JP3697384B2 - 電池パック - Google Patents

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  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Mounting, Suspending (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次電池の温度を検出する温度検出素子を設けた電池パックに関するもので、温度検出素子の二次電池に対する熱的結合状態を一定に保って正確な温度検出を可能としたものである。
【0002】
【従来の技術】
二次電池における電池温度は、充電制御や安全制御に必要なパラメータであり、正確な温度検出が望まれている。電池温度はサーミスタ等の温度検出素子を二次電池に熱的に結合した状態に配置することによって検出される。
【0003】
図3は、特願平11−81138号に開示された二次電池の温度検出構造を備えた電池パックの構成を示すもので、温度検出素子7をそのリード線7aの弾性により二次電池10に接触させることにより熱的な結合が得られるように構成されている。
【0004】
図3において、パックケース12a、12bを構成する下ケース12a内に形成された電池位置決めリブ13により3個の二次電池10が所定位置に位置決め配置され、この二次電池10の温度を検出する温度検出素子7が、そのリード線7aがリード保持リブ14に保持され、支持台11によって下方向位置が規制された状態に配置されている。温度検出素子7はリード線7aの弾性により二次電池10側に付勢されることにより二次電池10に接触するので、二次電池10に熱的結合して二次電池10の温度を検出する。
【0005】
また、温度検出素子7を二次電池10に接触させる構成は、図4に示すように、二次電池10に温度検出素子7をテープ15で固定する方法や、温度検出素子7を接着剤によって二次電池10に固定する方法などが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成において、温度検出素子7をそのリード線7aの弾性で二次電池10に接触させるとき、安定した接触状態を維持することが困難である。即ち、リード線7aの弾性は極めて小さく、サーミスタの例で0.1N以下であり、何らかの圧力が加わったときに容易に変形し、接触状態が変化して正常な検出状態が得られないことになる。また、パックケース12a、12b、二次電池10及び温度検出素子7それぞれに寸法のばらつきがあり、互いの寸法誤差により温度検出素子7の二次電池10に対する接触圧が小さくなると正常な検出状態が得られないことになる。また、二次電池10が下ケース12a上に配置されると、温度検出素子7は二次電池10に隠れた状態になり、製造時に接触状態を目視で確認することができない問題もあった。
【0007】
また、テープや接着剤で温度検出素子7を二次電池10に固定する方法は、経年変化や接触状態のバラツキが発生しやすく、手作業による作業工数が大きくなる問題がある。
【0008】
本発明が目的とするところは、二次電池に対する温度検出素子の接触状態を安定して維持する構造を備えた電池パックを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る電池パックは、パックケース内に位置決め保持された二次電池に温度検出素子を接触させて両者が熱的に結合するように、温度検出素子を二次電池に向けて付勢する弾性片が前記パックケースに設けられてなる電池パックであって、前記弾性片は、円筒形の二次電池に隣接する位置に二次電池の直径方向に起立形成され,その上端部分に二次電池の略中心軸方向に向けた内角を形成する鉤状部位が形成され、この鉤状部位の内角内に温度検出素子が収容されてなることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、円筒形の二次電池の隣り合う位置に二次電池の高さ方向に起立形成された弾性片の上端部分に、二次電池の略中心軸方向に向く内角を形成する鉤状部位が形成され、この鉤状部位の内角内に温度検出素子を収容することにより、温度検出素子は鉤状部位に保持されると共に、弾性片の付勢により二次電池の中心方向に押圧されるので、温度検出素子の二次電池との接触性がよく、電池パックに振動や衝撃が加わったときにも位置ずれすることなく接触状態が保持される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下に示す実施形態は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
図1において、本実施形態に係る電池パックは、ポリカーボネイト樹脂の樹脂成形によって形成された下ケース4内に、電池保持リブ8によって位置決め保持して複数(ここでは6個)の二次電池1を配置し、この二次電池を過充電や過放電等から保護する電池保護回路等を構成した回路基板2を配置し、この下ケース4に同じくポリカーボネイト樹脂で成形された上ケース5を接合して、二次電池1と回路基板2とを内装した電池パックに構成されている。
【0013】
前記回路基板2から温度検出素子3が引き出されており、下ケース4に二次電池1と回路基板2とを収容した後、温度検出素子3は下ケース4に形成された弾性片6と二次電池1との間に配置される。温度検出素子3は二次電池1の温度を検出して、充電時に二次電池1が所定温度以上になったときには充電を停止する充電制御や二次電池1の異常温度上昇による電池破壊を防止する安全制御に不可欠のものであり、二次電池1の温度を安定して検出できるように維持する必要がある。
【0014】
前記弾性片6は、図2に示すように、下ケース4上に位置決め保持された二次電池1に隣接する位置に、下ケース4から二次電池1の直径方向に起立するように形成され、その先端部分に鉤状部位6aが形成されている。この弾性片6は二次電池1の直径方向の高さとほぼ同等に形成され、先端部分に略直角の内角を形成する鉤状部位6aを形成することによって、鉤状部位6aの内角はほぼ二次電池1の中心軸方向に向くようになる。この鉤状部位6aに温度検出素子3が配置されることにより弾性片6は弾性変形して温度検出素子3を二次電池1に押圧した状態に保持する。また、鉤状部位6aの内角が二次電池1の中心軸方向に向いていることによって、温度検出素子3は二次電池1の略直径方向に接する状態となり、安定した接触状態が得られる。また、この弾性片6により二次電池1や温度検出素子3の寸法のばらつきにかかわらず温度検出素子3は安定した状態で二次電池1に接触して温度検出する状態が得られる。
【0015】
二次電池1は、円筒形の直径が16.5〜17.0mmの間で変動するばらつきを有する。また、温度検出素子3はサ−ミスタであって、円筒形の直径が2.0〜3.0mmの間で変動するばらつきを有する。例えば、二次電池1の直径が最小の16.5mmで、温度検出素子3の直径が最小の2.0mmであるときにも、弾性片6はその先端部分で0.24mmの撓みが生じるので、撓みによる応力により温度検出素子3は0.6Nの押圧が加えられて二次電池1に密着する。また、二次電池1の直径が最大の17.0mmで、温度検出素子3の直径が最大の3.0mmであるとき、弾性片6はその先端部分で1.96mmの撓みが生じ、撓みによる応力により温度検出素子3は5.1Nの押圧が加えられて二次電池1に密着する。尚、温度検出素子3の外装はエポキシ樹脂であり、その圧縮強度は100N以上であり、弾性片6により最大の押圧が加わったときにも破損することはない。
【0016】
温度検出素子3の取付けは、弾性片6の先端部分を指で二次電池1から離れる方向に撓ませ、先端部分に形成された鉤状部位6aの凹部内に温度検出素子3を入れ、指を離すだけの簡単な作業で行うことができる。このときの弾性片6を撓ませるのに要する応力は7.8N程度であり、特別な治具を用いることなく人の手で十分に作業できる。
【0017】
【発明の効果】
以上の説明の通り本発明によれば、温度検出素子が二次電池に接触した状態が安定して得られるので、二次電池の充放電に不可欠な温度検出が正確になされ、性能のよい電池パックを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る電池パックの構成を示す分解斜視図である。
【図2】弾性片による温度検出素子の二次電池への接触状態を示す断面図である。
【図3】従来技術になる電池パックの構成を示す分解斜視図である。
【図4】従来技術になる温度検出素子の二次電池への取付け状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 二次電池
2 回路基板
3 温度検出素子
4 下ケース
5 上ケース
6 弾性片
6a 鉤状部位

Claims (1)

  1. パックケース内に位置決め保持された二次電池に温度検出素子を接触させて両者が熱的に結合するように、温度検出素子を二次電池に向けて付勢する弾性片が前記パックケースに設けられてなる電池パックであって、前記弾性片は、円筒形の二次電池に隣接する位置に二次電池の直径方向に起立形成され,その上端部分に二次電池の略中心軸方向に向けた内角を形成する鉤状部位が形成され、この鉤状部位の内角内に温度検出素子が収容されてなることを特徴とする電池パック。
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