JP3698841B2 - 漉し網内蔵の蓋付きカップ及び漉し網 - Google Patents
漉し網内蔵の蓋付きカップ及び漉し網 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は茶等の熱湯を入れて飲む場合に用いられる漉し網内蔵の蓋付きカップ及び漉し網に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7、8に示されるように、上側に開口縁4を有する茶液飲用のカップ1と、漉し網7と、蓋13とから成り、上記漉し網7の胴部7'は、上下が夫々開口した円筒状でかつその胴部の外形は、上記カップ1の開口部からカップ内6に挿入した状態で上記のカップの内周面1aと胴部外周面7aとの間に微小な間隙Gが残る程度の大きな太径に形成してあると共に上記胴部7'における下側には、網体8が張設してあり、しかも上記胴部7'における上端の周囲には上記カップ1における開口部の周囲の上縁に乗載できるようにした鍔10を張出状に形成してあり、一方、上記蓋13は、上記漉し網7の胴部7'における上部の開口部を塞ぎかつ外周部14が上記の鍔10の上に乗載可能な大きさにしてある漉し網内蔵の蓋付きカップは知られている(例えば実開昭60−91129号・実開昭58−13186号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の漉し網内蔵の蓋付きカップでは、机上3に置かれたカップ1内に熱湯6を入れて茶を抽出する場合、一般的には図7のように蓋13を被せてしばらく待つのであるが、その間、湯面6aの上方空間1bの空気が熱膨張して湯面6aを押し下げ、図8にみられるように漉し網7の周囲の湯の湯面6bを押し上げ、その湯を上縁4と鍔10の下面10aとの間から外部(矢印6c方向)に押し出し、机上3上に置かれる書類を濡らす問題点があった。
【0004】
本件出願の漉し網内蔵の蓋付きカップ及び漉し網は上記従来技術の問題点(技術的課題)を解決する為に提供するものである。
本件出願の目的は、カップの内に茶の葉と熱湯を入れて蓋をし、熱湯中に茶を抽出させて、茶の湯を楽しみたい場合に利用することができる漉し網内蔵の蓋付きカップを提供するものであり、
他の目的は、上記の場合、カップに入れる湯が開口縁近くまで入り、しかも高温であった場合においても、カップの開口縁周辺から湯がもれることのない漉し網内蔵の蓋付きカップを提供しようとするものである。
他の目的及び利点は図面及びそれに関連した以下の説明により容易に明らかになるであろう。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願発明における漉し網内蔵の蓋付きカップは、上側に開口縁を有する茶液飲用のカップと、漉し網と、蓋とから成り、上記漉し網の胴部は、筒状でかつその胴部の外形は、上記カップの開口部からカップ内に挿入した状態で上記のカップの内周面と胴部外周面との間に間隙が残る程度の外径に形成してあると共に上記胴部における下側には、網体が張設してあり、しかも上記胴部における上端の周囲には上記カップにおける開口縁に乗載できるようにした鍔を張出状に形成してあり、一方、上記蓋は、上記漉し綱の胴部における上部の開口部を塞ぎかつ外周縁が上記の鍔の上に乗載可能な大きさにしてある漉し網内蔵の蓋付きカップにおいて、上記漉し網上部の鍔附近においては、カップに漉し網を装着し、蓋を被せ着けた状態で、漉し網の胴部の外周上部の空気と内部の上部の空気とを連通させる為の通気孔を備えさせると共に、上記漉し網上部の鍔における下面で、かつ、上記通気孔の下側位置に、カップの内部と、カップの外部と、上記通気孔とを連通させる為の蒸気抜け溝を凹設したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本願発明の実施の形態を示す図面について説明する。図1乃至図3は、図7、8に示す従来の漉し網内蔵の蓋付きカップと多くの部材、構成において共通するので、共通すると考え得る部分には同一符号を付した。
なお、図において、1は容器として例示する周知のカップを示し、陶磁器あるいは耐熱性の合成樹脂で形成される。これの本体は内部6にコーヒー液又は紅茶の液等の茶液を貯え得るようにしてある。2は机3の上に置く為の底部、5は柄、4aは上方の開口部、4は上縁を示す。
次に漉し網7において、7'は中空の胴部を示し、10aは上方の開口部を示す。10は胴部7'の上端に一体材で周設された上縁の鍔を示す。通常これらの材料としては耐煮沸性であつて、しかも食用具として使える周知のプラスチック材料を用いて成形される。8は胴部における下方の開口面に張設した網体で、プラスチック製の極めて微細なネット、即ちコーヒー豆をひいて形成した粉の通過を阻止する一方、コーヒー液のみを通過させるような細かい網体が用いられている。次に漉し網上部の鍔10附近、例えば鍔10においては、カップ1に漉し網7を装着し、蓋13を被せ着けた状態で、漉し網の胴部7'の外周の上部の空気20と内部の上部の空気21とを連通させる為の通気孔11を備えさせて、漉し網の胴部7'の外周上方から熱湯が上記カップ1の開口縁4上方を通って外方にあふれるのを防止するようにしてある。通気孔11の孔経は1〜1.5〜3mmが望ましい。
13は蓋で、その本体は開口部10aを塞ぐと共に外周部14が鍔10の上に乗載する大きさに形成してあり、また本体の周縁に対し垂下状に付設(一体形成)された環状の垂れ部15はカップの本体1aにおける上端開口縁4の外周側を取り囲むように形成してある。
次に茶を入れる操作を説明する。先ずカップ1に対し漉し網7を図1の如く装着する。次に好みの茶葉(コーヒー、紅茶、緑茶、ハーブティーなど)を漉し網7の内9に入れる。尚先に茶葉を入れた漉し網7をカップ1に装置してもよい。
次に上方の開口部10aから茶葉に向け熱湯を注ぐ。この場合、湯は茶葉をぬらすと共に網体8を通ってカップ内に入る。上記湯の量は用いる茶葉に応じた量にする。この状態を、用いる茶葉に応じた時間だけ持続させて、茶葉に含まれる茶成分を湯6に抽出させる。
この場合、カップ1の上方空間の空気21が熱膨張しても、通気孔11の存在で、カップ1の外周にある空気20とは同気圧になるので、図8に示すように湯が外部に漏れるようなことは予め防止される。
【0007】
次に図3及至図6に示す漉し網7は、図1、2に示す漉し網7と同性能のものであるが、一部通気孔11の下側にカップ1の内外部と通気孔11とを連通させる蒸気抜け溝11aが形成してある。こうすると開口縁4の上に水が溜っても通気孔11の作用が害されることはなくなる。また図3、図5は、上記通気孔11を、上記カップ内で漉し網7が偏在的に(図6のように)左右前後に移動した場合においても、胴部の外周の空気と内部の空気とを連通させ得るように漉し網7上部の鍔10の複数個所に配設(図示は2ヶ所であるが、2以上を等分割に配設してもよい)した例を示す。さらに通気孔11の位置は、外周部14又は上縁4に押し当てられない内側の位置がよい。また鍔10の附近の湯面上位置であればよく、図4の符号11dで示すあたりの位置でもよい。
【0008】
【発明の効果】
以上のように本願発明は、第1点として、茶葉から茶成分を湯に抽出したい場合、漉し網7の鍔10をカップ1の上縁4に乗せて漉し網7の胴部7'をカップ1内に吊下位置させると共に漉し網7内に茶葉を入れ、そこに湯を注ぐことにより、茶葉を湯6にひたらせて茶成分を抽出できる特長がある。
その場合、熱湯をカップ1に多く入れ、また、開口縁 4 の上に水が溜った条件下にあっても、漉し網7の上部は漉し網7の胴部7'の外周上部と外部に対して通気孔11及び蒸気抜け溝11aを通して同気圧となる為、従来のように熱湯がカップ1の開口縁4を乗り越えて机上3にこぼれるような事故は予め防止される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 カップと、漉し網と、蓋の位置関係を示す横断面図。
【図2】 図1の部分拡大断面図。
【図3】 漉し網の斜視図。
【図4】 異なる漉し網の部分拡大断面図。
【図5】 平面図。
【図6】 異なるカップと、漉し網と、蓋が右に遍在した状態の位置関係を示す縦断面図。
【図7】 従来のカップと、漉し網と、蓋の位置関係を示す縦断面図。
【図8】 図7の部分拡大図。
【符号の説明】
1 カップ
1b 上方空間
4 開口縁
6b 湯面
7 漉し網
10 鍔
11 通気孔
13 蓋
Claims (3)
- 上側に開口縁を有する茶液飲用のカップと、漉し網と、蓋とから成り、上記漉し網の胴部は、筒状でかつその胴部の外形は、上記カップの開口部からカップ内に挿入した状態で上記のカップの内周面と胴部外周面との間に間隙が残る程度の外径に形成してあると共に上記胴部における下側には、網体が張設してあり、しかも上記胴部における上端の周囲には上記カップにおける開口縁に乗載できるようにした鍔を張出状に形成してあり、一方、上記蓋は、上記漉し綱の胴部における上部の開口部を塞ぎかつ外周縁が上記の鍔の上に乗載可能な大きさにしてある漉し網内蔵の蓋付きカップにおいて、上記漉し網上部の鍔附近においては、カップに漉し網を装着し、蓋を被せ着けた状態で、漉し網の胴部の外周上部の空気と内部の上部の空気とを連通させる為の通気孔を備えさせると共に、上記漉し網上部の鍔における下面で、かつ、上記通気孔の下側位置に、カップの内部と、カップの外部と、上記通気孔とを連通させる為の蒸気抜け溝を凹設したことを特徴とする漉し網内蔵の蓋付きカップ。
- 上記通気孔と、上記漉し網上部の鍔における下面で、かつ、上記通気孔の下側位置に、カップの内部と、カップの外部と、上記通気孔とを連通させる為に凹設された蒸気抜け溝とを、漉し網上部の鍔の複数個所に配設したことを特徴とする請求項1記載の漉し網内蔵の蓋付きカップ。
- 漉し網の胴部における下側には、網体が張設してあり、胴部における上端の周囲にはカップにおける開口縁に乗載できるようにした鍔を張出状に形成してある漉し網において、
上記漉し網上部の鍔には、カップにおける開口縁に漉し網の上部の鍔を乗載した状態で、カップにおける内周面と漉し網胴部の外周との間の空気と、上記漉し網上部の鍔における上面の空気とを連通させる為の通気孔を備えさせると共に、上記漉し網上部の鍔における下面で、かつ、上記通気孔の下側位置に、上記カップにおける開口縁の内部と、カップにおける開口縁の外部と、上記通気孔とを連通させる為の蒸気抜け溝を形成したことを特徴とする漉し網。
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