JP3697220B2 - ターニング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気タービン、ガスタービン、またはこれらを組み合わせたコンバインドサイクルの発電プラント等に適用されるターニング装置及びターニング装置の運転制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
蒸気タービン、ガスタービン、またはこれらを組み合わせたコンバインドサイクルに適用される発電プラント等には、通常、モータの動力によってタービンロータを回転させるターニング装置が備えられている。
【0003】
蒸気タービン装置等に備わるタービンロータは、運転停止中にて回転させない状態のままに放置すると、タービン内部のガス(蒸気)温度が低下するのにともなってタービン車室内上下方向で温度差が生じる。これによって、タービンロータは熱伸びによって曲がりが生じたり、あるいはロータの自重で微少なロータ曲がりが生じたりする。
【0004】
このようなタービンロータのアンバランス状態を回避するため、ターニング装置は、蒸気タービン装置の運転停止時にタービンロータを所定時間、低速度にて回転させ、タービンロータの曲がりを生じないようにするためのものである。
また、このようにタービンロータを回転させることは、一般にターニングと呼ばれるものである。
【0005】
タービンロータの曲がりを防止するためのターニングは、通常5〜20rpm程度の低い回転数で行われる。このような回転数でタービンロータが回転することにより、タービンロータの曲がりは防止され、また、ロータの軸受では油膜形成が保持されることになる。
【0006】
さて、蒸気タービン装置等に備わる従来からターニング装置の構成及び機能について図3を参照しながら説明する。
図において、符号1は蒸気タービン装置、2はタービンロータ、4は蒸気タービン、10はターニング装置を示している。また、符号11にはターニングモータ(モータ)、12はギヤユニット、20はコントローラを示している。
【0007】
タービンロータ2は、図示しないボイラ等から蒸気を導き入れることによって回転する蒸気タービン4を備えて構成され、該蒸気タービン4が回転することにともなって同様に回転するものである。タービンロータ2には、カップリング(図示せず)等によって例えばコンプレッサ5等が接続され、タービンロータ2の回転により該コンプレッサ5は駆動することになる。
また、タービンロータ2の外周にはロータ側ギヤ3が設けられている。このロータ側ギヤ3は、後述するターニング装置10から出力される動力、つまりは回転をタービンロータ2に伝達するの役目を担っている。
【0008】
ターニング装置10は、ターニングモータ11と、ギヤユニット12と、コントローラ20とを主として備えて構成されている。
ターニングモータ11は、コントローラ20と接続されており、供給される電力によって一定回転数で駆動するものである。ターニングモータ11の出力軸11aには、ベベルギヤ11bが設けられており、後述するギヤユニット12に組み込まれて回転を伝達する役目を担っている。
【0009】
本図で示されるギヤユニット12は、3つのシャフト(120,121,122)と、これらシャフトのそれぞれに備わる歯数の異なるギヤ(120a,120b,121a,121b,122a,122b)と、移動ギヤ体123と、移動ギヤ体123を動かすレバー13及びアクチュエータ14とによって構成されている。
【0010】
ギヤユニット12内では、上述した異なる歯数のギヤどうしを個別に噛み合わせることにより、ターニングモータ11から出力された回転を減速させてタービンロータ2に伝達させている。これにより、ターニングモータ11が出力する回転トルクが増大するので、慣性モーメントの大きいタービンロータ2を比較的小型のターニングモータ11で回転させることが可能となっている。
【0011】
また、このギヤユニット12には、タービンロータ2に伝達する回転を断続するための移動ギヤ体123が備えられている。この移動ギヤ体123は、図において3段目に位置するシャフト122に備わり、この軸線に沿って移動可能とされている。また、移動ギヤ体123を移動させるレバー13と、該レバー13を回動させるアクチュエータ14とがギヤユニット12の一構成要素として備えられている。
【0012】
レバー14は、アクチュエータ14が動作することによって回動するので、該レバー14の一端部に連結された移動ギヤ体123は、シャフト122の軸線に沿って破線で示される位置に矢印で示すように移動することができる。移動ギヤ体123が破線の位置に移動すると、ロータ側ギヤ3と、移動ギヤ体123のギヤ123aとの噛み合わせが解除されることになり、この場合、ターニングモータ11の回転がタービンロータ2に伝達されなくなる。
【0013】
蒸気タービン4によるタービンロータ2の定格回転時では、上記説明したような動作が既に行われた状態であり、ターニングモータ11及びギヤユニット12に高い負荷や回転数が加わらなくなってターニングモータ11及びギヤユニット12の破損が防止されることになる。
【0014】
なお、レバー13を回動させるためのアクチュエータ14の動力源には圧縮空気を用いることとしているので、アクチュエータ14は図に示すように圧縮空気を供給する空気圧縮機16に接続されている。そして、アクチュエータ14に供給する圧縮空気の流量は、空気圧縮機16とアクチュエータ14との間に備わる各バルブ17,18の開弁度がコントローラ20の制御によって調整されている。これによってアクチュエータ14はコントローラ20の指示に従って適宜動作することになる。なお、符号15はアクチュエータ14の動作を監視するリミットスイッチである。
【0015】
このように、蒸気タービン装置1等に従来から備えられているターニング装置10は、一定な減速比(速度比)にて構成されたギヤユニット12と、一定出力のターニングモータ11とで構成されている。また、ターニングモータ11を許容最大電流以下で使用するために、コントローラ20内にはインターロック回路が組まれ、ターニング装置の保護がなされている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
さて、ターニングの回転開始前は、タービンロータ2、タービン4、さらにはタービンロータ2に接続されたコンプレッサ5等がすべて静止状態であるため、運動摩擦係数に比べて大きな静止摩擦係数による摩擦力が生じている。そのため、ターニングの回転開始の瞬間には、ターニングモータ11の出力に大きな初期トルクが必要である。
その結果、ターニングモータ11には、初期トルクを確保するための過大な電流が流れることになり、ターニングモータ11のトリップが引き起こされてターニングを行えない状況に陥ることがある。
【0017】
特に、蒸気タービン装置1にコンプレッサ5やポンプ(図示せず)などが接続された状態であると、これらも一緒に回転させることによって必要とされる初期トルクは変化する。つまり、ギヤユニット12にて伝達する回転速度を減速させて回転トルクを確保したにもかかわらず、初期トルクが使用状況によって増大すると、ターニングモータ11が出力できる回転トルクの能力を越えてしまう恐れがある。
【0018】
この問題については、ギヤユニット12の減速比を高めることで回避することが可能と考えられる。しかし、ギヤユニット12は一定な減速比で構成されているため、減速による回転トルクの増大が図られても、ターニングに必要とされる回転数を確保することが困難となる。
【0019】
次に、ターニングモータ11の大型化を図ることにより、ギヤユニット12の減速比を変更させずにターニングモータ11のトリップを回避する構成が考えられる。ターニングモータ11の出力増大によって回転トルクも増大するので初期トルクに十分対応することができる。もちろん、出力する回転トルクに余裕があるので、ターニングモータ11に過電流が流れることはほとんどなく、トリップは大幅に回避される。
【0020】
しかし、ターニングモータ11の出力増大に伴ってギヤユニット12等に加わるロックアップトルクは大幅に増大するので、各ギヤ(120a,120b,121a,121b,122a,122b)や各シャフト(120,121,122)等の剛性を高める必要がある。このことは大型化したターニングモータ11を採用したこととに加えてさらなるコストの上昇と重量の増大とを招いてしまうことになる。
【0021】
また、上記に反してギヤユニット12の剛性を高めないでいると、衝撃的に加わるロックアップトルクによってギヤユニット12内では低サイクル疲労が生じ、各ギヤや各シャフトの強度が低下して破損する可能性が高まることは言うまでもない。
【0022】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、モータの出力を抑えてトリップを防止するとともに、ターニングにおける必要回転数を確保できるターニング装置及びターニング装置の運転制御方法を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
請求項1に記載の発明は、タービンロータの定格回転前後に、モータの動力を用いて該タービンロータを回転させるターニング装置において、前記モータと前記タービンロータとの間には、前記モータに対する前記タービンロータの回転速度を変更する可変速伝導手段が備えられるとともに、前記可変速伝導手段と入力した回転を減速して前記タービンロータに伝達するギアユニットとの間には、所定の回転トルクにて回転伝達を遮断する回転伝達遮断手段が備えられていることを特徴としている。
【0024】
このような構成とすることで、モータから出力される回転トルクは、タービンロータの回転に必要とされる回転トルクに応じて出力されることになる。
従って、タービンロータの回転開始時にて大きな回転トルクが必要とされた場合、モータの回転数が増すことで初期の回転トルクが確保されることになり、また、タービンロータにてターニングを行うための所定の回転数が確保されると、回転トルクを大きく必要としないことからモータの回転数は低く抑えられることになる。
また、タービンロータを回転させるために伝達された回転トルクが所定値に達した場合に、タービンロータへの回転伝達は遮断されることになる。従って、回転伝達を行う可変速伝導手段等には、所定の回転トルク以上の負荷が作用しなくなって過大な負荷から保護され、また、モータに対しても、過電流が流れることが回避される。
【0025】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のターニング装置において、
前記可変速伝導手段が、回転速度を無段階に変速する無段変速機とされていることを特徴としている。
【0026】
このような構成とすることで、タービンロータに伝達する回転速度の変速によって生じるロックアップトルクが減少することとなり、モータからタービンロータに伝達される回転トルクの安定が図られることになる。
【0027】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2記載のターニング装置において、
前記可変速伝導手段が、前記モータに取り付けられていることを特徴としている。
【0028】
このような構成とすることで、モータの内部にてタービンロータに伝達する回転速度が変速されることになり、構成の簡略化が図られることになる。また、例えば、モータに供給する電力や消費電力に応じて変速を行うことが可能となり、モータの出力と回転速度の変速とを容易に関連させてターニングを行うことが可能となる。なお、このような構成は、一般にギヤードモータと称するものである。
【0029】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項記載のターニング装置において、
前記モータが、周波数を制御して電力を供給するインバータに接続されていることを特徴としている。
【0030】
このような構成とすることで、モータはインバータの制御に応じて出力が変更されることになり、例えば、回転開始時の回転トルクが必要とされる場合であれば、モータの回転数を抑えることができ、過電流を回避しつつターニングを開始させることが可能となる。また、インバータにより低速でモータを起動させることによって、モータとタービンロータとの間での回転伝達にて生じるロックアップトルクが減少することになる。
【0037】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は第1の実施の形態におけるターニング装置の構成及び機能を説明する概略構成図である。図1において、符号10aはターニング装置、11はターニングモータ、20’はコントローラ、21は無段変速機、22は無段変速機21の変速動作を行うアクチュエータ、23はトルクリミッタ、24はインバータを示している。なお、本図に示すその他の符号については、従来のターニング装置10(図3参照)の構成と同様であるため、同一符号を用いてその説明を一部省略する。
【0038】
ターニング装置10aは、ターニングモータ11と、ギヤユニット12と、コントローラ20’と、無段変速機21と、トルクリミッタ23と、インバータ24とを主として備えて構成されている。
ターニングモータ11は、供給される電力の周波数を変更するインバータ24を介してコントローラ20’と接続されている。従って、インバータ24の出力に応じてターニングモータ11は駆動する。
インバータ24は、コントローラ20’と接続されており、コントローラ20’による指示に従って周波数を変更している。
【0039】
無段変速機は、本発明にいう可変速伝導手段をいうものであり、ターニングモータ11の出力軸11aに接続されて、該ターニングモータ11から出力された動力、つまり回転を無段階に変速している。また、無段変速機21の変速動作は、これに隣接して設置されたアクチュエータ22によってなされている。
変速動作を担うアクチュエータ22は、コントローラ20’と接続されることによって該コントローラ20’の指示に従って動作するので、無段変速機21はコントローラ20’の制御によって変速する構成である。
【0040】
トルクリミッタ23は、無段変速機21とギヤユニット12との間に備わり、この間で伝達される回転トルクが所定値に達した場合に、タービンロータ2への回転伝達を遮断する機能を有している。なお、トルクリミッタ23は、定トルククラッチあるいは安全クラッチとも呼ばれるものである。
トルクリミッタ23の出力軸23aの端部には、ベベルギヤ23bが設けられ、ギヤユニット12に組み込まれて回転を伝達している。
【0041】
ギヤユニット12は、従来のターニング装置10と同様な構成とされ、入力した回転を減速してタービンロータ2に伝達している。
ギヤユニット12について簡単に説明すると、本図では3本のシャフト120,121,122のそれぞれに異なる歯数のギヤ(120a,120b,121a,121b,122a)を設け、隣接するシャフトに備わるギヤどうしを互いに噛み合わせることで伝達する回転を減速させている。
従って、伝達する回転速度が減速されることで伝達される回転トルクは増大するので、慣性の大きなタービンロータ2等を回転させることができる。もちろん、伝達される回転トルクの増大が図られることに対して、タービンロータ2への回転は順次減速されるので、タービンロータ2の回転に対してターニングモータ11の回転は大きくなる。
【0042】
また、ギヤユニット12の3段目のシャフト122には、移動ギヤ体123が従来と同様に備わり、レバー13及びレバー13を回動させるアクチュエータ14とによって伝達する回転の断続を行っている。
【0043】
さて、以上の構成からなる本実施の形態のターニング装置10aは、以下のように動作する。
ターニングを開始する場合、タービンロータ2、タービン4、さらにはタービンロータ2に接続されたコンプレッサ5等はすべて静止状態であるため、運動摩擦係数に比べて大きな静止摩擦係数による摩擦力が生じている。そのため、ターニングの回転開始の瞬間には、ターニングモータ11の出力に大きな初期回転トルクが必要である。
【0044】
コントローラ20’ではこの初期回転トルクを得るために、アクチュエータ22に対して無段変速機の減速比(速度比)を高く移行させる指示を出す。すると、無段変速機21では、アクチュエータ22の変速動作によってギヤユニット12に伝達する減速比が、例えば1.00から3.00に変更され、ターニングモータ11から出力された回転トルクは大幅に増大する。
また、このようなタービンロータ2の回転開始時では、該タービンロータ2自体の回転は低速であるので、初期に発生するロックアップトルクについても低下する。
【0045】
また、コントローラ20’では、上記説明した無段変速機21の変速動作とともにインバータ24に対して低周波数からターニングモータ11を駆動させるように指示を出す。これにより、ターニングモータ11はインバータ24の制御に応じて出力が変更されることにより、ターニングモータ11とタービンロータ2との間での回転伝達にて生じるロックアップトルクは減少する。
【0046】
そして、タービンロータ2が回転を開始すると、運動摩擦係数に移行するため摩擦力は低下するので、タービンロータ2を回転させるために必要な回転トルクは低下してくる。従って、コントローラ20’では、インバータ24での出力周波数を次第に増大させる指示を出し、また、アクチュエータ22を介して無段変速機21の減速比を低く移行させるように指示を出すことになる。
【0047】
このように、コントローラ20’がタービンロータ2の回転に伴ってインバータ24の出力周波数を増大させたり、無段変速機21の減速比を低く移行させたりすることにより、回転開始時ではターニングに必要な回転数が確保されていない状態から確保された状態に移行することになる。
【0048】
次に、ターニング装置10aの運転制御における保護回路及び保護機構について説明する。
先に説明した構成により、初期回転トルク及びロックアップトルクの低減が図られたことを既に説明した。しかし、蒸気タービン装置1に接続されるコンプレッサ5等の状態や、その他の要因による回転伝達での回転トルクまたはロックアップトルクの急激な増大は時として発生しうるものである。
そして、この一時的な負荷の増大に伴い、ターニングモータ11には過電流が流れたり、回転を伝達する部分には過大な応力が生じたりする。
【0049】
このような回転伝達における負荷の急激な変化に対応すべく、本実施の形態のターニング装置10aには、保護機構として機能するトルクリミッタ23と、保護回路として機能する過電流検知モニタ20a(電流検知手段)を有するコントローラ20’とを備えて構成されている。
【0050】
トルクリミッタについて説明する。
回転伝達において生じるロックアップトルクは、本実施の形態で示す無段変速機21であるならば、その値は比較的低く抑えられる。しかし、この無段変速機11を含めて数段に変速する可変速伝導手段では大きなロックアップトルクが生じる場合がある。従来の場合でも述べたように、ロックアップトルクが生じるとギヤユニット12や、その他回転を伝達する部分の破損を招く恐れがある。
【0051】
従って、トルクリミッタ23は、破損につながるような回転トルクが発生した場合に伝達する回転を遮断し、ターニングモータ11からの出力をタービンロータ2に伝達しないように機能することになる。
【0052】
次に、保護回路として機能する過電流検知モニタ20aを有するコントローラ20’について説明する。
回転の伝達によって過大な回転トルクがターニングモータ11に作用すると、過電流が流れるので、この電流値を常に過電流検知モニタ20aにて自動で監視する。そして、過電流検知モニタ20aにて過電流が検知された場合、アクチュエータ22に対して無段変速機21の減速比を高く移行させる指示を出す。すると、無段変速機21では、アクチュエータ22の変速動作によってギヤユニット12に伝達する減速比が変更され、ターニングモータ11から出力された回転トルクは無段変速機21から出力される段階で増大する。
この結果、ターニングモータ11の負荷が減少して過大な電流が流れなくなり、ターニングモータ11のトリップの発生が未然に回避されることになる。
【0053】
以上説明したように、本実施の形態におけるターニング装置10aによれば、ターニングモータ11の必要電力が小さくなるので、ターニングモータ11の小型化を実現することも可能となり、低コスト化を実現することができる。
また、ターニングモータ11に過電流が流れることがないので、ターニングモータ11の破損が回避され、ターニング装置10aの信頼性が向上する。
また、ギヤユニット12に対する負荷の軽減がなされるので、ターニング装置10aの使用寿命を向上させることができる。そして、このことによるメンテナンスコストの低減を図ることができる。
さらに、無段変速機の減速比の仕様範囲を変更することにより、予想以上の初期回転トルクが必要とされる場合でも、柔軟に対応してターニングを実施することが可能となる。
【0054】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態におけるターニング装置について図2を用いて説明する。図2は本実施の形態におけるターニング装置の構成及び機能を説明する概略構成図である。図2において、符号10bはターニング装置、11’はギヤードモータを示している。なお、本図に示すその他の符号については、第1の実施の形態に示したターニング装置10a(図1参照)の構成と同様であるため、同一符号を用いてその説明を省略する。
【0055】
ターニングを行うための回転をタービンロータ2に出力するモータは、この内部に可変速伝導手段を備えたギヤードモータ11’とされ、電力の供給においてはインバータ24が接続されており、内部に備わる可変速伝導手段においてはコントローラ20’に接続されている。
【0056】
従って、ギヤードモータ11’の内部にてタービンロータ2に伝達する回転速度が変速されることになり、構成の簡略化が図られることになる。また、ギヤードモータ11’に供給される電力や消費電力に応じて変速を行うことも可能とされ、ギヤードモータ11’の出力と回転速度の変速とを容易に関連させてターニングを行うことが可能となる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明した本発明のターニング装置においては以下の効果を奏する。
請求項1記載の発明は、モータとタービンロータとの間に、モータに対するタービンロータの回転速度を変更する可変速伝導手段を備えた構成とされているので、モータに対する負荷の軽減がなされて過電流が流れることがなくなり、モータのトリップが防止される。従って、ターニング装置の信頼性を向上させることができる。また、変速を行うことでターニングの必要回転数を確実に確保することができるとともに、ターニングの回転数に幅を持たせることが可能となる。また、回転トルクを抑えることができるので、モータの能力を抑えることができ、モータの小型化を図って低コスト化を実現することができる。
また、モータとタービンロータとの間に、所定の回転トルクにて回転伝達を遮断する回転伝達遮断手段が備えられているので、ターニング装置の破損につながる負荷が生じなくなり、ターニング装置の信頼性および耐久性の向上を図ることができる。
【0058】
請求項2記載の発明は、可変速伝導手段が回転速度を無段階に変速する無段変速機とされているので、ロックアップトルクの低減が図られてターニング装置にかかる負荷が減り、使用寿命を大幅に向上させることが可能となる。また、使用寿命の向上にともない、メンテナンスコストを低減させることが可能となる。
【0059】
請求項3記載の発明は、可変速伝導手段がモータに取り付けられているので、構成の簡略化を図ることができる。また、モータの出力と回転速度の変速とを容易に関連させてターニングを行うことができ、モータ制御の簡略化を図ることができる。
【0060】
請求項4記載の発明は、モータが、周波数を制御して電力を供給するインバータに接続されているので、モータの回転数を的確に制御して回転トルクを抑えることができ、過電流によるトリップを回避してターニング装置の信頼性を向上させることが可能となる。
【0061】
請求項5記載の発明は、モータとタービンロータとの間に、所定の回転トルクにて回転伝達を遮断する回転伝達遮断手段が備えられているので、ターニング装置の破損につながる負荷が生じなくなり、ターニング装置の信頼性および耐久性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態におけるターニング装置の構成及び機能を説明する概略構成図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態におけるターニング装置の構成及び機能を説明する概略構成図である。
【図3】 従来のターニング装置の構成及び機能を説明する概略構成図である。
【符号の説明】
10a,10b ターニング装置
11 ターニングモータ(モータ)
11’ ギヤードモータ(モータ)
12 ギヤユニット
20’ コントローラ
20a 過電流検知モニタ(電流検知手段)
21 無段変速機(可変速伝導手段)
23 トルクリミッタ(回転伝達遮断手段)
24 インバータ

Claims (4)

  1. タービンロータの定格回転前後に、モータの動力を用いて該タービンロータを回転させるターニング装置において、前記モータと前記タービンロータとの間には、前記モータに対する前記タービンロータの回転速度を変更する可変速伝導手段が備えられるとともに、
    前記可変速伝導手段と入力した回転を減速して前記タービンロータに伝達するギアユニットとの間には、所定の回転トルクにて回転伝達を遮断する回転伝達遮断手段が備えられていることを特徴とするターニング装置。
  2. 請求項1に記載のターニング装置において、前記可変速伝導手段は、回転速度を無段階に変速する無段変速機とされていることを特徴とするターニング装置。
  3. 請求項1または請求項2記載のターニング装置において、前記可変速伝導手段は、前記モータに取り付けられていることを特徴とするターニング装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項記載のターニング装置において、前記モータは、周波数を制御して電力を供給するインバータに接続されていることを特徴とするターニング装置。
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