JP3698636B2 - 扉開閉機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は冷蔵庫等の扉開閉機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の扉開閉機構は、例えば特開平9−303942号公報に示されるように、扉の左側と右側に関して扉と本体の係合・離脱を行なうカム機構をそれぞれ設け、これらのカム機構は扉の左右で対称な第1係止位置と同じく扉の左右で対称な第2係止位置をとることができるようになっていて扉の閉止状態では左右のカム機構とも第1係止位置をとり、扉の左右の一方を開けるとき扉がスライドして他方のカム機構は第2係止位置をとり、該第2係止位置で回転自在にロックされるようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような扉開閉機構では、扉の一方を開放のとき、扉開放側へ扉は所定の距離だけ移動するため、扉移動のとき、扉と扉を支える部分等の接触する本体側とで摩擦による開放抵抗が生じやすく、通常のヒンジ式扉に比べ扉を開くときの荷重が大きいという課題があり、また、扉を開く方向と扉の移動方向が大きく異なり、扉が確実には移動しにくく開放動作にむらがあるという課題があった。
【0004】
そして、前記課題の解決のため、てこ式手段を扉の両側に設けて、扉開閉機構としたとき、扉開放時に、体重をかけたりして異常な力で急激に前記てこ式手段のハンドルを手前に引くと、前記ハンドルによる作用部や作用対象部に傷つきや変形が生じる場合があり、その後の扉開放操作に支障を来すという課題があり、前記両側のハンドルを同時に異常な力で手前に引いたとき、前記両側のハンドルを同時に異常な力で手前に引いたとき、場合によっては、前記作用対象部等の変形や破損により、扉が本体から脱落する恐れが生じるという課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の扉開閉機構は前記のような課題を解決したもので、本体部に設けられた開口部の周囲に接離する扉により該開口部を開閉する扉開閉機構において、前記扉に回動可能に設けられるハンドルと、前記ハンドルと一体に回転して前記ハンドルの回動軸となる弾性材料から成るシャフトと、前記シャフトに取り付けられるとともに前記ハンドルの回動に伴って前記本体部を押圧して前記扉を前記本体部から所定間隔離隔させるアームとから成るてこ式手段を備え、前記ハンドルと前記アームとは異なる面内で回動するとともに、前記アームが前記本体部を押圧する際に前記シャフトが捩られて前記アームの押圧力を和らげる方向に付勢することを特徴とするものである。
【0008】
また本発明は、上記構成の扉開閉機構において、前記アームの前記本体部との当接部に弾性体を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
また本発明は、上記構成の扉開閉機構において、扉の両側に扉と本体の係合・離脱を行うカム機構をそれぞれ設け、前記カム機構は扉の両側で対称な第1係止位置と第2係止位置をとることができ、扉の閉止状態で前記両側のカム機構は第1係止位置をとり、扉の前記両側の一方を開放のとき、扉開放側へ扉は所定の距離だけ移動して第2係止位置をとるとともに第2係止位置で回転自在にロックされ、扉の両側の少なくとも一方に前記てこ式手段を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の扉開閉機構の実施の形態を図面とともに説明する。
【0012】
図1は本発明の扉開閉機構を備えた冷蔵庫の正面図、図2は図1のてこ式手段によるハンドル付近の拡大図、図3は図2のハンドルサポートおよびハンドルベースを下方から見た図、図4は図1のA−A線断面図、図5は図1のB−B線断面図、図6は本発明の扉開閉機構で扉の下側にあるヒンジアングルを示す図、図7は本発明の扉開閉機構で扉の上側にあるロックカムを示す図、図8は本発明の扉開閉機構で扉の上側にあるスライドカムを示す図、図9は本発明の扉開閉機構のスライドカム付近で扉の下側の一部とその関連部品を示す部分拡大図、図10は本発明の扉開閉機構の動作を示す図、図11は本発明の扉開閉機構の動作を示す図、図12は他の実施例を示す図で、図1のB−B線断面図に相当する図である。
【0013】
図1において、1は冷蔵庫本体、2は冷蔵室扉、3は野菜室扉、4は冷凍室扉、5は冷凍室扉で、前記冷蔵庫本体1は前記各々の扉に対応して前面に開口部を有する隔離室をもっている。また、前記冷蔵室扉2は左右両開きの扉で、右と左に各々てこ式のハンドル6、7をもっている。
【0014】
そして、冷蔵室扉2は左右両端が後方に折り曲げられたドアプレート8の上下端に各々ドアキャップ上9とドアキャップ下10が差し込まれ箱体11とし、前記ハンドル6、7が取り付けられる部分には、前記ドアプレート8を切り欠き各々開口部8a、8bが設けられている。そして、前記開口部8a、8bには各々ハンドルサポート12、13が裏からあてがわれ、前記ハンドルサポート12、13には、前記開口部8a、8bを左右の側面斜め前方から通して、差し込むようにハンドルベース14、15が各々取り付けられている。
【0015】
なお、ハンドルベース14、15はハンドルサポート12、13の外側にありドアプレート8を挟んで扉の内側からビス止めにて取り付けられている。そして、各部の取付け部で隙間が生じる箇所は、前記冷蔵室扉2の中側となる部分に、シール材(図示せず)にてシール処理が施され、冷蔵室扉小組品16となる。また、本図においては、前記ハンドルサポート12、13は外部から見えないため、その外形線は描いておらず、それらの概略位置を示すため、引き出し線を点線で描いている。
【0016】
そして、前記冷蔵室扉小組品16は発泡治具に入れられ、冷蔵室扉小組品16の後方開口部(図示せず)から発泡ウレタン原料を注入し、前記後方開口部を覆うように背面板(図示せず)が前記冷蔵室扉小組品16に取り付けられ、前記発泡治具の蓋をしウレタン発泡させ発泡が完了した後に発泡治具から取り出され、内部に発泡したウレタンフォームの断熱材をもつ冷蔵室扉中組品17ができあがる。なお、野菜室扉3、冷凍室扉4、5はそれぞれ引き出し式の扉であり、前後方向で引き出し可能となっている。
【0017】
図2において、本図は扉の右側のハンドル7付近の図で、内部構造がわかるように、部分的に断面図にしてある。また、扉の左側のハンドル6付近は本図を左右方向で反転したものとなる。そして、ハンドルサポート13の前方にあるハンドルベース15の下方には、略円形部15aから前記略円形部15aの直径より巾の狭い略長方形の切り込みが続いた鍵穴状の穴15bが設けられている。
【0018】
ハンドルサポート13には前記穴15bにつながる略小判穴状の空洞部13aが設けられ、前記空洞部13aはドアキャップ下10まで続いていて、前記ドアキャップ下10にも同様の略略小判穴10aがあいており、前記穴15b、空洞部13a、略小判穴10aは互いに通じた空間18となっている。
【0019】
なお、前記空洞部13aと前記ドアキャップ下10の略小判穴10aの嵌合部は、前記発泡ウレタン原料が前記箱体11に注入され発泡したとき、その嵌合部から空間18内にウレタンもれのないような嵌合となっており、場合によっては、その部にシール処理を施す。
【0020】
また、下シャフト19はハンドル下20の開口部に差し込まれ、前記下シャフト19の上方のL状曲げ部19aは、前記ハンドル下20の保持部20aに保持されている。そして、下シャフト19とハンドル下20とが一体となった組品は、前記ハンドルベース15の穴15bの略円形部15aに差し込まれ、前記ハンドル下20の下方に突き出した略円形ボス20bが、前記ハンドルベース15の穴15bの略円形部15aに嵌合し、ハンドル下20は下シャフト19とともに、ハンドルベース15に回動自在に取り付けられることになる。
【0021】
なお、前記空間18には下シャフト19が挿入され、前記下シャフト19の下方のL状曲げ部19bはドアキャップ下10内の表面に突き出している。そのため、前記空間18は前記L状曲げ部19bを通す形状となっている。そして、前記下シャフト19の下方のL状曲げ部19bには、下方からアームの働きをするカムレバー21が、スライドカム部となるスライドカム22に組み込まれた状態で取り付けられる。
【0022】
また、前記下シャフト19に各々L状曲げ部19a、19bを設けているため、下シャフト19と前記ハンドル下20やカムレバー21との結合に、回り止めのためのキーやキー溝等を設けることもなく、扉のハンドルの構造が簡略化され、部品点数も少なく、組み立ても容易となっている。
【0023】
そして、前記空間18を設けることにより、内部に発泡した断熱材をもつ扉であっても、前記L状曲げ部19bが下シャフト19と一体にドアキャップ下10内の表面に突き出すことができ、これもまた、扉のハンドルの構造が簡略化され、部品点数も少なく、組み立ても容易となっている。なお、前記は片開きの扉構造であっても同様の効果が得られることは明白である。
【0024】
また、前記カムレバー21がL状曲げ部19bに取り付けられた状態で、前記下シャフト19のてこの支点となる回動軸中心19cの下方への延長線上を中心として、前記カムレバー21の下面には円形ボス21aが設けられている。そして、前記円形ボス21aはスライドカム22の穴22aに回動自在に嵌合している。なお、スライドカム22はドアキャップ下10を挟んで補強板23にビス止めされている。
【0025】
そして、前記ハンドルベース15に回動自在に取り付けられた前記ハンドル下20の扉外側(本図の右側)からハンドル7を差し込んで、前記ハンドル下20にハンドル7は爪嵌合で取り付けられる。なお、前記ハンドル7とハンドル下20をビス止めにて固定してもよい。
【0026】
また、前記下シャフト19の回動軸中心19cの上方への延長線上を中心として設けられた、ハンドル7の上方の貫通穴7a、および、前記貫通穴7aに対向したハンドルベース15の貫通穴15c、および、前記ハンドルベース15の突起に設けられた略円形穴15dに、下方から上シャフト24が差し込まれ、前記ハンドル7は回動自在にハンドルベース15に取り付けられる。
【0027】
なお、前記上シャフト24を回転させて、上シャフト24の下方に設けたL状曲げ部24aが、前記ハンドルベース15の突起部15eにかけられ、上シャフト24の抜け止めとなっている。
【0028】
また、前記下シャフト19の回動軸中心19cの延長上近くに設けられた、ハンドル7の下方上面の円形ボス7bに、バネ25がその一端のバネ端25aはハンドルベース15を後方へ押すようにはめられ、残りの一端のバネ他端25bはハンドル7の下方上面の係り部7cに前方へ押すようにかけられる。そのため、前記ハンドル7の握り部7dを持って手前に引き冷蔵室扉2を開放した後、手を前記握り部7dから離すと前記ハンドル7はバネ25の反力でもとの位置にもどるようになっている。
【0029】
そして、前記上シャフト24のL状曲げ部24a、突起部15e、円形ボス7b、係り部7c、バネ25を覆うように、ベースカバー26がハンドルベース15に爪嵌合で取り付けられ、また、ハンドル7の前面にはハンドルカバー27が爪嵌合で取り付けられる。
【0030】
なお、前記ベースカバー26がハンドルベース15に取り付けられることにより、前記ベースカバー26の裏面と突起部15eとハンドルベース15の表面とでL状曲げ部24aは囲まれるようになり、前記ハンドルベース15の突起部15eにかけられたL状曲げ部24aが回動しても、前記L状曲げ部24aが突起部15eからはずれて、上シャフト24が前記貫通穴7a、15cおよび略円形穴15dから抜け落ちることはなくなる。
【0031】
また、前記突起部15eの前端に上方へのびる壁面を、その上部に前記L状曲げ部24aが通るだけの空間を持って設けると、ベースカバー26の取付け前の仮の抜け止めの役目をし、さらに、組立作業性が向上する。また、前記ハンドル関連の部品全てが冷蔵室扉2に組み込まれた後、ウレタン発泡にて扉の断熱材を設けてもよい。
【0032】
なお、前記は片開きの扉構造であっても同様の効果が得られることは明白である。
【0033】
図3において、(a)は扉の右側のハンドルサポート13を下方から見た図で、空洞部13aは略小判穴状の穴となっている。また、(b)は扉の右側のハンドルベース15を下方から見た図で、鍵穴状の穴15bは略円形部15aをもっている。また、前記ハンドルサポート13およびハンドルベース15の形状を左右方向で反転すると各々扉の左側のハンドルサポート12およびハンドルベース14の形状となる。
【0034】
そして、前記空洞部13a、穴15bは下シャフト19のL状曲げ部19bが通るようになっており、また、前記鍵穴状の穴15bの略円形部15aには、前記ハンドル下20の略円形ボス20bが回動自在に嵌合する。そして、略円形部15aの円形中心は前記下シャフト19の回動軸中心19cと一致している。
【0035】
図4において、本図は図1における冷蔵室扉2右側の扉閉止状態でのハンドル7付近のA−A線断面図で、左側のハンドル6付近における相当断面図は、本図を左右方向で反転したものとなる。
【0036】
そして、ドアプレート8の後方折り曲げ部8cには背面板28が取り付けられている。前記背面板28の周縁部には溝28aが設けられ、パッキン29の取付け部29aは前記溝28aに差し込まれて背面板28に取り付けられている。また、パッキン29には弾力性のある磁性体29bが内部に設けられており、扉閉止時には冷蔵庫本体1のカラー鋼板製キャビネット30等の本体開口部前面31に、前記パッキン29が密着して外気を遮断しかつ断熱している。なお、2aは冷蔵室扉2で一体に発泡された発泡ウレタンの断熱材である。
【0037】
そして、扉閉止状態から扉の右側を開放する時には、ハンドル7の握り部7dを握り手前に引くと、前記ハンドル7は回動軸中心19cを中心に右回り方向に回転し、ハンドル7下に取り付けられた図2に示したハンドル下20やハンドル下20の保持部20aに保持された下シャフト19の上方のL状曲げ部19aも同時に回動軸中心19cを中心に右回りに回転する。
【0038】
さらに、前記下シャフト19の右回り方向の回転により図2に示したカムレバー21も回動軸中心19cを中心に右回りに回転し、前記本体開口部前面31側にある後述するロック外カム32を押し、前記ハンドル7の当たり部7eがハンドルベース15の当たり受け部15cに当たるまで、冷蔵室扉2の右側は本体開口部前面31から所定間隔離され開放される。
【0039】
このとき、磁性体29bの磁力で密着している扉の主に右方向の前記パッキン29が、本体開口部前面31から少し離れるだけで、左右方向の移動もしやすくなり、扉が回転自在にロックされる後述する第2係止位置への移動も容易となる。また、前記パッキン29が本体開口部前面31から少し離れるだけで、外気が庫内に入りやすくなり、この後の扉開放には前記所定間隔扉を開くよりも少ない力でよいことになる。
【0040】
その後、さらにハンドル7を手前に引くと、ハンドル7の当たり部7eが当たり受け部15cに当たったままの状態で、冷蔵室扉2の右側はさらに開放されることになる。
【0041】
なお、前記握り部7dを手から離すと、ハンドル7の下方上面の円形ボス7bにはめられたバネ25の反力で前記ハンドル7はハンドルベース15に対しもとの位置関係(本図の示す位置関係)にもどる。そのために、前記バネ25の一端25aはハンドルベース15を後方に押すように、他端25bはハンドル7の下方上面の係り部7cを前方に押すようにかけられている。
【0042】
また、前記ハンドル7がハンドルベース15に対しもとの位置関係にもどるとき、前記ハンドル7がハンドルベース15に当たり、打撃音が発生するが、その打撃音をやわらげるため、クッション材7fを前記ハンドル7またはハンドルベース15の少なくともどちらか一方の当たり部に設けるとよい。
【0043】
そして、ハンドルベース15側となる前記バネ25の一端25a付近は前方へソリのように折り曲げられており、前記円形ボス7bにバネ25がはめられた状態で、ハンドルベース15の壁面にひっかからずに、前記ハンドル下20へ扉の右側からハンドル7を差し込めるようになっている。また、ベースカバー26は爪嵌合でハンドルベース15に取り付けられている。
【0044】
なお、前記冷蔵室扉2の断熱材2aの断熱性が低く、ハンドルサポート13やハンドルベース15の表面に結露が生じるときは、扉前方でハンドルサポート13近くのドアプレート8で断熱材2a側(内側)から、前記ハンドルサポート13の断熱材2a側にかけて、熱伝導材(例えばアルミ箔)を張り付け、結露防止策としてもよい。
【0045】
また、そのため、ハンドルサポート13やハンドルベース15の前方部でドアプレート8付近からの立ち上がり部付近を、前記ドアプレート8付近に対し略垂直または左側に行くほど前方の位置となるような面にしておくと、さらに、熱伝導材の張り付けが容易となる。
【0046】
図5において、本図は図1における冷蔵室扉2右側の扉閉止状態でのドアキャップ下10付近のB−B線断面図で、主にカムレバー21付近を示している。なお、左側のドアキャップ下10付近における相当断面図は、本図を左右方向で反転したものとなる。
【0047】
そして、前記下シャフト19の下方のL状曲げ部19bへは、下方からスライドカム22に組み込まれたカムレバー21が、囲むように取り付けられている。
また、前記回動軸中心19cの延長上に設けられた前記カムレバー21の下側にある円形ボス21a(図2参照)は、スライドカム22の穴22a(図2参照)に回動自在に嵌合している。
【0048】
また、図4に示した扉右側のハンドル7の握り部7dを握り手前に引くと、下シャフト19が上方からみて右回り方向に回動軸中心19cを中心に回転する。
そのため、カムレバー21も下シャフト19同様右回り方向に回動軸中心19cを中心に回転し、前記カムレバー21のてこの作用点となるロック外カム32との接触部で前記ロック外カム32の前方を押し、図4に示した前記ハンドル7の当たり部7eがハンドルベース15の当たり受け部15cに当たるまで、冷蔵室扉2の右側は本体開口部前面31から所定間隔離隔され開放される。
【0049】
なお、ロック外カム32の前方を押す前記カムレバー21の押し面21bは、前記ロック外カム32の前方を押している間のほとんどを、冷蔵室扉2の中央側に行くほど前方の位置となるようになっているため、前記ロック外カム32の前方を斜め右側(扉の側面側)前方から押すようになっており、その反力として冷蔵室扉2の右側を右側(扉の側面側)前方へ移動させるような力が働くことになる。
【0050】
また、前記ロック外カム32、カムレバー21、下シャフト19や図4のハンドル7での前記本体開口部前面31からの所定間隔の扉開放は、てこの原理を利用したものであり、前記ハンドル7を手前に引いても、前記ロック外カム32への力のかかる方向はある程度自由な方向に変えられ、扉移動方向と同様の方向へ力をかけることも可能となり、扉移動での開放抵抗を和らげることができる。
【0051】
なお、このことは、前記ロック外カム32へ力をかける場合のみでなく、他の冷蔵庫本体1の部分に力をかける場合でも同様の効果が得られる。
【0052】
さらに、前記カムレバー21の押し面21bのロック外カム32と接する部から前記回動軸中心19cまでの距離は、図4の回動軸中心19cからハンドル7の握り部7dの中央までの距離よりも短いため、前記握り部7dにかけた力は、てこの原理によりその各々の長さに反比例した値となり、前記握り部7dにかけた力より強い力でロック外カム32を押すことになり、扉開放力の低減ができる。
【0053】
また、てこの作用点のアーム部となる前記カムレバー21の位置が冷蔵室扉2の下方にあるため、前記冷蔵室扉2の重さで前記アーム部のカムレバー21と相手側の位置が上下方向で押さえつけられ、前記アーム部と相手側(例えばロック外カム32)の位置が上下方向で安定して保持され、確実に、てこによる移動動作力が開放抵抗のかかる部分に伝わり、さらに安定した開放動作となる扉開閉機構が得られる。
【0054】
そして、前記下シャフト19が弾性体(例えば:硬鋼線材(SWRH)、ステンレス等のバネ材、ポリアセタール等の弾性樹脂材、等またはこれ等の組合せ)で形成され弾性機能を設けている場合は、図4のハンドル7を急激に力いっぱい手前に引いたり、冷蔵室扉2の開放側を故意に押さえて前記ハンドル7を手前に引いて、衝撃的な荷重や前記のような無理な荷重を前記ハンドル7に加えても、前記カムレバー21の押し面21bがロック外カム32に当たると、前記下シャフト19の回転方向で捩じれが一時的に生じ、前記衝撃荷重等の無理な荷重を作用部では和らげることができ、前記押し面21b部やロック外カム32の接触部やその他前記荷重のかかる個所の変形や破損を防止することができる。
【0055】
また、てこの作用点を含むアーム部の前記カムレバー21で、押し面21bの部分を弾性体(例えば:硬鋼材、ステンレス等のバネ材、ゴムや樹脂材を含んだ弾性体、等またはこれ等の組合せ)で形成等して弾性機能をもたせると、前記押し面21bの部分が一時的に変形することにより、前記同様に、衝撃荷重等の無理な荷重を作用部では和らげることができ、前記同様に荷重のかかる個所の変形や破損を防止することができる。
【0056】
なお、本図においては、押し面21bを含む部分は、ステンレスバネ材にて形成して、カムレバー21に取付けた状態を示している。また、前記カムレバー21全体を前記のような弾性体で形成しても前記同様の効果は得られる。
【0057】
さらに、前記のことは、本図構造に限らず、てこ式手段のてこの作用点を含む構造体の作用部(例えば:支点をもつハンドルの、力点と前記支点を挟んで相反する側の、扉開放力を与える作用点のハンドルの端と、前記支点との間の前記ハンドル部の少なくとも一部。等)に、前記同様の弾性機能を設けると同様の効果が得られる。
【0058】
また、ロック外カム32を前記のような弾性体を含む構造体にして、てこ式手段の作用対象となるロック外カム32の前記押し面21bとの接触部やその周辺に、弾性機能をもたせると、これもまた、前記同様に、衝撃荷重等の無理な荷重を作用部では和らげることができ、前記同様に荷重のかかる個所の変形や破損を防止することができる。
【0059】
なお、本図においては、ロック外カム32の後方の芯材部となるロック外カム芯材部32aを形成(例えば:深絞り用ステンレス材にてプレス成形)して、前記ロック外カム32前方にロック外カム緩衝部32bを形成(例えば:ロック外カム32のガイド面外形に合わせてステンレスバネ板材にて形成し、前記ロック外カム芯材部32aに溶着)し、ロック外カム32はその前方部に弾性機能をもたせている。
【0060】
また、前記のことは、本図構造に限らず、てこ式手段のてこの作用対象となる部分(例えば:支点をもつハンドルの、力点と前記支点を挟んで相反する側のハンドルの端が、扉開放力を与える本体開口部前面31等の外箱の当接部等)の少なくとも一部に弾性機能をもたせる(例えば:当接部を板バネで形成して、前記板バネが撓むような形状関係で外箱に取付ける。シリンダー内に圧縮バネを入れ、当接部側の前記シリンダー内にロッドを前後移動可能に設け、前記圧縮バネで緩衝機能をもたせ前記シリンダーを外箱に取付ける。等)と、前記同様の荷重のかかる個所の変形や破損を防止することができる。
【0061】
なお、引き出し式扉に開放動作補助のためのてこ式手段を設け、前記てこ式手段の作用部(例えば:前記ハンドルの端や、前記ハンドルの端につながり作用対象部を押すための押し板等)や作用対象部(例えば:外箱の前記当接部等)に前記同様弾性機能をもたせても、前記同様の効果が得られる。
【0062】
また、前記各々の効果は独立して個々の場合で得られるが、場合によっては、前記各々の弾性機能を適度に組み合わせて各々の機能を調整して設けても、同様の効果が得られる。
【0063】
そして、前記各々の一時的な変形や捩じれは、前記衝撃荷重等の無理な荷重を除くと、もとの形状等に戻り、また、通常使用においては、前記一時的な変形等は微小で、各々の作動に影響しないように設定されている。
【0064】
図6において、(a)〜(d)は冷蔵室扉2の下方で冷蔵庫本体1の本体開口部前面31にビス等で取り付けられるヒンジアングル33の中央から右側をあらわす図である。また、図6(a)はヒンジアングル33の片側を示す平面図である。なお、ヒンジアングル33の中央から左側は、図6(a)を左右方向で反転した形状となる。そして、図6(b)〜(d)は各々図6(a)のA−A線断面図、B−B線断面図、C−C線断面図である。
【0065】
また、冷蔵室扉2の下方は扉の重量等が付加されるため、補強の目的でロック外カム32は金属製(例えば:ステンレス鋼板)のプレス品等からなっている。
また、金属製(例えば:亜鉛メッキ鋼板:厚さ3.2mm)のアングル33aには金属製(例えば:ステンレス鋼棒材)のヒンジピン34およびロック外カム32がカシメ止めにて取り付けられている。
【0066】
前記ヒンジピン34は前記冷蔵室扉2の扉開閉時の回転軸となる。そして、インサート成形によりヒンジカバー33bが形成され、後述する第2カム突起35を含むロックカム部36はヒンジアングル33と一体に形成されている。また、33cは当たり受け部であり、扉開放時にこの部で扉の開きを制限する。
【0067】
なお、ヒンジアングル33にある前記ヒンジピン34の上面が、前記スライドカム22の対応する面を支え、前記ヒンジピン34周辺のその他の部分を浮かせていて、扉移動や扉開閉時の他の部分の摩擦やひっかかり防止の役目をしており、扉開放抵抗の多くもこのヒンジピン34上面にかかることになる。
【0068】
そして、扉開放時に強度のある前記ロック外カム32の前方部を図5に示すカムレバー21が押すため、位置的にも押しやすく、他に余分な部材を設けたりこれ以上補強したりする必要もなく、構造が簡素化され安価となり、さらに、扉移動での開放抵抗の主にかかる一方のヒンジピン34に近いため、確実にてこによる移動動作力が開放抵抗のかかる部分付近に伝わり、安定した開放動作となる扉開閉機構が得られる。
【0069】
図7において、(a)〜(d)は冷蔵庫本体1の上面に設けられたヒンジアングル(図示せず)にビス等で取り付けられ、冷蔵室扉2の上方右側の後述するスライドカム40に対応するロックカム部のロックカム37を示す図である。また、図7(a)は前記ロックカム37を示す上方から見た図であり、左側のロックカムは本図を左右方向で反転した形状となる。
【0070】
そして、図7(b)〜(d)は各々図7(a)のA−A線断面図、B−B線断面図、C−C線断面図である。前記ロックカム37の一方の端部には、ヒンジピン34が挿入される貫通穴38が設けられている。また、前記貫通穴38と同心に円弧状の第2カム突起35が形成されている。
【0071】
本構造においては、図2および図5のカムレバー21は扉の下方のみにあり、扉開放の時に、前記カムレバー21が扉の上方にある前記ロックカム37のロック外カム39を押す構造にはしていないため、強度的には樹脂材(例えばポリアセタール樹脂)で充分であるので、前記ロック外カム32と対向した位置および類似の形状で、樹脂にてロックカム37の前記貫通穴38と異なる側の端部付近に、ロック外カム39は一体に形成されている。なお、前記ロック外カム39は、相手側のスライド外カム43との係合領域を大きくするため、係合関係は同じで前記ロック外カム32よりは長くしてある。
【0072】
図8において、(a)、(b)、(c)は図7のロックカム37に対応する冷蔵室扉2の上方右側に位置するスライドカム部となるスライドカム40を示し、その各々はスライドカム40の平面図、正面断面図、裏面図である。前記スライドカム40には、第1係止位置からヒンジピン34との係合を離脱する方向へ導く第1溝カム41と、第1係止位置からヒンジピン34が回転軸として機能する第2係止位置へと導く第2溝カム42が設けられている。
【0073】
また、前記スライドカム40は、図7のロック外カム39に係合するように配置されたスライド外カム43と、図7の第2カム突起35に第2係止位置で係合するように配置された第1カム突起44をもっている。そして、スライドカム40は、ドアキャップ上9(図1に表示)を挟んで補強板(不図示)にビス止めされている。
【0074】
また、スライドカム40の裏側(補強板側)に位置決め突起40a、40bが設けられている。そして、第1カム突起44の裏側にある位置決め突起40aは、図7の第2カム突起35に係合したときの第2係止位置の回転軸となる位置またはその近くに設けられている。
【0075】
前記各々の位置決め突起40a、40bもまた、ドアキャップ上9を挟んで補強板(不図示)に設けられた位置決め用穴(不図示)に嵌合し、左右のスライドカムやロックカム等の間の、第1係止位置や第2係止位置となる位置等の、互いの位置関係を、正確に保つようになっている。
【0076】
すなわち、樹脂よりは線膨張係数の低い、金属等で形成されている補強板に前記位置決め突起40a、40bを基準にスライドカム40が正確な位置関係で確実に取り付けられているため、温度変化等によってもあまり前記位置関係が変化せず、開閉動作が常に安定して行われる冷蔵室扉2が得られている。なお、相手側となるロックカム37も同様に、金属等の線膨張係数の低い前記補強板と類似または同様の材質の部材に取付けられているため、更に前記効果は向上することとなる。
【0077】
また、前記位置決め突起40aは、相手側の前記位置決め用穴との嵌合関係を正確にするため、また、回転軸となる前記第2係止位置を冷蔵室扉2の両端近くに設けるため、直径をあまり大きく取らず(例えば:直径=約6mm)にしてある。さらに、直径を大きくすると、相手側の補強板の両端をさらに外側に伸ばし、強度維持のため補強板を大きくする必要が生じ、前記第2係止位置を冷蔵室扉2の両端近くには設けられなくなるため、前記位置決め突起40aの直径をあまり大きく取らずにしてある。
【0078】
なお、冷蔵室扉2の両端近くに扉の回転軸(前記第2係止位置)を設けると、扉開閉のとき、パッキン29b(図4に表示)のこじれが少なくなり、扉開閉動作が良好となり、前記位置決め突起40aの直径が小さいことが、扉開閉動作の向上にもつながる。
【0079】
また、前記位置決め突起40aはスライドカム40の第2係止位置となる位置またはその近くに設けられているため、左右の第2係止位置となる位置等の互いの位置関係を更に正確に保つようにもなっている。
【0080】
また、冷蔵室扉2を閉じたときの左右方向にリブ40cが設けられ、前記位置決め突起40aの根本が補強されている。そして、前記リブ40cを設けることにより、ドアキャップ上9を挟んでスライドカム40を補強板(不図示)にビス止めのときの、ビス頭のスライドカム40表面への摩擦により生じる移動力での、前記位置決め突起40aの撓みを防ぐことができ、ビス止めによるスライドカム40の位置ずれの防止にもなっている。
【0081】
そのため、ビス止めによるスライドカム40の移動を、前記リブ40cが阻止することになり、いっそう前記第2係止位置等の位置関係を正確に保つようになる。そして、そのため、冷蔵室扉2の開閉動作がいっそう確実になる。なお、冷蔵室扉2を閉じたときのわざわざ左右方向にリブ40cを設けて補強した理由は、スライドカム40の前記左右方向の位置ずれ防止が、冷蔵室扉2の開閉動作を確実にするのに非常に役立つためである。
【0082】
また、前記リブ40cの高さは、ドアキャップ上9の厚さよりも低くしてあるため、前記位置決め突起40aに対向する補強板(不図示)周辺を平面のままで形成することができ、容易に前記補強板を形成でき生産性が向上し、形状が平面で簡素であるため仕上がり寸法の信頼性も増す。
【0083】
なお、図8の(b)においては、位置決め突起40aおよびリブ40cは、本図の紙面において、断面部より手前の浮いた位置にあるため、想像線(例えば:2点鎖線)で描くべきであるが、図面が不明瞭になるため、便宜上実線にて描いてある。
【0084】
また、前記で位置決め突起を円柱形状にしてあるが、前記形状にこだわらず、角柱や十文字状のリブ形状等の突起であれば、強度面や加工性を除いた以外の点で同様の効果は得られる。
【0085】
更には、前記リブ40cの代わりに、位置決め突起40aに本図のような凹穴を設け、その部に丸ピンを圧入するか、突起40aの外径より小さなビス頭をもつビスを前記穴にねじ込む等で位置決め突起40aを補強しても前記同様の効果は得られる。
【0086】
なお、前記のことは、スライドカム22についても同様の効果が得られる。
【0087】
図9において、(a)、(b)は図2に示した冷蔵室扉2右側下方のスライドカム22付近の図で、各々スライドカム22付近の下方から見た図およびその断面図である。そして、(c)は、(b)の補強板23を上方から見た図である。
前記スライドカム22もまた図8に示したスライドカム40同様に第1溝カム41、第2溝カム42、スライド外カム43、第1カム突起44をもっている。また、スライドカム22には図6のロック外カム32をカムレバー21が押すための開口部45が設けられている。
【0088】
なお、前記カムレバー21の回動軸となる円形ボス21aは、スライドカム22の穴22aに回動自在に嵌合している。また、46は冷蔵室扉2を開放しきったときの開放止めとなるストッパーで当たり部46aを持っており、図6のヒンジアングル33に設けられた当たり受け部33cに、扉開放時に前記当たり部46aが当たって、扉はそれ以上開かないようになっている。
【0089】
さらに、47はローラー組品で冷蔵室扉2の閉止時に図6の前記ヒンジアングル33上面に乗り上げ、冷蔵室扉2の荷重を支え、本体開口部前面31への密閉状態を良好に保つ役目をするとともに、扉開閉動作を補助する役目をしている。
また、前記スライドカム22、ストッパー46、ローラー組品47はドアキャップ下10を介して補強板23にビス止めされている。
【0090】
そして、スライドカム22の裏側(補強板23側)に位置決め突起22b、22cが設けられている。また、第1カム突起44の裏側にある位置決め突起22bは、第2カム突起35に係合したときの第2係止位置の回転軸となる位置またはその近くに設けられている。
【0091】
前記各々の位置決め突起22b、22cもまた、ドアキャップ下10を挟んで補強板23に設けられた位置決め用穴23a、23bに嵌合し、左右のスライドカムやロックカム等の間の、第1係止位置や第2係止位置となる位置等の、互いの位置関係を、正確に保つようになっている。
【0092】
また、前記位置決め突起22bも前記位置決め突起40aと同様の理由で、直径をあまり大きく取らず(例えば:直径=約6mm)にしてある。そして、冷蔵室扉2を閉じたときの左右方向にリブ22dが設けられ、前記位置決め突起22bの根本が補強されている。
【0093】
そのため、ドアキャップ下10を挟んでスライドカム22を補強板23にビス止めのときの、ビス頭のスライドカム22表面への摩擦により生じる移動力での、前記位置決め突起22bの撓みを防ぐことができる。そして、ビス止めによるスライドカム22の移動を、前記リブ22dが阻止して、いっそう前記第2係止位置の位置関係等を正確に保つようになり、前記同様に冷蔵室扉2の開閉動作がいっそう確実になる。
【0094】
また、前記リブ22dの高さは、ドアキャップ下10の厚さよりも低くしてあるため、前記位置決め突起22bに対向する補強板23周辺を平面のままで形成することができ、容易に前記補強板を形成でき生産性が向上し、前記同様に仕上がり寸法の信頼性も増す。
【0095】
なお、図9の(b)においては、位置決め突起22bおよびリブ22dは、図8と同様理由で、想像線(例えば:2点鎖線)で描くべきであるが、図面が不明瞭になるため、便宜上実線にて描いてある。
【0096】
また、図9の(c)において、補強板23に設けられた位置決め用穴23aは、前記位置決め突起22bの直径に合わせた直径(例えば:直径=約6mm)の円を基本に、前後(本図では上下)方向を前記円の中心振分に前記直径より少ない巾(例えば:5.9mm)にして一部を圧入関係にしてある。
【0097】
そのため、前記位置決め突起22bは、前記位置決め用穴23aに更に確実に嵌合でき、冷蔵室扉2を閉じたときの左右方向での前記第2係止位置等の位置関係をより正確に保つようになり、冷蔵室扉2の開閉動作がいっそう確実になる。
【0098】
なお、前記の嵌合関係で寸法のバラツキを考慮して、位置決め用穴23aの前記基本円の直径を、前記位置決め突起22bの直径より少し大き目の直径(例えば:直径=約6+0.05mm程度)にしてもよい。
【0099】
また、本図においては、前記のように、前後方向を前記円の中心振分に前記直径より少ない巾にして一部を圧入関係にしてあるが、これは、基準となる円を前記左右方向に残し、位置決め突起22bと位置決め用穴23aを嵌合関係にし、前記圧入部分の削れや変形の影響を防ぎ、前記位置関係の正確さを更に保つためであるが、前記削れや変形の影響の心配がないか、前記影響が微小である場合は、圧入関係を前記左右方向や他の方向にもっていっても同様または類似の効果が得られる。
【0100】
また、前記位置決め用穴23aの形状を長円や楕円にして、一部を圧入関係にしてもよく、更には、位置決め用穴を丸穴にして、位置決め突起を位置決め用穴に圧入のため、一部を前記丸穴より大き目の寸法の形状に変形させても同様の効果は得られる。そして、位置決め用穴形状は丸穴に限らず、嵌合関係が維持できる形状(例えば:角穴や鍵状穴等)であれば、前記同様の効果は得られる。
【0101】
また、補強板23に設けた位置決め用穴23aの返りなき側をスライドカム22側にして、位置決め突起22bの圧入側にエッジが立たないように加工しておくと、位置決め突起22bが前記エッジで削り取られることもなく、位置関係を正確に保った状態で圧入することができ、更に正確な各々の位置関係が保たれる。
【0102】
また、図9の(b)ではストッパー46、ローラー組品47およびドアプレート8の図は複雑になるため省略している。
【0103】
なお、前記で補強板23に設けた位置決め用穴23aを設けているが、前記穴の代わりに嵌合のために対応した凹部を設けても前記同様の効果が得られ、補強板23は強度的にはさらに増加することになる。
【0104】
図10において、(a)〜(c)は冷蔵室扉2の下側の扉右側を開くときの図6のロックカム部36と図9のスライドカム22の相対位置関係を示した図であり、(a)は冷蔵室扉2の閉止状態の図で、ロックカム部36とスライドカム22からなるカム機構は第1係止位置をとっている。
【0105】
この時、左右のスライドカム22に設けられた第1溝カム41は、各々扉の斜め内側の向きとなるよう形成されており、各々がヒンジピン34に規制されるので、使用者が扉やハンドル7の握り部7dを左右両側から同時に手前に引いても、扉が本体から脱落することはない。また、このとき、ロック外カム32がスライド外カム43の前方への移動を阻止するため、これもまた、扉の脱落防止に役立っている。
【0106】
また、(b)は、図4に示した扉右側のハンドル7の握り部7dを握って手前に少し引いて、扉が右側から開き始めた状態を示している。
【0107】
この時、握り部7dを手前に少し引くと、回動中心19cを中心にカムレバー21が右回転して、カムレバー21の押し面21bがロック外カム32の前方先端右側を後方へ押す。そのため、その反動で、右側のスライドカム22にある第1溝カム41の右壁面が、右側のロックカム部36のヒンジピン34に当たりながら斜め前方へ移動し、冷蔵室扉2の右側は斜め右前方へ移動する。
【0108】
そして同時に、左側のスライドカム22にある第2溝カム42の奥の壁面42aが、左側のロックカム部36のヒンジピン34に当たりながら斜め横後方へ移動し、冷蔵室扉2の左側は斜め右後方へ移動する。
【0109】
(c)は、図4に示した握り部7dをさらに手前に引いて、扉が右側からさらに開いた状態を示している。このとき、右側のカムレバー21がさらにロック外カム32の前方先端右側を後方へ押し、扉右側におけるスライド外カム43の摺動面43aが、ロック外カム32の摺動面32cと摺動することになる。
【0110】
そして、右側のヒンジピン34に案内された第1溝カム41が扉を斜め右前方へさらに移動させ、また、扉の左側は左側第2溝カム42の奥の壁面42aが、左側のロックカム部36のヒンジピン34に当たりながら斜め横後方へさらに移動し、冷蔵室扉2の左側は斜め右後方へさらに移動する。
【0111】
なお、このとき、図4における当たり部7eは、握り部7dをさらに手前に引いたため、ハンドルベース15の当たり受け部15cに当たり、前記握り部7dをこれ以上さらに手前に引いても、カムレバー21はこれ以上ロック外カム32を押すことはなく、この後ハンドル7は通常の取っ手の働きとなる。
【0112】
そして、扉右側のロック外カム32前方を押す前記カムレバー21の押し面21bは、ロック外カム32の前方を押している間のほとんどを、冷蔵室扉2の中央側に行くほど前方の位置となるようになっている。そのため、前記ロック外カム32の前方を斜め右側前方から押すようになり、その反力として右側の冷蔵室扉2を右側前方へ移動させるような力が働く。
【0113】
これは、前記ロック外カム32の前方を、扉の開放方向と近い反対の方向に押していることになる。そして、冷蔵室扉2を右側前方へ移動させる前記のような力は、右側のスライドカム22にある第1溝カム41が、右側のヒンジピン34の外周に沿って移動しやすくする。
【0114】
また、前記押し面21bの動きにより、扉左側のスライドカム22も同時に扉の右方向へ引かれるため、左側第2溝カム42は左側ヒンジピン34の外周に沿って移動しやすくなり、左側のスライドカム22は第2係止位置をとりやすくなる。
【0115】
それゆえ、前記カムレバー21の押し面21bによる移動動作力の一部の分力が冷蔵室扉2を第2係止位置へ移動させるように働くことになり、扉開放時の扉の移動が容易で、扉が確実に移動するようになり、扉開放操作の良好な扉開閉機構が得られる。
【0116】
また、前記(a)〜(c)の扉の作動時、左側のカムレバー21の押し面21bは左側のロック外カム32に接する程度であり、左側のスライドカム22の動きを阻害しない形状にもなっている。前記の左側の押し面21bとロック外カム32との関係は、扉開閉時で左側の押し面21bが左側のロック外カム32に近づいている間中保たれる。なお、この時左側の押し面21bとロック外カム32の間は少し隙間をもたしておくと、左側のスライドカム22の移動時に、前記押し面21bとロック外カム32のこすれによる異常音の出る恐れがなくなる。
【0117】
また、図10の(a)において、使用者がハンドル6、7(図1に表示)を左右両側から同時に手前に引いたときは、左右のカムレバー21で各々のロック外カム32の前方部を押すことにより、その反動で冷蔵室扉2は左右同時に前方へ移動しようとする。そして、左右のスライドカム22に設けられた、各々扉の斜め内側に傾斜した第1溝カム41の壁面に、左右各々のヒンジピン34が押し付けられ、冷蔵室扉2はそれ以上前方に移動しないようになっている。
【0118】
しかし、全体重をかけて人並み以上に異常に強い力で左右のハンドル6、7をそれ以上同時に手前に引き、ハンドル6、7にかける扉開放のための力が、左右のカムレバー21を通じて完全にロック外カム32の前方部に伝達されると、前記左右のヒンジピン34が前記各々の第1溝カム41の壁面を変形させて、冷蔵室扉2は左右同時に前方へ少し移動し、両方のスライド外カム43の前方部が各々ロック外カム32に当たるようになる。
【0119】
そして、更に、異常に強い力で左右のハンドル6、7を同時に手前に引きつづけ、冷蔵室扉2の前方への移動がつづくと、スライド外カム43、ロック外カム32、第1溝カム41の壁面、ヒンジピン34等の変形、倒れ、等が生じ、その後の扉の開閉動作がうまくできなくなったり、場合によっては、スライド外カム43や第1溝カム41の壁面が破損して、冷蔵室扉2は本体から脱落するという恐れが生じる。
【0120】
そのため、図5に示したように、下シャフト19が弾性体で形成(例えば:断面形状=丸、外径=4mm、材質=SWRH)して弾性機能を設けておくと、左右のカムレバー21で各々のロック外カム32の前方部を押すことにより、第1溝カム41の壁面に、左右各々のヒンジピン34が押し付けられた後、更に、異常に強い力で左右のハンドル6、7を同時に手前に引いても、前記下シャフト19の回転方向で捩じれが一時的に生じ、それ以上の力がロック外カム32の前方部に伝達されないように設定ができる。
【0121】
これにより、スライド外カム43、ロック外カム32、第1溝カム41の壁面、ヒンジピン34等の変形、倒れ、破損が防止でき、冷蔵室扉2の開閉の良好な操作性を維持することができるようになり、冷蔵室扉2が本体から脱落することの防止が更に確実なものになる。そしてまた、衝撃荷重等の無理な荷重をも前記スライド外カム43、ロック外カム32等の作用部で和らげることができ、これ等の荷重に対しても、前記同様の効果が得られる。
【0122】
また、図5に示したように、押し面21bの部分やカムレバー21を弾性体(例えば:硬鋼材、ステンレス等のバネ材、ゴムや樹脂材を含んだ弾性体、等またはこれ等の組合せ)で形成等して弾性機能をもたせた場合であっても、前記同様の場合、左右の第1溝カム41の壁面に、各々のヒンジピン34が押し付けられた後、更に、異常に強い力で左右のハンドル6、7を同時に手前に引いても、弾性体で形成等された前記カムレバー21や押し面21bが一時的に変形してそれ以上の力がロック外カム32の前方部に伝達されないように設定ができ、前記同様の効果が得られる。
【0123】
更に、図5に示したように、ロック外カム32を前記のような弾性体を含む構造体にして、てこ式手段の作用対象となるロック外カム32の前記押し面21bとの接触部やその周辺に、弾性機能をもたせると、前記同様の場合に、弾性体を含むロック外カム32の構造体の押し面21bとの接触部やその周辺が一時的に変形して、前記同様の効果が得られる。
【0124】
また、前記のことは、本図構造に限らず、てこ式手段のてこの作用点を含む構造体(例えば:支点をもつハンドルの、力点と前記支点を挟んで相反する側の、扉開放力を与えるハンドルの端と、前記支点との間の前記ハンドル部の少なくとも一部。等)に、前記同様の弾性機能を設けたり、また、てこ式手段のてこの作用対象となる部分(例えば:支点をもつハンドルの、力点と前記支点を挟んで相反する側のハンドルの端が、扉開放力を与える外箱の当接部等)の少なくとも一部に弾性機能をもたせたり(例えば:当接部を板バネで当接部側を凸状に形成したり、外箱を凹状にしたり等して、前記板バネが撓むような形状関係で外箱に取付ける。
【0125】
シリンダー内に圧縮バネを入れ、当接部側の前記シリンダー内にロッドを前後移動可能に設け、前記圧縮バネで緩衝機能をもたせ前記シリンダーを外箱に取付ける。等)して、前記てこ式手段のそれぞれの少なくとも一つを前記冷蔵室扉2や冷蔵庫本体1側に設けても、前記同様の効果は得られる。
【0126】
そして、前記各々の一時的な変形や捩じれは、前記異常荷重等を除くと、もとの形状等に戻り、また、通常使用においては、前記変形等は微小で、各々の作動に影響しないように設定されている。
【0127】
なお、前記各々の効果は独立して個々の場合で得られるが、場合によっては、前記各々の弾性機能を適度に組み合わせて各々の機能を調整して設けても、同様の効果が得られる。
【0128】
図11において、(a)〜(c)は冷蔵室扉2の下側で扉の右側を図10よりさらに開くときのロックカム部36とスライドカム22の相対位置の関係を示した図であり、(a)は図10の(c)で図4に示した握り部7dをもってさらに扉を手前に引いて、扉の右側がさらに開いた状態を示している。このとき、扉左側において第2溝カム42の円形部42bがヒンジピン34と接する位置になり、左側のスライドカム22は第2係止位置となる。
【0129】
そして、左側の第1カム突起44が第2カム突起35と係合を開始し、第1カム突起44が摺動案内され始める。また、扉右側では、スライド外カム43の摺動面43bが、ロック外カム32の摺動面32dと左側のヒンジピン34を回転軸とする円弧上を摺動する。
【0130】
そのため、左側のスライドカム22が左側のヒンジピン34からはずれないようにロックされ、扉が本体から脱落するのを防止し、扉の開閉を確実に行えるようにすることができる。
【0131】
さらに、扉が回転すると、左側のヒンジピン34を回転軸として、右側第1溝カム41の奥部41aの右側がヒンジピン34に接しながら移動し、その後、右側のヒンジピン34と第1溝カム41との係合が解除される。
【0132】
また、この右側第1溝カム41の奥部41aのヒンジピン34との係合は、スライド外カム43やロック外カム32が欠損したときや左側の第1カム突起44が第2カム突起35と係合するときの補助をすることになる。
【0133】
なお、左側の第1カム突起44が第2カム突起35と係合を開始し始め、第1カム突起44が摺動案内され始めるとき、左側のスライドカム22とロックカム部36の位置関係が正常でなく、前記スライドカム22が設定値より左側にずれて取付けられていると、または、前記スライドカム22が設定値より左側にずれてしまうと、左側のスライド外カム43はロック外カム32の左側に位置するようになる場合がある。
【0134】
このとき、冷蔵室扉2の左側に前方へ移動させる外力が加わる(例えば:図1のハンドル6を手前に引く)と、左側の第1カム突起44と第2カム突起35との係合関係が解消され、左側のヒンジピン34を第1溝カム41が通過可能となり、右側の第1溝カム41の奥部41aがヒンジピン34から離れたとき、冷蔵室扉2の左側も左側のヒンジピン34から外れ、冷蔵室扉2が脱落することになる。
【0135】
そのため、左右のスライドカム22とロックカム部36との位置関係は、設定通りの値に常に維持する必要があり、図8、図9に表示の前記位置決め突起22b、22c、40a、40bや位置決め用穴23a、23bは非常に重要な役割をはたすことになる。
【0136】
そして、図11の(b)に示すように、扉を握り部7dをもって右側から更に開くと、右側各々のカム機構のロック外カム32とスライド外カム43との係合が解除され、右側のロックカム部36とスライドカム22との係合が解除される。
【0137】
また、扉の左側では、ヒンジピン34の軸中心を中心として、スライド外カム43の摺動面43cとロック外カム32の摺動面32eとが摺動し、スライド外カム43がロック外カム32に摺動案内される。
【0138】
その後は、図11の(c)に示すように、左側の第1カム突起44と第2カム突起35との係合のみにより、左側のスライドカム22がロックカム部36に案内され、左側のヒンジピン34の軸中心を回転中心として扉が開かれる。
【0139】
なお、図10、図11は図4に示した扉右側のハンドル7の握り部7dを握って手前に引き、扉の右側を開くときの冷蔵室扉2のスライドカム22とロックカム部36の関係を示したものであるが、冷蔵室扉2の上方のロックカム37とスライドカム40との関係も同様である。
【0140】
また、前記図11の(c)に示した状態から、開いた扉の右側を閉じる場合は、扉の前面の右端近くを手で押すとよく、スライドカム22やロックカム部36の各部の関係は前記図10および図11と同様となり、ハンドル7の握り部7dを握って手前には引いていないため、カムレバー21のみはバネ25の反力で図10の(a)の状態になっている。また、扉の左側を開ける場合は、前記図10および図11の図を左右方向で反転させた関係となる。
【0141】
図12において、本図は他の実施例を示すもので、図1における冷蔵室扉2右側の扉閉止状態でのドアキャップ下10付近のB−B線断面図である図5に相当する図である。なお、左側のドアキャップ下10付近における相当断面図は、本図を左右方向で反転したものとなる。
【0142】
そして、前記下シャフト19に相当する下シャフト48の下方のL状曲げ部48bへは、下方からスライドカム部であるスライドカム49に組み込まれたアームとなるカムレバー50が囲むように取り付けられている。なお、前記スライドカム49およびカムレバー50は、前記下シャフト48の回動軸中心48cが前記ロック外カム32の前端より後方に位置することのみ異なり、その他は同様の構造となっている。
【0143】
また、ロック外カム32の前方を押す前記カムレバー50の押し面50bは、前記ロック外カム32の前方を押している間のほとんどを、前記下シャフト48のてこの支点となる回動軸中心48cが前記ロック外カム32の前端より後方に位置するようになっているため、前記ロック外カム32の前方を斜め右側(扉の側面側)前方から押すようになっており、その反力として冷蔵室扉2を右側(扉の側面側)前方へ移動させるような力が働くことになる。
【0144】
そのため、てこのアームである前記カムレバー50による移動動作力の一部の分力が、扉を第2係止位置へ移動させるように働くため、扉開放時の扉の移動が容易で扉が確実に移動するようになり、扉開放操作の良好な扉開閉機構が得られる。
【0145】
そして、前記下シャフト48、カムレバー50、押し面50bの各々の少なくとも一つを、図5や図9で述べたような弾性体を含む構造に同様にすると、てこ式手段による荷重のかかる個所の変形や破損の防止等をすることができ、同様の効果が得られる。
【0146】
なお、前記で、てこ式の扉開閉機構を設けた場合、前記各々のカム機構には、通常の開閉動作より大きな荷重がかかる場合(例えば:ハンドルを急激に力いっぱ引く、両側にあるハンドルを同時に体重をかけて引く等)があるが、前記カム機構の位置決め突起22b、22c、40a、40bを補強した後、従来より太いビスで前記カム機構を取り付けると、更に正確な前記各々の位置関係が保たれるとともに、更に丈夫なカム機構の取り付けが可能となり、てこ式の扉開閉機構が強化され、経年使用での前記カム機構の位置ずれ等による、扉の開閉動作での操作性低下の恐れが更にない、安全性のより増した、いつまでも安定した良好な操作性を備えた扉開閉機構が得られる。
【0147】
また、前記で断熱材2aは発泡ウレタンを用いているが、他の発泡断熱材でもよく、また、ガラスウール等の断熱材であってもよい。また、前記は、てこのアームであるカムレバーが扉の下方にのみある場合であるが、扉の上方の前記相当位置にもカムレバーを設け対応すると、扉の作動はさらに良くなることは明白である。
【0148】
そして、前記は冷蔵庫の左右両開きの扉についての説明であるが、他の扉であっても同様の効果が得られ、また、扉の開きが上下方向でもよく、また、扉が上面や下面にあっても類似の効果が得られる。
【0149】
なお、前記で左右方向とは、冷蔵庫を正面から見て左右の方向を意味し、前後方向とは、冷蔵庫を正面から見て前後の方向を意味する。また、本図において、板厚などの薄い断面を示す部分に対するハッチングは省略している。
【0150】
【発明の効果】
本発明の扉開閉機構は前記のような構成であるから、てこ式手段による扉開閉の操作性が向上するばかりでなく、てこ式手段に弾性機能をもたせたため、衝撃荷重等の無理な荷重を作用部では和らげることができ、前記荷重のかかる個所の変形や破損を防止し、扉の開閉動作での良好な操作性を維持することができ、いつまでも安定した良好な操作性を備えた安全性のより増した扉開閉機構が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の扉開閉機構を備えた冷蔵庫の正面図である。
【図2】図1のてこ式手段によるハンドル付近の拡大図である。
【図3】図2のハンドルサポートおよびハンドルベースを下方から見た図である。
【図4】図1のA−A線断面図である。
【図5】図1のB−B線断面図である。
【図6】本発明の扉開閉機構で扉の下側にあるヒンジアングルを示す図である。
【図7】本発明の扉開閉機構で扉の上側にあるロックカムを示す図である。
【図8】本発明の扉開閉機構で扉の上側にあるスライドカムを示す図である。
【図9】本発明の扉開閉機構のスライドカム付近で扉の下側の一部とその関連部品を示す部分拡大図である。
【図10】本発明の扉開閉機構の動作を示す図である。
【図11】本発明の扉開閉機構の動作を示す図である。
【図12】本発明の扉開閉機構の他の実施例を示す図で、図1のB−B線断面図に相当する図である。
【符号の説明】
2 冷蔵室扉(扉)
19 シャフト(連結部材)
21 カムレバー(アーム部)
48 シャフト(連結部材)
50 カムレバー(アーム部)
32 ロック外カム(作用対象部)
Claims (3)
- 本体部に設けられた開口部の周囲に接離する扉により該開口部を開閉する扉開閉機構において、前記扉に回動可能に設けられるハンドルと、前記ハンドルと一体に回転して前記ハンドルの回動軸となる弾性材料から成るシャフトと、前記シャフトに取り付けられるとともに前記ハンドルの回動に伴って前記本体部を押圧して前記扉を前記本体部から所定間隔離隔させるアームとから成るてこ式手段を備え、前記ハンドルと前記アームとは異なる面内で回動するとともに、前記アームが前記本体部を押圧する際に前記シャフトが捩られて前記アームの押圧力を和らげる方向に付勢することを特徴とする扉開閉機構。
- 前記アームの前記本体部との当接部に弾性体を設けたことを特徴とする請求項1に記載の扉開閉機構。
- 扉の両側に扉と本体の係合・離脱を行うカム機構をそれぞれ設け、前記カム機構は扉の両側で対称な第1係止位置と第2係止位置をとることができ、扉の閉止状態で前記両側のカム機構は第1係止位置をとり、扉の前記両側の一方を開放のとき、扉開放側へ扉は所定の距離だけ移動して第2係止位置をとるとともに第2係止位置で回転自在にロックされ、扉の両側の少なくとも一方に前記てこ式手段を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の扉開閉機構。
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