JP3817189B2 - 発電機の駆動方法および装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガスタービンやスチームタービンなどの原動機により駆動される発電機の駆動方法に関し、詳しくは、そのような原動機と発電機の間に摩擦クラッチを介在させ、その摩擦クラッチのクラッチ板をスリップさせて原動機への過大トルクの伝達を回避する発電機の駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガスタービンやスチームタービンなどの原動機を使用して自家用発電機を駆動する際に、商用電力の停電事故などによる過負荷から原動機を保護するために、シャーピンに代えてクラッチ板を有する摩擦クラッチからなるトルク制限装置を介して発電機を駆動する方法および装置が既に提案されている(特開2001−169508号公報参照)。
【0003】
すなわち、図7に示されるように、原動機Tより減速装置を介して発電機Gを駆動する発電機駆動方法において、減速装置側の出力軸19と発電機G側の入力軸16との間に摩擦材からなるクラッチ板13,14を有する摩擦クラッチ17を設け、予め測定されたクラッチ板(摩擦材)の静摩擦係数に応じてクラッチ板13,14に対する押圧力を、原動機や動力伝達系を損傷するような過大トルクが作用する時には、押圧されているクラッチ板がスリップして過大トルクの伝達を回避すると共に、発電機Gの定格回転に必要なトルクの伝達を維持するトルク伝達制限値に設定したものである。なお、図において、1は油溜、2は油圧ポンプ、3は油圧を一定に保つための油圧調整弁、5はクラッチ嵌脱弁であり、これらの要素がクラッチ板17に対する押圧力提供手段を構成している。また、10はクラッチドルム、12はクラッチ用ピストンであり、11は、前記押圧力提供手段からの圧油が提供されるピストン室である。
【0004】
ところで、原動機や動力伝達系を損傷するような過大トルクが発生し、摩擦クラッチのクラッチ板がスリップしているときにも、発電機の定格回転に必要なトルク(以下、発電機定格トルク」という。)の伝達を維持するには、クラッチ板がスリップし始めるときのトルク(以下、「制限伝達トルク」という。)と発電機定格トルクの比が静摩擦係数と動摩擦係数の比より大きくなるように制限伝達トルクを設定し、その制限伝達トルクを達成できる大きさの押圧力が摩擦クラッチに提供されなければならない。すなわち、図6に示されるように、摩擦材すなわちクラッチ板がスリップを開始すると、その摩擦係数は低下し、制限伝達トルクと発電機定格トルクの比(制限伝達トルク/発電機定格トルク)が、クラッチ材として使用する摩擦材の静摩擦係数μsと動摩擦係数μdの比(クラッチ板の摩擦材の静摩擦係数と動摩擦係数との比は1μs/0.6〜0.8μd程度であることが判明している。)より小さいと、過負荷が解消しても、伝達トルクの不足により摩擦クラッチは再結合されず、いつまでもスリップし続けることになるからである。
【0005】
一方、発電機駆動用原動機として、ガスタービンは、他の内燃機関に比べて出力当りの重量・容積が小さいこと、保守が容易であると同時に冷却水が不要であること、振動や騒音が小さくて短時間で始動できること、液体燃料やガス燃料等使用燃料に多様性があることなどの特徴を有し、広く使用されている。
【0006】
これらの原動機として使用されるガスタービンには、予め陸・舶用に設計された産業用ガスタービンと、航空用ガスタービンの技術を基本にして陸上の機械用に開発された航空転用形ガスタ−ビンとがあり、この航空転用形ガスタービンは、航空機に使用されているガスタービンがベースになっているので、同じ定格出力の産業用ガスタービンに比して軽量かつコンパクトな構造に設計されていて、過負荷に対する設計上の許容値が産業用ガスタービンの場合に比して小さく、摩擦クラッチに対して大きな押圧力を提供することが困難であり、同能力の産業用ガスタービンと同等の大きさの制限伝達トルクを設定することができない。このため、制限伝達トルクと発電機定格トルクの比が小さくなり、このトルク比がクラッチ板のスリップ開始時の静摩擦係数μsとスリップ後の動摩擦係数μdの比(1/0.6〜0.8)に近づいてしまう場合がある。
【0007】
なお、発生する過大トルクには、落雷などによる商用電力の停電や発電機の短絡などの重大事故による大きな過大トルクと、電動機の起動、停止時など瞬時的に発生し、すぐに元の状態に戻る、いわゆる、日常的に発生する瞬時停電による比較的小さな過大トルクとがあり、この重大事故による大きな過大トルク発生の判断は、一般的に発電機の周波数、電圧等の低下を検出して行われる場合が多く、摩擦クラッチがスリップし始めて、これらの値が予め定められた値以下に低下する場合には、重大事故によるものと判断し、発電機出力回路に設置された発電機遮断器を開放し、負荷を切り離すシステムが採用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、原動機として産業用ガスタービンを使用する場合には、比較的大きな制限伝達トルクを設定することにより、小さな過大トルクのときに、摩擦クラッチのクラッチ板のスリップが発生しても発電機定格トルクの伝達を維持することができ、自家発電装置の停止を回避することができる。しかしながら、航空転用形ガスタービンを使用する場合には、設定できる制限伝達トルクが比較的小さく、小さな過大トルクのときにも、発生したクラッチ板のスリップが続行する場合があり、スリップ中の伝達トルクが発電機定格トルク以下に減少し、過負荷が解消しても摩擦クラッチの再結合がされず、結果として頻繁に自家発電装置が停止してしまうという問題が生じることがある。
【0009】
この発明は、このような課題を解決するために、瞬時停電による比較的小さな過大トルクのときには、摩擦クラッチのスリップの発生を速やかに収束させることのできる、過負荷に対する許容値が小さくて大きな制限伝達トルクを設定することができない、例えば、航空転用形ガスタービンにより駆動される発電機に適した発電機の駆動方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記目的を達成するために、原動機により駆動される発電機に過大トルクが発生した場合に、原動機と発電機の間に介在する摩擦クラッチのクラッチ板をスリップさせて原動機への過大トルクの伝達を回避する発電機の駆動方法において、摩擦クラッチのクラッチ板におけるスリップの発生を検知するスリップ検出手段を設け、このスリップ検出手段によりクラッチ板のスリップが検知されたときには、直ちに、クラッチ板の摩擦係数の低下に伴う伝達トルク減少分を補うようにクラッチ板に対する押圧力を増大させて伝達トルクを発電機定格トルクの大きさに回復させると共に、このスリップの検出手段によりクラッチ板のスリップの収束が検知されたときには、クラッチ板に対する押圧力を元の大きさに減少させるものである。
【0011】
なお、スリップ検出手段が、摩擦クラッチの入力側回転センサおよび出力側回転センサと、それらの回転センサからの信号を比較して両者の差の大きさを判別し、この差の大きさを所定の設定値と比較してスリップの発生を判断し、圧力切替え電磁弁にオン・オフ信号を発するコントローラとなることが望ましい。また、スリップ検出手段が、摩擦クラッチの入力側のクラッチドラムに設けられ、その出力側の回転軸に設けられたカムにより駆動される油圧ポンプからなり、この油圧ポンプからの吐出油が圧力切替え弁を作動させるものや、摩擦クラッチの入力側と出力側に連結された駆動機構により内部ロータと外部ロータが駆動される内歯歯車ポンプからなり、この内歯歯車ポンプからの吐出油が圧力切替え弁を作動させるものも好適である。
【0012】
また、上記発明の方法の実施に適した装置として、原動機により駆動される発電機に過大トルクが発生した場合に、原動機と発電機の間に介在する摩擦クラッチのクラッチ板をスリップさせて原動機への過大トルクの伝達を回避するするように、クラッチ板に対する押圧力を提供する押圧力提供手段とこの押圧力を一定に調節する押圧力調整装置とからなる摩擦クラッチを原動機と発電機との間に介在させた発電機の駆動装置において、摩擦クラッチのクラッチ板におけるスリップを検出するスリップ検出手段と、このスリップ検出手段からの出力に基いて摩擦クラッチのクラッチ板に対する押圧力を切り替える切替え手段とを設け、クラッチ板に対する押圧力をそのスリップの有無に応じて切り替える駆動装置が好適である。
【0013】
【作用】
原動機により駆動される発電機に過大トルクが発生した場合、原動機と発電機の間に介在する摩擦クラッチのクラッチ板をスリップさせて原動機へ過大トルクの伝達を回避する発電機の駆動方法において、摩擦クラッチのクラッチ板におけるスリップの発生を検出するスリップ検出手段を設け、この検出手段によりクラッチ板のスリップが検出されたときには、直ちに、クラッチ板の摩擦係数の低下に伴う伝達トルクの減少分を補うようにクラッチ板に対する押圧力を増大させて伝達トルクを発電機定格トルクの大きさに回復させると共に、このスリップ検出手段によりクラッチ板のスリップの収束が検出されたときには、クラッチ板に対する押圧力を元の大きさに減少させるので、設計上の許容値が小さく、充分大きな伝達トルク制限値を設定できないような原動機により駆動される場合にも、小さな過大トルク発生による摩擦クラッチのスリップの発生を速やかに収束させ、重大事故以外の自家発電装置の停止を防止することができる。
【0014】
なお、多板摩擦クラッチの伝達トルクは、T=μ×A×Pcの計算式により求められ、(ここで、Tは伝達トルクを、μはクラッチ板の摩擦係数を、Aはクラッチ板の接触面積と枚数および平均摩擦半径によって決まるクラッチサイズ毎の固有値を、Pcはクラッチ板を押圧する押圧力をそれぞれ表す。)この計算式から明らかなように、多板摩擦クラッチの伝達トルクTは、使用するクラッチサイズが決まれば、クラッチ板の摩擦係数μとクラッチ板の押圧力Pcとによって決定される。すなわち、摩擦クラッチのクラッチ板に過大トルクによるスリップが発生し、クラッチ板の摩擦係数μが静摩擦係数μsから動摩擦係数μdに低下する場合には、その摩擦係数の低下に伴う伝達トルクの減少分を補うようにクラッチ板への押圧力Pcを増大させてやれば、伝達トルクTは発電機定格トルクの大きさに回復し、摩擦クラッチのクラッチ板におけるスリップがなくなり、直結状態に戻ることになる。この再結合が完了するとクラッチ板の摩擦係数が再び静摩擦係数μsに戻るので、押圧力Pをそのままの状態に維持すると、伝達トルクTはスリップ開始前の値より大きくなり、制限伝達トルクの値が大きくなってしまう。そこで、クラッチ板への押圧力Pcをスリップ開始前の値に戻すことにより、伝達トルクTを元の制限伝達トルクに戻すことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施例を、図に示された、この発明の方法を実施するのに適した装置に基いて説明する。なお、図中、同一または相当する部分には同一符号が付されている。
【0016】
図1において、原動機であるガスタービンTの出力は、摩擦クラッチ17の入力側部材であるクラッチドラム10と一体の入力軸19に伝達される。このクラッチドラム10の内周部には、スチールプレートの表面に摩擦材を貼り付けた入力側のクラッチ板14が軸方向摺動可能にスプライン係合されている。また、発電機Gに結合されている出力軸16と一体のクラッチハブ15には、摩擦材のない通常のクラッチ板13が軸方向摺動可能にスプライン係合されている。
【0017】
クラッチ板13および14は交互に配列され、クラッチドラム10の環状シリンダー部に嵌挿したピストン12と円盤状のバックプレート20との間で押圧されて一体的に結合される。押圧力提供手段である、このピストン12を作動させるための圧油は、油溜1から油圧ポンプ2によって吸い上げられ、押圧力を一定に調節する第1油圧調整弁4で調圧された圧油P1、もしくは第2油圧調整弁3で調圧された圧油P0が、押圧力の切替え電磁弁6を通過して摩擦クラッチ17のピストン室11に供給される。
【0018】
また、摩擦クラッチ17のスリップ検出手段として、摩擦クラッチ17の入力軸19の回転速度を検出する入力側回転センサ7と、摩擦クラッチ17の出力軸16の回転速度を検出する出力側回転センサ8と、それらの回転センサから検出された回転検出信号22および23を比較し、両者の差の大きさを設定値と比較してスリップ発生の有無を判断し、切替え電磁弁6にオン・オフ信号を出力するコントローラ9が設けられている。
【0019】
a.摩擦クラッチがスリップ開始前
第1油圧調整弁4は、摩擦クラッチ17のクラッチ板が所定の制限伝達トルクを維持するようにそのクラッチ板への押圧力を設定するためのもので、圧力P1に設定された圧油は、クラッチ嵌脱弁5をオン(励磁)することにより、切替え電磁弁6を通過し、クラッチ用圧油Pcとして摩擦クラッチ17のクラッチ板に対する押圧力として供給される。かくして、摩擦クラッチ17は結合される。(この時、切替え電磁弁6はオフ(非励磁)の状態にあって、圧油P1のポートが圧油Pcのポートにつながっている。)また、第2油圧調整弁3により、第1油圧調整弁4の設定圧力より少し高い圧力(この圧力は、制限伝達トルク/発電機定格トルクと静摩擦係数/動摩擦係数の関係で決定される。)に設定された圧油P0の通路は、圧力切替え電磁弁6により閉止されている。
【0020】
b.摩擦クラッチのスリップの開始時
入力側回転センサ7と出力側回転センサ8とからなるスリップ検出手段からのスリップ検出信号に基いて、コントローラ9から切替え電磁弁6にこの切替え電磁弁6をオンにする励磁信号21が出力され、切替え電磁弁6のポートが図の右側に切り替えられる。したがって、スリップ開始時に供給されていた圧油P1が遮断され、圧油P1より少し高い圧力を有する圧油P0がクラッチ油圧Pcとして摩擦クラッチ17のクラッチ板に対する押圧力として供給される。これにより、摩擦クラッチ17のクラッチ板のスリップが収束し、再結合される。(クラッチ嵌脱電磁弁5はオンの状態が維持される。)
【0021】
c.摩擦クラッチが再結合した後
摩擦クラッチ17が再結合すると、入力側と出力側の回転センサ7,8により検出される回転検出信号22,23の差がなくなり、スリップが収束したものと判断される。そして、切替え電磁弁6の励磁信号21が遮断され、切替え電磁弁6のポートが摩擦クラッチ17のスリップ開始前の状態に戻され、摩擦クラッチ17に供給されるクラッチ油圧Pcがスリップ開始前の圧油P1に自動的に戻される。
【0022】
図2には、第1実施例における切替え電磁弁6およびクラッチ嵌脱弁5のオン・オフと、摩擦クラッチ17のクラッチ板を押圧するクラッチ油圧Pcとの関係が示されている。すなわち、クラッチ嵌脱弁5がオンになると、第1油圧調整弁4で設定された圧油P1がクラッチ油圧Pcとして供給され、発電機の運転中にスリップが検出されると、クラッチ嵌脱弁5がオンの状態で切替え電磁弁6がオンになり、少し高い圧力の圧油P0がクラッチ油圧Pcとして供給される。スリップが収束すると切替え電磁弁6がオフになり、元の圧油P1が供給される。
【0023】
図3には、この発明の第2実施例である発電機の駆動装置が示され、この駆動装置においては、摩擦クラッチ30のスリップ発生を機械的に検出し、さらに、切替え手段として、第1実施例における切替え電磁弁6に代えて、油圧パイロット方式の切替え弁45を用いるものである。第1油圧調整弁4、第2油圧調整弁3、およびクラッチ嵌脱弁5の機能は第1実施例と同じであり、以下、異なる部分であるスリップ検出手段と切替え弁について説明する。
【0024】
スリップ検出手段による摩擦クラッチ30のクラッチ板におけるスリップの機械的な検出は、図3および図4に示されるように、摩擦クラッチ30の入力軸31と出力軸32との間に相対回転が発生する時に駆動されるプランジャポンプ33からの吐出油によって行われる。入力軸31と一体のクラッチドラム34には、バックプレート35がボルト36により一体に固定され、バックプレート35の内部にはプランジャポンプ33が設けられている。このプランジャポンプ33は、摩擦クラッチ30の半径方向に延びるシリンダ内に嵌挿されたポンプピストン37と、このポンプピストン37の下部に回転自在に取付けられたローラ38と、シリンダ内に設置されてポンプピストン37を半径方向内側に押し付けるばね39と、液密に保持されたポンプ室40とから構成され、ポンプピストン37の往復動により作動油の吸い込みと吐き出しを繰り返す構造になっている。
【0025】
クラッチハブ41と一体回転する出力軸32には、カム42が固定されており、このカム42には上記ローラ38がばね39により押し付けられている。このカム42の出力軸32と直角方向の断面は、図4に示されるように、正方形の角部を円弧状に滑らかにした形状をしていて、このカムの外周面にローラ38が接触している。なお、この実施例では、出力軸32の一回転当りのポンプピストン37の往復動回数を増やしかつポンプサイズを小型化するために、カム42の形状が正方形になっているが、カム42の形状は楕円形でも三角形でも構わない。
【0026】
摩擦クラッチ30のクラッチ板がスリップして入力軸31と出力軸32との間に相対回転が生じると、ローラ38がカム42の外周に沿って転がり、ポンプピストン37が往復動する。すなわち、ポンプピストン37が下方に移動すると、クラッチドラム34内の吸込み油路43を経過して作動油をポンプ室40に吸込み、ポンプピストン37が上方に押し上げられると、ポンプ室40内の作動油は、油路44を通って圧力切替え弁45のバルブ室46に吐き出される。なお、逆止弁47は、吸込み油路43への逆流を防止するために設けてある。
【0027】
切替え弁45のバルブ室46に吐出油が供給されると、戻しばね48に抗してバルブステム49を図において右方に押し付けるので、切替え弁45の入口ポート50と出口ポート51がつながる。これにより、クラッチ板のスリップ開始前に供給されていた圧油P1に代わって、それより高い圧油P0がクラッチ用圧油Pcとして供給される。摩擦クラッチ30が再結合されると、入力軸31と出力軸32の相対回転が無くなるので、プランジャポンプ33からの作動油の供給がなくなり、バルブステム49が戻しばね48に押し戻されて入口ポート50が塞がれる。これにより、摩擦クラッチ30のスリップ開始前に供給されていた圧油P1が再びクラッチに供給される。
【0028】
なお、この実施例では、摩擦クラッチと一体的に油圧ポンプ機構を配置したが、機械的なスリップ検出手段としての油圧ポンプは、このような構成のものに限定されるものでなく、回転差によって油を吐出するポンプであれば同様の作用、効果が得られる。例えば、他の油圧ポンプを用いた検出手段としては、図5に示されるような構造のものも利用できる。すなわち、摩擦クラッチ30に並列して油圧ポンプ52の駆動機構を設け、公知の内歯歯車ポンプ(例えば、トロコイドポンプなど)の内部ロータ53を、例えば、クラッチの入力側の入力軸31に連結し、外部ロータ54を出力側の出力軸32に連結することにより、入力軸31と出力軸32に回転差が生じた際には、油圧ポンプ52から作動油が吐出されるようにしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
この発明によれば、原動機により駆動される発電機に過大トルクが発生した場合、原動機と発電機の間に介在する摩擦クラッチのクラッチ板をスリップさせて原動機へ過大トルクの伝達を回避する発電機の駆動方法において、摩擦クラッチのクラッチ板におけるスリップの発生を検出するスリップ検出手段を設け、この検出手段によりクラッチ板のスリップが検出されたときには、直ちに、クラッチ板の摩擦係数の低下に伴う伝達トルクの減少分を補うようにクラッチ板に対する押圧力を増大させて伝達トルクを発電機定格トルクの大きさに回復させると共に、このスリップ検出手段によりクラッチ板のスリップの収束が検出されたときには、クラッチ板に対する押圧力を元の大きさに減少させるので、設計上の許容値が小さく、充分大きな伝達トルク制限値を設定できないような原動機により駆動される場合にも、小さな過大トルクの発生による摩擦クラッチのスリップの発生を速やかに収束させ、重大事故以外の自家発電装置の停止を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の方法を実施するために適した装置の第1例の概略図である。
【図2】図2はこの発明の方法による各弁の作用と圧油の作動のタイミングを示す図である。
【図3】図3はこの発明の方法を実施するために適した装置の第2例の概略図である。
【図4】図3におけるA−A線に沿う断面図である。
【図5】図5はこの発明の方法を実施するために適した装置の第3例の概略図である。
【図6】図6はスリップ開始後の摩擦係数の時間的変化を示す線図である。
【図7】図7は既に提案されている発電機の駆動装置の概略図である。
【符号の説明】
3 第2油圧調整弁
4 第1油圧調整弁
5 クラッチ嵌脱弁
6 切替え電磁弁
7 入力側回転センサ
8 出力側回転センサ
9 コントローラ
10、34 クラッチドラム
11 ピストン室
12 ピストン
13,14 クラッチ板
16、32 出力軸
17、30 摩擦クラッチ
19、31 入力軸
21 励磁信号
22、23 回転検出信号
33 プランジャポンプ
37 ポンプピストン
40 ポンプ室
42 カム
43 吸込み油路
45 切替え弁
46 バルブ室
49 バルブステム
50 入口ポート
51 出口ポート

Claims (4)

  1. 原動機により駆動される発電機に過大トルクが発生した場合に、原動機と発電機の間に介在する摩擦クラッチのクラッチ板をスリップさせて原動機への過大トルクの伝達を回避する発電機の駆動方法において、摩擦クラッチのクラッチ板におけるスリップの発生を検出するスリップ検出手段を設け、このスリップ検出手段によりクラッチ板のスリップが検出されたときには、直ちに、クラッチ板の摩擦係数の低下に伴う伝達トルク減少分を補うようにクラッチ板に対する押圧力を増大させて伝達トルクを発電機定格トルクの大きさに回復させると共に、このスリップ検出手段によりクラッチ板のスリップの収束が検出されたときには、クラッチ板に対する押圧力を元の大きさに減少させることを特徴とする発電機の駆動方法。
  2. 上記スリップ検出手段が、摩擦クラッチの入力側回転センサと出力側回転センサと、それらのセンサからの信号を比較して両者の差の大きさを判別し、この差の大きさを所定の設定値と比較してスリップの発生を判断し、圧力切替え電磁弁にオン・オフ信号を発するコントローラとからなることを特徴とする請求項1記載の発電機の駆動方法。
  3. 上記スリップ検出手段が、摩擦クラッチの入力側のクラッチドラムに設けられ、その出力側の回転軸に設けられたカムにより駆動される油圧ポンプからなり、この油圧ポンプからの吐出油が圧力切替え弁を作動させることを特徴とする請求項1記載の発電機の駆動方法。
  4. 上記スリップ検出手段が、摩擦クラッチの入力側と出力側に連結された駆動機構により内部ロータと外部ロータとが駆動される内歯歯車ポンプからなり、この内歯歯車ポンプからの吐出油が圧力切替え弁を作動させることを特徴とする請求項1記載の発電機の駆動方法。
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