JP3697897B2 - 電池容量計の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載される電池の残存容量を算出し、メータパネル上の電池容量計に提示する電池容量計の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気自動車においては、電力源となる電池の残存容量をメータパネル上の電池容量計に提示していた。
電池の残存容量を推定する場合、
【数1】
(残存容量)=(推定電池容量)−(放電電力量) …(1)
により算出される。ここで、式(1)に示す放電電力量を推定するには、Wh−P特性から算出するパワー演算方式を用いる場合と、放電電力を実測し積算するWh積算方式を用いる場合とがある。
【0003】
また、充電時には、充電途中で刻々に変化する放電深度DOD毎に決まる充電電圧と電流を用いてWh積算を行うように制御装置によって制御されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、図14を参照して、電池の放電深度(DOD)と放電電力量の推定誤差との関係を定性的に説明する。なお、同図において、L1はパワー演算方式の場合を示し、L2はWh積算方式の場合を示している。
パワー演算方式の場合、電池の電流,電圧を測定した時の測定誤差に起因してパワー演算誤差を生じ、そのパワー演算誤差が推定放電電力量に反映されて推定誤差となる。この誤差は、電池の内部抵抗が小さい(電池性能が良い)ほど大きくなるとともに、図14に示すように、放電深度(DOD)が浅いほど大きくなる。
【0005】
一方、Wh積算方式の場合、放電電力量が大きくなるにつれて、すなわち放電深度(DOD)が深くなるにつれて電流,電圧を測定した時の測定誤差が累積するため、放電深度(DOD)が深いほど誤差が大きくなる。
このように、パワー演算方式を用いた場合には放電深度(DOD)が浅い領域で、Wh積算方式を用いた場合には放電深度(DOD)が深い領域でそれぞれ所定の残存容量指示精度より誤差が大きくなるといった欠点があった。
【0006】
また、電池は低温状態や劣化状態では充放電効率が低下するため、従来のように、放電深度DOD毎に決まる充電電圧と電流を用いてのみ充電時のWh積算を行う場合には、Wh積算値に誤差が蓄積されるといった欠点があった。
この結果、メータパネル上に提示される電池容量計が示す値にズレが生じるといった問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、電気自動車に搭載される電池容量計の精度向上に寄与することができる電池容量計の制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するため、車両に搭載される電池の放電深度を求め、この放電深度が浅い領域では電力積算方式を用いて電池の残存容量を算出する一方、この放電深度が深い領域ではパワー演算方式を用いて残存容量を算出し、メータパネル上の電池容量計に残存容量を提示するように制御する制御装置であって、車両の走行時には、前記電池の内部抵抗を算出する内部抵抗算出手段と、前記放電深度に対応する電池の内部抵抗を記憶する記憶手段とを備え、前記電池の充電時には、内部抵抗に対応する充放電効率を予め記録する充放電効率記録手段と、走行を停止した時点での放電深度に対応する電池の内部抵抗を前記記憶手段から参照する第1の参照手段と、この内部抵抗に対応する充放電効率を前記充放電効率記録手段から参照する第2の参照手段と、この参照手段により参照された充放電効率に基づいて、前記電力積算方式で算出される充電時の電力積算値を補正する電力積算値補正手段とを備えることを要旨とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、上記課題を解決するため、前記充放電効率記録手段は、内部抵抗に対応する充放電効率を電池の温度毎に記録し、前記第2の参照手段は、現在の電池温度に応じて、内部抵抗に対応する充放電効率を前記充放電効率記録手段から参照することを要旨とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、上記課題を解決するため、前記電力積算値補正手段は、電池の劣化状態に応じて、充放電効率を補正することを要旨とする。
【0011】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、車両の走行時には、電池の内部抵抗を算出しておき、放電深度に対応する電池の内部抵抗を記憶しておく。一方、電池の充電時には、内部抵抗に対応する充放電効率を予め記録しておき、走行を停止した時点での放電深度に対応する電池の内部抵抗を参照し、さらに、この内部抵抗に対応する充放電効率を参照する。次に、この参照された充放電効率に基づいて、電力積算方式で算出される充電時の電力積算値を補正することで、補正後の電力積算値を用いて電力積算方式による電池の残存容量を算出するので、電気自動車に搭載される電池容量計の精度向上に寄与することができる。
【0012】
また、請求項2記載の本発明によれば、内部抵抗に対応する充放電効率を電池の温度毎に記録しておき、現在の電池温度に応じて、内部抵抗に対応する充放電効率を参照するようにしているので、電池温度に応じる最適な充放電効率を用いて電力積算方式で算出される充電時の電力積算値を補正することで、補正後の電力積算値を用いて電力積算方式による電池の残存容量を算出するので、電気自動車に搭載される電池容量計の精度向上に寄与することができる。
【0013】
また、請求項3記載の本発明によれば、電池の劣化状態に応じて、充放電効率を補正することで、電池の劣化状態に応じる最適な充放電効率を用いて電力積算方式で算出される充電時の電力積算値を補正することで、補正後の電力積算値を用いて電力積算方式による電池の残存容量を算出するので、電気自動車に搭載される電池容量計の精度向上に寄与することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る電池容量計の制御装置1の構成を示す図である。
図1に示すように、電池3には、インバータ27を介して負荷となるモータ29が接続されており、電池3からの直流電流がインバータ27によって所望の三相交流電流に変換されモータ29が駆動される。
【0015】
電圧検出器5は、電池3からインバータ27に供給される直流電圧Vを検出する。電流検出器7は、電池3からインバータ27に供給される直流電流Iを検出する。温度検出器8は、電池3の電池温度Tを検出する。
電池制御部9は、CPU、ROM、RAM(メモリ部)、タイマ等を有し、電流検出器7で検出される電池3の直流電流I、電圧検出器5で検出される電池3両端の直流電圧Vに基づいて、電池3の出力パワー演算やWh積算演算を行い残存容量を求め、メータパネル上の電池容量計11に残存容量を出力する。
【0016】
充電器13は、充電時に例えば商用電源AC100Vからの電力を直流に変換して電池3に供給し充電を行う。車速センサ15は、車輪に取り付けられたロータリーエンコーダからなり、車速パルス信号をモータ制御部25および電池制御部9に出力する。
【0017】
また、モータ制御部25は、運転者の操作量としてアクセル21からのアクセル開度や変速レバー23からのシフトポジションに対応するトルク指令値に応じてPWM信号を生成してPWM(パルス幅変調)制御を行う。インバータ27は、内部に複数のスイッチング素子を有し、このスイッチング素子をモータ制御部25から出力されたPWM信号に応じてON・OFF制御することで、電池3からの直流電流を三相交流電流に変換するものであり、スイッチング素子の駆動制御によりモータ29の出力トルク等の制御を行うことができる。このインバータ27には、モータ制御部25が接続されており、モータ制御部25からのPWM信号に応じてインバータ27内のスイッチング素子がON・OFF制御され、所望の三相交流電流がモータ25に供給される。モータ29は、インバータ27から供給される三相交流電流に応じて車両を駆動する。なお、モータ29等は、本実施の形態においては、単なる負荷として考えることとし、詳細な説明を省略する。
【0018】
次に、図2(a),(b)を参照して電池3の放電特性について説明する。
【0019】
一般に、電池3の出力パワーPは、図2(a)に示すように、電池3の放電可能出力Pに対して、現在の放電度合いを表す放電深度DODに依存する。
また、電池3の出力パワーPは、図2(b)に示すように、例えば放電深度DODが50%未満の場合には、内部抵抗Rが小さく各放電深度DOD毎の差が少ないため、信頼度が低くなっており、放電深度DODが50%以上の場合には、内部抵抗Rが大きく各放電深度DOD毎の差が大きいため、信頼度が高くなる。
【0020】
一方、電池3のWh積算量は、放電深度DODが50%未満の場合には、リセット後の積算誤差が少ないため、信頼度が高く、放電深度DODが50%以上の場合には、積算誤差が増加していくため、信頼度が低くなってくる。
【0021】
次に、図3を参照して電池の放電電力演算値の誤差について定性的に説明する。なお、図3(a)はWh積算方式を用いた場合、図3(b)はパワー演算方式を用いた場合を示す。図では縦軸に放電電力演算値(Wh演算値)を、横軸に放電電力Whの真値をそれそれとり、a1,a2は誤差範囲を示している。
【0022】
図3(a)に示すWh積算方式では、放電電力測定時の電流,電圧誤差の累積が誤差の要因であるため、Wh演算値が大きくなるにつれて誤差がおおきくなる。図の例でほWh演算値が大きいところ(放電深度DODがほば100%となったところ)では誤差が±8%程度となる。通常、この演算精度は、±5%程度が要求される。そのため、放電深度DODが深いところ、すなわち放電末期では要求精度を満たすことができない。
【0023】
一方、図3(b)に示すパワー演算方式の場合には、Wh演算値が小さい(放電深度が浅い)ところで誤差が大きく、Wh演算値が大きくなるにつれて誤差が小さくなって行く。図の例ではWh演算値がほぼ零の所では誤差が±10%程度となっており、放電深度DODの浅いところでは要求精度を満たしていないことが分かる。
【0024】
次に、図6〜図13を参照しつつ、図4,図5に示すフローチャートを用いて、電池容量計の制御装置1の動作を説明する。なお、本フローチャートに示す制御プログラムは、電池制御部9内部に設けられたROMに記憶されており、タイマによる所定のサンプリング時間毎に処理されることとする。
【0025】
まず、ステップS10では、電池制御部9は、車速センサ15から出力される車速パルス信号が「0」となり車両が停車したか否かを判断する。車両が停車中ではなく、走行中の場合にはステップS20に進む。一方、車両が停車中の場合にはステップS50に進む。
【0026】
車両が走行中の場合、ステップS20では、残存容量算出処理を行うため、サブルーチンS200をコールする。図5に移り、サブルーチンS200の各ステップが処理される。
まず、ステップS210では、走行中の電池の電流変化を捉えて放電電流Iおよび放電電圧Vをサンプリングして、図6に示すように、内部RAMに放電深度DOD毎に格納する。
【0027】
ステップS220では、サンプリングした放電電流I,放電電圧Vに基づいて、電池の最大出力Pmaxを算出する。
パワー演算方式では、測定した複数の放電電流I,放電電圧Vから図7(a)に示すようにIV特性を一次回帰演算してそのIV特性と放電終止電圧Vminとの交点からその時の電池の最大出力Pmaxを算出する。
【0028】
そのため、電圧Vに±△Vの誤差が生じると、図7(b)に示すように、回帰直線から得られる電流Imaxに誤差±△Imaxが生じることになり、その結果、最大出力Pmaxに誤差として、
△P=Vmin × △Imax
が生じる。図7(a)において、直線B1で示される電池の内部抵抗Rは、直線B2で示される電池の内部抵抗Rより小さく電池性能が良いが、図からもわかるように内部抵抗Rが小さいほど誤差±△Imaxが大きくなる。誤差±△Imaxが生じると、図7(c)に示すように、Wh−P特性から得られる放電電力にも誤差△Pに応じて誤差△Whが生じる。ここで、放電深度DODが浅い領域C1と深い領域C2とを比較すると、DODが浅い方が誤差△Whが大きいことが分かる。
【0029】
なお、最大出力Pmaxとは、車両における放電可能パワー(パワー演算値)のことであり、電池単独での最大出力P’maxとは同義ではない。すなわち、電池のパワーは、放電電流Iと放電電圧Vにより次式で表される。
【0030】
【数2】
ただし、Eは電池の開放電圧、Rは電池の内部抵抗である。
【0031】
従って、電池単独の最大出力は、V=E/2におけるパワー
P’max=E2/4R
で一義的に決定される。
【0032】
一方、車両での電池の使用電圧範囲はV=E/2以上とし、電池の最大出力P’maxを使用しないこととする。しかし、車両としての使用電圧の下限値Vminが、(a)電池の寿命を考慮した使用電圧範囲の下限電圧(放電終止電圧)、(b)車両搭載ユニットの性能,機能を保証可能な使用電圧範囲の下限電圧、という要因から決定されており、この電圧Vminに到達するパワーが車両としての最大出力、
Pmax=Imax × Vmin
となる。ただし、ImaxはVmin時の電流値である。
【0033】
そして、ステップS230では、電池特性に応じて放電電力Whのパワー演算値Pmaxに対する特性式Wh(Pmax)が算出される。なお、放電電力量Wh(Pmax)を算出する際には、電池の充電および回生充電の場合を考慮して次式(3)により算出する。
【0034】
【数3】
Wh(Pmax)=Wh(Pmax1)−(∫Idt × Vec × φ)…(3)
すなわち、充電前の最新の放電電力量Wh(Pmaxl)を基準値として、充電分を減算する。式(3)において第2項の積分は充電電流積算であってVecは放電電力換算用電圧(放電深度に応じた定数)、φは充放電効率(電流に応じた定数)である。なお、充電時の放電電力量Wh(Pmax)は暫定値である。
【0035】
そして、ステップS240では、最低保証パワーPminが算出されるとともに、フル容量Wh(Pmin)が算出される。
なお、フル容量Wh(Pmin)は、図8に示すWh−P特性を表す式Wh(P)に最低保証パワーPminを代入した値である。
【0036】
そして、ステップS250では、残存容量計のEMPTYランプ点灯時の容量WhCを次式(4)のように算出する。
【0037】
【数4】
WhC=Wh(Pmin)−△Wh …(4)
なお、△Whは、残存容量計がEMPTYを表示しても図8,図9に示す△WhだけEMPTY点灯後に保証する電力量である。
【0038】
そして、ステップS260では、常時IVを実測積算して現在までの放電電力量WhRを積算する。
そして、ステップS270では、新たなPmax1が得られる毎に特性式Wh(Pmax)に代入して現在までの放電電力量Wh(Pmaxl)を算出する。
【0039】
なお、放電電力量Wh(Pmax)を算出する際には、電池の充電および回生充電の場合を考慮して上述した式(3)により算出する。また、充電時の放電電力量Wh(Pmax)は暫定値であり、再度放電開婚後パワー演算が得られた時点で更新(リセット)される。また、車両が停止した際の充電時に、満充電条件を終了した場合には、
Wh(Pmax)=0
として残存容量計をリセットすることとする。
【0040】
そして、ステップS280では、平均処理された放電電力量WhEが算出される。なお、放電電力量WhEは、Wh積算方式で求められた放電電力量WhRとパワー演算方式で算出されたWh(Pmax)とを併用して、次式(5)のように算出される。
【0041】
【数5】
WhE=WhR × M(DOD)+Wh(Pmax)×{1−M(DOD)}…(5)
ここで、重みM(DOD)は放電深度DODの関数であり、Wh(Pmax)はパワー演算方式で算出された現在までの放電電力量である。例えば、
【数6】
M(DOD)=1−DOD …(6)
とすれば、図10(a)に示すように重みMは放電深度DODが深くなるにつれて1から零へと小さくなり、図10(b)のように放電電力量WhEはWhRからWh(Pmax)へと移行する。
【0042】
なお、図10(b)において、縦軸は放電電力量、横軸はパワーPである。また、図10(c)は図11に示したように所定の放電深度DODでWh積算方式からパワー演算方式に切り換えた場合のDODとM(DOD)の関係を示している。
【0043】
よって、上述したような残存容量推定方法では、パワー演算方式とWh積算方式とを併用して放電電力量を算出する。
一例として、図11に示すように放電深度(DOD)が50%を境にWh積算方式からパワー演算方式に切り換える。すなわち、放電深度(DOD)が0〜50%までをWh積算方式で算出し、放電深度(DOD)が50〜100%まではパワー演算方式で算出する。図11のように算出方式を切り換えることにより、Wh演算値の誤差を一番大きいところでも目標とする±5%程度に抑えることができる。
【0044】
図11では、放電深度(DOD)が50%を境にWh積算方式からパワー演算方式に切り換えたが、この2つの方式を併用する際のそれぞれの重み付けは、各方式の誤差の状況に応じて選択される。このとき、切り換えの要因として以下の2つの要因が考えられる。
【0045】
そして、ステップS290では、電池の残存容量を次式(7)により算出し、本サブルーチンからメインルーチンに復帰する。
【0046】
【数7】
(残存容量)=WhC−WhE …(7)
なお、残存容量計11の満充電ランプ点・消灯に関しては、普通充電制御の正常終了条件成立時(これを浦充電と定義する)に放電電力量を
WhR=0
にして滞充電ランプを点灯し、WhR>規定放電電力量となった時に消灯する。ここで、WhRを用いる理由は、満充電に近い状態ではパワー演算方式を用いるWh(Pmax)では分解能不足だからである。
【0047】
図4に戻り、ステップS30では、図6に示す放電深度DOD毎の電池の電流変化を捉えた電流Iおよび電圧Vに基づいて、電池の内部抵抗Rを算出し、図12に示すように、放電深度DOD毎の内部抵抗Rを内部RAMに記憶する。
【0048】
なお、内部抵抗Rは、上述したステップS210において、内部RAMに格納しておいた放電深度DOD毎の変化量ΔIおよびΔVから、
【数8】
R=ΔV/ΔI …(8)
求められる。
【0049】
そして、ステップS40では、電池制御部9は、パネルメータ上に設けられた電池容量計11にステップS290で算出された残存容量を出力して提示させた後、ステップS10に戻る。
【0050】
一方、車両が停車中の場合、ステップS50では、充電器13を用いて電池3に補充電を行うために充電開始スイッチ14が押されSW信号がオン状態か否かを判断する。SW信号がオン状態となった場合には、ステップS60では、充電器13により電池3に補充電が開始される。
【0051】
そして、ステップS70では、停車直前の放電深度DODに対応する内部抵抗Rを内部RAMに格納されている変換テーブル(図12)から読み出す。
そして、ステップS80では、この内部抵抗Rと現在の電池温度Tに対応する充放電効率φを内部ROMに予め記録されている変換テーブル(図13)から読み出して求める。
【0052】
なお、図13は、予め実験データとして収集された電池温度毎の内部抵抗Rに対応する充放電効率φを記録した変換テーブルを示す図である。内部抵抗Rに対応する充放電効率φを電池の温度毎に変換テーブルに記録しておき、現在の電池温度Tに応じて、内部抵抗Rに対応する充放電効率φを参照すれば、電池温度Tに応じる最適な充放電効率を用いて電力積算方式で算出される充電時の電力積算値を補正することができる。
【0053】
また、電池状態として電池の劣化状態に応じて充放電効率φに劣化係数k(0<k<1)乗じて補正するようにしてもよい。電池の劣化状態に応じて、充放電効率φを補正することで、電池の劣化状態に応じる最適な充放電効率φを用いて電力積算方式で算出される充電時の電力積算値を補正することができる。
【0054】
ここで、電池の劣化係数kは、放電時の放電電力量Whdと、放電電力量Whdまで充電するのに必要な充電電力量Whcとから、
【数9】
k=Whd/Whc
として求める。
そして、ステップS90では、この充放電効率φを用いて充電時の電力積算を次式(10)により算出する。
【0055】
【数10】
電力積算値=∫Idt × Vec × φ …(10)
この積分は、充電電流積算であってVecは放電電力換算用電圧(放電深度に応じた定数)、φは充放電効率である。
【0056】
そして、ステップS100では、充電時の電力積算値がステップS240で算出されたフル容量Wh(Pmin)まで到達したかを判断し、この条件を満足するまでステップS90に戻り、電力積算を繰り返す。
一方、満充電時にはステップS110に進み、充電器13による電池3への充電を終了する。
【0057】
このように、車両の走行時には、電池の内部抵抗Rを算出して放電深度DODに対応する電池の内部抵抗Rを内部RAMに記憶しておく一方、電池の充電時には、内部抵抗Rに対応する充放電効率φを予め内部ROMに記録しておき、走行を停止した時点での放電深度DODに対応する電池の内部抵抗Rを参照し、さらに、この内部抵抗Rに対応する充放電効率φを参照する。次に、この参照された充放電効率φに基づいて、電力積算方式で算出される充電時の電力積算値Whを補正することで、補正後の電力積算値Whを用いて電力積算方式による電池の残存容量を算出する。この結果、電気自動車に搭載される電池容量計の精度向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電池容量計の制御装置の構成を示す図である。
【図2】電池の放電特性を示す図(a)と、電池のパワー容量と電力積算量との信頼性を説明するための図(b)である。
【図3】放電電力演算値の誤差を定性的に示す図であり、(a)はWh積算方式を用いた場合、(b)はパワー演算方式を用いた場合を示す。
【図4】電池容量計の制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】電池の残存容量算出処理を行うためのサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】走行中の電池の電流変化を捉えて放電電流Iおよび放電電圧Vをサンプリングした図である。
【図7】パワー演算方式の誤差要因を説明する図であり、(a)はIV特性の一次回帰直線を示す図、(b)は誤差△Pを説明する図、(c)は誤差△Whを説明する図である。
【図8】パワー特性に対する放電電力量を示す図である。
【図9】放電深度DODと残存容量計の原点(EMPTY)との関係を示す図である。
【図10】平均処理を説明する図であり、(a)は放電深度DODと重みMとの関係を示し、(b)はWhEの変化を定性的に示す図、(c)は放電深度DODと重みMとの関係の他の例を示す。
【図11】パワー演算方式とWh積算方式とを併用して放電電力量を説明するための図である。
【図12】放電深度DOD毎の内部抵抗Rの変化を示す図である。
【図13】予め実験データとして収集された電池温度毎の内部抵抗Rに対応する充放電効率φを記録した変換テーブルを示す図である。
【図14】放電深度DODと放電電力量の推定誤差との関係を示す図である。
【符号の説明】
3 電池
5 電圧検出器
7 電流検出器
8 温度検出器
9 電池制御部
11 電池容量計
13 充電器
14 充電開始スイッチ
15 車速センサ
Claims (3)
- 車両に搭載される電池の放電深度を求め、この放電深度が浅い領域では電力積算方式を用いて電池の残存容量を算出する一方、この放電深度が深い領域ではパワー演算方式を用いて残存容量を算出し、メータパネル上の電池容量計に残存容量を提示するように制御する制御装置であって、
車両の走行時には、
放電深度毎の電池の電流変化を捉えた電流値及び電圧値に基づいて電池の内部抵抗を算出する内部抵抗算出手段と、
前記放電深度に対応する電池の内部抵抗を記憶する記憶手段とを備え、
前記電池の充電時には、
内部抵抗に対応する充放電効率を予め記録する充放電効率記録手段と、
走行を停止した時点での放電深度に対応する電池の内部抵抗を前記記憶手段から参照する第1の参照手段と、
この内部抵抗に対応する充放電効率を前記充放電効率記録手段から参照する第2の参照手段と、
この参照手段により参照された充放電効率に基づいて、前記電力積算方式で算出される充電時の電力積算値を補正する電力積算値補正手段とを備えることを特徴とする電池容量計の制御装置。 - 前記充放電効率記録手段は、内部抵抗に対応する充放電効率を電池の温度毎に記録し、
前記第2の参照手段は、現在の電池温度に応じて、内部抵抗に対応する充放電効率を前記充放電効率記録手段から参照することを特徴とする請求項1記載の電池容量計の制御装置。 - 前記電力積算値補正手段は、
電池の劣化状態に応じて、充放電効率を補正することを特徴とする請求項1記載の電池容量計の制御装置。
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