JP3696575B2 - 母乳保存用バッグおよびその使用方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、開封が容易であり、かつ母乳を滅菌状態で保存することができる母乳保存用バッグおよびその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、母乳保存用バッグは母乳を容易に保存できることから広く用いられており、そのような母乳保存用バッグは図14に示される。
図14に示される母乳保存用バッグは、大きさの等しい2枚の合成樹脂製フィルムの周縁を、熱融着により貼り合わされた熱融着部142,142',143,144で密封されており、この母乳保存用バッグは、開口部を形成し、さらに母乳を密封する際に用いる補強板部146およびその下に母乳を密封するための接着部148を長手方向aに対し略直角方向に並行に備えている。
【0003】
さらに、この母乳保存用バッグは、その左右両側縁142,142'の上縁部143側には、開封用の上部切り込みA,A'を有し、その左右両側縁142,142'の下端部近傍には下縁部144に充填母乳を取り出すための開口を係止得するための下部切り込みB,B'を有する。
したがって、使用者は、母乳を充填する際には、母乳保存用バッグの上部切り込みA,A'から横方向に切断して、バッグの上部を切除し、次いで補強板部146を両側方から中心方向に押し込んでバッグを開封し、母乳をバッグ内に充填する。このように母乳を充填したら、補強板部146を巻き芯にしてバッグの上部を折り込んで巻回して、巻回部を形成し、この巻回部を接着部148により母乳保存用バッグの前面に接着して気密状態を保ち、冷凍庫等で保存する。
【0004】
こうして母乳保存用バックに保存した母乳を使用する際には、バッグを冷凍庫等から出して解凍し、バッグの下部切り込みB,B'からバッグ下端部を横方向に切除して注ぎ口を形成し、母乳を取り出すことができる。このようなバッグの内部は、滅菌処理が施されている。
また、この他にも、母乳保存用バッグとしては、図15に示すように、上部にチャック部152を有するバッグも提案されており、このチャック部152の両側縁部には略コ字形に漏洩防止シール部材154,154'を有し、内容物を密封することができるように改良されたものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の母乳保存用バッグは、母乳を注入するために開口する際には、補強板部146の外部から力を加えるだけでは不充分であり、このバックの内部に指を挿入して開口を形成することが必要になる。また後者の例によれば、チャック部152の上端部を指で摘んで開封する。そのため、合成樹脂製フィルムからなる母乳保存用バッグの内部、特に開口部は、指に付着した雑菌などにより汚染され、このような汚染された開口部から母乳を充填すると、開口部に付着した雑菌が母乳に混入し、保存用の母乳が汚染されるという問題があった。このような保存母乳は乳児に与えられるものであり、こうした雑菌の混入しにくい母乳保存用バッグの出現が望まれている。
【0006】
さらに、上記のような母乳の汚染の問題とは別に、このような母乳保存用バッグを開封する際には、母乳保存用バッグを形成する樹脂フィルムが、製造工程上で強く引かれることに伴い陰圧になりやすいことや、静電気的に引き合って密着し、このような状態の母乳保存用バッグを開口する際に貼りついた2枚のフィルムを摘み部で引き剥がすように摘むことが非常に難しく、開口を形成しにくいという問題もある。
【0007】
本発明は、開封が容易であり、かつ母乳を雑菌に汚染されることなくバッグ内に充填して、滅菌状態を維持しやすい母乳保存用バッグおよびこの母乳保存用バッグを使用する方法を提供することを目的としている。
また、本発明は、母乳の充填時に開口が容易であり、さらに、この開口によっても内部の滅菌状態が維持される母乳保存用バッグおよびこの母乳保存用バッグを使用する方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の母乳保存用バッグは、長手方向に少なくとも一部の長さが異なる2枚の合成樹脂製フィルムを、内部を滅菌状態にして両側縁部分、底縁部分および上縁部分を熱融着して密封した母乳保存用バッグであり、
該上縁部分に形成された熱融着部は、母乳を注入するための開口を形成する際に引き剥がし可能な弱熱融着部であり、
該弱熱融着部の下部には、該弱熱融着部と略平行にチャック部が形成されており、
該弱熱融着部とチャック部との間の側縁部分の熱融着部には、開口により汚染された部分を弱熱融着部と共に切除するための上部切り込みが形成されており、該弱熱融着部の上部には、少なくとも一部の長さが異なる2枚の合成樹脂製フィルムからなる長摘み片と短摘み片とから形成され、かつ該短摘み片の両側縁部の上端部は、側縁部分の熱融着部によって熱融着されずにリリース部を形成する摘み部が、上記短摘み片と長摘み片とを引き離すことよって、上記弱熱融着部を剥離すると共に、チャック部を開口可能に形成されていることを特徴としている。
【0009】
また、本発明の母乳保存用バッグの使用方法は、長手方向に少なくとも一部の長さが異なる2枚の合成樹脂製フィルムを、内部を滅菌状態にして両側縁部分、底縁部分および上縁部分を熱融着して密封した母乳保存用バッグを使用する方法であり、
該上縁部分に形成された熱融着部である弱熱融着部と、該弱熱融着部の下部に該弱熱融着部と略平行に形成されたチャック部とを、該弱熱融着部の上部において少なくとも一部の長さが異なる2枚の合成樹脂製フィルムからなる長摘み片と短摘み片とから形成され、かつ、両側縁部の上端部は、側縁部分の熱融着部によって熱融着されていないリリース部を有する摘み部の長摘み片および短摘み片を引き離すことにより開口し、次いで、該弱熱融着部とチャック部との間の側縁部分の熱融着部に形成された上部切り込みから、開口により汚染された摘み部を弱熱融着部と共に切除した後、該形成された開口から母乳を充填し、チャック部を閉口して母乳を保存することを特徴としている。
【0010】
本発明の母乳保存用バッグおよびその使用方法においては、前記弱熱融着部のピール強度が、8〜12N/15mmの範囲内にあることが好ましい。
さらに、本発明の母乳保存用バッグおよびその使用方法においては、上記側縁部分の熱融着部の下端部近傍には、該底縁部分に形成された底部熱融着部を開口するための下部切り込みが形成されていることが好ましい。
【0011】
また、本発明の母乳保存用バッグおよびその使用方法においては、前記母乳保存用バッグを形成する合成樹脂製フィルムが、上部切り込みからの切り裂き方向と平行に一軸延伸された合成樹脂層、または、上部切り込みから切り裂き方向に弱め線が設けられた合成樹脂層を有する合成樹脂製積層体から形成されていることが好ましい。
【0012】
さらにまた、本発明の母乳保存用バッグおよびその使用方法においては、前記母乳保存用バッグを開口する際に開口により汚染された摘み部を弱熱融着部と共に前記上部切り込みにより切除し、開口から該バッグの内部に母乳が注入され、さらに、チャック部が嵌合された後、該チャック部を芯材として所定の回数巻き込むことにより形成される巻回した巻回部を、巻回されなかった母乳保存用バッグの表面部分に係止するシール部材貼着予定部が形成されていることが好ましい。
【0013】
上記の母乳保存用バッグに形成されたシール部材貼着予定部は、母乳保存用バッグの少なくとも一方の外面に形成された、シール部材の下端部の貼着位置を決めるシール部材貼着下端部位置決め手段であることが好ましく、さらに、前記母乳保存用バッグおよびその使用方法においては、透明な2枚の合成樹脂製フィルムから形成されていると共に、該母乳保存用バッグの一方の外面にシール部材の下端部の貼着位置を決めるシール部材貼着下端部位置決め手段を有し、さらにシール部材の上端の貼着位置を決めるシール貼着上端部位置決め手段が、前記巻回部の合成樹脂フィルムを透過して表示されることが好ましい。
【0014】
さらに、前記シール部材が、該シール部材を形成する基材の一方の面に貼着部を有し、該貼着部の略下半分が前記母乳保存用バッグの一方の外面に貼着され、かつ、該貼着部の略上半分に剥離紙が貼着されており、
前記剥離紙が貼着された貼着部の剥離紙を除去した後に、前記巻回部に貼着して該巻回部を母乳保存用バッグに表面に係止するように形成されていることが好ましい。
【0015】
また、本発明の母乳保存用バッグの使用方法においては、前記母乳を母乳保存用バッグに封入した後に、2枚の帯状の板状部と、該板状部からそれぞれ独立に立設された嵌合部とからなる前記チャック部を芯材として、該母乳保存用バッグを上端から所定の回数することにより形成された巻回部を、該母乳保存用バッグの表面にシール部材を用いて係止することによって母乳を保存することが好ましく、さらに、本発明の使用方法では、上記側縁部分の熱融着部の下端部近傍には、該底縁部分に形成された底部熱融着部を開口するための下部切り込みが形成されており、該母乳保存用バッグに収納された母乳を、該下部切り込みから底部熱融着部の一部を切除して母乳取出し口を開口し、該開口から母乳を取り出すことが好ましい。
【0016】
また、本発明の母乳保存用バッグを、前記母乳保存用バッグに母乳を充填してチャック部を閉口して母乳を密封すると共に、該密封された母乳を、冷蔵保存するか、若しくは冷凍保存し解凍して使用することが好ましい。
本発明の母乳保存用バッグは、内部の滅菌状態を破壊することなく開口部を形成することが可能であり、このバッグを使用することにより、母乳を衛生的に、安全に保存することができる。しかも、本発明の母乳保存用バッグは、開口を形成するのが容易である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の母乳保存用バッグおよびその使用方法の実施態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の母乳保存用バッグを図1に示す概略正面図を用いて説明する。
図1に示すように、本発明の母乳保存用バッグは、長手方向に長さが異なる2枚の合成樹脂製フィルムを、内部を滅菌状態にして両側縁部分、底縁部分および上縁部分を熱融着して密封した母乳保存用バッグである。
【0018】
本発明の母乳保存用バッグ1は、合成樹脂製フィルムから形成されており、本発明で用いられる合成樹脂製フィルムは、ある程度の強度があり、かつ熱可塑性であれば、特に制限なく使用することができる。例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン、ナイロン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等からなる合成樹脂からなるフィルムを用いることができる。特に本発明ではポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。本発明で好適に使用されるポリエチレンフィルムの例としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン・プロピレン共重合体、不飽和カルボン酸変性ポリエチレン、エポキシ変性ポリエチレンなどからなるフィルムを挙げることができる。
【0019】
この合成樹脂製フィルムは、熱融着による加工性を向上させるために、2層以上の積層構造であることが好ましく、最内層により熱融着性が向上している。その積層構造の最内層としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、カルボン酸変性ポリプロピレン等の融点の低い熱融着用樹脂フィルムが挙げられ、一方、外層としては、ナイロン、ポリアミド、高密度ポリエチレン(HDPE)等の樹脂フィルムが挙げられ、これらを所望の組み合わせで積層された積層フィルムを用いることができる。特に本発明では、外層をナイロン、最内層をポリエチレンとしたラミネートフィルムを用いることが好ましい。
【0020】
本発明の母乳保存用バッグ1は、上記のような合成樹脂製フィルムを2枚融着させてなる密封袋体である。即ち、本発明の母乳保存用バッグ1の両側縁部分、底縁部分および上縁部分には、それぞれ熱融着部14,14’、16、12が形成されており密封されている。これらの熱融着部のうち、上縁部分に形成された熱融着部は、弱熱融着部12であり、両側縁部分に形成された熱融着部14,14’は、強熱融着部であり、底縁部分に形成された熱融着部16は強熱融着部である。
【0021】
このような弱熱融着部12について、上縁部分を15mm幅に切断した試験片を用意し、各摘み片21、22を離間させた際のピール強度の最大値は、通常は8〜12N/15mm、好ましくは9〜11N/15mmの範囲内にあり、容易に引き剥がすことができる。これに対して、両側縁部分に形成された熱融着部14,14’および底縁部分に形成された熱融着部16のピール強度の最大値は、通常は25〜50N/15mm、好ましくは30〜45N/15mmの範囲内にあり、易剥離性は有していない。なお、弱熱融着部12のヒートシール幅は、通常は1〜10mm、好ましくは4〜6mmである。
【0022】
このようなピール強度の差は、ヒートシール条件によって生ずる。即ち、弱熱融着部12の熱融着条件は、通常は、ラバーやテフロン(R)テープによるシールバーを介して、加熱部の温度120〜150℃、好ましくは130〜135℃、圧力200〜600N/m2、好ましくは400〜450N/m2、時間1.0〜1.6秒であるのに対して、強熱融着されている熱融着部14,14’、16の熱融着条件は、通常は加熱部温度150〜180℃、圧力200〜600N/m2、好ましくは400〜450N/m2、時間1.2〜1.8秒である。 本発明の母乳保存用バッグ1を開口する際には、この弱熱融着部12が引き剥がされる。
【0023】
本発明の母乳保存用バッグ1の内部は、例えば紫外線の照射、γ線あるいは電子線の照射などの滅菌方法により滅菌処理されており、上記熱融着部14,14’、16、12によって密封状態にされることによって、内部の滅菌状態は少なくとも開封までは維持されている。
本発明の母乳保存用バッグ1において、上記のようにして形成された弱熱融着部12の底部側(下部側)には、弱熱融着部と略平行にチャック部30が形成されている。このチャック部30の概略断面図を、図3に示す。
【0024】
図3に示すように、チャック部30は、2枚の帯状の板状部31a,31bと、この板状部からそれぞれ独立に立設された嵌合部32とからなる。
板状部31a,31bは、2枚の合成樹脂製フィルムの対峙する内面に貼着されており、それぞれの板状部31a,31bには、雌型嵌合部32aと雄型嵌合部32bとが独立に立設されている。なお、図1および図3には嵌合部32が一条形成されたチャック部30が示されているが、この嵌合部32を2条以上有するチャックを用いてもよい。さらに板状部31a,31bに1条の嵌合部32を有するチャックを2個以上併設してもよい。
【0025】
また、雌型嵌合部32aおよび雄型嵌合部32bを、それぞれ有色透明で異なる色に着色し、これらが嵌合された際に色が変わるようにして、使用者に確実に嵌合させるように促す構成としてもよい。
この嵌合部32は、図3に示すように、断面が略U字形である雌型嵌合部32aと、断面が略銛形である雄型嵌合部32bとからなり、雌型嵌合部32a内に、雄型嵌合部32bが挿入されることによってチャック部30が閉口され、母乳保存用バッグ1の密閉性がある程度保たれ、この嵌合を解除することによって、この母乳保存用バッグ1を開口することができる。
【0026】
チャック部30は、板状部31a,31bおよび嵌合部32が共に母乳保存用バッグを形成する合成樹脂製フィルムよりも高い自己形態保持性を有しており、このチャック部30が形成された部分は、母乳保存用バッグの他の部分よりも硬質になる。
さらに、本発明の母乳保存用バッグ1において、上記弱熱融着部12よりも上部には、この母乳保存用バッグ1を開封する際に、弱熱融着部12を剥離し、チャック部30を開口するための摘み部20が形成されている。
【0027】
この摘み部20は、この母乳保存用バッグ1を形成する長手方向に少なくとも一部の長さが異なる2枚の合成樹脂姓フィルムの上端部によって形成されている。即ち、図2に示すように、2枚の合成樹脂製フィルムのうち、長い合成樹脂製フィルムが弱熱融着部12の上部にまで延設されて長摘み片22を形成し、短い合成樹脂製フィルムが弱熱融着部12の上部にまで延設されて短摘み片21を形成し、この長摘み片22と短摘み片21とによって摘み部20を形成する。この摘み部20を形成する短摘み片21は、両側縁部に形成されている熱融着部14、14’によって、その上端部で、長摘み片22に熱融着されておらずにリリース部24a、24bを形成している。しかもこの短摘み片21の両側縁部において先端部は、長摘み片22と熱融着されずにリリース部24a、24bを形成することにより、この短摘み片21はほぼ自立した状態であるのに対し、長摘み片22は外側に大きくカールする傾向がある。このように短摘み片21および長摘み片22は、その長さも同一ではなく、しかも短摘み片21に対して長摘み片22は、大きく反対方向にカールする傾向があるので、摘み部20を形成する短摘み片21および長摘み片22が密着することがなく、この摘み部20はたいへん掴み易い。なお、この摘み部20を形成する短摘み片21および長摘み片22の長さには、特に制限がなく、摘み易い長さに適宜設定することができるが、弱熱融着部12から上の短摘み片21の長さ、即ち弱熱融着部12から短摘み片の上端部21aの長さは、通常は、5〜20mm、好ましくは5〜10mmであり、弱熱融着部12から上の長摘み片22の長さは、通常は10〜25mm、好ましくは10〜15mmであり、5〜10mm程度の範囲内で、長さを変えることがより好ましい。また、この短摘み片21の両側縁部の熱融着部14、14’の上端部から短摘み片21までのリース部24a、24bの長さDは、通常は1〜3mm、好ましくは1.5〜2.5mmである。
【0028】
上記のような上部構成を有する本発明の母乳保存用バッグ1は、図11に示すように、摘み部20を形成する短摘み片21と長摘み片22をそれぞれ摘み、短摘み片21と長摘み片22とを引き離すように前後に引っ張り、まず弱熱融着部12を剥離する。さらに、この弱熱融着部12の剥離に続いてチャック部30の嵌合部32の係合を解いて、チャック部30も開口させる。
【0029】
上記のように、弱熱融着部12の剥離およびチャック部30の開口の際には、摘み部20を指で摘んで引き剥がすことが必要になり、この工程により、摘み部20は指などに付着している雑菌によって汚染されるが、弱熱融着部12を境として、この弱熱融着部より内部には、通常は指が侵入することはないので、通常の場合、この母乳保存用バッグ1を開封する際に、弱熱融着部12から下部は汚染されることは殆どない。
【0030】
なお、このように長摘み片22と短摘み片21の長さを変えることで、摘み部20を摘み易くしているが、長摘み片22と短摘み片21の長さを略同等とし、例えば、短摘み片21側の上端の一部を切り欠いて、長摘み片22が露出するようにして、摘み部20における一方の一部の長さを異なるように構成してもよい。
【0031】
このように汚染された摘み部20を上記剥離された弱熱融着部12と共に切除するために、本発明の母乳保存用バッグ1のチャック部30と上記弱熱融着部12との間の側縁部分には上部切り込みA、A’が形成されている。
即ち、弱熱溶着部12を剥離すると共にチャック部30を開口するために、摘み部20の短摘み片21および長摘み片22を摘んで、相互に引き離すように引くと、上記弱熱溶着部12は剥離して開口すると共にチャック部30も開口して母乳を充填することができる。しかしながら、このように摘み部20を指で摘むことによって、この短摘み片21および長摘み片22の内部壁面は指に付着してる雑菌によって汚染されるが、引き剥がす前には弱融着部12は、融着状態にあり、この弱融着部12よりも内側は汚染されることがない。そこで、本発明では、上記のように摘み部20を摘んで、この母乳保存用バッグを開封した後、汚染の虞のないチャック部30と弱融着部12との間の側縁部分に形成された上部切り込みA,A’から摘み部20を弱熱融着部12と共に切除する。このとき上部切り込みA,A’の間をチャック部30と略平行に直線的に切除するためには、この母乳保存用バッグ1を形成する合成樹脂製フィルムとして、切り裂き方向に略同一の方向に一軸延伸された合成樹脂層、または、ミシン目等の弱め線を上部切り込みA、A'間に設けた合成樹脂層を少なくとも有する合成樹脂製フィルムを使用することが好ましい。
【0032】
上記のように切り裂き方向に略同一の方向に一軸延伸された合成樹脂層、または、ミシン目等の弱め線を上部切り込みA、A'間に設けた合成樹脂層を少なくとも有する合成樹脂製フィルムを用いることにより、上部切り込みA、A'からの母乳保存用バッグ1の切り裂きが容易になる。
そして、上記のように上部切り込みA、A'の上下を母乳保存用バッグ1の外面から摘んで、この母乳保存用バッグ1を開口するのに使用して汚染された摘み部20を弱熱融着部12と共に切り裂き撤去することにより、母乳の注入口の部分から汚染された部材を撤去できるので、この母乳保存用バッグ1の内部の滅菌状態は維持され、滅菌された状態の母乳保存用バッグ内に母乳を充填し、保存することができる。
【0033】
上記のようにして、上部切り込みA、A'から摘み部20を弱熱融着部12と共に切除した後、図11に矢印P、Pで示すように、チャック部30が形成されている部分を、母乳保存用バッグ1の両側縁部から内側に押し込むと同時に、この母乳保存用バッグ1を矢印Qで示すように下方に引っ張ることにより、母乳保存用バッグ1のチャック部30の開口状態が維持され、さらに母乳保存用バッグ1内に、母乳を保存するための空隙を容易に形成することができる。即ち、チャック部30は上記工程で既に嵌合部32の係合が解かれており、しかもこのチャック部30を形成する2枚の帯状の板状部31a,31bは、母乳保存用バッグ1の他の部分よりも硬質であり、横方向からの押し圧によって、この母乳保存用バッグ1の上端部に楕円上の開口部を形成する。さらに、こうしてチャック部30によって上端部に楕円状の開口を形成する空隙を、この母乳保存用バッグ1を下方に引っ張ることによって母乳保存用バッグ1の下端方向にまで広げることができる。
【0034】
このように本発明の母乳保存用バッグ1を使用することにより、開口の際に汚染される摘み部20は剥離された弱熱融着部12と共に撤去され、しかもこの母乳保存用バッグ1に母乳を充填する際には、母乳保存用バッグ1の内部に接触することなくこの母乳保存用バッグ1の開口状態を維持することができるので、母乳保存用バッグ1の内部の滅菌状態が母乳保存用バッグの開口および母乳を充填する際の再開口によっても維持することができる。
【0035】
こうして再開口された母乳保存用バッグに、母乳を充填した後、チャック部30を外側から押圧して閉口することにより、ほぼ滅菌状態にある母乳保存用バッグ内部に安全に母乳を密封することができ、このようにして充填された母乳は母乳保存用バッグと共に移動され、必要により、冷蔵、あるは冷凍して保存することができる。
【0036】
このように本発明の母乳保存用バッグ1に母乳を充填し、チャック部30を閉口して母乳密封室Eを形成することにより、母乳を安全に保存することができるが、上記のようなチャック部30によってこの母乳保存用バッグを密封した場合であっても、この母乳保存用バッグ1の密封は必ずしも完全とはいえないことがある。
【0037】
即ち、上記のようなチャック部30は、熱融着性を有する2枚の合成樹脂製フィルム間に長尺のチャックを嵌挿してチャックをフィルムに熱融着することによおり形成されるが、側縁部の強熱融着部14、14'を形成する際にヒートシールバーで、このチャックを押し潰しながら熱融着する必要がある。この際、側縁部分の熱融着部14,14’のチャック部30が形成されている近傍では、他の部分よりも溶融樹脂量が多くなり、チャックの立ち上がり部分における嵌合部32が押し潰されて、この部分の嵌合状態が不完全になることが多い。従って、この部分から母乳密封室Eに充填された母乳が漏出することがあり、あるいはこの部分からの雑菌の浸入などが生ずることがある。
【0038】
そこで、本発明の母乳保存用バッグ1においては、図11に示すのと同様にして母乳保存用バッグ1に母乳を充填した後、図12に示すように、チャック部30を閉口して母乳を母乳密封室Eに密封した後、チャック部30が他の部分よりも硬質であることを利用して、このチャック部30を形成する帯状の板状部31a,31bの幅Cを巻き幅として、母乳保存用バッグ1の上端部から母乳保存用バッグを巻回して、この巻回部122を母乳保存用バッグの表面に係止する。
【0039】
図12は、このように母乳保存用バッグ1の上端部を巻回して保存する方法を説明するための図である。
即ち、上記と同様にして、摘み部20を用いて弱熱融着部12を剥離すると共にチャック部30を開口させた後、上部切り込みA,A'から、摘み部20および剥離された弱熱融着部12を切除し、さらにチャック部30を再開口して母乳を充填し、チャック部30を閉口して、母乳を母乳密封室Eに密封する。次いで、チャック部30を形成する帯状の板状部31a,31bの幅Cを巻き幅とすると共にこの帯状の板状部31a,31bを巻き芯として、この母乳保存用バッグ1を、上端部から巻回する。この母乳保存用バッグ1の巻回回数は、2〜5回程度にすることができるが、本発明者の検討によると、この巻回回数は3回が好適である。チャック部30を形成する帯状の板状部31a,31bを巻き芯として3回巻回することにより、チャック部30から仮に雑菌が侵入したとしても、この雑菌が母乳にまで到達することは殆ど不可能であり、また、チャック部30の閉口が仮に不完全であったとしても母乳密封室Eにある母乳が漏れ出すことが殆どない。このような巻回による密封効果は、巻回数を4回以上にしても巻回回数の増加による差は殆ど生じない。また、巻回回数が2回よりも少ないと上記のような巻回による効果は発現しない。
【0040】
このようにして形成された巻回部122は、シール部材88を用いて母乳保存用バッグの前面に固定される。
ここで使用されるシール部材88は、基材とこの基材の一方の面に形成された接着剤層とを有し、この接着剤層の表面には通常は剥離紙が貼着されている。ここで使用される基材としては、紙、不織布、織布あるいは合成樹脂などを使用することができる。特に、このシール部材88は本発明の母乳保存用バッグ1においては、その表面を情報記録手段として使用することができるものであることが好ましく、紙あるいは表面が粗性加工された合成樹脂などであることが好ましい。このシール部材88には、例えば子供の名前、母乳を搾乳した日付や時間、搾乳量などの情報を記載することができる。このような基材に形成される接着剤層は、通常の感圧接着剤を用いて形成することができ、また、剥離紙も通常の剥離紙を使用することができる。
【0041】
このようなシール部材88は、巻回部122と母乳保存用バッグ1の表面とに跨るように貼着されるが、母乳保存用バッグ1には、このようなシール部材88を貼着するシール部材貼着予定部を形成することが好ましい。具体的には、図8に示すように、シール部材貼着予定部は、母乳保存用バッグの外面にシール部材88の貼着位置を決めるために、このシール部材の下端部を貼着する位置を母乳保存用バッグの一方の面(表面)に描画したシール部材貼着下端部位置決め手段86である。さらに、本発明で使用されるシール部材88の形状を一定の大きさに形成することにより、図12に示されるように、チャック部30を巻き芯として3回巻回した際に、シール部材貼着下端部位置決め手段86と共同して、シール部材88の貼着位置を区画するシール部材貼着上端部位置決め手段84を形成することが好ましい。このシール部材貼着上端部位置決め手段84は、図8および図12に示すように、シール部材貼着下端部位置決め手段86が描画されている母乳保存用バッグ1の同じ面に描画される。この母乳保存用バッグ1の一方の面に形成されるシール部材貼着上端部位置決め手段84の描画位置は、チャック部30を形成する帯状の板状部31a,31bの上端部から、(板状部31a,31bの幅)×(巻回回数−1)+(板状部31a,31bの幅(C))×(0.4〜0.9、好ましくは0.5〜0.7)の範囲内の位置に形成することが好ましい。
【0042】
また、シール部材貼着上端部位置決め手段84は、上方に開いたコの字状とされて、巻き回した際に、シール部材貼着下端部位置決め手段86と合わされて、シール部材88と略同等の外形線となるように構成されている。つまり、巻き回す回数が奇数の場合には、シール部材貼着上端部位置決め手段84は、上方に開いたコの字状、一方、偶数の場合には下方に開いたコの字状とすればよい。
【0043】
このようにして形成されたなシール部材貼着上端部位置決め手段84は、図12に示すように、母乳保存用バッグ1をチャック部30を形成する帯状の板状部31a,31bを巻き芯として巻回した際に、シール部材貼着上端部位置決め手段84と共同してシール部材88の貼着範囲を規定することができる。さらに、このようにシール部材貼着上端部位置決め手段84を形成することによって、巻回回数を一定にすることができると共に、巻回状態を一定にすることもできる。即ち、板状部31a,31bを巻き芯として所定の状態に巻回していないと、シール部材貼着上端部位置決め手段84とシール部材貼着下端部位置決め手段86とによって規定されるシール部材貼着予定部の形態が、貼着しようとするシール部材88の形態と一致しない。従って、シール部材貼着下端部位置決め手段86と共に、シール部材貼着上端部位置決め手段84を形成することによって、間接的に、この母乳保存用バッグ1の巻回状態を一定の状態に規定することが可能になり、チャック部30からの母乳漏れ、および、チャック部30からの雑菌の浸入をほぼ完全に防止できるようになる。なお、上記のようなシール部材貼着上端部位置決め手段84を形成する場合、母乳保存用バッグ1が透明乃至半透明であり、巻回した際に母乳保存用バッグ1の巻回部122に形成されたシール部材貼着上端部位置決め手段84が巻回部122の合成樹脂フィルムを透過して表示され視認できる場合に有用である。
【0044】
本発明において、シール部材88は、上記のように母乳保存用バッグ1とは別体に形成することもできるし、さらに図9、図10および図13に示すように、母乳保存用バッグ1と一体に形成してもよい。図9は、シール部材90の下半分が、母乳保存用バッグ1の表面に貼着されて一体化された母乳保存用バッグ1の概略正面図であり、図10は、シール部材90が貼着された部分の縦断面を模式的に示す図であり、図13は、シール部材90を貼着する工程を詳細に示す図である。
【0045】
ここで使用するシール部材90は、図9、図10および図13に示すように、シール部材90が、基材91の一方の面に接着剤層92,94を有し、この接着剤層の略下半分92(下部接着剤層)が前記母乳保存用バッグ1の一方の外面に貼着され、かつ、接着剤層の略上半分94(上部接着剤層)には、使用時に剥離可能に剥離紙96が貼着されている。前記剥離紙で保護された接着剤層の略上半分94は、上述のようにしてチャック部30を形成する帯状の板状部31a,31bを巻き芯として巻回されて巻回部122を形成した後、剥離紙96を除去して巻回部122に貼着され、この巻回部122を上記と同様にして母乳保存用バッグ1の表面に係止することができる。このようにシール部材90を母乳保存用バッグ1と一体に形成することによって、シール部材を紛失することもなく、また、このシール部材90が帯状の板状部31a,31bを一定の状態で所定回数巻回したときに、巻回部122に貼着可能な位置に設置されているので、巻回回数および巻回状態を間接的に規定することができる。さらに、このようにシール部材90を予め母乳保存用バッグ1の表面に貼着して一体化することにより、この母乳バッグが不透明であってもよく、母乳保存用バッグを形成する素材が透明乃至半透明である必要がなくなり、素材の選択幅が広くなると共に、母乳保存用バッグへの印刷の自由度が高くなる。
【0046】
なお、上記の説明は、母乳保存用バッグの表面にシール部材90を貼着した態様を中心に説明したが、上記説明における巻回部122、即ち、裏面側に予めシール部材を貼着することもできる。
上記のようにして母乳保存用バッグ1に充填され、密封された母乳は、そのまま携帯することもできるし、また、冷蔵保存あるいは冷凍保存することもできる。
【0047】
こうして一旦本発明の母乳保存用バッグ1に充填された母乳を取り出す際には、底部に開口部を形成してこの底部開口から母乳を取り出す。
図1に示す母乳保存用バッグでは、底部分に開口を形成するための下部切り込みB、B’が形成されている。この下部切り込みB,B'は、熱融着部の側縁部14,14'の下縁部16側に設けられ、これら側端のいずれか一方に有していればよいが、図1に示すように側縁部14,14'の両方に有していることが好ましい。下部切り込みによって、母乳を取り出す底部開口が形成される。
【0048】
前記したように、本発明の母乳保存用バッグ1を形成する合成樹脂製フィルムは、切り裂き方向に略同一の方向に一軸延伸された合成樹脂層、または、ミシン目等の弱め線を下部切り込みB,B'間に設けた合成樹脂層を有しているため、下部切り込みB,B'から容易に切り裂くことができる。
そして、充填された母乳を取り出すための底部開口は、図4に示されるように、下部切り込みB,B'から、この母乳保存用バッグ1の底部を切除した際に、熱融着部によって閉塞されている部分と開口とが形成されるように、予め熱融着幅の狭い底部開口予定部42を形成し、この底部開口予定部42が開口するように切除することにより形成されるものであることが好ましい。即ち、母乳保存用バッグ1においては、図4に示したように、熱融着部の下縁部16が、下部切り込みB,B' で切除されたときに、下縁部16の幅よりも狭い注ぎ口を形成するための底部開口予定部42を有している。
【0049】
このような底部開口予定部42は、下縁部16に形成された熱融着部を下部切り込みB,B'から切除することにより開口し、母乳密封室Eに密封された母乳を、哺乳瓶などの容器に容易に注ぐことができる。
また、底部開口予定部42に略円筒状の開口部材を予め設けるなど、下部切り込みB,B'を切除した後に、開口予定部を開口した状態に維持しやすくすることで注ぎ易いように構成してもよい。
【0050】
この下部切り込みB,B'の上部において、底部開口予定部42に連通する母乳密封室Eの底辺E'の傾斜角αは、1〜5°の角度であることが好ましい。このような角度で母乳密封室Eの底辺E'が傾斜していることにより、母乳保存用バッグに密封された母乳を、哺乳瓶などの容器に容易に注ぐことができる。
このようにして母乳保存用バッグ1から哺乳瓶などの容器に移し替えられた母乳は、授乳の用に供される。
【0051】
本発明の母乳保存用バッグは、上記のような構成を有しているが、さらに本発明の母乳保存用バッグは、その目的を損なわない範囲内で、さらに種々改変することができる。
例えば、母乳保存用バッグ1には、図5に示したように、熱融着部の側縁部14,14'を、母乳保存用バッグの内方向に突出した突出部52,52'を有するように形成することが好ましい。この突出部52,52'においては、上部法辺52a,52'aよりも下部法辺52b,52'bが急峻に形成されていることが好ましい。このように突出部52,52'を形成することにより、母乳を充填する際には、注ぎ込み抵抗が小さくなり、一旦母乳密封室Eに充填された母乳は逆流しにくくなる。
【0052】
本発明の母乳保存用バッグには、図6に示すように、下縁部16に底部開口予定部42を形成し、側縁部14,14'に突出部52,52'を形成することもできる。さらに、図7に示されるように、突出部52,52'に沿って、側縁部14,14'を母乳保存用バッグの内方向にそれぞれ欠切された切り欠き部72,72'を形成することもできる。側縁部14,14'に切り欠き部72,72'が形成されることにより、切り欠き部72,72'に指をかけることができ、母乳保存用バッグ1の取り扱いが容易になる。
【0053】
また、本発明の母乳保存用バッグ1は、例えば、上記母乳保存用バッグを形成する合成樹脂製フィルムを、この合成樹脂製フィルムが内接する部分の表面に、細孔を有していることにより、母乳中に含有される有害物質を除去することが可能になる。この場合には、除去対象物に対する親和性の良いフィルムを使用する。
【0054】
なお、本発明において、母乳保存用バッグは、母乳の充填口が上部にあるものとして記載して説明したが、本発明において、各部材の形成位置は相対的なものである。
【0055】
【発明の効果】
本発明の母乳保存用バッグは、開封が容易であり、しかも開封によっても内部の滅菌状態を確保することができる。さらに、本発明の母乳保存用バッグを使用することにより、母乳を滅菌状態の保存用バッグに安全に保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の母乳保存用バッグの例を示す概略正面図である。
【図2】図2は、図1に示す本発明の母乳保存用バッグの上端部分を拡大して示す概略斜視図である。
【図3】図3は、本発明の母乳保存用バッグのチャック部の例を示す概略断面図である。
【図4】図4は、本発明の母乳保存用バッグの他の例を示す概略正面図である。
【図5】図5は、本発明の母乳保存用バッグの他の例を示す概略正面図である。
【図6】図6は、本発明の母乳保存用バッグの他の例を示す概略正面図である。
【図7】図7は、本発明の母乳保存用バッグの他の例を示す部分概略正面図である。
【図8】図8は、本発明の母乳保存用バッグの他の例を示す概略正面図である。
【図9】図9は、本発明の母乳保存用バッグの他の例を示す概略正面図である。
【図10】図10は、本発明の母乳保存用バッグに用いられるシール部材の概略側面図である。
【図11】図11は、本発明の母乳保存用バッグを使用する方法の例を示す工程図である。
【図12】図12は、本発明の母乳保存用バッグを使用する方法の他の例を示す工程図である。
【図13】図13は、図9に示す方法における工程の一部を示す工程図である。
【図14】図14は、従来の母乳保存用バッグを示す概略正面図である。
【図15】図15は、従来の母乳保存用バッグを示す概略正面図である。
【符号の説明】
1 ・・・母乳保存用バッグ
12 ・・・弱熱融着部
14,14' ・・・熱融着部の側縁部
16 ・・・熱融着部の下縁部
20 ・・・摘み部
21 ・・・短摘み片
21a ・・・短片21の上端部
22 ・・・長摘み片
24a、24b・・・リリース部
30 ・・・チャック部
31a,31b・・・帯状の板状部
32・・・嵌合部
32a・・・雌型嵌合部
32b・・・雄型嵌合部
42・・・底部開口予定部
52,52' ・・・突出部
52a,52'a・・上部法辺
52b,52'b・・・下部法辺
72,72' ・・・切り欠き部
84 ・・・シール部材貼着上端部位置決め手段
86 ・・・シール部材貼着下端部位置決め手段
88,90 ・・・シール部材
91・・・基材
92・・・(下部)接着剤層
94・・・(上部)接着剤層
96・・・剥離紙
122 ・・・巻回部
A,A' ・・・上部切り込み
B,B' ・・・下部切り込み
E ・・・母乳密封室
E'・・・底辺
α・・・傾斜角
P・・・押し込み方向
Q・・・引張り方向

Claims (14)

  1. 長手方向に少なくとも一部の長さが異なる2枚の合成樹脂製フィルムを、内部を滅菌状態にして両側縁部分、底縁部分および上縁部分を熱融着して密封した母乳保存用バッグであり、
    該上縁部分に形成された熱融着部は、母乳を注入するための開口を形成する際に引き剥がし可能な弱熱融着部であり、
    該弱熱融着部の下部には、該弱熱融着部と略平行にチャック部が形成されており、
    該弱熱融着部とチャック部との間の側縁部分の熱融着部には、開口により汚染された部分を弱熱融着部と共に切除するための上部切り込みが形成されており、
    該弱熱融着部の上部には、少なくとも一部の長さが異なる2枚の合成樹脂製フィルムからなる長摘み片と短摘み片とから形成され、かつ、該短摘み片の両側縁部の上端部は、側縁部分の熱融着部によって熱融着されずにリリース部を形成する摘み部が、上記短摘み片と長摘み片とを引き離すことよって、上記弱熱融着部を剥離すると共に、チャック部を開口可能に形成されていることを特徴とする母乳保存用バッグ。
  2. 前記弱熱融着部のピール強度が、8〜12N/15mmの範囲内にあることを特徴とする請求項1記載の母乳保存用バッグ。
  3. 前記側縁部分の熱融着部の下端部近傍には、該底縁部分に形成された底部熱融着部を開口するための下部切り込みが形成されていることを特徴とする請求項1記載の母乳保存用バッグ。
  4. 前記母乳保存用バッグを形成する合成樹脂製フィルムが、上部切り込みからの切り裂き方向と平行に一軸延伸された合成樹脂層、または、上部切り込みから切り裂き方向に弱め線が設けられた合成樹脂層を有する合成樹脂製積層体から形成されていることを特徴とする請求項1記載の母乳保存用バッグ。
  5. 前記母乳保存用バッグを開口する際に開口により汚染された摘み部を弱熱融着部と共に切除するための上部切り込みを有し、該母乳保存用バッグに開口を形成し、次いで、合成樹脂製フィルムの内接する部分を前記上部切り込みから切除し、該開口から該バッグの内部に母乳を注入し、さらに、チャック部を嵌合した後、該チャック部を芯材として所定の回数巻き込むことにより形成される巻回した巻回部を、巻回されなかった母乳保存用バッグの表面部分に係止するシール部材貼着予定部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の母乳保存用バッグ。
  6. 前記母乳保存用バッグに形成されたシール部材貼着予定部が、母乳保存用バッグの少なくとも一方の外面に形成された、シール部材の下端部の貼着位置を決めるシール部材貼着下端部位置決め手段であることを特徴とする請求項5記載の母乳保存用バッグ。
  7. 前記母乳保存用バッグは、透明な2枚の合成樹脂製フィルムから形成されていると共に、該母乳保存用バッグの一方の外面にシール部材の下端部の貼着位置を決めるシール部材貼着下端部位置決め手段を有し、さらにシール部材の上端の貼着位置を決めるシール部材貼着上端部位置決め手段が、前記巻回部の合成樹脂フィルムを透過して表示されることを特徴とする請求項5記載の母乳保存用バッグ。
  8. 前記シール部材が、基材の一方の面に接着剤層が形成されてなり、該接着剤層の略半分が前記母乳保存用バッグの一方の外面に貼着され、かつ、該接着剤層の残りの略半分に剥離紙が貼着されており、
    前記剥離紙が貼着された接着剤層の剥離紙を除去した後に、前記巻回部に貼着して該巻回部が母乳保存用バッグの表面に係止されることを特徴とする請求項5に記載の母乳保存用バッグ。
  9. 長手方向に少なくとも一部の長さが異なる2枚の合成樹脂製フィルムを、内部を滅菌状態にして両側縁部分、底縁部分および上縁部分を熱融着して密封した母乳保存用バッグを使用する方法であり、
    該上縁部分に形成された熱融着部である弱熱融着部と、該弱熱融着部の下部に該弱熱融着部と略平行に形成されたチャック部とを、該弱熱融着部の上部において少なくとも一部の長さが異なる2枚の合成樹脂製フィルムからなる長摘み片と短摘み片とから形成され、かつ、両側縁部の上端部は、側縁部分の熱融着部によって熱融着されていないリリース部を有する摘み部の長摘み片および短摘み片を引き離すことにより開口し、次いで、該弱熱融着部とチャック部との間の側縁部分の熱融着部に形成された上部切り込みから、開口により汚染された摘み部を弱熱融着部と共に切除した後、該形成された開口から母乳を充填し、チャック部を閉口して母乳を保存することを特徴とする母乳保存用バッグの使用方法。
  10. 前記弱熱融着部のピール強度が、8〜12N/15mmの範囲内にあることを特徴とする請求項9に記載の母乳保存用バッグの使用方法。
  11. 前記母乳を母乳保存用バッグに封入した後に、2枚の帯状の板状部と、該板状部からそれぞれ独立に立設された嵌合部とからなる前記チャック部を芯材として、該母乳保存用バッグを上端から所定の回数巻き込むことにより形成された巻回部を、該母乳保存用バッグの表面にシール部材を用いて係止することを特徴とする請求項9記載の母乳保存用バッグの使用方法。
  12. 上記側縁部分の熱融着部の下端部近傍には、該底縁部分に形成された底部熱融着部を開口するための下部切り込みが形成されており、該母乳保存用バッグに収納された母乳を、該下部切り込みから底部熱融着部の一部を切除して母乳取出し口を開口し、該開口から母乳を取り出すことを特徴とする請求項9記載の母乳保存用バッグの使用方法。
  13. 前記母乳保存用バッグを形成する合成樹脂製フィルムが、上部切り込みからの切り裂き方向と平行に一軸延伸された合成樹脂層、または、上部切り込みおよび下部切り込みから切り裂き方向に弱め線が設けられた合成樹脂層を有する合成樹脂製積層体から形成され、上部切り込みおよび下部切り込みから該母乳保存用バッグを幅方向に切り裂き可能に形成されていることを特徴とする請求項12記載の母乳保存用バッグの使用方法。
  14. 前記母乳保存用バッグに母乳を充填してチャック部を閉口して母乳を密封すると共に、該密封された母乳を、冷蔵保存するか、あるいは冷凍保存し解凍して使用することを特徴とする請求項13記載の母乳保存用バッグの使用方法。
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