JP3698115B2 - 膨張弁の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和装置における膨張弁の開度を最適に制御する膨張弁の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、冷却された水を用いて冷房を行う空気調和装置として、図3に示すようなものがある。この空気調和装置は、圧縮機1,空気側熱交換器2,膨張弁3及び水側熱交換器4で概略構成されており、以下のように動作する。すなわち、図3において、圧縮機1からの高温高圧の冷媒は、凝縮器として機能する空気側熱交換器2で空気との熱交換によって凝縮され、低温高圧となって膨張弁3に供給される。そして、膨張弁3で減圧された低温低圧の冷媒は、蒸発器として機能する水側熱交換器4で水との熱交換によって蒸発し、気体となって圧縮機1に戻る。そして、水側熱交換器4で冷却された冷水が冷房に用いられるのである。
【0003】
ここで、上記膨張弁3の開度制御は、圧縮機1の吸入過熱度を目標値にするように行われる。蒸発器として機能する水側熱交換器4は、冷媒の流出側の過熱度(つまり、圧縮機1の吸入過熱度)が低い程有効に利用されていると言うことができる。その一方において、圧縮機1側から見れば、一般に吸入過熱度が過度に低下すると湿り状態での運転になり、圧縮機1内部の冷凍機油不足や最悪の場合には液圧縮が発生して、圧縮機1の故障の原因となる。
【0004】
そこで、上述のごとく、上記圧縮機1を、安全な範囲内で少しでも低吸入過熱状態で運転ができるような吸入過熱度の目標値を設定する。そして、実際の吸入過熱度が上記目標値になるように膨張弁3の開度制御を行うのである。こうすることによって、水側熱交換器4を効率に使用して、小型化,高性能化を図ることができるのである。
【0005】
以下、上記膨張弁3の開度制御の具体的な方法について説明する。図3に示すように、水側熱交換器4から圧縮機1への吸入配管5には、吸入配管温度を検出する温度センサ6と吸入配管5内を流れる冷媒の低圧圧力を検出する圧力センサ7とを設けており、両センサ6,7からの検出信号は膨張弁開度演算部8に入力される。膨張弁開度演算部8は、上記吸入配管温度と低圧圧力値とに基づいて現在の吸入過熱度を算出し、この現吸入過熱度と目標値との差に応じて所定開度だけ膨張弁3を開閉させる開度変化量を設定する。
【0006】
そして、上記設定された開度変化量を表す開度信号が開度可変動作部9に出力され、この開度可変動作部9によって、上記開度変化量に応じて膨張弁3の開閉が行われるのである。
【0007】
図4は、上記膨張弁開度演算部8によって実行される膨張弁の開閉制御処理動作のフローチャートである。以下、図4に従って、膨張弁の開閉制御処理動作について、より具体的に説明する。本空気調和装置全体の動作を制御する制御装置(図示せず)から膨張弁開度演算部8に対して膨張弁の開閉制御の要求があると、膨張弁の開閉制御処理動作がスタートする。
【0008】
ステップS1で、サンプリングタイマがセットされる。ステップS2で、上記サンプリングタイマがアップしたと判断されるとステップS3に進む。ステップS3で、温度センサ6によって検出された吸入配管温度と圧力センサ7によって検出された低圧圧力とに基づいて、現吸入過熱度Bが算出される。ステップS4で、現吸入過熱度Bが目標値aよりも高いか否かが判別される。その結果、高い場合にはステップS5に進み、そうでない場合にはステップS6に進む。ステップS5で、膨張弁3を所定の開度だけ開放させる開度信号が開度可変動作部9に出力される。そうした後、上記ステップS1に戻って、上記サンプリングタイマがリセットされる。こうして、膨張弁3が上記所定開度だけ開放される。
【0009】
ステップS6で、上記現吸入過熱度Bが目標値aよりも低いか否かが判別される。その結果、低い場合にはステップS7に進み、そうでない場合には、現吸入過熱度Bは目標値aであるから膨張弁3の開度制御を行わず、上記ステップS1に戻って、上記サンプリングタイマがリセットされる。ステップS7で、膨張弁3を所定の開度だけ閉鎖させる開度信号が開度可変動作部9に出力される。そうした後に、上記ステップS1に戻って、上記サンプリングタイマがリセットされる。こうして、膨張弁3が上記所定開度だけ閉鎖される。以後、ステップS1からステップS7までの動作が繰り返されるのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の膨張弁の開度制御には、以下のような問題がある。すなわち、図3に示す空気調和装置では、温度センサ6や圧力センサ7によって吸入配管温度や冷媒の低圧圧力を検出するようにしているが、このセンサ6,7には測定誤差が生ずる。さらに、低過熱度域では、配管での気液分布つまり温度分布が悪化すること等のために、吸入配管温度の測定が困難になる。これらの理由から、上記現吸入過熱度Bが実際よりも高く算出されてしまい、過度に低過熱度運転が行われることになる。
【0011】
そのため、従来においては、上記過熱度の目標値aを充分に安全度(例えば、本来の目標値「4℃」に対して「+4℃」)を取った比較的高い値に設定して、膨張弁3の開閉制御処理を行っている。その結果、水側熱交換器4を有効に利用することができる余地が残ってしまい、水側熱交換器4の有効利用を図ることができないという問題が生ずる。
【0012】
そこで、この発明の目的は、圧縮機の安全運転状態を保ちつつ低吸入過熱度運転を行うことが可能な膨張弁制御装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、圧縮機,凝縮器,膨張弁および蒸発器を冷媒配管で環状に接続し,上記圧縮機の吸入配管に第1温度センサと第1圧力センサとを設け,上記第1温度センサで検出された温度と上記第1圧力センサで検出された圧力とに基づいて,上記圧縮機の吸入過熱度が目標値になるように上記膨張弁の開度を制御する膨張弁の制御装置において、上記圧縮機の吐出配管に設けられると共に吐出冷媒の温度を検出する第2温度センサと、上記圧縮機の吐出配管に設けられると共に上記吐出冷媒の圧力を検出する第2圧力センサと、上記検出された吐出冷媒の温度と圧力とに基づいて上記圧縮機の吐出過熱度を求め,この吐出過熱度が第1設定値よりも低い場合には , 上記目標値を , 所定の値から所定値だけ高い値に修正する一方 , 上記目標値が上記修正値であり且つ上記吐出過熱度が第2設定値よりも高い場合には , 上記目標値を , 上記修正値よりも上記所定値だけ低い値に戻す膨張弁開度演算手段を備え、上記第1設定値は上記圧縮機が湿り圧縮になる直前の吸入過熱度に対応する吐出過熱度であり、上記第2設定値は上記圧縮機が正常運転状態となったと見なせる吸入過熱度に対応する吐出過熱度であることを特徴としている。
【0014】
上記構成によれば、膨張弁開度演算手段によって、第2温度センサで検出された吐出冷媒の温度と第2圧力センサで検出された吐出冷媒の圧力とに基づく吐出過熱度が監視されて、上記吸入過熱度の目標値に対する修正が行われる。こうして、上記吸入過熱度よりは高い値を示す吐出過熱度が監視されることによって、上記吸入過熱度によって圧縮機の湿り状態を判断するよりは、容易且つ正確に上記圧縮機の湿り状態が判断される。
【0015】
さらに、上記吐出過熱度によって、上記圧縮機が湿り状態になったと判断された場合に上記吸入過熱度の目標値を高めることによって、常時吸入過熱度の目標値に安全度を持たせておく必要が無くなる。したがって、上記圧縮機の安全運転状態を保ちつつ、低吸入過熱度運転を行うことが可能になる。
【0016】
さらに、上記吐出過熱度が、第1設定値よりも低い場合には上記目標値が高められ、第2設定値(>第1設定値)よりも高い場合には上記目標値が低められる。その際に、上記第1設定値は、上記圧縮機が湿り運転状態になる直前の吸入過熱度に対応する吐出過熱度に設定される一方、上記第2設定値は、上記圧縮機が正常運転状態であると見なせる吸入過熱度に対応する吐出過熱度に設定されている。したがって、上記圧縮機が湿り状態であることを的確に判断して上記吸入過熱度の目標値を高めることが可能になる。
【0017】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の膨張弁の制御装置において、上記膨張弁開度演算手段は、上記吐出過熱度が上記第1設定値よりも低い状態が所定時間継続した場合に上記目標値を高めるようになっていることを特徴としている。
【0018】
上記構成によれば、上記吐出過熱度が第1設定値よりも低い状態が所定時間継続した場合に上記目標値が高められる。したがって、例えば、上記圧縮機が湿り運転状態になったことがより確実に判断される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態の膨張弁の制御装置が搭載されている空気調和装置における構成を示す概略図である。本実施の形態における空気調和装置は、図3に示す空気調和装置と同様に、冷却された水を用いて冷房を行う空気調和装置である。図1において、圧縮機11,空気側熱交換器12,膨張弁13,水側熱交換器14,吸入配管15,第1温度センサ16および第1圧力センサ17は、図3に示す圧縮機1,空気側熱交換器2,膨張弁3,水側熱交換器4,吸入配管5,温度センサ6および圧力センサ7と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0020】
本実施の形態においては、上記圧縮機11から空気側熱交換器12への吐出配管18に、吐出配管温度を検出する第2温度センサ19と吐出配管18内を流れる冷媒の高圧圧力を検出する第2圧力センサ20とを設けている。そして、全センサ16,17,19,20からの検出信号は、膨張弁開度演算部21に入力されるようにしている。
【0021】
上記膨張弁開度演算部21は、第1温度センサ16で検出された吸入配管温度と第1圧力センサ17で検出された低圧圧力値とに基づいて現在の吸入過熱度を算出し、この現吸入過熱度と目標値との差に応じて膨張弁13を所定開度だけ開閉させるための開度信号を出力する。さらに、第2温度センサ19で検出された吐出配管温度と第2圧力センサ20で検出された高圧圧力値とに基づいて現在の吐出過熱度を算出し、この現吐出過熱度に基づいて圧縮機11が湿り状態であるか否かを判定する。そして、湿り状態の場合とそうでない場合とで、上記吸入過熱度の目標値を変更するのである。こうして、圧縮機の安全運転状態を保つことと、低吸入過熱度運転を行うこととの両立を図るのである。
【0022】
尚、その際における上記過熱度の算出は、上記第1温度センサ16あるいは第2温度センサ19で検出された配管温度(冷媒温度)と第1圧力センサ17あるいは第2圧力センサ20で検出された圧力時における乾燥飽和蒸気温度との差を算出することによって行われる。
【0023】
上記膨張弁開度演算部21からの上記開度信号は開度可変動作部22に出力され、この開度可変動作部22によって、上記開度信号に基づいて上記所定開度だけ膨張弁13の開閉が行われるのである。
【0024】
図2は、上記膨張弁開度演算部21によって実行される膨張弁の開閉制御処理動作のフローチャートである。以下、図2に従って、膨張弁の開閉制御処理動作について具体的に説明する。本空気調和装置全体の動作を制御する制御装置(図示せず)から膨張弁開度演算部21に対して膨張弁の開閉制御の要求があると、膨張弁の開閉制御処理動作がスタートする。
【0025】
ステップS11で、サンプリングタイマがセットされる。ステップS12で、上記サンプリングタイマがアップしたと判断されるとステップS13に進む。ステップS13で、第2温度センサ19によって検出された吹出配管温度と第2圧力センサ20によって検出された高圧圧力とに基づいて、現在の吐出過熱度Dが算出される。
【0026】
ステップS14で、上記吸入過熱度の目標値aが値「A」に設定されているか否かが判別される。その結果、値「A」に設定されていればステップS15に進む一方、そうでなければ(つまり、値「A+F」=「A'(>A)」に設定されていれば)ステップS18に進む。ステップS15で、現吐出過熱度Dが第1設定加熱度Cよりも低いか否かが判別される。その結果、低い場合にはステップS16に進み、そうでなければ圧縮機11は正常に運転されていると判断されてステップS20に進む。ステップS16で、D>CになってからE秒以上が経過したか否かが、カウンタやタイマ(共に図示せず)を用いて判別される。その結果、E秒以上が経過すれば、D>Cの状態がE秒以上継続しているので、吸入過熱度が低くなり過ぎて圧縮機11が湿り状態での運転になっていると判断されてステップS17に進む。一方、そうでなければ、上記ステップS15に戻ってE秒以上が経過するのを待つ。但し、E秒が経過前にD≦CになればステップS20に進む。
【0027】
ステップS17で、上記吸入過熱度が低くなり過ぎているので、吸入過熱度の目標値aの値が値「A」から値「A'」に高められる。そうした後、ステップS20に進む。こうして、吸入過熱度が低くなり過ぎて圧縮機11が湿り状態での運転になることが防止される。
【0028】
ステップS18で、現吐出過熱度Dが第2設定加熱度G(>C)よりも高いか否かが判別される。その結果、高い場合には、目標値aが高く(値「A'」)設定されたことによって吸入過熱度が正常(圧縮機11は乾き運転)に復帰したと判断されてステップS19に進む。一方、そうでなければ、吸入過熱度は未だ正常に復帰していない判断されて、目標値aが「A'」のままステップS20に進む。ステップS19で、圧縮機11は正常に運転されているので、吸入過熱度の目標値aの値が現在の値「A'」から元の値「A」に戻される。こうして、不必要に吸入過熱度を高くして水側熱交換器14の効率を低下させることが防止される。
【0029】
ステップS20で、上記第1温度センサ16で検出された吸入配管温度と第1圧力センサ17で検出された低圧圧力値と上記設定された吸入過熱度の目標値aに基づいて、図4に示す従来の膨張弁の開閉制御処理におけるステップS3〜ステップS7と同様の処理によって、膨張弁13の開閉制御処理が実行される。そうした後に、上記ステップS1に戻って、上記サンプリングタイマがリセットされる。こうして、膨張弁13の開度が上記吸入過熱度が目標値aになるように上記所定開度ずつ開閉制御されるのである。以後、ステップS11からステップS20までの動作が繰り返されるのである。
【0030】
上述のごとく、本実施の形態においては、上記吸入配管15に設けられて上記吸入過熱度制御を行うための第1温度センサ16および第1圧力センサ17に加えて、吐出配管18に吐出配管温度を検出する第2温度センサ19と冷媒の高圧圧力を検出する第2圧力センサ20とを設けている。そして、膨張弁開度演算部21によって、第2温度センサ19からの吐出配管温度と第2圧力センサ20からの高圧圧力とに基づいて、吸入過熱度よりは高い値を示すために吸入配管温度よりは測定が容易且つ正確に行い得る吐出過熱度の値Dを監視する。
【0031】
そして、現吐出過熱度Dが、上記圧縮機11が湿り圧縮になる直前の吸入過熱度に対応する第1設定加熱度Cよりも低い状態がE秒以上継続した場合には、吸入過熱度の目標値aの値を値「A」から値「A'」に高める。一方、現吐出過熱度Dが、圧縮機11は正常運転状態になったと見なせる吸入過熱度に対応する第2設定加熱度G(>C)よりも高い場合には、吸入過熱度の目標値aの値を値「A」に戻すようにしている。
【0032】
こうすることによって、上記圧縮機11が湿り状態で運転されていることを的確に検知して吸入過熱度の目標値aを充分安全な値「A'」に高めることがきるため、常時吸入過熱度の目標値aに安全度を持たせておく必要が無くなる。したがって、圧縮機11の安全運転状態を保ちつつ、低吸入過熱度運転を行うことが可能になるのである。
【0033】
その結果、上記水側熱交換器14の有効利用を図ることができ、水側熱交換器14の小型化や低コスト化、更には本空気調和装置の高効率化を図ることができるのである。
【0034】
尚、上記膨張弁開度演算部21による膨張弁の開閉制御処理の動作は、図2に示すフローチャートに限定するものではない。また、本実施の形態においては、1タイムアップ毎に所定開度だけ膨張弁13の開閉を行うようにしているが、現吸入過熱度Bと目標値aとの差に応じた開度で開閉を行うようにしても差し支えない。
【0035】
また、本実施の形態においては、目標値aを標準値としての値「A」から修正値としての値「A'」まで一気に変更しているが、段階的に変更するようにしても差し支えない。その場合には、最初は変更幅を大きく徐々に小さくすれば、より木目細かく吸入過熱度を制御できる。
【0036】
また、本実施の形態においては、上記第2温度センサ19によって検出された吹出配管温度を吐出冷媒温度と見なして現吐出過熱度Dを算出しているが、実際に吐出冷媒温度を検出するようにしても差し支えない。
【0037】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1に係る発明の膨張弁の制御装置は、圧縮機の吸入過熱度が目標値になるように膨張弁の開度を制御する際に、膨張弁開度演算手段によって、吐出冷媒の温度と圧力とに基づいて吐出過熱度を監視し、この吐出過熱度に基づいて上記吸入過熱度の目標値を修正するので、上記吸入過熱度よりは高い値を示す吐出過熱度を監視することによって、上記圧縮機の湿り状態の判断を、上記吸入配管温度に基づく場合よりも、容易且つ正確に行うことができる。
【0038】
さらに、上記圧縮機が湿り状態になったと判断された場合には上記吸入過熱度の目標値を高めることによって、吸入過熱度の目標値に常時安全度を持たせておく必要が無くなる。したがって、上記圧縮機の安全運転状態を保ちつつ、低吸入過熱度運転を行うことが可能になる。
【0039】
さらに、第1設定値を、上記圧縮機が湿り運転状態になる直前の吸入過熱度に対応する吐出過熱度とし、第2設定値を、上記圧縮機が正常運転状態であると見なせる吸入過熱度に対応する吐出過熱度とすると共に、上記膨張弁開度演算手段によって、上記吐出過熱度が上記第1設定値よりも低い場合には上記目標値を高める一方、上記吐出過熱度が上記第1設定値よりも高い上記第2設定値よりも高い場合には上記目標値を低めるので、上記圧縮機が湿り状態であることを的確に判断して上記吸入過熱度の目標値を高めることが可能になる。
【0040】
また、請求項2に係る発明の膨張弁の制御装置は、上記膨張弁開度演算手段によって、上記第1設定値よりも低い吐出過熱度が所定時間継続した場合に上記目標値を高めるので、例えば、上記圧縮機が湿り運転状態になったことをより確実に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の膨張弁の制御装置が搭載されている空気調和装置の構成を示す概略図である。
【図2】 図1における膨張弁開度演算部によって実行される膨張弁の開閉制御処理動作のフローチャートである。
【図3】 空気調和装置における膨張弁制御系の説明図である。
【図4】 図3における膨張弁開度演算部によって実行される膨張弁の開閉制御処理動作のフローチャートである。
【符号の説明】
11…圧縮機、
12…空気側熱交換器、
13…膨張弁、
14…水側熱交換器、
15…吸入配管、
16…第1温度センサ、
17…第1圧力センサ、
18…吐出配管、
19…第2温度センサ、
20…第2圧力センサ、
21…膨張弁開度演算部、
22…開度可変動作部。
Claims (2)
- 圧縮機(11),凝縮器(12),膨張弁(13)および蒸発器(14)を冷媒配管で環状に接続し、上記圧縮機(11)の吸入配管(15)に第1温度センサ(16)と第1圧力センサ(17)とを設け、上記第1温度センサ(16)で検出された温度と上記第1圧力センサ(17)で検出された圧力とに基づいて、上記圧縮機(11)の吸入過熱度が目標値(a)になるように上記膨張弁(13)の開度を制御する膨張弁の制御装置において、
上記圧縮機(11)の吐出配管(18)に設けられると共に、吐出冷媒の温度を検出する第2温度センサ(19)と、
上記圧縮機(11)の吐出配管(18)に設けられると共に、上記吐出冷媒の圧力を検出する第2圧力センサ(20)と、
上記検出された吐出冷媒の温度と圧力とに基づいて上記圧縮機(11)の吐出過熱度を求め、この吐出過熱度が第1設定値 ( C ) よりも低い場合には、上記目標値 ( a ) を、所定の値 ( A ) から所定値だけ高い値 ( A+F ) に修正する一方、上記目標値 ( a ) が上記修正値 ( A+F ) であり、且つ、上記吐出過熱度が第2設定値 ( G ) よりも高い場合には、上記目標値 ( a ) を、上記修正値 ( A+F ) よりも上記所定値だけ低い値 ( A ) に戻す膨張弁開度演算手段(21)を備え、
上記第1設定値 ( C ) は、上記圧縮機 ( 11 ) が湿り圧縮になる直前の吸入過熱度に対応する吐出過熱度であり、
上記第2設定値 ( G ) は、上記圧縮機 ( 11 ) が正常運転状態となったと見なせる吸入過熱度に対応する吐出過熱度である
ことを特徴とする膨張弁の制御装置。 - 請求項1に記載の膨張弁の制御装置において、
上記膨張弁開度演算手段(21)は、
上記吐出過熱度が上記第1設定値(C)よりも低い状態が所定時間継続した場合に、上記目標値(a)を高めるようになっていることを特徴とする膨張弁の制御装置。
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