JP3696248B2 - デッドタイム支配工程、多重可変インタラクテイブ工程、及び時間変化ダイナミックスを有する工程を制御するための可変水平線予知器 - Google Patents

デッドタイム支配工程、多重可変インタラクテイブ工程、及び時間変化ダイナミックスを有する工程を制御するための可変水平線予知器 Download PDF

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Description

発明の背景
本発明は制御された工程出力の予知を与える可変ホライズン予知器である。より詳細には、本発明の可変ホライズン予知器は、予知可能な制御ループの性質を有する古典的フィードバック・ループを提供するものであり、それによってむだ時間及び時間変化ダイナミックスを補償するものである。
制御技術においては、伝統的なフィードバック制御器が制御作業を支配している。伝統的なフィードバック制御器にはプロポーショナル(P)制御器、プロポーショナル−インテグラル(PI)制御器、あるいはプロポーショナル−インテグラル−デリバテイブ(PID)制御器などのようなリニア・制御器、及びファジー・ロジック(FL)制御器などのようなノンリニア・制御器を含む。
しかし、フィードバック制御器はむだ時間によって支配される工程や、時間変化ダイナミックスを有する工程にはうまく作用しない。さらに、フィードバック制御器は工程変数の間に相互作用がある、多重可変工程には良好に作用しない。
幾つかの予測制御技術が開発されてフィードバック制御器の制限事項について述べているが、これらの技術はいずれもフィードバック制御器をその支配的な位置から外してはいない。
発明の要約
本発明はいずれの形式の制御アルゴリズムにでも用いられ、工程制御ループにおいてむだ時間及び時間変化ダイナミックスを補償し、インタラクテイブ多重可変工程で用いることが出来る、可変水平予知器(VHP)である。VHPは制御器の出力信号を工程モデルへ出力して、予知水平に対して工程出力信号を予知する、予知ベクターを形成する。予知は、予知ベクターを工程出力信号と比較することによって補正される。水平セレクタは予知ベクターの予知サブベクターを分離し、これは加算器にフィードバックされてエラー信号を形成し、制御器にかけられる。サブベクターは1エレメントの予知ベクターから全体の予知ベクターまでの間で成ってよい。
操作の第一の態様では、本発明のVHPは工程のむだ時間に基づく将来の時点での制御された工程の出力の予知を与えるように形成される。
操作の第二の態様では、本発明のVHPは将来の異なった時点での多数の予知を含む制御された工程の予知ベクターを与えるように形成される。この態様においては、エラーベクターはセットポインt予知ベクターから予知ベクターを差し引くことによって計算される。もし制御器が単一のエラーの値を予期するならば、エラーベクターは加重平均に変換されてエラースカラーを形成し、エラースカラーは制御器に適用することが出来る。
最後に、これらの態様の双方とも、制御された工程が多重工程入力と多重工程出力とを持つ多重可変制御システムに用いることが出来る。多重可変制御システムでは、各工程出力にVHPが設けられ、各工程入力に制御ループが設けられる。VHPは測定された外乱むだ時間、時間変化ダイナミックス、及び隣接の制御ループ内の予知されたエラーを補正する。
【図面の簡単な説明】
第1図は先行技術の制御ループのブロック図である。
第2図は最小むだ時間を有する工程の応答を示す。
第3図は実質的なむだ時間を有する工程の応答を示す。
第4図はスミス予知器を有する先行技術の制御ループのブロック図である。
第5図は本発明の可変水平予知器を有する制御ループを示すブロック図である。
第6図は二つの制御入力部と二つの制御出力部とを有する制御下にある工程を有する制御ループのブロック図である。
好ましい実施態様の詳細な説明
第1図は先行技術の制御ループ10のブロック図である。ループ10はフィードバック制御器12、制御下の工程14、及び加算器16から成る。フィードバック制御器12は比例(P)制御器、比例−積分(PI)制御器、及び比例−積分−デリバテイブ(PID)制御器のようなリニア制御器、及びファジーロジック(FL)制御器のようなノンリニア制御器を含む、技術で知られているあらゆる形式のフィードバック制御器を表す。
フィードバック制御器12は加算器16からエラー信号e(t)を受けて、制御パラメータを用いてエラー信号を処理して制御信号u(t)を形成する。工程14は制御信号u(t)を受けて、出力信号y(t)で明らかになっているある形式の応答を表示する。出力信号y(t)は加算器16にフィードバックされて、そこでセットポイント信号r(t)から差し引かれてエラー信号e(t)を生成するが、これは所望の工程出力と現行の工程出力との差を表す。
制御ループ10は多くの異なった形式の工業的工程の一つを表すものである。たとえば、工程14が特定の温度で維持されなければならない混合タンクから成ると考える。この例では、出力信号y(t)はタンクの測定温度を表し、セットポイント入力r(t)はタンクの所望の温度を表し、エラー信号e(t)はセットポイント温度と測定温度との差を表し、そして制御信号u(t)はタンクに熱を加える装置を制御するために用いられる。
この例では、タンクに熱を加える装置は制御信号u(t)に迅速に応答する電気的加熱エレメントである。第2図はそのような装置を有する制御ループに対する工程14の応答を示し、曲線18はk時点でSP0からSP1へのセットポイント信号r(t)の変化を表し、曲線20は出力信号y(t)での工程14の応答を表している。加熱エレメントは制御信号u(t)に迅速に応答するために、曲線20はセットポイントが変化した後ほとんど直ちに新しいセットポイントの方へ移動し始める。
さて、タンクに熱を加える装置は、蒸気を発生させるボイラーであって、タンク内の熱交換器をボイラーと接続する実質的な長さの管を持っており、また弁は管を通して蒸気の流れを制御する制御信号u(t)によって制御される弁ポジショナーを持っている、と想定する。第3図はそのような形態を有する制御ループに対する工程14の応答を示し、曲線22は時点k1でのセットポイント信号r(t)のSP0からSP1への変化を表し、曲線24は出力信号y(t)での工程14の応答を表す。蒸気は熱交換器に達するまでに管の長さだけ移動しなければならないから、曲線20は時間dまでは新しいセットポイントの方へ動き始めない。時間dは制御技術では「むだ時間」として知られており、信号u(t)に含まれる制御行為と信号y(t)の制御行為に対する応答の始まりとの間の遅延をいう。
工程の支配時間定数は、工程がむだ時間を持たないと仮定して、単位ステップ信号を工程入力部へかけた後、出力信号が規則的出力値の約63%に達するまでに要する時間と定義される。制御下にある工程の支配時間定数に比較してむだ時間が比較的小さいときは、フィードバック制御器は良好に作用をする。その上、むだ時間が工程の支配時間定数に近づくにつれてフィードバック制御器の性能は落ちる。
むだ時間を補正するための多数の解決策が開発されている。典型的には、これらの解決策は算術的なモデルを用いてフィードバック信号からを取り除き、それによって工程管理の質を向上させることを含むものである。むだ時間によって起こされた問題に対する最も効果的な解決法の一つはスミス予知器である。
第4図はスミス予知器を備えた先行技術の制御ループ26のブロック図である。ループ26はフィードバック制御器28、制御下にある工程30、工程モデル(むだ時間なし)32、むだ時間遅延ユニット34、及び加算器36、38、及び40から成る。
フィードバック制御器28は加算器40からのエラー信号e2(t)を受けて、制御パラメータを用いてエラー信号を処理して制御信号u(t)を形成する。工程30は制御信号u(t)を受ける。制御信号u(t)の動作の結果、工程は出力信号y(t)において明らかである、あるタイプの応答を示す。フィードバック制御器28は転送機能GC(iw)を持ち、制御下にある工程30は転送機能GP(iw)を持つ。
併せて、工程モデル32及びむだ時間遅延ユニット34は工程30のモデルを形成する。工程モデル32は転送機能G'P(iw)を持ち、これは工程転送機能GP(iw)を概算するが、むだ時間無しのものである。本書中で用いるところでは、水平バー(例えばG'P(iw))を有する可変ラベルは物理的信号の予知、あるいは予知を発生させるモデルを表す。
スミス予知器を有する制御ループにおいては、制御された工程は一番目の機能プラスむだ時間として形式つけられる。それゆえ、転送機能G'P(iw)は一番目の機能コンポーネントGP(iw)に等しい。第4図においては、工程モデル32はまた制御信号u(t)も受ける。従って、工程モデル32は信号y(t+d)を生成する。これはむだ時間に等しい将来の時点での信号y(t)の値の予知である。信号y(t+d)は加算器40にフィードバックされて、そこでそれはエラー信号e1(t)から引き去られてエラー信号e2(t)を形成し、これはフィードバック制御器28に供給される。
信号y(t+d)もまたむだ時間ユニット34に設けられて、これはむだ時間に等しい時間間隔だけ信号y(t+d)を遅延させて、出力予知y(t)を生成する。予知した出力予知y(t)は加算器36によって実際の出力信号y(t)から差し引かれて信号eM(t)を形成する。これはモデル作成エラーを表す。信号eM(t)は加算器38のところでセットポイント信号r(t)から差し引かれてエラー信号e1(t)を生成する。
もし工程モデル32とむだ時間遅延ユニット34とを一緒にして完全な型の工程30を形成するならば、モデルエラー信号eM(t)はゼロとなり、フィードバック制御器28はセットポイントマイナス予知に等しいエラー信号を受ける。しかし、実際はモデルは決して完全ではなく、モデルエラー信号eM(t)はゼロとはならない。従って、スミス予知器はモデルが工程とマッチする程度まではむだ時間の影響を除去するが、しかしモデルエラーの影響を補正するときはむだ時間を含む。
スミス予知器は恒常的なむだ時間及び第1次の見積もりによって正確にモデルされたダイナミックスを有する工程に対しては良好に作用する。しかし、スミス予知器は工程モデルのミスマッチには敏感である。これは重大な問題である、何故ならば多くの工業工程は第1次プラスむだ時間モデルによっては厳密に概算されない複雑なダイナミックスを持っていることがあるかっらである。加えて、スミス予知器は負荷の外乱に対抗することが困難であり,多重入力及び出力を有する工程で操作するようには設計されていない。
多くの他の技術はむだ時間支配の工程、インタラクテイブ工程、及び時間変化ダイナミックスで作用するように開発されている。これらの技術は「モデル予知発見的制御:産業工程に対する適用法」、14巻,1978、にJ.P.Richalet,A.Rault,J.L.Testud,及びJ.Paponによって開示されたモデル・アルゴリズミック制御(また確認及び命令として知られている)、及び「ダイナミック・マトリックス制御−コンピュータ制御アルゴリズム」にC.R.CutlerおよびB.L.Ramakerによって開示されたダイナミック・マトリックス制御、米国化学技術者の全国集会、ヒューストン、テキサス、1979年4月、を含む。これらの技術は一般にモデル予知制御(MPC)と言われており、技術者が制御下にある工程の正確な算術的なモデルを開発することを要求される。MPC技術はスミス予知器及び伝統的なフィードバック制御器の制限事項の多くの点について良好に述べている。しかし、MPC技術を制定するには複雑な用具と高度な技術的な知識及び技能とを必要とする。MPC技術は制御産業に増大する衝撃を及ぼした。しかし、プロポーショナル(P)制御器、プロポーショナル−インテグラル(PI)制御器、及びプロポーショナル−インテグラル−デリバテイブ(PID)制御器のような古典的なリニア・フィードバック制御器、及びファジー・ロジック(FL)制御器のようなノンリニア・フィードバック制御器は引き続き制御の行為を支配している。
むだ時間支配工程、インタラクテイブ工程、及び時間変化ダイナミックスを有する工程で作用するその他の技術はモデルに基づいたアルゴリズムを用いている。これらの技術は、1969、ルイジアナ州立大学、化学技術部、Ph.D.Thesis、「直接デジタル制御の設計と制定についての選択的問題点」にC.F.Mooreによって開示された分析的予知器のアルゴリズム、「単純化された型の予知制御」,I&EC Proc.Des.Dev.,25,2,1987にG.R.Arulalan及びP.B.Deshpandeによって開示された、単純化された型の予知制御、及び「連続的工程の達成総品質管理」、化学工学の進歩、1993年7月、にPradeep B.Deshpands,Russel E.Hannula,Mohan A.Ehalodia,及びClay W.Hansenによって開示されたQ-PID制御器を含む。これらの技術は制御された工程の正確な算術的なモデルを必要とし、また制御器の調整工程が厄介である。それ故、これらの技術は、実質的な学術的な力を持ってはいたが、広く実際的に受け入れられるには至らなかった。
従って、むだ時間を補正し、複雑でかつ時間変化ダイナミックスを有する工程で効果的に作動可能であり、制御下の工程について正確な算術的モデルを必要としないで、負荷の外乱を補正出来て、かつ多重可変の工程で効果的に作動できるような、制御戦略に対する制御産業の必要性がある。
本発明の可変水平予知器(VHP)はMPC技術のモデルに基づく予知能力と制御アルゴリズムとを結合することによってこれらの必要性を遂行するものである。それ故、本発明のVHPは伝統的なフィードバック制御器を有する制御ループに結合出来るアドオン・ユニットとして形成出来る。
第5図は本発明のVHP41を設けた制御ループ42を示したブロック図である。制御ループ42はVHP41、制御器44、及び制御された工程46から成る。VHP41はエラー・スカラー/ベクター計算機58、セットポイントユニット59、及びVHP予知ユニット43から成る。VHP予知ユニット43は工程モデル48、予知ベクターユニット51、及びホライズン選択ユニット54から成る。最後に、予知ベクターユニット51は無補正の予知ベクターユニット49、予知補正ユニット50、補正された予知ベクターユニット52、及び加算機56から成る。第5図に示す信号は、前の図に示した連続信号と比較して、不連続信号として示される。当業に精通する者は、当業において知られる技術を用いて不連続信号は連続信号に、連続信号は不連続信号に、変換出来ることを認めるであろう。
典型的には、デジタル制御ループは「走査間隔」によって分離された「走査」として知られる時間スロットで同時に作動することにより工程を制御する。各走査の間は、制御ループの種々の位置にある信号が見本採取されて、見本に基づいて制御措置が採られる。
第5図においては、記号kは走査kで制御ループ42の状態を指す。従って、信号ykは工程46(最後の走査の間に測定した)の現行出力を表す。予知がアップデートされるまでは、信号ykは走査k-1での工程46の出力の予知を表す。予知がアップデートされた後は、信号ykは次の走査のとき工程46の出力はどうなるかについての予知を表す。記号pは予知ホライズンの外端部を表すが、これについては下にもっと詳細に記述する。
工程46は制御器44から制御信号ukを受ける。工程46はまた、測定可能な外乱を表す、外乱信号dkを受けるように示されている。信号uk及びdkは工程46に工程出力信号ykの応答を表示させる。
信号uk及びdkはまた工程モデル48にも設けられていて、これは信号uk及びdkに対する工程のステップ応答を含む。無補正の予知ベクターユニット49は、時点kから予知ホライズンの端部までの将来の走査ごとの工程出力信号の予知値を含む無補正の予知ベクター[yk *...yk+p *]を形成する、これは時点pである。加算機56は、工程46(yk)の実際の出力を予知された出力(yk *)と比較して予知エラーを発生させる。予知補正ユニット50は予知エラーに基づき無補正の予知ベクターの各エレメントを調整して補正された予知ベクター[yk...yk+p]を形成する、これは補正された予知ベクターユニット52に収容される。
ホライズン選択ユニット54は予知ベクター[yk...yk+p]の予知サブベクター[yk+c...yk+m]を選択し、これはエラースカラー/ベクター計算機58に適用される。本発明の最も簡単な作動の態様では、選択された予知サブベクターは工程むだ時間に基づく単一の予知値となる。これは第5図に信号yk+dで表されている。別の作動態様では、選択された予知サブベクターは全体の予知ベクターかまたは予知ベクターのサブセットから成ることが出来る。これは第5図に信号[yk+c...yk+m]、ここに0≦c<m≦pで表される。
ホライズン選択ユニット54によって選択された予知はエラースカラー/ベクター計算機58に適用される。設定点ユニット59は予知サブベクターと同数のエレメントを有する設定点予知ベクターを計算機58に与えなければならない。このベクターは、将来の設定点が
rk=rk+1=rk+2=...=rkというような現在の設定点であると単純に仮定することによって生成させることが出来る。あるいは、設定点予知ベクターを恣意的に形成してもよい。例えば、制御室の操作員がコンピュータをプログラムして工程設定点を何時間かの間に亘って徐々に引き上げて、その場合、コンピュータ(設定点ユニット59によって表される)は設定点予知ベクターを工程設定点の予測された変化を反映するエラースカラー/ベクター計算機58に与えることが出来る。あるいは、設定点信号rkを第1番目プラスむだ時間フィルターに適用して工程設定点がSP0からSP1へ変わると走査kと走査k+pとの間で設定点信号がSP0からSP1へ円滑に変わることを予知する設定点参照軌道予知ベクターとなるように、設定点参照軌道予知ベクターを形成させることも出来る。
エラースカラー/ベクター計算機58は設定点予知ベクターから予知サブベクターを差し引いて制御器44に与えられるエラー信号を形成する。むだ時間に基づく単一の予知点に対しては、ek+dはrk+dマイナスyk+dに等しい。複数の予知点に対しては、エラーベクター[ek+c...yk+m]は[rk+c...rk+m]マイナス[yk+c...yk+m]、ここで0≦c<m≦p、に等しい。制御器によっては、制御器が全体のエラーベクターを受けるか、またはエラーベクターの加重平均値が形成されて制御器に適用されるかになるが、これについては下段で一層詳細に述べる。
本発明の一実施態様では、用いた予知アルゴリズムは、1992年6月にイリノイ州シカゴで開催された米国制御会議のワークショップナンバー4で配布された「モデル予知制御」と題する発表にManfred Morari,N.L.Richer及びEvanghelos Zafirionによって開示されたものである。このアルゴリズムでは、工程のダイナミックスは工程入力に適用されたユニットステップ信号と外乱入力に適用されたユニットステップ信号とに対する工程出力で測定された応答によってモデルされる。工程入力に対しては、ステップ応答係数はpx1のマトリックスに下記のように組み込まれる。
A=[a1,a2,...ap]T
外乱の入力に対しては、ステップ応答係数はpx1のマトリックスに下記のように組み込まれる。
D=[d1,d2,...dp]T
所望ならば、追加の測定外乱を予測値に含めてもよい。記号「T」は置換されたマトリックスを示し、個々の係数はループ走査間隔によって分離された間隔で採った出力信号の測定値を表す。この場合、最初の測定はユニットステップ信号の適用後最初の走査の際に採られ、p番目の測定は所望の予知ホライズンの外側の限度に相当する走査で採られた。もし分析工程モデルが用意されておけば、係数を計算してもよい。係数は工程モデル48に保存される。
本発明の可変ホライズン予知器を立ち上げたときは、ベクターに含まれるすべての予測値を工程出力信号の現状に設定することによって、予知ベクターY0が立ち上げられる。即ち、
Y0=[y0...yp-1]T=[y0...y0]T
各ループの走査の後、ベクターを1ステップ未来へ移動することによって、またベクターに最後のループ走査で生じた制御器の行動及び最後の走査で測定した外乱を勘案するようにベクターを調節することによって、予知ベクターはアップデートされる。マトリックスの命名では、これは次のように表される。
Yk *=MYk-1 *+Aδuk-1+Dδdk-1,
ここで、
δuk-1=uk-1-uk-2
であり、走査k-1での工程の制御入力の変化である、
δdk-1=dk-1-dk-2
であり、また、走査k-1での外乱入力の観察された変化である。また、Mは予知ベクターを未来へ、またコピーyk-1をykのベクター位置へ移すpxpのマトリックスである。例えばp=5に対しては、マトリックスMは:
|01000|
|00100|
|00010|
|00001|
|00001|となる。
もし工程の測定された可変数が積分行為を表すならば、マトリックスの最後の列の最後の2つの数字は|...01|ではなくて|...−12|となるべきである。予知ベクターがアップデートされた後は、それは補正されない予知ベクターユニット49に保存される。
次に、予知補正ユニット50によって予知ベクターを補正してモデリングエラー及び測定しない(または測定できない)外乱を補正する。補正は差(yk-yk)に基づく量を予知ベクターの各エレメントに下記のように単純に加えることによって行われる。
Yk=Yk *+F(yk-1-yk-1)
ここで、ykは走査kでの観察工程出力であり、ykは各kでの工程出力の予測である。典型的には、Fはpx1のユニテイベクターである。しかし、Fはまた、予知補正が走査から」走査へとあまり大きく変わるのを防止するための(一次低域フィルター又は当業で知られている他の形式のフィルターのような)フィルターであってよい。ベクターを予知補正ユニット50によって補正した後、これを補正した予知ベクターユニット52に保存する。ホライズン選択ユニット54は時間kとpとの間の予知ベクターから予知サブベクターを選択して、予知サブベクターをエラースカラー/ベクター計算機58へ与える。
本発明のVHPをその最も簡単な作動態様で用いるときは、ホライズン選択ユニット54を工程46のむだ時間に関連する未来の単一予知点を与えるように形態化する。むだ時間よりも未来において少し遠い予知の選定をすれば工程の敏感な制御をすることが出来るが、むだ時間よりも未来において非常に遠い予知の選定をして工程ステップ応答が恒常的な域に達するところに近い予知の選定をすれば、非常に安定してかつ活発な工程の制御が与えられることがわかった。
作動の別の態様では、予知のサブベクター[yk+c...yk+m]を用いる。もし本発明のVHPを古典的なフィードバック制御器で作動させるように形作るのであれば、制御器は制御器入力部での単一のエラー信号を予期する公算が最も高い。それゆえ、エラーベクター[ek+c...ek+m]をエラースカラーになるように形成しなければならない。エラースカラーは加重平均を下記のように換算することによって形成することが出来る。
ek=ak+cek+c+ak+c+1ek+c+1+...+ak+mek+m'
ここに、
ak+c+ak+c+1+...+ak+m=1である。
aの値はサブベクターの予知されたエラーエレメントがどの程度までエラースカラーに表されるかを決定する。エラーベクターの加重平均からスカラーエラーを換算してスカラーエラーを古典的なフィードバック制御器に適用する効果は、古典的なフィードバック制御ループを一連の予知された値に基づいて制御の動きを計算する予知的な制御ループに換算して、それによってむだ時間を除去して一層活発な工程の制御を与えることである。
加えて、もし工程が測定出来るような時間変化するむだ時間を持っているならば、測定されたむだ時間は水平選択ユニットに与えられることが出来て、これはその代わり測定されたむだ時間に基づく正当な予知を選択する。例えば、上に論じた例では、パイプを流れる蒸気によってむだ時間が生起させられた場合、二つのボイラーの中の一つによって蒸気が交互に与えられると仮定する。各ボイラーは異なった長さのパイプによって工程に連結されているとする。この例では、ホライズン選択ユニット54は工程に連結されたボイラーに基づいて予知を選択するように形成されることになろう。
本発明のVHPはP、PI、PID、又はFL制御器のようなフィードバック制御器で典型的に用いられるように考えられている。そのような形状では、一体的な制御動作を与えるように(最低の比例的制御動作と無派生的制御で)調整されて本発明のVHPに連結されたフィードバック制御器は単純化された予知アルゴリズムを示す。この主張は、モラリらによって開示されたモデル予知制御技術の最低方形の解決法によって制御運動ベクターδukは下記のようになると考えることによって正当化される。
δuk=(STΓyTΓyS+ΓuTΓu)-1STΓyTΓyEk
ここに、Γyは出力エラーのペナルテイマトリックスで、
Γy=diag[Γy 1,...,Γy p]
のようなものである。
ruは制御運動のペナルテイマトリックスで、
Γu=diag[Γu 1,...,Γu m]
のようなものである。mは(「ワン・ムーブ・アヘッド」制御に対するΓuスカラー値を有するペナルテイマトリックスで)将来計算される制御運動の数、sはワン・ムーブ・アヘッド」制御に対する上に論じたステップ応答ベクターAに等しい)pxm工程ダイナミックマトリックス、Ekは以下のような予知ホライズン上のエラー制御ベクター、
Ek=[ek,...ek+p]T、そして
記号「T」は置換されたマトリックスを指す。
「ワン・ムーブ・アヘッド」制御運動(例えば、m=1)を計算するために用いる場合は、δukの式の分母は
ATΓy TΓyA+ΓuTΓuに等しいスカラーとなり、分子は
ATΓy TΓyEkとなる。「ワン・ムーブ・アヘッド」予知制御アルゴリズムは全体の予知ホライズンに対する加重全体制御を与えることが用意にわかる。各将来のループ走査に対する各々の予知されたエラーは、適当なステップ応答係数の倍数を各エラー予知にかけた適当なペナルテイをつけて、各計算された制御運動に対して勘案される。
制御運動δukを定義する式は将来の単一点に基づいて定義することによって下記のようにさらに簡単にすることが出来る。
δuk=(aiΓy i 2ek+I)/(ai 2Γy i 2u i 2)
これは
δuk=Kiek+i
のように単純化出来る。
ここに、
Ki=ai/(ai 2+(Γu i/ry i)2)である。
従って、Kiは将来のk+iの時点での予知工程エラーに基づく制御に対する予知制御ゲインとなる。本発明のVHPに連結された古典的なフィードバック制御器を用いてこの制御アルゴリズムを示すために、フィードバック制御器ゲインをKiに設定し、ホライズン選択ユニット54を走査k+iでの予知を選択するように設定する。
本発明の別の実施態様においては、二つの入力部と二つの出力部とを備えた工程を持ち、一対の古典的なフィードバック制御器によって制御された、工程制御ループにおいて一対のVHPが用いられる。各フィードバック制御器は単一のエラー信号入力部と単一の制御出力部とを持っている。二つの入力部と二つの出力部とを備えた工程は当業において2x2工程として知られる。
当業において知られている一つの予知の多重変化可能な戦略は、2x2工程に対する制御器の運動を下記のように定義する。
|δu1|=|K11 K12||e1k+i
|δu2| |K21 K22||e2k+j
ここに、δu1は工程の最初の入力部に供給された制御信号の変化、δu2は工程の第二の入力部に供給された制御信号の変化、e1k+iは走査k+iのところの第一の工程出力部の予知された工程エラー、e2k+iは走査k+jのところの第二の工程出力部の予知された工程エラー、K11は第一の予知された工程エラーに関する第一の制御部出力のゲイン、K12は第二の予知された工程エラーに関する第一の制御部出力のゲイン、K21は第一の予知された工程エラーに関する第二の制御部出力のゲイン、K22は第二の予知された工程エラーに関する第二の制御部出力のゲインである。
上記のマトリックスに基づいて、個々の制御動作は下記のようになる。
δu1=K11e1k+i+K12e2k+j、及び
δu2=K21e1k+i+K22e2k+j
これらの式において、各制御器の動作は二つの入力、e1k+iとe2k+jとに基づき、また各入力には別のゲインを掛けなければならない。しかし、古典的なフィードバック制御器は典型的には唯一つの入力を持っている。
本発明によれば、二つのVHP予知ユニットと二つのループ相互作用補償器とに連結した二つの古典的なフィードバック制御器が上記の2x2制御アルゴリズムを完成している。上記の等式の各々の右側を再編成することによって、次のことがわかる。
δu1=K11(e1k+i+(K12/K11)e2k+j、及び
δu2=K22((K21/K22)e1k+i+e2k+j
従って、第一の古典的なフィードバック制御器はゲインK11を持つように形作られ、第二の古典的なフィードバック制御器はゲインK12を持つように形作られ、各フィードバック制御器は隣接するループの予知されたエラーにスケーリング係数を掛けたものプラスフィードバック制御器の自己のループの予知されたエラーに基づきエラー信号を受けるようになっている。
第6図は制御ループ61及び63と2x2工程62とを有する制御システム60のブロック図である。制御ループ63は工程62、制御器64、VHP予知ユニット68、及び加算機72及び74から成る。制御ループ61は工程62、制御器66、VHP予知ユニット70、及び加算機76及び78から成る。また制御システム60に含められるのは、ループ相互作用補正器80、これはループ51のエラーに基づいてループ63に追加の補正を与えるものであり、またループ相互作用補正器82があり、これはループ63のエラーに基づいてループ61に追加の補正を与えるものである。各VHP予知ユニットは、第5図の工程モデル48、無補正の予知ベクターユニット49、予知補正ユニット50、補正された予知ベクターユニット52、ホライズン選択ユニット54、及び加算機56のような、工程モデル、無補正の予知ベクターユニット、予知補正ユニット、補正された予知ベクターユニット、ホライズン選択ユニット、及び加算機から成る。簡単化のために、第6図は走査k+jの単一時点に対する予知を与えるように形成したVHP予知ユニット68及び走査k+iの単一時点に対する予知を与えるように形成したVHP予知ユニット70を示す。しかし、VHP予知ユニット68及び70は、第5図を参照して上に論じたように、設定点ベクターから差し引いて加重平均を計算することによってスカラーに形成出来るエラーベクターを形成するようにした予知ベクターを与えるように形成してもよい。
第6図では、各VHP予知ユニットは、制御器64及び66から制御信号u2k及びu1k、をそれぞれ受け、また測定可能な外乱を表す信号dkを受けるように形成される。各VHP予知ユニットの工程モデルは工程の少なくとも3つのステップ応答を含み、第一のステップ応答は第一の工程入力部にかけられたユニットステップ信号に対するVHP信号ユニットによって予知されている出力部の応答を表し、第二のステップ応答は第二の工程入力部にかけられたユニットステップ信号に対するVHP信号ユニットによって予知されている出力部の応答を表し、第三のステップ応答は工程にかけられたユニットステップの外乱に対するVHP予知ユニットによって予知されている出力部の応答を表わす。従って、予知をアップデートするための上記の式は下記のように変更される。
Yk *=MYk-1 *+A1δu1k-1+A2δu2k-1+Dδdk-1
ここに、
δu1k-1=u1k-1-u1k-2
そして走査k-1での工程の第一の制御入力の変更となり、
δu2k-1=u2k-1-u2k-2
そして走査k-1での工程の第二の制御入力の変更となり、
δdk-1=dk-1-dk-2
そして走査k-1での外乱信号の観察された変化となり、そしてA1及びA2はそれぞれ第一と第二の工程入力に関する出力点で測定したステップ応答を保存するベクターであり、またDは外乱に関して出力点で測定したステップ応答を保存するベクターである。
第6図においては、VHP予知ユニット68は制御器64及び66からそれぞれ制御信号u2k及びu1k並びに外乱信号dkを受け取って、予知信号y2k+jを与える。これは未来の走査k+jでの出力信号y2kの予知である。予知信号y2k+jを付加器72へ与えるが、そこでは設定点信号SP2から差し引かれてエラー予知信号e2k+jを形成する。同様に、VHP70予知ユニットは制御器64及び66からそれぞれ制御信号u2k及びu1k並びに外乱信号dkを受けて、予知信号y1k+iを与えるが、これは未来の走査k+jでの出力信号y1kの予知である。予知信号y1k+jを付加器78へ与えるが、そこでは設定点信号SP1から差し引かれてエラー予知信号e1k+iを形成する。
エラー予知信号e1k+iはループ相互作用補正器80にも適用されて補正されたエラー信号(K21e1k+i/K22)を形成するが、これはそれに対して付加器74に適用されてそこでエラー予知信号e2k+jに加算されて複合エラー予知信号e2'k+jを形成する。従って、複合エラー予知信号e2'k+jは(K21/K22)e1k+i+e2k+jに等しい。複合エラー信号e2'k+jが制御器64に適用されると、制御器の出力信号の結果的な変化は、
δu2=K22(K21/K22)e1k+i+e2k+j)となり、
これは制御マトリックスから上に誘導された式である。
同様に、エラー予知信号e2'k+jはループ相互作用補正器82にも適用されて補正されたエラー信号(K12e2k+j/K11)を形成するが、これはそれに対して付加器76に適用されてそこでエラー予知信号e1k+jに加算されて複合エラー予知信号e1'k+iを形成する。従って、複合エラー予知信号e1'k+iは(K12/K11)e2k+j+e1k+iに等しい。複合エラー信号e1'k+iが制御器66に適用されると、制御器の出力信号の結果的な変化は、
δu1=K11(K12/K11)e2k+j+e1k+i)となり、
これも制御マトリックスから上に誘導されたものである。
結論として、2x2の工程の予知制御は本発明の二つのVHP予知ユニットと二つのループ相互作用補正器とを一対の古典的なフィードバック制御器に連結することによって実現される。
本発明のVHPはどのような制御アルゴリズムを用いた制御器にでも連結出来る。しかし、本発明のVHPは、制御技術者によって用いられて古典的なリニア又はノンリニアなフィードバック制御器を有する制御ループを予知制御ループに変換して、それによってむだ時間、時間変化ダイナミックス、及び測定された外乱を補正するように用いられた場合に、特に効果的であると考えられる。多くの会社は古典的なフィードバック制御器を有する流通された制御システムに多大な投資をしている。さらに、制御技術者はフィードバック制御器を良く知っており、フィードバック制御器によって制御された調整制御ループを形成することに広い経験を持っている。本発明のVHPは工程制御の品質を高めながら、そのような投資及び経験を保持するものである。
作動の第一の態様では、本発明のVHPは工程のむだ時間に基づいて将来の時点での制御された工程の出力の予知を与えるように形成されて、それによってスミス予知器のアルゴリズムによって提唱されたと同様の問題を提唱するものである。しかしながら、スミス予知器とは異なり、本発明のVHPは第一次プラスむだ時間モデルに限定されることなく、測定された外乱の影響を容易に予知に組み入れることが出来、また予知時点を動力学的に選択することが出来るようにするものである。
作動の第二の態様では、本発明のVHPは異なった走査回数での多数の予知を含む制御された工程の予知されたベクターを与えるように形成されている。この態様においては、エラーベクターは設定点予知ベクターから予知ベクターを差し引くことによって計算される。もし制御器が単一のエラー信号を期待するならば、エラー信号は加重平均を計算することによってエラースカラーに変換することが出来て、スカラーエラーを制御器に適用することが出来る。従って、この態様の作動では本発明のVHPは古典的なフィードバック制御ループを、一定の範囲の予知に基づいて制御器の作動を計算する予知制御ループに変換するので、一層安定的かつ活発な制御を生成する傾向を有するものとなる。
最後に、これらの態様の双方とも、第六図に示すような多重可変の制御システムに用いることが出来る。本発明のVHPは、測定された外乱むだ時間、時間変化ダイナミックスの補正、及び隣接するループ内の予知されたエラーの補正をした多重可変の工程を提供する。
本発明は好ましい実施態様を参照して記述したが、当業に精通する作業者は発明の精神及び範囲から外れない範囲で形式及び詳細について変更を行ってよいことを認めるであろう。

Claims (31)

  1. 制御下にある工程(46)と制御器(44)とを有する制御ループ(42)で用いるための可変ホライズン予知器(41)であって、制御器(44)は制御信号を与えるための制御器出力とエラー信号を受けるための制御器入力とを持ち、また工程(46)は可変の工程を制御する工程入力部を持ち、工程入力部は工程出力部と連結されて制御信号を受けるようにし、工程出力部は可変工程を表す工程出力信号を与えるようになっており、可変ホライズン予知器は、
    制御器出力部に連結されて制御信号を受けるモデル入力部と制御信号に基づいてモデル応答信号を与えるモデル応答出力部とを有する工程モデル(48)と、
    予知ベクターを与える予知ベクター出力部と工程モデル(48)のモデル応答出力部に連結されてモデル応答信号を受けるモデル応答入力部とを有する予知ベクターユニット(51)であって、予知ベクターは工程出力信号の予知された未来の値を有するものと、
    予知ベクターの選択されたサブベクターを与える予知サブベクターと予知ベクターユニットの予知ベクター出力部に連結されて予知ベクターを受ける予知ベクター入力部とを有するホライズン選択ユニット(54)であって、ホライズン選択ユニットは予知ベクターから予知サブベクターを選択するようにしたものと、
    制御器入力部に連結されたエラー信号出力部とホライズン選択ユニットのサブベクター出力部に連結されてサブベクターを受けるサブベクター入力部とを有するエラースカラー/ベクター計算機(58)であって、エラーベクター計算機は設定点信号と予知サブベクターとに基づいてエラー信号を生成するようにしたものと、
    を有する可変ホライズン予知器。
  2. 請求項1の可変ホライズン予知器(41)であって、工程モデル(48)は工程(46)に対する外乱を受ける外乱入力部を含み、またモデル応答信号は外乱信号にも基づくもの。
  3. 請求項1の可変ホライズン予知器(41)であって、予知ベクターユニット(51)は、
    モデル応答出力部からモデル応答信号を受け、モデル応答信号と先の補正された予知ベクターとに基づいて無補正の予知ベクターを形成し、そして無補正の予知ベクター出力部に無補正の予知ベクターを与えるようにした、無補正の予知ベクターユニット(49)と、
    無補正の予知ベクター入力部で無補正の予知ベクターを受け、工程出力信号に基づいて無補正の予知ベクターを補正し、補正された予知ベクターを補正された予知ベクター出力部に与えるようにした、予知補正ユニット(50)と、
    補正された予知ベクター入力部で補正された予知ベクターを受け、補正された予知ベクターで無補正の予知ベクターユニット(49)に保存されている先に補正された予知ベクターをアップデートして、予知ベクターを予知ベクター出力部に与えるようにした、補正された予知ベクターユニット(52)であって、補正ベクターが予知ベクターであるもの、とを備えたもの。
  4. 請求項3の可変ホライズン予知器(41)において予知補正ユニット(50)は予知エラーユニットを持ち、予知ベクターユニット(51)は更に、
    工程出力信号を受ける第一の入力部と、工程出力信号と時間で対応する無補正の予知ベクターから無補正の予知を受ける第二の入力部と、工程出力信号と無補正の予知との間の差を表す予知エラー信号を与える出力部とを持ち、予知エラー信号は予知補正ユニット(50)の予知補正入力部に連結されている、加算機(56)を含むもの。
  5. 請求項4の可変ホライズン予知器(41)において予知補正ユニット(50)は予知エラー信号を無補正の予知ベクターに保存されている予知未来値に加えて補正された予知ベクターを形成するもの。
  6. 請求項1の可変ホライズン予知器(41)においてエラースカラー/ベクター計算機(58)はエラーベクターを含み、また可変ホライズン予知器(41)は更に
    設定点信号を設定点ベクターとしてエラースカラー/ベクター計算機(58)に与える設定点出力部を有する設定点ユニット(59)において、予知サブベクター、設定点ベクター、及びエラーベクターは各々相当する数の予知値を保存し、またエラースカラー/ベクター計算機(58)は予知サブベクター及び設定点ベクターに保存された相当する予知値間の差を計算することによってエラーベクターを形成するようにしたもの、を含むもの。
  7. 請求項1の可変ホライズン予知器(41)においてエラースカラー/ベクター計算機(58)によって与えられるエラー信号は単一のスカラー値を有し、また可変ホライズン予知器(41)は更に、
    設定点信号を設定点ベクターとしてエラースカラー/ベクター計算機(58)に与える設定点出力部を有する設定点ユニット(59)において、予知サブベクター及び設定点ベクターは各々相当する数の予知値を保存し、またエラースカラー/ベクター計算機(58)は予知サブベクター及び設定点ベクターに保存された相当する予知値間の差の加重平均値を計算することによって単一スカラー値を形成するようにしたもの、を含むもの。
  8. フィードバック制御器の入力部に設けられたエラー信号を形成する方法であって、制御器の出力信号に基づいて予知ベクターを形成し、予知ベクターは工程出力信号の予知を保存する複数のエレメントを持ち、また設定点信号の予知を保存する複数のエレメントを有する予知ベクター及び設定点ベクターに基づいてエラー信号を計算することを有する方法。
  9. 制御器の出力信号に基づいて予知ベクターを形成することが、制御器出力信号と工程モデルとに基づいて工程モデル応答ベクターを形成し、工程モデル応答ベクターと予知ベクターとに基づいて予知ベクターをアップデートすることを有する、請求項8の方法。
  10. 請求項9の方法において、更に予知ベクターを初期化することを有するもの。
  11. 請求項10の方法において、予知ベクターを初期化することが、予知ベクターのエレメントを工程出力信号に基づいて初期値に設定することを有するもの。
  12. 請求項9の方法において、工程モデルが工程出力信号の工程の入力で適用されたユニットステップ信号に対する応答を表すエレメントを有する入力ステップ応答を備え、また工程モデル応答ベクターを形成することが、制御出力信号の制御信号の変化を検出して、入力ステップ応答ベクターのエレメントを制御信号変化に掛けて工程モデル応答ベクターを形成させることを有するもの。
  13. 請求項9の方法において、予知ベクターの複数のエレメントのが第一のエレメントを含み、予知ベクターをアップデートすることが、予知ベクターに保管された各予知ベクターを1エレメント移動させて各予知に次の走査に近い一つの走査での予知を表させるようにし、また工程モデル応答ベクターを予知ベクターにくわえることを有するもの。
  14. 請求項8の方法において、更に工程出力信号に基づいて予知ベクターを訂正することを有するもの。
  15. 請求項14の方法において、予知ベクターを訂正することが、工程のむだ時間に基づく予知ベクターから予知サブベクターを選択し、工程出力信号の真の大きさと工程出力信号の予知された大きさとの予測差を計算し、予測差に基づいて予知ベクターのエレメントを調整するもの。
  16. 請求項15の方法において、予知ベクターを調整することが、予測差を予知ベクターの各エレメントに加えることを有するもの。
  17. 請求項15の方法において、予知ベクターを調整することが、予測差と前の予測差とに基づいてフィルタをかけられた予測差を計算し、フィルタをかけられた予測差を予知ベクターの各エレメントに加えることを有するもの。
  18. 請求項8の方法において、予知ベクターに基づいてエラー信号を計算することが、予知ベクターから予知サブベクターを選択して、予知サブベクターと設定点ベクターとに基づいてエラー信号を計算することを有するもの。
  19. 請求項18の方法において、予知サブベクターを選択することが、工程のむだ時間に基づいて予知ベクターから予知サブベクターを選択することを有するもの。
  20. 請求項8の方法において、予知ベクターに基づいてエラー信号を計算することが、予知ベクターの各エレメントを設定点ベクターの相当するエレメントから差し引いて、エラーベクターがエラー信号を有するエラーベクターを形成させることを備えたもの。
  21. 請求項8の方法において、予知ベクターに基づいてエラー信号を計算することが、予知ベクターの各エレメントを設定点ベクターの相当するエレメントから差し引いて、エラーベクターを形成させて、エラーベクターの各エレメントに相当する加重係数を掛けて複数の複数の重みづけされた予知を形成させ、重みづけされた予知を合計してエラースカラーを形成させ、そのエラースカラーはエラー信号を含むようにしたことを有するもの。
  22. 請求項8の方法において、制御器出力信号に基づいて予知ベクターを形成することが、制御器出力信号、外乱信号、及び工程モデルに基づいて工程モデル応答を形成することと、工程モデル応答ベクターと予知ベクターとに基づいて予知ベクターをアップデートすることを有するもの。
  23. 請求項22の方法において、工程モデルが、工程の入力部に掛けられたユニットステップ信号に対する工程出力信号の応答を表すエレメントを有する入力ステップ応答ベクターと、工程の入力部に掛けられたユニットステップの外乱に対する工程出力信号の応答を表すエレメントを有する外乱ステップ応答ベクターとを有し、工程モデル応答ベクターを形成することが、制御器出力信号の制御信号の変化を検出すること、入力ステップ応答ベクターのエレメントに制御信号の変化を掛けて入力変化ベクターを形成すること、外乱の変化を検出すること、外乱ステップ応答ベクターのエレメントに外乱の変化を掛けて外乱変化ベクターを形成すること、及び入力変化ベクターを外乱変化ベクターに加えて工程モデル応答ベクターを形成すること、を有するもの。
  24. p工程入力部(pは整数)とq工程出力部(qは整数)とを有する工程(62)を制御する装置であって、
    p≧2かつq≧2であり、pフィードバック制御器(64及び66)と協力して、各フィードバック制御器はエラー入力部と制御信号をp工程入力部の各々が制御器出力部に連結されるようにp工程入力部の一つに制御信号を与える制御器出力部とを持つものにおいて、q設定点信号がq工程出力部の各々に対する所望の出力に比例しかつこれを表すように設けられた装置において、この装置は
    q予知ユニット(68及び70)、各予知ユニットはq予知入力部とq工程出力の各々が予知されるように工程出力の予知された未来値を表す予知出力信号を与えるための予知出力部とを持っており、各予知入力部は独特の制御器出力部に連結されており、
    q設定点エラー加算機(72及び78)、各設定点加算機は予知ユニットの予知出力部に連結された第一の入力部と、予測ユニットによって予測された工程出力に相当する設定点信号を受けるように形成された第二の入力部と、予知出力信号と設定点信号との差を表すエラー信号を与える出力部と、を持っており、
    px(q-1)ループ相互作用補正器(80及び82)、各ループ相互作用補正器はエラー信号を受けるための入力部とスケールされたエラー信号を与えるための出力部とを持っており、p複合エラー加算機(74及び76)、各複合エラー加算機は独特のエラー信号を受けるように形成された第一の入力部と、q-1相互作用入力部で、各相互作用入力部は独特のスケールされたエラー信号を受けるように形成され、また複合エラー信号を各制御器入力部へ与えるための、制御器入力部に連結された複合エラー出力部とを持っているもの。
  25. 請求項24の装置であって、各予知ユニット(68及び70)は予知ユニットによって予測された工程出力信号に相当する工程出力部に連結された入力部を含み、予知ユニットは工程出力信号に基づいて予知出力信号を補正するようにしたもの。
  26. 請求項24の装置であって、各予知ユニット(68及び70)は工程(62)に対する外乱を表す外乱信号を受けるための外乱入力部を含み、各予知ユニット(68及び70)の予知出力信号は制御信号と外乱信号とに基づくもの。
  27. 第一のフィードバック制御器の第一の制御器入力部に与えられた複合エラー信号を形成する方法であって、第一のフィードバック制御器は第一の制御信号を工程の第一工程入力部へ供給し、第一の制御信号は工程の第一の工程出力信号と第二の工程出力信号とに変更を生じさせ、第二のフィードバック制御器は第二の制御信号を工程の第二の工程入力部へ供給し、第二の制御信号もまた、工程の第一の工程出力信号と第二の工程出力信号とに変更を生じさせ、その方法は、第一と第二の制御信号に基づき第一の予知を形成し、第一の予知は第一の工程出力信号の未来値を表し、第一と第二の制御信号に基づき第二の予知を形成し、第二の予知は第二の工程出力信号の未来値を表し、第一の予知と第一の設定点信号とに基づき第一のエラー信号を計算し、第二の予知と第二の設定点信号とに基づき第二のエラー信号を計算し、スケーリング係数によって第二のエラー信号を乗して第二のスケールされたエラー信号を形成し、そして第二のスケールされたエラー信号を第一のエラー信号に加えて複合エラー信号を生成するようにしたもの。
  28. 請求項27の方法であって、第一の予知及び第二の予知は各々また工程に対する外乱を表す外乱信号に基づくもの。
  29. 第一のフィードバック制御器の第一の制御器入力部に与えられる複合エラー信号を形成する方法であって、第一のフィードバック制御器は第一の制御信号を工程の第一の工程入力部に供給し、第一の制御信号は工程の第一の工程出力信号と第二の工程出力信号とに変更を生じさせ、第二のフィードバック制御器は第二の制御信号を工程の第二の工程入力部へ供給し、第二の制御信号もまた、工程の第一の工程出力信号と第二の工程出力信号とに変更を生じさせ、その方法は、第一と第二の制御信号に基づき第一の予知ベクターを形成し、第一の予知ベクターは第一の工程出力信号の予知を保存する複数のエレメントを持ち、第一と第二の制御信号に基づき第二の予知ベクターを形成し、第二の予知ベクターは第二の工程出力信号の予知を保存する複数のエレメントを持ち、第一の予知ベクターと第一の設定点ベクターとに基づき第一のエラーベクターを計算し、第二の予知ベクターと第二の設定点ベクターとに基づき第二のエラーベクターを計算し、第二の予知ベクターの各エレメントにスケーリング係数を乗して第二のスケールされたエラーベクターを形成し、第一のエラーベクターのエレメントを第二のスケールされたエラーベクターの相当するエレメントに加えて複合エラーベクターを生成させ、そして複合エラーベクターから複合エラー信号を形成させることを有するもの。
  30. 請求項29の方法であって、複合エラーベクターから複合エラー信号を形成させることは、複合エラーベクターのすべてのエレメントの加重平均を計算することを有するもの。
  31. 請求項29の方法であって、第一の予知ベクターと第二の予知ベクターとは各々また工程に対する外乱を表す外乱信号に基づくもの。
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