JP3883346B2 - 発電機駆動方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、発電機駆動方法および装置、特に、原動機より減速装置を介して駆動される発電機の駆動方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ガスタービンやスチームタービン等の原動機を利用して発電機を駆動する場合には、高速回転する原動機の回転数を発電機の駆動に適した回転数に減速するために、原動機側の出力軸と発電機側の入力軸の間に発電機駆動用の減速装置が配置される。例えば、図6に示されるように、原動機Tの出力は、継手Cを介して減速装置1の入力軸2に伝達され、この入力軸2と一体に形成された小歯車3と、この減速装置1の出力軸4に固定された大歯車5とのかみ合いによって、所定の回転速度に減速された後、この出力軸4と継手6を介して結合する発電機Gの入力軸7に伝達されて、発電機Gは駆動される。
【0003】
ところで、従来の発電機駆動装置、特に、原動機より減速装置を介して発電機を駆動する発電機駆動装置においては、発電機に予定以上の過大な負荷がかかった場合に、軸系、すなわち、いわゆる動力伝達系や原動機の損傷を防ぐために、トルク伝達制限機構が採用されている。すなわち、図7に示されるように、原動機側の出力軸である減速装置1の出力軸4と発電機の入力軸7の間の継手6には、出力軸4の端部にフランジ8aを有する中間ピース8が固着され、同様に、入力軸7の端部にフランジ9aを有する中間ピース9が固着され、このフランジ8aと9aの結合にはシャーピン10が用いられている。したがって、発電機Gに予定以上の過大な負荷がかかった場合には、シャーピン10が破断し、回転動力すなわちトルクの伝達が遮断され、軸系や原動機の損傷が予防される。この方法が、いわゆるシャーピン方式としてトルク伝達を制限するために広く行われている。
【0004】
なお、大トルク伝達の際に適用されるその他のトルク伝達制限機構としては、特開昭55−10191号公報に記載されているように、継手の内側部分を加圧流体により弾性変形させて摩擦力により固定し、過大トルクが作用した時には、加圧流体が流出して軸と継手の締付けを解除する加圧流体封入方式、および、実開昭56−55722号公報に記載されているように、出力軸と入力軸との間に多板式摩擦クラッチを設けるとともに、摩擦クラッチ結合中のすべりによる相対回転の検出によって、クラッチ板に対して押圧力を与えている圧油の流路排出口に連通るバルブ機構を設けて、過大トルクが生じた場合には、摩擦クラッチが脱になり、動力すなわちトルク伝達が遮断される摩擦クラッチ方式などが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のトルク伝達制限機構によれば、設定されたトルク伝達制限値以上のトルクが発電機に作用する場合には、原動機側の出力軸と発電機側の入力軸との間の継手において両者の連結が遮断され、直ちに発電機に対するトルク伝達が停止し、軸系や原動機を過大なトルクから保護することができる。しかしながら、従来のトルク伝達制限機構によると、発電機の作動を停止することとなり、電力供給が断たれた稼働中の機械設備や産業プラントに大きなダメージを与えるという欠陥があった。特に、落雷や短絡事故のように、一瞬、過負荷となるが、それが直ちに解消される場合にも、発電機の作動が長時間停止することには耐え難いものがあった。
【0006】
この発明は、このような欠陥を解消するためになされたもので、発電機駆動装置にトルク伝達制限機構として摩擦クラッチを配設し、過大トルクが発生する場合には、クラッチ板が確実にスリップして過大トルクの伝達を回避して動力伝達系や原動機を保護するとともに、そのトルク伝達系を遮断することなく、発電機の定格回転に必要なトルクの伝達を維持することができる発電機駆動方法およびその方法を実施するための装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、原動機より減速装置を介して発電機を駆動する発電機駆動方法において、減速装置側の出力軸と発電機側の入力軸との間に摩擦材からなるクラッチ板を有する摩擦クラッチを設け、予め測定された摩擦材の静摩擦係数と動摩擦係数とに応じて前記摩擦クラッチに対する押圧力を調整し、原動機や動力伝達系を損傷するような過大トルクが摩擦クラッチに作用する時には押圧されているクラッチ板がスリップして過大トルクの伝達を回避するとともに、このクラッチ板のスリップ中にも発電機の定格回転に必要なトルクの伝達を維持するように摩擦クラッチのトルク伝達制限値設定するものである。なお、摩擦クラッチ結合時に設定された摩擦クラッチのトルク伝達制限値を、摩擦クラッチの結合後にはそれより小さなトルク伝達制限値に切り換えることが好ましい。
【0008】
また、この発明の方法の実施に適した装置としては、原動機より減速装置を介して発電機を駆動する発電機駆動装置において、減速装置側の出力軸と発電機側の入力軸との間に摩擦材からなるクラッチ板を有する摩擦クラッチ設けられるとともに、この摩擦クラッチのクラッチ板に押圧力を提供する押圧力提供手段とその押圧力を調節する押圧力調節装置と設けられ、予め測定されている摩擦材の静摩擦係数と動摩擦係数とに応じて前記押圧力提供手段の押圧力調整され、原動機や動力伝達系を損傷するような過大トルクが摩擦クラッチに作用する時には押圧されているクラッチ板がスリップして過大トルクの伝達を回避するとともに、このクラッチ板のスリップ中にも発電機の定格回転に必要なトルクの伝達維持されるように摩擦クラッチのトルク伝達制限値設定されているものである。
【0009】
なお、押圧力提供手段が圧力流体供給回路からなり、前記押圧力調節装置がその回路に設けられた圧力調整弁であること、圧力調整弁には、設定されているトルク伝達制限値を、クラッチ結合後に低圧の値に切り換えるための制御手段が設けられていること、摩擦クラッチが、減速装置の中空出力軸とその中空出力軸内を貫通して配置された発電機側の入力軸の原動機側の端部との間に配設されていること、そして、摩擦クラッチが、原動機の回転数を減速する遊星歯車減速装置の出力軸と発電機の入力軸の間に配設されていることが好ましい。
【0010】
【作用】
本発明では、減速装置側の出力軸と発電機側の入力軸との間に摩擦材からなるクラッチ板を有する摩擦クラッチを設け、予め測定された摩擦材の静摩擦係数と動摩擦係数とに応じて前記摩擦クラッチのクラッチ板に対する押圧力を調整し、原動機や動力伝達系を損傷するような過大トルクが作用する時には押圧されているクラッチ板がスリップして過大トルクの伝達を回避するとともに、このクラッチ板のスリップ中にも発電機の定格回転に必要なトルクの伝達を維持するように摩擦クラッチのトルク伝達制限値を設定するので、発電機に過負荷がかかり、この摩擦クラッチのトルク伝達制限値以上の過大トルクが発生する場合にはクラッチがスリップして確実に過大トルクの伝達を回避できるとともに、このクラッチ板のスリップ中にも発電機の定格回転に必要なトルクの伝達を維持して、発電機の定格回転停止されることがなく、したがって、工場内の機械や稼働中のラインに対する電力供給が停止しない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の方法を、その方法を実施するための装置とともに説明する。なお、図中、同一または相当する部分には、同一符号が付されている。
【0012】
図1において、ガスタービンやスチームタービンなどの原動機Tの出力は、歯車減速装置の入力軸11およびこの入力軸11と一体の小歯車12を介して、減速装置側の出力軸である中空の出力軸13と一体に形成された大歯車14に伝達される。この中空の出力軸13の一方の端部には、円盤状のフランジ部13aが一体に形成され、この円盤状のフランジ部13aに摩擦クラッチ15のクラッチドラム16がボルト締めで一体に固着されている。このクラッチドラム16の内周部には、スチールの表面にペーパ系摩擦部材を貼りつけた摩擦材からなる、入力側クラッチ板17が軸方向摺動可能にスプライン嵌合している。また、中空の出力軸13を貫通して発電機Gに結合されている出力軸18すなわち発電機側入力軸と一体のクラッチハブ19には、(摩擦部材を有しない)通常の出力側クラッチ板20が軸方向摺動可能にスプライン嵌合している。
【0013】
入力側クラッチ板17および出力側クラッチ板20は交互に配列され、クラッチドラム16の環状シリンダー部に嵌挿したピストン21と円盤状のフランジ部13aとの間で押圧されて一体に結合されるように形成されている。このピストン21を作動させるための圧油は、油溜22から油圧ポンプ23によって汲み上げられ、途中、油圧調整弁24によって所定の圧力に調節され、クラッチ嵌脱弁25を通過し、油路26を経てピストン室27に供給される。
【0014】
なお、油圧調整弁24のドレンは、潤滑回路28を経て歯車減速装置の軸受30、31および歯車12、14の潤滑油として供給されるとともに、クラッチハブ19につながる油路29を介してクラッチ板17、20の潤滑油としても供給される。また、油圧調整弁24は、油路26の油圧を調節してクラッチ板17、20を押圧するピストン21の押圧力を一定に保つものである。さらに、クラッチ板17、20に対する押圧力を2種類設定して切り換える場合には、可変調整式の油圧調整弁を用いるのが好適である。この場合、電磁比例式の可変油圧調整弁を用い、発電機駆動装置に設けられたセンサからのクラッチ結合完了信号により設定油圧を、例えば、低圧に自動的に切り換えることも可能である。
【0015】
今、原動機Tを起動し、クラッチ嵌脱弁25を励磁すると、油圧調整弁24で設定された圧油がピストン室27に供給され、摩擦クラッチ15のクラッチ板17,20が結合されて、発電機側の入力軸である出力軸18を介して発電機Gが駆動される。発電機Gにより発電された電力は工場内の機械や生産ラインの動力源として使用される。なお、図1の実施例では、摩擦クラッチ15のクラッチ板17,20に対する押圧力が油圧ポンプ23からの圧油によって供給されているが、エアコンプレッサによる圧縮空気をピストン室27に供給してクラッチ板17,20を押圧しても良い。その場合、油圧ポンプ23は潤滑油供給用としてのみ使用することになるので、低圧用のポンプを使用することができる。
【0016】
図2は、本発明を適用した発電機駆動装置、例えば、図1の例における油圧回路の1例を示している。歯車減速装置のケーシング32には、オイルタンク33が一体に形成され、このオイルタンク33内の油は、サクションストレーナ34を通して、減速装置の歯車35とかみ合う歯車36を介して駆動されるギヤポンプ37a,37bで吸い上げられる。この例では、タンデム型のギヤポンプ37が使用され、一方のギヤポンプ37aがクラッチ作動油ポンプとして12〜15kg/cm2程度の油圧のために使用され、他方のギヤポンプ37bが潤滑油ポンプとして2〜4kg/cm2程度の油圧のために使用される。
【0017】
ギヤポンプ37aを出た圧油は、フィルタ38を通り油圧コントロールバルブ39で所定のクラッチ作動油圧に調整された後、摩擦クラッチ15への圧油の供給と遮断を司るクラッチ嵌脱弁40に供給され、そこからクラッチ用ピストン21が収容されたピストン室27に供給される。また、ギヤポンプ37bを出た圧油は、潤滑油油圧調整弁41で潤滑用油圧に調整され、オイルクーラ42によって所定の油温に冷却され、摩擦クラッチ15のプレート潤滑油(冷却油)として供給されるとともに、歯車12,14やその軸受などの潤滑油としても利用される。
【0018】
なお、油圧コントロールバルブ39には、クラッチ板である摩擦材の製造誤差などに伴う静摩擦係数にばらつきがあっても、クラッチ作動油圧を微調整することによって、クラッチ板に対する所定の押圧力、すなわちトルク伝達制限値が設定できるように、設定油圧を任意の値に調整できる可変調整式のバルブを使用することが望ましい。
【0019】
この発電機駆動装置によれば、油圧コントロールバルブ39で摩擦クラッチ15のクラッチ板への押圧力を一定に保持するので、発電機側に過負荷がかかっている間は、クラッチ板がスリップして過大トルクの伝達を回避し、過負荷が解消されると元の完全結合状態に自動復帰する。したがって、発電機の過負荷による動力伝達系の遮断がないので、発電機が停止することがなく、工場内の機械や生産ラインへの電力供給を中断することがない。また、過負荷が長時間連続し、クラッチ嵌脱弁39をオフにして摩擦クラッチ15を強制的に遮断した場合にも、クラッチ嵌脱弁39を再びオンにすれば、容易に再起動することができる。すなわち、シャーピン式のにように、破損した部品を交換するために長時間発電機を停止させることがなく、停電による損害の発生を防止することができる。
【0020】
さらに、シャーピン式のトルク制限機構は、長時間使用していると、ピンの金属疲労やそれを取り付けているシート部の摩耗などの影響を受けてトルク伝達制限値が徐々に低下し、その値を一定に長期間維持するのが難しいので、トルク伝達制限値に充分な余裕を持たせる必要があるが、摩擦クラッチを採用する本発明の装置では、摩擦係数には経年変化が殆どないので、クラッチ板に対する一定の押圧力、すなわち、図1および2の例では、油圧回路の圧力を定期的に監視するのみで容易にトルク伝達制限値を一定に維持することができる。
【0021】
なお、図1に示される駆動装置は、原動機側の出力軸13を中空軸とし、その中空軸13を貫通して発電機側の入力軸18を配置し、その入力軸18の原動機側の端部と中空軸13との間に摩擦クラッチ15を配設したので、発電機駆動装置全体の長さが短くなり、設置スペースを節約することができる。また、図2に示されるように、摩擦クラッチ15には、クラッチ板を冷却するための潤滑油が供給されているので、クラッチ板は短時間のスリップ状態であれば、発熱によって焼損することがない。さらに、摩擦クラッチは、外周にスプラインを形成したクラッチ板と内周にスプラインを形成したクラッチ板とを交互に配列し、両者を軸方向に摺動させるように押圧し、一体に結合させる構造のため、スプライン部にはバックラッシュを設ける必要があり、そのバックラッシュによってクラッチ板が偏心した状態で結合され易く、高速回転軸に使用する場合にはアンバランスが発生し易いが、本発明の駆動装置では低速で回転する減速装置の出力軸、すなわち発電機側の入力軸に設けられているので、このような問題が
ない。
【0022】
図3には、本発明の方法を実施するために適した第2実施例の発電機駆動装置が示されている。図1の例との相違点は、摩擦クラッチを、減速装置の出力軸の発電機側の端部と発電機の入力軸の間に配設した点である。この場合には、図1の例に比して装置の全長は長くなるが、摩擦クラッチの位置が過負荷の発生する発電機に近づくので、発生する過負荷の大きさがそのまま摩擦クラッチに伝えられるという利点がある。
【0023】
すなわち、図3においては、原動機Tの出力は、歯車減速装置の入力軸11およびこの入力軸11と一体の小歯車12を介して、減速装置側の出力軸13と一体に形成された大歯車14に伝達される。この出力軸13の発電機側の端部にはスプライン43を介してクラッチハブ44が設けられ、このクラッチハブ44には、通常の入力側クラッチ板45が軸方向摺動可能にスプライン嵌合している。また、発電機側の入力軸18の端部には、摩擦クラッチ15のクラッチドラム46が一体的に設けられ、このクラッチドラム46の内周部には、スチールの表面に摩擦材を貼り付けた摩擦材からなる出力側クラッチ板47が軸方向摺動可能にスプライン嵌合している。
【0024】
入力側クラッチ板45および出力側クラッチ板47は交互に配列され、クラッチドラム46の環状シリンダー部に嵌挿されたピストン21とクラッチドラム46の円盤状のフランジ部46aとの間で押圧されて一体に結合されるように形成されている。このピストン21を作動させるための圧油は実施例1と同様に油圧調整弁によって所定の圧力に調整され、クラッチ嵌脱弁を通り、油路26を経てピストン室27に供給される。
【0025】
図4には、本発明の方法を実施するために適した第3実施例の発電機駆動装置が示されている。この実施例では、遊星歯車減速装置の出力軸49と発電機側の入力軸18との間に摩擦クラッチ15を設けたものである。入力軸48の歯車とかみ合う第1遊星歯車列50および第2遊星歯車列51ともスター型に形成され、第2遊星歯車列51のリングギヤ53は、油圧式摩擦クラッチのクラッチハブ54と一体に形成されている。このクラッチハブ54は出力軸である発電機の入力軸18上に、クラッチハブ54に固定された軸受メタル55を介して浮動支持されている。この実施例では、減速装置として遊星歯車列を用いているので、原動機Tと発電機Gとを同軸上に配置することができ、円筒歯車タイプの発電機駆動装置に比べて、原動機および発電機を結んだ発電機駆動装置全体の幅を小さくし、軽量、コンパクトにできるメリットがある。
【0026】
図5には、一般的なクラッチ用摩擦材のすべり速度と摩擦係数との関係が示され、すべり速度が0、すなわち静止の状態から、すべり出し、徐々にすべり速度を大きくしていったときの摩擦係数の変化が表わされている。図5において、μ1はペーパ系摩擦材の摩擦係数を表し、μ2は焼結金属系の摩擦係数を表している。μsはすべり出し時の摩擦係数すなわち静摩擦係数であり、μdはすべり出し後の摩擦係数すなわち動摩擦係数である。図から明らかなように、摩擦材の種類が異なっても、動摩擦係数μdは静摩擦係数よりも小さい。
【0027】
通常、摩擦クラッチが結合する前には、入力側クラッチ板と出力側クラッチ板とが離れた状態で相対回転し、接触状態となり、クラッチ結合時には、両クラッチ板が押し付けられて一体に固着されることとなる。このため、クラッチ結合の過程において、クラッチ板は、運動摩擦状態から静止摩擦状態に移行することとなり、摩擦係数は動摩擦係数μdから静摩擦係数μsに変化する。したがって、一般的な動力伝達系に設置される摩擦クラッチのトルク伝達容量は、クラッチ結合途中のクラッチ板がすべっている状態で被動機械を駆動し、しかも、完全結合状態に移行する前に定格回転まで加速上昇させることのできるトルク伝達容量を確保するために、クラッチ板の最小動摩擦係数を基準にしてクラッチ板への押圧力を、被動機械の定格回転負荷トルク以上が伝達できるように設定されている。すなわち、一般的な動力伝達系に設置される摩擦クラッチにあっては、被動機械の定格回転を得ることが主眼のため、その摩擦クラッチのトルク伝達容量は、下限側の値となる運動摩擦状態の伝達トルクだけ設定されていて、上限側の値となる静止摩擦状態の伝達トルクは単なる余裕トルクの増加と考えられており、被動機械における過大な負荷による動力伝達系や原動機に対する損傷について格別の考慮はなされていない。
【0028】
しかしながら、本発明では、摩擦クラッチをトルク制限機構個々としても機能させるために、静止摩擦状態での伝達トルクを基準に設定するものである。すなわち、本発明者の試験によれば、クラッチ結合後におけるすべり出し時の静摩擦係数の値は、すべり結合中における動摩擦係数の値に比して変化が少ないことが判明している。例えば、粘度グレードがSAE30に相当するエンジンオイルを使用する場合、油温70〜80℃において、ペーパ系摩擦材におけるすべり出し時の静摩擦係数が0.15〜0.18、焼結金属系摩擦材のすべり出し時の静摩擦係数が0.13〜0.16程度であることが得られている。したがって、使用する摩擦材の静摩擦係数の値に対して±10%程度の誤差を考慮しておけば上限側の伝達トルク、すなわち、結合された摩擦クラッチが運転中にすべり出すときのトルクを設定することができる。
【0029】
本発明の発電機駆動方法においては、発電機における過大な負荷により発生する動力伝達系や原動機の損傷を回避するために、予め測定された摩擦材の静摩擦係数に応じて摩擦クラッチのクラッチ板に対する押圧力を調整し、トルク伝達制限値を設定し、摩擦クラッチをトルク制限伝達機構として利用するものである。このトルク伝達制限値は、当然、保護すべき動力伝達系や原動機の最弱部の強さを基準として設定されるが、この設定値と発電機の定格回転時におけるトルク負荷の値とが接近しているほど有効である。
【0030】
すなわち、本発明の具体例として、例えば、摩擦クラッチのトルク伝達制限値を発電機の定格回転時におけるトルクの2倍のトルク伝達が可能なように設定すれば、発電機の負荷が増大して伝達されるトルクがこの設定値を超える場合には、摩擦クラッチのクラッチ板が確実にスリップし、過大トルクが原動機側に伝達されるのを回避することができるので、動力伝達系の損傷を防止することができる。また、上述のように、上記摩擦クラッチにおけるクラッチ板を構成する摩擦材の静摩擦係数と動摩擦係数の比は1対0.6〜0.8の範囲にあるから、クラッチ板のすべり(スリップ)中でも定格回転に必要なトルクの1.08〜1.76倍のトルクを伝達することができ、発電機は確実に定格回転維持され、工場内の機械やラインへの電力の供給を保持することができる。
【0031】
また、落雷や短絡事故などにより過負荷がかかる場合は、過負荷がかかるのが一瞬の間だけで、その後は正常な負荷に復帰するので、摩擦クラッチのすべり状態は短時間のうちに解消し、完全な結合状態に自動復帰する。したがって、嵌脱用の摩擦クラッチにおける標準的なクラッチ油量だけを供給していても、スリップによって発生するクラッチ板の発熱が許容熱負荷を超えることはなく、摩擦クラッチを焼損することはない。なお、過負荷の状態が短時間で収束しない場合には、スリップにより発生する熱負荷を算出し、摩擦クラッチに供給する潤滑油量を増大し、許容熱負荷内に収まるようにすることができる。
【0032】
さらに、上記具体例においては、摩擦クラッチのクラッチ板に対する押圧力を、摩擦クラッチの結合前に一度だけ設定するが、発電機の定格回転時におけるトルクの大きさと設定されるトルク伝達制限値の大きさとが接近している場合には、すなわち、発電機の定格回転時におけるトルクと動力伝達系の最弱部許容伝達トルクの大きさとが接近している場合には、摩擦クラッチのクラッチ板を押圧する油圧を一定に保持する油圧調整弁の設定圧力、すなわち、トルク伝達制限値を、摩擦クラッチが結合するまでの間は高圧側に設定し、摩擦クラッチが結合した後は低圧側に切り換えることにより、結合途中におけるトルク伝達容量を低下させることなく、トルク伝達制限値を下げることができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、発電機側に過負荷がかかっても、過大トルクの伝達が確実に回避され、かつ、直ちに解消されるような一瞬の過負荷によって動力の伝達遮断されることがないので、動力伝達系を損傷させることがないばかりでなく、殆どの場合には、発電機の定格回転を維持して電力の供給を保持することができ、停電による損害の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発電機駆動方法を実施する装置の一部を断面とした説明図である。
【図2】本発明の発電機駆動方法を実施する装置に適用される油圧回路の説明図である。
【図3】本発明の方法を実施する他の装置の要部拡大断面図である。
【図4】本発明の方法を実施するさらに他の装置の要部断面図である。
【図5】通常の摩擦クラッチに使用される摩擦材のすべり速度と摩擦係数との関係を示す線図である。
【図6】従来の発電機駆動装置の概略説明図である。
【図7】従来の発電機駆動装置のトルク伝達制限機構の要部断面図である。
【符号の説明】
T 原動機
G 発電機
1 減速装置
4 出力軸
7 入力軸
11 減速装置の入力軸
12 小歯車
13 出力軸
14 大歯車
15 摩擦クラッチ
16 クラッチドラム
17 入力側クラッチ板
18 発電機側入力軸
19 クラッチハブ
20 出力側クラッチ板
21 ピストン
22 油溜
23 油圧ポンプ
24 油圧調整弁
25 クラッチ嵌脱弁
27 ピストン室
32 ケーシング

Claims (7)

  1. 原動機より減速装置を介して発電機を駆動する発電機駆動方法において、減速装置側の出力軸と発電機側の入力軸との間に摩擦材からなるクラッチ板を有する摩擦クラッチを設け、予め測定された摩擦材の静摩擦係数と動摩擦係数とに応じて前記摩擦クラッチのクラッチ板に対する押圧力を調整し、原動機や動力伝達系を損傷するような過大トルクが作用する時には押圧ているクラッチ板がスリップして過大トルクの伝達を回避するとともに、このクラッチ板のスリップ中にも発電機の定格回転に必要なトルクの伝達を維持するように摩擦クラッチのトルク伝達制限値設定することを特徴とする発電機駆動方法。
  2. 摩擦クラッチ結合時に設定され前記摩擦クラッチのトルク伝達制限値を、摩擦クラッチの結合後にそれより小さなトルク伝達制限値に切り換えることを特徴とする請求項1記載の発電機駆動方法。
  3. 原動機より減速装置を介して発電機を駆動する発電機駆動装置において、減速装置の出力軸と発電機側の入力軸との間に摩擦材からなるクラッチ板を有する摩擦クラッチを設けるとともに、この摩擦クラッチのクラッチ板に押圧力を提供する押圧力提供手段とその押圧力を調節する押圧力調節装置と設けられ、予め測定されている摩擦材の静摩擦係数と動摩擦係数とに応じて前記押圧力提供手段の押圧力調整され、原動機や動力伝達系を損傷するような過大トルクが作用する時には押圧されているクラッチ板がスリップして過大トルクの伝達を回避するとともに、このクラッチ板のスリップ中にも発電機の定格回転に必要なトルクの伝達を維持するように摩擦クラッチのトルク伝達制限値設定されていることを特徴とする発電機駆動装置。
  4. 前記押圧力提供手段が圧力流体供給回路からなり、前記押圧力調節装置がその回路に設けられた圧力調整弁であることを特徴とする請求項3記載の発電機駆動装置。
  5. 前記圧力調整弁が、設定されている摩擦クラッチのトルク伝達制限値を、摩擦クラッチ結合後により小さなトルク伝達制限値に切り換えるための制御手段を有していることを特徴とする請求項4記載の発電機駆動装置。
  6. 前記摩擦クラッチが、減速装置側の中空出力軸と、その中空出力軸内を貫通して配置された発電機側の入力軸の原動機側の端部との間に配設されていることを特徴とする請求項3記載の発電機駆動装置。
  7. 前記摩擦クラッチが、原動機の回転数を減速する遊星歯車減速装置の出力軸と発電機側の入力軸の間に配設されていることを特徴とする請求項3記載の発電機駆動装置。
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