JP3698533B2 - 分解性共重合体を生分解性接着剤として使用する方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性接着剤として使用する方法に関する。本発明に関わる生分解性接着剤として使用する方法は、重合体構成成分として、少なくとも1種類の脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルを架橋することを特徴とするものを接着剤として使用する方法である。本発明に関わる生分解性接着剤として使用する方法は、有利な特性を活かした生分解性フィルム、生分解性不織布または紙等の生分解性基材用の接着剤として、また、製本、袋装、木工、等の省力型接着剤として使用することを提供する事ができる。
【0002】
【従来の技術】
従来、製本、袋装、木工、等の省力型接着剤として広く知られていたエチレン−酢酸ビニルコポリマー、スチレンブロックコポリマー、ブチルゴム、エチレン−エチルアクリレートコポリマー等のオレフィン樹脂や、ポリビニルアルコール系の接着剤が知られている。このような先行技術は段ボールや紙箱の投函、製本の背貼り用途に適合しそれらの古紙回収適性を満足させる技術として利用されているが、用途が限定されており、廃水処理の問題やポリマー自身の崩壊性に欠ける等の難点があった。近年の環境問題に対する意識の高まりから、天然素材または生分解性素材を利用した商品の開発が行われてきた。従来のデンプンのり、にかわ等の天然素材の接着剤やポリビニルアルコール系の接着剤は、品質が不安定、耐水性が乏しい、接着強度が低い等の欠点を有していた。周知のように、多価アルコール類と多塩基酸類からポリエステルを合成するいくつかの方法が知られている。
【0003】
〔特開平7−228675号・米国特許第5,401,796号〕本出願の発明者らは、既に特開平7−228675号、及び、米国特許第5,401,796号において、脂肪族多価アルコール類又はその混合物と脂肪族多塩基酸類又はその混合物、又はそれらのオリゴマーを、有機溶媒を含む反応混合物中で加熱脱水反応させることを特徴とするとする重量平均分子量が15,000以上である脂肪族ポリエステルを製造する技術を開示した。
【0004】
(1) 目的
この技術の目的は、脂肪族多価アルコール類と脂肪族多塩基酸類とを、有機溶媒を含む反応混合物中で直接縮合反応させて、高分子量で不純物を含まず、低着色度で生体内でも加水分解され吸収される医療用に有用な脂肪族ポリエステルを提供することである。
【0005】
(2) 構成
この技術の構成は、以下のとおりである。脂肪族多価アルコール類と脂肪族多塩基酸類、または、脂肪族多価アルコール類と脂肪族多塩基酸類等とヒドロキシカルボン酸類とを用い、該モノマーを、有機溶媒(好ましくは、アニソール、フェネトール、ジフェニルエーテル等)を含む反応混合物中で、直接縮合反応を行う。そして、生成した水、過剰なモノマーを有機溶媒と共に反応家系外に留出させ、重量平均分子量が15000以上である脂肪族ポリエステルを得る。しかしながら、この技術の中には、脂肪族飽和ポリエステルについてのみ開示され、化学的性質を異にする脂肪族不飽和ポリエステルあるいは生分解性接着剤については一切開示がない。
【0006】
〔特開昭60−101118号〕特開平60−101118号には、生物学的再吸収性ポリエステル及びポリエステル組成物について開示されている。
【0007】
(1) 目的
この技術の目的は、クレブス・サイクルジカルボン酸、ジオール及びα−ヒドロキシカルボン酸を縮合反応させてなる、哺乳動物の神経の再生及び誘導を助ける為の縫合糸等の外科用物品の製造に有用な、生物学的再吸収性ポリエステル及びポリエステル組成物を提供することである。
【0008】
(2) 構成
この技術の構成は、以下のとおりである。
(A) コハク酸、フマル酸、オキザロ酢酸、L−リンゴ酸及びD−リンゴ三からなる群から選ばれたクレブス・サイクルジカルボン酸又はその異性体あるいは酸無水物、(B) 炭素原子数が、2、4、6又は8であるジオール、及び、(C) グリコール酸、L−乳酸及びD−乳酸からなる群から選ばれたα−ヒドロキシカルボン酸、を縮合反応させて得られる、モノマー副次単位がポリエステル分子中でランダムに配列したポリエステルである。このポリエステルは、非毒性、非抗原性、生物学的分離性及び生物学的再吸収性であり、それらの分解生成物は現存する代謝系路を経て体内から除かれる性質を有し、切断した神経の再生と誘導を助ける為の縫合糸、結索糸及び微小管導管を含めた外科用物品の製造に有用である。しかしながら、ポリエステルの好ましい平均分子量〔重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)等〕ついては開示がなく、さらに生分解性接着剤については全く開示がない。
【0009】
〔特開平2−140213号〕特開平2−140213号には、生物医学的用途向け改良ポリ(プロピレングリコールフマレート)組成物について開示されている。
【0010】
(1) 目的
この技術の目的は、末端基の比率、重量平均分子量及び数平均分子量を特定としてなる、機械的性質及び生分解生を改良し、高い再現生を有し、骨セメント等生物医学用途に有用な標記組成物を提供することである。
【0011】
(2) 構成
この技術の構成は、以下のとおりである。好ましい重量平均分子量(Mw)約500〜3000、数平均分子量(Mn)約300〜2000であり、かつポリマー1g当たり1〜2mmolのカルボン酸末端基を有するフマル酸及びプロピレングリコールのポリマーを有するポリマー組成物である。尚、機械的強度が10〜25MPaであり、製造に際しては、フマル酸とビス,プロピレングリコールフマレート及びMPMペンタマーからなる群から選ばれた化合物との、0.65:1の比で反応生成物を含むことが好ましい。しかしながら、生分解性接着剤については全く開示がない。
【0012】
〔特開平7−133333号〕特開平7−133333号には、脂肪族不飽和ポリエステルウレタン組成物について開示されている。
【0013】
(1) 目的
この技術の目的は、実用上十分な物性を有し、数平均分子量に比べ、重量平均分子量を安定的に増大させ、粘度のバラつきを押さえることのできる生分解高分子量ポリエステルの製造方法を提供することである。
【0014】
(2) 構成
この技術の構成は、以下のとおりである。
(A) 脂肪族飽和ジカルボン酸(または無水物)95〜99.9モル%と脂肪族不飽和ジカルボン酸(または無水物)0.1〜5モル%と
(B) 脂肪族あるいは環状脂肪族多価アルコールとを重縮合して得られる重量平均分子量30,000以上の不飽和ポリエステル〔I〕と
(C) 末端基100当量に対して1当量以上が重合可能な不飽和基である重量平均分子量30,000以上のポリエステル〔II〕とを混合し、
(D) 不飽和結合同士を有機過酸化物を用いて共重合させるポリエステル。
(E) 不飽和ポリエステル〔I〕にさらに多価イソシアナートを反応させたもの。
(F) 不飽和ポリエステル〔I〕とポリエステル〔II〕との混合物に多価イソシアナートを反応させたもの。
(G) 脂肪族あるいは環状脂肪族多価アルコールのほかにジエポキシド、3官能以上の多価アルコール・多価カルボン酸およびオキシカルボン酸からなる群から選ばれたすくなくとも一種類の多官能化合物を用いるポリエステル。
しかしながら、生分解性接着剤については全く開示がない。
【0015】
〔特開平5−339557号〕特開平5−339557号には、ホットメルト接着剤組成物について開示されている。
【0016】
(1) 目的
この技術の目的は、分子量10、000以上の高分子ポリ乳酸または、ウレタン化変性やアルキルエステル化変性等の改質高分子ポリ乳酸を熱可塑性樹脂成分の1種として、また乳酸オリゴマーやその改質乳酸オリゴマーを粘着付与成分の1種として使用する等アルカリ水崩壊性および微生物分解性に優れたホットメルト接着剤組成物を提供することである。
【0017】
(2) 構成
この技術の構成は、以下のとおりである。
(A) ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸から誘導された乳酸共重合樹脂組成物、溶融粘度が10〜30センチポイズ/180〜210℃の範囲のホットメルト接着剤組成物。
(B) ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸から誘導された乳酸共重合樹脂とジイソシアナートのモル比で2:(1:0.9)のウレタン化ポリ乳酸。
(C) ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸から誘導された乳酸共重合樹脂とジオール化合物またはジカルボン酸をモル比で2:(1:0.9)の割合で脱水縮合したエステル化ポリ乳酸。
(D) ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸から誘導された乳酸共重合樹脂とジグリシジル化合物をモル比で2:(1:0.9)の割合で反応したエポキシ変性ポリ乳酸。
(E) ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸から誘導された乳酸共重合樹脂のいずれかと乳酸アルキルエステルの同モル量に対しジイソシアナート化合物をモル比で(1:1):(1:0.9)の割合で反応したウレタン化変性ポリ乳酸。
(F) ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸から誘導された乳酸共重合樹脂または前記(B)〜(E)の分子末端に加水分解性シリル基を導入したシリル化ポリ乳酸。
(G) ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸から誘導された乳酸共重合樹脂または前記(B)〜(E)の分子末端をアルキルエステル化封鎖した末端エステル化ポリ乳酸。
(H) 重量平均分子量30,000以下のポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸から誘導された乳酸共重合樹脂で、ヒドロキシル価または酸価が1以下のホットメルト接着剤組成物。
この技術は、以上のポリ乳酸または、ウレタン化変性やアルキルエステル化変性等の改質高分子ポリ乳酸を熱可塑性樹脂成分の1種として、また乳酸オリゴマーやその改質乳酸オリゴマーを粘着付与成分の1種として使用する等アルカリ水崩壊性および微生物分解性に優れたホットメルト接着剤組成物についての開示であり、重合体構成成分として脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルを架橋した生分解性接着剤については全く開示がない。
【0018】
〔特開平8−92359号〕特開平8−92359号には、乳酸とカプロラクトンからなる生分解性接着剤について開示されている。
【0019】
(1) 目的
この技術の目的は、従来の生分解性接着剤に比べて品質が安定で耐水性に優れ、接着強度の高い生分解性基材用の生分解性ポリエステル接着剤を提供することである。
【0020】
(2) 構成
この技術の構成は、以下のとおりである。
(A)乳酸残基60〜95モル%(L/Dモル比が1〜9)、カプロラクトン残基5〜30モル%含有し、還元粘度0.5〜1.5dl/gである生分解性ポリエステルを含有する生分解性ポリエステル接着剤。
(B)生分解性ポリエステル中にオキシ酸、コハク酸、プロピレングルコールまたはグリセリンの残基が含有されている生分解性ポリエステル接着剤。
この技術は、乳酸とカプロラクトンからなる生分解性ポリエステル接着剤についての開示であり、重合体構成成分として脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルを架橋した生分解性接着剤については全く開示がない。
【0021】
〔特開平8−259625号〕特開平8−259625号には、高水酸基価ラクトン重合体およびその製造方法について開示されている。
【0022】
(1) 目的
この技術の目的は、粘着剤、接着剤、硬化物材料、増粘剤、ポリマー可塑剤、塗料、潤滑油、各種バインダー、生分解性用途および医療用途等に利用可能な高水酸基価ラクトン重合体およびその製造方法を提供することである。
【0023】
(2)構成
この技術の構成は、以下のとおりである。重合体1g当たりの水酸基モル数が1×10-4〜1×10-2モル、分子当たりの水酸基数が10〜1×5000個、かつ数平均分子量が20,000〜2,000,000の範囲の高水酸基価ラクトン重合体等の製造方法。この技術は、高水酸基価ラクトン重合体およびその製造方法について開示であり。重合体構成成分として脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルを架橋した生分解性接着剤については全く開示がない。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、自然環境下、コンポスト条件下、あるいは、加水分解条件下での分解性を持ち、さらに、従来から使用されている天然素材のデンプンのり、にかわ等の天然素材の接着剤やポリビニルアルコール系の接着剤にくらべて、品質が安定で、耐水性に優れ、接着強度の高い生分解性接着剤として使用する方法を提供するものである。本発明者らは、脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸又は脂肪族ヒドロキシカルボン酸を重合体構成成分とする脂肪族ポリエステルの製造方法について鋭意検討を推進した結果、分子中に不飽和結合を有する低分子量の脂肪族ポリエステルを架橋することにより、優れた分解性と優れた接着性を併有する接着剤として使用する方法を見出し、本発明を完成するに至った。本発明の生分解性接着剤接着剤として使用する方法には、粘着性を有するものを使用する方法も含まれる。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本出願に係る発明は、以下の〔1〕〜〔13〕に記載した事項により特定される。
【0026】
〔1〕重合体構成成分として、少なくとも1種類の脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルを架橋することを特徴とする生分解性接着剤として使用する方法。
【0027】
〔2〕重合体構成成分として、脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルが、(a1)脂肪族多価アルコール及び脂肪族不飽和多塩基酸、(a2)脂肪族不飽和オリゴエステル、(a3)脂肪族不飽和ポリエステル、からなる群から選択された少なくとも1種(A)と、(b1)脂肪族多価アルコール及び脂肪族飽和多塩基酸、(b2)脂肪族ヒドロキシカルボン酸、(b3)脂肪族飽和オリゴエステル、(b4)脂肪族飽和ポリエステル、からなる群から選択された少なくとも1種(B)を、有機溶媒中、触媒の存在下、生成した水及び/又は過剰モノマーを含くむ有機溶媒の少なくとも一部を反応混合物から除去し、除去した有機溶媒に含まれる水及び/又は過剰モノマー濃度より少ないか等しい水及び/又は過剰モノマー濃度の追加有機溶媒を反応混合物中に装入しながら加熱脱水反応させて得られた、脂肪族ポリエステルである、〔1〕に記載した方法。
【0028】
〔3〕重合体構成成分として、脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルが、30,000以下の重量平均分子量を有するものである、〔1〕又は〔2〕に記載した方法。
【0029】
〔4〕重合体構成成分として、脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルが、25℃以下のガラス転移温度を有する非晶性ポリマーである、〔1〕乃至〔3〕の何れかに記載した方法。
【0030】
〔5〕重合体構成成分として、脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルが、25℃以下の融点を持つ結晶性ポリマーである、〔1〕乃至〔3〕の何れかに記載した方法。
【0031】
〔6〕脂肪族不飽和多塩基酸が、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸及びこれらの無水物からなる群から選択された少なくとも1種であることを特徴とする、〔1〕乃至〔5〕の何れかに記載した方法。
【0032】
〔7〕脂肪族不飽和多塩基酸が、0.001〜5モル%以下であることを特徴とする、〔1〕乃至〔6〕の何れかに記載した方法。
【0033】
〔8〕ヒドロキシカルボン酸が、グリコール酸、乳酸、6−ヒドロキシカプロン酸あるいは、これらの環状エステル類からなる群から選択された少なくとも2種以上 であることを特徴とする〔1〕乃至〔7〕の何れかに記載した方法。
【0034】
〔9〕重合体構成成分として、脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルが、重合体構成成分として一般式(1)〔化2〕で表されるエチレングリコールの重合物を含むものであることを特徴とする、〔1〕乃至〔7〕の何れかに記載した方法。
【0035】
【化2】
HO−(−CH 2 CH 2 O−) n −H (1)
(2≦n≦10)
【0036】
〔10〕nが、2≦n≦3であることを特徴とする、〔9〕に記載した方法。
【0037】
〔11〕架橋が、熱重合によるものであることを特徴とする、〔1〕乃至〔10〕の何れかに記載した方法。
【0038】
〔12〕架橋が、光重合によるものであることを特徴とする〔1〕乃至〔10〕の何れかに記載した方法。
【0039】
〔13〕架橋が、重合開始剤及び/又は増感剤を使用することを特徴とする、〔1〕乃至〔10〕の何れかに記載した方法。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明に係る生分解性接着剤として使用する方法は、その好ましい実施の形態において、重合体構成成分として、30,000以下の重量平均分子量を有する脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルを架橋することにより得られる。本発明において、重合構成成分として使用される脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルは、多塩基酸として脂肪族不飽和多塩基酸又は脂肪族不飽和多塩基酸と脂肪族飽和多塩基酸の混合物及び、少なくとも2種類以上の脂肪族ヒドロキシカルボン酸を、脂肪族多価アルコールとを重縮合することにより得られる。
【0041】
〔脂肪族不飽和多塩基酸〕本発明において使用する脂肪族不飽和多塩基酸類としては、一般的には、二塩基酸が好ましい。本発明において使用する脂肪族不飽和多塩基酸類の具体例としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、を挙げることができる。本発明において使用する脂肪族不飽和多塩基酸類の使用量は、一般的には、使用するポリマーの0.001〜5モル%以下が好ましく、特に好ましくは0.001〜3モル%である。
【0042】
〔脂肪族不飽和多塩基酸〕本発明において使用する脂肪族飽和多塩基酸類の具体例としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、及び、これらの無水物を挙げることができる。本発明において使用する脂肪族飽和多塩基酸類としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸等の三官能以上の多塩基酸を少量含んでいてもよい。
【0043】
〔多価アルコール〕本発明において使用する多価アルコール類としては、一般的には、二官能アルコールが好ましい。たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール等を挙げることができる。さらに、グリセリン、トリメチロールプロパン等の三官能以上のアルコールを少量含んでいてもよい。これらの中では、一般的には、一般式(1)〔化3〕で表されるエチレングリコールの重合物が好ましく、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールが特に好ましい。
【0044】
【化3】
HO−(−CH2 CH 2O−)n −H (1)
(2≦n≦10)
〔ヒドロキシカルボン酸〕本発明において使用するヒドロキシカルボン酸類の具体例としては、例えば、グリコール酸、乳酸、6−ヒドロキシカルボン酸あるいは、これらの環状エステル類の少なくとも二種類以上の組み合わせが挙げられる。特に、乳酸と6−ヒドロキシカルボン酸の構成成分の組み合わせが、好ましい。また、その組成比としては、乳酸30〜70モル%と、6−ヒドロキシカルボン酸70〜30モル%が好ましく、乳酸50モル%と、6−ヒドロキシカルボン酸50モル%が特に、好ましい。これらの構成成分の組合せとしては、得られる脂肪族ポリエステルが結晶性ポリマーの場合には、融点が25℃以下になるものが好ましく、また、非晶性ポリマーの場合には、ガラス転移点が、25℃以下になるものが好ましい。例えば、コハク酸とジエチレングリコールのポリエステル、コハク酸とトリエチレングリコールのポリエステル、アジピン酸とジエチレングリコールのポリエステル、アジピン酸とトリエチレングリコールのポリエステル等が挙げられる。または、例えば、乳酸と6−ヒドロキシカルボン酸とイタコン酸とトリエチレングリコールの混合物のポリエステル、乳酸と6−ヒドロキシカルボン酸とイタコン酸とジエチレングリコールの混合物のポリエステル、乳酸と6−ヒドロキシカルボン酸とフマル酸とトリエチレングリコールの混合物のポリエステル、乳酸と6−ヒドロキシカルボン酸とフマル酸とジエチレングリコールの混合物のポリエステル等が挙げられる。
【0045】
〔脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルの製造方法〕本発明の脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルは、特に制限されず、どのような製造方法により製造されたものでもよい。例えば、脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸とのエステル化及びこれに続く高減圧下における脱グリコール反応によって製造する方法、または、米国特許第5,401,786号(特開平7−228675号)や欧州特許公開公報0712880A2に記載された脂肪族ポリエステルの製造方法に準じて、脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸を、または、(a1)脂肪族多価アルコール及び脂肪族不飽和多塩基酸、(a2)脂肪族不飽和オリゴエステル、(a3)脂肪族不飽和ポリエステルからなる群から選択された少なくとも1種(A)と、(b1)脂肪族多価アルコール及び脂肪族飽和多塩基酸、(b2)脂肪族ヒドロキシカルボン酸、(b3)脂肪族飽和オリゴエステル、(b4)脂肪族飽和ポリエステル、からなる群から選択された少なくとも1種(B)を、有機溶媒中、触媒の存在下、脱水縮合反応する方法で製造することができる。特に、有機溶媒中、触媒の存在下、脱水縮合する方法が装置的に有利である。この方法は、生成した水または過剰のモノマーを該有機溶媒と共に反応系外に留出させるとともに、留出した有機溶媒に溶解する水またはモノマーの以下の水またはモノマー含有量を有する有機溶媒を追加溶媒として反応系に装入しながら反応することにより、高分子量の脂肪族ポリエステルを得るものである。一般的には、1g当たり、1×10-6〜1×10-2モルの不飽和結合を有するものが好ましい。本発明の脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルは、一般的には、1g当たり、1×10-6〜1×10-3モルの不飽和結合を有するものが好ましい。
【0046】
[有機溶媒]本発明において使用する有機溶媒の具体例としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨ−ドベンゼン、ジクロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、p-クロロトルエン等のハロゲン系溶媒、3−ヘキサノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等のケトン系溶媒、ジブチルエ−テル、アニソ−ル、フェネトール、o−ジメトキシベンゼン、p−ジメトキシベンゼン、3−メトキシトルエン、ジベンジルエーテル、ベンジルフェニルエーテル、メトキシナフタレン等のエーテル系溶媒、フェニルスルフィド、チオアニソール等のチオエーテル溶媒、安息香酸メチル、フタル酸メチル、フタル酸エチル等のエステル系溶媒、ジフェニルエーテル、または4−メチルフェニルエーテル、3−メチルフェニルエーテル、3−フェノキシトルエン等のアルキル置換ジフェニルエーテル、または、4−ブロモフェニルエーテル、4−クロロフェニルエーテル、4ーブロモジフェニルエーテル、4−メチル−4’−ブロモジフェニルエーテル等のハロゲン置換ジフェニルエーテル、または、4−メトキシジフェニルエーテル、4−メトキシフェニルエーテル、3−メトキシフェニルエーテル、4−メチル−4’−メトキシジフェニルエーテル等のアルコキシ置換ジフェニルエーテル、または、ジベンゾフラン、キサンテン等の環状ジフェニルエーテル等のジフェニルエーテル系溶媒が挙げられ、これらは、混合して用いてもよい。そして、溶媒として容易に水と分液分離できるものが好ましく、特に平均分子量の高い脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルを得るためにはエーテル系溶媒、アルキル−アリールエーテル系溶媒およびジフェニルエーテル系溶媒がより好ましいが、アルキル−アリールエーテル系溶媒およびジフェニルエーテル系溶媒が特に好ましい。これらの溶媒の使用量は得られるポリマーの濃度で10〜80%であることが好ましい。
【0047】
[生成水及び/又は過剰のモノマーを反応系外に留出]この方法において、生成した水または過剰のモノマーを反応系外に留出させるには、用いた有機溶媒と水またはモノマーとの共沸によることが好ましい。共沸により留出した有機溶媒は、含有する水またはモノマーの量が該有機溶媒に対する水またはモノマーの溶解度より多い場合は分液により水またはモノマーを除去した後、反応系内に戻して良く、さらに用いた有機溶媒に溶解した水またはモノマーを除くために、脱水、脱モノマー剤で処理したり、蒸留等により水またはモノマーの分量含有量を低下させた後、反応系内に戻してもよい。また共沸により留出した有機溶媒の代わりに、新たな水またはモノマーの含有量の低い有機溶媒を装入してもよい。また反応の始めの部分で水または過剰のモノマーを減圧により除去し、その後に有機溶媒を加え、有機溶媒を含む反応混合物より有機溶媒の一部を除去することにより、反応混合物の水またはモノマーを所定の値とすることもできる。つまり、少なくとも反応のある段階で溶媒を用いて水またはモノマーを除去しつつ縮合反応を進めるものであり、この実施態様としては、溶媒は水またはモノマーと共沸するものでもしないものでもよく、水またはモノマーと分液するものでもしないものでもよい。また、他の実施態様としては、過剰の溶媒を予め装入しておき、単に溶媒を抜き出すのみで脱水する方法、反応溶媒を他の溶媒を用いて乾燥する方法等も含まれる。またさらに変形として、反応溶媒自体を液状のまま水分を除去してもよい。また、本発明の反応温度については、溶媒が水と共沸するために、沸点が低下したとしても所定の温度で行われればよい。
【0048】
[重量平均分子量]脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルの平均分子量は、反応系に装入する有機溶媒の水またはモノマー量にも依存し、溶媒の種類にもよるが、溶媒が400〜500ppmと高い水分量を有する場合、得られる脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルの重量平均分子量は、10,000以下である。上記高水分量、高モノマー量でもジフェニルエーテル系溶媒あるいはオルソジクロルベンゼン等を用いると15,000以上の重量平均分子量の脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルが得られることは驚くべきことである。また、必要に応じて、留出した溶媒を、乾燥剤を入れた別の反応器で処理して反応器に戻すようにするか、または、新たな水分含有量の低い溶媒を反応器に装置入してもかまわない。
【0049】
[脱水剤/脱モノマー剤]脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルを得るために用いる脱水、脱モノマー剤としては、モレキュラーシーブ3A、モレキュラーシーブ4A、モレキュラーシーブ5A、モレキュラーシーブ13X等のモレキュラーシーブ類、アルミナ、シリカゲル、塩化カルシム、硫酸カルシウム、五酸化二リン、濃硫酸、過塩素酸マグネシウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、あるいは水素化カルシウム、水素化ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム等の金属水素化物、または、ナトリウム等のアルカリ金属等があげられる。中でも、取扱い及び再生の容易さからモレキュラーシーブ類が好ましい。
[反応条件]この方法における反応温度は、ポリマーの生成速度および生成したポリマーの熱分解速度を考慮して、好ましくは80〜200℃であり、より好ましくは、110〜170℃である。縮合反応は、通常、常圧下に使用する有機溶媒の留出温度で行われる。反応温度を好ましい範囲にするために高沸点の有機溶媒を用いる場合には、減圧下で行ってもよいし、低沸点の有機溶媒を用いる場合には、加圧下で行ってもよい。
【0050】
[触媒]この反応においては、触媒を使用しても使用しなくてもよいが、触媒を用いる場合には、周期表のII、III、IV、V族の金属、その酸化物あるいはその塩等が挙げられる。具体的には、亜鉛末、錫末、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ゲルマニウム等の金属、酸化錫、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等の金属酸化物、塩化第一錫、塩化第二錫、臭化第一錫、臭化第二錫、フッ化アンチモン、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等の金属ハロゲン化物、硫酸錫、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム等の硫酸塩、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛等の炭酸塩、酢酸錫、オクタン酸錫、酢酸亜鉛、酢酸アルミニウム等の有機カルボン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸錫、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、メタンスルホン酸錫、p−トルエンスルホン酸錫等の有機スルホン酸塩が挙げられる。その他、ジブチルチンオキサイド等の上記金属の有機金属酸化物、または、チタニウムイソプロポキサイド等の上記金属の金属アルコキサイド、または、ジエチル亜鉛等の上記金属のアルキル金属、または、ダウエックス、アンバーライト等のイオン交換樹脂等があげられる。その使用量は、使用する脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸、またはそれらのオリゴマーの0.0001〜10重量%が好ましく、経済性を考えると、0.001〜2重量%がより好ましい。
【0051】
[反応の操作]この反応を行うには、系外から水分が入らないように、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、不活性ガスで置換しながら又は不活性ガスでバブリングしながら行ってもよい。この方法では、反応で生成した水またはモノマーを有機溶媒と共に反応系外に留出させながら反応することができるが、好ましくは生成した水またはモノマーを有機溶媒と共に反応系外に留出させるとともに、留出した有機溶媒に溶解する水またはモノマーと同じか又は低い水またはモノマー量を有する有機溶媒を反応系に装入しながら反応することができ、その実施態様の好ましい一例を原料モノマーとしてジエチレングリコールおよびコハク酸とフマル酸を98対2のモル比で用いて以下に記載する。水分離器(例えば、Dean Stark trap)を備えた反応器に、溶媒及び所定量のジエチレングリコールおよびコハク酸とフマル酸と所定量の触媒を装入し、反応器を加熱し、生成した水を留出させ水分離器に導く。溶媒の溶解度以上の水を水分離器で分離して系外に除去し、溶解度分の水を含んだ溶媒は、反応系に戻す。この段階でジエチレングリコールおよびコハク酸とフマル酸がオリゴマー化する。この段階での重量平均分子量は、500〜1,000であり、重量平均分子量が5,000程度までになっていてもよい。この間の反応時間はおよそ0.5時間から数時間である。このオリゴマー化の反応は、あらかじめ別の反応器で、無溶媒、無触媒、減圧下で行っていてもよいし、無触媒で溶媒を用いて行ってもよい。このまま溶媒の留出温度で、反応が進むにつれて生成する水を除去し、水で飽和した溶媒を反応系に戻しながら反応をつづけもよいが、数時間反応すると、溶媒の種類にもよるが、重量平均分子量15,000〜50,000のものが得られる。さらに高分子量のポリマーを得るには、原料中の水がほぼ留出した後、水分離器をはずし、モレキュラーシーブ等の乾燥剤を充填した管をとりつけ、留出する溶媒がこの管をとおって還流するようにするか、留出した溶媒を、乾燥剤を入れた別の反応器で処理して反応器に戻すようにするか、または新たな水分含量の低い溶媒を反応器に装入する。これらの方法により溶媒に溶解する水の量を50ppm以下にし、このまま数十時間反応つづけることにより、溶媒の種類にもよるが、重量平均分子量50,000〜500,000の脂肪族不飽和多塩基酸を得ることができる。反応終了後、所望の分解性高分子組成物を得る処理方法はどのような方法でもよいが、例えば、反応液にピロリン酸を加え加熱し、その後炭酸カルシウムで中和処理後、熱濾過してから濃縮すれば、所望の脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルが得られる。この方法により得られる脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルの重量平均分子量は、溶媒の種類、触媒の種類および量、反応温度、反応時間、共沸により留出した溶媒の処理方法等を変えることにより、種々のものが得られるが、約15,000〜50,000である。
【0052】
[触媒の除去]この方法において、縮合反応を触媒の存在下で行った場合には、ポリマー中に触媒が残存するとポリマーの熱安定性、耐候性に影響する恐れがあるため、ポリマー中の触媒を除くことが好ましい。好ましい除去方法としては、縮合反応液を撹拌下酸性物質と接触させる方法である。酸性物質としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、ピロリン酸、ポリリン酸等の無機酸、または、酢酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸などが挙げられ、特に安価な塩酸、硫酸、硝酸などが好ましく、特にピロリン酸、ポリリン酸が好ましい。酸性物質の使用量は、ポリマーに対して0.0001〜5.0モル/100重量部であり、好ましくは0.001〜1モル/100重量部がよい。0.0001モルより少ないと触媒の除去効果が悪くなり、また5.0モルより多いとポリマーが劣化するなどの問題が生じる場合がある。
【0053】
[ポリマーと酸性物質を接触させる条件]ポリマーと酸性物質を接触させる条件は、特に制限されるものではないが、例えば、以下の(1)〜(4)等が好適な具体例として挙げられる。
(1)接触雰囲気・・・有機溶媒
(2)固形分濃度・・・3〜40重量%程度
(3)接触温度・・・・60〜160℃(好ましくは80〜130℃)
(4)接触時間・・・・0.1時間〜24時間(好ましくは0.5〜8時間程度)
[酸性物質の除去]中和する塩基としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類の炭酸塩等が挙げられる。中和終了後に、不溶物を触媒沈澱物と共に濾過除去する。塩基の使用量は、酸性物質に対して1〜10モル等量であり、好ましくは1〜3モル等量がよい。通常、1モル等量より少ないと酸性物質が残存し、ポリマーが劣化するなどの問題が生じる場合がある。塩基で中和する条件としては、ポリマーと酸性物質を接触させる条件と同様であり、中和時間は0.1時間〜2時間程度、特に好ましくは0.2〜1時間程度である。また、中和処理以外の操作方法としては、例えば、固体状担体で吸着して分離する操作方法がある。使用することができる固体状担体の具体例としては、例えば、鉱産物類、無機酸化化合物、イオン交換樹脂等の酸性物質を吸着する能力のあるものであればよく、例えば、ケイソウ土、ベントナイト、活性白土、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム、シリカゲル、アルミシリカゲル、活性炭、ゼオライト、デンプン、セルロース等が挙げられる。これらの中では、一般的には、ケイソウ土、ベントナイト、活性白土等の鉱産物類が好ましい。固体状担体の使用量は、一般的には、ポリマーに対して、0.5〜100重量%が好ましく、1〜30重量%がより好ましい。通常、これより少なすぎると、酸性物質が吸着しきれず、触媒の除去硬化が低減し、逆に、これより多すぎると、固体状担体の分離操作に負荷がかかるという問題を生じることがある。固体状担体への吸着時間は、酸性物質が実質的に固体状担体に充分に吸着されれば、特に制限されない。固体状担体への吸着時間は、一般的には、脂肪族ポリエステル溶液に、固体状担体を、好ましくは、10分以上、より好ましくは30分以上、接触させて撹拌することにより、酸性物質の吸着操作を行う。固体状担体への吸着温度は、酸性物質が実質的に固体状担体に充分に吸着されれば、特に制限されない。固体状担体への吸着温度は、一般的には、酸性物質で処理する温度と同じである。酸性物質の接触工程と、固体状担体への吸着工程を同時に実施できる利点があるので、酸性物質と固体状担体とを、反応系に同時に装入して処理をしてもよい。また、予め、酸性物質を固体状担体へ吸着させたものを、反応系に装入して処理をしてもよい。
【0054】
[ウレタン結合]本発明において、脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルは、少量のウレタン結合を含んでいてもよい。本発明において、脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルは、上述の方法によって得られた脂肪族ポリエステルをジイソシアネート化合物のような結合剤で鎖延長したものであってもよい。
【0055】
[架橋]本発明において、脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルを架橋する方法は、特に制限されない。本発明において、脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルを架橋する方法の具体例としては、例えば、熱による熱重合、紫外線による光重合、ガンマー線による重合等を挙げることができる。一般的には、熱重合の場合は、架橋に数時間から数十時間を要するのに対して、光重合は数秒から数分で硬化可能であることや、必要とする装置の規模等から紫外線による光重合が、より好適に用いられる。熱重合におけるラジカル発生剤、即ち、ラジカル重合開始剤は特に限定されず、公知の過酸化ベンゾイル、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどの過酸化物およびアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物が用いられる。これらの1種または2種以上の混合物は、脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステル100重量部に対して、0.005〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部の割合で用いられる。熱重合法によって硬化する場合の重合温度、重合時間は、使用するラジカル重合開始剤、硬化物の大きさ等により決められる。
【0056】
紫外線による光重合におけるラジカル発生剤、即ち、増感剤は、特に限定されず、公知の4−フェノキシジシクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1オン、1−(4−ドデシルフェニル)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2(O−エトキシカルボニル)オキシム、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレキノン、カンファーキノン、ジベンゾスベロン、2−エチルアンスラキノン、4’,4”−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等が用いられる。これらの1種または2種以上の混合物は、脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステル100重量部に対して、0.005〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部の割合で用いられる。さらに、上記増感剤に前述のラジカル重合開始剤を併用することもできる。ガンマー線による重合ではラジカル重合開始剤は特に必要としない。
【0057】
[用途]本発明の生分解性接着剤として使用する方法は、溶剤型接着剤でもホトメルト接着剤でも、どちらでも使用することができる。溶剤型接着剤として用いる場合、使用する溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤等が挙げられる。また、上記生分解性接着剤を上記溶剤に溶解した後、ロールコーター、スプレー、ディップ方式、その他の方法で対象物に塗布ご乾燥させて、接着させることができる。ホットメルト接着剤として用いる場合、上記生分解性接着剤以外に、流れ調整剤、可塑剤、充填剤等を配合して、流れ特性、接着特性等の改善を行うことができる。また、ホットメルトアプリケーター等を用いて、ホットメルト接着剤を対象物に塗布し、接着させることができる。なお、本発明の生分解性接着剤として使用する方法は、生分解性フィルム、生分解性不織布、紙等の生分解性基材を接着させる場合に用いるのが特に好ましい本発明の生分解性接着剤として使用する方法としては、特に限定されるものではないが、具体例としては、生分解性プラスッチクをはじめ、金属、石材、陶磁器、ガラス、コンクリート、石膏、セラミック等の無機物、木材、紙、布、不織布、プラスチック類が挙げられ、それらの各種生活必需品を対象とするのが好ましく、さらには、リサイクル適性の要請の強い紙類やアルミやガラスや生分解性プラスチックは好ましい接着対象例である。
【0058】
[添加剤]本発明に係る生分解性接着接着剤として使用する方法は、各種用途に活用されるが、必要に応じて、補強剤、フィラー、可塑剤、増粘剤、着色剤等を併用することができる。
【0059】
【実施例】
以下に実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0060】
[実施例における物性測定の方法]この実施例で用いた評価方法は、以下の通りである。
【0061】
(1) 重量平均分子量
不飽和ポリエステルの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(カラム温度40℃、クロロホルム溶媒)により、ポリスチレン標準サンプルとの比較で求めた。
【0062】
(2) 溶媒中の水分測定
カールフィッシャー水分計(MKC−210、京都電子工業株式会社製)を用いて行った。
【0063】
(3) 紫外硬化装置
アイ紫外硬化用装置(岩崎電気株式会社製)を用いて行った。上方照射光 107mW/cm2 ,下方照射光 102mW/cm2エネルギーとして60secで12540(mJ/cm2 )となる。
【0064】
(4) 示差熱分析
走査熱量計(DSC−3100、マックサイエンス社製)で、−100℃〜230℃の範囲で分析した。
【0065】
(5)接着強度
貼合わせサンプル2.5cm×10cmを用い、引張速度200mm/min、23℃、60%RHの条件下、テンシロン(オリエンテック社製)によりTピールを測定した。
【0066】
(6) 分解性
貼合わせサンプルを堆肥中に、50〜 60℃で、30日間、埋設した。埋設の前後で、目視観察で分解の程度を評価した。
【0067】
[実施例1]
(1)ポリマーの製造
ジエチレングリコール106.1gとコハク酸115.7gとフマル酸2.3gと、さらに酸化第1錫0.94gを加え、窒素を流しながら150℃/1atmで2.5時間、次いで、150℃/15mmHgにして0.5時間、系外に水を流出しながら加熱撹拌しオリゴマー化した。これに、オルソジクロルベンゼン464gを加えモレキュラーシーブ5A、40gが充填された管を付け、留出した溶媒がモレキュラーシーブ層中を通って反応器に戻るようにした。その後、140℃/250mmHgで10時間反応を行った。なお、モレキュラーシーブ層中を通過後の溶媒中の水分量は、2ppmであった。その反応マスに660gのオルソジクロルベンゼンを加え、ピロリン酸10gを添加し110℃で2時間撹拌した後に炭酸カルシウム22.5gで中和し、熱濾過をした。その濾液を減圧下に濃縮して溶媒を留去しポリマーを得た。
【0068】
(2)ポリマーの物性
得られたポリマーの重量平均分子量は18,000であった。該ポリマーを示差熱分析したところ、ガラス転移点−26.0℃の値を示した。
【0069】
(3) サンプルの作成
得られたポリマー10gをクロロホルム100gに溶解させ、開始剤(t−ブチルパーオキサイド)20mgを添加し、ポリ乳酸フィルム(厚さ30μm)上に乾燥厚み5μmで塗布し、乾燥させた後、紙(厚さ200μm)と貼合わせ、100℃で接着させた。この貼合わせサンプルを用いて、接着強度を以下のようにして評価した。
【0070】
(4) 接着強度
上記貼合わせサンプル2.5cm×10cmを用い、引張速度200mm/min、23℃、60%RHの条件下、テンシロン(オリエンテック社製)によりTピールを測定した。その結果、接着強度は380(g/25mm)であった。
【0071】
(5)分解性
上記貼合わせサンプル5cm×5cmを分解性試験した結果、サンプルの姿が完全に消失していた。
【0072】
[実施例2]
(1)ポリマーの製造
ジエチレングリコール106.1gとアジピン酸141.8gとフマル酸3.5gと、さらに酸化第1錫0.94gを加え、窒素を流しながら150℃/1atmで2.5時間、次いで、150℃/15mmHgにして0.5時間、系外に水を流出しながら加熱撹拌しオリゴマー化した。これに、オルソジクロルベンゼン464gを加えモレキュラーシーブ5A、40gが充填された管を付け、留出した溶媒がモレキュラーシーブ層中を通って反応器に戻るようにした。その後、140℃/250mmHgで3時間反応を行った。なお、モレキュラーシーブ層中を通過後の溶媒中の水分量は、2ppmであった。その反応マスに660gのオルソジクロルベンゼンを加え、ピロリン酸10gを添加し110℃で2時間撹拌した後に炭酸カルシウム22.5gで中和し、熱濾過をした。その濾液を減圧下に濃縮して溶媒を留去しポリマーを得た。
【0073】
(2)ポリマーの物性
得られたポリマーの重量平均分子量は9,000であった。該ポリマーを示差熱分析したところ、ガラス転移点は−47.0℃の値を示した。
【0074】
(3) サンプルの作成
得られたポリマー10gをクロロホルム100gに溶解させ、開始剤(t−ブチルパーオキサイド)20mgを添加し、ポリ乳酸フィルム(厚さ30μm)上に乾燥厚み5μmで塗布し、乾燥させた後、紙(厚さ200μm)と貼合わせ、100℃で接着させた。この貼合わせサンプルを用いて、接着強度を以下のようにして評価した。
【0075】
(4) 接着強度
上記貼合わせサンプル2.5cm×10cmを用い、引張速度200mm/min、23℃、60%RHの条件下、テンシロン(オリエンテック社製)によりTピールを測定した。その結果、接着強度は390(g/25mm)であった。
【0076】
(5)分解性
上記貼合わせサンプル5cm×5cmを分解性試験した結果、サンプルの姿が完全に消失していた。
【0077】
[実施例3]
(1)ポリマーの製造
ジエチレングリコール106.1gとコハク酸116.9gとイタコン酸1.3gと、さらに酸化第1錫0.94gを加え、窒素を流しながら150℃/1atmで2.5時間、次いで、150℃/15mmHgにして0.5時間、系外に水を流出しながら加熱撹拌しオリゴマー化した。これに、オルソジクロルベンゼン464gを加えモレキュラーシーブ5A、40gが充填された管を付け、留出した溶媒がモレキュラーシーブ層中を通って反応器に戻るようにした。その後、140℃/250mmHgで6時間反応を行った。なお、モレキュラーシーブ層中を通過後の溶媒中の水分量は、2ppmであった。その反応マスに660gのオルソジクロルベンゼンを加え、ピロリン酸10gを添加し110℃で2時間撹拌した後に炭酸カルシウム22.5gで中和し、熱濾過をした。その濾液を減圧下に濃縮して溶媒を留去しポリマーを得た。
【0078】
(2)ポリマーの物性
得られたポリマーの重量平均分子量は14,000であった。該ポリマーを示差熱分析したところ、ガラス転移点は−39.2℃の値を示した。
【0079】
(3)サンプルの作成
得られたポリマー10gをクロロホルム100gに溶解させ、開始剤(t−ブチルパーオキサイド)20mgを添加し、ポリ乳酸フィルム(厚さ30μm)上に乾燥厚み5μmで塗布し、乾燥させた後、紙(厚さ200μm)と貼合わせ、100℃で接着させた。この貼合わせサンプルを用いて、接着強度を以下のようにして評価した。
【0080】
(4)接着強度
上記貼合わせサンプル2.5cm×10cmを用い、引張速度200mm/min、23℃、60%RHの条件下、テンシロン(オリエンテック社製)によりTピールを測定した。その結果、接着強度は400(g/25mm)であった。
【0081】
(5)分解性
上記貼合わせサンプル5cm×5cmを分解性試験した結果、サンプルの姿が完全に消失していた。
【0082】
[実施例4]
(1)ポリマーの製造
トリエチレングリコール150.2gとアジピン酸143.3gとフマル酸2.3gと、さらに酸化第1錫0.94gを加え、窒素を流しながら150℃/1atmで2.5時間、次いで、150℃/15mmHgにして0.5時間、系外に水を流出しながら加熱撹拌しオリゴマー化した。これに、オルソジクロルベンゼン464gを加えモレキュラーシーブ5A、40gが充填された管を付け、留出した溶媒がモレキュラーシーブ層中を通って反応器に戻るようにした。その後、140℃/250mmHgで8時間反応を行った。なお、モレキュラーシーブ層中を通過後の溶媒中の水分量は、2ppmであった。その反応マスに660gのオルソジクロルベンゼンを加え、ピロリン酸10gを添加し110℃で2時間撹拌した後に炭酸カルシウム22.5gで中和し、熱濾過をした。その濾液を減圧下に濃縮して溶媒を留去しポリマーを得た。
【0083】
(2)ポリマーの物性
得られたポリマーの重量平均分子量は16,000であった。該ポリマーを示差熱分析したところ、ガラス転移点は−49.9℃の値を示した。
【0084】
(3)サンプルの作成
得られたポリマー10gをクロロホルム100gに溶解させ、開始剤(t−ブチルパーオキサイド)20mgを添加し、ポリ乳酸フィルム(厚さ30μm)上に乾燥厚み5μmで塗布し、乾燥させた後、紙(厚さ200μm)と貼合わせ、100℃で接着させた。この貼合わせサンプルを用いて、接着強度を以下のようにして評価した。
【0085】
(4)接着強度
上記貼合わせサンプル2.5cm×10cmを用い、引張速度200mm/min、23℃、60%RHの条件下、テンシロン(オリエンテック社製)によりTピールを測定した。その結果、接着強度は450(g/25mm)であった。
【0086】
(5)分解性
上記貼合わせサンプル5cm×5cmを分解性試験した結果、サンプルの姿が完全に消失していた。
【0087】
[実施例5]
(1)ポリマーの製造
トリエチレングリコール150.2gとアジピン酸145.5gとフマル酸0.6gと、さらに酸化第1錫0.94gを加え、窒素を流しながら150℃/1atmで2.5時間、次いで、150℃/15mmHgにして0.5時間、系外に水を流出しながら加熱撹拌しオリゴマー化した。これに、オルソジクロルベンゼン464gを加えモレキュラーシーブ5A、40gが充填された管を付け、留出した溶媒がモレキュラーシーブ層中を通って反応器に戻るようにした。その後、140℃/250mmHgで31時間反応を行った。なお、モレキュラーシーブ層中を通過後の溶媒中の水分量は、2ppmであった。その反応マスに660gのオルソジクロルベンゼンを加え、ピロリン酸10gを添加し110℃で2時間撹拌した後に炭酸カルシウム22.5gで中和し、熱濾過をした。その濾液を減圧下に濃縮して溶媒を留去しポリマーを得た。
【0088】
(2)ポリマーの物性
得られたポリマーの重量平均分子量は5,000であった。該ポリマーを示差熱分析したところ、ガラス転移点は−49.0℃の値を示した。
【0089】
(3)サンプルの作成
得られたポリマー10gをクロロホルム100gに溶解させ、開始剤(t−ブチルパーオキサイド)20mgを添加し、ポリ乳酸フィルム(厚さ30μm)上に乾燥厚み5μmで塗布し、乾燥させた後、紙(厚さ200μm)と貼合わせ、100℃で接着させた。この貼合わせサンプルを用いて、接着強度を以下のようにして評価した。
【0090】
(4) 接着強度
上記貼合わせサンプル2.5cm×10cmを用い、引張速度200mm/min、23℃、60%RHの条件下、テンシロン(オリエンテック社製)によりTピールを測定した。その結果、接着強度は350(g/25mm)であった。
【0091】
(5)分解性
上記貼合わせサンプル5cm×5cmを分解性試験した結果、サンプルの姿が完全に消失していた。
【0092】
[実施例6]
(1) ポリマーの製造
88%乳酸102.3gと6−ヒドロキシカプロン酸131.4gとトリエチレングリコール6.26gとイタコン酸5.42gと、さらに酸化第1錫1.15gを加え、150℃/100mmHgで2時間、系外に水を流出しながら加熱撹拌しオリゴマー化した。これに、オルソジクロルベンゼン210gを加え、Dean Starktrapを取り付け、140℃/250mmHgで4時間、共沸脱水反応を行い水分を除去し、その後、Dean Starktrapをはずし、モレキュラーシーブ5A、60gが充填された管を付け、還流により留出する溶媒がモレキュラーシーブを通って再び系内に戻るようにした。その後、140℃/250mmHgで10時間反応を行った。なお、モレキュラーシーブ層中を通過後の溶媒中の水分量は、2ppmであった。その反応マスに660gのオルソジクロルベンゼンを加え、ピロリン酸7.1gとセライト8.7gを添加し110℃で2時間撹拌した後、熱濾過をした。その濾液を減圧下に濃縮して溶媒を留去しポリマーを得た。
【0093】
(2)ポリマーの物性
得られたポリマーの重量平均分子量は10,000であった。該ポリマーを示差熱分析したところ、ガラス転移点は−42.0℃の値を示した。
【0094】
(3)サンプルの作成
得られたポリマー10gをクロロホルム100gに溶解させ、開始剤(t−ブチルパーオキサイド)20mgを添加し、ポリ乳酸フィルム(厚さ30μm)上に乾燥厚み5μmで塗布し、乾燥させた後、紙(厚さ200μm)と貼合わせ、100℃で接着させた。この貼合わせサンプルを用いて、接着強度を以下のようにして評価した。
【0095】
(4)接着強度
上記貼合わせサンプル2.5cm×10cmを用い、引張速度200mm/min、23℃、60%RHの条件下、テンシロン(オリエンテック社製)によりTピールを測定した。その結果、接着強度は440(g/25mm)であった。
【0096】
(5)分解性
上記貼合わせサンプル5cm×5cmを分解性試験した結果、サンプルの姿が完全に消失していた。
【0097】
[実施例7]
(1)ポリマーの製造
88%乳酸102.3gと6−ヒドロキシカプロン酸131.4gとトリエチレングリコール3.0gとイタコン酸2.6gと、さらに酸化第1錫1.15gを加え、150℃/100mmHgで2時間、系外に水を流出しながら加熱撹拌しオリゴマー化した。これに、ジフェニルエーテル210gを加え、Dean Starktrapを取り付け、150℃/30mmHgで4時間、共沸脱水反応を行い水分を除去し、その後、Dean Starktrapをはずし、モレキュラーシーブ5A、60gが充填された管を付け、還流により留出する溶媒がモレキュラーシーブを通って再び系内に戻るようにした。その後、140℃/250mmHgで26時間反応を行った。なお、モレキュラーシーブ層中を通過後の溶媒中の水分量は、2ppmであった。その反応マスに660gのオルソジクロルベンゼンを加え、ピロリン酸5.6gを添加し110℃で2時間撹拌した後に炭酸カルシウム12.6gで中和し、熱濾過をした。その濾液を減圧下に濃縮して溶媒を留去しポリマーを得た。
【0098】
(2) ポリマーの物性
得られたポリマーの重量平均分子量は12,500であった。該ポリマーを示差熱分析したところ、ガラス転移点は−41.4℃の値を示した。
【0099】
(3)サンプルの作成
得られたポリマー10gをクロロホルム100gに溶解させ、開始剤(t−ブチルパーオキサイド)20mgを添加し、ポリ乳酸フィルム(厚さ30μm)上に乾燥厚み5μmで塗布し、乾燥させた後、紙(厚さ200μm)と貼合わせ、100℃で接着させた。この貼合わせサンプルを用いて、接着強度を以下のようにして評価した。
【0100】
(4)接着強度
上記貼合わせサンプル2.5cm×10cmを用い、引張速度200mm/min、23℃、60%RHの条件下、テンシロン(オリエンテック社製)によりTピールを測定した。その結果、接着強度は420(g/25mm)であった。
【0101】
(5)分解性
上記貼合わせサンプル5cm×5cmを分解性試験した結果、サンプルの姿が完全に消失していた。
【0102】
[実施例8]
(1)ポリマーの製造
トリエチレングリコール150.2gとアジピン酸146.1gとフマル酸0.1gと、さらに酸化第1錫0.94gを加え、窒素を流しながら150℃/1atmで2.5時間、次いで、150℃/15mmHgにして0.5時間、系外に水を流出しながら加熱撹拌しオリゴマー化した。これに、オルソジクロルベンゼン464gを加えモレキュラーシーブ5A、40gが充填された管を付け、留出した溶媒がモレキュラーシーブ層中を通って反応器に戻るようにした。その後、140℃/250mmHgで31時間反応を行った。なお、モレキュラーシーブ層中を通過後の溶媒中の水分量は、2ppmであった。その反応マスに660gのオルソジクロルベンゼンを加え、ピロリン酸10gを添加し110℃で2時間撹拌した後に炭酸カルシウム22.5gで中和し、熱濾過をした。その濾液を減圧下に濃縮して溶媒を留去しポリマーを得た。
【0103】
(2) ポリマーの物性
得られたポリマーの重量平均分子量は5,000であった。該ポリマーを示差熱分析したところ、ガラス転移点は−29.0℃の値を示した。
【0104】
(3)サンプルの作成
得られたポリマー10gをクロロホルム100gに溶解させ、開始剤(t−ブチルパーオキサイド)20mgを添加し、ポリ乳酸フィルム(厚さ30μm)上に乾燥厚み5μmで塗布し、乾燥させた後、アイ紫外硬化用装置(岩崎電気株式会社製)で照射し硬化させ、紙(厚さ200μm)と貼合わせた。
【0105】
(4)接着強度
接着強度は弱くて接着強度の測定ができなかった。しかし、ポストイット(住友3M社品)と同様の粘着性を示すことがわかった。
【0106】
(5)分解性
上記貼合わせサンプル5cm×5cmを分解性試験した結果、サンプルの姿が完全に消失していた。
【0107】
【発明の効果】
本発明は、重合体構成成分として、少なくとも1種類の脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルを架橋することを特徴とし、本発明により、接着性と生分解性を併せ有する脂肪族ポリエステル系生分解性接着剤接剤として使用する方法を提供することができる。
Claims (13)
- 重合体構成成分として、少なくとも1種類の脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルを架橋することを特徴とする生分解性接着剤として使用する方法。
- 重合体構成成分として、脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルが、(a1)脂肪族多価アルコール及び脂肪族不飽和多塩基酸、(a2)脂肪族不飽和オリゴエステル、(a3)脂肪族不飽和ポリエステル、からなる群から選択された少なくとも1種(A)と、(b1)脂肪族多価アルコール及び脂肪族飽和多塩基酸、(b2)脂肪族ヒドロキシカルボン酸、(b3)脂肪族飽和オリゴエステル、(b4)脂肪族飽和ポリエステル、からなる群から選択された少なくとも1種(B)を、有機溶媒中、触媒の存在下、生成した水及び/又は過剰モノマーを含くむ有機溶媒の少なくとも一部を反応混合物から除去し、除去した有機溶媒に含まれる水及び/又は過剰モノマー濃度より少ないか等しい水及び/又は過剰モノマー濃度の追加有機溶媒を反応混合物中に装入しながら加熱脱水反応させて得られた、脂肪族ポリエステルである請求項1に記載した方法。
- 重合体構成成分として、脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルが、30,000以下の重量平均分子量を有するものである請求項1又は2に記載した方法。
- 重合体構成成分として、脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルが、25℃以下のガラス転移温度を有する非晶性ポリマーである請求項1乃至3の何れかに記載した方法。
- 重合体構成成分として、脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルが、25℃以下の融点を持つ結晶性ポリマーである請求項1乃至3の何れかに記載した方法。
- 脂肪族不飽和多塩基酸が、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸及びこれらの無水物からなる群から選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載した方法。
- 脂肪族不飽和多塩基酸が、0.001〜5モル%以下であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載した方法。
- ヒドロキシカルボン酸が、グリコール酸、乳酸、6−ヒドロキシカプロン酸あるいは、これらの環状エステル類からなる群から選択された少なくとも2種以上であることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載した方法。
- 重合体構成成分として、脂肪族不飽和多塩基酸を含む脂肪族ポリエステルが、重合体構成成分として一般式(1)〔化1〕で表されるエチレングリコールの重合物を含むものであることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載した方法。
【化1】
HO−(−CH2 CH 2O−)n −H (1)
(2≦n≦10) - nが、2≦n≦3であることを特徴とする請求項9に記載した方法。
- 架橋が、熱重合によるものであることを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載した方法。
- 架橋が、光重合によるものであることを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載した方法。
- 架橋が、重合開始剤及び/又は増感剤を使用することを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載した方法。
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