JP2013053570A - 舶用主機蒸気タービン設備 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】再熱器25で加熱された蒸気を低圧側タービン22に導く再熱蒸気管34の途中から枝分かれして、前記再熱器25にて加熱された再熱蒸気を主復水器37に直接導くバイパス蒸気管51が設けられているとともに、前記バイパス蒸気管51の途中に、再熱蒸気ダンプ弁52が設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明に係る舶用主機蒸気タービン設備は、主ボイラからの蒸気によって回転させられる高圧タービンと、前記高圧タービンからの排気蒸気を加熱する再熱器と、前記再熱器によって加熱された蒸気によって回転させられる低圧側タービンと、前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの回転動力によって駆動させられる推進器と、前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの回転動力を前記推進器に伝達する駆動伝達手段と、を備えた舶用主機蒸気タービン設備であって、前記再熱器で加熱された蒸気を前記低圧側タービンに導く再熱蒸気管の途中から枝分かれして、前記再熱器にて加熱された再熱蒸気を主復水器に直接導くバイパス蒸気管が設けられているとともに、前記バイパス蒸気管の途中に、再熱蒸気ダンプ弁が設けられている。
これにより、タービントリップ時に、減速機を介して接続されたプロペラの回転を即座に止めることができ、オートスピニング時に、後進方向および前進方向の両方向へプロペラを速やかに回転させることができて、低圧側タービンに何等かの不具合が生じている場合でも、高圧タービンに何等の不具合も生じていない場合には、前進方向にプロペラを回転させることができる。
以下、本発明の第1実施形態に係る舶用主機蒸気タービン設備について、図1を参照しながら説明する。
図1は本実施形態に係る舶用主機蒸気タービン設備の概略構成図である。
再熱器25は、HPタービン21とIPタービン22との間に配置され、HPタービン21から排気されて(低温)再熱蒸気管33を介して導かれた蒸気を加熱する。再熱器25にて加熱された蒸気は、(高温)再熱蒸気管34を介してIPタービン22へと供給される。
ASTタービン24は、船舶が後進する際に用いられ、主蒸気管31の途中から枝分かれした後進用主蒸気管38を介して主ボイラ32からの主蒸気が直接供給され、これによりASTタービン24が回転駆動されるようになっている。また、ASTタービン24とLPタービン23とは共通の第2軸(図示せず)に設けられている。
また、図1中の符号46は、主復水器37で凝縮した復水を主ボイラ32に導く給水管であり、符号47は、給水管46の途中に設けられた復水ポンプである。
また、再熱蒸気ダンプ弁52は、IPタービン22に流入する再熱蒸気圧力を監視しながら、圧力を調整するようにしてもよい。
具体的に、IPタービン22の蒸気入口部に圧力センサーを設け、IPタービン入口の定格最大圧力および設計最大圧力を設定し、再熱蒸気ダンプ弁の開度を低格最大圧力のとき0%、設計最大圧力のとき100%のリニア制御とすることで、再熱蒸気ラインの圧力が過剰とならないよう適性に保持することができる。
これにより、タービントリップ時に、減速機を介して接続されたプロペラの回転を即座に止めることができ、オートスピニング時に、後進方向および前進方向の両方向へプロペラを速やかに回転させることができて、IPタービン22またはLPタービン23に何等かの不具合が生じている場合でも、HPタービン21に何等の不具合も生じていない場合には、前進方向にプロペラを回転させることができる。
本発明の第2実施形態に係る舶用主機蒸気タービン設備について、図2を参照しながら説明する。
図2は本実施形態に係る舶用主機蒸気タービン設備の概略構成図である。
なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
具体的に、スラスト軸受62の排油温度/パッド温度、およびタービン軸位置を連続監視し、それぞれの温度変化率および軸移動変化率が急変するなど、異常傾向を検出した時点で再熱蒸気ダンプ弁52を開き、IPタービン22の負荷を軽減させ、タービンに働くスラスト力バランスを平衡させることができる。
ここでは、蒸気タービン1の出力を約15分で約5分の1に低下させた場合のシミュレーション結果について説明する。図3における横軸は、減速制御を開始してからの経過時間を分単位で示すものであり、縦軸は蒸気タービンの出力、主蒸気の温度および再熱蒸気の温度を示すものである。さらに、蒸気タービンの出力は符号Pが付されたグラフで、主蒸気の温度は符号THが付されたグラフで、再熱蒸気の温度は符号TRが付されたグラフで示している。
その後、蒸気タービンの出力Pの減少が始まり、減速制御の開始から7分程度が経過するまでの間は、出力が一定の割合で低下し続ける。そして7分程度から10分程度までの間は、蒸気タービンの出力Pの減少率が小さくなり、10分程度が経過すると減少率は再び大きくなる。蒸気タービンの出力Pは、目標値である制御前出力の約5分の1よりも一時小さくなり(アンダーシュートして)、その後徐々に目標値に近づき、制御開始から約15分で目標値に制御される。
再熱蒸気の温度TRと比較して主蒸気の温度THは先行して低下し、主蒸気の温度THと再熱蒸気の温度TRとの逆転が発生する。この逆転は最大で約50℃に達し、蒸気タービンの出力Pが目標値である約5分の1まで低下した後も続き、減速制御の開始から30分程度が経過するまで維持される。
また、本実施形態に係る舶用主機蒸気タービン設備61および舶用主機蒸気タービン設備61の運用方法によれば、低温の蒸気がIPタービン22に大量に流入するのを防止することができ、HPタービン21およびIPタービン22の軸方向における熱分布を改善することができる。
その他の作用効果は、上述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
本発明の第3実施形態に係る舶用主機蒸気タービン設備について、図5を参照しながら説明する。
図5は本実施形態に係る舶用主機蒸気タービン設備の概略構成図である。
なお、上述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
これにより、タービントリップ時に、減速機を介して接続されたプロペラの回転を即座に止めることができ、オートスピニング時に、後進方向および前進方向の両方向へプロペラを速やかに回転させることができて、IPタービン22またはLPタービン23に何等かの不具合が生じている場合でも、HPタービン21に何等の不具合も生じていない場合には、前進方向にプロペラを回転させることができる。
例えば、上述した第3実施形態において、船舶の艤装時に、前進締切弁41よりも上流側(主ボイラ32の側)に位置する主蒸気管31の途中から枝分かれして、主ボイラ32にて発生した主蒸気を再熱器25に直接導く主蒸気バイパス管73を設けるようにするとさらに好適である。
これにより、HPタービン21、IPタービン22、LPタービン23、およびASTタービン24に蒸気を流すことができない船舶の艤装時においても、主ボイラ32にて発生した主蒸気を、主蒸気バイパス管73を介して再熱器25に流し、再熱器25の調整(再熱バーナーの調整等)を行うことができる。再熱器25の調整時、再熱器25にて加熱された再熱蒸気は、ダンプ蒸気系外排出管72を介して系外(船外)に排出される。
21 HPタービン
22 IPタービン(低圧側タービン)
25 再熱器
26 第1軸
32 主ボイラ
34 再熱蒸気管
37 主復水器
51 バイパス蒸気管
52 再熱蒸気ダンプ弁
53 スプレー(減温器)
61 舶用主機蒸気タービン設備
62 スラスト軸受
71 舶用主機蒸気タービン設備
72 ダンプ蒸気系外排出管
73 主蒸気バイパス管
Claims (8)
- 主ボイラからの蒸気によって回転させられる高圧タービンと、
前記高圧タービンからの排気蒸気を加熱する再熱器と、
前記再熱器によって加熱された蒸気によって回転させられる低圧側タービンと、
前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの回転動力によって駆動させられる推進器と、
前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの回転動力を前記推進器に伝達する駆動伝達手段と、を備えた舶用主機蒸気タービン設備であって、
前記再熱器で加熱された蒸気を前記低圧側タービンに導く再熱蒸気管の途中から枝分かれして、前記再熱器にて加熱された再熱蒸気を主復水器に直接導くバイパス蒸気管が設けられているとともに、
前記バイパス蒸気管の途中に、再熱蒸気ダンプ弁が設けられていることを特徴とする舶用主機蒸気タービン設備。 - 前記バイパス蒸気管の途中に、前記再熱蒸気管の側から前記再熱蒸気ダンプ弁、および減温器が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の舶用主機蒸気タービン設備。
- 前記高圧タービンと前記低圧側タービンとに共通の第1軸に設けられたスラスト軸受の排油温度およびパッド温度を測定する温度検出手段、あるいは前記第1軸の軸方向における変位を測定する変位検出手段と、
前記温度検出手段あるいは前記変位検出手段で測定されたデータから、前記スラスト軸受に作用するスラスト力の変化を推定し、前記スラスト軸受に作用するスラスト力がアンバランスとなるような場合に、前記スラスト軸受に作用するスラスト力をバランスさせるように前記再熱蒸気ダンプ弁を操作する制御器と、を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の舶用主機蒸気タービン設備。 - 前記高圧タービンの車室温度を測定する温度検出手段、および前記低圧側タービンの車室温度を測定する温度検出手段と、
前記温度検出手段で測定されたデータから、前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの暖機状態を推定し、前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの軸方向における熱分布が不均一となるような場合に、前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの軸方向における熱分布を改善するように前記再熱蒸気ダンプ弁を操作する制御器と、を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の舶用主機蒸気タービン設備。 - 主ボイラからの蒸気によって回転させられる高圧タービンと、
前記高圧タービンからの排気蒸気を加熱する再熱器と、
前記再熱器によって加熱された蒸気によって回転させられる低圧側タービンと、
前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの回転動力によって駆動させられる推進器と、
前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの回転動力を前記推進器に伝達する駆動伝達手段と、を備えた舶用主機蒸気タービン設備であって、
前記再熱器で加熱された蒸気を前記低圧側タービンに導く再熱蒸気管の途中から枝分かれして、前記再熱器にて加熱された再熱蒸気を系外に導くダンプ蒸気系外排出管が設けられ、
前記ダンプ蒸気系外排出管の途中に、前記再熱蒸気管の側から再熱蒸気ダンプ弁が設けられているとともに、
前記主ボイラにて発生した主蒸気を前記再熱器に直接導く主蒸気バイパス管が設けられていることを特徴とする舶用主機蒸気タービン設備。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の舶用主機蒸気タービン設備を具備していることを特徴とする船舶。
- 主ボイラからの蒸気によって回転させられる高圧タービンと、
前記高圧タービンからの排気蒸気を加熱する再熱器と、
前記再熱器によって加熱された蒸気によって回転させられる低圧側タービンと、
前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの回転動力によって駆動させられる推進器と、
前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの回転動力を前記推進器に伝達する駆動伝達手段と、
前記再熱器で加熱された蒸気を前記低圧側タービンに導く再熱蒸気管の途中から枝分かれして、前記再熱器にて加熱された再熱蒸気を主復水器に直接導くバイパス蒸気管と、
前記バイパス蒸気管の途中に設けられた再熱蒸気ダンプ弁と、
前記高圧タービンと前記低圧側タービンとに共通の第1軸に設けられたスラスト軸受の排油温度およびパッド温度を測定する温度検出手段、あるいは前記第1軸の軸方向における変位を測定する変位検出手段と、を備えた舶用主機蒸気タービン設備の運用方法であって、
前記温度検出手段あるいは前記変位検出手段で測定されたデータから、前記スラスト軸受に作用するスラスト力の変化を推定し、前記スラスト軸受に作用するスラスト力がアンバランスとなるような場合に、前記スラスト軸受に作用するスラスト力をバランスさせるように前記再熱蒸気ダンプ弁を操作するようにしたことを特徴とする舶用主機蒸気タービン設備の運用方法。 - 主ボイラからの蒸気によって回転させられる高圧タービンと、
前記高圧タービンからの排気蒸気を加熱する再熱器と、
前記再熱器によって加熱された蒸気によって回転させられる低圧側タービンと、
前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの回転動力によって駆動させられる推進器と、
前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの回転動力を前記推進器に伝達する駆動伝達手段と、
前記再熱器で加熱された蒸気を前記低圧側タービンに導く再熱蒸気管の途中から枝分かれして、前記再熱器にて加熱された再熱蒸気を主復水器に直接導くバイパス蒸気管と、
前記バイパス蒸気管の途中に設けられた再熱蒸気ダンプ弁と、
前記高圧タービンの車室温度を測定する温度検出手段、および前記低圧側タービンの車室温度を測定する温度検出手段と、を備えた舶用主機蒸気タービン設備の運用方法であって、
前記温度検出手段で測定されたデータから、前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの暖機状態を推定し、前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの軸方向における熱分布が不均一となるような場合に、前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの軸方向における熱分布を改善するように前記再熱蒸気ダンプ弁を操作するようにしたことを特徴とする舶用主機蒸気タービン設備の運用方法。
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