JP3696638B2 - 光学活性2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の製造方法 - Google Patents

光学活性2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、医薬又はその中間体として有用な(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体の合成中間体などとして有用な2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体とその光学活性体の製造方法、および前記(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体は、生体内のβ3 受容体に選択的に作用することから、副作用が極めて低く、インシュリンによらない新しいタイプの抗肥満薬、糖尿病治療薬として注目されている。そして、前記1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体の薬理学的な研究から、上記のβ3 作用は、実質的に(R,R)−エナンチオマーに因るものであることが判明している[ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー(J.Med.Chem.)、第35巻、第3081頁(1992年)、及び米国特許第5061727号明細書等参照]。例えば、前記米国特許明細書には、(R,R)−5−[2−[[2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−1,3−ベンゾジオキソール−2,2−ジカルボン酸ジナトリウム塩は、対応する(S,S)−エナンチオマーと比較して47倍もの高い活性を示すことが記載されている。
【0003】
従来、光学活性(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体の製造方法として、ラセミ体の光学分割による方法と不斉合成による方法が知られている。
【0004】
例えば、前記米国特許第5061727号明細書に対応する特開平5−320153号、米国特許第5106867号明細書および特開昭58−18340号公報には、フェニルエタノール誘導体のラセミ体、フェニルアセトン誘導体、及びシアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を反応させて、1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体の4種の光学異性体の混合物を得、このうち(R,R)体と(S,R)体とを分離除去し、次いでジアステレオマー法により(R,R)体と(S,S)体とを光学分割することにより、(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体を製造する方法が開示されている。しかし、上記方法では、完全な4種の光学異性体の混合物から1種の光学異性体である(R,R)体のみを分離精製する必要があるため、工程が煩雑となり、収率も低下する。また、多量の原料が必要となるため、経済的にも不利である。
【0005】
同米国特許明細書及び前記ジャーナル オブ メディシナル ケミストリーには、(R)−3−クロロスチレンオキサイド誘導体と(R)−1−メチル−2−フェニルエチルアミン誘導体とを反応させる方法が開示されている。しかし、この方法において反応原料として用いる(R)−1−メチル−2−フェニルエチルアミン誘導体は強い覚醒作用を示すため、取扱いには格別の注意が必要であり、工業的スケールでの使用には適していない。また、上記(R)−1−メチル−2−フェニルエチルアミン誘導体を得るために、多くの工程を必要とする。例えば、前記(R)−1−メチル−2−フェニルエチルアミン誘導体は、L−ドーパ(L−DOPA)から、アミノ基への保護基の導入、エステル化、エステルの還元、ヒドロキシル基のメシルオキシ化、脱保護、還元の6工程を経て製造される。
【0006】
一方、本発明において、前記1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体の反応原料として用いる光学活性な2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を製造する方法として、対応するラセミ体を光学分割剤を用いて光学分割する方法が知られている。例えば、特開昭64−9979号公報(特公平4−48791号)には、2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールのラセミ体をN−(t−ブトキシカルボニル)−D−アラニンを用いて光学分割し、光学活性な(R)体を得る方法が開示されている。
【0007】
また、特開平2−85247号公報には、2−アミノ−1−(4−クロロフェニル)エタノールのラセミ体を、D−酒石酸を用いて光学分割する方法が開示されている。さらに、日本化学会誌、1985、(5)、第910頁〜第913頁には、2−アミノ−1−フェニルエタノールのラセミ体を、3−アミノ安息香酸を光学分割剤として光学分割する方法が開示されている。
【0008】
しかし、光学分割に供する前記2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体のラセミ体を簡単な操作で収率よく得ることが困難なため、上記方法では、目的の光学活性2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を簡便に、効率よく製造することができない。
【0009】
例えば、前記2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の製造法として、窒素含有化合物の還元による方法、およびアンモニアの付加反応を利用する方法が知られている。
【0010】
前記窒素含有化合物の還元による方法として、(a)マンデロニトリルを還元する方法[J. Org. Chem.,45(14), 2785 (1980) 、特開昭46−27号公報等参照]、(b)マンデル酸アミドを還元する方法[J. Appl. Chem., 1 (1951) 469参照]および(c)ニトロ化合物を還元する方法[Coll. Czech. Chem. Comm., 43(7), 1917 (1978)参照]が知られている。
【0011】
しかし、前記(a)の方法では、マンデロニトリルが不安定であるため、高収率で目的物を得るためには、ヒドロキシル基を保護する必要がある。また、多量のLiAlH4 やNaBH4 などの還元剤と活性化触媒の存在下で反応が行われるため、経済的でなく、しかも取扱いに注意が必要である。さらに、得られる2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の純度が95%程度と低い。また、前記(b)、(c)の方法においても、還元剤としてLiAlH4 などを多量に用いるため、前記と同様の問題を有する。さらに前記(c)の方法では、溶媒としてニトロメタンを用いるため、危険性が高く、取扱いには十分の注意が必要である。
【0012】
前記アンモニアの付加反応を利用する方法として、(d)エポキシ化合物にアンモニアを反応させる方法[Syn. Com., 3(3), 177,(1973) 参照]、および(e)ハロヒドリン化合物にアンモニアを反応させる方法[Indian. J. Chem., SECT. B, 31B, 821(1992) 参照]が知られている。しかし、これらの方法では、反応操作は簡易であるものの、2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の位置異性体である1−アミノ−2−フェニルエタノール誘導体が副生しやすい。この位置異性体は、蒸溜、再結晶、抽出等の通常の分離精製方法では除去しにくく、純度の高い2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を得るためには、カラム精製などの煩雑な操作を必要とする。
【0013】
また、一方、微生物を利用して、光学活性な2−アミノ−1−フェニルエタノールを得る方法が知られている。すなわち、ケミストリー・エクスプレス(Chemistry Express)、第4巻、第9号、第621頁〜第624頁、(1989年)には、スタフィロコッカス属、ミクロコッカス属、ロードコッカス属およびナイセリア属に属する微生物が、2−アミノ−1−フェニルエタノールおよびα−アミノアセトフェノンから、それぞれ、光学活性な2−アミノ−1−フェニルエタノールを生成させることが開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体を選択的に高い収率で効率よく製造するために有用な光学活性化合物(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を、効率よく、しかも高い光学純度で製造できる方法を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、前記(R,R)体を製造する上で有用であり、しかも入手および取り扱いの容易な光学活性化合物を、効率よく高い光学純度で製造できる方法を提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、前記光学活性化合物を効率よく得るために有用な2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を、簡単な操作で収率よく、しかも高純度で得ることのできる方法を提供することにある。
【0017】
また、本発明のさらに他の目的は、光学純度の高い(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体を高い収率で効率よく製造できる方法を提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的は、前記光学活性化合物を効率よく製造するのに有用な(S)体を、効率よく製造する方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため、鋭意検討した結果、(i)特定の分離精製法により、純度の高い2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体が効率よく得られること、(ii)特定の微生物を用いる方法により、光学純度の高い(R)又は(S)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体が効率よく得られること、(iii)前記(R)体とフェニルアセトン誘導体との反応、および前記反応の反応生成物と還元剤との反応とにより、容易に、しかも高い収率及び光学純度で選択的に、光学活性な(R,R)−2−アミノ−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体を製造できることを見出し、本発明を完成した。
【0020】
すなわち、本発明は、一般式(I)
【0021】
【化24】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい低級アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい低級アルキルチオ基、置換基を有していてもよいアシル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基または置換基を有していてもよいアミノ基を示す)
で表される2−アミノ−1−フェニルエタノール化合物またはその塩のエナンチオマー混合物に、前記エナンチオマー混合物に作用して、対応する一般式(IIa)
【0022】
【化25】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は、前記と同じ)
で表される(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール化合物またはその塩を生成しうる能力を有する微生物又はその処理物を作用させ、生成する一般式(IIa)で表される(R)体またはその塩を採取する(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の製造方法を提供する。
【0023】
なお、前記一般式(I)で表される2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体において、ヒドロキシル基は保護基で保護されていてもよい。このような誘導体、すなわち一般式(VI)
【0024】
【化26】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は、前記と同じ;Zは、水素原子又はヒドロキシル基の保護基を示す)で表される化合物は、種々の方法、例えば、一般式(III)
【0025】
【化27】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は、前記と同じ)
で表される化合物、または式(IV)
【0026】
【化28】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびZは、前記に同じ、Xはハロゲン原子を示す)
で表される化合物と、一般式(V)
Y−NH2 (V)
(式中、Yは、水素原子または反応において脱離しうる基を示す)
で表される化合物とを反応させ、さらにYが反応において脱離しうる基である場合にはYを脱離させて、得られた反応生成物に、酸を添加して、一般式(VI)で表される化合物を塩として析出させて分離精製することにより得ることができる。
【0027】
また、一般式(IIa)
【化42】
(式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基を示す)
で表される(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体またはその塩は、例えば、一般式(VII)
【0028】
【化29】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5は、前記に同じ)
で表される化合物またはその塩に作用して、対応する一般式(IIa)で表わされる光学活性化合物またはその塩を生成する能力を有する微生物またはその処理物を作用させ、生成した一般式(IIa)で表わされる光学活性化合物またはその塩を採取することにより得ることができる。前記微生物は、カンジダ( Candida )属、ロデロミセス( Lodderomyces )属、カテヌロプラネス( Catenuloplanes )属、ピリメリア( Pilimelia )属、サッカロスリクス( Saccharothrix )属、セラチア( Seratia )属、エンテロコックス( Enterococcus )属、ラクトバシルス( Lactobacillus )属、ペディオコックス( Pediococcus )属およびラクトコックス( Lactococcus )属に属する微生物群から選ばれた微生物である。
【0029】
前記一般式(IIa)で表される光学活性化合物およびその塩は、(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール誘導体の合成中間体として有用である。
【0030】
本発明はまた、一般式(II)
【0031】
【化30】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびZは、前記と同じ)
で表される化合物またはその塩と、一般式(VIII)
【0032】
【化31】
(式中、R7 、R8 は、(A)同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアシル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基又は保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基を示すか、または、(B)R7 は、式(IX):−O−R7aで示される基、R8 は、式(X):−O−R8aで示される基であって、R7aとR8aは一緒に、隣接する酸素原子と共に置換基を有していてもよい環を形成していてもよく、R6 、R9 、R10は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい低級アルキルチオ基、置換基を有していてもよいアラルキルチオ基、置換基を有していてもよいアシル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基又は置換基を有していてもよいアミノ基を示し、R11は、低級アルキル基を示す)
で表される化合物との反応、および前記反応の反応生成物を還元する反応を含む、一般式(XI)
【0033】
【化32】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R10、R11及びZは前記と同じ)
で表される(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノールまたはその塩の製造方法を提供する。
【0034】
また、前記一般式(IIa)で表される(R)体に対応する(S)体またはその塩は、例えば、前記一般式(I)で表される2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体またはその塩のエナンチオマー混合物に、前記エナンチオマー混合物に作用して対応する一般式(XV)
【0035】
【化33】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は、前記と同じ)で表される(S)体またはその塩を生成しうる能力を有する微生物またはその処理物を作用させ、生成した(S)体またはその塩を採取することにより得ることができる。
【0036】
一般式(XV)
【化43】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基を示す)
で表される光学活性化合物またはその塩は、また、一般式(VII)
【化44】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5は、前記に同じ)
で表される化合物またはその塩に、前記化合物またはその塩に作用して、対応する一般式(XV)で表される光学活性化合物またはその塩を生成しうる能力を有する微生物またはその処理物を作用させ、生成した一般式(XV)の光学活性体またはその塩を採取することにより得ることができる。前記微生物は、ボトリオアスクス (Botryoascus) 属、ブレタノミセス (Brettanomyces) 属、カンジダ (Candida) 属、シテロミセス (Citeromyces) 属、クラビスポラ (Clavispora) 属、デバリオミセス (Debaryomyces) 属、ディポダスクス (Dipodascus) 属、エレマスクス( Eremascus )属、ガラクトミセス (Galactomyces) 属、ゲオトリクム (Geotrichum) 属、イサチェンキア (Issatchenkia) 属、クルイベロミセス (Kluyveromyces) 属、コンドア (Kondoa) 属、リポミセス (Lipomyces) 属、マラセジア (Malassezia) 属、オオスポリジウム (Oosporidium) 属、パチソレン (Pachysolen) 属、ピチア (Pichia) 属、ロドスポリジウム (Rhodosporidium) 属、ロドトルラ (Rhodotorula) 属、サッカロミセス (Saccharomyces) 属、サッカロミコデス (Saccharomycodes) 属、サッカロミコプシス (Saccharomycopsis) 属、シゾブラストスポリオン (Schizoblastosporion) 属、シゾサッカロミセス (Schizosaccharomyces) 属、スポリジオボルス (Sporidiobolus) 属、スポロボロミセス (Sporobolomyces) 属、ウイッケルハミエラ (Wickerhamiella) 属、ウインゲア (Wingea) 属、ジゴサッカロミセス (Zygosaccharomyces) 属、バシルス (Bacillus) 属、コマモナス (Comamonas) 属、ロドバクター (Rhodobacter) 属、エンテロコックス (Enterococcus) 属、ラクトバシルス (Lactobacillus) 属、ペディオコックス (Pediococcus) 属、ロイコノストク (Leuconostoc) 属及びストレプトコックス (Streptococcus) 属に属する微生物からなる群より選ばれた微生物である。
【0037】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0038】
前記一般式(II)、(IIa)などのR1 、R2 、R3 、R4 、R5 におけるハロゲン原子には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が含まれる。置換基を有していてもよい低級アルキル基には、例えば、(a)置換基を有していてもよいC1-4 アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル基、t−ブチル基等)が含まれる。C1-4 アルキル基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、C1-4 アルコキシ基、ベンゾイル基、置換基(例えば、C1-4 アルコキシ基など)で置換されていてもよいC6-12アリール基(例えばフェニル基など)、C1-4 アルキルチオ基、ハロゲン原子等が挙げられる。このような置換基を有するアルキル基としては、例えば、(b)ヒドロキシル基で置換された炭素数1〜4のアルキル基(例えば、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2,2−ジヒドロキシエチル、3,3−ジヒドロキシプロピル基など)、(c)C1-4 アルコキシ−C1-4 アルキル基(例えば、メトキシメチル、エトキシメチル、t−ブトキシメチル、1−メトキシエチル、1−エトキシエチル、2−メトキシエチル基など)、(d)フェナシル基、(e)C1-4 アルキルチオ−C1-4 アルキル基(例えば、メチルチオメチル、エチルチオメチル基などのC1-4 アルキルチオメチル基等)、(f)1または2以上のハロゲン原子を有するC1-4 ハロアルキル基(例えば、クロロメチル、2−クロロエチル、3−クロロプロピル、4−クロロブチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリクロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基など)などが含まれる。
【0039】
ヒドロキシル基の保護基としては、有機合成の分野で通常用いられるヒドロキシル基の保護基、例えば、(A)酸素原子と共にエーテル結合を形成する基、(B)酸素原子と共にエステル結合を形成する基、(C)酸素原子と共にカーボネートを形成する基、(D)酸素原子と共にスルホン酸エステルを形成する基などが挙げられる。
【0040】
酸素原子と共にエーテル結合を形成する基(A)には、(1)置換基を有していてもよい低級アルキル基、(2)置換基を有していてもよいアリル基、(3)置換基を有していてもよいシクロアルキル基、(4)置換基を有していてもよい複素環基、(5)置換基を有していてもよいアラルキル基、(6)置換基を有していてもよいシリル基などが含まれる。
【0041】
置換基を有していてもよい低級アルキル基(1)には、(a)置換基を有していてもよいC1-4 アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル基など)などが含まれる。C1-4 アルキル基の置換基として、例えば、C1-4 アルコキシ基、C1-4 アルコキシ−C1-4 アルコキシ基、C7-20アラルキルオキシ基、ベンゾイル基、C1-4 アルキルチオ基、ハロゲン原子などが例示できる。このような置換基を有するアルキル基には、(b)C1-4 アルコキシ−C1-4 アルキル基(例えば、メトキシメチル、エトキシメチル、t−ブトキシメチル、1−メトキシエチル、1−エトキシエチル、2−メトキシエチルなどのC1-4 アルコキシ−C1-2 アルキル基など)、(c)C1-4 アルコキシ−C1-4 アルコキシ−C1-4 アルキル基(例えば、2−メトキシエトキシメチル、2−エトキシメトキシメチルなどのC1-4 アルコキシ−C1-4 アルコキシ−C1-2 アルキル基など)、(d)C7-20アラルキルオキシ−C1-4 アルキル基(例えば、ベンジルオキシメチルなどのC7-20アラルキルオキシメチル基など)、(e)フェナシル基、(f)C1-4 アルキルチオ−C1-4 アルキル基(例えば、メチルチオメチル、エチルチオメチルなどのC1-4 アルキルチオメチル基など)、(g)1又は2以上のハロゲン原子を有するC1-4 ハロアルキル基(例えば、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリクロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチルなど)などが含まれる。
【0042】
アリル基(2)の置換基としては、例えば前記低級アルキル基(1)で例示した置換基等が含まれる。
【0043】
置換基を有していてもよいシクロアルキル基(3)には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシルなどのC3-10シクロアルキル基などが含まれる。シクロアルキル基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、C1-4 アルキル基、ヒドロキシル基等が挙げられる。
【0044】
置換基を有していてもよい複素環基(4)には、炭素原子以外に、ヘテロ原子として酸素原子又はイオウ原子を有する、置換基を有していてもよい5〜6員の複素環基などが含まれる。置換基を有していてもよい複素環基は、非芳香族性の複素環基であることが多い。前記5〜6員の複素環基には、例えば、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル基などが含まれる。前記複素環基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、C1-4 アルキル基、C1-4 アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシなど)及び前記低級アルキル基(1)の説明箇所に例示の置換基などが含まれる。
【0045】
置換基を有する複素環基の例として、置換基を有していてもよいテトラヒドロピラニル基(例えば、テトラヒドロピラニル、3−ブロモテトラヒドロピラニル、4−メトキシテトラヒドロピラニルなど)、置換基を有していてもよいテトラヒドロチオピラニル基(例えば、テトラヒドロチオピラニル、3−ブロモテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルなど)、置換基を有していてもよいテトラヒドロフラニル基(例えば、テトラヒドロフラニルなど)、置換基を有していてもよいテトラヒドロチオフラニル基(例えば、テトラヒドロチオフラニルなど)などが例示できる。
【0046】
置換基を有していてもよいアラルキル基(5)には、置換基を有していてもよいC7-20アラルキル基(ベンジルなど)などが含まれる。アラルキル基の置換基として、C1-4 アルキル基、C6-12アリール基(フェニルなど)、ヒドロキシル基、C1-4 アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子などが挙げられる。そのような置換基の例として、前記(4)で例示したものが挙げられる。置換基を有していてもよいアラルキル基の例として、ベンジル、o−クロロベンジル、o−ニトロベンジル、p−クロロベンジル、p−メトキシベンジル、p−メチルベンジル、p−ニトロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、ジフェニルメチル、トリチルなどが挙げられる。
【0047】
シリル基(6)の置換基には、ベンジルなどのC7-20アラルキル基及び前記アラルキル基(5)で記載した置換基などが含まれる。置換基を有していてもよいシリル基(6)として、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、トリベンジルシリル、トリフェニルシリル基などが挙げられる。
【0048】
酸素原子と共にエステル結合を形成する基(B)としては、例えば、置換基を有していてもよいアシル基などが挙げられる。前記アシル基には、(1)ヒドロキシル基、C1-4 アルコキシ基、C1-4 アルキルチオ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよいC1-6 アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、プロピオニル、イソプロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイルなど)、(2)C1-4 アルキル基、ヒドロキシル基、C1-4 アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい芳香環を有するC7-16アシル基(例えば、ベンゾイル、p−フェニルベンゾイル、トルオイル、ナフトイルなど)、(3)C1-4 アルキル基、ヒドロキシル基、C1-4 アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい複素環を有するアシル基(例えば、フロイル、テノイル、ニコチノイル、イソニコチノイルなど)などが含まれる。
【0049】
酸素原子と共にカーボネートを形成する基(C)には、(1)例えば、C1-4 アルコキシ基などの置換基で置換されていてもよいC1-4 アルコキシ基、C7-20アラルキルオキシ基、ベンゾイル基、C1-4 アルキルチオ基、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよいC2-5 アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、s−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニルなど)、(2)例えば、C1-4 アルキル基、ヒドロキシル基、C1-4 アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよいC8-20アラルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−メチルベンジルオキシカルボニル、p−クロロベンジルオキシカルボニル、o−ニトロベンジルオキシカルボニルなど)、(3)例えば、C1-4 アルキル基、ヒドロキシル基、C1-4 アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよいC7-20アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル、4−メチルフェニルオキシカルボニル、4−ニトロフェニルオキシカルボニル、4−クロロフェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニルなど)などが含まれる。
【0050】
酸素原子と共にスルホン酸エステルを形成する基(D)には、(1)例えば、C1-4 アルコキシ基、C1-4 アルコキシ−C1-4 アルコキシ基、C7-20アラルキルオキシ基、ベンゾイル基、C1-4 アルキルチオ基、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよいC1-4 アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル、プロパンスルホニル、ブタンスルホニル、トリクロロメタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニルなど)、(2)例えば、C1-4 アルキル基、ヒドロキシル基、C1-4 アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよいC6-20アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、m−ニトロベンゼンスルホニル、p−ニトロベンゼンスルホニル、p−クロロベンゼンスルホニル、p−ブロモベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、ナフタレンスルホニルなど)等が含まれる。
【0051】
置換基を有していてもよいアルコキシ基には、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ基など)等が含まれる。C1-4 アルコキシ基の置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、C1-4 アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。このような置換基を有するアルコキシ基には、例えば、ヒドロキシ−C1-4 アルコキシ基(例えば、ヒドロキシメトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、1,2−ジヒドロキシエトキシ、2,2−ジヒドロキシエトキシ、3,3−ジヒドロキシプロポキシ基など)、C1-4 アルコキシ−C1-4 アルコキシ基(例えば、メトキシメトキシ、エトキシメトキシ、1−エトキシエトキシ基など)等が含まれる。
【0052】
シクロアルキルオキシ基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、C1-4 アルキル基、ヒドロキシル基等が含まれる。シクロアルキルオキシ基には、例えば、C3-10シクロアルキルオキシ基(例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シキロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、シクロオクチルオキシ、シクロノニルオキシ、シクロデシルオキシ基等)が含まれる。
【0053】
置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基には、例えば、C1-4 アルキル基、C6-12アリール基(フェニルなど)、ヒドロキシル基、C1-4 アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子などの置換基で置換されていてもよいC7-20アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ、m−ブロモベンジルオキシ、m−クロロベンジルオキシ基など)が含まれる。
【0054】
置換基を有していてもよいアリールオキシ基には、例えば、C1-4 アルキル基、ヒドロキシル基、C1-4 アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子などの置換基で置換されていてもよいC6-16アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基等)等が含まれる。
【0055】
低級アルキルチオ基には、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、s−ブチルチオ、t−ブチルチオ基などの炭素数1〜4のアルキルチオ基が含まれる。低級アルキルチオ基の置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、C1-4 アルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
【0056】
置換基を有していてもよいアシル基には、例えば、(1)ヒドロキシル基、C1-4 アルコキシ基、C1-4 アルキルチオ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよいC1-6 アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、プロピオニル、イソプロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイルなど)、(2)C1-4 アルキル基、ヒドロキシル基、C1-4 アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい芳香環を有するC7-16アシル基(例えば、ベンゾイル、p−フェニルベンゾイル、トルオイル、ナフトイルなど)、(3)C1-4 アルキル基、ヒドロキシル基、C1-4 アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい複素環を有するアシル基(例えば、フロイル、テノイル、ニコチノイル、イソニコチノイルなど)などが含まれる。
【0057】
カルボキシル基の保護基には、例えば、前記例示の置換基を有していてもよいC1-4 アルキル基、置換基を有していてもよいC6-16アリール基、置換基を有していてもよいC7-20アラルキル基、置換基を有していてもよいC1-4 アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6-16アリールオキシ基、置換基を有していてもよいC7-20アラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基などが含まれる。このような置換基を有していてもよいC1-4 アルキル基等としては、前記例示の置換基を有していてもよいC1-4 アルキル基等が含まれる。置換基を有していてもよいアミノ基としては、後記で例示する置換基を有していてもよいアミノ基やC7-20アラルキル基で置換されたアミノ基等が用いられる。
【0058】
具体的には保護基で保護されていてもよいカルボキシル基には、例えば、(a)ヒドロキシル基、C1-4 アルコキシ基等の置換基を有していてもよいC1-4 アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、メトキシメトキシカルボニル、メトキシエトキシカルボニル基など)、(b)C1-4 アルキル基、ヒドロキシル基、C1-4 アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよいC6-16アリールオキシ−カルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル、4−メチルフェニルオキシカルボニル、4−メトキシフェニルオキシカルボニル、4−ニトロフェニルオキシカルボニル、4−クロロフェニルオキシカルボニル、ナフチルカルボニル基など)、(c)C1-4 アルキル基、C6-12アリール基(フェニルなど)、ヒドロキシル基、C1-4 アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよいC7-20アラルキルオキシ−カルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル、m−クロロベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基など)、(d)C1-4 アルキル基、C7-20アラルキル基、C1-6 アシル基、芳香環を有するC7-16アシル基等の置換基で置換されていてもよいカルバモイル基(例えば、カルバモイル、ベンジルアミノカルボニル基など)等が含まれる。
【0059】
このようなカルボキシル基は、塩を形成してもよい。このような塩としては、特に限定されず、例えば、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩など)、その他の金属塩(例えば亜鉛塩、アルミニウム塩など)、アンモニウム塩等の無機塩基との塩;ピリジン、トリ−C1-4 アルキルアミン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミンなど)等の有機塩基との塩などが挙げられる。
【0060】
低級アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、s−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニルなどのC2-5 アルコキシカルボニル基などが含まれる。低級アルコキシカルボニル基の置換基としては、前記アルコキシ基の置換基として例示した置換基などが含まれる。
【0061】
アミノ基の置換基としては、例えば、前記例示の置換基を有していてもよいC1-4 アルキル基、置換基を有していてもよいC7-20アラルキル基、置換基を有していてもよいC1-6 アシル基、置換基を有していてもよい芳香環を有するC7-16アシル基、置換基を有していてもよい複素環を有するアシル基、置換カルボニル基(例えば前記例示の置換基を有していてもよいアシル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基など)等が挙げられる。
【0062】
具体的には置換基を有していてもよいアミノ基には、(a)アミノ基、(b)置換基を有していてもよいC1-4 アルキル基で置換されたアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、t−ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ基など)、(c)置換基を有していてもよいC7-20アラルキル基で置換されたアミノ基(例えば、ベンジルアミノ基等)、(d)置換基を有していてもよいC1-6 アシル基で置換されたアミノ基(例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノ、バレリルアミノ、イソバレリルアミノ、ピバロイルアミノ基等)(e)置換基を有していてもよい芳香環を有するC7-16アシル基で置換されたアミノ基(例えば、ベンゾイルアミノ基など)、(f)置換基を有していてもよい複素環を有するアシル基で置換されたアミノ基(例えば、ニコチノイルアミノ基等)、(g)置換カルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノメチルカルボニルアミノ、アセチルアミノエチルカルボニルアミノ、ヒドロキシメチルカルボニルアミノ、ヒドロキシエチルカルボニルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ基など)等が含まれる。
【0063】
このうち、R1 、R5 としては、水素原子、C1-4 アルキル基等、特に水素原子が好ましい。
【0064】
また、R2 、R3 、R4 としては、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-4 アルキル基(例えば、C1-4 アルキル基、C1-4 ハロアルキル基等)、C1-4 アルコキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基(特にC1-6 アシル基で置換されたていてもよいアミノ基等)、ニトロ基等が好ましく、特にハロゲン原子が好ましい。
【0065】
Zにおけるヒドロキシル基の保護基としては、有機合成の分野で通常用いられるヒドロキシル基の保護基、例えば、前記R1 〜R5 の説明箇所で例示の保護基(A)〜(D)などが挙げられる。Zとして、水素原子、C1-4 アルキル基などで置換されたシリル基、C1-6 アシル基など、特に水素原子を用いる場合が多い。
【0066】
一般式(II)で表される化合物の具体例としては、例えば、(a)(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノールのほか、(b)ヒドロキシル基が保護された(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体、(c)フェニル基がヒドロキシル基で置換された誘導体、(d)フェニル基が2個のヒドロキシル基で置換された誘導体、(e)フェニル基がハロゲン原子で置換された誘導体、(f)フェニル基が2個のハロゲン原子で置換された誘導体、(g)フェニル基が3個のハロゲン原子で置換された誘導体、(h)フェニル基が4個のハロゲン原子で置換された誘導体、(i)フェニル基が5個のハロゲン原子で置換された誘導体、(j)フェニル基が置換基を有していてもよい低級アルキル基で置換された誘導体、(k)フェニル基が置換基を有していてもよい低級アルコキシ基で置換された誘導体、(l)フェニル基がニトロ基で置換された誘導体、(m)フェニル基が置換基を有していてもよいアミノ基で置換された誘導体、(n)フェニル基が、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、置換基を有していてもよいシクロアルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアシル基、又は保護基で保護されていてもよいカルボキシル基で置換されていてもよい誘導体などが挙げられる。
【0067】
(b)ヒドロキシル基が保護された(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体には、例えば、(R)−2−アミノ−1−フェニル−O−トリメチルシリルエタノール、(R)−2−アミノ−1−フェニル−O−t−ブチルジメチルシリルエタノール、(R)−2−アミノ−1−フェニル−O−テトラヒドロピラニルエタノール、(R)−2−アミノ−1−フェニル−O−アセチルエタノールなどが含まれる。
【0068】
(c)フェニル基がヒドロキシル基で置換された誘導体としては、(R)−2−アミノ−1−(2−ヒドロキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−ヒドロキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−メチルチオ−4−ヒドロキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−メトキシカルボニル−4−ヒドロキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−ヒドロキシエトキシ−4−ヒドロキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−エトキシメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−[(3−ヒドロキシ−5−(1,2−ジヒドロキシプロピル)フェニル]エタノールなどが挙げられる。
【0069】
(d)フェニル基が2個のヒドロキシル基で置換された誘導体としては、例えば、(R)−2−アミノ−1−(2,3−ジヒドロキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,5−ジヒドロキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,6−ジヒドロキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,5−ジヒドロキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4,5−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,4−ジヒドロキシ−2−メチルフェニル)エタノールなどが挙げられる。
【0070】
(e)フェニル基がハロゲン原子で置換された誘導体としては、(R)−2−アミノ−1−(2−フルオロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−クロロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−ブロモフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−ヨードフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−クロロ−3−ヒドロキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−クロロ−4−ベンジルオキシフェニル)エタノール等の(R)−2−アミノ−1−(2−ハロフェニル)エタノール誘導体;(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)−O−トリメチルシリルエタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)−O−t−ブチルジメチルシリルエタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)−O−アセチルエタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−フルオロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−ブロモフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−ヨードフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4−ベンジルオキシ−3−クロロ−5−メトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(5−エトキシ−4−ベンジルオキシ−3−クロロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロ−4−メチルチオフェニル)エタノール等の(R)−2−アミノ−1−(3−ハロフェニル)エタノール誘導体;(R)−2−アミノ−1−(4−フルオロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4−クロロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4−ブロモフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4−ヨードフェニル)エタノール等の(R)−2−アミノ−1−(4−ハロフェニル)エタノール誘導体などが挙げられる。
【0071】
(f)フェニル基が2個のハロゲン原子で置換された誘導体としては、例えば、(R)−2−アミノ−1−(2,3−ジフルオロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3−ジクロロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3−ジブロモフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3−ジヨードフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−フルオロ−3−クロロフェニル)エタノール等の(R)−2−アミノ−1−(2,3−ジハロフェニル)エタノール誘導体;(R)−2−アミノ−1−(2,4−ジフルオロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,4−ジクロロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,4−ジブロモフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,4−ジヨ−ドフェニル)エタノール等の(R)−2−アミノ−1−(2,4−ジハロフェニル)エタノール誘導体;(R)−2−アミノ−1−(2,5−ジフルオロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,5−ジクロロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,5−ジブロモフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,5−ジヨードフェニル)エタノールなどの(R)−2−アミノ−1−(2,5−ジハロフェニル)エタノール誘導体;(R)−2−アミノ−1−(2,6−ジフルオロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,6−ジクロロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,6−ジブロモフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,6−ジヨードフェニル)エタノールなど(R)−2−アミノ−1−(2,6−ジハロフェニル)エタノール誘導体;(R)−2−アミノ−1−(3,4−ジフルオロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,4−ジクロロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,4−ジブロモフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,4−ジヨードフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロ−4−ブロモフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,4−ジクロロフェニル)−O−トリメチルシリルエタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,4−ジクロロフェニル)−O−アセチルエタノールなどの(R)−2−アミノ−1−(3,4−ジハロフェニル)エタノール誘導体;(R)−2−アミノ−1−(3,5−ジフルオロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,5−ジクロロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,5−ジブロモフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,5−ジヨードフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,5−ジフルオロ−4−メチルアミノフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,5−ジクロロ−4−メチルアミノフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,5−ジブロモ−4−メチルアミノフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,5−ジクロロ−4−アミノフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,5−ジクロロ−4−メチルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,5−ジクロロ−4−エトキシカルボニルアミノフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4−アミノ−3−ブロモ−5−フルオロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4−アミノ−3−ブロモ−5−クロロフェニル)エタノールなどの(R)−2−アミノ−1−(3,5−ジハロフェニル)エタノール誘導体などが挙げられる。
【0072】
(g)フェニル基が3個のハロゲン原子で置換された誘導体としては、例えば、、(R)−2−アミノ−1−(2,3,4−トリフルオロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3,4−トリクロロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3,4−トリブロモフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3,4−トリヨードフェニル)エタノールなどの(R)−2−アミノ−1−(2,3,4−トリハロフェニル)エタノール誘導体;(R)−2−アミノ−1−(2,3,5−トリフルオロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3,5−トリクロロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3,5−トリブロモフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3,5−トリヨードフェニル)エタノールなどの(R)−2−アミノ−1−(2,3,5−トリハロフェニル)エタノール誘導体;(R)−2−アミノ−1−(2,3,6−トリフルオロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3,6−トリクロロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3,6−トリブロモフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3,6−トリヨードフェニル)エタノールなどの(R)−2−アミノ−1−(2,3,6−トリハロフェニル)エタノール誘導体;(R)−2−アミノ−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,4,5−トリクロロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,4,5−トリブロモフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,4,5−トリヨードフェニル)エタノールなどの(R)−2−アミノ−1−(2,4,5−トリハロフェニル)エタノール誘導体;(R)−2−アミノ−1−(2,4,6−トリフルオロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,4,6−トリクロロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,4,6−トリブロモフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,4,6−トリヨードフェニル)エタノールなどの(R)−2−アミノ−1−(2,4,6−トリハロフェニル)エタノール誘導体;(R)−2−アミノ−1−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,4,5−トリクロロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,4,5−トリブロモフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,4,5−トリヨードフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロ−4,5−ジフルオロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−フルオロ−4,5−ジクロロフェニル)エタノールなどの(R)−2−アミノ−1−(3,4,5−トリハロフェニル)エタノール誘導体等が含まれる。
【0073】
(h)フェニル基が4個のハロゲン原子で置換された誘導体としては、例えば、(R)−2−アミノ−1−(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3,4,5−テトラクロロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3,4,5−テトラブロモフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3,4,5−テトラヨードフェニル)エタノールなどの(R)−2−アミノ−1−(2,3,4,5−テトラハロフェニル)エタノール誘導体;(R)−2−アミノ−1−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3,4,6−テトラクロロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3,4,6−テトラブロモフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3,4,6−テトラヨードフェニル)エタノールなどの(R)−2−アミノ−1−(2,3,4,6−テトラハロフェニル)エタノール誘導体;(R)−2−アミノ−1−(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3,5,6−テトラクロロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3,5,6−テトラブロモフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3,5,6−テトラヨードフェニル)エタノールなどの(R)−2−アミノ−1−(2,3,5,6−テトラハロフェニル)エタノール誘導体等が挙げられる。
【0074】
(i)5個のハロゲン原子でフェニル基が置換された誘導体としては、例えば、(R)−2−アミノ−1−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3,4,5,6−ペンタヨードフェニル基等が例示される。
【0075】
(j)フェニル基が置換基を有していてもよい低級アルキル基で置換された誘導体としては、(R)−2−アミノ−1−(2−メチルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−エチルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−プロピルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−t−ブチルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−メチルフェニル)−O−トリメチルシリルエタノ−ルなどの(R)−2−アミノ−1−(2−C1-4 アルキル−フェニル)エタノール誘導体;(R)−2−アミノ−1−(3−メチルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−エチルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−プロピルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−t−ブチルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−メチルフェニル)−O−トリメチルシリルエタノ−ルなどの(R)−2−アミノ−1−(3−C1-4 アルキル−フェニル)エタノール誘導体;(R)−2−アミノ−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4−エチルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4−プロピルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4−t−ブチルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4−メチルフェニル)−O−トリメチルシリルエタノ−ルなどの(R)−2−アミノ−1−(4−C1-4 アルキル−フェニル)エタノール誘導体;(R)−2−アミノ−1−(2−クロロメチルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−[2−(2−クロロエチル)フェニル]エタノール、(R)−2−アミノ−1−[2−(3−クロロプロピル)フェニル]エタノール、(R)−2−アミノ−1−[2−(4−クロロブチル)フェニル]エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−トリクロロメチルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−トリフルオロメチルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−クロロメチルフェニル)−O−トリメチルシリルエタノ−ルなどの(R)−2−アミノ−1−(2−C1-4 ハロアルキル−フェニル)エタノール誘導体;(R)−2−アミノ−1−(3−クロロメチルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−[3−(2−クロロエチル)フェニル]エタノール、(R)−2−アミノ−1−[3−(3−クロロプロピル)フェニル]エタノール、(R)−2−アミノ−1−[3−(4−クロロブチル)フェニル]エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−トリクロロメチルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−O−トリメチルシリルエタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−O−アセチルエタノール、(R)−2−アミノ−1−[3−(1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチルフェニル)]−O−アセチルエタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロメチルフェニル)−O−トリメチルシリルエタノ−ルなどの(R)−2−アミノ−1−(3−C1-4 ハロアルキル−フェニル)エタノール誘導体;(R)−2−アミノ−1−(4−クロロメチルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−[4−(2−クロロエチル)フェニル]エタノール、(R)−2−アミノ−1−[4−(3−クロロプロピル)フェニル]エタノール、(R)−2−アミノ−1−[4−(4−クロロブチル)フェニル]エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4−トリクロロメチルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4−トリフルオロメチルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4−クロロメチルフェニル)−O−トリメチルシリルエタノ−ルなどの(R)−2−アミノ−1−(3−C1-4 ハロアルキル−フェニル)エタノール誘導体;(R)−2−アミノ−1−(3−ヒドロキシメチルフェニル)エタノールなどの(R)−2−アミノ−1−[3−(ヒドロキシ−C1-4 アルキル−フェニル)]エタノール誘導体などが含まれる。
【0076】
(k)フェニル基が低級アルコキシ基で置換された誘導体としては、例えば、(R)−2−アミノ−1−(2−メトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−メトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4−メトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−エトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−エトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4−エトキシフェニル)エタノール等のフェニル基に低級アルコキシ基を1個有する誘導体;(R)−2−アミノ−1−(2,3−ジメトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,3−ジエトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,4−ジメトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,4−ジエトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,5−ジメトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,5−ジエトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,6−ジメトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2,6−ジエトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,4−ジメトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,4−ジエトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,5−ジエトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−ヒドロキシエトキシ−4−t−ブトキシフェニル)エタノール等のフェニル基が2個の低級アルコキシ基で置換された誘導体:(R)−2−アミノ−1−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−ヒドロキシ−6−メトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−ヒドロキシ−6−メトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(5−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(5−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(6−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(6−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−ヒドロキシ−3−エトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−ヒドロキシ−5−エトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−ヒドロキシ−6−エトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−ヒドロキシ−2−エトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−ヒドロキシ−5−エトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−ヒドロキシ−6−エトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4−ヒドロキシ−2−エトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4−ヒドロキシ−3−エトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(5−ヒドロキシ−2−エトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(5−ヒドロキシ−3−エトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(6−ヒドロキシ−2−エトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(6−ヒドロキシ−3−エトキシフェニル)エタノール等の、フェニル基がアルコキシ基とヒドロキシル基とで置換された誘導体などが含まれる。
【0077】
(l)フェニル基がニトロ基で置換された誘導体としては、例えば、(R)−2−アミノ−1−(2−ニトロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−ニトロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−メチル−3−ニトロフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4−ニトロフェニル)エタノール等が例示される。
【0078】
(m)フェニル基が置換基を有していてもよいアミノ基で置換された誘導体としては、(R)−2−アミノ−1−(3−アミノフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−アミノ−4−メトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−アセチルアミノフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(4−アセチルアミノフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−アセチルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−アセチルアミノ−4−メトキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−アセチルアミノ−4−ベンジルオキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−アセチルアミノメチルカルボニルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−ヒドロキシメチルカルボニルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−[3−ヒドロキシメチルカルボニルアミノ−4−(p−メトキシフェニル)メチルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−ヒドロキシ−5−ホルミルアミノフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−カルバモイル−4−ヒドロキシフェニル)エタノールなどが含まれる。
【0079】
(n)フェニル基が、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、置換基を有していてもよいシクロアルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアシル基、又は保護基で保護されていてもよいカルボキシル基で置換されている誘導体としては、例えば、(R)−2−アミノ−1−(2−ベンジルオキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−ベンジルカルボニルフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(2−ベンジルカルボニルオキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−メトキシカルボニル−4−シクロヘキシルオキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,4−ジベンジルオキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3−ヒドロキシメチル−4−ベンジルオキシフェニル)エタノール(R)−2−アミノ−1−(3,5−ジベンジルオキシフェニル)エタノール、(R)−2−アミノ−1−(3,5−ジ−t−ブトキシカルボニルフェニル)エタノールなどが含まれる。
【0080】
前記例示化合物のうち好ましい化合物として、(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール;フェニル基がハロゲン原子で置換された誘導体[例えば、1〜2個のハロゲン原子で置換された誘導体、特に、フェニル基の2,3,4位が1〜2個のハロゲン原子を有する誘導体(例えば、(R)−2−アミノ−1−(3−ハロフェニル)エタノール誘導体、(R)−2−アミノ−1−(4−ハロフェニル)エタノール誘導体、(R)−2−アミノ−1−(3,4−ジハロフェニル)エタノール誘導体など)];フェニル基が、置換基を有していてもよいC1-4 アルキル基、置換基を有していてもよいC1-4 アルコキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基で置換された誘導体(例えば、(R)−2−アミノ−1−(3−C1-4 アルキル−フェニル)エタノール誘導体、(R)−2−アミノ−1−(3−C1-4 ハロアルキル−フェニル)エタノール誘導体、(R)−2−アミノ−1−(3−C1-4 アルコキシ−フェニル)エタノール誘導体、(R)−2−アミノ−1−(3−C1-6 アシルアミノ−フェニル)エタノール誘導体、(R)−2−アミノ−1−(4−C1-4 アルキル−フェニル)エタノール誘導体、(R)−2−アミノ−1−(4−C1-4 ハロアルキル−フェニル)エタノール誘導体、(R)−2−アミノ−1−(4−C1-4 アルコキシ−フェニル)エタノール誘導体、(R)−2−アミノ−1−(4−C1-6 アシルアミノ−フェニル)エタノール等)などが挙げられる。
【0081】
前記一般式(II)で表される(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体のうち、Zが水素原子である誘導体、すなわち一般式(IIa)で表される化合物は種々の方法、例えば化学的な合成法によっても製造できるが、微生物またはその処理物を利用する方法により有利に製造できる。
【0082】
一般式(IIa)で表される(R)体の光学活性化合物は、例えば、(A)前記一般式(I)で表される2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体またはその塩のエナンチオマー混合物に、特定の微生物またはその処理物を作用させるか、または(B)前記一般式(VII)で表される化合物またはその塩に特定の微生物またはその処理物を作用させ、ついで、生成した(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を回収する方法により容易に得ることができる。
【0083】
また、前記光学活性化合物は、(C)光学活性な式(III)で表される化合物または光学活性な式(IV)で表される化合物にアミノ化剤を作用させ、反応生成物に酸を添加し、光学活性な式(VI)で表される化合物を塩として析出させて分離精製し、さらに、式(VI)中のZがヒドロキシル基の保護基である場合には保護基を外すことにより得る方法、または(D)式(III)で表される化合物または式(IV)で表される化合物にアミノ化剤を作用させ、反応生成物に光学活性な酸を添加し、光学活性な式(VI)で表される化合物を塩として析出させて分離精製し、さらに、式(VI)中のZがヒドロキシル基の保護基である場合には保護基を外すことにより得る方法によっても製造できる。
【0084】
以下、前記(A)の方法について説明する。
【0085】
この方法で反応原料として用いる2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体のエナンチオマー混合物は、例えば、(a)対応するベンズアルデヒド誘導体に、無水塩化アルミニウムなどのルイス酸の存在下、トリメチルシリルシアニドなどのトリアルキルシリルシアニドを作用させて、O−トリメチルシリルマンデロニトリル誘導体などのO−トリアルキルシリルマンデロニトリル誘導体とし、ついで、水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤で処理した後、酸で加水分解する方法(以下、還元法という;特開昭56−5445号公報、米国特許第5061727号明細書参照)、(b)対応するスチレンオキサイド誘導体に、NH3 などのアミノ化剤を作用させ、開環する方法(以下、スチレンオキサイド−アミノ付加法という)、(c)対応するスチレンハロヒドリン誘導体に、NH3 などのアミノ化剤を作用させる方法(以下、ハロヒドリン−アミノ付加法という)などで得ることができる。
【0086】
なお、これらの方法において、一般式(I)の化合物のヒドロキシル基は、適当な保護基で保護されていてもよい。この様なヒドロキシル基が保護基で保護されていてもよい化合物は一般式(VI)で表され、反応終了後に保護基を慣用の手段で外すことにより、容易に一般式(I)の化合物に変換できる。ヒドロキシル基の保護基としては一般式(II)のZの説明箇所で例示したヒドロキシル基の保護基などを用いることができる。
【0087】
前記(b)スチレンオキサイド−アミノ付加法および(c)ハロヒドリン−アミノ付加法によれば、(a)の方法とは異なり、高価な還元剤を大量に用いる必要がなく、アミノ化剤を用いることにより、簡便に目的化合物が得られる。
【0088】
(b)スチレンオキサイド−アミノ付加法では、反応原料として用いるスチレンオキサイド誘導体は、慣用の方法、例えば、対応するスチレン誘導体を酸化する方法などにより得ることができる。
【0089】
前記アミノ化剤としては、例えば、一般式(V)
Y−NH2
(式中、Yは水素原子または反応において脱離しうる基を示す)で表される化合物を用いることができる。前記Yで表される反応において脱離しうる基としては、例えば、前記ヒドロキシル基の保護基の項で例示した置換基を有していてもよいC1-4 アルキル基(例えば、アリル基;フェナシル基;3−アセトキシプロピル基などのC1-6 アシルオキシ−C1-4 アルキル基;メトキシメチル、2−クロロエトキシメチル基などの置換基を有していてもよいC1-4 アルコキシ−C1-4 アルキル基;ベンジルオキシメチル基などのC7-16アラルキルオキシ−C1-4 アルキル基;置換基を有していてもよいC7-16アラルキル基(例えば、ベンジル、トリフェニルメチル;3,4−ジメトキシベンジル、ジ(p−メトキシフェニル)メチル、(p−メトキシフェニル)ジフェニルメチル基などのC1-4 アルコキシ−C7-16アラルキル基など)等が挙げられる。前記C1-4 アルキル基などとしては、R1 〜R5 の説明において例示したC1-4 アルキル基等が用いられる。好ましいYには、水素原子などが含まれる。
【0090】
反応は、反応に不活性な溶媒中で行ってもよい。前記溶媒としては、例えば、低級アルコール(例えば、メタノール、エタノ−ル、プロパノール、t−ブタノールなどのC1-4 アルコールなど)等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類などが挙げられる。溶媒としては、アルコール類等を用いる場合が多い。
【0091】
前記反応の条件は、用いるアミノ化剤の種類などに応じて収率などを損なわない範囲で選択でき、反応温度は、例えば、0〜80℃、好ましくは20〜60℃程度であり、反応時間は、通常、5分〜24時間程度である。
【0092】
Yが反応において脱離し得る基の場合には、慣用の方法によりYを脱離することにより、一般式(I)で表される化合物を容易に得ることができる。
【0093】
(c)ハロヒドリン−アミノ付加法では、反応原料として、対応するスチレンハロヒドリン誘導体を用いる以外は、スチレンオキサイド−アミノ付加法(b)と同様にして反応を行うことができる。原料として用いるスチレンハロヒドリン誘導体は、慣用の方法、例えば、対応するアセトフェノン誘導体をハロゲン化し、還元する方法などにより得ることができる。
【0094】
尚、前記アミノ付加による方法(b)、(c)では、反応条件によっては、例えば、一般式(XVI)
【0095】
【化34】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびZは前記に同じ)で表される目的化合物の位置異性体、一般式(XVII)および(XVII′)
【0096】
【化35】
【0097】
【化36】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびZは前記に同じ)で表される二量体などの副生物が生成する場合がある。副生物の生成量は、化合物の種類、反応条件などにより異なるが、例えば、(b)スチレンオキサイド−アミノ付加法では、一般式(I)の2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体と、式(XVI)で表される位置異性体と、前記二量体などのその他の副生物との割合は、重量比で7:1:2程度である場合が多い。なお、反応生成物中に含まれる一般式(I)の2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体、その位置異性体および二量体の量は、例えば、高速液体クロマトグラフィー等により分析できる。
【0098】
前記2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体は、前記副生物との塩基性および/または溶解性の差を利用して分離精製することができる。すなわち、前記誘導体は、このような副生物を含む反応生成物に酸を添加し、目的化合物の塩を形成させることにより、これらの副生物との混合物から容易に分離精製することができる。
【0099】
分離精製は、例えば、不活性な溶媒中で行うことができる。前記溶媒としては、2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体および副生物が溶解し、生成する2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の塩が不溶であれば、特に限定されず、例えば、前記例示のアルコール類;ケトン類;脂肪族炭化水素類;脂環式炭化水素類;芳香族炭化水素類;エーテル類;エステル類;ハロゲン化炭化水素類等の有機溶媒が挙げられる。これらの溶媒は一種又は二種以上の混合して用いることができる。
【0100】
溶媒の使用量は、前記反応生成物の全量に対して、通常、重量比で0.5〜100倍、好ましくは1〜20倍、さらに好ましくは5〜15倍程度である。
【0101】
前記誘導体の塩の形成は、無機酸及び有機酸のいずれを用いても行うことができる。この様な分離精製方法としては、例えば、(ia)2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体に対して、例えば、酸を添加して、前記誘導体の塩を選択的に析出させて得る方法、(ib)酸を添加して、2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体だけでなく、他のアミノ基を有する反応生成物をも対応する塩とした後、塩基を添加し、不純物を塩交換により遊離化して、2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の塩を選択的に得る方法等が挙げられる。
【0102】
(ia)の方法において、無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、炭酸などの無機酸類が挙げられる。好ましい無機酸には塩酸等が含まれる。
【0103】
有機酸としては、飽和脂肪族モノカルボン酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、ピバル酸、O−ベンゾイルグリコール酸など);飽和脂肪族ジカルボン酸(例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸等);不飽和脂肪族カルボン酸(例えば、アクリル酸、プロピオル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸など);脂肪族オキシカルボン酸(例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、タルトロン酸、クエン酸等);炭素環式カルボン酸(例えば、ショウノウ酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフトエ酸、o−クロロ安息香酸、m−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、2,5−ジメチル安息香酸、3,4−ジメチル安息香酸、3,5−ジメチル安息香酸、2,4,6−トリメチル安息香酸、o−メトキシ安息香酸、m−メトキシ安息香酸、p−メトキシ安息香酸、o−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、バニリン酸、ベラトルム酸、ケイ皮酸、3,4−ジヒドロキシケイ皮酸、3,4−ジメトキシケイ皮酸、ベンジル酸、3−フェニルプロピオン酸など);芳香族オキシカルボン酸(例えば、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、没食子酸、トロパ酸等);複素環式カルボン酸(例えば、ニコチン酸、イソニコチン酸等);アミノ基が保護基で保護されていてもよいアミノ酸(例えば、グリシン、N−(t−ブトキシカルボニル)アラニンなど);スルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸など)等が例示される。好ましい有機酸には、ギ酸、酢酸などのC1-3 飽和脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、コハク酸などのC1-6 飽和脂肪族ジカルボン酸;安息香酸などのC6-15炭素環式カルボン酸などが含まれる。
【0104】
酸の使用量は、酸の種類等に応じて広い範囲から選択できるが、無機酸を使用する場合、一般式(VI)の化合物1モルに対し、1グラム当量以下、好ましくは0.8〜1グラム当量程度である。前記酸の使用量が少なすぎると塩の生成が不十分であり、収率が低下し易く、多すぎると位置異性体などの副生物が塩になり純度が低下し易い。有機酸を使用する場合には、一般式(VI)の化合物の有機酸塩の溶解性が小さいのに対し、前記位置異性体などの副生物の有機酸塩の溶解性が極めて高いためか、過剰の酸を用いても、一般式(VI)の化合物の有機酸塩が選択的に析出する。有機酸を使用する場合の酸の使用量は、例えば、一般式(VI)の化合物1モルに対し、通常0.8グラム当量以上(例えば、0.8〜8グラム当量程度)、好ましくは、1〜3グラム当量、更に好ましくは、1〜2グラム当量程度である。塩を形成する際の反応温度は、通常、0℃〜100℃、好ましくは、10〜80℃、更に好ましくは、20〜70℃程度である。反応時間は、特に限定されず、通常10分〜10時間程度である。
【0105】
塩を形成した後、例えば瀘過などの公知の方法により、反応液から2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の塩を回収することができる。瀘過温度は、通常0〜50℃、好ましくは、10〜30℃程度である。
【0106】
上記(ia)の方法によれば、一般式(VI)の化合物の塩基性が位置異性体および二量体などの副生物の塩基性よりも高く、また、一般式(VI)の化合物の塩の溶解性が前記副生物の塩の溶解性と比較して小さいため、選択的に2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の塩を析出させることができる。したがって、効率よく2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を分離精製できる。このようにして得られる2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の塩は、通常不純物の含有量が2重量%以下程度であり、高い収率、例えば、90%以上の収率で目的化合物である2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を得ることができる場合が多い。
【0107】
2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を分離精製する方法としては、(ib) 酸を添加して、副生した位置異性体も含めて、アミノ基を有する反応生成物を対応する塩とした後、塩基を添加することにより、不純物を選択的にフリー化して、一般式(VI)で表される2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の塩を回収する方法も採用できる。
【0108】
この方法(ib)において、反応生成物の塩の形成は、酸の使用量が異なる以外は、前記と同様に行われる。酸の使用量は、例えば、2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体とその位置異性体との総量1モルに対して、1グラム当量以上、好ましくは、1〜3グラム当量程度である。酸の添加量が少なすぎると収率が低下し易く、添加量が多すぎるとコスト高となり経済性が低下し易い。
【0109】
前記方法(ib)により塩を形成した後、慣用の方法(例えば、瀘過等)により生成した塩を回収すると、通常、位置異性体以外の不純物が除去され、得られる塩は、目的化合物の塩とその位置異性体の塩との混合物である場合が多い。位置異性体と、一般式(VI)で表される化合物との割合は、塩を形成する前と同程度である場合が多い。
【0110】
この方法(ib)では、一般式(VI)の化合物の塩基性が対応する位置異性体の塩基性と比較して高いことを利用することにより、一般式(VI)の化合物を分離精製する。すなわち、前記の操作で得られた塩に、塩基を作用させることによって位置異性体を選択的にフリー化し、一般式(VI)で表される2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の塩を選択的に回収する。より具体的には、例えば、前記塩を溶媒に分散させ、塩基を添加することにより、位置異性体を選択的にフリー化できる。塩の分散に使用する溶媒としては、塩に対する溶解度が低く、しかも位置異性体のフリー体に対する溶解度が高い溶媒であれば、特に限定されず、例えば、前記例示の溶媒などを用いることができる。
【0111】
前記塩基には、無機塩基及び有機塩基が含まれる。無機塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどのアルカリ土類金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩などが挙げられる。有機塩基としては、例えば、アルカリ金属アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシドなどのナトリウムまたはカリウムのC1-4 アルコキシド等)などの金属アルコキシド;モノアルキルアミン(例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミンなどのC1-8 アルキルアミン等)などの脂肪族第1級アミン、芳香族第1級アミン(例えば、アニリン、トルイジン、ベンジルアミン、ナフチルアミン等)等の第1級アミン;ジアルキルアミン(例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−s−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミンなどのジ−C1-8 アルキルアミン等)、芳香族第2級アミン(例えば、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミンなど)、及びピペコリン、ピペリジン、モルホリン、ピロリジンなどの環状アミン等の第2級アミン;トリアルキルアミン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンなどのトリ−C1-8 アルキルアミン等)、N,N−ジ置換アルカノールアミン(例えば、N,N−ジメチルエタノールアミンなどのN,N−ジ−C1-4 アルキルアルカノールアミン等)、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジンなどの第3級アミン;ピリジン、ピコリン、キノリンなどの塩基性含窒素複素環化合物などが挙げられる。塩基は、一種または二種以上混合して用いることができる。
【0112】
好ましい塩基には、有機塩基、なかでもアミン類が含まれる。特に、前記塩基として、その電離指数pKa値が、2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体のpKa値と、その位置異性体等の不純物のpKa値との間にあるものが好ましい。このような塩基を用いることにより、不純物を選択的にフリー化できる。好ましい塩基には、pKa値が9.3〜11.5程度の塩基[例えば、エチルアミン(pKa=10.8)等のモノ−C1-8 アルキルアミン;ジエチルアミン(pKa=10.4)等のジ−C1-8 アルキルアミン;トリエチルアミン(pKa=11.0)等のトリ−C1-8 アルキルアミン;ピペリジン(pKa=11.1)等の環状アミンなどの有機塩基]が含まれる。さらに好ましい塩基には、pKa値が10〜11.3、なかでも10.5〜11.2程度の塩基が含まれる。
【0113】
塩基の使用量は、位置異性体1モルに対し、1グラム当量以上であれば、特に限定されないが、通常2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の塩と位置異性体の塩の総量1モルに対し、0.1〜1.0グラム当量、好ましくは0.3〜0.6グラム当量程度である。塩基の添加量が少なすぎると位置異性体の除去が不十分になり易く、添加量が多すぎると経済性が低下しやすい。反応時間及び反応温度については、前記塩形成の条件と同様の範囲から選択できる。
【0114】
このような塩基の添加により、位置異性体の塩が、添加された塩基と塩交換され、フリー化するため、一般式(I)で表される2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体が塩として残存する。2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の塩は、前記と同様瀘過等を行うことにより容易に単離できる。このようにして得られた誘導体の塩は、純度が高く、通常、副生物等の不純物が2%以下程度である。なお、塩交換が行われた塩基と塩形成反応に用いた酸との塩を含む場合もあるが、その様な塩は、フリー化の際容易に除去できる。また、塩を形成した後、塩を単離することなく塩基を添加することもできる。
【0115】
さらに、2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の分離精製は、酸と塩基の添加順序をかえて行うこともできる。すなわち、反応生成物に、塩基を添加した後に酸を添加して、選択的に2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の塩を形成させてもよい。この方法では、酸の添加量は、式(VI)で表される化合物1モルに対し、通常、0.8〜2.0グラム当量、好ましくは、1.0〜1.5グラム当量程度である。酸の添加量が0.8グラム当量未満では収率が低下し易く、2.0グラム当量を越えると不純物の除去が不十分になり、純度が低下し易い。酸の添加量は、式(VI)で表される化合物とその位置異性体の総量1モルに対して、1グラム当量以上用いる場合が多い。
【0116】
以上の方法によって、反応生成物から、2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の位置異性体や他の副生物を除去し、式(VI)で表される2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の塩を選択的に分離精製できる。
【0117】
かくして得られた前記2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の塩を、従来公知な方法によって、フリー体とすることにより、高純度の2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を得ることができる。フリー化は、前記2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の塩と塩基とを反応させることにより行うことができる。例えば、前記塩を水又は有機溶媒に溶解または分散し、塩基を、例えば水溶液として添加して、フリー化した後、有機溶媒で抽出し、必要に応じて水洗し、脱溶媒することにより行うことができる。
【0118】
前記有機溶媒としては、疎水性有機溶媒、例えば、前記例示の溶媒のうち、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、エステル類を用いることができる。これらの溶媒は一種又は二種以上混合して用いることができる。好ましい溶媒には、ハロゲン化炭化水素類、エステル類が含まれる。フリー化した2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を抽出する際の有機溶媒の使用量は、塩の総量に対し、重量比で0.5〜40倍、好ましくは1〜20倍程度である。
【0119】
前記塩基としては、無機塩基、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩;水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物などが挙げられる。塩基の量は、塩の総量1モルに対して、通常、0.8〜10グラム当量、好ましくは1〜8グラム当量程度である。フリー化した2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を抽出する際の水の使用量は、塩の総量に対して、例えば、重量比で1〜50倍、好ましくは5〜20倍程度である。
【0120】
一般式(VI)で表される化合物は、慣用の方法でヒドロキシル基の保護基を外すことにより、容易に一般式(I)で表される2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体に変換でき、例えば、下記の微生物を用いた光学活性体の製造などに供することができる。
【0121】
前記微生物は、前記一般式(I)で表される2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体またはその塩のエナンチオマー混合物に作用して、対応する一般式(IIa)で表される(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を生成させうる能力を有する微生物であればよい。このような微生物には、前記2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の両エナンチオマーのうち、(S)体のエナンチオマーを選択的に資化する微生物、および(S)体のエンチオマーを選択的に他の化合物((R)体のエナンチオマーを含む)に変換する微生物が含まれる。
【0122】
前記能力を有する微生物には、例えば、ハンセヌラ(Hansenula)属、ゲオトリカム(Geotrichum)属、キャンディダ(Candida)属、クリプトコッカス(Cryptococcus)属、ロドスポリディウム(Rhodosporidium)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、サッカロマイセス(Saccharomyces)属、スポロボロマイセス(Sporobolomyces)属、クルイベロマイセス(Kluyveromyces)属、イサチェンキア(Issatchenkia)属、ピキア(Pichia)属、ボトリオアスカス(Botryoascus)属、デバリオマイセス(Debaryomyces)属、リポマイセス(Lipomyces)属、メトシュニコビア(Metschnikowia)属、サッカロマイコデス(Saccharomycodes)属、シゾブラストスポリオン(Schizoblastosporion)属、ステパノアスカス(Stepahnoascus)属、ステリグマトマイセス(Sterigmatomyces)属、ジゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces)属、スポリディオボラス(Sporidiobolus)属、マラッセジア(Malassezia)属、トルラスポラ(Torulaspora)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、グルコノバクター(Gluconobacter)属、プロミクロモノスポラ(Promicromonospora)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ボーデテラ(Bordetella)属、アセトバクター(Acetobacter)属、バチラス(Bacillus)属、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属、アルスロバクター(Arthrobacter)属、アマウロアスカス(Amauroascus)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、ミクロコッカス(Micrococcus)属、アウレオバクテリウム(Aureobacterium)属、アゾトバクター(Azotobacter)属、キサンソモナス(Xanthomonas)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、コマモナス(Comamonas)属、ミコバクテリウム(Mycobacterium)属、テルラバクター(Terrabacter)属、アグロシベ(Agrocybe)属、トリコデルマ(Trichoderma)属、アルテルナリア(Alternaria)属、ハミゲラ(Hamigera)属、モニリエラ(Moniliella)属、フォリオタ(Pholiota)属、ポドスポラ(Podospora)属、アエゲリタ(Aegerita)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、サッカロマイコプシス(Saccharomycopsis)属、ロイコスポリディウム(Leucosporidium)属に属する微生物群またはロドコッカス アミドフィリス(Rhodococcus amidophilis)およびロドコッカス エクイ(Rhodococcus equi)などに属する微生物群から選択された微生物などが含まれる。
【0123】
具体的には、一般式(I)で表される2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体のエナンチオマー混合物に作用し、対応する(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を生成させうる能力を有する微生物として、例えば、次のような微生物が挙げられる。
【0124】
(1)ハンセヌラ(Hansenula)属:ハンセヌラ アノマラ(Hansenula anomala)IFO 0707など、
(2)ゲオトリカム(Geotrichum)属:ゲオトリカム カンディダム(Geotrichum candidum)IFO 4601、ゲオトリカム カンディダム(Geotrichum candidum)IFO 4598など、
(3)キャンディダ(Candida)属:キャンディダ アルビカンス(Candida albicans)IFO 1594、キャンディダ アルビカンス(Candida albicans)IFO 1856、キャンディダ パラプシロシス(Candida parapsilosis)IFO 1022、キャンディダ グロペンギエセリ(Candida gropengiesseri)IFO 0659、キャンディダ アセリ(Candida aaseri)IFO 10404、キャンディダ ビーチー(Candida beechii)IFO 10229、キャンディダ アトモスフェリカ(Candida atmospherica)IFO 1969、キャンディダ ナタレンシス(Candida natalensis)IFO 1981、キャンディダ パルディゲナ(Candida paludigena)IFO 10330、キャンディダサケ(Candida sake)IFO 1149、キャンディダ ピントロペシイ バライティ ピントロペシイ(Candida pintolopesii var. pintolopesii)IFO0729など、
(4)クリプトコッカス(Cryptococcus)属:クリプトコッカス ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)IAM 4788など、
(5)ロドスポリディウム(Rhodosporidium)属:ロドスポリディウム スパエロカルプム(Rhodosporidium spaerocarpum)IFO 1438、ロドスポリディウム ディオボヴァタム(Rhodosporidium diobovatum)IFO 0688など、
(6)ロドトルラ(Rhodotorula)属:ロドトルラ ルブラ(Rhodotorula rubra)IFO 0406、ロドトルラ ルブラ(Rhodotorula rubra)AHU 3948、ロドトルラ グルチニス バライティ ダイレネンシス(Rhodotorula glutinis var. dairenensis)IFO 0415など、
(7)サッカロマイセス(Saccharomyces)属:サッカロマイセス モンタナス(Saccharomyces montanus)IFO 0021など、
(8)スポロボロマイセス(Sporobolomyces)属:スポロボロマイセス ロゼウス(Sporobolomyces roseus)IFO 1040など、
(9)クルイベロマイセス(Kluyveromyces)属:クルイベロマイセス マルキアナス バライティ ブルガリカス(Kluyveromyces marxianus var. bulgaricus)IAM 4829、クルイベロマイセス ラクティス(Kluyveromyces lactis)IFO 1267など、
(10)イサチェンキア(Issatchenkia)属:イサチェンキア スクツラタバライティ スクツラタ(Issatchenkia scutulata var. scutulata)IFO10069、イサチェンキア スクツラタ バライティ スクツラタ(Issatchenkia scutulata var. scutulata)IFO 10070など。
【0125】
(11)ピキア(Pichia)属:ピキア サーモトレランス(Pichia thermotolerans)IFO 10024、ピキア ファリノサ(Pichia farinosa)IFO1163など、
(12)ボトリオアスカス(Botryoascus)属:ボトリオアスカス シンナエデンドラス(Botryoascus synnaedendrus)IFO 1604など、
(13)デバリオマイセス(Debaryomyces)属:デバリオマイセス ハンセニイ(Debaryomyces hansenii)IFO 0083など、
(14)リポマイセス(Lipomyces)属:リポマイセス スタルキイ(Lipomyces starkeyi)IFO 1289など、
(15)メトシュニコビア(Metschnikowia)属:メトシュニコビア ビカスピダタ(Metschnikowia bicuspidata)IFO 1408、
(16)サッカロマイコデス(Saccharomycodes)属:サッカロマイコデスラドブィギィ(Saccharomycodes ludwigii)IFO 0798など、
(17)シゾブラストスポリオン(Schizoblastosporion)属:シゾブラストスポリオン コバヤシ(Schizoblastosporion kobayasii)IFO 1644など、
(18)ステパノアスカス(Stepahnoascus)属:ステパノアスカス シフェリイ(Stepahnoascus ciferrii)IFO 1854など、
(19)ステリグマトマイセス(Sterigmatomyces)属:ステリグマトマイセス ハロフィラス(Sterigmatomyces halophilus)IFO 1488など、
(20)ジゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces)属:ジゴサッカロマイセス ルーシー(Zygosaccharomyces rouxii)IFO 0510、ジゴサッカロマイセス ルーシー(Zygosaccharomyces rouxii)IAM 4114、ジゴサッカロマイセス ファメンタティ(Zygosaccharomyces fermentati)IFO 0021など。
【0126】
(21)スポリディオボラス(Sporidiobolus)属:スポリディオボラス サルモニカラー(Sporidiobolus salmonicolor)IFO 1845、スポリディオボラス パラロゼウス(Sporidiobolus pararoseus)IFO 1107など、
(22)マラッセジア(Malassezia)属:マラッセジア フルフル(Malassezia furfur)IFO 0656など、
(23)トルラスポラ(Torulaspora)属:トルラスポラ デルブルッキイ(Torulaspora delbrueckii)IFO 0955など、
(24)コリネバクテリウム(Corynebacterium)属:コリネバクテリウムアクアチカム(Corynebacterium aquaticum)IFO 12154、コリネバクテリウム メディオラナム(Corynebacterium mediolanum)JCM 3346など、
(25)グルコノバクター(Gluconobacter)属:グルコノバクター アサイ(Gluconobacter asaii)IFO 3265、グルコノバクター オキシダンス(Gluconobacter oxydans)IFO 3255、グルコノバクター オキシダンス(Gluconobacter oxydans)IFO 3130、グルコノバクター オキシダンス(Gluconobacter oxydans)IFO 3289、グルコノバクター フラテウリ(Gluconobacter frateurii)IFO 3271など、
(26)プロミクロモノスポラ(Promicromonospora)属:プロミクロモノスポラ シトレア(Promicromonospora citrea)IFO 12397など、
(27)シュードモナス(Pseudomonas)属:シュードモナス アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)IFO 3899、シュードモナス リボフラヴィナ(Pseudomonas riboflavina)IFO 13584、シュードモナス フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)IFO 3925、シュードモナス プチダ(Pseudomonas putida)IFO 12996、シュードモナス シンシアネア(Pseudomonas syncyanea)IFO 3757、シュードモナス ディミヌタ(Pseudomonas diminuta)IFO 12697、シュードモナス クロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis)IFO 3522、シュードモナス フラギ(Pseudomonas fragi)IFO 3458、シュードモナス スピーシーズ(Pseudomonas sp.)ATCC 14676など、
(28)ボーデテラ(Bordetella)属:ボーデテラ ブロンチセプチカ(Bordetella bronchiseptica)IFO 13691など、
(29)アセトバクター(Acetobacter)属:アセトバクター スピーシーズ(Acetobacter sp.)IFO 3248、アセトバクター スピーシーズ(Acetobacter sp.)IFO 3297、アセトバクター パステウリアナス(Acetobacter pasteurianus)ATCC 10245、アセトバクター パステウリアナス(Acetobacter pasteurianus)IFO 3259、アセトバクター パステウリアナス(Acetobacter pasteurianus)IFO 3277など、
(30)バチラス(Bacillus)属:バチラス ズブチルス(Bacillus subtilis)IFO 3013、バチラス ズブチルス(Bacillus subtilis)IFO 3009、バチラス セレウス(Bacillus cereus)AHU 1355、バチラス セレウス(Bacillus cereus)AHU 1707、バチラス セレウス(Bacillus cereus)IFO 3001、バチラス コアグランス(Bacillus coagulans)IAM 1115、バチラス ブレビス(Bacillus brevis)IFO 3331、バチラス スファエリカス(Bacillus sphaericus)IFO 3525など。
【0127】
(31)アグロバクテリウム(Agrobacterium)属:アグロバクテリウム ラジオバクター(Agrobacterium radiobacter)IFO 12664など、
(32)アルスロバクター(Arthrobacter)属:アルスロバクター ウレアファシエンス(Arthrobacter ureafaciens)IFO 12140など、
(33)アマウロアスカス(Amauroascus)属:アマウロアスカス レチクラタス(Amauroascus reticulatus)IFO 9196など、
(34)ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属:ブレビバクテリウム リーネンス(Brevibacterium linens)IFO 12141など、
(35)ミクロコッカス(Micrococcus)属:ミクロコッカス ロゼウス(Micrococcus roseus)IFO 3764など、
(36)アウレオバクテリウム(Aureobacterium)属:アウレオバクテリウム テスタセウム(Aureobacterium testaceum)IFO 12675など、
(37)アゾトバクター(Azotobacter)属:アゾトバクター ブィネランディ(Azotobacter vinelandii)IFO 13581など、
(38)キサンソモナス(Xanthomonas)属:キサンソモナス キャンペストリス ピーブイ オリゼエ(Xamthomonas campestris pv oryzae)IAM 1657など、
(39)クレブシエラ(Klebsiella)属:クレブシエラ ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)IFO 3317など、
(40)コマモナス(Comamonas)属:コマモナス テストステロニ(Comamonas testosteroni)IFO 12048、コマモナス テストステロニ(Comamonas testosteroni)IAM 1048など。
【0128】
(41)ミコバクテリウム(Mycobacterium)属:ミコバクテリウム ディエルンホフェリ(Mycobacterium diernhoferi)IFO 3707など、
(42)テルラバクター(Terrabacter)属:テルラバクター ツメセンス(Terrabacter tumescens)IFO 12960など、
(43)アグロシベ(Agrocybe)属:アグロシベ シリンドラセア(Agrocybe cylindracea)IFO 30299など、
(44)トリコデルマ(Trichoderma)属:トリコデルマ ブィリデ(Trichoderma viride)IFO 5720など、
(45)アルテルナリア(Alternaria)属:アルテルナリア キクチアナ(Alternaria kikuchiana)IFO 5778など、
(46)ハミゲラ(Hamigera)属:ハミゲラ アベラネア(Hamigera avellanea)IFO 7721など、
(47)モニリエラ(Moniliella)属:モニリエラ アセトアブタンス(Moniliella acetoabutans)IFO 9481など、
(48)フォリオタ(Pholiota)属:フォリオタ ナメコ(Pholiota nameko)IFO 6141など、
(49)ポドスポラ(Podospora)属:ポドスポラ カルドナリア(Podospora cardonaria)IFO 30294など、
(50)アエゲリタ(Aegerita)属:アエゲリタ キャンディダ(Aegerita candida)IFO 6988など。
【0129】
(51)ストレプトマイセス(Streptomyces)属:ストレプトマイセス シネレオルバー(Streptomyces cinereoruber)HUT 6142など、
(52)サッカロマイコプシス(Saccharomycopsis)属:サッカロマイコプシス キャプスラリス(Saccharomycopsis capsularis)IFO 0672など、 (53)ロイコスポリディウム(Leucosporidium)属:ロイコスポリディウム スコッティ(Leucosporidium scottii)IFO 1923、ロイコスポリディウム スコッティ(Leucosporidium scottii)IFO 1924など
(54)ロドコッカス アミドフィリス(Rhodococcus amidophilis):ロドコッカス アミドフィリス(Rhodococcus amidophilis)IFO 0144など、
(55)ロドコッカス エクイ(Rhodococcus equi):ロドコッカス エクイ(Rhodococcus equi)JCM 1313など、
これらの微生物は少なくとも一種使用される。これらの微生物またはその処理物を、前記一般式(I)で表される2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体のエナンチオマー混合物に作用させると、両エナンチオマーのうち(R)体の存在比率が向上する。
【0130】
なお、IFO番号の付された微生物は、(財)発酵研究所(IFO)が発行した「List of Cultures、第9版(1992)」に記載されており、該IFOから入手することができる。JCM番号の付された微生物は、理化学研究所微生物系保存施設が発行した「微生物株カタログ、第5版(1992)」に記載されており、該保存施設から入手することができる。ATCC番号の付された微生物は、American Type Culture Collection(ATCC)が発行した「Catalogue of Bacteria and Bacteria Phages 、第18版(1992)」、「Catalogue of Yeasts 、第18版(1990)」及び「Catalogue of Filamentous Fungi、第18版(1990)」に記載されており、該ATCCから入手することができる。DSM番号の付された微生物は、German Collection of Microorganisms and Cell Cultures が発行した「Catalogue of Strains(1989)」に記載されており、該保存施設から入手することができる。IAM番号の付された微生物は、東京大学分子細胞生物学研究所、細胞・機能高分子総合センターが発行した「Catalogue of Strains」に記載されており、該保存施設から入手することができる。BGSC番号の付された微生物は、Batillus Genetic Stock Center (BGSC)が発行した「Strains and Data」に記載されており、該保存施設から入手することができる。AHU番号の付された微生物は、日本微生物株保存連盟(JFCC)が発行した「Catalogue of Cultures 、第5版(1992)」に記載されており、北海道大学農学部から入手することができる。また、IFM番号の付された微生物は千葉大学から、HUT番号の付された微生物は広島大学から入手することができる。
【0131】
本発明で使用する微生物は、前記一般式(I)で表される2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体のエナンチオマー混合物に作用して、対応する(R)体のエナンチオマーを生成させうる能力を有する限り、野生株、変異株、または細胞融合もしくは遺伝子操作法等の遺伝子的手法により誘導される組換え株などの何れの株でも用いることができる。
【0132】
微生物は、通常、培地で培養して前記一般式(I)で表される化合物のエナンチオマー混合物との反応に供される。
【0133】
本発明に用いる微生物を培養するための培地は、微生物が増殖し得る培地であれば特に制限はない。培地は、通常、炭素源、窒素源、その他の養分などを含む液体培地が使用される。培地の炭素源としては、上記微生物が利用可能であればいずれも使用でき、具体的には、例えば、グルコース、フルクトース、シュクロース、デキストリン、デンプンなどの糖類;ソルビトール、メタノール、エタノール、グリセロールなどのアルコール類;フマル酸、クエン酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸類及びその塩類;パラフィンなどの炭化水素類;これらの混合物などが使用できる。窒素源としては、例えば、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウムなどの無機酸のアンモニウム塩;フマル酸アンモニウム、クエン酸アンモニウムなどの有機酸のアンモニウム塩;肉エキス、酵母エキス、麦芽エキス、ペプトン、コーンスティープリカー、カゼイン加水分解物、尿素などの無機又は有機含窒素化合物;これらの混合物が使用できる。培地には、無機塩、微量金属塩、ビタミン類などの通常の培養に用いられる栄養源を適宜添加してもよい。また、必要に応じて、培地には、微生物の増殖を促進する因子、培地のpH保持に有効な緩衝物質、本発明の目的化合物の生成能力を高める因子、例えば前記一般式(I)で表される2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体などを添加してもよい。
【0134】
微生物の培養は、生育に適した条件下、例えば、培地のpH2.0〜9.5、好ましくは3〜8、温度20〜45℃、好ましくは25〜37℃で行うことができる。微生物の培養は、嫌気的又は好気的条件下で行うことができる。培養時間は、例えば、5〜120時間、好ましくは12〜72時間程度である。
【0135】
前記一般式(I)で表される2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体のエナンチオマー混合物における(R)体と(S)体との割合は特に制限されないが、一般式(I)で表される2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体のラセミ体を用いるのが工業的に有利である。
【0136】
不斉資化の方法としては、微生物またはその処理物が、一般式(I)で表される2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体のエナンチオマー混合物に作用して、対応する一般式(IIa)で表される(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体が生成する方法であれば特に限定されず、例えば、(1) 培養液に前記2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体のエナンチオマー混合物を添加して反応させる方法、(2) 培養液から遠心分離などにより分離した菌体を、そのまま又は洗浄した後、緩衝液、水などに再懸濁し、得られた菌体を含む懸濁液に、前記2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体のエナンチオマー混合物を添加し反応させる方法、(3) 生菌体ではなく、菌体処理物、例えば、菌体破砕物、アセトン処理、凍結乾燥などの処理を施した処理物と前記2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体のエナンチオマー混合物とを反応させる方法、(4) 前記菌体または菌体処理物を、例えば、ポリアクリルアミドゲル法、含硫多糖ゲル法(カラギーナンゲル法など)、アルギン酸ゲル法、寒天ゲル法などの慣用の方法で固定化し、前記2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体のエナンチオマー混合物と反応させる方法などが挙げられる。さらに、菌体処理物から取得した酵素も使用できる。前記酵素は、慣用の方法を適宜組み合わせて精製することにより得ることができる。
【0137】
反応の際、エネルギー源として、グルコース、シュクロース、エタノール、メタノール、パラフィンなどの炭素源;燐酸;酵母エキス、コーンスチープリカーなどの窒素源などを添加すると、目的の光学活性化合物の収率が向上する場合がある。
【0138】
前記2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体のエナンチオマー混合物は、そのまま使用してもよく、溶媒を含む溶液、懸濁又は分散液として使用してもよい。前記溶媒としては、水、反応に悪影響を及ぼさない有機溶媒が使用できる。懸濁又は分散液では、界面活性剤などを必要に応じて使用できる。2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体のエナンチオマー混合物は、反応当初から反応系に一括して存在させてもよく、反応系に分割して添加してもよい。
【0139】
菌体量は、目的化合物の光学純度、生成速度が低下しない範囲で適宜選択できる。菌体濃度は、乾燥菌体基準で例えば、0.1〜500g/L、好ましくは1〜300g/L程度である。基質である前記2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体のエナンチオマー混合物の使用濃度は、特に制限されないが、例えば0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%程度である。
【0140】
反応条件は、目的化合物の生成を損なわない範囲で選択できる。反応系のpHは、例えば、pH2〜10、好ましくはpH3〜8程度、反応温度は、例えば、10〜60℃、好ましくは20〜40℃、より好ましくは20〜35℃程度である。前記反応は、攪拌下または静置下、1〜120時間程度行うことができる。
反応時間が長いと、目的化合物の光学純度が高くなる場合が多い。
【0141】
このように特定の微生物又はその処理物を前記エナンチオマー混合物に作用させると、不斉資化が円滑に行われ、対応する(R)の絶対配置を有する2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を高い選択率で得ることができる。
【0142】
反応によって生成した一般式(IIa)の(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体は、慣用の分離精製手段により採取できる。例えば、反応液から直接又は菌体を分離した後、膜分離、有機溶媒(例えば、ヘキサン、クロロホルム、酢酸エチルなど)による抽出、カラムクロマトグラフィー、減圧濃縮、蒸溜、晶析、再結晶などの通常の精製方法に供することにより、(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を容易に得ることができる。なお、(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の光学純度は、例えば、光学異性体分離カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定できる。
【0143】
次に、(B)一般式(VII)で表される化合物から、微生物を用いて一般式(IIa)で表される化合物を得る方法について説明する。
【0144】
この方法では、一般式(VII)で表される化合物に、特定の微生物またはその処理物を作用させて不斉還元し、生成した(R)体の光学活性化合物を回収することにより、容易に(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を得ることができる。
【0145】
この方法において原料として用いる一般式(VII)で表されるアミノケトン誘導体としては、前記一般式(II)の(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の具体例として例示した化合物に対応するアミノケトン誘導体等が挙げられる。
【0146】
前記アミノケトン誘導体は、フリーのアミン体として用いてもよいが、無機酸または有機酸の塩として用いてもよい。前記無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、燐酸等が例示される。前記有機酸としては、例えば、前記2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の分離精製の説明箇所で例示した脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ポリカルボン酸などが挙げられる。
【0147】
前記一般式(VII)で表される化合物は、公知の方法、例えば、一般式(XVIII)
【0148】
【化37】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は前記に同じ、Xはハロゲン原子を示す)で表される化合物をアミノ化剤と反応させることにより得ることができる。アミノ化剤としては、前記例示のアミノ化剤のほか、ヘキサメチレンテトラミンなどを用いることができる。Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0149】
この方法(B)に使用する微生物は、前記一般式(VII)で表わされるアミノケトン誘導体に作用して、一般式(IIa)で表わされる(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を生成させ得る微生物であれば、いずれも使用できる。
【0150】
前記能力を有する微生物としては、例えば、カンジダ(Candida)属、ロデロミセス(Lodderomyces) 属、カテヌロプラネス(Catenuloplanes) 属、ピリメリア(Pilimelia)属、サッカロスリクス(Saccharothrix)属、セラチア(Seratia)属、エンテロコックス(Enterococcus) 属、ラクトバシルス(Lactobacillus)属、ペディオコックス(Pediococcus)属およびラクトコックス(Lactococcus)属に属する微生物が例示できる。
【0151】
具体的には、一般式(VII)で表されるアミノケトン誘導体に作用し、対応する(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を生成させうる能力を有する微生物としては、例えば、次のような微生物が挙げられる。
【0152】
(56)カンジダ(Candida)属:カンジダ マルトサ (Candida maltosa)IFO 1977,カンジダ マルトサ (Candida maltosa)IFO 1978など、
(57)ロデロミセス(Lodderomyces) 属:ロデロミセス エロンギスポルス(Lodderomyces elongisporus) IFO 1676など、
(58)カテヌロプラネス(Catenuloplanes) 属:カテヌロプラネス ジャポニクス(Catenuloplanes japonicus) IFO 14176など、
(59)ピリメリア(Pilimelia)属:ピリメリア テレバサ(Pilimelia terevasa) IFO 14556など、
(60)サッカロスリクス(Saccharothrix)属:サッカロスリクス アウストラリエンシス(Saccharothrix australiensis) IFO 14444など、
(61)セラチア(Seratia)属:セラチア マルセッセンス(Seratia marcescens) IFO 3735など、
(62)エンテロコックス(Enterococcus) 属:エンテロコックス ファエカリス(Enterococcus faecalis) IFO 12964など、
(63)ラクトバシルス(Lactobacillus)属:ラクトバシルス カセイ サブエスピー カセイ(Lactobacillus casei subsp. casei)NRIC 1042など、
(64)ペディオコックス(Pediococcus)属:ペディオコックス アシディラクチシ(Pediococcus acidilactici)NRIC 1089など、
(65)ラクトコックス(Lactococcus)属:ラクトコックス ラクチス サブエスピー ラクチス(Lactococcus lactis subsp. lactis)AHU 1089など
これらの微生物は、少なくとも一種用いられる。上記の微生物は、前記能力を有する限り、野生株、変異株、または細胞融合もしくは遺伝子操作等の遺伝子的手法により誘導される組み換え株等、いずれの株でも好適に用いることができる。
【0153】
なお、IFO番号、AHU番号の付された微生物は、前記の各施設などから入手することができる。NRIC番号の付された微生物は、東京農業大学菌株保存室発行の菌株カタログ第2版(1992)に記載されており、該施設から入手することができる。
【0154】
前記微生物の培養、反応、および反応生成物の回収は、前記一般式(I)で表される2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体のエナンチオマー混合物を用いる方法(A)と同様にして行うことができる。
【0155】
次に、前記(C)および(D)の方法について説明する。
【0156】
前記(C)の方法は、前記(A)の方法において、前記アミノ付加による方法(b)、(c)で得られた反応生成物から2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を塩として析出させて分離精製するに際し、反応成分として用いる式(III)で表される化合物または式(IV)で表される化合物として、それぞれ光学活性な(R)体を用いることにより、容易に行うことができる。
【0157】
この方法により、光学純度の高い(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を簡易な操作で収率よく得ることができる。
【0158】
前記(D)の方法は、前記(A)の方法において、前記アミノ付加による方法(b)、(c)で得られた反応生成物から2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を塩として析出させて分離精製するに際し、塩を形成するために使用する酸として、光学分割能を有する酸、例えば光学活性な有機酸などの酸を用いることにより容易に行うことができる。光学活性な酸を用いると、位置異性体および二量体などの副生物から分離精製できると共に、前記酸が光学分割剤として作用し、前記酸によりジアステレオマー塩が形成されるため、容易に2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の(S)体と(R)体とを分離することができる。
【0159】
光学活性な有機酸としては、例えば、D−乳酸、L−乳酸、D−リンゴ酸、L−リンゴ酸、D−酒石酸、L−酒石酸、D−ジ−p−トルオイル酒石酸、L−ジ−p−トルオイル酒石酸などの脂肪族オキシカルボン酸;(R)−2−フェニルプロピオン酸、(S)−イブプロフェン、(R)−2−(2,5−ジメチルフェニル)プロピオン酸、(S)−2−(2,5−ジメチルフェニル)プロピオン酸、(R)−(−)−2−(2,4,6−トリメチルフェニル)プロピオン酸、(S)−(+)−2−(2,4,6−トリメチルフェニル)プロピオン酸などの炭素環式カルボン酸;D−マンデル酸、L−マンデル酸などの芳香族オキシカルボン酸;D−ショウノウスルホン酸、L−ショウノウスルホン酸などのスルホン酸;およびアミノ基が保護基で保護されていてもよい光学活性なDまたはL−アミノ酸などが挙げられる。
【0160】
前記アミノ酸としては、例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、プロリン等の脂肪族非極性アミノ酸、トリプトファン、フェニルアラニン、アントラニル酸等の芳香族非極性アミノ酸などの側鎖に非極性基を有するアミノ酸;セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン等の極性無電荷のアミノ酸、リジン、ヒスチジン、アルギニン等の極性正電荷のアミノ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の極性負電荷のアミノ酸等の側鎖に極性基を有するアミノ酸が含まれる。
【0161】
アミノ基の保護基としては、慣用の保護基、例えば、置換基を有していてもよいC1-6 アシル基(ホルミル、アセチル基など)、置換基を有していてもよい芳香環を有するC7-16アシル基(ベンゾイル、フタロイル基など)、置換基を有していてもよいC1-4 アルコキシ−カルボニル基(t−ブトキシカルボニル基など)、C6-16アリールオキシ−カルボニル基、置換基を有していてもよいC7-20アラルキルオキシ−カルボニル基(ベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基など)、置換基を有していてもよいC7-20アラルキル基(ベンジル、トリフェニルメチル基など)等が挙げられる。好ましいアミノ基の保護基には、t−ブトキシカルボニル基などの置換基を有していてもよいC1-4 アルコキシ−カルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基などの置換基を有していてもよいC7-20アラルキルオキシ−カルボニル基などが含まれる。
【0162】
また、前記アミノ酸の側鎖の官能基、例えば、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基などは、慣用の保護基、例えば前記例示の保護基などで保護されていてもよい。
【0163】
これらの光学活性な酸のなかから、目的化合物の種類に応じて適当な酸を選択することにより、(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を効率よく得ることができる。
【0164】
好ましい光学活性な有機酸には、ヒドロキシル基が保護基で保護されていてもよい光学活性な脂肪族または芳香族オキシカルボン酸、アミノ基が保護基で保護されていてもよい光学活性なアミノ酸などが含まれる。前記光学活性なオキシカルボン酸のなかでも、D(またはL)−酒石酸、D(またはL)−ジ−p−トルオイル酒石酸などのヒドロキシ基が保護基で保護されていてもよい光学活性な酒石酸などが好ましい。また、前記光学活性なアミノ酸のなかでも、N−(t−ブトキシカルボニル)−L(またはD)−アラニンなどのアミノ基が保護基で保護されていてもよい光学活性な脂肪族非極性アミノ酸のほか、N−(t−ブトキシカルボニル)−O−ベンジル−L(またはD)−トレオニン、N−(t−ブトキシカルボニル)−S−ベンジル−L(またはD)−システイン、N−(t−ブトキシカルボニル)−L(またはD)−チロシンなどのアミノ基および/または側鎖の官能基が保護基で保護されていてもよい光学活性な極性無電荷のアミノ酸などの側鎖に極性基を有するアミノ酸等が好ましい。
【0165】
塩の形成および単離は、前記(A)の方法において有機酸を用いて塩を形成する場合に準じて行うことができる。
【0166】
この方法(D)により、例えば、不純物含有量が2%程度以下、光学純度99%ee程度以上の極めて高純度の(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を効率よく得ることができる。
【0167】
前記一般式(IIa)の化合物は、必要に応じて、ヒドロキシル基に適当な保護基を導入することにより、容易に一般式(II)で表される化合物に変換できる。この様な一般式(II)で表される化合物は、(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体の製造において有用である。
【0168】
次に、一般式(XI)で表される(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体の製造方法について説明する。
【0169】
一般式(XI)のR7 、R8 において、置換基を有していてもよい低級アルキル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基としては、それぞれ前記R1 〜R5 の説明箇所で例示した低級アルキル基などが挙げられる。
【0170】
7 、R8 における置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアシル基としては、それぞれ、前記ヒドロキシル基の保護基の箇所で例示した置換基を有していてもよいC6-16アリール基、置換基を有していてもよいC7-20アラルキル基、置換基を有していてもよいアシル基等を用いることができる。置換基を有していてもよいシクロアルキル基としては、C1-4 アルキル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子などで置換されていてもよいC3-10シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル基など)が例示される。
【0171】
7 、R8 におけるヒドロキシル基の保護基としては、有機合成の分野で通常用いられるヒドロキシル基の保護基、例えば、前記R1 〜R5 の説明箇所で例示したヒドロキシル基の保護基(A)〜(D)等が挙げられる。
【0172】
7 、R8 がそれぞれ、式(IX):−O−R7a、式(X):−O−R8aで表される基であって、R7a、R8aが一緒になって隣接する酸素原子と共に置換基を有していてもよい環を形成する場合、環は、例えば5〜10員環、好ましくは5〜8員環、さらに好ましくは5又は6員環である。そのようなR7a、R8aには、例えば、置換基を有していてもよいアルキレン基、カルボニル基及びチオカルボニル基などが含まれる。
【0173】
前記アルキレン基として、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレンなどの炭素数1〜4のアルキレン基などが挙げられる。好ましいアルキレン基には、メチレン基などが含まれる。
【0174】
置換基を有していてもよいメチレン基には、例えば、下記式(XII)
【0175】
【化38】
(式中、Ra 、Rb は、(i)同一又は異なって、水素原子、C1-4 アルキル基、C1-4 ハロアルキル基、置換基を有していてもよいC6-20アリール基、C1-4 アルコキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、カルボキシル基もしくはその塩、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、ヒドロキシメチル基、又は置換基を有していてもよいアルコキシメチル基であるか、又は(ii)Ra とRb とが隣接する炭素原子と共にC5-7 シクロアルキル基を形成してもよい)
で表される基などが含まれる。
【0176】
a 、Rb におけるC1-4 アルキル基、C1-4 ハロアルキル基、C1-4 アルコキシ基には、R1 〜R5 において例示した基などが含まれる。Ra 、Rb における置換基を有していてもよいC6-20アリール基には、例えば、フェニル、4−メトキシフェニル、2−ニトロフェニルなどが含まれる。置換基を有するアミノ基には、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノなどのモノ又はジ−C1-4 アルキルアミノ基などが含まれる。これらのC6-16アリール基、アミノ基の置換基としては、それぞれ、R1 〜R5 において対応する基の置換基として例示した置換基などが用いられる。
【0177】
a 、Rb におけるカルボキシル基の塩としては、特に限定されないが、生理学的に許容できる塩を用いる場合が多い。前記塩として、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩など)、その他の金属塩(例えば亜鉛塩、アルミニウム塩など)、アンモニウム塩等の無機塩基との塩;ピリジン、トリ−C1-3 アルキルアミン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミンなど)等の有機塩基との塩などが挙げられる。
【0178】
a 、Rb における置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基には、例えば、R1 〜R5 において例示した置換基を有していてもよいC1-4 アルコキシ−カルボニル基などが含まれる。
【0179】
a 、Rb における置換基を有していてもよいアルコキシメチル基には、アルキル部分に置換基を有していてもよいC1-4 アルコキシ−メチル基などが含まれる。前記置換基として、例えば、カルボキシル基、C2-5 アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、C1-4 アルコキシ基などが挙げられる。前記C1-4 アルコキシ−メチル基におけるC1-4 アルコキシ、C2-5 アルコキシカルボニル基、C1-4 アルコキシ基としては、前記で例示した基などが使用できる。置換基を有していてもよいアルコキシメチル基には、(a)C1-4 アルコキシ−メチル基(例えば、メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、ブトキシメチル、イソブトキシメチル、s−ブトキシメチル、t−ブトキシメチルなど)、(b)カルボキシ−C1-4 アルコキシ−メチル基(例えば、カルボキシメトキシメチル、カルボキシエトキシメチル、カルボキシプロポキシメチル、カルボキシブトキシメチルなど)、(c)C1-4 アルコキシ−カルボニル−C1-4 アルコキシ−メチル基(例えば、メトキシカルボニルメトキシメチル、エトキシカルボニルメトキシメチル、イソプロポキシカルボニルメトキシメチル、2−ブトキシカルボニルエトキシメチルなど)、(d)ヒドロキシ−C1-4 アルコキシ−メチル基(例えば、2−ヒドロキシエトキシメチル、3−ヒドロキシプロポキシメチルなど)、(e)C1-4 アルコキシ−C1-4 アルコキシ−メチル基(例えば、2−メトキシエトキシメチル、2−エトキシエトキシメチル、3−メトキシプロポキシメチルなど)等が例示できる。
【0180】
5-7 シクロアルキル基には、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル基などが含まれる。
【0181】
前記式(XII)で表わされる置換基を有していてもよいメチレン基の好ましい例として、(a)式(XII)において、Ra 、Rb が、同一又は異なって、水素原子、C1-4 アルキル基、又はRa とRb が隣接する炭素原子と共に形成されるC5-7 シクロアルキル基である基(例えば、メチレン基;エチリデン基、イソプロピリデン基などのC2-4 アルキリデン基;シクロペンチリデン、シクロヘキシリデンなどのC5-7 シクロアルキリデン基など)、(b)式(XII)において、Ra 、Rb が、同一又は異なって、カルボキシル基又はその塩、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、ヒドロキシメチル基、又は置換基を有していてもよいアルコキシメチル基である基などが挙げられる。
【0182】
好ましいR7 、R8 には、水素原子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、およびR7 、R8 がそれぞれ式−O−R7a、式−O−R8aで表される基の場合が含まれる。特に好ましいR7 、R8 には、水素原子;C1-4 アルキル基、C7-20アラルキル基およびC1-6 アシル基から選ばれた保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基;R7 、R8 がそれぞれ、式(IX)−O−R7a、式(X)−O−R8aで表される基であって、R7a、R8aが一体となって形成される前記式(XII)で表される置換基を有していてもよいメチレン基において、Ra 、Rb が同一または異なってカルボキシル基またはその塩、またはC2-5 アルコキシカルボニル基である基等が含まれる。
【0183】
前記R6 、R9 、R10におけるハロゲン原子、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、ヒドロキシル基の保護基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい低級アルキルチオ基、置換基を有していてもよいアシル基、カルボキシル基の保護基、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノ基としては、それぞれ前記R1 〜R5 またはR7 、R8 において例示したハロゲン原子などが挙げられる。置換基を有していてもよいアラルキルチオ基には、例えば、C1-4 アルキル基、ヒドロキシル基、C1-4 アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子などで置換されていてもよいC7-20アラルキルチオ基(例えば、ベンジルチオ、ナフチルチオ基など)が含まれる。置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基としては、それぞれ、前記ヒドロキシル基の保護基の説明箇所で例示した置換基を有していてもよいC6-16アリール基、置換基を有していてもよいC7-20アラルキル基等が例示される。
【0184】
なお、前記R6 〜R10における低級アルキル基、低級アルコキシ基の置換基としては前記例示の置換基を有していてもよいアミノ基等も含まれる。
【0185】
好ましいR6 、R9 、R10には、水素原子、C1-4 アルキル基、特に水素原子などが挙げられる。
【0186】
11における低級アルキル基としては、前記例示の炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。好ましいR11には、メチル基、エチル基等、特にメチル基等が含まれる。
【0187】
一般式(VIII)で表される化合物の具体例としては、例えば、メチル=フェニルメチル=ケトン[フェニルアセトン]、エチル=フェニルメチル=ケトン、プロピル=フェニルメチル=ケトン、イソプロピル=フェニルメチル=ケトン、ブチル=フェニルメチル=ケトン、イソブチル=フェニルメチル=ケトン、s−ブチル=フェニルメチル=ケトン、t−ブチル=フェニルメチル=ケトンなどのフェニルアセトン誘導体;メチル=2−メチルフェニルメチル=ケトン、エチル=2−クロロフェニルメチル=ケトン、メチル=2−エチルフェニルメチル=ケトン、エチル=2−メチルフェニルメチル=ケトン、メチル=2−メトキシフェニルメチル=ケトン、メチル=2−ベンジルオキシフェニルメチル=ケトン、エチル=2−ベンジルオキシフェニルメチル=ケトンなどのフェニル基の2位に置換基を有する誘導体;メチル=3−メチルフェニルメチル=ケトン、エチル=3−クロロフェニルメチル=ケトン、メチル=3−メトキシカルボニル−2−メトキシフェニルメチル=ケトン、エチル=3−メトキシカルボニル−2−メトキシフェニルメチル=ケトン、メチル=2−メチル−3−アミノエトキシフェニルメチル=ケトンなどのフェニル基の3位に置換基を有する誘導体;メチル=4−メチルフェニルメチル=ケトン、エチル=4−メチルフェニルメチル=ケトン、メチル=4−エチルフェニルメチル=ケトン、エチル=4−エチルフェニルメチル=ケトン、メチル=4−ヒドロキシフェニルメチル=ケトン、エチル=4−ヒドロキシフェニルメチル=ケトン、メチル=4−メトキシフェニルメチル=ケトン、エチル=4−メトキシフェニルメチル=ケトン、メチル=4−ベンジルオキシフェニルメチル=ケトン、エチル=4−ベンジルオキシフェニルメチル=ケトン、メチル=4−ヒドロキシエトキシフェニルメチル=ケトン、メチル=4−(2−エトキシエトキシ)フェニルメチル=ケトン、メチル=4−(2−ジメチルアミノエトキシ)フェニルメチル=ケトン、メチル=4−メチルチオフェニルメチル=ケトン、メチル=4−ベンジルチオフェニルメチル=ケトン、メチル=4−ヒドロキシカルボニルフェニルメチル=ケトン、メチル=4−メトキシカルボニルフェニルメチル=ケトン、メチル=4−カルバモイルフェニルメチル=ケトン、メチル=4−ジメチルアミノカルボニルフェニルメチル=ケトン、メチル=4−ベンジルアミノカルボニルフェニルメチル=ケトン、メチル=4−アミノフェニルメチル=ケトン、メチル=4−アセチルアミノフェニルメチル=ケトン、メチル=4−アセチルアミノメチルフェニルメチル=ケトン、メチル=4−エトキシカルボニルアミノフェニルメチル=ケトン、メチル=4−メトキシカルボニルメチルアミノフェニルメチル=ケトン、メチル=4−アセチルフェニルメチル=ケトン、メチル=4−(o−メトキシフェニル)フェニルメチル=ケトン、メチル=4−(m−メトキシカルボニルフェニル)フェニルメチル=ケトン、メチル=4−(p−クロロフェニル)フェニルメチル=ケトン、メチル=4−(p−ヒドロキシフェニル)フェニルメチル=ケトン、メチル=4−(p−クロロフェニルメチル)フェニルメチル=ケトン、メチル=4−(p−メトキシフェニルメチル)フェニルメチル=ケトンなどのフェニル基の4位に置換基を有する誘導体;メチル=2−メトキシ−4−メトキシカルボニルフェニルメチル=ケトン、メチル=3,4−ジメトキシフェニルメチル=ケトン、メチル=3,4−ジヒドロキシフェニルメチル=ケトン、エチル=3,4−ジヒドロキシフェニルメチル=ケトン、メチル=3,4−ジメトキシカルボニルフェニルメチル=ケトン、エチル=3,4−ジメトキシカルボニルフェニルメチル=ケトン、メチル=3−メトキシ−4−メトキシカルボニルフェニルメチル=ケトン、メチル=3−メチル−4−メトキシフェニルメチル=ケトン、メチル=3−メチルアミノ−4−ベンジルオキシフェニルメチル=ケトン、メチル=3−メトキシカルボニル−4−ヒドロキシフェニルメチル=ケトン、メチル=3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチル=ケトン、メチル=3−フルオロ−4−メトキシカルボニルフェニルメチル=ケトン、メチル=3−フルオロ−4−メチルアミノエトキシフェニルメチル=ケトン、メチル=2−ヨード−5−メトキシフェニルメチル=ケトンなどのフェニル基の2,4位、2,5位または3,4位に置換基を有する誘導体;メチル=2,3,4−トリメトキシフェニルメチル=ケトン、メチル=3,4,5−トリメトキシフェニルメチル=ケトン、メチル=3,5−ジフルオロ−4−メトキシフェニルメチル=ケトンなどのフェニル基の2,3,4位、または2,4,5位に置換基を有する誘導体;メチル=(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)メチル=ケトンなどのC1-4 アルキル=(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)メチル=ケトン誘導体;メチル=(2,2−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)メチル=ケトンなどのC1-4 アルキル=(2,2−ジ−C1-4 アルキル−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)メチル=ケトン誘導体;5−(2−オキソプロピル)−1,3−ベンゾジオキソール−2,2−ジカルボン酸ジメチル、5−(2−オキソプロピル)−1,3−ベンゾジオキソール−2,2−ジカルボン酸ジエチル、メチル=[2,2−ジメトキシカルボニル−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル]メチル=ケトン、エチル=[2,2−ジメトキシカルボニル−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル]メチル=ケトン、メチル=[2,2−ビス(エトキシカルボニル)−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル]メチル=ケトンなどのC1-4 アルキル=[2,2−ビス(C2- 5 アルコキシカルボニル)−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル]メチル=ケトン誘導体;メチル=[2,2−ジ(ヒドロキシエトキシメチル)−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル]メチル=ケトンなどのC1-4 アルキル=[2,2−ジ(ヒドロキシ−C1-4 アルコキシ−C1-4 アルキル)−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル]メチル=ケトン誘導体;メチル=[2,2−ジ(メトキシカルボニルメトキシメチル)−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル]メチル=ケトン、エチル=[2,2−ジ(メトキシカルボニルメトキシメチル)−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル]メチル=ケトンなどのC1-4 アルキル=[2,2−ジ(C2-5 アルコキシカルボニル−C1-4 アルコキシ−C1-4 アルキル)−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル]メチル=ケトン誘導体;メチル=(1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)メチル=ケトンなどのC1-4 アルキル=(1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)メチル=ケトン誘導体等が含まれる。
【0188】
前記例示化合物のうち好ましい化合物として、C1-4 アルキル=フェニルメチル=ケトン誘導体;C1-4 アルキル=3,4−ジC1-4 アルコキシフェニルメチル=ケトン誘導体;C1-4 アルキル=3,4−ジヒドロキシフェニルメチル=ケトン誘導体;C1-4 アルキル=[2,2−ビス(C2-5 アルコキシカルボニル)−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル]メチル=ケトン誘導体;C1-4 アルキル=[2,2−ジ(C2-5 アルコキシカルボニル−C1-4 アルコキシ−C1-4 アルキル)−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル]メチル=ケトン誘導体等が挙げられる。
【0189】
一般式(XI)で表される化合物は、前記一般式(II)で表される(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体と前記一般式(VIII)で表されるフェニルアセトン誘導体との組み合わせで得られる化合物であるが、具体例としては、例えば、(a)(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体、(b)(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(2−置換フェニル)−1−C1-4 アルキル−エチル]アミノ]エタノール誘導体、(c)(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(3−置換フェニル)−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体、(d)(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(4−置換フェニル)−1−C1-4 アルキル−エチル]アミノ]エタノール誘導体、(e)(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(3,4−ジ置換フェニル)−1−C1-4 アルキル−エチル]アミノ]エタノール誘導体、(f)(R,R)−1−(2−ハロフェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体、(g)(R,R)−1−(2−置換フェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体、(h)(R,R)−1−(3−ハロフェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体、(i)(R,R)−1−(3−置換フェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体、(j)(R,R)−1−(4−ハロフェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体、(k)(R,R)−1−(4−置換フェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体、(l)(R,R)−1−(2,3−ジ置換フェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体、(m)(R,R)−1−(2,4−ジ置換フェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体、(n)(R,R)−1−(3,4−ジハロフェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体、(o)(R,R)−1−(3,4−ジ置換フェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体、(p)(R,R)−1−(3,5−ジ置換フェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体、(q)(R,R)−1−(3,4,5−トリ置換フェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体等が含まれる。
【0190】
(a)(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体には、例えば、(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−エチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−プロピルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−イソプロピルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−ブチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−イソブチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−s−ブチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−t−ブチルエチル)アミノ]エタノール等が含まれる。
【0191】
(b)(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(2−置換フェニル)−1−C1-4 アルキル−エチル]アミノ]エタノール誘導体としては、例えば、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(2−クロロフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(2−メチルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(2−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(2−ベンジルオキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノールなどが挙げられる。
【0192】
(c)(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(3−置換フェニル)−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体には、例えば、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(3−メチルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(3−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(3−メチルアミノエトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノールなどが含まれる。
【0193】
(d)(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(4−置換フェニル)−1−C1-4 アルキル−エチル]アミノ]エタノール誘導体には、例えば、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(4−ビフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(4−メチルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(4−エチルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(4−ヒドロキシエトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(4−ジメチルアミノメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(4−メチルチオフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(4−ベンジルチオフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(4−ヒドロキシカルボニルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(4−メトキシカルボニルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(4−カルバモイルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(4−ジメチルアミノカルボニルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(4−ベンジルアミノカルボニルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(4−アセチルアミノカルボニルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(4−アセチルアミノメチルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(4−アセチルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノールなどが含まれる。
【0194】
(e)(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(3,4−ジ置換フェニル)−1−C1-4 アルキル−エチル]アミノ]エタノール誘導体としては、例えば、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−エチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−プロピルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[[2−[3,4−(ビスメトキシカルボニルメトキシ)メチレンジオキシフェニル]−1−メチルエチル]アミノ]エタノール等が挙げられる。
【0195】
(f)(R,R)−1−(2−ハロフェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体としては、例えば、(R,R)−1−(2−クロロフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−クロロフェニル)−2−[[2−(2−クロロフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−クロロフェニル)−2−[[2−(2−メチルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−クロロフェニル)−2−[[2−(2−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−フルオロフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−フルオロフェニル)−2−[[2−(2−クロロフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−フルオロフェニル)−2−[[2−(2−メチルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−フルオロフェニル)−2−[[2−(2−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−フルオロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール等が含まれる。
【0196】
(g)(R,R)−1−(2−置換フェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体としては、例えば、(R,R)−1−(2−メチルフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−メチルフェニル)−2−[[2−(2−クロロフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−メチルフェニル)−2−[[2−(2−メチルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−メチルフェニル)−2−[[2−(2−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−メチルフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−ヒドロキシフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−ヒドロキシフェニル)−2−[[2−(2−クロロフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−ヒドロキシフェニル)−2−[[2−(2−メチルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−ヒドロキシフェニル)−2−[[2−(2−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−ヒドロキシフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−メトキシフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−メトキシフェニル)−2−[[2−(2−クロロフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−メトキシフェニル)−2−[[2−(2−メチルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−メトキシフェニル)−2−[[2−(2−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−メトキシフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−ベンジルオキシフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−ベンジルオキシフェニル)−2−[[2−(2−クロロフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−ベンジルオキシフェニル)−2−[[2−(2−メチルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−ベンジルオキシフェニル)−2−[[2−(2−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−ベンジルオキシフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−ベンジルカルボニルフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール等が例示される。
【0197】
(h)(R,R)−1−(3−ハロフェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体には、例えば、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(2−クロロフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(2−メチルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(2−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(2−ベンジルオキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3−メチルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3−メチルアミノエトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(4−メチルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(4−エチルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(4−ビフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(4−ヒドロキシエトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(4−ジメチルアミノメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(4−メチルチオフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(4−ベンジルチオフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(4−ヒドロキシカルボニルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(4−メトキシカルボニルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(4−カルバモイルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(4−ジメチルアミノカルボニルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(4−ベンジルアミノカルボニルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(4−アセチルアミノカルボニルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(4−アセチルアミノメチルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(4−アセチルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル−)2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−エチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−[3,4−(ビスメトキシカルボニルメトキシ)メチレンジオキシフェニル]−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−[3,4−(ビスメトキシカルボニルメトキシ)メチレンジオキシフェニル]−1−エチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−フルオロフェニル)−2−[[2−フェニル−1−メチルエチル]アミノ]エタノール等が含まれる。
【0198】
(i)(R,R)−1−(3−置換フェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体としては、例えば、(R,R)−1−(3−メチルフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−メチルフェニル)−2−[[2−(2−クロロフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−メチルフェニル)−2−[[2−(2−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−メチルフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−ヒドロキシフェニル)−2−[[2−フェニル−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−2−[[2−(2−クロロフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−2−[[2−(2−メチルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−2−[[2−(2−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−2−[[2−(4−ベンジルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−エチルエチル]アミノ]エタノール等が例示される。
【0199】
(j)(R,R)−1−(4−ハロフェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体には、例えば、(R,R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[[2−(2−クロロフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[[2−(2−メチルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[[2−(2−メトキシフェニル−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール等が含まれる。
【0200】
(k)(R,R)−1−(4−置換フェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体としては、例えば、(R,R)−1−(4−メチルフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(4−メチルフェニル)−2−[[2−(2−クロロフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(4−メチルフェニル)−2−[[2−(2−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(4−メチルフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2−[[2−(2−クロロフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2−[[2−(2−メチルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2−[[2−(2−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(4−メトキシフェニル)−2−[[2−(4−メトキシフェニル−1−メチルエチル]アミノ]エタノール等が挙げられる。
【0201】
(l)(R,R)−1−(2,3−ジ置換フェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体には、例えば、(R,R)−1−(2−フルオロ−3−クロロフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−フルオロ−3−クロロフェニル)−2−[[2−(2−クロロフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−フルオロ−3−クロロフェニル)−2−[[2−(2−メチルフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−フルオロ−3−クロロフェニル)−2−[[2−(2−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−フルオロ−3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−フルオロ−3−クロロフェニル)−2−[[2−[3,4−(ビスメトキシカルボニルメトキシ)メチレンジオキシフェニル]−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−クロロ−3−ヒドロキシフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール等が含まれる。
(m)(R,R)−1−(2,4−ジ置換フェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体としては、例えば、(R,R)−1−(2−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(2−クロロ−4−ベンジルオキシフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール等が挙げられる。
【0202】
(n)(R,R)−1−(3,4−ジハロフェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体としては、例えば、(R,R)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−2−[[2−(2−クロロフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−2−[[2−(2−メチルフェニル−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−2−[[2−(2−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−エチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−2−[[2−[3,4−(ビスメトキシカルボニルメトキシ)メチレンジオキシフェニル]−1−メチルエチル]アミノ]エタノール等が例示される。
【0203】
(o)(R,R)−1−(3,4−ジ置換フェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体には、(R,R)−1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−[[2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−[(2−フェニル−1−エチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−[3−(2−ヒドロキシエトキシ)−4−(t−ブトキシ)フェニル]−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−アセチルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−アセチルアミノ−4−メトキシフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−メチルチオ−4−ヒドロキシフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−メトキシカルボニル−4−ヒドロキシフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−メトキシカルボニル−4−シクロヘキシルオキシフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−カルバモイル−4−ヒドロキシフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−[3−ヒドロキシメチルカルボニルアミノ−4−(4−メトキシフェニルメチル)フェニル]−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール等が含まれる。
【0204】
(p)(R,R)−1−(3,5−ジ置換フェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体としては、例えば、(R,R)−1−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3,5−ジベンジルオキシフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3,5−ジ−t−ブトキシカルボニルフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール等が挙げられる。
【0205】
(q)(R,R)−1−(3,4,5−トリ置換フェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体としては、例えば、(R,R)−1−(3,5−ジクロロ−4−メチルアミノフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(4−アミノ−3−ブロモ−5−フルオロフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(4−ベンジルオキシ−3−クロロ−5−メトキシフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(4,5−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノールなどが挙げられる。
【0206】
前記例示化合物のうち好ましい化合物として、(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−エチルエチル)アミノ]エタノールなどの(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体;(R,R)−1−フェニル−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノールなどの(R,R)−1−フェニル−2−[[2−[3,4−ジ置換(例えば3,4−ジC1-4 アルコキシ)フェニル]−1−C1-4 アルキル−エチル]アミノ]エタノール誘導体;(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノールなどの(R,R)−1−(3−ハロフェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体;(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノールなどの(R,R)−1−(3−ハロフェニル)−2−[[2−[3,4−ジ置換(例えば3,4−ジC1-4 アルコキシ)フェニル]−1−C1-4 アルキル−エチル]アミノ]エタノール誘導体;(R,R)−1−(3−メチルフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノールなどの(R,R)−1−(3−置換フェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体;(R,R)−1−(3−メチルフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール、(R,R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノールなどの(R,R)−1−(3−置換フェニル)−2−[[2−[3,4−ジ置換(例えば3,4−ジC1-4 アルコキシ)フェニル]−1−C1-4 アルキル−エチル]アミノ]エタノール誘導体;(R,R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノールなどの(R,R)−1−(4−ハロフェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキル−エチル)アミノ]エタノール誘導体;(R,R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノールなどの(R,R)−1−(4−ハロフェニル)−2−[[2−[3,4−ジ置換(例えば3,4−ジC1-4 アルコキシ)フェニル]−1−C1-4 アルキル−エチル]アミノ]エタノール誘導体;(R,R)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノールなどの(R,R)−1−(3,4−ジハロフェニル)−2−[(2−フェニル−1−C1-4 アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体;(R,R)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノールなどの(R,R)−1−(3,4−ジハロフェニル)−2−[[2−[3,4−ジ置換(例えば3,4−ジC1-4 アルコキシ)フェニル]−1−C1-4 アルキル−エチル]アミノ]エタノール誘導体などが挙げられる。
【0207】
この方法において、反応原料として用いられる前記一般式(VIII)で表されるフェニルアセトン誘導体は、慣用の方法、例えば、酢酸のアルカリ土類金属塩(例えば、酢酸カルシウム、酢酸バリウムなど)などの酢酸塩と、一般式(VIII)の化合物に対応するフェニル酢酸のアルカリ土類金属塩(例えば、フェニル酢酸カルシウム、フェニル酢酸バリウムなど)などのフェニル酢酸塩との混合物を乾留する方法等により容易に製造することができる[オーガニック シンセシス コレクティブ ボリューム II(Org.Synth.,Coll.Vol.II)、第389頁(1943年)等参照]。
【0208】
本発明の方法においては、一般式(II)で表される(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール化合物またはその塩と、一般式(VIII)で表される化合物(フェニルアセトン誘導体)との反応、および前記反応の反応生成物を還元する反応を含む点に特色がある。なお、この方法で得られる一般式(XI)で表される(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−メチルエチル)アミノ]エタノール誘導体には対応する塩も含まれる。
【0209】
前記還元反応は、例えば、還元剤を用いて行うことができる。この反応はまた、接触還元触媒の存在下に行うことができる。前記反応は、例えば、(1)一般式(II)で表される(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール化合物またはその塩と、一般式(VIII)で表される化合物とを、脱水縮合させた後、水素添加する方法(以下、ステップワイズ法という)、(2)接触還元触媒の存在下、一般式(II)で表される(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール化合物またはその塩と、一般式(VIII)で表される化合物と、水素とを反応させる方法(以下、ワンポット法という)等で行うことができる。
【0210】
このように、原料として前記光学活性な2−アミノ−1−フェニルエタノール化合物またはその塩と、フェニルアセトン誘導体とを用いた還元的アミノ化法では、生成物は2種の光学異性体のみである。しかも、接触還元触媒存在下に、水素による水素添加反応に供すると、ジアステレオマー比が著しく向上し、目的とする光学異性体を優先的に得ることができる。また、この様な接触還元触媒を用いる方法では、接触還元触媒を濾過後溶媒を留去するだけで目的物が単離できることから、後処理が容易であり工業的に適している。
【0211】
以下、(1)ステップワイズ法について説明する。
【0212】
この方法(1)では、水素添加作用をさせる前に脱水縮合を行うことにより、確実に脱水縮合物であるイミン体またはエナミン体が得られ、原料の目的物への転化率が向上し、精製が容易になるという特色がある。
【0213】
一般式(II)で表される(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール化合物またはその塩と、一般式(VIII)で表されるフェニルアセトン誘導体との脱水縮合は、慣用の方法、例えば、反応に不活性で水と共沸する溶媒を用い、ディーン・スターク・トラップ等のトラップを用いて、共沸されてくる水を系外に除去する方法等により行うことができる。前記溶媒としては、反応に不活性で水と共沸可能な溶媒であれば特に限定されず、例えば、前記一般式(IIa)の化合物の製法において例示した溶媒のうち、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、リグロイン、石油エーテルなど)、脂肪族炭化水素類(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなど)等の有機溶媒を用いることができる。
【0214】
脱水縮合反応は、反応に不活性で水と共沸する溶媒などを用い、溶媒を留去しながら水を系外に除去する方法によっても行うことができる。このような溶媒としては、例えば、低級アルコ−ル類(例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、t−ブタノールなどのC1-4 アルコール等)や前記例示の芳香族炭化水素類及び脂肪族炭化水素類等の有機溶媒が挙げられる。
【0215】
前記反応は、酸触媒の存在下に行ってもよい。酸としては、下記(2)ワンポット法で用いる酸などを使用できる。
【0216】
この反応において、前記一般式(II)で表される(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール化合物またはその塩と、一般式(VIII)で表されるフェニルアセトン誘導体との割合は、通常、前者/後者=0.5〜2.0(モル比)、好ましくは0.8〜1.2(モル比)程度である。
【0217】
還元剤としては、水素化硼素ナトリウム、シアノ水素化硼素ナトリウムなどの金属水素化物のほか、水素等を用いることができる。水素は通常、接触還元触媒と共に用いられる。還元剤として水素を用いると、不斉誘起により、二種のジアステレオマーのうち、目的化合物である(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体が優先して生成する。接触還元触媒としては、例えば、ニッケル触媒(例えば、ラネーニッケル触媒など);白金触媒(例えば、白金炭素、白金黒、酸化白金(アダムス触媒)など)、パラジウム触媒、ロジウム触媒、ルテニウム触媒(ルテニウム炭素、酸化ルテニウム、ルテニウム黒など)などの白金族触媒;レニウム触媒等が挙げられる。これらの触媒は、単独でまたは二種以上混合して使用できる。好ましい触媒には、白金触媒及びルテニウム触媒が含まれる。なかでも、白金触媒、特に酸化白金などが好ましい。
【0218】
接触還元触媒の使用量は、反応速度および経済性を考慮して適宜選択できるが、通常、一般式(II)で表される化合物またはその塩100重量部に対して、0.01〜20重量部、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.01〜5重量部(例えば、0.5〜5重量部)、特に0.5〜3重量部程度である。
【0219】
反応温度は、原料化合物の種類や量、触媒の種類、加圧条件等によって異なるが、通常0〜100℃、好ましくは10〜80℃、より好ましくは10〜60℃である。反応は、常圧で行ってもよく、加圧下で行ってもよい。なお、反応圧力は、通常、1〜100atm、好ましくは1〜20atm程度である。反応時間は、加圧下では比較的短時間(例えば、10分〜10時間程度)、常圧では通常1〜48時間程度である。
【0220】
水素添加反応は、反応に不活性な溶媒中で行なうことができる。前記溶媒としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、t−ブタノールなどのC1-4 アルコール等);芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、石油エーテルなど);脂肪族炭化水素類(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなど);脂環式炭化水素類(シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタンなど);ハロゲン化炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなど);エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなど);エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなど)等の有機溶媒が挙げられる。前記溶媒は一種または二種以上混合して用いることができる。
【0221】
次に、(2)ワンポット法について説明する。
【0222】
このワンポット法(2)では、一般式(II)であらわされる(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール化合物またはその塩と、一般式(VIII)で表されるフェニルアセトン誘導体と水素とを、接触還元触媒の存在下、反応させることにより、一般式(XI)で表される(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体を得ることができる。
【0223】
前記反応は、酸の不存在下で行ってもよいが、酸の存在下で行うことが好ましい。酸の存在下で水素付加を行うと、酸が触媒として作用し、原料の目的化合物への転化率が向上する為、目的化合物の精製が容易になる。ここで用いる酸としては、無機酸、有機酸の何れであってもよい。無機酸、有機酸としては、前記一般式(IIa)の化合物の製法の説明箇所で例示した無機酸および有機酸(光学活性な有機酸を含む)などを使用できる。
【0224】
酸としては、前記のうち、使用する溶媒の種類に応じて、反応中において使用溶媒に対して溶解度が高い付加体を生じる酸を適宜選択すればよいが、通常、無機酸の場合は、好ましくは、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸及びホウ酸であり、特に好ましくは、塩酸、硫酸及び硝酸等が挙げられ、更に塩酸が好ましい。有機酸の場合は、飽和脂肪族モノカルボン酸、飽和脂肪族ジカルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸、スルホン酸等が好ましく、特に飽和脂肪族モノカルボン酸、飽和脂肪族ジカルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸等が好ましい。更に飽和脂肪族モノカルボン酸が好ましく、このうち、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などのC1-4 カルボン酸が特に好ましい。
【0225】
前記酸の使用量は、反応速度等を考慮して広い範囲から選択でき、通常一般式(II)で表される化合物100重量部に対して、0.1〜80重量部、好ましくは0.1〜50重量部(例えば、0.1〜10重量部程度)、より好ましくは0.5〜10重量部(例えば、0.5〜5重量部程度)である。
【0226】
ワンポット法(2)の反応は、前記(1)ステップワイズ法における水素添加反応と同様の還元剤、接触還元触媒、反応溶媒等を用い、同様の反応条件下で行うことができる。
【0227】
上記一般式(II)の化合物またはその塩と、一般式(VIII)の化合物との反応、および前記反応の反応生成物を還元する反応とを含む前記方法によれば、目的化合物である(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体を収率よく、選択的に製造することができる。しかも、原料として用いる一般式(II)で表される(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール化合物と、一般式(VIII)で表されるフェニルアセトン誘導体は、何れも取り扱いが容易であり、簡便に入手できる。さらに、二種類の反応原料のうち、一方の原料として用いる前記フェニルアセトン誘導体は、光学活性体である必要がないので、簡便な工程で製造できる。
【0228】
前記の反応により生成した一般式(XI)で表される(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体を、例えば、必要に応じて反応液の液性を調整したのち、有機溶媒による抽出、減圧濃縮、カラムクロマトグラフィー、蒸留、晶析、再結晶などの精製手段に供することにより、光学純度の高い(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体を容易に得ることができる。
【0229】
尚、前記反応において対応する一般式(XIII)
【0230】
【化39】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R10、R11およびZは前記と同じ)で表される(R,S)体が副生した場合には、反応生成物に、酸を添加し、生成した塩を分別結晶させることにより、目的化合物である(R,R)体を選択的に効率よく回収できる。
【0231】
前記酸としては、無機酸、有機酸の何れであってもよく、前記一般式(IIa)の化合物の製法の説明箇所で例示した無機酸および有機酸(光学活性な有機酸を含む)などを使用できる。これらの酸は、一種または二種以上混合して用いることができる。
【0232】
好ましい無機酸には、塩酸が含まれ、好ましい有機酸には、炭素環式カルボン酸、アミノ基が保護基で保護されていてもよいアミノ酸、スルホン酸等が挙げられる。これらの酸を用いると、不純物の含有量を著しく低下することができ、さらに純度の高い(R,R)体を得ることができる。
【0233】
特に、R1 、R2 、R3 、R5 、R6 、R9 、R10が水素原子であり、R11がメチル基であり、R4 が塩素原子であり、R7 、R8 がメトキシ基である一般式(XI)で表される(R,R)体と、対応する一般式(XIII)で表される(R,S)体との混合物の場合、前記酸のうち、有機酸、特に(R)または(S)−2−(2,5−ジメチルフェニル)プロピオン酸またはこれらのエナンチオマーの混合物、(R)−(−)−または(S)−(+)−2−(2,4,6−トリメチルフェニル)プロピオン酸またはこれらのエナンチオマーの混合物などの置換基を有していてもよい2−アルキルフェニルプロピオン酸誘導体等が好適に用いられる。これらの酸を用いると、前記(R,R)体を選択的に効率よく回収できる。
【0234】
前記酸の使用量は、酸の種類などに応じて、広い範囲から選択でき、通常、一般式(XI)で表される(R,R)体と、一般式(XIII)で表される(R,S)体との総量1モルに対して、通常、0.5〜2グラム当量、好ましくは0.5〜1.5グラム当量、特に好ましくは0.5〜1.3グラム当量程度である。前記酸は、通常、前記混合物1モルに対して、0.8〜1.2グラム当量、好ましくは0.9〜1.1グラム当量程度使用する場合が多い。
【0235】
前記塩を形成したのち、必要に応じて、塩基を添加してもよい。前記塩基としては、前記一般式(I)で表される2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の分離精製の説明箇所で例示した塩基等を用いることができる。好ましい塩基には、第3級アミン、特に脂肪族第3級アミンが含まれる。なかでも、トリC1-8 アルキルアミンが好適に用いられる。
【0236】
塩基の添加量は、一般式(XI)で表される(R,R)体の量等に応じて適宜選択できるが、一般式(XI)で表される(R,R)体と一般式(XIII)で表される(R,S)体との総量1モルに対して、0.05〜0.8グラム当量、好ましくは0.05〜0.6グラム当量(例えば、0.05〜0.5グラム当量程度)、更に好ましくは0.1〜0.5グラム当量程度である。
【0237】
塩基を添加すると、(R,R)体が(R,S)体と比較して塩基性が高いためか、(R,S)体が選択的にフリー化し、光学純度の高い(R,R)体を効率よく得ることができる。
【0238】
反応温度は、前記(R,R)体、(R,S)体の種類や使用溶媒の種類によって異なるが、例えば、溶媒の沸点付近まで加熱し、前記混合物を溶解させた後、自然放冷により室温まで冷却するか、又は、オイルが生じないようにしながら室温或いは−10℃程度まで冷却させることにより、目的化合物の結晶を得ることができる。但し、前記化合物の融点が使用溶媒の沸点よりも低いときは、塩の形成は、前記化合物の融点以下の温度で行うことが望ましい。
【0239】
塩の形成、分別結晶は、反応に不活性な溶媒中で行うことができる。前記溶媒としては、水素添加反応で例示した低級アルコール類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、環式脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類及びエステル類等が挙げられる。これらの溶媒は一種または二種以上混合して使用できる。好ましい溶媒には、エステル類(例えば、酢酸エチル等)、低級アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、エステル類と低級アルコール類との混合溶媒(例えば、酢酸エチル−メタノール混合溶媒、酢酸エチル−エタノール混合溶媒等)、低級アルコール類とエーテル類との混合溶媒(例えば、イソプロピルアルコール−ジイソプロピルエーテル混合溶媒など)等が挙げられる。なかでも、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、イソプロピルアルコール−ジイソプロピルエーテル混合溶媒等が好適に使用できる。
【0240】
こうして得られる(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体及びその塩は、生体内のβ3 受容体に選択的に作用し、血糖値を大幅に低下させると共に肥満を著しく抑制する。(R,R)体に見られるこの薬理活性は、他の光学異性体と比較して著しく高い。例えば、(R,R)−5−[2−[[2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−1,3−ベンゾジオキソール−2,2−ジカルボン酸ジナトリウム塩は、対応する(S,S)−エナンチオマーと比較して47倍もの高い活性を示す(前記米国特許明細書参照)。
【0241】
なお、上記反応において、前記(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体に代えて、対応する(S)体を使用した場合には、目的化合物である(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体はほとんど生成しない。また、2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体のラセミ体を用いた場合には、目的化合物の収率が低く、しかも4種類の光学異性体が生成するので、分離精製工程が煩雑になる。
【0242】
このように、本発明で用いる一般式(II)で表される(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体は、(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体を選択的に高収率でしかも簡易に得るための極めて有効な合成中間体であり、対応する(S)体及びラセミ体と比較してその有用性は著しく高い。
【0243】
さらに、前記(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体は、従来の合成中間体である(R)−1−メチル−2−フェニルエチルアミン誘導体と異なり、覚醒作用を示さないため、取扱いが容易であり、工業的スケールの生産にも適している。
【0244】
前記一般式(XI)で表される化合物のR7 、R8 は、慣用の方法により、ある1つの置換基から別の置換基に変換することができる。例えば、下記式の方法により、R7 、R8 が共にメトキシ基である(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体を、R7aとR8aとが一体となって式(XII)で表わされる基を形成した誘導体に容易に誘導できる。なお、下記式において、簡便のため、R7 、R8 が置換したフェニル基の部分のみを表す。
【0245】
【化40】
上記式において、R12、R13、R14はそれぞれ置換基を有していてもよいアルキル基を示し、Xa 、Xb はそれぞれハロゲン原子を示し、R6 、R9 、R10、R11はそれぞれ前記と同意義を示す。
【0246】
すなわち、R7 とR8 が共にメトキシ基である式(XI´a)の化合物に、BBr3 などの脱メチル化剤を作用させて脱メチル化し、次いで、炭酸カリウムなどの塩基の存在下、ジブロモマロン酸ジエチルなどのジハロマロン酸エステル(XIX)を反応させると、Ra 、Rb が置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基である前記式(XII)で表わされる基を有する化合物が得られる。この化合物は、水素化ホウ素リチウムなどの還元剤により、Ra 、Rb がヒドロキシメチル基である前記式(XI´d)で表わされる基を有する化合物に誘導できる。さらに、得られた化合物に、水素化ナトリウムなどの塩基の存在下、式(XX)で表わされるハロゲン化アルキルを反応させると、Ra 、Rb が置換基を有していてもよいアルコキシメチル基である前記式(XII)で表わされる基を有する化合物に変換できる。また、前記Ra 、Rb が置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基である式(XII)で表わされる基を有する化合物(XI´c)を、慣用の加水分解法、例えば、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウムなど)などのアルカリを用いたアルカリ加水分解などに供すると、Ra 、Rb がカルボキシル基またはその塩である前記式(XII)で表わされる基を有する化合物を得ることができる。この方法に関しては、上記米国特許第5061727号明細書およびJ. Med. Chem.,35,3081(1992) の記載を参照できる。
【0247】
こうして得られた(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体またはその塩は、そのまま、あるいは必要に応じて適当な化学的修飾を施すことにより、抗肥満薬、糖尿病治療薬などの医薬等として好適に使用できる。上記化学的修飾の方法は、例えば、前記ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J. Med. Chem.)、第35巻、第3081ページ(1992年)、米国特許第5061727号明細書および「有機合成における保護基」(T.W.Green, "Protective groups in Organic Synthesis" A.Wiley Intersience Publication, John Wiley & Sons (1981))の記載を参照できる。
【0248】
次に、前記一般式(XV)で表される(S)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の製造方法について説明する。
【0249】
前記一般式(XV)のR1 〜R5 の好ましい例としては、前記一般式(IIa)について例示した置換基等が挙げられる。
【0250】
一般式(XV)で表される化合物の具体例およびその好ましい例としては、対応する一般式(IIa)で表される(R)体について例示した化合物のエナンチオマーなどが挙げられる。
【0251】
前記一般式(XV)で表される(S)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体は、種々の方法、例えば、前記一般式(IIa)で表される(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の製造方法に準じた方法で製造できる。例えば、前記一般式(XV)で表される(S)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体は、化学的合成法などによっても製造できるが、微生物又はその処理物を用いる方法により有利に製造できる。すなわち、一般式(XV)で表される(S)体は、(E)一般式(I)で表される2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体又はその塩のエナンチオマー混合物に、特定の微生物またはその処理物を作用させ、ついで、生成した(S)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を回収する方法(以下、不斉資化法という)により、あるいは、(F)前記一般式(VII)で表される化合物又はその塩に、特定の微生物またはその処理物を作用させて不斉還元し、ついで生成した(S)体の光学活性化合物を回収すること(以下、不斉還元法という)により、容易かつ簡便に得ることができる。
【0252】
以下、(E)不斉資化法について説明する。
【0253】
この方法において使用する微生物は、一般式(I)で表される2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体又はその塩のエナンチオマー混合物に作用し、対応する(S)体の光学活性体を生成させうる能力を有する微生物であればよい。このような微生物には、前記両エナンチオマーのうち、(R)体を選択的に資化する微生物、および(R)体を選択的に他の化合物((S)体を含む)に変換する微生物等が含まれる。
【0254】
前記能力を有する微生物には、例えば、サッカロマイセス(Saccharomyces)属、ピキア(Pichia)属、シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属、キャンディダ(Candida)属、ハンセヌラ(Hansenula)属、ヤロウビア(Yarrowia)属、ゲオトリカム(Geotrichum)属、ミクロコッカス ルテウス(Micrococcus luteus)、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、コリネバクテリウム(Corynebacterim)属、キサンソモナス(Xanthomonas)属、アクチノマキュラ(Actinomaqura)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ハフニア(Hafnia)属、アクチノプラネス(Actinoplanes)属、エシェリヒア(Escherichia)属、バチラス(Bacillus)属、リストネラ(Listonella)属、ノサルディオイデス(Nosardioides)属、アミコラタ(Amycolata)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ペニシリウム(Penicillium)属、コリネスポラ(Corynespora)属、フザリウム(Fusarium)属、ゲラシノスポラ(Gelasinospora)属、ヘルミンソスポリウム(Helminthosporium)属、モルチエレリア(Mortierelia)属、ネオサルトルヤ(Neosartorya)属、フィトフソラ(Phytophthora)属、タラロマイセス(Talaromyces)属、スコレコバシディウム(Scolecobasidium)属およびロドコッカス(Rhodococcus)属に属する微生物群から選択された微生物などが含まれる。
【0255】
具体的には、一般式(I)で表される化合物のエナンチオマー混合物に作用し、対応する(S)体を生成させうる能力を有する微生物として、例えば、次のような微生物が挙げられる。
【0256】
(66)サッカロマイセス(Saccharomyces)属:サッカロマイセス セレビシェ(Saccharomyces cerevisiae)IFO 0718、サッカロマイセス セレビシェ(Saccharomyces cerevisiae)IFO 0735、サッカロマイセス セレビシェ(Saccharomyces cerevisiae)IFO 0206など、
(67)ピキア(Pichia)属:ピキア ファビアニイ(Pichia fabianii)IFO 1254など、
(68)シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属:シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)IAM 4890など、
(69)キャンディダ(Candida)属:キャンディダ ギリエルモンディ(Candida guilliermondii)IFO 0566、キャンディダ メリビオシカ(Candida melibiosica)IFO 10238など、
(70)ハンセヌラ(Hansenula)属:ハンセヌラ ポリモルファ(Hansenula polymorpha)DSM 70277など。
【0257】
(71)ヤロウビア(Yarrowia)属:ヤロウビア リポリチカ(Yarrowia lipolytica)IFO 0746など、
(72)ゲオトリカム(Geotrichum)属:ゲオトリカム カピタタム(Geotrichum capitatum)IFO 0743、ゲオトリカム カピタタム(Geotrichum capitatum)IFO 1197など、
(73)ミクロコッカス ルテウス(Micrococcus luteus):ミクロコッカス ルテウス(Micrococcus luteus)IAM 12009、ミクロコッカス ルテウス(Micrococcus luteus)IAM 12144、ミクロコッカス ルテウス(Micrococcus luteus)IAM 1157、ミクロコッカス ルテウス(Micrococcus luteus)IFO 3333など、
(74)ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属:ブレビバクテリウム イオジナム(Brevibacterium iodinum)IFO 3558など、
(75)コリネバクテリウム(Corynebacterim)属:コリネバクテリウム セペドニカム(Corynebacterim sepedonicum)IFO 3306など、
(76)キサンソモナス(Xanthomonas)属:キサンソモナス スピーシーズ(Xanthomonas sp.)IFO 12997など、
(77)アクチノマキュラ(Actinomaqura)属:アクチノマキュラ クレメア サブスピーシーズ クレメア(Actinomaqura cremea subsp. cremea)IFO 14182など、
(78)エンテロバクター(Enterobacter)属:エンテロバクター アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)IFO 12010など、
(79)シュードモナス(Pseudomonas)属:シュードモナス アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)IFO 3445など、
(80)ハフニア(Hafnia)属:ハフニア アルベイ(Hafnia alvei)IFO 3731など。
【0258】
(81)アクチノプラネス(Actinoplanes)属:アクチノプラネス ロバタス(Actinoplanes lobatus)IFO 12513など、
(82)エシェリヒア(Escherichia)属:エシェリヒア コリ(Escherichia coli)IAM 1239など、
(83)バチラス(Bacillus)属:バチラス リシェニフォルミス(Bacillus licheniformis)BGSC 5A18など、
(84)リストネラ(Listonella)属:リストネラ アングイルラルム(Listonella anguillarum)IFO 12710など、
(85)ノサルディオイデス(Nosardioides)属:ノサルディオイデス フラバス(Nosardioides flavus)IFO 14396など、
(86)アミコラタ(Amycolata)属:アミコラタ オートトロフィカ(Amycolata autotrophica)IFO 12743など、
(87)アスペルギルス(Aspergillus)属:アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)IFO 4415、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)AHU 7115、アスペルギルス フィカム(Aspergillus ficuum)IFO 4318、アスペルギルス カウディダス(Aspergillus cavdidus)IFO 4389、アスペルギルス オリゼエ(Aspergillus oryzae)IFO 4390、アスペルギルス オリゼエ バライティ ブルンネウス(Aspergillus oryzae var. brunneus)JCM 2240、アスペルギルス タマリ(Aspergillus tamarii)IAM 2138など、
(88)ペニシリウム(Penicillium)属:ペニシリウム クリソゲナム(Penicillium chrysogenum)IAM 7142など、
(89)コリネスポラ(Corynespora)属:コリネスポラ キャシコラ(Corynespora cassiicola)IFO 6724など、
(90)フザリウム(Fusarium)属:フザリウム ソラニィ(Fusarium solani)IFO 5232など。
【0259】
(91)ゲラシノスポラ(Gelasinospora)属:ゲラシノスポラ セレアリス(Gelasinospora cerealis)IFO 6759など、
(92)ヘルミンソスポリウム(Helminthosporium)属:ヘルミンソスポリウム シグモイデウム バライティ イレアウル(Helminthosporium sigmoideum var. irreavl)IFO 5273など、
(93)モルチエレリア(Mortierelia)属:モルチエレリア イサベリイナ(Mortierelia isabellina)IFO 6336、モルチエレリア ラマニアナバライティ ラマニアナ(Mortierelia ramanniana var. ramanniana)IFO7825など、
(94)ネオサルトルヤ(Neosartorya)属:ネオサルトルヤ フィシェリバライティ スピノザ(Neosartorya fischeri var. spinosa)IFO 5955など、
(95)フィトフソラ(Phytophthora)属:フィトフソラ キャプシシ(Phytophthora capsici)IFO 8386など、
(96)タラロマイセス(Talaromyces)属:タラロマイセス フラバス バライティ フラバス(Talaromyces flavus var. flavus)IFO 7231など、
(97)スコレコバシディウム(Scolecobasidium)属:スコレコバシディウム テレウム(Scolecobasidium terreum)IFO 8854など、
(98)ロドコッカス(Rhodococcus)属:ロドコッカス ルテウス(Rhodococcus luteus)JCM 6162、ロドコッカス エリスロポリス(Rhodococcus erythropolis)JCM 6821、ロドコッカス エリスロポリス(Rhodococcus erythropolis)JCM 6827、ロドコッカス グロベルラス(Rhodococcus globerrulus)IFO 14531など
これらの微生物は少なくとも一種用いられる。これらの微生物またはその処理物を、前記一般式(I)で表される2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体のエナンチオマー混合物に作用させると、両エナンチオマーのうち(S)体の存在比率が向上する。
【0260】
なお、IFO、JCM、ATCC、DSM、IAM、BGSC、AHUの各番号の付された微生物は前記施設等から入手することができる。
【0261】
上記の微生物は、前記能力を有する限り、野生株、変異株、または細胞融合もしくは遺伝子操作法等の遺伝子的手法により誘導される組換え株など、何れの株であっても好適に使用できる。
【0262】
前記微生物の培養、反応、および反応生成物の回収は、前記一般式(IIa)で表される(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を製造する方法と同様にして行うことができる。
【0263】
次に、(F)不斉還元方法について説明する。
【0264】
この方法では、前記一般式(VII)で表される化合物を不斉還元し、対応する光学活性な一般式(XV)で表される化合物を生成する能力を有する微生物であれば、何れの微生物も使用することができる。
【0265】
この様な能力を有する微生物としては、例えばボトリオアスクス(Botryoascus) 属、ブレタノミセス(Brettanomyces) 属、カンジダ(Candida) 属、シテロミセス(Citeromyces) 属、クラビスポラ(Clavispora)属、デバリオミセス(Debaryomyces)属、ディポダスクス(Dipodascus)属、エレマスクス(Eremascus)属、ガラクトミセス(Galactomyces)属、ゲオトリクム(Geotrichum)属、イサチェンキア(Issatchenkia)属、クルイベロミセス(Kluyveromyces) 属、コンドア(Kondoa)属、リポミセス(Lipomyces) 属、マラセジア(Malassezia)属、オオスポリジウム(Oosporidium) 属、パチソレン(Pachysolen)属、ピチア(Pichia)属、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)属、ロドトルラ(Rhodotorula) 属、サッカロミセス(Saccharomyces) 属、サッカロミコデス(Saccharomycodes) 属、サッカロミコプシス(Saccharomycopsis)属、シゾブラストスポリオン(Schizoblastosporion) 属、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces) 属、スポリジオボルス(Sporidiobolus) 属、スポロボロミセス(Sporobolomyces)属、ウイッケルハミエラ(Wickerhamiella)属、ウインゲア(Wingea)属、ジゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces) 属、バシルス(Bacillus)属、コマモナス(Comamonas) 属、ロドバクター(Rhodobacter) 属、エンテロコックス(Enterococcus)属、ラクトバシルス(Lactobacillus) 属、ペディオコックス(Pediococcus) 属、ロイコノストク (Leuconostoc)属及びストレプトコックス(Streptococcus) 属に属する微生物が例示される。
【0266】
具体的には、一般式(VII)で表されるアミノケトン誘導体に作用して、対応する一般式(XV)で表される(S)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を生成させうる微生物として、例えば、次のような微生物が挙げられる。
【0267】
(99)ボトリオアスクス(Botryoascus) 属:ボトリオアスクス シンナエデンドルス(Botryoascus synnaedendrus) IFO 1604など、
(100)ブレタノミセス(Brettanomyces) 属:ブレタノミセス アノマルス(Brettanomyces anomalus) IFO 0642など、
(101)カンジダ(Candida) 属:カンジダ アルビカンス(Candida albicans) IFO 1856,カンジダ ビイチイ(Candida beechii) IFO 10229、カンジダ エルガテンシス(Candida ergatensis) IFO 10233、カンジダ フシホルマタ(Candida fusiformata) IFO 10225、カンジダ ギリエルモンデイ(Candida guilliermondii) IFO 0566、カンジダハロニトラトフィラ(Candida halonitratophila) IFO 1595、カンジダ オレゴネンシス(Candida oregonensis) IFO 1980、カンジダ ペルタタ(Candida peltata) IFO 1853、カンジダ パラプシロシス(Candida parapsilosis) IFO 10305、カンジダ ソルボキシロサ(Candida sorboxylosa) IFO 1578など、
(102)シテロミセス(Citeromyces) 属:シテロミセス マトリテンシス(Citeromyces matritensis) IFO 0954など、
(103)クラビスポラ(Clavispora)属:クラビスポラ ルシタニアエ(Clavispora lusitaniae) IFO 1019など、
(104)デバリオミセス(Debaryomyces)属:デバリオミセス ハンセニイバライティ ハンセニイ(Debaryomyces hansenii var. hansenii) IFO 0083など、
(105)ディポダスクス(Dipodascus)属:ディポダスクス オベテンシス(Dipodascus ovetensis)IFO 1201など、
(106)エレマスクス(Eremascus)属:エレマスクス ファーチリス(Eremascus fertilis) IFO 0691など、
(107)ガラクトミセス(Galactomyces)属:ガラクトミセス レッシイ(Galactomyces reessii) IFO 1112など、
(108)ゲオトリクム(Geotrichum)属:ゲオトリクム ファーメンタンス(Geotrichum fermentans) CBS 452.83、ゲオトリクム カンジドゥム(Geotrichum candidum) IFO 4601、ゲオトリクム カピタトゥム(Geotrichum capitatum) IFO 1197、ゲオトリクム クレバニイ(Geotrichum klebahnii) JCM 2171など、
(109)イサチェンキア(Issatchenkia)属:イサチェンキア スクツラタバライティ スクツラタ(Issatchenkia scutulata var. scutulata) IFO 10069など、
(110)クルイベロミセス(Kluyveromyces) 属:クルイベロミセス ラクチス(Kluyveromyces lactis) IFO 1267、クルイベロミセス マルキシアヌス バライティ ブルガリクス(Kluyveromyces marxianus var. bulgaricus) IAM 4829など。
【0268】
(111)コンドア(Kondoa)属:コンドア マルビネラ(Kondoa malvinella) IFO 1935など、
(112)リポミセス(Lipomyces) 属:リポミセス スタルキイ(Lipomyces starkeyi) IFO 1289など、
(113)マラセジア(Malassezia)属:マラセジア フルフル(Malassezia furfur) IFO 0656など、
(114)オオスポリジウム(Oosporidium) 属:オオスポリジウム マルガリチフェルム(Oosporidium margaritiferum) IFO 1208など、
(115)パチソレン(Pachysolen)属:パチソレン タンノフィルス(Pachysolen tannophilus) IFO 1007など、
(116)ピチア(Pichia)属:ピチア ファリノサ(Pichia farinosa) IFO 1163、ピチア ホルスチイ (Pichia holstii) IFO 0986、ピチア スブペリクロサ(Pichia subpelliculosa) IFO 0808、ピチア トレタナ(Pichia toletana) IFO 0950など、
(117)ロドスポリジウム(Rhodosporidium)属:ロドスポリジウム ジオボバトゥム(Rhodosporidium diobovatum) IFO 0688など、
(118)ロドトルラ(Rhodotorula) 属:ロドトルラ グルチニス(Rhodotorula glutinis) IFO 0389、ロドトルラ グルチニス バライティ ダイレネンシス(Rhodotorula glutinis var. dairenensis) IFO 0415など、
(119)サッカロミセス(Saccharomyces) 属:サッカロミセス クルイベリ(Saccharomyces kluyveri) IFO 1894、サッカロミセス パラドクス(Saccharomyces paradoxus) IFO 0259など、
(120)サッカロミコデス(Saccharomycodes) 属:サッカロミコデス ルドウィギィ(Saccharomycodes ludwigii) IFO 0798など。
【0269】
(121)サッカロミコプシス(Saccharomycopsis)属:サッカロミコプシスカプスラリス(Saccharomycopsis capsularis) IFO 0672など、
(122)シゾブラストスポリオン(Schizoblastosporion) 属:シゾブラストスポリオン コバヤシイ(Schizoblastosporion kobayasii) IFO 1644など、
(123)シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces) 属:シゾサッカロミセス ポンベ(Schizosaccharomyces pombe) IFO 0358など、
(124)スポリジオボルス(Sporidiobolus) 属:スポリジオボルス パラロセウス(Sporidiobolus pararoseus) JCM 5350など、
(125)スポロボロミセス(Sporobolomyces)属:スポロボロミセス パラロセウス(Sporobolomyces pararoseus) IFO 0471、スポロボロミセス サルモニコロ(Sporobolomyces salmonicolor) AHU 3982など、
(126)ウイッケルハミエラ(Wickerhamiella)属:ウイッケルハミエラ ドメルックイ(Wickerhamiella domercquii) IFO 1857など、
(127)ウインゲア(Wingea)属:ウインゲア ロベルツイ(Wingea robertsii) IFO 1277など、
(128)ジゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces) 属:ジゴサッカロミセス バイリイ(Zygosaccharomyces bailii) DSM 70492、ジゴサッカロミセス ファーメンタチ(Zygosaccharomyces fermentati) IFO 0021など、
(129)バシルス(Bacillus)属:バチルス スブチリス(Bacillus subtilis) IFO 3037など、
(130)コマモナス(Comamonas) 属:コマモナス テリゲナ(Comamonas terrigena) IFO 13299など。
【0270】
(131)ロドバクター(Rhodobacter) 属:ロドバクター スファエロイデス(Rhodobacter sphaeroides) IFO 12203など、
(132)エンテロコックス(Enterococcus)属:エンテロコックス フェカリス(Enterococcus faecalis) NRIC 1142など、
(133)ラクトバシルス(Lactobacillus) 属:ラクトバシルス ラクチス(Lactobacillus lactis) AHU 1059など、
(134)ペディオコックス(Pediococcus) 属:ペディオコックス アシディラクチシ(Pediococcus acidilactici) IFO 3076など、
(135)ロイコノストク (Leuconostoc)属:ロイコノストク メセンテロイデス サブエスピー デキストラニクム(Leuconostoc mesenteroides subsp. dextranicum) NRIC 1085、ロイコノストク メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides) AHU 1071、ロイコノストク オエノス(Leuconostoc oenos) DSM 20252など、
(136)ストレプトコックス(Streptococcus) 属:ストレプトコックス ウベリス(Streptococcus uberis) NRIC 1153等が含まれる。
【0271】
この方法では、前記能力を有する限り、野生株、変異株、または細胞融合もしくは遺伝子操作等の遺伝子的手法により誘導される組み換え株等、いずれの株でも好適に用いることができる。
【0272】
なお、IFO、AHU、DSM、JCMの各番号の付された微生物は、前記施設などから入手できる。IAM番号の付された微生物は、(財)応用微生物学研究奨励会発行のIAM Catalogue of strains 第1版(1993)に記載されており、東京大学応用微生物研究所微細藻類総合センターから入手できる。
【0273】
CBS番号の付された微生物は、CENTRAALBUREAU VOOR SCHIMMELCULTURES(CBS)発行のList of cultures FUNGI and YEAST 第32版(1990)に記載されており、該施設から入手できる。
【0274】
NRIC番号の付された微生物は、東京農業大学菌株保存室発行の菌株カタログ第2版(1992)に記載されており、該施設から入手することができる。
【0275】
前記微生物の培養、不斉還元反応、および反応生成物の回収は、一般式(IIa)で表される(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を製造する場合と同様にして行うことができる。
【0276】
さらに、一般式(XV)で表される(S)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体は、前記一般式(IIa)で表される(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の製法(C)および(D)に準じて製造することもできる。すなわち、一般式(XV)で表される(S)体は、前記製法(C)において、反応成分として用いる式(III)で表される化合物または式(IV)で表される化合物として、それぞれ光学活性な(S)体を用いることにより、容易に得ることができる。また、前記(S)体は、前記製法(D)において、分別結晶等により、対応する(R)体から容易に分離することができる。
【0277】
一般式(XV)で表される(S)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体は、例えば、立体反転を伴う求核置換反応に供することにより、一般式(IIa)で表わされる(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体に変換することができる。この反応は、求核試薬を用いることによって行うことができる。
【0278】
例えば、一般式(XV)で表される(S)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体は、反応を立体反転で進行させる試薬、触媒、反応条件等を選択することにより、下記式に従い、容易に、一般式(IIa)で表わされ(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体に変換することができる。
【0279】
【化41】
一般式(XV)中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は前記と同意義を示す。
【0280】
一般式(XV)で表される化合物から、一般式(IIa)で表される化合物への転換は、より具体的には、例えば、光延反応を利用した以下の方法で行うことができる。
【0281】
すなわち、トリアリールホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィンなど)及びアゾジカルボン酸エチルなどのアゾジカルボン酸エステルの存在下、一般式(XV)の化合物に有機酸を反応させ、立体反転した対応する有機酸エステルとした後、加水分解することにより、前記一般式(IIa)で表される化合物を得ることができる。前記有機酸としては、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸等が挙げられる。上記の有機酸エステル生成反応は、例えば−60〜60℃程度の温度で行うことができる。反応は、例えば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、テトラヒドロフランなどのエーテル類など、反応に不活性な溶媒中で行うこともできる。
【0282】
トリアリールホスフィン、有機酸、及びアゾジカルボン酸エステルの使用量は、一般式(XV)で表される化合物1モルに対して、それぞれ、0.7〜2.0モル程度である。また、前記有機酸エステルの加水分解は、慣用の酸又はアルカリ加水分解法等により行うことができる(Synthesis, 1 (1981) ;Tetrahedron Lett., 1619 (1973);Bull. Chem. Soc. Jpn.,44, 3427 (1971) 参照)。
【0283】
光学活性なアルコールを立体反転した対応するエナンチオマーに変換する方法として、次の方法も本発明に適用できる。すなわち、光学活性アルコールを、トリクロロ酢酸エステルなどのカルボン酸エステルにした後、例えば75%水−ジオキサンなどの水−エーテル系溶媒中で加水分解することにより、立体反転した対応する光学活性アルコールを得ることができる(Chem. Lett.,1976, 893 参照)。また、光学活性なアルコールをp−トルエンスルホン酸エステルなどのスルホン酸エステルとし、このスルホン酸エステルにテトラエチルアンモニウムアセテート、酢酸ナトリウム(及び酢酸)などの有機酸塩を反応させて、立体的に反転した対応する有機酸エステルに変換し、次いで加水分解することによっても、対応する反転した光学活性アルコールを得ることができる(J. Am. Chem. Soc.,87, 3682, (1965);J. Chem. Soc.,1954, 965 参照)。
【0284】
こうして得られる一般式(IIa)で表される(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体は、前記のように(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体の極めて重要な合成中間体である。従って、前記一般式(XV)で表される(S)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体は、上記の合成中間体の中間原料として非常に有用である。
【0285】
なお、前記の一般式(XV)で表される(S)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体から一般式(IIa)で表される(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体への変換方法は、また、対応する(R)体のエナンチオマーから(S)体のエナンチオマーへの変換にも適用できる。
【0286】
なお、前記各製造、分離製製法において、原料化合物がヒドロキシル基又はアミノ基を有する時は、必要に応じて、これらのヒドロキシル基などを適当な保護基で保護して反応に供してもよい。この様な保護基としては、例えば、前記例示のヒドロキシル基の保護基やアミノ基の保護基等を適宜使用できる。
【0287】
【発明の効果】
本発明の(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体および(S)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の製造方法によれば、それぞれ、光学活性な目的化合物を、簡便にしかも高い光学純度で収率よく得ることができる。前記(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体は、(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体を良好な収率で効率よく製造するための合成中間体として極めて有用であり、入手および取り扱いも容易である。また、前記(S)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体は、前記(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の中間原料として好適に用いることができる。
【0288】
本発明の2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の製造方法によれば、光学活性な(R)または(S)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を効率よく得るために有用な2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を簡単な操作で収率よく、しかも高い純度で得ることができる。
【0289】
また、本発明の(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体の製造法によれば、光学純度の高い(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体を、簡便な方法により、高い収率で製造することができる。
【0290】
【実施例】
以下に、実施例に基いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0291】
なお、下記実施例において、2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の定量および光学純度の測定は、特に断らないかぎり、反応生成物を光学分割カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー[カラム:ダイセル化学工業(株)製、商品名クラウンパックCR、移動相:過塩素酸緩衝液(pH2.0)、波長:220nm、流速:1ml/分、カラム温度:40℃]に付すことにより行った。上記測定条件において、例えば、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールの保持時間は16.8分、(S)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールの保持時間は18.5分である。
【0292】
実施例1〜100[(R)−2−アミノ−(3−クロロフェニル)エタノールの製造]
下記組成の菌体調製用培地(1)及び(2)を調製した。
【0293】
[菌体調製用培地(1):酵母・糸状菌用]
グルコース 2.0重量%
酵母エキス 0.3重量%
麦芽エキス 0.3重量%
ポリペプトン 0.5重量%
脱イオン水 96.9重量%
(pH6.0)
[菌体調製用培地(2):細菌・放線菌用]
グルコース 2.0重量%
酵母エキス 0.5重量%
肉エキス 0.3重量%
ポリペプトン 0.3重量%
硫酸アンモニウム 0.2重量%
リン酸二水素一カリウム 0.1重量%
脱イオン水 96.6重量%
(pH7.0)
上記の菌体調製用培地5mlを内径21mmφの試験管に入れ、滅菌後、下記の微生物を、酵母・糸状菌については前記培地(1)、細菌・放線菌については前記培地(2)にそれぞれ植菌し、30℃で48時間振盪培養を行った。続いて遠心分離により菌体を分離し、生菌体を得た。
【0294】
[酵母]
実施例1:ハンセヌラ アノマラ(Hansenula anomala)IFO 0707
実施例2:ゲオトリカム カンディダム(Geotrichum candidum)IFO 4601
実施例3:ゲオトリカム カンディダム(Geotrichum candidum)IFO 4598
実施例4:キャンディダ アルビカンス(Candida albicans)IFO 1594
実施例5:キャンディダ アルビカンス(Candida albicans)IFO 1856
実施例6:キャンディダ パラプシロシス(Candida parapsilosis)IFO 1022
実施例7:キャンディダ グロペンギェセリ(Candida gropengiesseri)IFO 0659
実施例8:キャンディダ アセリ(Candida aaseri)IFO 10404
実施例9:キャンディダ ビーチー(Candida beechii)IFO 10229
実施例10:キャンディダ アトモスフェリカ(Candida atmospherica)IFO 1969。
【0295】
実施例11:キャンディダ ナタレンシス(Candida natalensis)IFO 1981
実施例12:キャンディダ パルディゲナ(Candida paludigena)IFO 10330
実施例13:キャンディダ サケ(Candida sake)IFO 1149
実施例14:キャンディダ ピントロペシイ バライティ ピントロペシイ(Candida pintolopesii var. pintolopesii)IFO 0729
実施例15:クリプトコッカス ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)IAM 4788
実施例16:ロドスポリディウム スパエロカルプム(Rhodosporidium spaerocarpum)IFO 1438
実施例17:ロドスポリディウム ディオボヴァタム(Rhodosporidium diobovatum)IFO 0688
実施例18:ロドトルラ ルブラ(Rhodotorula rubra)IFO 0406
実施例19:ロドトルラ ルブラ(Rhodotorula rubra)AHU 3948
実施例20:ロドトルラ グルチニス バライティ ダイレネンシス(Rhodotorula glutinis var. dairenensis)IFO 0415
実施例21:スポロボロマイセス ロゼウス(Sporobolomyces roseus)IFO 1040
実施例22:クルイベロマイセス マルキアナス バライティ ブルガリカス(Kluyveromyces marxianus var. bulgaricus)IAM 4829
実施例23:クルイベロマイセス ラクティス(Kluyveromyces lactis)IFO 1267
実施例24:イサチェンキア スクツラタ バライティ スクツラタ(Issatchenkia scutulata var. scutulata)IFO 10069
実施例25:イサチェンキア スクツラタ バライティ スクツラタ(Issatchenkia scutulata var. scutulata)IFO 10070
実施例26:ピキア サーモトレランス(Pichia thermotolerans)IFO 10024
実施例27:ピキア ファリノサ(Pichia farinosa)IFO 1163
実施例28:ボトリオアスカス シンナエデンドラス(Botryoascus synnaedendrus)IFO 1604
実施例29:デバリオマイセス ハンセニイ(Debaryomyces hansenii)IFO 0083
実施例30:リポマイセス スタルキイ(Lipomyces starkeyi)IFO 1289。
【0296】
実施例31:メトシュニコビア ビカスピダタ(Metschnikowia bicuspidata)IFO 1408
実施例32:サッカロマイコデス ラドブィギィ(Saccharomycodes ludwigii)IFO 0798
実施例33:シゾブラストスポリオン コバヤシ(Schizoblastosporion kobayasii)IFO 1644
実施例34:ステパノアスカス シフェリイ(Stepahnoascus ciferrii)IFO 1854
実施例35:ステリグマトマイセス ハロフィラス(Sterigmatomyces halophilus)IFO 1488
実施例36:ジゴサッカロマイセス ルーシー(Zygosaccharomyces rouxii)IFO 0510
実施例37:ジゴサッカロマイセス ルーシー(Zygosaccharomyces rouxii)IAM 4114
実施例38:ジゴサッカロマイセス ファメンタティ(Zygosaccharomyces fermentati)IFO 0021
実施例39:スポリディオボラス サルモニカラー(Sporidiobolus salmonicolor)IFO 1845
実施例40:スポリディオボラス パラロゼウス(Sporidiobolus pararoseus)IFO 1107
実施例41:マラッセジア フルフル(Malassezia furfur)IFO 0656
実施例42:トルラスポラ デルブルッキイ(Torulaspora delbrueckii)IFO 0955
実施例43:サッカロマイコプシス キャプスラリス(Saccharomycopsis capsularis)IFO 0672
実施例44:ロイコスポリディウム スコッティ(Leucosporidium scottii)IFO 1923
実施例45:ロイコスポリディウム スコッティ(Leucosporidium scottii)IFO 1924。
【0297】
[糸状菌]
実施例46:アグロシベ シリンドラセア(Agrocybe cylindracea)IFO 30299
実施例47:トリコデルマ ブィリデ(Trichoderma viride)IFO 5720
実施例48:アルテルナリア キクチアナ(Alternaria kikuchiana)IFO
5778
実施例49:ハミゲラ アベラネア(Hamigera avellanea)IFO 7721
実施例50:モニリエラ アセトアブタンス(Moniliella acetoabutans)IFO 9481
実施例51:フォリオタ ナメコ(Pholiota nameko)IFO 6141
実施例52:ポドスポラ カルドナリア(Podospora cardonaria)IFO 30294
実施例53:アエゲリタ キャンディダ(Aegerita candida)IFO 6988
[細菌・放線菌]
実施例54:コリネバクテリウム アクアチカム(Corynebacterium aquaticum)IFO 12154
実施例55:コリネバクテリウム メディオラナム(Corynebacterium mediolanum)JCM 3346
実施例56:グルコノバクター アサイ(Gluconobacter asaii)IFO 3265
実施例57:グルコノバクター オキシダンス(Gluconobacter oxydans)IFO 3255
実施例58:グルコノバクター オキシダンス(Gluconobacter oxydans)IFO 3130
実施例59:グルコノバクター オキシダンス(Gluconobacter oxydans)IFO 3289
実施例60:グルコノバクター フラテウリ(Gluconobacter frateurii)IFO 3271。
【0298】
実施例61:プロミクロモノスポラ シトレア(Promicromonospora citrea)IFO 12397
実施例62:シュードモナス アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)IFO 3899
実施例63:シュードモナス リボフラヴィナ(Pseudomonas riboflavina)IFO 13584
実施例64:シュードモナス フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)IFO 3925
実施例65:シュードモナス プチダ(Pseudomonas putida)IFO 12996
実施例66:シュードモナス シンシアネア(Pseudomonas syncyanea)IFO 3757
実施例67:シュードモナス ディミヌタ(Pseudomonas diminuta)IFO 12697
実施例68:シュードモナス クロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis)IFO 3522
実施例69:シュードモナス フラギ(Pseudomonas fragi)IFO 3458
実施例70:シュードモナス スピーシーズ(Pseudomonas sp.)ATCC 14676。
【0299】
実施例71:ボーデテラ ブロンチセプチカ(Bordetella bronchiseptica)IFO 13691
実施例72:アセトバクター スピーシーズ(Acetobacter sp.)IFO 3248
実施例73:アセトバクター スピーシーズ(Acetobacter sp.)IFO 3297
実施例74:アセトバクター パステウリアナス(Acetobacter pasteurianus)ATCC 10245
実施例75:アセトバクター パステウリアナス(Acetobacter pasteurianus)IFO 3259
実施例76:アセトバクター パステウリアナス(Acetobacter pasteurianus)IFO 3277
実施例77:バチラス ズブチルス(Bacillus subtilis)IFO 3013
実施例78:バチラス ズブチルス(Bacillus subtilis)IFO 3009
実施例79:バチラス セレウス(Bacillus cereus)AHU 1355
実施例80:バチラス セレウス(Bacillus cereus)AHU 1707
実施例81:バチラス セレウス(Bacillus cereus)IFO 3001
実施例82:バチラス コアグランス(Bacillus coagulans)IAM 1115
実施例83:バチラス ブレビス(Bacillus brevis)IFO 3331
実施例84:バチラス スファエリカス(Bacillus sphaericus)IFO 3525
実施例85:アグロバクテリウム ラジオバクター(Agrobacterium radiobacter)IFO 12664
実施例86:アルスロバクター ウレアファシエンス(Arthrobacter ureafaciens)IFO 12140
実施例87:アマウロアスカス レチクラタス(Amauroascus reticulatus)IFO 9196
実施例88:ブレビバクテリウム リーネンス(Brevibacterium linens)IFO 12141
実施例89:ミクロコッカス ロゼウス(Micrococcus roseus)IFO 3764
実施例90:アウレオバクテリウム テスタセウム(Aureobacterium testaceum)IFO 12675。
【0300】
実施例91:アゾトバクター ブィネランディ(Azotobacter vinelandii)IFO 13581
実施例92:キサンソモナス キャンペストリス ピーブイ オリゼエ(Xanthomonas campestris pv oryzae)IAM 1657
実施例93:クレブシエラ ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)IFO3317
実施例94:コマモナス テストステロニ(Comamonas testosteroni)IFO12048
実施例95:コマモナス テストステロニ(Comamonas testosteroni)IAM1048
実施例96:ミコバクテリウム ディエルンホフェリ(Mycobacterium diernhoferi)IFO 3707
実施例97:テルラバクター ツメセンス(Terrabacter tumescens)IFO12960
実施例98:ストレプトマイセス シネレオルバー(Streptomyces cinereoruber)HUT 6142
実施例99:ロドコッカス アミドフィリス(Rhodococcus amidophilis)IFO 0144
実施例100:ロドコッカス エクイ(Rhodococcus equi)JCM 1313。
【0301】
次に、内径21mmφの試験管に、0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)1mlを入れ、これに上記で得られた生菌体を懸濁した後、2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールのラセミ体5μlを添加し、30℃で48時間往復振盪して反応させた。
【0302】
反応終了後、反応液を遠心分離機で除菌し、上清を高速液体クロマトグラフィーに付して、得られた光学活性2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールの量、絶対配置及び光学純度を測定した。結果を表1〜5に示す。なお、表中、「量」は、反応液中に含まれる光学活性2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールの量(mg/ml)を示す。
【0303】
【表1】
【0304】
【表2】
【0305】
【表3】
【0306】
【表4】
【0307】
【表5】
実施例101〜111[(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノールの製造]
下記組成の菌体調製用培地(3)を調製した。尚、酵母・糸状菌については、前記実施例1〜100において用いた菌体調製用培地(1)を用いた。
【0308】
[菌体調製用培地(3):細菌用]
グルコース 2.0重量%
酵母エキス 0.5重量%
肉エキス 0.3重量%
ポリペプトン 0.3重量%
硫酸アンモニウム 0.2重量%
リン酸一カリウム 0.1重量%
硫酸マグネシウム 0.05重量%
脱イオン水 96.55重量%
(pH7.0)
上記の菌体調製用培地5mlを、内径21mmの試験管に入れ、滅菌後、下記の微生物を、酵母 糸状菌については、前記培地(1)、細菌については、前記培地(3)にそれぞれ植菌し、30℃で48時間往復振盪培養を行った。
【0309】
実施例101:カンジダ マルトサ (Candida maltosa)IFO 1977
実施例102:カンジダ マルトサ (Candida maltosa)IFO 1978
実施例103:ロデロミセス エロンギスポルス(Lodderomyces elongisporus)IFO 1676
実施例104:カテヌロプラネス ジャポニクス(Catenuloplanes japonicus) IFO 14176
実施例105:ピリメリア テレバサ(Pilimelia terevasa)IFO 14556
実施例106:サッカロスリクス アウストラリエンシス(Saccharothrix australiensis) IFO 14444
実施例107:セラチア マルセッセンス(Seratia marcescens)IFO 3735
実施例108:エンテロコックス ファエカリス(Enterococcus faecalis)IFO 12964
実施例109:ラクトバシルス カセイ サブエスピー カセイ(Lactobacillus casei subsr.casei)NRIC 1042
実施例110:ペディオコックス アシディラクチシ(Pediococcus acidilactici)NRIC 1089
実施例111:ストレプトコックス ラクチス(Streptcoccus lactis)AHU 1089。
【0310】
次いで、菌体を遠心分離により採取し、アミノメチル=フェニル=ケトン塩酸塩0.5%、およびクルコースを5%含有する0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)1mlに懸濁し、直径21mmの試験管中、30℃で48時間往復振盪し、反応させた。反応終了後、反応液を遠心分離で除菌し、上清を高速液体クロマトグラフィーで分析し、生成した(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノールの量、絶対配置および光学純度を測定した。結果を表6に示す。なお、表中「量」とは、反応液中に含まれる(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノールの量(mg/ml)を示す。
【0311】
【表6】
実施例112〜115[(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールの製造]
下記に示した微生物を用い、アミノメチル=フェニル=ケトン塩酸塩をアミノメチル=3−クロロフェニル=ケトン塩酸塩に代えた以外は、実施例101と同様にして培養、反応および分析を行い、生成した(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールの量、絶対配置および光学純度を測定した。結果を表7に示す。表中、「量」とは、反応液中の(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールの量(mg/ml)を示す。
【0312】
実施例112:ロデロミセス エロンギスポルス(Lodderomyces elongisporus)IFO 1676
実施例113:カンジダ マルトサ(Candidamaltosa)IFO 1978
実施例114:カンジダ マルトサ(Candidamaltosa)IFO 1977
実施例115:ピリメリア テレバサ(Pilimelia terevasa)IFO 14556
【0313】
【表7】
実施例116〜118[(R)−2−アミノ−1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)エタノールの製造]
下記に示した微生物を用い、アミノメチル=フェニル=ケトン塩酸塩をアミノメチル=3,4−ジヒドロキシフェニル=ケトン塩酸塩に代えた以外は、実施例101と同様にして培養、反応および分析を行い、生成した(R)−2−アミノ−1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)エタノールの量、絶対配置および光学純度を測定した。結果を表8に示す。表8中、「量」とは、反応液中の(R)−2−アミノ−1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)エタノールの量(mg/ml)を示す。
【0314】
実施例116:ロデロミセス エロンギスポルス(Lodderomyces elongisporus)IFO 1676
実施例117:カンジダ マルトサ(Candidamaltosa)IFO 1977
実施例118:カンジダ マルトサ(Candidamaltosa)IFO 1978
【0315】
【表8】
実施例119[(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールの製造]
2.6リットル容のジャーファーメンターにGY培地(グルコース2.4重量%、酵母エキス1.8重量%、硫酸アンモニウム0.2重量%、リン酸一カリウム0.1重量%、硫酸第一鉄7水塩15ppm、硫酸亜鉛7水塩15ppm)1.5リットルを入れ、オートクレーブを用いて滅菌した後、カンジダ マルトサ(Candida maltosa)IFO 1978を植菌し、pH6、30℃、通気1vvm、攪拌速度400rpmの条件で24時間培養した。
【0316】
培養終了後、菌体を集め、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)1リットルに懸濁し、アミノメチル=3−クロロフェニル=ケトン塩酸塩20g、およびグルコース50gを添加し、30℃、無通気、攪拌速度200rpmの条件で48時間反応させた。反応中、20%水酸化ナトリウム水溶液を用いて反応液のpHを6.5にコントロールした。反応の途中、反応液を分析したところ、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールが13.2g/lの濃度で生成していた。
【0317】
反応終了後、濃塩酸でpH2以下に酸性化した後、遠心分離により、菌体を除去し、得られた上清を減圧ロータリーエバポレーターを用いて、バス温50℃で脱水濃縮を行った。得られた濃縮物に、20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0にした後、食塩を50g添加し、300mlの塩化メチレンで3回抽出した。塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下溶媒し、油状物質9.8gを得た。光学分割カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー[カラム:ダイセル化学工業(株)製、商品名クラウンパックCR(+)]により分析した結果、得られた(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールの光学純度は100%eeであった。
【0318】
下記実施例120〜172において、得られた(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体又はその塩の光学純度の測定は、光学分割カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー[カラム:ダイセル化学工業(株)製キラルパックAD(商品名)、溶媒:n−ヘキサン/2−プロパノール/ジエチルアミン=90/10/0.1、流速:0.5ml/分、温度:25℃、検出波長:230nm]により行った。
【0319】
実施例120[(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[(2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エタノールの製造]
メチル=3,4−ジメトキシフェニルメチル=ケトン(5.83g)、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノール(5.15g)及び酸化白金(50mg)にイソプロピルアルコール(15ml)とジイソプロピルエーテル(30ml)、酢酸2滴を加え、室温常圧下水素雰囲気中24時間還元反応に付した。酸化白金を濾過後、減圧下溶媒を留去することにより、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノールの白色オイル8.43g(収率80.3%)を得た。得られた(R,R)体の光学純度は80%であった。
【0320】
実施例121〜128[(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノールの製造]
メチル=3,4−ジメトキシフェニルメチル=ケトン(0.344g)、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノール(0.304g)、酸化白金(50mg)、10mlの溶媒を用い、実施例120と同様の方法で(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノールを得た。表9に、使用溶媒と収率、(R,R)体光学純度を示す。なお、下記表9〜13において、「OMe」はメトキシ基、「Me」はメチル基、「NHAc」はアセチル基で置換されたアミノ基、「PTsOH」はp−トルエンスルホン酸を示す。また「光学純度」とは、得られた(R,R)体の光学純度を示す。
【0321】
【表9】
実施例129〜141[1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体の製造]
接触還元触媒として酸化白金、溶媒としてイソプロピルアルコール−ジイソプロピルエーテル(1:2)、および酸として酢酸を用い、反応原料として表10記載の化合物を用いた以外は、実施例120と同様にして(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体を製造した。原料と収率、得られた(R,R)体の光学純度を表10に示す。
【0322】
【表10】
実施例142[(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノールの製造]
メチル=3,4−ジメトキシフェニルメチル=ケトン(0.344g)を、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノール(0.304g)のベンゼン(40ml)溶液に加え、水−トラップを備えた装置中で1時間還流させ、生成する水を系中より除去した。反応液を冷却し、減圧下溶媒を留去し、残滓をメタノール(10ml)に溶解し、酸化白金を添加して、室温常圧下水素雰囲気中、24時間還元反応に付した。酸化白金を濾過後、減圧下溶媒を留去することにより、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノールの白色オイル0.501g(収率81.0%)を得た。得られた(R,R)体の光学純度は80%であった。
【0323】
実施例143〜150[(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体の製造]
溶媒としてイソプロピルアルコール−ジイソプロピルエーテル(1:2)を用い、表11に示す原料および接触還元触媒を用いた以外は、実施例142と同様にして、1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体を製造した。原料と、接触還元触媒、収率、得られた(R,R)体の光学純度を表11に示す。
【0324】
【表11】
実施例151[(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノールの製造]
光学純度89%の(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール(12.36g)を塩化水素を溶解したトルエンにて塩酸塩とした後、溶媒を減圧下留去した。得られたオイルをイソプロピルアルコール−ジイソプロピルエーテルの混液で再結晶したところ、白色粉末が7.57g得られた。前記粉末に10%NaOH/酢酸エチルを添加し、溶媒を留去することにより、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール(7.58g、光学純度98%)を得た。
【0325】
実施例152[(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノールの製造]
光学純度64%の(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール(0.103g)をイソプロピルアルコール1mLに溶解させ、(R)−(−)−2−(2,4,6−トリメチルフェニル)プロピオン酸(0.057g)を加え、次いでジイソプロピルエーテル2mLを加えて、白色粉末0.102gを得た。前記粉末に10%NaOH/酢酸エチルを添加し、溶媒を留去することにより、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール(0.065g、光学純度92%)が得られた。
【0326】
実施例153[(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノールの製造]
光学純度64%の(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール(0.107g)をイソプロピルアルコール1mLに溶解させ、(S)−2−(2,5−ジメチルフェニル)プロピオン酸(0.056g)を加え、次いでジイソプロピルエーテル4mLを添加して、白色粉末(0.046g)を得た。得られた粉末に10%NaOH/酢酸エチルを添加し、溶媒を留去することにより、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール(0.030g、光学純度99.4%)を得た。
【0327】
実施例154〜168[(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体の製造]
溶媒としてイソプロピルアルコール−ジイソプロピルエーテル(1:2)を用い、表12に示す原料および酸を用いた以外は実施例153と同様にして、(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体を製造した。尚、原料における(R,R)体光学純度は65%であった。得られた(R,R)体の光学純度を表12に示す。
【0328】
【表12】
実施例169[(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノールの製造]
光学純度65%の(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール(1.05g)を塩化水素を溶解したトルエンにより塩酸塩とした後、溶媒を減圧下留去してオイル状物質を得た。得られたオイル状物質にトリエチルアミン(0.15g)を加え、イソプロピルアルコール−イソプロピルエーテルの混液で再結晶したところ、白色粉末が0.80g得られた。これに10%NaOH/酢酸エチルを添加し、溶媒を留去することにより、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノール(0.70g、光学純度90%)を得た。
【0329】
実施例170〜171[(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体の製造]
溶媒にイソプロピルアルコール−ジイソプロピルエーテル(1:2)を用い、酸、塩基としてそれぞれ表13に示す酸および塩基を用いた以外は実施例169と同様にして、(R,R)−1−フェニル−2−[(2−フェニル−1−アルキルエチル)アミノ]エタノール誘導体を製造した。原料及び酸、塩基、得られた(R,R)体の光学純度を表13に示す。尚、原料中の(R,R)体の光学純度は65%であった。
【0330】
【表13】
実施例172[(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノールの製造]
メチル=3,4−ジメトキシフェニルメチル=ケトン(5.83g)、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノール(5.15g)及び酸化白金(50mg)に、イソプロピルアルコール(15ml)とジイソプロピルエーテル(30ml)を加え、室温常圧下水素雰囲気中24時間還元反応に付した。酸化白金を濾過後、減圧下溶媒を留去することにより、(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノールの白色オイル6.51g(収率62%)を得た。
得られた(R,R)体の光学純度は65%であった。
【0331】
実施例173〜222[(S)−2−アミノ−(3−クロロフェニル)エタノールの製造]
下記の微生物を用いた以外は実施例1〜100と同様にして(S)−2−アミノ−(3−クロロフェニル)エタノールを製造した。(S)体の光学活性2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールの量、絶対配置および光学純度を測定した結果を表14〜16に示す。なお、表中、「量」とは、反応液中の(S)−2−アミノ−(3−クロロフェニル)エタノールの量(mg/ml)を示す。
[糸状菌]
実施例173:サッカロマイセス セレビシェ(Saccharomyces cerevisiae)IFO 0718
実施例174:サッカロマイセス セレビシェ(Saccharomyces cerevisiae)IFO 0735
実施例175:サッカロマイセス セレビシェ(Saccharomyces cerevisiae)IFO 0206
実施例176:ピキア ファビアニイ(Pichia fabianii)IFO 1254
実施例177:シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)IAM 4890
実施例178:キャンディダ ギリエルモンディ(Candida guilliermondii)IFO 0566
実施例179:キャンディダ メリビオシカ(Candida melibiosica)IFO10238
実施例180:ハンセヌラ ポリモルファ(Hansenula polymorpha)DSM 70277。
【0332】
実施例181:ヤロウビア リポリチカ(Yarrowia lipolytica)IFO 0746
実施例182:ゲオトリカム カピタタム(Geotrichum capitatum)IFO 0743
実施例183:ゲオトリカム カピタタム(Geotrichum capitatum)IFO 1197
[糸状菌]
実施例184:アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)IFO 4415
実施例185:アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)AHU 7115
実施例186:アスペルギルス フィカム(Aspergillus ficuum)IFO 4318
実施例187:アスペルギルス カウディダス(Aspergillus cavdidus)IFO 4389
実施例188:アスペルギルス オリゼエ(Aspergillus oryzae)IFO 4390
実施例189:アスペルギルス オリゼエ バライティ ブルンネウス(Aspergillus oryzae var. brunneus)JCM 2240
実施例190:アスペルギルス タマリ(Aspergillus tamarii)IAM 2138。
【0333】
実施例191:ペニシリウム クリソゲナム(Penicillium chrysogenum)IAM 7142
実施例192:コリネスポラ キャシコラ(Corynespora cassiicola)IFO6724
実施例193:フザリウム ソラニィ(Fusarium solani)IFO 5232
実施例194:ゲラシノスポラ セレアリス(Gelasinospora cerealis)IFO 6759
実施例195:ヘルミンソスポリウム シグモイデウム バライティ イレアウル(Helminthosporium sigmoideum var. irreavl)IFO 5273
実施例196:モルチエレリア イサベリイナ(Mortierelia isabellina)IFO 6336
実施例197:モルチエレリア ラマニアナ バライティ ラマニアナ(Mortierelia ramanniana var. ramanniana)IFO 7825
実施例198:ネオサルトルヤ フィシェリ バライティ スピノザ(Neosartorya fischeri var. spinosa)IFO 5955
実施例199:フィトフソラ キャプシシ(Phytophthora capsici)IFO 8386
実施例200:タラロマイセス フラバス バライティ フラバス(Talaromyces flavus var. flavus)IFO 7231
実施例201:スコレコバシディウム テレウム(Scolecobasidium terreum)IFO 8854。
[細菌・放線菌]
実施例202:ミクロコッカス ルテウス(Micrococcus luteus)IAM 12009
実施例203:ミクロコッカス ルテウス(Micrococcus luteus)IAM 12144
実施例204:ミクロコッカス ルテウス(Micrococcus luteus)IAM 1157
実施例205:ミクロコッカス ルテウス(Micrococcus luteus)IFO 3333
実施例206:ブレビバクテリウム イオジナム(Brevibacterium iodinum)IFO 3558
実施例207:コリネバクテリウム セペドニカム(Corynebacterim sepedonicum)IFO 3306
実施例208:キサンソモナス スピーシーズ(Xanthomonas sp.)IFO 12997
実施例209:アクチノマキュラ クレメア サブスピーシーズ クレメア(Actinomaqura cremea subsp. cremea)IFO 14182
実施例210:エンテロバクター アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)IFO 12010。
【0334】
実施例211:シュードモナス アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)IFO 3445
実施例212:ハフニア アルベイ(Hafnia alvei)IFO 3731
実施例213:アクチノプラネス ロバタス(Actinoplanes lobatus)IFO12513
実施例214:エシェリヒア コリ(Escherichia coli)IAM 1239
実施例215:バチラス リシェニフォルミス(Bacillus licheniformis)BGSC 5A18
実施例216:リストネラ アングイルラルム(Listonella anguillarum)IFO 12710
実施例217:ノサルディオイデス フラバス(Nosardioides flavus)IFO 14396
実施例218:アミコラタ オートトロフィカ(Amycolata autotrophica)IFO 12743
実施例219:ロドコッカス ルテウス(Rhodococcus luteus)JCM 6162
実施例220:ロドコッカス エリスロポリス(Rhodococcus erythropolis)JCM 6821
実施例221:ロドコッカス エリスロポリス(Rhodococcus erythropolis)JCM 6827
実施例222:ロドコッカス グロベルラス(Rhodococcus globerrulus)IFO 14531
【0335】
【表14】
【0336】
【表15】
【0337】
【表16】
実施例223〜282[(S)−2−アミノ−1−フェニルエタノールの製造]
酵母・糸状菌についてはYM培地(グルコース2.0重量%、酵母エキス0.3重量%、麦芽エキス0.3重量%、ポリペプトン0.5重量%、pH6.0)5mlを、細菌についてはPM培地(グルコース2.0重量%、酵母エキス0.5重量%、肉エキス0.3重量%、ポリペプトン0.3重量%、硫酸アンモニウム0.2重量%、リン酸カリウム0.1重量%、硫酸マグネシウム0.05重量%、pH7.0)5mlを、それぞれ内径21mm試験管に入れ、滅菌後、下記の菌株を植菌し、30℃で48時間振盪培養を行った。
[酵母・糸状菌]
実施例223:ボトリオアスクス シンナエデンドルス(Botryoascus synnaedendrus) IFO 1604
実施例224:ブレタノミセス アノマルス(Brettanomyces anomalus) IFO 0642
実施例225:カンジダ アルビカンス(Candida albicans) IFO 1856
実施例226:カンジダ ビイチイ(Candida beechii) IFO 10229
実施例227:カンジダ エルガテンシス(Candida ergatensis) IFO 10233
実施例228:カンジダ フシホルマタ(Candida fusiformata) IFO 10225
実施例229:カンジダ ギリエルモンデイ(Candida guilliermondii) IFO 0566
実施例230:カンジダ ハロニトラトフィラ(Candida halonitratophila) IFO 1595。
【0338】
実施例231:カンジダ オレゴネンシス(Candida oregonensis) IFO 1980
実施例232:カンジダ ペルタタ(Candida peltata) IFO 1853
実施例233:カンジダ パラプシロシス(Candida parapsilosis) IFO 10305
実施例234:カンジダ ソルボキシロサ(Candida sorboxylosa) IFO 1578
実施例235:シテロミセス マトリテンシス(Citeromyces matritensis) IFO 0954
実施例236:クラビスポラ ルシタニアエ(Clavispora lusitaniae) IFO1019
実施例237:デバリオミセス ハンセニイ バライティ ハンセニイ(Debaryomyces hansenii var. hansenii) IFO 0083
実施例238:ディポダスクス オベテンシス(Dipodascus ovetensis) IFO 1201
実施例239:エレマスクス ファーチリス(Eremascus fertilis) IFO 0691
実施例240:ガラクトミセス レッシイ(Galactomyces reessii) IFO 1112。
【0339】
実施例241:ゲオトリクム ファーメンタンス(Geotrichum fermentans) CBS 452.83
実施例242:ゲオトリクム カンジドゥム(Geotrichum candidum) IFO 4601
実施例243:ゲオトリクム カピタトゥム(Geotrichum capitatum) IFO1197
実施例244:ゲオトリクム クレバニイ(Geotrichum klebahnii) JCM 2171
実施例245:イサチェンキア スクツラタ バライティ スクツラタ(Issatchenkia scutulata var. scutulata) IFO 10069
実施例246:クルイベロミセス ラクチス(Kluyveromyces lactis) IFO1267
実施例247:クルイベロミセス マルキシアヌス バライティ ブルガリクス(Kluyveromyces marxianus var. bulgaricus) IAM 4829
実施例248:コンドア マルビネラ(Kondoa malvinella) IFO 1935
実施例249:リポミセス スタルキイ(Lipomyces starkeyi) IFO 1289
実施例250:マラセジア フルフル(Malassezia furfur) IFO 0656。
【0340】
実施例251:オオスポリジウム マルガリチフェルム(Oosporidium margaritiferum) IFO 1208
実施例252:パチソレン タンノフィルス(Pachysolen tannophilus) IFO 1007
実施253:ピチア ファリノサ(Pichia farinosa) IFO 1163
実施例254:ピチア ホルスチイ (Pichia holstii) IFO 0986
実施例255:ピチア スブペリクロサ(Pichia subpelliculosa) IFO 0808
実施例256:ピチア トレタナ(Pichia toletana) IFO 0950
実施例257:ロドスポリジウム ジオボバトゥム(Rhodosporidium diobovatum) IFO 0688
実施例258:ロドトルラ グルチニス(Rhodotorula glutinis) IFO 0389
実施例259:ロドトルラ グルチニス バライティ ダイレネンシス(Rhodotorula glutinis var. dairenensis) IFO 0415
実施例260:サッカロミセス クルイベリ(Saccharomyces kluyveri) IFO 1894。
【0341】
実施例261:サッカロミセス パラドクス(Saccharomyces paradoxus) IFO 0259
実施例262:サッカロミコデス ルドウィギィ(Saccharomycodes ludwigii)IFO 0798
実施例263:サッカロミコプシス カプスラリス(Saccharomycopsis capsularis) IFO 0672
実施例264:シゾブラストスポリオン コバヤシイ(Schizoblastosporion kobayasii) IFO 1644
実施例265:シゾサッカロミセス ポンベ(Schizosaccharomyces pombe) IFO 0358
実施例266:スポリジオボルス パラロセウス(Sporidiobolus pararoseus)JCM 5350
実施例267:スポロボロミセス パラロセウス(Sporobolomyces pararoseus) IFO 0471
実施例268:スポロボロミセス サルモニコロ(Sporobolomyces salmonicolor) AHU 3982
実施例269:ウイッケルハミエラ ドメルックイ(Wickerhamiella domercquii) IFO 1857
実施例270:ウインゲア ロベルツイ(Wingea robertsii) IFO 1277。
【0342】
実施例271:ジゴサッカロミセス バイリイ(Zygosaccharomyces bailii) DSM 70492
実施例272:ジゴサッカロミセス ファーメンタチ(Zygosaccharomyces fermentati) IFO 0021
[細菌]
実施例273:バチルス スブチリス(Bacillus subtilis) IFO 3037
実施例274:コマモナス テリゲナ(Comamonas terrigena) IFO 13299
実施例275:ロドバクター スファエロイデス(Rhodobacter sphaeroides) IFO 12203
実施例276:エンテロコックス フェカリス(Enterococcus faecalis) NRIC 1142
実施例277:ラクトバシルス ラクチス(Lactobacillus lactis) AHU 1059
実施例278:ペディオコックス アシディラクチシ(Pediococcus acidilactici) IFO 3076
実施例279:ロイコノストク メセンテロイデス サブエスピー デキストラニクム(Leuconostoc mesenteroides subsp. dextranicum) NRIC 1085
実施例280:ロイコノストク メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides) AHU 1071。
【0343】
実施例281:ロイコノストク オエノス(Leuconostoc oenos) DSM 20252
実施例282:ストレプトコックス ウベリス(Streptococcus uberis) NRIC 1153
次いで菌体を遠心分離により集め、アミノメチル=フェニル=ケトン塩酸塩0.5%、及びグルコース5%を含有する0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)1mlに懸濁し、内径2mmの試験管中、30℃で48時間往復振盪し、反応させた。
【0344】
反応終了後、反応液を遠心分離により除菌し、上清を高速液体クロマトグラフィーで分析し、生成した(S)−2−アミノ−1−フェニルエタノールの量、絶対配置及び光学純度を測定した。結果を表17〜19に示す。表17〜19中、「量」とは、反応液中の(S)−2−アミノ−1−アミノフェニルエタノールの量(mg/ml)を示す。
【0345】
【表17】
【0346】
【表18】
【0347】
【表19】
尚、下記実施例283〜303において、化学純度及び光学純度の測定は、下記カラムによる高速液体クロマトグラフィーにより行った。また特に断らないかぎり「%」は重量%を示す。
【0348】
化学純度:カラム;ジーエルサイエンス社製 イナートシルODS−2(商品名)
光学純度:カラム;ダイセル社製 クラウンパックCR(商品名)
実施例283[2−アミノ−1−フェニルエタノールの製造]
25%NH3 水溶液3kg(44モル)とメタノール1kgとの混合液を40℃に加熱し、この混合液にスチレンオキサイド120g(1.0モル)を30分かけて滴下した。滴下終了後、40℃で3.5時間熟成を行った後、減圧下20℃で脱NH3 を行い、引き続き40℃〜60℃に昇温して脱低沸を行い、濃縮物135gを得た。濃縮物の組成は、2−アミノ−1−フェニルエタノール67重量%(0.66モル)、対応する位置異性体19重量%、他の副生物14重量%であった。
【0349】
得られた濃縮物13.5gをジクロロエタン135gに溶解し、トリエチルアミン3.8g(0.038モル)を添加した。この溶液を50℃に加熱し、塩酸ガス1.67NL(0.075モル)を1時間かけて吹き込んだ。吹き込み終了後30分熟成を行い、20℃に冷却し、減圧濾過によって結晶を分離した。得られた湿結晶を減圧乾燥して、塩酸塩11.4gを得た。この結晶の組成は2−アミノ−1−フェニルエタノール塩酸塩93.4重量%、対応する位置異性体0.7重量%、トリエチルアミン塩酸塩6重量%であり、その他の副生物は不検出であった。この時の反応濃縮物からの収率は、93.5%であった。
【0350】
前記結晶を10gの水に分散し、25%NaOH水溶液11g(0.068モル)を25℃で20分掛けて添加し、不純物をフリー化した。この混合液をジクロロエタン120gで抽出した後、ジクロロエタン層を飽和食塩水20gで2回水洗し、減圧下40℃で脱溶媒して、純度99.1%の2−アミノ−1−フェニルエタノール7.87gの結晶を得た。この時の反応濃縮物からの収率は86%であった。
【0351】
実施例284[2−アミノ−1−フェニルエタノールの製造]
実施例283においてスチレンオキサイドの反応で得られた濃縮物13.5g(2−アミノ−1−フェニルエタノール67%(0.066モル)、対応する位置異性体19%、2量体14%からなる混合物)を酢酸エチル100gに溶解し、この溶液に60℃で塩酸ガス、1.46NL(0.065モル)を20分掛けて吹き込み、20℃に冷却し、結晶を濾過し減圧乾燥して、塩酸塩の結晶10.5gを得た。この結晶組成は2−アミノ−1−フェニルエタノール塩酸塩98%、対応する位置異性体1.9%、他の副生物は不検出であった。この時の反応濃縮物からの収率は90%である。
【0352】
更に、実施例283と同様にしてフリー化して、純度98.1%の2−アミノ−1−フェニルエタノール7.65gを得た。この時の反応濃縮物からの収率は83%であった。
【0353】
実施例285[2−アミノ−1−フェニルエタノールの製造]
実施例283においてスチレンオキサイドの反応で得られた濃縮物13.5gを、ジクロロメタン135gに溶解し、この溶液に30℃で塩酸ガス2.24NL(0.1モル)を30分掛けて吹き込み、20℃に冷却し、結晶を濾過し減圧乾燥して、塩酸塩の結晶14.0gを得た。この時の結晶組成は、2−アミノ−1−フェニルエタノール塩酸塩78%、対応する位置異性体21.5%、他の副生物は不検出であった。
【0354】
前記結晶をジクロロメタン80gに分散し、40℃において、トリエチルアミン4.1g(0.04モル)を添加し、30分熟成を行った後、20℃に冷却し、得られた結晶を濾過し減圧乾燥して塩酸塩の結晶、10.6gを得た。前記塩酸塩の組成は、2−アミノ−1−フェニルエタノール塩酸塩99.2%、対応する位置異性体0.6%であり、他の副生物は不検出であった。反応濃縮物からの収率は、92.6%であった。
【0355】
前記塩酸塩を、実施例283と同様の方法で、フリー化して、純度99.3%の2−アミノ−1−フェニルエタノールの結晶7.78gを得た。この時の反応濃縮物からの収率は、85.4%であった。
【0356】
実施例286〜293[2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の製造]スチレンオキサイドに代えて下記の化合物を用いる以外は実施例283と同様にして、対応する2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体を製造した。
【0357】
実施例286:3−クロロスチレンオキサイド
実施例287:3,4−ジクロロスチレンオキサイド
実施例288:2−メトキシスチレンオキサイド
実施例289:3,4−ジメトキシスチレンオキサイド
実施例290:4−ヒドロキシスチレンオキサイド
実施例291:3−クロロ−4,5−ジヒドロキシスチレンオキサイド
実施例292:2−ベンジルカルボニルスチレンオキサイド
実施例293:3−ヒドロキシメチル−4−ベンジルオキシスチレンオキサイド
各ステップでの組成比、および収率を測定した結果を表20に示す。尚、表20において、「A」は2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体、「B」は対応する位置異性体、「C」は他の副生物を表し、表中の数字はその組成比(重量比)を表わす。また、収率は反応濃縮物からの収率(%)で表わす。
【0358】
【表20】
実施例294[2−アミノ−1−フェニルエタノールの製造]
25%NH3 水溶液265g(3.9モル)とメタノール90gの混合液を40℃に加熱し、スチレンクロロヒドリン13.4g(0.086モル)を30分掛けて滴下した。滴下終了後、4時間熟成を行い20℃に冷却して減圧下脱NH3 を行い、引き続き昇温し、濃縮物が50gになるまで脱溶媒を行った。この濃縮物から100gの酢酸エチルで2回で抽出を行い、2−アミノ−1−フェニルエタノール及び対応する副生物を有機層に移行させた。この時の酢酸エチル層の全量は210gであり、2−アミノ−1−フェニルエタノール3.53%(0.054モル)、対応する位置異性体0.3%,他の副生物0.7%であった。
【0359】
前記酢酸エチル層を硫酸ナトリウム10gを用いて脱水を行った後、50℃に昇温し、塩酸ガス1.12NL(0.05モル)を1時間かけて吹き込み、20℃に冷却後、濾過し、乾燥して、塩酸塩8.4gを得た。この塩の組成は、2−アミノ−1−フェニルエタノールの塩98.5%、対応する位置異性体の塩1.3%、他の副生物は不検出であり、反応抽出有機層からの収率が89%であった。
【0360】
この塩酸塩を実施例283と同様にしてフリー化し、純度98.6%の2−アミノ−1−フェニルエタノール6.2gを得た。この時の反応抽出有機層からの収率は83%であった。
【0361】
実施例295[(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールの製造]
25%NH3 水溶液712g(10.47モル)とメタノール242gの混合物を40℃に加熱後、m−クロロスチレンオキサイド36g(0.23モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後3.5時間熟成を行い20℃に冷却し減圧下脱NH3 を行い、引き続き昇温して脱溶媒を行って、濃縮物40gを得た。この時の組成は、2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノール76%(0.175モル)、対応する位置異性体11%、他の副生物13%であった。
【0362】
この濃縮物を酢酸エチル65gに溶解し、70℃に昇温した後、N−t−ブトキシカルボニル−D−アラニン67g(0.35モル)(以下、Boc−D−アラニンという)を酢酸エチル320gで溶解した溶液を、30分掛けて滴下した。滴下終了後、30分間熟成を行い、徐々に5℃まで冷却し、結晶を濾過して分離した。この湿結晶の組成比は、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノール塩99.9%に対し、対応する位置異性体0.1%以下であり、他の副生物は不検出であった。
【0363】
この湿結晶を、ジクロロエタン620gに分散させ、8%NaOH水溶液272g(0.54モル)を30分かけて滴下し、フリー化させた。この液を分液により、水層を分離した後、飽和食塩水247gで2回水洗を行った。更に、硫酸ナトリウム10gで脱水を行い、減圧下、脱溶媒を行い、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノール11gを得た。この組成は、化学純度99.5%、光学純度100%e e であり、対応する位置異性体は検出されず、その他の不純物も不検出であった。
【0364】
実施例296[(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノールの製造]
3−クロロスチレンオキサイドを、スチレンオキサイド27.7g(0.23モル)に代えた以外は実施例295と同様にして、化学純度99.2%、光学純度100%e e の(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール7.3gを得た。尚、位置異性体及び他の副生物は不検出であった。
【0365】
実施例297[2−アミノ−1−フェニルエタノールの製造]
Boc−D−アラニン67g(0.35モル)をD,L−マンデル酸30.4g(0.2モル)に代えた以外は実施例295と同様にして、化学純度99%の2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノール26.8gを得た。対応する位置異性体の生成量は生成物の総量に対して0.9%であり、他の副生物は不検出であった。
【0366】
実施例298[(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノ−ルの製造]
実施例295と同様の方法で得られた反応混合物の濃縮物3.38g(2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノ−ルを2.57g、15.0mmol含む)を、n−ブタノール20mlに添加し、50℃にて溶解した。前記溶液を緩やかに撹拌しながら、N−t−ブトキシカルボニル−L−チロシン(以下Boc−L−Tyrと略記する)2.10g(7.5mmol)を溶解したn−ブタノール20mlを添加し、結晶を析出させた。室温まで冷却後、結晶を瀘過することにより、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノ−ル・Boc−L−Tyr塩1.95g(4.31mmol)を得た。用いた混合物中の(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールに対する収率は58.2%であった。
【0367】
このものの物性は次の通りであった。
【0368】
融点188.8℃
比旋光度 [α]D 25+12.95(c=0.926,メタノール)
この塩に、1規定の水酸化ナトリウム5mlを加え、1,2−ジクロロエタン10mlで抽出した。有機層を減圧下にて溶媒を留去することにより、0.73g(4.25mmol)の(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノ−ルを得た。これをダイセル化学工業(株)製の光学分割カラム「クラウンパックCR(+)」で分析した結果、光学純度は87.2%eeであった。
【0369】
実施例299[(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノ−ルの製造]
実施例295と同様にして得られた反応生成物の濃縮物3.38g(2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノ−ル2.57g(15.0mmol)含有する)を、1規定の塩酸水溶液15mlに溶解し、得られた溶液に、緩やかに撹拌しながら、Boc−L−Tyr2.10g(7.5mmol)を1規定の水酸化ナトリウム水溶液7.5mlにて溶解した溶液を加えることにより、結晶を析出させた。これを瀘過することにより、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノ−ル・Boc−L−Tyr塩2.49g(5.5mmol)を得た。用いた濃縮物中の(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールに対する収率は73.4%であった。
【0370】
このものの物性は次の通りであった。
【0371】
融点187.2℃
比旋光度 [α]D 25+14.28(c=0.805,メタノール)
この塩に1規定の水酸化ナトリウム水溶液5mlを加え、1,2−ジクロロエタン10mlで抽出した。有機層を減圧下にて溶媒を留去することにより、0.92g(5.37mmol)の(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールを得た。これを実施例298と同様に分析した結果、光学純度は81.9%eeであった。
【0372】
実施例300[(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノ−ルの製造]
4−メチル−2−ペンタノン40mlに、実施例295と同様にして得られた反応濃縮物3.38g(2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノ−ル2.57g(15.0mmol)を含有する)およびN−t−ブトキシカルボニル−O−ベンジル−L−トレオニン[以下Boc−L−Thr(Bzl)と略記する]4.67g(15.0mmol)を加え、加熱溶解した後室温まで冷却し、1晩放置した。析出した結晶を瀘過することにより、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノール・Boc−L−Thr(Bzl)塩3.06g(6.34mmol)を得た。用いた濃縮物中の(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールに対する収率は83.9%であった。
【0373】
このものの物性は次の通りであった。
【0374】
融点144.6℃
比旋光度 [α]D 25+9.04(c=0.862,メタノール)
前記塩に1規定の水酸化ナトリウム水溶液7mlを加え、1,2−ジクロロエタン10mlで抽出した。有機層を減圧下にて溶媒を留去することにより、1.05g(6.15mmol)の(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールを得た。これを実施例298と同様に分析した結果、光学純度は81.6%eeであった。
【0375】
実施例301[(S)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノ−ルの製造]
酢酸エチル15mlとエタノール10mlの混合溶液に、実施例295と同様にして得られた濃縮物1.69g(2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノ−ル1.29g(7.50mmol)を含有する)および、N−t−ブトキシカルボニル−O−ベンジル−L−システイン[以下Boc−L−Cys(Bzl)と略記する]1.16g(3.75mmol)を加え、加熱溶解し室温まで冷却後1晩放置した。析出した結晶を瀘過することにより、(S)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノ−ル・Boc−L−Cys(Bzl)塩1.30g(2.69mmol)を得た。用いた反応濃縮物中の(S)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノ−ルに対する収率は71.6%であった。
【0376】
この塩に1規定の水酸化ナトリウム5mlを加え、1,2−ジクロロエタン5mlで抽出した。有機層を減圧下にて溶媒を留去することにより、0.69g(2.69mmol)の(S)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノ−ルを得た。これを実施例298と同様に分析した結果、光学純度は95.1%eeであった。
【0377】
実施例302[(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノ−ルの製造]
メタノール20mlに、実施例295と同様にして得られた反応生成物の濃縮物1.70g[2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノール1.29g(7.50mmol)を含有)および、L−ジ−p−トルオイル酒石酸(以下L−PTTAと略する)2.88g(7.50mmol)を加え、加熱溶解し、4−メチル−2−ペンタノン20mlを加えた後室温まで冷却し、1晩放置した。析出した結晶を瀘過することにより、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノール・L−PTTA塩1.69g(2.63mmol)を得た。前記化合物の、濃縮物中の(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールに対する収率は70.1%であった。
【0378】
前記で得られた塩に1規定の水酸化ナトリウム3mlを加え、1,2−ジクロロエタン5mlで抽出した。有機層を減圧下にて溶媒を留去することにより、0.64g(2.50mmol)の(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールを得た。これを実施例298と同様に分析した結果、光学純度は75.7%eeであった。
【0379】
実施例303[(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノ−ルの製造]
n−ブタノ−ル20mlに、実施例296と同様の方法で得られた反応生成物の濃縮物2.19g[2−アミノ−1−フェニルエタノール1.67g(7.50mmol)を含有する]および、Boc−L−Tyr2.11g(7.50mmol)を加え加熱溶解し、室温まで冷却後1晩放置した。析出した結晶を瀘過することにより、(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノ−ル・Boc−L−Tyr塩1.06g(2.10mmol)を得た。用いた濃縮物中の(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノ−ルに対する収率は56.0%であった。
【0380】
またこの塩に1規定の水酸化ナトリウム3mlを加え、1,2−ジクロロエタン5mlで抽出した。有機層を減圧下にて溶媒を留去することにより、0.46g(2.08mmol)の(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノールを得た。これを実施例298と同様にして分析した結果、光学純度は81.7%eeであった。
【0381】
実施例304[(R,R)−1−(3−クロロフェニル)−2−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エタノールの製造]
メチル=3,4−ジメトキシフェニルメチル=ケトン(0.58g)を、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノール(0.52g)のベンゼン(10ml)溶液に加え、水−トラップを備えた装置中で1時間還流させ、生成する水を系中より除去した。反応液を冷却し、減圧下溶媒を留去、残滓をメタノール(10ml)に溶解し、10℃より低い温度に冷却し、攪拌しながら、30分間にわたって水素化ホウ素ナトリウム(0.14g)で少しずつ処理した。さらに、混合物を室温で1時間攪拌し、溶媒を減圧下留去した。残滓を酢酸エチルに溶解し、水洗、硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、濾過、蒸発乾燥させ黄色オイル1.09gを得た。この一部を、シリカゲル薄層クロマトグラフィーに付し、得られた化合物を光学分割カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー[カラム:ダイセル化学工業(株)製キラルパックAD]により分析した結果、ジアステレオマーの分割、再結晶により得られた(R,R):(R,S)比は、48:52であった。

Claims (4)

  1. 一般式(VII)
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基を示す)
    で表わされる化合物またはその塩に、前記化合物またはその塩に作用して、対応する一般式(IIa)
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5は、前記に同じ)で表わされる(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール化合物またはその塩を生成する能力を有する微生物またはその処理物を作用させ、生成した光学活性な前記化合物またはその塩を採取する(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の製造方法であって、前記微生物が、カンジダ( Candida )属、ロデロミセス( Lodderomyces )属、カテヌロプラネス( Catenuloplanes )属、ピリメリア( Pilimelia )属、サッカロスリクス( Saccharothrix )属、セラチア( Seratia )属、エンテロコックス( Enterococcus )属、ラクトバシルス( Lactobacillus )属、ペディオコックス( Pediococcus )属およびラクトコックス( Lactococcus )属に属する微生物群から選ばれた微生物である(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の製造方法
  2. 微生物が、カンジダ マルトサ(Candida maltosa)、ロデロミセス エロンギスポルス(Lodderomyces elongisporus)、カテヌロプラネス ジャポニクス(Catenuloplanes japonicus)、ピリメリア テレバサ(Pilimelia terevasa)、サッカロスリクス アウストラリエンシス(Saccharothrix australiensis)、セラチア マルセッセンス(Seratia marcescens)、エンテロコックス ファエカリス(Enterococcus faecalis)、ラクトバシルス カセイ サブエスピー カセイ(Lactobacillus casei subsp.casei)、ペディオコックス アシディラクチシ(Pediococcus acidilactici)およびラクトコックス ラクチス サブエスピー ラクチス(Lactococcus lactis subsp.lactis)に属する微生物群から選ばれた微生物である請求項1記載の(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の製造方法。
  3. 一般式(VII)
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基を示す)
    で表わされる化合物またはその塩に、前記化合物またはその塩に作用して、対応する一般式(XV)
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5は、前記に同じ)で表わされる光学活性化合物またはその塩を生成し得る能力を有する微生物またはその処理物を作用させ、生成する一般式(XV)で表される光学活性化合物またはその塩を採取する(S)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の製造方法であって、前記微生物が、ボトリオアスクス (Botryoascus) 属、ブレタノミセス (Brettanomyces) 属、カンジダ (Candida) 属、シテロミセス (Citeromyces) 属、クラビスポラ (Clavispora) 属、デバリオミセス (Debaryomyces) 属、ディポダスクス (Dipodascus) 属、エレマスクス( Eremascus )属、ガラクトミセス (Galactomyces) 属、ゲオトリクム (Geotrichum) 属、イサチェンキア (Issatchenkia) 属、クルイベロミセス (Kluyveromyces) 属、コンドア (Kondoa) 属、リポミセス (Lipomyces) 属、マラセジア (Malassezia) 属、オオスポリジウム (Oosporidium) 属、パチソレン (Pachysolen) 属、ピチア (Pichia) 属、ロドスポリジウム (Rhodosporidium) 属、ロドトルラ (Rhodotorula) 属、サッカロミセス (Saccharomyces) 属、サッカロミコデス (Saccharomycodes) 属、サッカロミコプシス (Saccharomycopsis) 属、シゾブラストスポリオン (Schizoblastosporion) 属、シゾサッカロミセス (Schizosaccharomyces) 属、スポリジオボルス (Sporidiobolus) 属、スポロボロミセス (Sporobolomyces) 属、ウイッケルハミエラ (Wickerhamiella) 属、ウインゲア (Wingea) 属、ジゴサッカロミセス (Zygosaccharomyces) 属、バシルス (Bacillus) 属、コマモナス (Comamonas) 属、ロドバクター (Rhodobacter) 属、エンテロコックス (Enterococcus) 属、ラクトバシルス (Lactobacillus) 属、ペディオコックス (Pediococcus) 属、ロイコノストク (Leuconostoc) 属及びストレプトコックス (Streptococcus) 属に属する微生物からなる群より選ばれた微生物である(S)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の製造方法
  4. 微生物が、ボトリオアスクス シンナエデンドルス(Botryoascus synnaedendrus)、ブレタノミセス アノマルス(Brettanomyces anomalus)、カンジダ アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ ビイチイ(Candida beechii)、カンジダ エルガテンシス(Candida ergatensis)、カンジダ フシホルマタ(Candida fusiformata)、カンジダ ギリエルモンデイ(Candida guilliermondii)、カンジダ ハロニトラトフィラ(Candida halonitratophila)、カンジダ オレゴネンシス(Candida oregonensis)、カンジダ ペルタタ(Candida peltata)、カンジダ パラプシロシス(Candida parapsilosis)、カンジダ ソルボキシロサ(Candida sorboxylosa)、シテロミセス マトリテンシス(Citeromyces matritensis)、クラビスポラ ルシタニアエ(Clavispora lusitaniae)、デバリオミセス ハンセニイ バライティ ハンセニイ(Debaryomyces hansenii var. hansenii)、ディポダスクス オベテンシス(Dipodascus ovetensis)、エレマスクス ファーチリス(Eremascus fertilis)、ガラクトミセス レッシイ(Galactomyces reessii)、ゲオトリクム ファーメンタンス(Geotrichum fermentans)、ゲオトリクム カンジドゥム(Geotrichum candidum)、ゲオトリクム カピタトゥム(Geotrichum capitatum)、ゲオトリクム クレバニイ(Geotrichum klebahnii)、イサチェンキア スクツラタ バライティ スクツラタ(Issatchenkia scutulata var. scutulata)、クルイベロミセス ラクチス(Kluyveromyces lactis)、クルイベロミセス マルキシアヌス バライティ ブルガリクス(Kluyveromyces marxianus var. bulgaricus)、コンドア マルビネラ(Kondoa malvinella)、リポミセス スタルキイ(Lipomyces starkeyi)、マラセジア フルフル(Malassezia furfur)、オオスポリジウム マルガリチフェルム(Oosporidium margaritiferum)、パチソレン タンノフィルス(Pachysolen tannophilus)、ピチア ファリノサ(Pichia farinosa)、ピチア ホルスチイ(Pichia holstii)、ピチア スブペリクロサ(Pichia subpelliculosa)、ピチア トレタナ(Pichia toletana)、ロドスポリジウム ジオボバトゥム(Rhodosporidium diobovatum)、ロドトルラ グルチニス(Rhodotorula glutinis)、ロドトルラ グルチニス バライティ ダイレネンシス(Rhodotorula glutinis var. dairenensis)、サッカロミセス クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)、サッカロミセス パラドクス(Saccharomyces paradoxus)、サッカロミコデス ルドウィギィ(Saccharomycodes ludwigii)、サッカロミコプシス カプスラリス(Saccharomycopsis capsularis)、シゾブラストスポリオン コバヤシイ(Schizoblastosporion kobayasii)、シゾサッカロミセス ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、スポリジオボルス パラロセウス(Sporidiobolus pararoseus)、スポロボロミセス パラロセウス(Sporobolomyces pararoseus)、スポロボロミセス サルモニコロ(Sporobolomyces salmonicolor)、ウイッケルハミエラ ドメルックイ(Wickerhamiella domercquii)、ウインゲア ロベルツイ(Wingea robertsii)、ジゴサッカロミセス バイリイ(Zygosaccharomyces bailii)、ジゴサッカロミセス ファーメンタチ(Zygosaccharomyces fermentati)、バチルス スブチリス(Bacillus subtilis)、コマモナス テリゲナ(Comamonas terrigena)、ロドバクター スファエロイデス(Rhodobacter sphaeroides)、エンテロコックス フェカリス(Enterococcus faecalis)、ラクトバシルス ラクチス(Lactobacillus lactis)、ペディオコックス アシディラクチシ(Pediococcus acidilactici)、ロイコノストク メセンテロイデス サブエスピー デキストラニクム(Leuconostoc mesenteroides subsp. dextranicum)、ロイコノストク メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)、ロイコノストク オエノス(Leuconostoc oenos)、およびストレプトコックス ウベリス(Streptococcus uberis)に属する微生物からなる群より選ばれた微生物である請求項記載の(S)−2−アミノ−1−フェニルエタノール誘導体の製造方法。
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