JP3698146B2 - コーヒーメーカー - Google Patents

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JP3698146B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、コーヒーメーカーに関し、さらに詳しくは、温水ドリップ式にも冷水ドリップ式にも使用可能なコーヒーメーカーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から良く知られているコーヒーメーカーとしては、機器本体の側方に設けられた水タンクの給水口と機器本体の上部に設けられた吐出口とを加熱機構を具備した注出流路を介して接続し、水タンクからの水が注出流路を流れる途中において前記加熱機構で加熱沸騰され、その時発生する水蒸気の圧力で注出流路内の熱水を押し上げて、前記吐出口の下方に位置せしめられたサーバーに被嵌された抽出器に収容されたコーヒー粉に吐出させることにより、コーヒー液を抽出し得るようにした温水ドリップ式のものと、水タンク内に収容された水を加熱することなく常温で抽出器内の収容されたコーヒー粉に自然流下により滴下させてコーヒー液の抽出を行う冷水ドリップ式のものとがある。
【0003】
ところで、上記した方式のものでは、ユーザは2種類のコーヒーメーカーを購入しなければ、温水ドリップ式のコーヒーあるいは冷水ドリップ式のコーヒーを得ることができないという不具合がある。
【0004】
そこで、機器本体と一体的に構成された水タンクを抽出器およびサーバーの上方に配置し且つ水タンクから抽出器への吐出口に至る通路を、切換ツマミの操作により適宜切り換え得るように構成することにより、温水ドリップ式のコーヒーあるいは冷水ドリップ式のコーヒーを抽出し得るように構成したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平2−193615号公報。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記公知例の場合、水タンクから抽出器への吐出口に至る通路を、切換ツマミの操作により適宜切り換え得るように構成するようにしているため、通路切換構造が複雑となるとともに、水タンクが着脱できない構造となっているため、お手入れが難しいという不具合がある。また、上記公知例の場合、サーバー、抽出器、通路切換機構および水タンクが下から順に積み重なった構造となっているため、全体の上下方向寸法が大きくならざるを得ないという不具合も存する。
【0007】
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、温水ドリップ式あるいは冷水ドリップ式のいずれにも対応できるとともに、構造が簡略で且つお手入れも簡単なコーヒーメーカーを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明では、上記課題を解決するための第1の手段として、抽出器が着脱自在に装着されるサーバーを載置する載置台と該載置台の一端から上方に延設される支柱部と該支柱部の上部において前記載置台の上方に向かって庇状に突出して形成される給水部とを有する機器本体と、該給水部上に着脱自在に装着される水タンクとを備えたコーヒーメーカーにおいて、前記給水部に、前記水タンクの給水口が択一的に装着される複数の取水口と前記抽出器へ水を供給するための一つの吐出口とを平面視で重ならない位置に形成するとともに、前記機器本体に、前記複数の取水口から前記吐出口に至る複数の注出流路を設けている。
【0009】
上記のように構成したことにより、水タンクの給水口を複数の取水口のうちのいずれかに択一的に装着することにより、水タンクの水を複数の注出流路のうちのいずれかを介して吐出口へ導くことができることとなる。従って、注出流路のうちのいずれかに加熱機構を設ければ、該注出流路を選択した時には、吐出口より熱湯が抽出器へ注がれることとなり、温水ドリップ式のコーヒーを抽出できるし、注出流路のうちのいずれかに加熱機構を設けなければ、該注出流路を選択した時には、吐出口より水が抽出器へ注がれることとなり、冷水ドリップ式のコーヒーを抽出できることとなる。つまり、取水口への給水口の択一的装着によって、温水ドリップ式としても冷水ドリップ式としても使用することができるのである。また、取水口と吐出口とを、平面視で重ならない位置に形成するようにしているため、上下方向寸法をできるだけ低く抑えることが可能となる。
【0010】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第2の手段として、上記第1の手段を備えたコーヒーメーカーにおいて、前記水タンクの装着姿勢を水平姿勢を保持しながら変更することにより、前記給水口を前記複数の取水口のいずれかに択一的に装着できるようにすることもでき、そのように構成した場合、水タンクの装着姿勢を水平姿勢を保持しながら変更するだけで、給水口を複数の取水口のいずれかを選択して装着することができることとなり、操作性が向上する。
【0011】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第3の手段として、上記第1または第2の手段を備えたコーヒーメーカーにおいて、前記複数の取水口には、前記水タンクの装着時に前記給水口に設けられた弁機構を開弁作動させる弁開閉機構をそれぞれ設けることもでき、そのように構成した場合、水タンクの給水口をいずれの取水口に装着したときにも、給水口の弁機構を弁開閉機構により開弁作動させることができることとなり、水タンクの装着と弁機構の開弁作動とを同時に行うことができる。
【0012】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第4の手段として、上記第1、第2又は第3の手段を備えたコーヒーメーカーにおいて、前記複数の注出流路のうち少なくとも一つには、該注出流路中を流れる水を加熱沸騰させる加熱機構を設ける一方、他の一つの注出流路には、流量を制御する流量制御機構を設けることもでき、そのように構成した場合、注出流路のうちの少なくとも一つを流れる水は、加熱機構により加熱沸騰された状態で吐出口に導かれ、他の一つ注出流路を流れる水は、加熱されることなく吐出口に導かれることとなり、これらの注出流路を選択することにより、温水ドリップ式あるいは冷水ドリップ式の抽出が可能となる。
【0013】
本願発明では、上記課題を解決するための第5の手段として、抽出器が着脱自在に装着されるサーバーを載置する載置台と該載置台の一端から上方に延設される支柱部と該支柱部の側方下部に位置する第1の給水部と前記支柱部の上部において前記載置台の上方に向かって庇状に突出して形成される第2の給水部とを有する機器本体と、前記第1および第2の給水部に対して択一的且つ着脱自在に装着される水タンクとを備えたコーヒーメーカーにおいて、前記第1および第2の給水部には、前記水タンクの給水口が装着される第1および第2の取水口をそれぞれ設けるとともに、前記第1および第2の取水口から前記抽出器へ水を供給するための吐出口に至る第1および第2の注出流路をそれぞれ付設し且つ前記第1の注出流路には、該注出流路中を流れる水を加熱沸騰させる加熱機構を設ける一方、前記第2の注出流路には、流量を制御する流量制御機構を設けている。
【0014】
上記のように構成したことにより、支柱部の側方下部に位置する第1の給水部に水タンクを装着してその給水口を第1の取水口に装着すれば、水タンクの水を第1の注出流路を介して吐出口へ導くことができるし、支柱部の上部において載置台の上方に向かって庇状に突出して形成される第2の給水部に水タンクを装着してその給水口を第2の取水口に装着すれば、水タンクの水を第2の注出流路を介して吐出口へ導くことができることとなる。従って、第1の注出流路を介して吐出口に導かれる水は、加熱機構により加熱沸騰されて熱湯となって抽出器に注がれることとなり、温水ドリップ式の抽出が可能となるし、第2の注出流路を介して吐出口に導かれる水は、加熱されることなく流量制御機構により流量制御されて抽出器へ注がれることとなり、冷水ドリップ式の抽出が可能となる。つまり、第1の給水部あるいは第2の給水部への水タンクの選択装着によって、温水ドリップ式としても冷水ドリップ式としても使用することができるのである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の幾つかの好適な実施の形態について説明する。
【0016】
第1の実施の形態
図1ないし図6には、本願発明の第1の実施の形態にかかるコーヒーメーカーが示されている。
【0017】
このコーヒーメーカーは、ロート状の抽出器4が着脱自在に装着されるサーバー3を載置する載置台5と該載置台5の一端から上方に延設される支柱部6と該支柱部6の上部において前記載置台5の上方に向かって庇状に突出して形成される給水部7とを有する機器本体1と、該給水部7上に着脱自在に装着される水タンク2とを備えて構成されている。
【0018】
前記載置台5の上面に形成されるサーバー載置部には、熱良導体からなる載置板8が設けられており、該載置板8の内面には、加熱機構として作用する電気ヒータ9が接触状態で設けられている。つまり、電気ヒータ9に通電されている時には、載置板8が加熱されて保温板として作用することとなっているのである。この電気ヒータ9は、例えばコイル状の熱良導体9a内に発熱体であるシーズヒータ9bを埋設して構成されており、後述する第1の注出流路17Aの途中に形成された伝熱部18と伝熱可能なように一体とされている。
【0019】
前記サーバー3は、透明な耐熱ガラスによりコップ形状とされており、その側面には、把手10が付設されている。このサーバー3の上端開口には、ロート状の抽出器4が着脱可能に載置されることとなっており、この抽出器4の蓋体4aの中央部には、後述する吐出口16から注がれる熱湯(あるいは水)を受け止めて抽出器4内に導く誘導口11が形成されている。また、この抽出器4内には、その内周面に適合した形状に折り畳まれたフィルター12が内装されることとなっており、該フィルター12内には、コーヒー粉Cが収容される。符号13は抽出器4の底部に形成される抽出口である。
【0020】
前記給水部7の上面には、前記水タンク2を載置するための水平な載置面14が形成されており、該載置面14には、前記水タンク2の給水口22が択一的に装着される二つの取水口(即ち、第1および第2の取水口15A,15B)が形成されている。該第1および第2取水口15A,15Bは、前記載置面14より上方に突出する筒体により構成されており、後述する水タンク2の給水口22が嵌挿されることとなっている。また、前記給水部7の下面中央部には、前記抽出器4へ水Wを供給するための一つの吐出口16が前記抽出器4の誘導口11と対応するように突出状態で設けられている。そして、前記第1の取水口15Aは、図3および図4に示すように、前記載置面14において前記支柱部6よりの位置に形成される一方、前記第2の取水口15Bは、前記載置面14において前記第1の取水口15Aと180°の位相差をもった位置に形成されている。つまり、前記第1および第2の取水口15A,15Bと前記吐出口16との位置関係は、平面視で重ならないようになっているのである。このようにすると、上下方向寸法をできるだけ低く抑えることが可能となり、製品のコンパクト化に寄与する。符号14aは前記載置面14の外周部位に一体に立設された環状の起立壁であり、該起立壁14aの存在により載置面14上に載置された水タンク2の移動が防止できることとなっている。
【0021】
前記機器本体1内には、前記第1および第2の取水口15A,15Bから前記吐出口16に至る二つの注出流路(即ち、第1および第2の注出流路17A,17B)が設けられている。
【0022】
前記第1の注出流路17Aは、前記第1の取水口15Aから支柱部6内を下方に延び、前記載置台5内において水平状態の伝熱部18となり、再び支柱部6内を上向きに延設されて該支柱部6の上端に一体形成された位置決め用壁部27(後述する)内に至り、ここで下向きに反転して前記吐出口16に接続される一連の通路により構成されている。従って、この第1の注出流路17A内を流れる水は、伝熱部18において電気ヒータ9により加熱沸騰され、その際発生する水蒸気の圧力によって上方に押し上げられて吐出口16から熱湯として吐出されることとなるのである。
【0023】
一方、前記第2の注出流路17Bは、前記第1の取水口15Bから直接前記吐出口16に接続される通路により構成されており、その途中には、流量を制御する流量制御機構19が介設されている。従って、この第2の注出流路17Bを流れる水は、流量制御機構19により流量制御された状態(即ち、冷水ドリップ式抽出に適した流量)に調節されて吐出口16から水のままで吐出されることとなるのである。
【0024】
前記水タンク2は、水Wを収容する水収容部20と、該水収容部20の上端開口を覆う蓋21と、前記水収容部20の出口となる給水口22とを備えた略円形容器からなっている。符号23は水タンク2の側面に設けられた把手である。
【0025】
前記給水口22は、前記水収容部20の底面において前記把手23よりの外周より位置に設けられた水出口22aと前記水収容部20の下面から前記水出口22aを囲むように突出した円筒形状の筒体22bとにより構成されており、該筒体22bの内部には、水タンク2の非装着時において前記水出口22aを閉止状態とし、水タンク2の装着時において前記水出口22aを開放状態とする弁機構24が設けられている。この弁機構24は、前記給水口22(換言すれば、水出口22a)を開閉する弁体24aと該弁体24aを常態において閉弁方向に付勢するスプリング24bとによって構成されており、水タンク2の装着時においては、前記第1および第2の取水口15A,15B内に設けられた弁開閉機構として作用する突起25の押し上げ力によりスプリング24aの付勢力に抗して開弁されることとなっている。
【0026】
また、前記水収容部20の下端外周には、前記水タンク2の装着時において前記給水部7上面の載置面14に当接される環状壁26が一体に突設されている。この環状壁26の高さは、水タンク2が安定した状態で載置面14上に載置できるように前記給水口22の突出量よりやや高くされている。このようにすると、水タンク2の取り外し状態においても水タンク2を安定した起立姿勢に保持することができる。
【0027】
一方、前記支柱部6の上端には、前記水タンク2の装着状態を保持するための一対の位置決め用壁部27,27が一体に形成されている。該位置決め用壁部27,27の間隔は、前記水タンク2の把手23が挿入可能な大きさとされる(図3参照)。
【0028】
ところで、前記水タンク2における給水口22と把手23との位置関係は、前記給水口22を第1あるいは第2の取水口15Aあるいは15Bに選択装着した状態において把手23が機器本体1の両側面のいずれか一方側に向くように設定されている。
【0029】
そこで、前記給水口22を第1の取水口15Aに装着した時に水タンク2の側面において正面側となる位置には、図1に示すように、水量を表示する水量表示28Aと温水ドリップ式抽出を意味する「ドリップ」の文字表示29Aとが設けられる一方、前記給水口22を第2の取水口15Bに装着した時に水タンク2の側面において正面側となる位置には、図2に示すように、水量を表示する水量表示28Bと冷水ドリップ式抽出を意味する「水出し」の文字表示29Bとが設けられている。つまり、本実施の形態においては、水タンク2の装着姿勢を水平方向に変更するだけで、給水口22を第1および第2の取水口15A,15Bのいずれかを選択して装着することができることとなっており、操作性が向上する。しかも、その時、どちらの抽出方式を選択したかが文字表示29Aあるいは29Bによりユーザが確認できることとなっているのである。
【0030】
上記のように構成されたコーヒーメーカーにおいては、次のような作用効果が得られる。
【0031】
温水ドリップ式によりコーヒーを抽出したい時には、まず、抽出器4内にフィルター12をセットし、所定量のコーヒー粉Cをフィルター12内に収容する。その状態のもとに、所定量の水Wを収容した水タンク2の給水口22を第1の取水口15Aに装着し、電源を投入すると、水タンク2内の水Wは、給水口22の第1の取水口15Aへの装着と同時に開弁された弁機構24を介して第1の注出流路17Aに流れ込む。該第1の注出流路17Aに流れ込んだ水Wは、伝熱部18を通過する過程で電気ヒータ9により加熱沸騰せしめられ、その時発生する水蒸気の圧力により押し上げられて吐出口16から抽出器4の誘導口11に吐出され、抽出器4内に導入される。抽出器4においては、導入された熱湯によりコーヒー液が抽出され、抽出されたコーヒー液は抽出口13からサーバー3内に流下し、溜め込まれる。
【0032】
一方、冷水ドリップ式により水出しコーヒーを抽出したい時には、まず、抽出器4内にフィルター12をセットし、所定量のコーヒー粉Cをフィルター12内に収容する。その状態のもとに、所定量の水Wを収容した水タンク2の給水口22を第2の取水口15Bに装着すると、水タンク2内の水Wは、給水口22の第2の取水口15Aへの装着と同時に開弁された弁機構24を介して第2の注出流路17Bに流れ込む。該第2の注出流路17Bに流れ込ンダ水Wは、流量制御機構19により冷水ドリップに適した流量に制御されて自然流下により吐出口16から抽出器4の誘導口11に吐出され、抽出器4内に導入される。抽出器4においては、導入された水によりコーヒー液が抽出され、抽出されたコーヒー液は抽出口13からサーバー3内に流下し、溜め込まれる。このときは、抽出完了までに相当な時間(通常、6時間程度)を要する。
【0033】
上記したように、本実施の形態においては、第1および第2の取水口15A,15Bへの給水口22の択一的装着によって、温水ドリップ式としても冷水ドリップ式としても使用することができることとなっており、1台のコーヒーメーカーを、水タンク2の装着姿勢を変更するだけで、温水ドリップ式にも冷水ドリップ式にも使用できることとなり、極めて使い勝手のよいものとなる。
【0034】
ところで、水タンク2の給水口22を第1の取水口15Aに装着した時に、この状態を検知する検知手段(あるいは電源スイッチ)を付設し、該検知手段が水タンク2の当該装着姿勢を検知したときにのみ電気ヒータ9への通電を開始できるようにすることもできる。このようにすると、冷水ドリップ式を選択した時に誤って電気ヒータ9へ通電することがなくなる。
【0035】
また、図7に示すように、水タンク2の底面に温水ドリップ式抽出のための給水口22Aと、冷水ドリップ式抽出のための口径の異なる複数の給水口22B〜22Fを形成し、温水ドリップ式抽出の場合には、給水口22Aを第1の取水口15Aに装着し、冷水ドリップ式抽出の場合には、給水口22B〜22Fのいずれかを第2の取水口15Bに装着するようにしてもよい。この場合、給水口22Bの口径>給水口22Cの口径>給水口22Dの口径>給水口22Eの口径>給水口22Fの口径とされており、給水口22Bを第2の取水口15Bに装着した場合冷水ドリップ3時間抽出コースとされ、給水口22Cを第2の取水口15Bに装着した場合冷水ドリップ4時間抽出コースとされ、給水口22Dを第2の取水口15Bに装着した場合冷水ドリップ5時間抽出コースとされ、給水口22Eを第2の取水口15Bに装着した場合冷水ドリップ6時間コースとされ、給水口22Fを第2の取水口15Bに装着した場合冷水ドリップ8時間抽出コースとされている。このようにすると、第2の注出流路17Bに流量制御機構を介設する必要がなくなる。
【0036】
第2の実施の形態
図8および図9には、本願発明の第2の実施の形態にかかるコーヒーメーカーが示されている。
【0037】
この場合、機器本体1を構成する支柱部6の側方下部(即ち、載置台5の反対側)に、第1の給水部7Aを設けるとともに、前記支柱部6の上部に、前記載置台5の上方に向かって庇状に突出して形成される第2の給水部7Bを設け、前記第1および第2の給水部7A,7Bに対して水タンク2が択一的且つ着脱自在に装着されることとなっている。そして、前記第1および第2の給水部7A,7Bには、前記水タンク2の給水口22が装着される第1および第2の取水口15A,15Bがそれぞれ設けられており、前記機器本体1内には、前記第1および第2の取水口15A,15Bから前記抽出器4へ水Wを供給するための吐出口16に至る第1および第2の注出流路17A,17Bがそれぞれ設けられている。また、本実施の形態の場合、第1および第2の給水部7A,7Bにおける載置部14A,14Bの上面外周には、水タンク2の移動を防止するための起立壁14A,14Bがそれぞれ一体に形成されている。また、この場合、水タンク2の給水口22は、該水タンク2の一部を上向きに凹陥させて形成された凹部30に形成されている。従って、第1の実施の形態において形成されている環状壁および位置決め用壁部は省略されている。その他の構成は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0038】
上記のように構成したことにより、支柱部6の側方下部に位置する第1の給水部7Aに水タンク2を装着してその給水口22を第1の取水口15Aに装着すれば、水タンク2の水Wを第1の注出流路17Aを介して吐出口16へ導くことができる。このようにして、第1の注出流路17Aを介して吐出口16に導かれる水Wは、加熱機構を構成する伝熱部18において電気ヒータ9により加熱沸騰されて熱湯となって抽出器4に注がれることとなり、温水ドリップ式の抽出が可能となる。
【0039】
一方、支柱部6の上部において載置台5の上方に向かって庇状に突出して形成される第2の給水部7Bに水タンク2を装着してその給水口22を第2の取水口15Bに装着すれば、水タンク2の水Wを第2の注出流路17Bを介して吐出口16へ導くことができることとなる。このようにして、第2の注出流路17Bを介して吐出口16に導かれる水Wは、加熱されることなく流量制御機構19により水出し抽出に適した流量に制御されて抽出器4へ注がれることとなり、冷水ドリップ式の抽出が可能となる。
【0040】
つまり、第1の給水部7Aあるいは第2の給水部7Bへの水タンク2の選択装着によって、温水ドリップ式としても冷水ドリップ式としても使用することができるのである。
【0041】
その他の作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0042】
なお、本実施の形態においても、図7に示すように、水タンク2に温水ドリップ用の給水口22Aと複数の冷水ドリップ用給水口22B〜22Fを形成するようにしてもよい。
【0043】
上記説明においては、二つの取水口および二つの注出流路を有するコーヒーメーカーを実施の形態としているが、取水口および注出流路は二つ以上とする場合もある。
【0044】
【発明の効果】
本願発明の第1の手段によれば、抽出器が着脱自在に装着されるサーバーを載置する載置台と該載置台の一端から上方に延設される支柱部と該支柱部の上部において前記載置台の上方に向かって庇状に突出して形成される給水部とを有する機器本体と、該給水部上に着脱自在に装着される水タンクとを備えたコーヒーメーカーにおいて、前記給水部に、前記水タンクの給水口が択一的に装着される複数の取水口と前記抽出器へ水を供給するための一つの吐出口とを平面視で重ならない位置に形成するとともに、前記機器本体に、前記複数の取水口から前記吐出口に至る複数の注出流路を設けて、水タンクの給水口を複数の取水口のうちのいずれかに択一的に装着することにより、水タンクの水を複数の注出流路のうちのいずれかを介して吐出口へ導くことができるようにしたので、注出流路のうちのいずれかに加熱機構を設ければ、該注出流路を選択した時には、吐出口より熱湯が抽出器へ注がれることとなって、温水ドリップ式のコーヒーを抽出できるし、注出流路のうちのいずれかに加熱機構を設けなければ、該注出流路を選択した時には、吐出口より水が抽出器へ注がれることとなって、冷水ドリップ式のコーヒーを抽出できることとなり、取水口への給水口の択一的装着によって、温水ドリップ式としても冷水ドリップ式としても使用することができて、便利であるという効果がある。また、取水口と吐出口とを、平面視で重ならない位置に形成するようにしているため、上下方向寸法をできるだけ低く抑えることが可能となるという効果もある。
【0045】
本願発明の第2の手段におけるように、上記第1の手段を備えたコーヒーメーカーにおいて、前記水タンクの装着姿勢を水平姿勢を保持しながら変更することにより、前記給水口を前記複数の取水口のいずれかに択一的に装着できるようにすることもでき、そのように構成した場合、水タンクの装着姿勢を水平姿勢を保持しながら変更するだけで、給水口を複数の取水口のいずれかを選択して装着することができることとなり、操作性が向上する。
【0046】
本願発明の第3の手段におけるように、上記第1または第2の手段を備えたコーヒーメーカーにおいて、前記複数の取水口には、前記水タンクの装着時に前記給水口に設けられた弁機構を開弁作動させる弁開閉機構をそれぞれ設けることもでき、そのように構成した場合、水タンクの給水口をいずれの取水口に装着したときにも、給水口の弁機構を弁開閉機構により開弁作動させることができることとなり、水タンクの装着と弁機構の開弁作動とを同時に行うことができる。
【0047】
本願発明の第4の手段におけるように、上記第1、第2又は第3の手段を備えたコーヒーメーカーにおいて、前記複数の注出流路のうち少なくとも一つには、該注出流路中を流れる水を加熱沸騰させる加熱機構を設ける一方、他の一つの注出流路には、流量を制御する流量制御機構を設けることもでき、そのように構成した場合、注出流路のうちの少なくとも一つを流れる水は、加熱機構により加熱沸騰された状態で吐出口に導かれ、他の一つ注出流路を流れる水は、加熱されることなく吐出口に導かれることとなり、これらの注出流路を選択することにより、温水ドリップ式あるいは冷水ドリップ式の抽出が可能となる。
【0048】
本願発明の第5の手段によれば、抽出器が着脱自在に装着されるサーバーを載置する載置台と該載置台の一端から上方に延設される支柱部と該支柱部の側方下部に位置する第1の給水部と前記支柱部の上部において前記載置台の上方に向かって庇状に突出して形成される第2の給水部とを有する機器本体と、前記第1および第2の給水部に対して択一的且つ着脱自在に装着される水タンクとを備えたコーヒーメーカーにおいて、前記第1および第2の給水部には、前記水タンクの給水口が装着される第1および第2の取水口をそれぞれ設けるとともに、前記第1および第2の取水口から前記抽出器へ水を供給するための吐出口に至る第1および第2の注出流路をそれぞれ付設し且つ前記第1の注出流路には、該注出流路中を流れる水を加熱沸騰させる加熱機構を設ける一方、前記第2の注出流路には、流量を制御する流量制御機構を設けて、支柱部の側方下部に位置する第1の給水部に水タンクを装着してその給水口を第1の取水口に装着すれば、水タンクの水を第1の注出流路を介して吐出口へ導くことができるし、支柱部の上部において載置台の上方に向かって庇状に突出して形成される第2の給水部に水タンクを装着してその給水口を第2の取水口に装着すれば、水タンクの水を第2の注出流路を介して吐出口へ導くことができるようにしたので、第1の注出流路を介して吐出口に導かれる水は、加熱機構により加熱沸騰されて熱湯となって抽出器に注がれることとなって、温水ドリップ式の抽出が可能となるし、第2の注出流路を介して吐出口に導かれる水は、加熱されることなく流量制御機構により流量制御されて抽出器へ注がれることとなって、冷水ドリップ式の抽出が可能となり、第1の給水部あるいは第2の給水部への水タンクの選択装着によって、温水ドリップ式としても冷水ドリップ式としても使用することができ、便利であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施の形態にかかるコーヒーメーカーの温水ドリップ式抽出時の正面図である。
【図2】本願発明の第1の実施の形態にかかるコーヒーメーカーの冷水ドリップ式抽出時の正面図である。
【図3】本願発明の第1の実施の形態にかかるコーヒーメーカーの温水ドリップ式抽出時における水タンクの蓋を取り外した状態の平面図である。
【図4】本願発明の第1の実施の形態にかかるコーヒーメーカーの冷水ドリップ式抽出時における水タンクの蓋を取り外した状態の平面図である。
【図5】図3のV−V断面図である。
【図6】図4のVI−VI断面図である。
【図7】本願発明の第1の実施の形態にかかるコーヒーメーカーにおける水タンクの変形例を示す平面図である。
【図8】本願発明の第2の実施の形態にかかるコーヒーメーカーの温水ドリップ式抽出時の縦断面図である。
【図9】本願発明の第2の実施の形態にかかるコーヒーメーカーの冷水ドリップ式抽出時の縦断面図である。
【符号の説明】
1は機器本体、2は水タンク、3はサーバー、4は抽出器、5は載置台、6は支柱部、7は給水部、7Aは第1の給水部、7Bは第2の給水部、9は加熱機構(電気ヒータ)、15は取水口、15Aは第1の取水口、15Bは第2の取水口、16は吐出口、17は注出流路、17Aは第1の注出流路、17Bは第2の注出流路、18は加熱機構(伝熱部)、19は流量制御機構、22は給水口、24は弁機構、25は弁開閉機構(突起)、Cはコーヒー粉、Wは水。

Claims (5)

  1. 抽出器が着脱自在に装着されるサーバーを載置する載置台と該載置台の一端から上方に延設される支柱部と該支柱部の上部において前記載置台の上方に向かって庇状に突出して形成される給水部とを有する機器本体と、該給水部上に着脱自在に装着される水タンクとを備え、前記給水部には、前記水タンクの給水口が択一的に装着される複数の取水口と前記抽出器へ水を供給するための一つの吐出口とを平面視で重ならない位置に形成するとともに、前記機器本体には、前記複数の取水口から前記吐出口に至る複数の注出流路を設けたことを特徴とするコーヒーメーカー。
  2. 前記水タンクの装着姿勢を水平姿勢を保持しながら変更することにより、前記給水口を前記複数の取水口のいずれかに択一的に装着できるようにしたことを特徴とする前記請求項1記載のコーヒーメーカー。
  3. 前記複数の取水口には、前記水タンクの装着時に前記給水口に設けられた弁機構を開弁作動させる弁開閉機構をそれぞれ設けたことを特徴とする前記請求項1および2のいずれか一項記載のコーヒーメーカー。
  4. 前記複数の注出流路のうち少なくとも一つには、該注出流路中を流れる水を加熱沸騰させる加熱機構を設ける一方、他の一つの注出流路には、流量を制御する流量制御機構を設けたことを特徴とする前記請求項1、2および3のいずれか一項記載のコーヒーメーカー。
  5. 抽出器が着脱自在に装着されるサーバーを載置する載置台と該載置台の一端から上方に延設される支柱部と該支柱部の側方下部に位置する第1の給水部と前記支柱部の上部において前記載置台の上方に向かって庇状に突出して形成される第2の給水部とを有する機器本体と、前記第1および第2の給水部に対して択一的且つ着脱自在に装着される水タンクとを備え、前記第1および第2の給水部には、前記水タンクの給水口が装着される第1および第2の取水口をそれぞれ設けるとともに、前記第1および第2の取水口から前記抽出器へ水を供給するための吐出口に至る第1および第2の注出流路をそれぞれ付設し且つ前記第1の注出流路には、該注出流路中を流れる水を加熱沸騰させる加熱機構を設ける一方、前記第2の注出流路には、流量を制御する流量制御機構を設けたことを特徴とするコーヒーメーカー。
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