JP2015161257A - ターニング装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ギアもしくはロータにかかる負担を軽減すること。
【解決手段】 実施形態によれば、ロータのターニング運転を行うターニング装置は、油圧に応じて回転数が変化する油圧モータ15と、ロータに設置されるスペーサギア24に噛合した際に、油圧モータ15のトルクを伝達する減速ギア23と、油圧モータ15に対する油圧もしくは油の流量を調整して、油圧モータ15の回転数を制御するとともに、所定のタイミングで減速ギア23をスペーサギア24に噛合させる制御装置21とを具備する。
【選択図】図3
【解決手段】 実施形態によれば、ロータのターニング運転を行うターニング装置は、油圧に応じて回転数が変化する油圧モータ15と、ロータに設置されるスペーサギア24に噛合した際に、油圧モータ15のトルクを伝達する減速ギア23と、油圧モータ15に対する油圧もしくは油の流量を調整して、油圧モータ15の回転数を制御するとともに、所定のタイミングで減速ギア23をスペーサギア24に噛合させる制御装置21とを具備する。
【選択図】図3
Description
本発明の実施形態は、タービンの停止時または起動時にロータを低速回転させるターニング装置およびその制御方法に関する。
火力発電プラント等では、ロータの曲がりを防止すること、又は曲がりを直すことを主な目的として、タービンの停止時や起動時にターニング運転を実施する。その際にロータにモータのトルクを複数枚のギアを介して伝達し、約5rpm等の低速回転でロータを回転させる装置がターニング装置である。
従来のターニング装置では、駆動機に交流電動機を用いている。また、クラッチ投入時には、投入する側のギアが回転した状態で、停止しているロータ側のスペーサギアにクラッチを投入する運転制御方法を採用している。
従来のターニング装置やその制御方法では、クラッチ側のギアが回転している状態でクラッチを投入するため、ギアの歯先同士が接触する確率が高く、また、駆動側歯先が相対的に高速で接触し噛み込むので、噛み込んだ際にギアに発生する応力は比較的高い値となる。また、最初に噛み込んだ時の衝撃でターニング装置のレバー等が跳ねられ、噛込み、跳ね返り、を幾度か繰り返すこともある。このような場合にギアに過大な応力が発生する。
また、発電所の運用方法によっては、1日1回起動停止するなど、ギア投入の頻度が高いプラントもあり、それらのプラントはギア歯先への比較的大きな繰り返し応力を受け続けることになり、いずれ損傷に至る場合もある。
特に、近年は長翼化等の技術によりロータの慣性モーメントが大きくなってきており、それに伴って容量の大きな電動のターニングモータを設置するようにしている。停止したロータを回転させる際には、ギアが噛合した際に全てのギアにロータを動かすのに十分トルクを伝達するため、瞬時、ギアには過大なトルクが加わることとなる。また、停止したロータを回転させるには静止摩擦を考慮しなければならず、回転開始後の安定した回転に比べ、静止時から回転開始時に必要とするトルクは非常に大きい。また、大きな慣性モーメントを起こす為の大きな力が必要となり、ギアの強度を持たせることは難しくなってきている。そのためギアが損傷に至るケースが増加している。
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、ギアもしくはロータにかかる負担を軽減することが可能なターニング装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
実施形態によれば、ロータのターニング運転を行うターニング装置であって、油圧に応じて回転数が変化する油圧モータと、前記ロータに設置される第1のギアに噛合した際に、前記油圧モータのトルクを伝達する第2のギアと、前記油圧モータに対する油圧もしくは油の流量を調整して、前記油圧モータの回転数を制御するとともに、所定のタイミングで前記第2のギアを前記第1のギアに噛合させる制御手段とを具備することを特徴とするターニング装置が提供される。
本発明の実施形態によれば、ギアもしくはロータにかかる負担を軽減することが可能となる。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1および図2を参照して、第1の実施形態について説明する。
図1および図2を参照して、第1の実施形態について説明する。
本実施形態のターニング装置は、例えば、蒸気タービン、ガスタービン、またはこれらを組み合わせたコンバインドサイクルの火力発電プラント、もしくは原子力プラントに用いられる。
図1は、第1の実施形態に係るターニング装置を含むプラントの概略構成を示す図である。
図1に示すように、本プラントには、タービン1、ターニングモータ40、回転検出器17、クラッチ20、制御装置21、ギア22、減速ギア23、スペーサギア24、発電機25等が設けられる。
本実施形態のターニング装置は、ターニングモータ40、回転検出器17、クラッチ20、制御装置21、ギア22、減速ギア23、スペーサギア24の全てもしくはその一部により構成される。
ターニングモータ40は、駆動装置に交流電動機を用いた電動モータである。ターニングモータ40の軸に繋がるギア22は、減速ギア23を介して、ロータ側のスペーサギア24にクラッチ20により連結され、タービン1及び発電機25の回転軸にターニングモータ40のトルクを伝達させ、ロータを回転させるように構成されている。
タービン1には、ロータの回転数もしくは回転有無の検出が可能な回転検出器17が設置される。
制御装置21は、回転検出器17の検出信号に基づき、ターニングモータ40の起動/停止、およびクラッチ20の投入/解除を制御する。例えば、制御装置21は、ターニングモータ40を起動した後、すぐに停止させ、該ターニングモータ40の回転数が減少する過程で、クラッチ20を操作して減速ギア23をスペーサギア24に噛合させる。
次に、図2のタイミングチャートを参照して、同実施形態のターニング装置による制御動作のシーケンスについて説明する。
いま、回転検出器17は動作停止の状態、ターニングモータ40は動作停止の状態、クラッチ20は解除の状態、減速ギア23とスペーサギア24とは噛合しない離脱の状態にあるものとする。
ターニング運転を開始するには、まず、回転検出器17を起動してロータの回転数を検出できる状態にする。
制御装置21は、回転検出器17を通じてロータの回転数が0であることを検知した後、ターニングモータ40を起動させる指令信号を出力する。該指令信号を受けたターニングモータ40が起動されると、ターニングモータ40の軸に繋がれたギア22と減速ギア23とが回転する。
制御装置21は、ターニングモータ40を起動させる指令信号を出力してから一定時間(例えば数秒間)が経過した後に、ターニングモータ40を停止させる指令信号を出力する。該指令信号を受けたターニングモータ40が停止すると、ギア22、減速ギア23の回転数は時間の経過とともに減少していく。
制御装置21は、ターニングモータ40を停止させる指令信号を出力してから一定時間が経過した後に、すなわち、減速ギア23の回転数が所定値以下になったときに、クラッチ20を投入させる指令信号を出力する。これにより、減速ギア23が、停止中ではなく、また高速回転中でもなく、低速回転中のとき(ターニング運転中の回転速度に比べてもかなり低い速度で低速回転しているとき)に、クラッチ20が投入され、ギア間に過大な応力を生じさせることなく、減速ギア23がスペーサギア24に円滑に噛合する。
制御装置21は、クラッチ20を投入させる指令信号を出力してから一定時間が経過した後に、ターニングモータ40を再起動させる指令信号を出力する。すなわち、ロータ回転数が0の状態で減速ギア23が低速回転状態でスペーサギア24に噛合する。その噛合が完了した状態で、ロータのターニング運転を開始するようにする。これにより、ターニングモータ40が起動されると、そのトルクがギア22、減速ギア23を介して、スペーサギア24に伝達され、ロータは回転数を上げていき、ロータのターニング運転が行われる。
第1の実施形態によれば、投入側のギアが停止中や高速回転中のときではなく、低速回転中のときにクラッチが投入されるため、ギアの跳ね返しを防ぎ、噛合を滑らかにすることができ、また、ギア歯先に比較的高い値の繰り返し応力がかかることを防止することができる。
(第2の実施形態)
図3乃至図5を参照して、第2の実施形態について説明する。
図3乃至図5を参照して、第2の実施形態について説明する。
図3は、第2の実施形態に係るターニング装置を含むプラントの概略構成を示す図である。なお、第1の実施形態と共通する要素には同一の符号を付している。
図1に示すように、本プラントには、タービン1、軸受2、油ポンプ3、主油タンク4、油配管5、油配管6、止め弁7、油圧昇圧器8、油配管9、バイパス管10、バイパス流量調節弁11、バイパス管12、戻り油配管13、流量調節弁14、油圧モータ15、ドレン管16、回転検出器17、開度検出器18、開度検出器19、クラッチ20、制御装置21、ギア22、減速ギア23、スペーサギア24、発電機25等が設けられる。
本実施形態のターニング装置は、油配管6、止め弁7、油圧昇圧器8、油配管9、バイパス管10、バイパス流量調節弁11、バイパス管12、流量調節弁14、油圧モータ15、ドレン管16、回転検出器17、開度検出器18、開度検出器19、クラッチ20、制御装置21、ギア22、減速ギア23、スペーサギア24の全てもしくはその一部により構成される。
本実施形態では、第1の実施形態で使用したターニングモータ40に代えて、油圧モータ15を使用する。油圧モータ15は、油圧により駆動されるモータである。油圧モータ15の回転数と油圧との関係を図4に示す。この図4に示される特性に基づき、油圧モータ15の回転数は油圧もしくは油の流量に応じて変化する。
本プラントには、タービン1の軸受2に潤滑油を供給する潤滑油系統として、主油ポンプ3、主油タンク4、配管5、戻り油配管13等が設けられる。潤滑油は、油配管5を通じて軸受2に供給され、軸受2で使用された潤滑油は、戻り油配管13を通じて主油タンク4に回収される。本実施形態では、このような潤滑油系統を循環する潤滑油の一部を、油圧モータ15の駆動に利用する。
すなわち、主油ポンプ3の吐出口に繋げられた油配管5から分岐する油配管6を設置し、油配管6に止め弁7を設置し、止め弁7の下流に油圧昇圧器8を設置し、油圧昇圧器8の吐出配管9の途中から分岐するバイパス管10を設置し、バイパス管10にバイパス流量調節弁11を設置し、その下流のバイパス管12を戻り油配管13に合流させるものとする。さらに、油配管9の下流に流量調節弁14を設置し、流量調節弁14の下流には油圧モータ15を設置し、流量調節弁14で油の流量もしくは油圧を制御することにより油圧モータ15の回転数を制御できるようにする。さらに、油圧モータ15で使用された油を回収するドレン管16を設置し、ドレン管16を戻り油配管13に合流させるものとする。
油圧モータ15の軸に繋がるギア22は、減速ギア23を介して、ロータ側のスペーサギア24にクラッチ20により連結され、タービン1及び発電機25の回転軸に油圧モータ15のトルクを伝達させ、ロータを回転させるように構成されている。
タービン1には回転検出器17、止め弁7には開度検出器18、バイパス流量調節弁11には開度検出器19をそれぞれ設置する。
制御装置21は、回転検出器17、開度検出器18,19の各検出信号に基づき、止め弁7の開度、バイパス流量調節弁11の開度、流量調節弁14の開度、油圧昇圧器8の起動/停止、およびクラッチ20の投入/解除を制御する。例えば、制御装置21は、バイパス流量調節弁11や流量調節弁14の制御を通じて、油圧モータ15に対する油圧もしくは油の流量を調整することで、油圧モータ15の回転数を制御するとともに、所定のタイミングでクラッチ20を操作して減速ギア23をスペーサギア24に噛合させる。
次に、図5のタイミングチャートを参照して、同実施形態のターニング装置による制御動作のシーケンスについて説明する。
いま、回転検出器17は動作停止の状態、止め弁7は全閉の状態、バイパス流量調節弁11は全閉の状態、流量調節弁14は全閉の状態、油圧昇圧器8は動作停止の状態、油圧モータ15は動作停止の状態、クラッチ20は解除の状態、減速ギア23とスペーサギア24とは噛合しない離脱の状態にあるものとする。
タービン1は通常運転中の状態にあり、主油ポンプ3より主油タンク4の潤滑油が吐出管5を経由してタービン1の軸受2に供給され、軸受2で使用された潤滑油は戻り油配管13を経由して主油タンク4に戻るよう循環している。
ターニング運転を開始するには、まず、回転検出器17にてロータの回転数0を検出する。
その後、制御装置21にて、止め弁7を全開させる指令信号を出力し、次いでバイパス流量調節弁11を全開させる指令信号を出力する。これにより、指令信号を受けた止め弁7およびバイパス流量調整弁11が開く。
制御装置21は、指令信号を受けた止め弁7およびバイパス流量調整弁11が全開したことをそれぞれ開度検出器18および開度検出器19を通じて検知した後、油圧昇圧器8を起動させる指令信号を出力する。これにより、油圧昇圧器8が起動し、吐出管5を流れる油の一部が油配管9およびバイパス管10を経由して流れるようになる。
制御装置21は、指令信号を受けた油圧昇圧器8が起動して一定時間(例えば数秒)が経過した後、バイパス流量調節弁11を全開から微閉に、流量調節弁14を全閉から微開にさせる指令信号を出力する。これにより、信号を受けた流量調節弁11は微閉し、流量調節弁14は微開し、それに伴い油圧モータ15に油が供給され、図4に示す特性に従って油圧モータ15が低速回転する。油圧モータ15が低速回転すると、油圧モータ15の軸に繋がれたギア22および減速ギア23も低速回転する。
制御装置21は、油圧モータ15が低速回転している間に、クラッチ20を投入させる指令信号を出力する。これにより、減速ギア23が、低速回転中のとき(ターニング運転中の回転速度に比べてもかなり低い速度で低速回転しているとき)に、クラッチ20が投入され、ギア間に過大な応力を生じさせることなく、減速ギア23がスペーサギア24に円滑に噛合する。
クラッチ20が投入され、減速ギア23がスペーサギア24に噛合すると、回転検出器17は検出を終える。
制御装置21は、回転検出器17が検出を終えた後、油圧モータ15に対する油圧もしくは油の流量を滑らかに増加させることにより、油圧モータ15の回転数を滑らかに増加させる。より具体的には、バイパス流量調節弁11を徐々に全閉、流量調節弁14を徐々に全開させる指令信号を出力する。これにより、バイパス流量調節弁11が徐々に全閉、流量調節弁14が徐々に全開していき、それに従って、油圧モータ15に徐々に油が供給されていき、油圧モータ15は徐々に回転数を上げていく。そして、ギア間に過大なトルクがかかることなく、油圧モータ15のトルクがギア22、減速ギア23を介して、スペーサギア24に伝達され、ロータは徐々に回転数を上げていく。
やがて、バイパス流量調節弁11が全閉、流量調節弁14が全開し、油圧モータ15は定格回転数に落ち着き、ロータのターニング運転が行われる。
第2の実施形態によれば、前述した第1の実施形態の場合と同様、投入側のギアが停止中や高速回転中のときではなく、低速回転中のときにクラッチが投入されるため、ギアの跳ね返しを防ぎ、噛合を滑らかにすることができ、また、ギア歯先に比較的高い値の繰り返し応力がかかることを防止することができる。
また、停止したロータを回転させる際に、ギア噛合後にモータの回転数を徐々に上げていく制御を行うので、ギアに過大なトルクがかかることを防止することができる。
また、低速回転域でも油圧モータによって十分なトルクが得られるため、ギアの枚数を削減することが可能となり、構造を簡潔にすることが可能となる。また、無段変速機やインバータの追設の必要もない。
(第3の実施形態)
図6および図7を参照して、第3の実施形態について説明する。
図6および図7を参照して、第3の実施形態について説明する。
図6は、第3の実施形態に係るターニング装置を含むプラントの概略構成を示す図である。なお、第2の実施形態と共通する要素には同一の符号を付している。
図1に示すように、本プラントには、タービン1、バイパス流量調節弁11、流量調節弁14、油圧モータ15、ドレン管16、回転検出器17、開度検出器19、クラッチ20、制御装置21、ギア22、減速ギア23、スペーサギア24、発電機25、主蒸気弁油筒等を含む機器群30、EHC(Electro Hydraulic Controls)ユニット31、油配管32、油配管33、オリフィス34、油配管35、バイパス管36、バイパス管37、戻り油配管38等が設けられる。
本実施形態のターニング装置は、バイパス流量調節弁11、流量調節弁14、油圧モータ15、ドレン管16、回転検出器17、開度検出器19、クラッチ20、制御装置21、ギア22、減速ギア23、スペーサギア24、油配管33、オリフィス34、油配管35、バイパス管36、バイパス管37の全てもしくはその一部により構成される。
本プラントには、主蒸気弁油筒等を含む機器群30に高圧制御油を供給する高圧制御油系統として、電気油圧制御装置で構成されるEHCユニット31、油配管32、戻り油配管38等が設けられる。高圧制御油は、油配管32を通じて機器群30に供給され、機器群30で使用された高圧制御油は、戻り油配管38を通じてEHCユニット31に回収される。本実施形態では、このような高圧制御油系統を循環する高圧制御油の一部を、油圧モータ15の駆動に利用する。
すなわち、EHCユニット31の吐出口に繋げられた油配管32の途中から分岐する油配管33を設置し、油配管33にオリフィス34を設置し、オリフィス34の下流に油配管35を設置し、油配管35の途中から分岐するバイパス管36を設置し、バイパス管36にバイパス流量調節弁11を設置し、その下流のバイパス管37を戻り油配管38に合流させるものとする。さらに、油配管35の下流に流量調節弁14を設置し、流量調節弁14の下流には油圧モータ15を設置し、流量調節弁14で油の流量もしくは油圧を制御することにより油圧モータ15の回転数を制御できるようにする。さらに、油圧モータ15で使用された油を回収するドレン管16を設置し、ドレン管16を戻り油配管38に合流させるものとする。
油圧モータ15の軸に繋がるギア22は、減速ギア23を介して、ロータ側のスペーサギア24にクラッチ20により連結され、タービン1及び発電機25の回転軸に油圧モータ15のトルクを伝達させ、ロータを回転させるように構成されている。
タービン1には回転検出器17、バイパス流量調節弁11には開度検出器19を設置する。
制御装置21は、回転検出器17、開度検出器19の各検出信号に基づき、バイパス流量調節弁11の開度、流量調節弁14の開度、およびクラッチ20の投入/解除を制御する。この制御装置21は、例えば、バイパス流量調節弁11や流量調節弁14の制御を通じて、油圧モータ15に対する油圧もしくは油の流量を調整することで、油圧モータ15の回転数を制御するとともに、所定のタイミングでクラッチ20を操作して減速ギア23をスペーサギア24に噛合させる。
次に、図7のタイミングチャートを参照して、同実施形態のターニング装置による制御動作のシーケンスについて説明する。
いま、回転検出器17は動作停止の状態、バイパス流量調節弁11は全閉の状態、流量調節弁14は全閉の状態、油圧モータ15は動作停止の状態、クラッチ20は解除の状態、減速ギア23とスペーサギア24とは噛合しない離脱の状態にあるものとする。
タービン1は通常運転中の状態にあり、EHCユニット31の高圧制御油が油配管32を経由して主蒸気弁油筒等を含む機器群30に供給され、機器群30で使用された高圧制御油は戻り油配管38を経由してEHCユニット31に戻るよう循環している。
ターニング運転を開始するには、まず、回転検出器17にてロータ回転数が0であることを検出する。その後、制御装置21にて、バイパス流量調節弁11を全開させる指令信号を出力する。これにより、指令信号を受けたバイパス流量調整弁11が開き、油配管32を流れる油の一部が油配管33、オリフィス34、油配管35、およびバイパス管36を経由して流れるようになる。
制御装置21は、開度検出器19を通じてバイパス流量調節弁11が全開していることを検知した後、バイパス流量調節弁11を全開から微閉に、流量調節弁14を全閉から微開にさせる指令信号を出力する。これにより、信号を受けた流量調節弁11は微閉し、流量調節弁14は微開し、それに伴い油圧モータ15に油が供給され、油圧モータ15が低速回転する。油圧モータ15が低速回転すると、油圧モータ15の軸に繋がれたギア22および減速ギア23も低速回転する。
制御装置21は、油圧モータ15が低速回転している間に、クラッチ20を投入させる指令信号を出力する。これにより、減速ギア23が、低速回転中のとき(ターニング運転中の回転速度に比べてもかなり低い速度で低速回転しているとき)に、クラッチ20が投入され、ギア間に過大な応力を生じさせることなく、減速ギア23がスペーサギア24に円滑に噛合する。
クラッチ20が投入され、減速ギア23がスペーサギア24に噛合すると、回転検出器17は検出を終える。
制御装置21は、回転検出器17が検出を終えた後、油圧モータ15に対する油圧もしくは油の流量を滑らかに増加させることにより、油圧モータ15の回転数を滑らかに増加させる。より具体的には、バイパス流量調節弁11を徐々に全閉、流量調節弁14を徐々に全開させる指令信号を出力する。これにより、バイパス流量調節弁11が徐々に全閉、流量調節弁14が徐々に全開していき、それに従って、油圧モータ15に徐々に油が供給されていき、油圧モータ15は徐々に回転数を上げていく。そして、ギア間に過大なトルクがかかることなく、油圧モータ15のトルクがギア22、減速ギア23を介して、スペーサギア24に伝達され、ロータは徐々に回転数を上げていく。
やがて、バイパス流量調節弁11が全閉、流量調節弁14が全開し、油圧モータ15は定格回転数に落ち着き、ロータのターニング運転が行われる。
第3の実施形態によれば、前述の第2の実施形態と同様の効果が得られるほか、高圧油系統は系統自体が十分な油圧を持っているため、油配管35に止め弁や油圧昇圧器を設置せずに済むという効果が得られる。
以上詳述したように、上述した各実施形態によれば、ギアにかかる負担を軽減することが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…タービン、2…軸受、3…油ポンプ、4…主油タンク、5…油配管、6…油配管、7…止め弁、8…油圧昇圧器、9…油配管、10…バイパス管、11…バイパス流量調節弁、12…バイパス管、13…戻り油配管、14…流量調節弁、15…油圧モータ、16…ドレン管、17…回転検出器、18…開度検出器、19…開度検出器、20…クラッチ、21…制御装置、22…ギア、23…減速ギア、24…スペーサギア、25…発電機、30…主蒸気弁油筒等の各機器、31…EHCユニット、32…油配管、33…油配管、34…オリフィス、35…油配管、36…バイパス管、37…バイパス管、38…戻り油配管、40…ターニングモータ。
Claims (10)
- ロータのターニング運転を行うターニング装置であって、
油圧に応じて回転数が変化する油圧モータと、
前記ロータに設置される第1のギアに噛合した際に、前記油圧モータのトルクを伝達する第2のギアと、
前記油圧モータに対する油圧もしくは油の流量を調整して、前記油圧モータの回転数を制御するとともに、所定のタイミングで前記第2のギアを前記第1のギアに噛合させる制御手段と
を具備することを特徴とするターニング装置。 - 前記制御手段は、前記第2のギアがターニング運転中の回転速度よりも低い速度で回転しているときに、前記第2のギアを前記第1のギアに噛合させることを特徴とする請求項1に記載のターニング装置。
- 前記制御手段は、前記第2のギアを前記第1のギアに噛合させた後、前記油圧モータに対する油圧もしくは油の流量を滑らかに増加させることにより、前記油圧モータの回転数を滑らかに増加させることを特徴とする請求項1又は2に記載のターニング装置。
- 前記油圧モータは、所定の潤滑油系統を循環する潤滑油の一部を利用して駆動されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のターニング装置。
- 前記油圧モータは、EHC(Electro Hydraulic Controls)を行う電気油圧制御装置を有する制御油系統を循環する制御油の一部を利用して駆動されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のターニング装置。
- 潤滑油が所定の機構を通って循環する潤滑油系統の途中から分岐して該潤滑油の一部を前記油圧モータに供給する油配管と、
前記油配管に設けられる流量調節弁と、
前記油配管の途中から分岐して前記潤滑油系統に潤滑油を戻すバイパス管と、
前記バイパス管に設けられるバイパス弁と
を更に具備し、
前記制御手段は、前記流量調節弁および前記バイパス弁を制御することにより、前記油圧モータに対する油圧もしくは油の流量を調整することを特徴とする請求項4に記載のターニング装置。 - 制御油が所定の機構を通って循環する制御油系統の途中から分岐して該制御油の一部を前記油圧モータに供給する油配管と、
前記油配管に設けられる流量調節弁と、
前記油配管の途中から分岐して前記制御油系統に制御油を戻すバイパス管と、
前記バイパス管に設けられるバイパス弁と
を更に具備し、
前記制御手段は、前記流量調節弁および前記バイパス弁を制御することにより、前記油圧モータに対する油圧もしくは油の流量を調整することを特徴とする請求項5に記載のターニング装置。 - ロータのターニング運転を行うターニング装置であって、
電動モータと、
前記ロータに設置される第1のギアに噛合した際に、前記電動モータのトルクを伝達する第2のギアと、
前記電動モータを起動した後、停止させ、前記電動モータの回転数が減少する過程で、前記第2のギアを前記第1のギアに噛合させる制御手段と
を具備することを特徴とするターニング装置。 - ロータのターニング運転を行うターニング装置の制御方法であって、
油圧モータに対する油圧もしくは油の流量を調整して、前記油圧モータの回転数を制御するとともに、所定のタイミングで、前記ロータに設置される第1のギアに、前記油圧モータのトルクを伝達する第2のギアを噛合させる
ことを特徴とするターニング装置の制御方法。 - ロータのターニング運転を行うターニング装置の制御方法であって、
電動モータを起動した後、停止させ、前記電動モータの回転数が減少する過程で、前記ロータに設置される第1のギアに、前記電動モータのトルクを伝達する第2のギアを噛合させる
ことを特徴とするターニング装置の制御方法。
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JP2014038095A JP2015161257A (ja) | 2014-02-28 | 2014-02-28 | ターニング装置およびその制御方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2014
- 2014-02-28 JP JP2014038095A patent/JP2015161257A/ja active Pending
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