52とは、ピン33,34に緩挿され、同軸的に且つ軸方向に相対的に移動可能に、ベースプレート35上に配置されている。
【0024】
そして、ギヤプレート31とドラム51の両対向面上には、図2及び図3に示した通り、両者が噛合するように、ラチェット43,44が円環状に形成されている。更に、これらラチェット43とラチェット44とを弾性的に押し付ける付勢手段として、波形に成形された座金45が、ピン33に緩挿された状態で、ギヤプレート31とベースプレート35との間に配置されている。
【0025】
この座金45は、その弾性変形により、ギヤプレート31の軸方向の移動を確保するもので、装着時には若干圧縮され、その変形で生じる弾性力で、ラチェット43をラチェット44に押圧している。
【0026】
ドラム51を拘束した状態で、ギヤプレート31を図3における時計方向に回転させると、ラチェット43がラチェット44の傾斜面に沿って移動することになり、ギヤプレート31は、ドラム51から離れる方向に移動しながら回転し、座金45を一層変形させることなる。
【0027】
そして、最後には、ラチェット43の傾斜面(軸方向に対して斜めに傾斜した面)がラチェット44の傾斜面を乗り越えて空転し、次の傾斜面との間で再び上記動作を繰り返すことになる。上記空転を生じ始めるトルクがギヤプレート31からドラム51に伝達できる最大トルクであり、この伝達トルクの最大値は、座金45のバネ定数を変えることによって、所望の値に設定できる。
【0028】
よって、上記ラチェット43,44と座金45は、ギヤプレート31とドラム51との間のトルク伝達機構であって、ドラム51の回転が拘束されてギヤプレート31に所定値以上のトルクがかかるとギヤプレート31を空転させるトルクリミッタ付きのトルク伝達機構41を構成していることになる。
【0029】
同様に、ギヤプレート32とドラム52の両対向面上には、両者が噛合するように、ラチェット46,47が円環状に形成されている。更に、これらラチェット46とラチェット47とを弾性的に押し付ける付勢手段として、波形に成形された座金48が、ピン34に緩挿された状態で、ギヤプレート32とベースプレート35との間に配置されている。
【0030】
上記ラチェット46,47と座金48は、ギヤプレート32とドラム52との間のトルク伝達機構であって、ドラム52の回転が拘束されてギヤプレート32に所定値以上のトルクがかかるとギヤプレート32を空転させるトルクリミッタ付きのトルク伝達機構42を構成している。
【0031】
ギヤプレート31,32、トルク伝達機構41,42及びドラム51,52は、ベースプレート35への組み付け後、カバー36で覆われている。尚、ドラム51,52の外周には、それぞれ、後述のワイヤ53,54を巻き掛けるために、溝51a,52aが螺旋状に切られている。
【0032】
ワイヤ53は、図1に示すように、アッパプーリ23とロアプーリ25に掛け渡されると共に、ドラム51に巻き掛けられ、両端部が、ドラム51に係止されている。一方、ワイヤ54は、アッパプーリ24とロアプーリ26に掛け渡されると共に、ドラム52に巻き掛けられ、両端部が、ドラム52に係止されている。
【0033】
窓ガラスWの下端前方位置を支持するスライダベース55は、ワイヤ53におけるアッパプーリ23・ロアプーリ25間の張架部分に係止され、窓ガラスWの下端後方位置を支持するスライダベース56は、ワイヤ54におけるアッパプーリ24・ロアプーリ26間の張架部分に係止されている。
【0034】
当然ながら、スライダベース55とスライダベース56とが同方向に昇降するように、ワイヤ53,54のドラム51,52への巻き方向は選ばれている。更に、本形態例では、窓ガラスWの上昇時にのみ、ギヤプレート31,32が空転するように、トルク伝達機構41,42内のラチェット43,44及び46,47の傾斜面の傾き方向が設定されている。
【0035】
図示しないが、アッパプーリ23・ドラム51間及びロアプーリ25・ドラム51間のワイヤ53は、アウタチューブで囲まれており、ドラム51の回転に対してスライダベース55が遅滞なく移動を開始するように構成されている。
【0036】
同様に、アッパプーリ24・ドラム52間及びロアプーリ26・ドラム52間のワイヤ54も、アウタチューブで囲まれており、ドラム52の回転に対してスライダベース56が遅滞なく移動を開始するように構成されている。
【0037】
次に、本形態例の作動について説明する。まず、窓ガラスWが開けられている状態で、モータ27を正転させると、この回転がドライブギヤ29を介して、ギヤプレート31,32に伝達され、更に、トルク伝達機構41,42を介してドラム51,52に伝わり、ドラム51,52が所定方向に回転し、これに巻き掛けられたワイヤ53,54が移動して、スライダベース55,56が上昇し、窓ガラスWも上昇することになる。一方、モータ27が逆転させると、スライダベース55,56が下降し、窓ガラスWも下降することになる。
【0038】
この形態例では、組立時に、スライダベース55とスライダベース56とが同一高さにならず、スライダベース55,56に前後を支持された窓ガラスWが、窓枠に対して傾いていたとしても、一度、窓ガラスWを上死点まで上昇させることにより、自動的に窓ガラスWを水平位置に調整できる。
【0039】
即ち、窓ガラスWの開状態で、モータ27を正転させると、窓ガラスWの動きに対して規制が無ければ、ドラム51,52も所定方向に同じだけ回転し、ドラム51,52に巻き掛けられたワイヤ53,54も同じだけ移動する。
【0040】
よって、スライダベース55,56が同じだけ上昇し、窓ガラスWもその傾きを維持した状態で上昇する。そして、窓ガラスWの上側に傾いた部分が窓枠に当接すると、当接側のスライダベース(ここでは、スライダベース55と仮定する)は上昇できなくなり、当接側のドラム51も回転できなくなる。
【0041】
当接側のドラム51が回転を停止しても、ギヤプレート31にはドライブギヤ29を介してモータ27側からトルクがかかり、回転を続けさせられることになる。即ち、ドラム51が拘束された状態で、ギヤプレート31は図3における時計方向に回転させられ、ドラム51から離れる方向に移動しながら回転し、座金45を一層変形させることなる。そして、更に回転が進むと、ラチェット43の傾斜面がラチェット44の傾斜面を乗り越え、以後、この空転が続く。
【0042】
ギヤプレート31の空転の間でも、他方のトルク伝達機構42ではギヤプレート32の空転は発生せず、ギヤプレート32の回転は、確実に非当接側のドラム52に伝達され、非当接側のスライダベース56は上昇を続ける。この結果、窓ガラスWは、その傾きを是正する方向に回転することになる。
【0043】
非当接側のスライダベース56だけが上昇することで、窓ガラスWの傾きが無くなると、当初、窓ガラスWの下側に傾いた部分も窓枠に当接することになり、当接側,非当接側の双方のドラム51,52が回転できなくなる。この状態で、窓ガラスWの閉動作は終了する。
【0044】
この窓ガラスWの閉状態から、窓ガラスWを下降させるため、モータ27を逆転させると、ドラム51側では、ラチェット43,44の垂直面(軸方向に平行な面)同志が当接し、ドラム52側では、ラチェット46,47の垂直面同志が当接し、ギヤプレート31,32の回転は空転することなくドラム51,52に伝達される。このため、ドラム51,52も所定方向に同じだけ回転し、これに巻き掛けられたワイヤ53,54も同じだけ移動する。
【0045】
よって、スライダベース55,56が同じだけ下降し、窓ガラスWは、傾きが是正された状態即ち水平状態を維持したまま、下降する。これ以後も、窓ガラスWの水平状態は維持され、仮に、後発的に水平状態が崩れても、窓ガラスWを上死点まで上昇させる度に、自動的に水平位置に調整されることになる。
【0046】
このように、本形態例では、一度、窓ガラスWを上死点まで上昇させることにより、自動的に窓ガラスWを水平位置に調整でき、ウインドレギュレータの組立後、窓ガラスWの傾き調整するために、特別な作業を行う必要はない。
【0047】
又、本形態例では、ラチェットを用いたトルク伝達機構を採用したので、組立後に窓ガラスの傾き調整作業が不要なウインドレギュレータを簡単な構成で実現できる。
【0048】
尚、上記形態例では、ラチェット43,44とラチェット46,47を、ギヤプレート31,32やドラム51,52と一体に形成したが、別部材で形成し、連結してもよい。又、ラチェットをギヤプレート31,32かドラム51,52の何れか一方にのみ設け(例えば、ギヤプレート31,32にのみ設け)、他方には上記ラチェットに係脱する突起を設けるようにしてもよい。
【0049】
更に、上記形態例では、一方向にのみ空転可能なトルク伝達機構41,42を用い、窓ガラスの上昇時にのみ、ギヤプレート31,32を空転できるように、トルク伝達機構41,42を構成したが、本発明はこれに限りものではない。例えば、ギヤプレート31,32とドラム51,52の両対向面上に、ラチェットではなく、傾斜面だけでなる山形の歯を形成し、過大なトルクがかかるとギヤプレート31,32が双方向に空転するようにトルク伝達機構41,42を構成してもよい。
【0050】
或いは、ギヤプレート31,32とドラム51,52の対向面間にスリップリングを配置し、このスリップリングをギヤプレート31,32とドラム51,52で弾性的に挟み込み、一定以上のトルクがかかると、ギヤプレート31,32が滑って空転するように、トルク伝達機構41,42を構成してもよい。
【0051】
ただし、双方向に空転可能なトルク伝達機構41,42を用いる場合、下死点での窓ガラスWの停止姿勢が正確になるように、窓ガラスWの停止位置を正確に規制する構成を設けるか、下死点に到達する前にモータを停止させる構成を採用する必要がある。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明では、モータによる回転力を、それぞれトルクリミッタ付きのトルク伝達機構を介して二つのドラムに伝達し、各ドラムに巻き掛けられたワイヤでもって、各スライダベースを移動させるようにしたので、一度、窓ガラスを上死点まで上昇させることにより、自動的に窓ガラスを水平位置に調整できる。よって、本発明によれば、組立後に窓ガラスの傾き調整するために、特別な作業を行う必要はない。
【0053】
又、請求項2及び3記載の発明によれば、トルク伝達機構の構成が簡易になり、組立後に窓ガラスの傾き調整作業が不要なウインドレギュレータを簡単な構成で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の形態例の全体構成を示す図である。
【図2】図1中のトルク伝達機構及びその周辺部分の主要構成を示す斜視図である。
【図3】図2中のトルク伝達機構の主要構成を示す斜視図である。
【図4】従来のウインドレギュレータの全体構成を示す図である。
【符号の説明】
21,22 ガイド
23,24 アッパプーリ
25,26 ロアプーリ
27 モータ
29 ドライブギヤ
31,32 ギヤプレート
35 ベースプレート
36 カバー
41,42 トルク伝達機構
43,44,46,47 ラチェット
45,48 座金
51,52 ドラム
53,54 ワイヤ
55,56 スライダベース
W 窓ガラス

Claims (3)

  1. 窓ガラスの幅方向に離間し且つ窓ガラスの昇降方向に向けて並列に配置された第1,第2ガイドと、
    該第1,第2ガイドの上端近傍にそれぞれ配置された第1,第2アッパプーリと、
    前記第1,第2ガイドの下端近傍にそれぞれ配置された第1,第2ロアプーリと、
    正逆回転が可能なモータと、
    第1,第2ドラムと、
    前記モータにより同期して回転駆動される第1,第2ギヤプレートと、
    前記第1ギヤプレートと前記第1ドラムとの間のトルク伝達機構であって、前記第1ドラムの回転が拘束されて前記第1ギヤプレートに所定値以上のトルクがかかると前記第1ギヤプレートを空転させるトルクリミッタ付きの第1トルク伝達機構と、
    前記第2ギヤプレートと前記第2ドラムとの間のトルク伝達機構であって、前記第2ドラムの回転が拘束されて前記第2ギヤプレートに所定値以上のトルクがかかると前記第2ギヤプレートを空転させるトルクリミッタ付きの第2トルク伝達機構と、
    前記第1アッパプーリと第1ロアプーリに掛け渡されると共に、前記第1ドラムに巻き掛けられた第1ワイヤと、
    前記第2アッパプーリと第2ロアプーリに掛け渡されると共に、この第2アッパプーリ・第2ロアプーリ間の張架部分が、前記第1ワイヤの前記第1アッパプーリ・第1ロアプーリ間の張架部分と同方向に昇降するように、前記第2ドラムに巻き掛けられた第2ワイヤと、
    窓ガラスを支持すると共に、前記第1ワイヤにおける第1アッパプーリ・第1ロアプーリ間の張架部分に係止され、前記第1ガイドに沿って移動することにより窓ガラスを昇降させる第1スライダベースと、
    窓ガラスを支持すると共に、前記第2ワイヤにおける第2アッパプーリ・第2ロアプーリ間の張架部分に係止され、前記第2ガイドに沿って移動することにより窓ガラスを昇降させる第2スライダベースと、
    を備えたウインドレギュレータ。
  2. 前記第1,第2のトルク伝達機構は、窓ガラスの上昇時に、前記第1,2ドラムの回転が拘束されて前記第1,第2ギヤプレートに所定値以上のトルクがかかった場合にのみ、前記第1,第2ギヤプレートを空転させるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のウインドレギュレータ。
  3. 前記第1ギヤプレートと前記第1ドラムとは、同軸的に且つ軸方向に相対的に移動可能に設けられ、前記第2ギヤプレートと前記第2ドラムとは、同軸的に且つ軸方向に相対的に移動可能に設けられ、
    前記第1,第2トルク伝達機構は、前記第1,第2ギヤプレートと前記第1,第2ドラムの両対向面上に両者が噛合するように円環状に形成されたラチェットと、前記第1,第2ドラム上のラチェットと前記第1,第2ギヤプレート上のラチェットとを弾性的に押し付ける第1,第2付勢手段とからなることを特徴とする請求項2記載のウインドレギュレータ。
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