JP3991123B2 - 発電制御方法および発電装置 - Google Patents

発電制御方法および発電装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3991123B2
JP3991123B2 JP2002301838A JP2002301838A JP3991123B2 JP 3991123 B2 JP3991123 B2 JP 3991123B2 JP 2002301838 A JP2002301838 A JP 2002301838A JP 2002301838 A JP2002301838 A JP 2002301838A JP 3991123 B2 JP3991123 B2 JP 3991123B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
generator
prime mover
power
clutch
power generation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002301838A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004137933A (ja
Inventor
外左 松本
光雄 豊田
祥之助 古賀
義博 高橋
秀樹 中村
達郎 阿部
昭 前園
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
Hitachi Nico Transmission Co Ltd
Toho Gas Co Ltd
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
Hitachi Nico Transmission Co Ltd
Kawasaki Jukogyo KK
Toho Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd, Tokyo Gas Co Ltd, Hitachi Nico Transmission Co Ltd, Kawasaki Jukogyo KK, Toho Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP2002301838A priority Critical patent/JP3991123B2/ja
Publication of JP2004137933A publication Critical patent/JP2004137933A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3991123B2 publication Critical patent/JP3991123B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電装置に関する。さらに詳しくは、ガスタービンエンジン、ディーゼルエンジンおよびスチームエンジンなどの各種原動機により発電機を駆動して発電する、特に非常用・防災用として優れた性能を発揮するよう改良された発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、工場、ビルおよび病院などの各種施設で、停電時などの非常用・防災用の電源設備として自家発電装置が設置されている。また、法律によりそのような発電装置の設置が義務づけられている場合も多い。
【0003】
そして、このような発電装置は、通常、発電機を原動機で駆動して発電するように構成され、また原動機としてディーゼルエンジンを用いたものが一般的であるといえる。ところが、近年、このような自家発電装置の原動機としてガスタービンエンジンを用いたものが、下記各項目の利点によって、注目され、また数多く利用されるようになってきている。
【0004】
すなわち、ガスタービンエンジンは、
【0005】
(1)同一能力のディーゼルエンジンと比較してはるかに小型・軽量であり、また冷却装置を小型化・簡易化することが容易であるため、設置スペースを節約できる、
【0006】
(2)振動が少なく、騒音対策も容易である、
【0007】
(3)始動時の着火ミスがほとんどなく起動信頼性に優れている、
【0008】
(4)エンジン回転速度が高速で安定しており良質の電力が得られる、
【0009】
(5)エンジン回転速度が高速であり、エンジンと発電機とを繋ぐ減速機の減速比も大きいので、等価慣性モーメントが非常に大きく、瞬間的な過負荷を容易に吸収することができる。
【0010】
特に、起動信頼性に優れている点は、緊急用の電源設備として必須の性質であり、また電圧の変動が小さく、電圧波形の歪みも小さい良質の電力を供給できるといった点において、電子産業分野等における高品質な電力の要求にも応えることが可能である。
【0011】
図6に、このようなガスタービンエンジンを用いた発電装置の一例を示す。この発電装置K´は、燃焼器11´、タービン12´および圧縮機13´からなる例えば1軸式のガスタービンエンジン10´と、この回転出力により駆動される発電機20´と、ガスタービンエンジン10´の出力回転速度を減速して発電機20´に伝達する減速機30´とから構成される。
【0012】
しかるに、ガスタービンエンジンの場合、前掲の通り等価慣性モーメントが大きいという特性を有しているので、エンジン回転速度が定格回転速度に達するまでにより長い時間が必要であるという難点がある。このため、法律的にも、停電の発生後、エンジンの始動を完了し、負荷に給電できるようにするまでの時間(以下、始動時間という)に関し、ディーゼルエンジンよりも長めの時間(40秒)が規定されている。
【0013】
しかしながら、非常用・防災用の発電装置として、始動時間は短いほど好ましく、このため、例えばスタータモータを高出力としたり、始動時の燃料噴射量を多めにして始動時にエンジンの発生トルクを増大させるなどして始動時間を短縮することが行われている。
【0014】
ところが、スタータモータの高出力化はその大型化および大幅なコスト増大を招き、その割にスタータモータがエンジン加速に寄与する割合は、エンジン自体の発生トルクによるものよりもはるかに小さいため、始動時間の短縮にそれほど効果を発揮するものとはいえない。
【0015】
また、始動時の燃料噴射量を増加する方法は、エンジン自体の発生トルクを増大させる点で有効ではあるが、比較的長時間に亘ってエンジンを高温にさらすことになり、耐久性が低下するという問題を生じる。
【0016】
一方、ディーゼルエンジンでは始動すること自体は比較的容易であるが、エンジンが暖機されるまでに発電機を全負荷運転に移行させると、エンジン回転速度が低下し、場合によってエンジンが停止してしまうという問題がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑みなされたものであって、各種原動機により発電機を駆動して発電する発電装置において、原動機の運転状態に応じて原動機の負荷状態を調整するようにして、装置の大型化および耐久性低下等の不都合の発生を最小限度に抑制しつつ、始動時間を短縮することができる発電制御方法および発電装置を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の発電制御方法は、発電機を原動機により伝達する駆動力が調整可能なクラッチを介して駆動して発電する発電装置における発電制御方法であって、原動機の始動が完了してから確認時間経過後にクラッチによる駆動力の伝達を開始させ、発電装置の停止時において、原動機および発電機の回転速度が所定回転速度まで低下した時点でクラッチを切断することを特徴とする。
【0019】
本発明の発電制御方法においては、クラッチを所定パターンにより制御し、原動機から発電機に伝達される駆動力を零または所定の大きさに調整するのが好ましい。
【0021】
さらに、本発明の発電制御方法においては、発電機の回転速度が所定回転数に達すると同発電機の初期励磁をなすのも好ましい。
【0022】
さらに、本発明の発電制御方法においては、原動機の回転速度が定格回転速度に到達した時点から所定時間経過後に発電電圧を検出し、検出される発電電圧を定格電圧と比較対照して、発電装置の動力伝達系統および制御系統の不具合を検知するのも好ましい。その場合、不具合の発生を通報し、および/または原動機を停止するのがさらに好ましい。
【0023】
一方、本発明の発電装置の第1形態は、発電機を原動機により伝達する駆動力が調整可能なクラッチを介して駆動して発電する発電装置であって、原動機の運転状態を検出する原動機運転状態検出手段と、原動機運転状態検出手段により検出される原動機の運転状態に応じて前記クラッチの伝達駆動力を所定パターンにより制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、原動機の始動が完了してから確認時間経過後にクラッチによる駆動力の伝達を開始させるとともに、発電装置の停止時において、原動機および発電機の回転速度が所定回転速度まで低下した時点でクラッチを切断することを特徴とする。
【0024】
また、本発明の発電装置の第2形態は、発電機を原動機により伝達する駆動力が調整可能なクラッチを介して駆動して発電する発電装置であって、原動機の運転状態を検出する原動機運転状態検出手段と、発電機の運転状態を検出する発電機運転状態検出手段と、原動機運転状態検出手段により検出される原動機の運転状態と発電機運転状態検出手段により検出される発電機の運転状態とに基づいて、発電装置の動力伝達系統および制御系統の異常を検知する異常検知手段と、原動機運転状態検出手段により検出される原動機の運転状態に応じてクラッチの伝達駆動力を所定パターンにより制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、原動機の始動が完了してから確認時間経過後にクラッチによる駆動力の伝達を開始させるとともに、発電装置の停止時において、原動機および発電機の回転速度が所定回転速度まで低下した時点でクラッチを切断することを特徴とする。
【0026】
【作用】
本発明は前記の如く構成されているので、発電機に先行して原動機の始動を完了し、定格出力運転が可能な原動機の運転状態で駆動力を発電機に伝達するため、始動時間を全体として短縮することができる。
【0027】
また、発電機との接続が切断された状態で原動機を加速するので、加速燃料の供給を最小限度に抑え、さらに始動時間の短縮も可能であることから、始動時に原動機に加わる熱ストレスを大幅に減少させることが可能となる。
【0028】
さらに、原動機の運転状態および発電装置の運転状態を比較することによって、駆動力伝達系統やその制御系統の異常を発見することができる。また、停止時に原動機と発電機との接続を解除することによって、原動機のみをいわゆるエンジンブレーキによって速やかに減速することができ、これによって、例えば発電装置の再始動が可能になるまでの時間を短縮することもできる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではない。
【0030】
実施形態1
図1に、本発明の実施形態1に係る発電制御方法が適用される発電装置の概略構成を示す。
【0031】
この発電装置Kは、例えば停電時などの非常用・防災用に工場、ビル、病院などの施設に設置されるものとされ、具体的には、原動機10と、これにより駆動される発電機20と、原動機10の回転出力を減速して出力する減速機30と、減速機30と発電機20との間に介装されるクラッチ40と、制御部50と、原動機10の運転状態を検出する第1検出部60と、発電機20の運転状態を検出する第2検出部70とを主要構成要素として備えてなるものとされる。
【0032】
ここで、第1検出部60は、この実施形態1では、原動機10の出力軸10aの各時点における回転速度を検出する回転速度センサ61とされる。また、第2検出部70は、発電機20の入力軸20aの回転速度を検出する回転速度センサ71および発電機20の発電電圧を検出する電圧センサ72とを含むものとされる。
【0033】
原動機10は、例えば1軸式のガスタービンエンジンとされ、燃焼器11と、タービン12と、圧縮機13とを備えるものとされる。また、原動機10は、定格運転時、例えば22,000rpm(回転毎分)以上の高速で回転するものとされる。
【0034】
また、原動機10は、例えば減速機30の出力軸(クラッチ40の入力軸)に接続されるスタータモータによって始動される。また、燃焼器11には、原動機10の始動時、スタータモータとともに作動する点火プラグ(不図示である)が設けられるものとされる。
【0035】
発電機20は、周波数および電圧の安定した良質な電力を発電できるように、例えばはずみ車が入力軸20aに設けられたものとされる。
【0036】
減速機30は、所定の減速比で原動機10の回転出力を減速し、クラッチ40に出力する。減速機30の出力回転速度は例えば1500rpm〜1800rpm程度とされる。また、このような減速機30は公知の減速機を好適に用いて構成することが可能である。
【0037】
クラッチ40は、減速機30の出力軸と発電機10の入力軸との間に介装される例えば油圧式多板クラッチとされ、後掲するように、制御部50の制御によって、原動機10から発電機20に伝達される駆動力を調整する。
【0038】
制御部50は、原動機10および発電機20を制御するとともに、第1検出部および第2検出部の出力信号に基づいて、後掲の始動処理、通常停止処理、異常検知処理、警報処理および非常停止処理を実施するものとされる。
【0039】
より具体的には、制御部50は、原動機10および発電機20の制御機構(不図示である)を有するとともに、図2に示すように、クラッチ40の制御機構である接続状態調整部51、異常検知部52、異常通報部53および非常停止処理部54の各部を備えるものとされる。また、このような制御部50は、ハードウェアとしてのコンピュータと、ソフトウエアとしての、コンピュータが実行する後掲の各処理の手順を定義したプログラムとを含むコントローラとして構成される。以下、各処理を説明する。
【0040】
1.始動処理
【0041】
制御部50(接続状態調整部51)は、停電の発生後、所定時間内(例えば40秒以内)に、発電装置Kを停止(待機)状態から始動させ、負荷への給電を開始させる始動処理を実施する。以下、始動処理を詳細説明する。
【0042】
図3に、制御部50の制御による発電装置K各部の運転状態の時系列変化を模式的に示す。図中、折れ線L1は原動機10(出力軸10a)回転速度の時系列変化を示し(定格運転時の回転速度を100とした百分率で表す)、折れ線L2は発電機20の入力回転速度の時系列変化を示し(定格運転時の回転速度を100とした百分率で表す)、折れ線L3は発電機20の発電電圧の時系列変化を示す(定格運転時の発電電圧を100とした百分率で表す)。
【0043】
いま、時刻t0に発電装置が始動指令を受けたとすると、燃焼器11への燃料供給を開始するように燃料弁ならびに安全遮断弁等が開弁する。また、同時に点火装置を動作させ燃焼器11を着火させるとともにスタータモータでの駆動を開始する。これによって原動機10を加速する。
【0044】
なお、図示例(折れ線L2)で、若干の駆動力が発電機20に伝達されているのはクラッチ40の引きずりに起因しているものであり、クラッチ形式によりその特性は異なる。
【0045】
時刻t5に、原動機10の回転速度が自立運転の可能な所定回転速度(例えば55%)に達すると、スタータモータを切断するとともに点火装置の作動を停止する。
【0046】
時刻t6に、原動機10の回転速度が運転が十分に可能な定格回転速度付近(例えば95%)に達すると、原動機10の始動が完了したとして所定の確認時間(例えば、5秒間)経過後にクラッチ40による駆動力の伝達を開始する。
【0047】
時刻t7に、前掲の確認時間が経過すると、後掲の制御パターン(図4参照)にしたがって原動機10から発電機20に伝達されるトルクを調整するようにクラッチ40を制御する。
【0048】
時刻t8に発電機20(入力軸20a)の回転速度が所定の回転速度(95%)に達すると、発電機20の初期励磁を開始する。
【0049】
時刻t9に発電機20の発電電圧(折れ線L3)が所定電圧(95%)に達すると、その時点から所定時間(例えば、2秒間)経過後(時刻t10)に、発電電圧が安定確立したとして負荷給電が可能となる。
【0050】
以上で本始動処理を終了する。
【0051】
このように、実施形態1の始動処理においては、原動機10と発電機20との接続を切断した状態でガスタービンエンジンからなる原動機10を先行して定格運転時の所定回転速度まで加速して始動を完了するので、発電機20(入力軸20a)による慣性が減少する分だけ、エンジン始動トルクを大幅に増大させることなく原動機10を速やかに始動することが可能となる。これにより、始動時の加速燃料によるエンジンの熱ストレスを低減して原動機10の耐久性を向上させることが可能となる。
【0052】
また、原動機10の始動が完了し、原動機10が定格出力運転の可能な所定の運転状態に移行してから原動機10と発電機20との接続を開始するようクラッチ40を制御するので、発電機20を短時間の内に加速させることができ、結果的に、全体として発電装置Kの始動時間を大幅に短縮することが容易となる。
【0053】
図4に、クラッチ40における伝達トルクの制御パターンを模式的に示す。同図において、グラフ縦軸は伝達トルク(N・m)を示し、横軸は時間(図3の時刻t7を原点とする)を示す。
【0054】
ここで、実線L11は、クラッチ40における伝達トルクを時間の経過に対して直線的に増加させるパターンを示し、実線L12は、階段的に増加させるパターンを示す。
【0055】
また、実線L13は、緩やかに伝達トルクを増大させた後に加速度的に伝達トルクを増大させるパターンを示す。また、実線L14は、クラッチ40が半クラッチの状態で原動機10を始動させ、伝達トルクがある程度上昇している状態から直線的に伝達トルクを上昇させるパターンを示す。
【0056】
なお、図4に示すグラフの横軸を原動機回転速度として制御することも可能である。この場合L15はある特定の回転速度により伝達トルクを増大させるパターンを示す。これらの伝達トルク特性は原動機10の特性に合わせて制御部50において設定の変更が可能である。
【0057】
2.通常停止処理
【0058】
また、制御部50(接続状態調整部51)は、発電装置Kの運転が不要となった時点等における通常停止処理を実施する。
【0059】
すなわち、図3に示すように、発電装置Kを停止させる際には、発電機10の負荷解列を開始し(時刻t13)、全ての負荷が解列されると(時刻t14)、原動機10のアフタークーリングを実施するために無負荷運転を所定時間(例えば、5分間)継続する。
【0060】
所定時間のアフタークーリングが終了する(時刻t15)と、前掲の安全遮断弁、燃料弁を全て閉弁し、燃料供給を停止する。これにより、原動機10および発電機20の回転速度は減少していく(実線L1、L2)。また、発電機20の出力電圧は急速に減少していく(実線L3)。
【0061】
原動機10および発電機20の回転速度が停止を十分に確認できる回転速度(例えば55%)まで低下すると、この時点にクラッチ40を切断する。これにより、原動機10は、発電機20(入力軸20a)の慣性による影響を受けなくなる結果、いわゆるエンジンブレーキによって回転速度が急速に減速していく。
【0062】
このように本通常停止処理では、原動機10および発電機20の回転速度が適当な回転速度まで減速した時点に原動機10と発電機20との接続を切断するので、発電機20(入力軸20a)の分だけ原動機10の慣性が減少し、エンジンブレーキトルク(圧縮機ドラッグトルク)によって、原動機10を再始動可能な回転速度域まで速やかに減速することが可能となる。
【0063】
これによって、発電装置Kの再始動が不能な、いわゆる再始動ロックタイム時間を短縮することが可能となる。
【0064】
3.異常検知処理
【0065】
制御部50(異常検知部52)は、第1検出部60により検出される原動機10の運転状態と第2検出部70により検出される発電機20の運転状態とに基づいて、発電装置Kの動力伝達系統および制御系統の異常を検知する異常検知処理を実施する。
【0066】
すなわち、発電装置Kの始動時、第1検出部60(回転速度センサ61)により検出される原動機10の回転速度が定格運転回転速度に到達した時点(例えば図3の時刻t6)から所定時間(例えば、30秒)経過した時点に、第2検出部70(電圧センサ72)により検出される発電機20の発電電圧が所定の定格運転電圧に達しているか否かを判定する。このとき、発電機20の発電電圧が所定の定格運転電圧に達していないときには、クラッチ40またはそれを制御する接続状態調整部51か、発電機20の制御機構、特に励磁制御系統のいずれかに異常があるものとして、異常通報部53に警報器を作動させるよう指令を発するとともに、非常停止部54に所定の非常停止処理によって原動機10を停止させるよう指令を発する。
【0067】
異常報知部53は、異常検知部52からの指令を受けて、ブザーや異常警報灯からなる警報器を作動させるようにして異常を報知する。また、非常停止部54は、異常検知部52からの指令を受けて、原動機10への燃料供給を緊急に停止する等の非常停止処理を実施する。
【0068】
これによって、係員等に速やかに異常の発生を通知することができるとともに、異常があるにも拘わらず運転を継続することによる事故の発生や損傷の拡大を防止することが可能となる。
【0069】
このように、この実施形態1の発電制御方法では、減速機30と発電機20との間にクラッチ40を介装し、原動機10から発電機20への伝達トルクをガスタービンエンジンからなる原動機10の回転速度に応じて調整するものとしているので、発電装置Kの始動時に原動機10と発電機20との接続を切断し、原動機10を単独で速やかに加速して始動を完了するとともに、定格出力運転が可能な運転状態に移行してから原動機10と発電機20とを接続するので、耐久性の低下等の不都合を招くことなく発電装置Kの始動時間を全体として大幅に短縮することが可能となる。
【0070】
また、発電装置Kの停止時には、適当な回転速度で原動機10と、発電機20との接続を切断するものとしているので、原動機10を速やかに減速することが可能となり、発電装置Kが再始動可能になるまでの時間を短縮することが可能となる。
【0071】
さらに、原動機10の運転状態、例えば出力回転速度と、発電機20の運転状態、例えば発電電圧を比較対照することによって、発電装置K各部の異常を検知し、これを係員等に通知することができるとともに、事故の発生等を未然に防止することも可能となる。
【0072】
実施形態2
本発明の実施形態2の発電制御方法が適用される発電装置を図5に示す。この発電装置K1は、図5に示すように、発電装置Kの原動機10および第1検出器60を改変してなるものとされる。
【0073】
発電装置K1は、原動機10Aとして、ディーゼルエンジンを用いるものとされ、また原動機10Aの運転状態を検出する第1検出器60Aとして、原動機10Aの回転速度を検出する回転速度センサ61Aに加えて、原動機10Aの温度(例えば、冷却水温度)を検出する温度センサ62Aを設けてなるものとされる。
【0074】
この場合、始動処理において、制御部50A(接続状態調整部)は、第1検出部60A(温度センサ62A)により検出される原動機10Aの温度が暖気完了を示す所定温度に到達した時点以降に、クラッチ40Aを介する伝達トルクが定格運転時の伝達トルクとなるようにクラッチ40Aを制御するものとされる。なお、図中、符号20Aは発電機を示し、符号30Aは減速機を示し、符号70Aは第2検出部を示す。
【0075】
これにより、ディーゼルエンジンからなる原動機10Aの暖気が完了して始動が完了した時点以降に原動機10Aを全負荷状態に移行させて、機関停止等の発生を回避することが可能となる。
【0076】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明してきたが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではなく、種々改変が可能である。例えば、実施形態ではエンジンとしてガスタービンエンジンおよびディーゼルエンジンが用いられているが、エンジンはそれらに限定されるものではなく、例えばガスエンジンとすることもできる。
【0077】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、原動機と発電機との間に断接可能な伝達トルク調整手段を介装し、原動機の運転状態に応じて原動機から発電機に伝達されるトルクを調整するものとしているので、原動機の始動が完了して原動機が定格出力運転可能な運転状態に達してから原動機と発電機とを接続することができ、発電装置の始動時間を全体として大幅に短縮することができるという優れた効果を奏する。
【0078】
また、本発明の好ましい形態によれば、原動機の運転状態および発電装置の運転状態を比較することによって、駆動力伝達系統やその制御系統の異常を発見することができるという優れた効果も得られる。
【0079】
さらに、本発明の別の好ましい形態によれば、停止時に原動機と発電機との接続を解除することによって、原動機のみをいわゆるエンジンブレーキによって速やかに減速することができ、これによって、例えば発電装置の再始動が可能になるまでの時間を短縮することができるという優れた効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る発電制御方法が適用される発電装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】発電装置の制御部の詳細を示すブロック図である。
【図3】制御部が実施する始動処理および通常停止処理のタイムスケジュールを模式的に示すグラフ図である。
【図4】始動処理における伝達トルクの各制御パターンを示すグラフ図である。
【図5】本発明の実施形態2に係る発電制御方法が適用される発電装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】従来の発電装置の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
K 発電装置
10、10A 原動機
20、20A 発電機
30、30A 減速機
40、40A クラッチ
50、50A 制御部
51 接続状態調整部
52 異常検知部
53 異常報知部
54 非常停止処理部
60、60A 第1検出部
61、61A 回転速度センサ
62A 温度センサ
70、70A 第2検出部
71 回転速度センサ
72 電圧センサ

Claims (7)

  1. 発電機を原動機により伝達する駆動力が調整可能なクラッチを介して駆動して発電する発電装置における発電制御方法であって、
    原動機の始動が完了してから確認時間経過後にクラッチによる駆動力の伝達を開始させ
    発電装置の停止時において、原動機および発電機の回転速度が所定回転速度まで低下した時点でクラッチを切断す
    ことを特徴とする発電制御方法。
  2. クラッチを所定パターンにより制御し、原動機から発電機に伝達される駆動力を零または所定の大きさに調整することを特徴とする請求項1記載の発電制御方法。
  3. 発電機の回転速度が所定回転数に達すると同発電機の初期励磁をなすことを特徴とする請求項1記載の発電制御方法。
  4. 原動機の回転速度が定格回転速度に到達した時点から所定時間経過後に発電電圧を検出し、検出される発電電圧を定格電圧と比較対照して、発電装置の動力伝達系統および制御系統の不具合を検知することを特徴とする請求項1記載の発電制御方法。
  5. 発電装置の動力伝達系統および制御系統の不具合が検知されたときに、不具合の発生を通報し、および/または原動機を停止することを特徴とする請求項記載の発電制御方法。
  6. 発電機を原動機により伝達する駆動力が調整可能なクラッチを介して駆動して発電する発電装置であって、
    原動機の運転状態を検出する原動機運転状態検出手段と、
    原動機運転状態検出手段により検出される原動機の運転状態に応じて前記クラッチの伝達駆動力を所定パターンにより制御する制御手段
    とを備え、
    前記制御手段は、原動機の始動が完了してから確認時間経過後にクラッチによる駆動力の伝達を開始させるとともに、発電装置の停止時において、原動機および発電機の回転速度が所定回転速度まで低下した時点でクラッチを切断する
    ことを特徴とする発電装置。
  7. 発電機を原動機により伝達する駆動力が調整可能なクラッチを介して駆動して発電する発電装置であって、
    原動機の運転状態を検出する原動機運転状態検出手段と、
    発電機の運転状態を検出する発電機運転状態検出手段と、
    原動機運転状態検出手段により検出される原動機の運転状態と発電機運転状態検出手段により検出される発電機の運転状態とに基づいて、発電装置の動力伝達系統および制御系統の異常を検知する異常検知手段と、
    原動機運転状態検出手段により検出される原動機の運転状態に応じてクラッチの伝達駆動力を所定パターンにより制御する制御手段
    とを備え、
    前記制御手段は、原動機の始動が完了してから確認時間経過後にクラッチによる駆動力の伝達を開始させるとともに、発電装置の停止時において、原動機および発電機の回転速度が所定回転速度まで低下した時点でクラッチを切断する
    ことを特徴とする発電装置。
JP2002301838A 2002-10-16 2002-10-16 発電制御方法および発電装置 Expired - Fee Related JP3991123B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002301838A JP3991123B2 (ja) 2002-10-16 2002-10-16 発電制御方法および発電装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002301838A JP3991123B2 (ja) 2002-10-16 2002-10-16 発電制御方法および発電装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004137933A JP2004137933A (ja) 2004-05-13
JP3991123B2 true JP3991123B2 (ja) 2007-10-17

Family

ID=32450082

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002301838A Expired - Fee Related JP3991123B2 (ja) 2002-10-16 2002-10-16 発電制御方法および発電装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3991123B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105172605A (zh) * 2015-08-27 2015-12-23 苏州雷姆斯汽车工程有限公司 一种后桥减速发电装置
KR20180100661A (ko) * 2016-02-12 2018-09-11 지멘스 악티엔게젤샤프트 시동 모터를 갖는 가스 터빈 트레인

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5550934B2 (ja) * 2010-02-08 2014-07-16 新潟原動機株式会社 ガスタービン用点火装置及びガスタービンの点火方法
JP6478744B2 (ja) * 2015-03-23 2019-03-06 三菱重工航空エンジン株式会社 回転翼機
CN105128833A (zh) * 2015-08-27 2015-12-09 苏州雷姆斯汽车工程有限公司 一种后桥减速冷却装置
JP7138441B2 (ja) * 2018-01-11 2022-09-16 三菱電機株式会社 健全性評価装置及び発電システム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105172605A (zh) * 2015-08-27 2015-12-23 苏州雷姆斯汽车工程有限公司 一种后桥减速发电装置
KR20180100661A (ko) * 2016-02-12 2018-09-11 지멘스 악티엔게젤샤프트 시동 모터를 갖는 가스 터빈 트레인
KR102069734B1 (ko) * 2016-02-12 2020-01-28 지멘스 악티엔게젤샤프트 시동 모터를 갖는 가스 터빈 트레인

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004137933A (ja) 2004-05-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2687110C (en) Operation of an aircraft engine after emergency shutdown
JP5465950B2 (ja) 航空機用ガスタービン・エンジンの制御装置
US20080190094A1 (en) Combination Power Plant and Method For the Cooling Thereof
JP5883568B2 (ja) 発電プラントの過速度保護システムを試験する方法及びシステム
KR102298941B1 (ko) 제어식 기계적 결합 장치를 구비하는 터보샤프트 엔진, 이러한 터보샤프트 엔진이 설비되어 있는 헬리콥터, 및 이러한 헬리콥터의 무동력 수퍼 아이들 속도를 최적화하기 위한 방법
US8109723B2 (en) Device and method for controlling wind turbine
EP1390611A1 (en) Method of operating a gas turbine
JP3991123B2 (ja) 発電制御方法および発電装置
JP3706552B2 (ja) 一軸コンバインドプラント
JP6262354B2 (ja) 単軸システムの過速防止装置を検査するための方法
JP5967404B2 (ja) スターリングエンジン制御システム及びスターリングエンジン搭載船舶
JP3697220B2 (ja) ターニング装置
JP4138596B2 (ja) コンバインドプラントの自動停止方法及び自動停止制御装置及びこの自動停止制御装置を備えたコンバインドプラント
CN215521350U (zh) 基于3s联轴器的锅炉风机双驱动控制系统
US20210095579A1 (en) Plant control apparatus, plant control method and power generation plant
JP2005248751A (ja) ガスタービン、ガスタービンの始動方法及び停止方法
JP6185162B2 (ja) 一軸形コンバインドサイクルプラントの過回転速度防止装置をテストするための方法
JP5461507B2 (ja) 発電設備停止方法
JP2001193476A (ja) 多軸ガスタービンの始動装置および始動方法
CN116873210A (zh) 一种新型高速启动机
JP5819441B2 (ja) 機械的保護装置および方法
JP2885346B2 (ja) コンバインドプラントの制御方法及び同装置
JP2667699B2 (ja) 一軸型コンバインドプラント及びその起動方法
JP3648281B2 (ja) 複合サイクル発電プラントの制御装置
CN113279993A (zh) 基于3s联轴器的锅炉风机双驱动控制系统及方法

Legal Events

Date Code Title Description
A072 Dismissal of procedure [no reply to invitation to correct request for examination]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A073

Effective date: 20040601

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20040604

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040604

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060425

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070529

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070706

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3991123

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100803

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100803

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100803

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110803

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110803

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120803

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120803

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130803

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140803

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees