JP3698286B2 - 糸条製造工程における張力監視装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は紡糸装置から紡出された糸条を巻取機に巻取る糸条製造工程における張力監視装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ポリアミド、ポリエステル等の合成繊維糸条の製造工程においては紡糸装置から紡出された複数本の糸条を1本のスピンドルに装着された複数本のボビンにそれぞれ巻取るようになっている。
【0003】
該製造工程においては紡糸装置から紡出され糸条がボビンに巻取られるまでの冷却部、オイリング部、巻取装置におけるガイド部等においては糸条を構成する単糸が切れることによって上流側の単糸が隣接する糸条に移る単糸移動が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような単糸が隣接する糸条に移動して太さ斑を生じると、パッケージ間で直径差を発生したり、巻き崩れが発生してスピンドルが破損したり、あるいはスピンドルのチヤック機構に過大な荷重がかかって正常な状態で緊締ができなくなってパッケージがスピンドルから飛び出すという問題がある。
【0005】
そこで、張力変動を検出することによって単糸移動を検出しようとすると、張力変動が非常に小さいため、張力異常判定基準値となる上限値と下限値の幅を小さくする必要がある。ところが、該の幅を小さくすると、糸条巻取時にリボン巻きの回避、パッケージ端部の耳立ち防止のために行われるトラバース速度変化、巻取速度変化、振動等による張力変動値の方が大きいため、これ等の張力変動を異常張力として検出し、正常な巻取操作ができなくなるという問題がある。
【0006】
また、単糸移動が冷却部、オイリング部、巻取装置におけるガイド部等において発生するため、これ等全ての箇所で監視することは構造上不可能であるという問題がある。
【0007】
この様に、単糸移動を検出するための装置について種々検討されているが実用化には至っていない。
【0008】
本発明は単糸移動を容易にかつ正確に検出することができる糸条製造工程における張力監視装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために本発明の糸条製造工程における張力監視装置は請求項1に記載のように糸条張力検出手段を各糸条に対応して設けると共に、隣接する糸条張力検出手段からの検出信号を比較して正常か異常かを判定せしめる比較判定手段を設けた構成にしてある。
【0010】
ここで言う隣接とは、必ずしも隣同士の場合だけではなく、例えば一錘飛んだ状態、一番目と三番、二番目と四番目等の場合も含むものである。
【0011】
【発明の実施の態様】
図1は本発明の糸条製造設備の全体構成を示す概略図、図2はにおける糸条張力装置のブロック図であって、糸条製造設備は溶融ポリマーを紡出するメタリングポンプ、口金等にからなる紡糸装置1と、紡出された糸条を所定の速度で引き取る第1引き取りローラ2、第2引き取りローラ3と、トラバース機構5、2本のスピンドル6、7が回転自在に装着されたレボルビング部材(図示せず)接触ローラ8等により形成された巻取装置4と、巻取装置4の近接位置に設置された制御装置9と、比較判定手段10とにより構成されている。
【0012】
上述の第2引き取りローラ3と巻取装置4との間には糸分けガイド11と、振り支点ガイド12が支持部材(図示せず)によって所定の位置に設置されていると共に、糸分けガイド11と振り支点ガイド12の間には各糸条に対応して糸条張力検出手段である張力センサー13(13-1〜13-m)が支持部材(図示せず)によって所定の位置に設置されている。
【0013】
該張力センサー13は3点接触式検出器あるいは非接触式検出器を使用し、各検出信号が比較判定手段10に送られるようになっている。
【0014】
上述の巻取装置4には巻取状態検知手段であるトラバース速度検出用のトラバース速度センサーと巻取速度検出用の巻取速度センサー[ スピンドル6、7の回転速度、接触ルーラ8回転速度等を検出するセンサー] (何れも図示せず)が設けられており、各検出信号が制御装置9に送られるようになっている。
【0015】
制御装置9にはラインコントローラ(図示せず)が接続されており、該ラインコントローラ(図示せず)からの制御指令信号に基づいて各巻取装置4のトラバース機構5、スピンドル6、7の速度を制御するようになっている。
【0016】
比較判定手段10は複数台の巻取装置4(4-1〜4-n)からの検出信号が入力できるようになっており、張力センサー13(13-1-1〜13-n-m)からの検出信号が入力される張力信号入力部14(14-1〜14-n)、各検出信号値に基づいて隣接する張力検出値を比較して正常または異常を判定操作を行うコントロール部15とにより構成され、警報用のランプ16とブザー17と表示用のディスプレー18等が接続されている。該コントロール部15にプリンター19を接続して異常データ等をプリントして出力することもできる。
【0017】
上述の張力信号入力部14は張力センサー13からの検出信号がアナログ信号の場合にはアナログ信号の内の不要な信号をカットするためのローパスフイルターが設けられており、カットオフ周波数(fc)が5(HZ)前後になっている。該ローパスフイルターとしてはハード回路フイルターまたはデジタルフイルターを使用する。該張力センサー13からの検出信号がデジタル信号の場合はパラレル信号をシリアル信号に変換する変換器を設ける。
【0018】
コントロール部15は同一錘(同一巻取装置)内に存在し、かつ隣接する張力センサー13からの検出信号を比較する第1の比較機能、該張力差を記憶する記憶機能と、記憶された張力差と現在値を比較する第2の比較機能、第2の比較機能において比較された値が張力異常判定基準許容値内にあるかどうかを判定する判定機能、張力異常判定基準許容値を越えたと判定された場合にランプ16とブザー17に作動指令信号を発信する作動指令信号出力機能等の機能を有するマイクロコンピュータ、パーソナルコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラの内の何れかを使用する。
【0019】
上述の張力監視において張力センサー13-1と張力センサー13-2からの検出信号の差を比較した状態をグラフ化すると図3に示されるよになり、区間t-1においてはどちらの糸条の張力値(T-1)、(T-2)も変動しているが、どちらも略同様の変化をしている。これは巻取装置4全体に影響を及ぼすトラバース速度変化、巻取速度変化、振動等によるものであるため、その差(△T)は糸条間でキャンセルされて大きな変動として現れていないことを示しているものであると判断することができる。
【0020】
これに対して区間t-nにおいては区間t-1の場合と異なって張力差が拡大している。これは糸条30-2の単糸が糸条30-1に移動して絡み付くことによってその太さが変化し、該糸条が巻取られていくと、パッケージの重量差が徐々に拡大し、単糸が減少した側のパッケージは巻径が大きくならず、単糸が絡み付いた側のパッケージは巻径が他のパッケージより大きくなることによりパッケージ表面の周速差が生じることにより、糸条30-1の張力値が高くなり、糸条30-2の張力値が低くなつたことを示しているものであると判断することができる。
【0021】
この場合、該張力値(T-1)が張力異常判定基準許容値を越えた時にコントロール部15から警報作動指令信号が発信されてランプ16が点灯すると共にブザー17が鳴って単糸移動が発生したことを作業者に通報する。また、ディスプレー18に該当する巻取装置4の番号、糸条位置、その時の張力値等が線図、数値等によって表示される。
【0022】
該ランプ16、ブザー17等による警報によって該当する巻取装置4の糸条処理を速やかに行うことができる。
【0023】
上述の実施例においては隣接する糸条張力検出手段からの検出信号として隣同士の信号を検出したが、単糸が離れた位置の糸条に絡み付くこともあるため、一番目と三番目、二番目と四番目等、離れた位置の糸条張力検出手段から信号を検出して正常か異常かを判定できるようにすることは言うまでもないことである。
【0024】
【発明の効果】
本発明の糸条製造工程における張力監視方法は請求項1に記載のように糸条張力検出手段を各糸条に対応して設けると共に、隣接する糸条張力検出手段からの検出信号を比較して正常か異常かを判定せしめる比較判定手段を設けた構成にしているため、糸条巻取操作におけるトラバース速度変化、巻取速度変化に基づく張力変化に関係なく単糸移動を容易にかつ正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の糸条製造設備の全体構成の1実施例を示す概略図である。
【図2】本発明における糸条張力監視装置の1実施例を示すブロック図である。
【図3】隣接する糸条の検出張力値の関係の1実施例を示す概略線図である。
【符号の説明】
1 紡糸装置
2 第1引き取りローラ
3 第2引き取りローラ
4 巻取装置
5 トラバース機構
6、7 スピンドル
8 接触ローラ
9 制御装置
10 比較判定手段
11 糸分けガイド
12 振り支点ガイド
13 張力センサー
14 張力信号入力部
15 コントロール部
16 ランプ
17 ブザー
18 ディスプレー
19 プリンター

Claims (1)

  1. 紡糸装置から紡出された糸条をトラバース機構とボビン装着用スピンドルとボビン上に巻取られた糸条に接触して面圧を付与する接触ローラと巻取状態検知手段とを備えた巻取装置によって巻取る際に、巻取装置の上流側に設置された糸条張力検出手段によって検出された巻取中の走行糸条の張力に基づいて異常を検出せしめる装置において、前記糸条張力検出手段を各糸条に対応して設けると共に、隣接する糸条張力検出手段からの検出信号を比較して正常か異常かを判定せしめる比較判定手段を設けたことを特徴とする糸条製造工程における張力監視装置。
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