JP3695098B2 - 圧力検出装置の製造方法 - Google Patents
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力を検出する圧力検出装置の製造方法に関し、この圧力検出装置としては、例えば車両における燃料噴射装置の燃料圧やブレーキ装置のブレーキオイル圧等の高圧を検出するのに用いて好適なるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の圧力検出装置としては、特開昭62−73131号公報に示されるものがある。
このものは、圧力導入孔の終端が薄肉部となっているセンシングボディをハウジング内に収納し、センシングボディの薄肉部に固定したセンサチップにより薄肉部の変位を検出するとともに、センサチップからの電気信号を回路基板により信号処理するようにしている。また、ハウジングを被検出体に取り付けるときに生じる応力がセンサチップに伝達するのを阻止するために、ハウジングとセンサチップの間に隙間が形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の構成においては、回路基板をセンシングボディ上に搭載しているが、この回路基板をハウジング側に固定することが考えられる。この場合、ハウジングとセンサチップの間に形成された隙間を跨いでセンサチップと回路基板とがワイヤにより電気接続されることになる。このワイヤ接続としては、通常、超音波ボンディングが用いられる。
【0004】
そこで、本発明者等が、そのような構成において超音波ボンディングを実際に行ったところ、センサチップとワイヤが良好に溶接されないという不具合が発生した。この点について検討を進めたことろ、ハウジングとセンサチップの間に隙間が形成されているため、この隙間によりセンサチップに加える超音波によってセンシングボディ全体が共振を起こし、センサチップおよびワイヤに溶接に必要な超音波エネルギーが十分伝わらないためであることがわかった。
【0005】
本発明は上記検討を基になされたもので、超音波ボンディングを用い、センサチップとワイヤを良好に溶接できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明においては、センシングボディ部(2)とハウジング部(1)の間に応力伝達を阻止するための隙間(3)が形成され、センシングボディ部(2)の終端に形成された薄肉部(2b)の圧力導入側と反対側の面に向けてワイヤ(8)を接続してなる圧力検出装置を製造する場合に、センシングボディ部(2)の内側からセンシングボディ部(2)を固定し、この固定した状態で薄肉部(2b)の圧力導入側と反対側の面に向けてワイヤ(8)を超音波ボンディングするようにしたことを特徴としている。
【0007】
このようにセンシングボディ部(2)を固定することによって、超音波ボンディング時のセンシングボディ部(2)の共振を抑制することができるため、薄肉部(2b)の圧力導入側と反対側の面に向けてワイヤ(8)を良好に接続することができる。
また、請求項4に記載の発明においては、センシングボディ部(2)とハウジング部(1)の間に応力伝達を阻止するための隙間(3)が形成され、隙間(3)を跨いでセンサチップ(4)と回路基板(7)とをワイヤ(8)により電気接続してなる圧力検出装置を製造する場合に、センシングボディ部(2)の内側からセンシングボディ部(2)を固定し、この固定した状態でセンサチップ(4)と回路基板(7)とをワイヤ(8)により超音波ボンディングするようにしたことを特徴としている。
【0008】
このようにセンシングボディ部(2)を固定することによって、超音波ボンディング時のセンシングボディ部(2)の共振を抑制することができるため、センサチップ(4)とワイヤ(8)を良好に溶接することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、ワイヤ(8)の超音波ボンディングはセンサチップ(4)に対して良好に行うことができ、また、請求項3に記載の発明によれば、ワイヤ(8)の超音波ボンディングは薄肉部(2b)の圧力導入側と反対側の面に設けた導電体に対して良好に行うことができる。
【0009】
また、請求項5に記載の発明のように、センシングボディ部(2)の共振周波数を超音波ボンデングで用いる振動周波数よりも高くするようにセンシングボディ部(2)を固定するとよく、また、請求項6に記載の発明のように、センシングボディ部(2)の内側に、薄肉部(2b)側で圧力導入孔(2a)の径を小さくする段差部(2c)を形成しておき、固定部材(21)を圧力導入孔(2a)に挿入し、その先端を段差部(2c)に当接させてセンシングボディ部(2)を固定するとよく、また、請求項8に記載の発明のように、ハウジング部(1)を固定するとともに固定部材(21)をその挿入方向に押圧してセンシングボディ(2)を固定するとよい。
【0010】
なお、上記した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
図1に、本発明の一実施形態を示す圧力検出装置の断面構造を示す。この圧力検出装置は、車両における燃料噴射装置の燃料圧やブレーキ装置のブレーキオイル圧等の高圧(例えば20MPa)の流体の圧力を測定するものである。
【0012】
図において、ハウジング1は、耐食性が良好で溶接可能な金属(例えばSUS430)で構成されており、ねじ山1aを有し、図示しない被検出体(例えば、燃料配管)にねじ締めで固定されるようになっている。
センシングボディ2は、熱膨張率が小さい低熱膨張率金属(例えばコバール等の線熱膨張係数がシリコンに近い材質のもの)で構成され、内側に圧力導入孔2aを有し、その終端に受圧用ダイヤフラムをなす肉薄部2bが形成されている。また、センシングボディ2の内側には、段差部2cが形成されており、この段差部2cによって圧力導入孔2aの径が薄肉部2b側で小さくなっている。なお、この段差部2cは、薄肉部2bを切削により加工するときの基準面を作成するために形成される。
【0013】
図2に、センシングボディ2の外観形状を示す。センシングボディ2は、円筒形状をしており、その端部すなわち下端開口周縁部には段差部2dが形成されている。
このセンシングボディ2は、ハウジング1の内側空洞部に圧入され、その段差部2dとハウジング1の開口縁(端部)1bとが突き合わされ、その部分が電気溶接等によって密着固定される。このようにして、センシングボディ2がハウジング1内に組付け固定され、ボディ部が構成される。
【0014】
また、ハウジング1には、ねじ山1aの内側空洞部に段差部1bが形成されてているため、センシングボディ2がハウジング1内に組付け固定されたとき、ハウジング1とセンシングボディ2の間に、環状の隙間3が形成される。この隙間3により、ハウジング1を被検出体に固定したときに生じる応力がセンサチップ4に伝達するのを阻止することができる。
【0015】
センシングボディ2における薄肉部2bの上面、すなわち圧力導入側と反対側の面には、センサチップ4が、絶縁体である低融点ガラス5により接合されている。図3に、センシングボディ2の先端部分の断面斜視図を示す。図に示すように、N型単結晶のシリコン基板41に4つのP型の拡散ゲージ(歪ゲージ)42a〜42dが形成されてセンサチップ4が構成されており、薄肉部2bの変位に応じた電気信号を出力する。
【0016】
センシングボディ2の先端部の周囲には、図1に示すように、回路基板7が配置されている。この回路基板7は、センサチップ4からの電気信号を増幅して出力する増幅回路(センサの感度調整を行う調整回路を含む)などの回路部を有しており、積層セラミック基板7a、回路チップ7b、およびポスト7cから構成されている。
【0017】
積層セラミック基板7aは、表面及び内層に導電性のペーストを印刷し焼成して形成されたもので、接着剤によりハウジング1に固定されている。回路チップ7bは、積層セラミック基板7a上に実装され、ワイヤにより積層セラミック基板7aの導電性ペーストを焼成してなる導電体(配線の一部領域)と電気的に接続されている。ポスト7cは、外部との電気接続を行うための取り出し電極となるもので、例えば42アロイにて構成されており、ろう付け等によりセラミック積層基板7a上に接合されている。
【0018】
セラミック基板7aの表面の導電体とセンサチップ4とは、隙間3を跨いでワイヤ8(例えばφ30〜50μmのAl線)により電気的に接続されている。
また、センシングボディ2および積層セラミック基板7の上面(センサチップ4およびワイヤ8の上を含む)には、腐食防止のためにコーティング材(例えばシリコーンゲル)9によりコーティングが施されている。
【0019】
セラミック積層基板7aに接合されたポスト7cは、ターミナルアッセンブリ10のコネクタターミナル10aと電気溶接等で接続されている。このターミナルアッセンブリ10は、コネクタターミナル10aをPPS等の樹脂でインサート成形したものである。そして、ターミナルアッセンブリ10と、PPS等の樹脂で成形されたコネクタケース11は、Oリング12を介しハウジング1のかしめ部1dでハウジング1にかしめ固定されている。
【0020】
上記したセンサチップ4および回路基板7における回路部の電気結線図を図4に示す。歪ゲージ42a〜42dは、図に示すようにブリッジ回路を構成している。回路基板7における回路部は、ブリッジ回路からの電気信号を増幅する増幅回路71の他、ブリッジ回路に電源供給を行う電源回路72を有している。そして、歪ゲージ42a〜42dにより構成されるブリッジ回路は、薄肉部2bに加わる圧力に応じた電気信号を増幅回路71に出力し、増幅回路71は、その信号を増幅して、圧力に応じた電気信号を外部に出力する。
【0021】
図5に、図1に示す主要部品の分解断面図を示し、図6乃至図9にそれらを組付けて圧力検出装置を製造する工程を示す。なお、図6乃至図9に示す各工程図において、(a)は上面図、(b)は断面図を示す。
〔図6の工程〕
まず、センシングボディ2にペースト状のガラス5を印刷しセンサチップ4を焼成により接合する。次に、ハウジング1をセンシングボディ2にかぶせ、センシングボディ2をハウジング1内に圧入し、ハウジング1の端部1bとセンシングボディ2の段差部2dとを突き合わせ、その突き合わせ部を電気溶接等で密着固定する。
〔図7の工程〕
次に、センシングボディ2の回りのハウジング1の上面に接着剤をスタンプ等により薄く均一に塗布し、その上に、回路チップ7bが実装された積層セラミック基板7aをセットして接着を行う。そして、積層セラミック基板7aの導電体とセンサチップ4をワイヤ8により超音波ボンディングして電気接続する。この後、コーティング材9によりコーティングを施す。なお、ポスト7cは、図7に示すように、電源線用、出力信号線用、接地線用の3本で構成されている。
〔図8の工程〕
次に、ターミナルアッセンブリ10のコネクタターミナル10aと積層セラミック基板7のポスト7aを合わせ、電気溶接等で接合する。
〔図9の工程〕
この後、コネクタケース11とOリング12をハウジング1にセットし、ハウジング1のかしめ部1dをかしめることにより、コネクタケース11とハウジング1の内部をシールし固定する。このようにして図1に示す圧力検出装置が構成される。
【0022】
次に、上記したセンサチップ4と積層セラミック基板7aをワイヤ8により超音波ボンディングする工程について説明する。この超音波ボンディングを行うにあたって、図10に示すようなボンディング用の治具20を用意する。この治具20は、ハウジング1を収納する形状になっており、またセンシングボディ2を固定するためのピン21およびバネ手段(以下、バネという)22を収納するための穴20aを有している。
【0023】
そして、ピン21がセンシングボディ2の圧力導入孔2aに挿入され、バネ22およびピン21が穴20aに位置するように、バネ22、ピン21およびハウジング1を治具20にセットする。この後、クランプ(押さえ部材)23によってハウジング1を治具20に固定する。このとき、ピン21の先端は円錐形状になっているため、その斜面部分とセンシングボディ2の段差部2cが当接し、センシングボディ2を上方向に押圧する。その結果、センシングボディ2を強固に固定し、センシングボディ2の全体の剛性を高くすることができる。
【0024】
そして、図11に示すボンディングツール24を用いて、センサチップ4と積層セラミック基板7aをワイヤ8により超音波ボンディングする。この超音波ボンディングにおいては、図11に示す矢印方向に振動が発生する。この場合、その振動方向とセンシングボディ2が変位する方向とが同じであるため、上記したようにセンシングボディ2を固定しない場合には、ハウジング1とセンシングボディ2の間の隙間3によって、センシングボディ2全体が共振するという問題が発生するが、センシングボディ2を固定しその剛性を高めた場合には、それによってセンシングボディ2の共振周波数を超音波ボンディングで用いる駆動周波数よりも十分高くすることができるため、超音波ボンディング時のセンシングボディ2の共振を抑制することができる。従って、超音波エネルギーをセンサチップ4およびワイヤ8に損失なく伝え、超音波ボンディングを良好に行うことができる。
【0025】
なお、ピン21は、その先端を平らにして段差部2cに当接させることもできるが、その場合には、ピン21の先端が段差部2cの片側でのみ当接するような場合が生じ押圧力に偏りが生じるため、ピン21の先端を上記実施形態のような円錐形状、あるいは球面形状といった突出形状にするのが好ましい。
また、上記実施形態では、ピン21により段差部2cを上方向に押圧するものを示したが、要はセンシングボディ2を内側より機械的に固定し補強できればよいので、例えば、図12に示すように、センシングボディ2の圧力導入孔2aに挿入した後、少なくとも2方向に開いてセンシングボディ2の内壁を押圧する治具25を用いるようにしてもよい。この場合、その治具25は、例えばエアシリンダ26を用いて、開閉駆動される。なお、図12(a)は、治具25が閉じた状態を示し、図12(b)は、治具25が開いた状態を示している。従って、図12(b)に示すように、治具25を開いてセンシングボディ2の内壁を押圧することによって、センシングボディ2を固定することができる。
【0026】
また、上記実施形態では、半導体基板41に歪ゲージ42a〜42dを形成してセンサチップ4を構成するものを示したが、絶縁膜上に金属の歪ゲージを蒸着等で形成してセンサチップを構成するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、ハウジング1とセンシングボディ2を別体にて構成するものを示したが、図13に示すように、ハウジング1とセンシングボディ2を一体にて構成してもよい。この場合、ハウジング部1とセンシングボディ部2の間に環状溝の隙間3が形成される。
【0027】
なお、上記実施形態では、セラミック基板7aとセンサチップ4との間をワイヤ8により接続した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形可能である。
例えば、回路基板7における種々の回路部をセンサチップ4に集積化して、積層セラミック基板7aを廃止した構成の圧力検出装置に適用できる。この場合は、電気接続のために用いられるワイヤはセンサチップ4とコネクタターミナル10a若しくはコネクタピン(コネクタケース11に一体的にモールド成形され外部に突き出たピン、図1では3本)との間に接続される。ここで、ワイヤをセンサチップ4に接続する際には、図10や図12と同様なボンディング用の治具20に対してセンシングボディ2が固定された状態となっている。それによってセンシングボディ2の共振周波数を超音波ボンディングで用いる駆動周波数よりも高くすることができるため、超音波ボンディング時のセンシングボディ2の共振を抑制することができる。従って、超音波エネルギーをセンサチップ4およびワイヤに損失なく伝え、超音波ボンディングを良好に行うことができる。
【0028】
また、例えば、センシングボディ2における薄肉部2bに上面、すなわち圧力導入側と反対側の面におけるセンサチップ4の搭載領域以外の領域に絶縁性ペーストを印刷、乾燥した上に導電性ペーストを印刷、乾燥した後に一括焼成し、しかる後、センサチップ4を配置してなる構成を有する圧力検出装置に対しても適用できる。なお、この場合の絶縁性ペーストの印刷、乾燥及び導電性ペーストの印刷、乾燥を繰り返し、形成した上下間の導電性ペーストを絶縁性ペーストに設けたビアホール内充填導体で電気接続するといった厚膜多層構造としてもよい。また、必要に応じてそこに所望の回路部を作り込んでもよい。また、必要に応じてセンシングボディ2の上面に半導体層を形成し、不純物導入などして回路部を形成してもよい。
【0029】
この場合のワイヤ接続は、センサチップ4とセンシングボディ2上の導電体との間、センサチップ4とセンシングボディ2上の回路部との間、センシングボディ2上の導電体間同士、若しくはセンシングボディ2上の回路部と導電体との間に接続される。
なお、この実施形態でいう導電体とは導電性ペーストを焼成してなるもので、配線の一部領域を示す。
【0030】
ここで、ワイヤのセンサチップ4やセンシングボディ2上の導電体や回路部に接続する際には、図10や図12と同様なボンディング用の治具20に対してセンシングボディ2が固定された状態となっている。それによってセンシングボディ2の共振周波数を超音波ボンディングで用いる駆動周波数よりも高くすることができるため、超音波ボンディング時のセンシングボディ2の共振を抑制することができる。従って、超音波エネルギーをセンサチップ4およびワイヤに損失なく伝え、超音波ボンディングを良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる圧力検出装置の断面図である。
【図2】センシングボディ2の外観形状を示す図である。
【図3】センシングボディ2とセンサチップ4の構成を示す部分断面斜視図である。
【図4】センサチップ4および回路基板7における増幅回路の電気結線図である。
【図5】図1に示す主要部品の分解断面図である。
【図6】図1に示す圧力検出装置を製造する工程を示す図である。
【図7】図6に続く工程を示す図である。
【図8】図7に続く工程を示す図である。
【図9】図8に続く工程を示す図である。
【図10】ハウンジング1をボンディング用の治具20にセットし、センシングボディ2をピン20およびバね22により固定した状態を示す図である。
【図11】ボンディングツール24を用いて超音波ボンディングする状態を示す図である。
【図12】ハウンジング1をボンディング用の治具20にセットし、センシングボディ2の内壁を押圧する治具25を用いて固定した状態を示す図である。
【図13】本発明の他の実施形態にかかる圧力検出装置の断面図である。
【符号の説明】
1…ハウジング、2…センシングボディ、2a…圧力導入孔、2b…肉薄部、
2c…段差部、3…隙間、4…センサチップ、42a〜42d…歪ゲージ、
5…低融点ガラス、7…回路基板、8…ワイヤ、9…コーティング材、
10…ターミナルアッセンブリ、10a…コネクタターミナル、
11…コネクタケース、12…Oリング、20…ボンディング用の治具、
21…ピン、22…バネ、23…クランプ、24…ボンディングツール。
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力を検出する圧力検出装置の製造方法に関し、この圧力検出装置としては、例えば車両における燃料噴射装置の燃料圧やブレーキ装置のブレーキオイル圧等の高圧を検出するのに用いて好適なるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の圧力検出装置としては、特開昭62−73131号公報に示されるものがある。
このものは、圧力導入孔の終端が薄肉部となっているセンシングボディをハウジング内に収納し、センシングボディの薄肉部に固定したセンサチップにより薄肉部の変位を検出するとともに、センサチップからの電気信号を回路基板により信号処理するようにしている。また、ハウジングを被検出体に取り付けるときに生じる応力がセンサチップに伝達するのを阻止するために、ハウジングとセンサチップの間に隙間が形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の構成においては、回路基板をセンシングボディ上に搭載しているが、この回路基板をハウジング側に固定することが考えられる。この場合、ハウジングとセンサチップの間に形成された隙間を跨いでセンサチップと回路基板とがワイヤにより電気接続されることになる。このワイヤ接続としては、通常、超音波ボンディングが用いられる。
【0004】
そこで、本発明者等が、そのような構成において超音波ボンディングを実際に行ったところ、センサチップとワイヤが良好に溶接されないという不具合が発生した。この点について検討を進めたことろ、ハウジングとセンサチップの間に隙間が形成されているため、この隙間によりセンサチップに加える超音波によってセンシングボディ全体が共振を起こし、センサチップおよびワイヤに溶接に必要な超音波エネルギーが十分伝わらないためであることがわかった。
【0005】
本発明は上記検討を基になされたもので、超音波ボンディングを用い、センサチップとワイヤを良好に溶接できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明においては、センシングボディ部(2)とハウジング部(1)の間に応力伝達を阻止するための隙間(3)が形成され、センシングボディ部(2)の終端に形成された薄肉部(2b)の圧力導入側と反対側の面に向けてワイヤ(8)を接続してなる圧力検出装置を製造する場合に、センシングボディ部(2)の内側からセンシングボディ部(2)を固定し、この固定した状態で薄肉部(2b)の圧力導入側と反対側の面に向けてワイヤ(8)を超音波ボンディングするようにしたことを特徴としている。
【0007】
このようにセンシングボディ部(2)を固定することによって、超音波ボンディング時のセンシングボディ部(2)の共振を抑制することができるため、薄肉部(2b)の圧力導入側と反対側の面に向けてワイヤ(8)を良好に接続することができる。
また、請求項4に記載の発明においては、センシングボディ部(2)とハウジング部(1)の間に応力伝達を阻止するための隙間(3)が形成され、隙間(3)を跨いでセンサチップ(4)と回路基板(7)とをワイヤ(8)により電気接続してなる圧力検出装置を製造する場合に、センシングボディ部(2)の内側からセンシングボディ部(2)を固定し、この固定した状態でセンサチップ(4)と回路基板(7)とをワイヤ(8)により超音波ボンディングするようにしたことを特徴としている。
【0008】
このようにセンシングボディ部(2)を固定することによって、超音波ボンディング時のセンシングボディ部(2)の共振を抑制することができるため、センサチップ(4)とワイヤ(8)を良好に溶接することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、ワイヤ(8)の超音波ボンディングはセンサチップ(4)に対して良好に行うことができ、また、請求項3に記載の発明によれば、ワイヤ(8)の超音波ボンディングは薄肉部(2b)の圧力導入側と反対側の面に設けた導電体に対して良好に行うことができる。
【0009】
また、請求項5に記載の発明のように、センシングボディ部(2)の共振周波数を超音波ボンデングで用いる振動周波数よりも高くするようにセンシングボディ部(2)を固定するとよく、また、請求項6に記載の発明のように、センシングボディ部(2)の内側に、薄肉部(2b)側で圧力導入孔(2a)の径を小さくする段差部(2c)を形成しておき、固定部材(21)を圧力導入孔(2a)に挿入し、その先端を段差部(2c)に当接させてセンシングボディ部(2)を固定するとよく、また、請求項8に記載の発明のように、ハウジング部(1)を固定するとともに固定部材(21)をその挿入方向に押圧してセンシングボディ(2)を固定するとよい。
【0010】
なお、上記した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
図1に、本発明の一実施形態を示す圧力検出装置の断面構造を示す。この圧力検出装置は、車両における燃料噴射装置の燃料圧やブレーキ装置のブレーキオイル圧等の高圧(例えば20MPa)の流体の圧力を測定するものである。
【0012】
図において、ハウジング1は、耐食性が良好で溶接可能な金属(例えばSUS430)で構成されており、ねじ山1aを有し、図示しない被検出体(例えば、燃料配管)にねじ締めで固定されるようになっている。
センシングボディ2は、熱膨張率が小さい低熱膨張率金属(例えばコバール等の線熱膨張係数がシリコンに近い材質のもの)で構成され、内側に圧力導入孔2aを有し、その終端に受圧用ダイヤフラムをなす肉薄部2bが形成されている。また、センシングボディ2の内側には、段差部2cが形成されており、この段差部2cによって圧力導入孔2aの径が薄肉部2b側で小さくなっている。なお、この段差部2cは、薄肉部2bを切削により加工するときの基準面を作成するために形成される。
【0013】
図2に、センシングボディ2の外観形状を示す。センシングボディ2は、円筒形状をしており、その端部すなわち下端開口周縁部には段差部2dが形成されている。
このセンシングボディ2は、ハウジング1の内側空洞部に圧入され、その段差部2dとハウジング1の開口縁(端部)1bとが突き合わされ、その部分が電気溶接等によって密着固定される。このようにして、センシングボディ2がハウジング1内に組付け固定され、ボディ部が構成される。
【0014】
また、ハウジング1には、ねじ山1aの内側空洞部に段差部1bが形成されてているため、センシングボディ2がハウジング1内に組付け固定されたとき、ハウジング1とセンシングボディ2の間に、環状の隙間3が形成される。この隙間3により、ハウジング1を被検出体に固定したときに生じる応力がセンサチップ4に伝達するのを阻止することができる。
【0015】
センシングボディ2における薄肉部2bの上面、すなわち圧力導入側と反対側の面には、センサチップ4が、絶縁体である低融点ガラス5により接合されている。図3に、センシングボディ2の先端部分の断面斜視図を示す。図に示すように、N型単結晶のシリコン基板41に4つのP型の拡散ゲージ(歪ゲージ)42a〜42dが形成されてセンサチップ4が構成されており、薄肉部2bの変位に応じた電気信号を出力する。
【0016】
センシングボディ2の先端部の周囲には、図1に示すように、回路基板7が配置されている。この回路基板7は、センサチップ4からの電気信号を増幅して出力する増幅回路(センサの感度調整を行う調整回路を含む)などの回路部を有しており、積層セラミック基板7a、回路チップ7b、およびポスト7cから構成されている。
【0017】
積層セラミック基板7aは、表面及び内層に導電性のペーストを印刷し焼成して形成されたもので、接着剤によりハウジング1に固定されている。回路チップ7bは、積層セラミック基板7a上に実装され、ワイヤにより積層セラミック基板7aの導電性ペーストを焼成してなる導電体(配線の一部領域)と電気的に接続されている。ポスト7cは、外部との電気接続を行うための取り出し電極となるもので、例えば42アロイにて構成されており、ろう付け等によりセラミック積層基板7a上に接合されている。
【0018】
セラミック基板7aの表面の導電体とセンサチップ4とは、隙間3を跨いでワイヤ8(例えばφ30〜50μmのAl線)により電気的に接続されている。
また、センシングボディ2および積層セラミック基板7の上面(センサチップ4およびワイヤ8の上を含む)には、腐食防止のためにコーティング材(例えばシリコーンゲル)9によりコーティングが施されている。
【0019】
セラミック積層基板7aに接合されたポスト7cは、ターミナルアッセンブリ10のコネクタターミナル10aと電気溶接等で接続されている。このターミナルアッセンブリ10は、コネクタターミナル10aをPPS等の樹脂でインサート成形したものである。そして、ターミナルアッセンブリ10と、PPS等の樹脂で成形されたコネクタケース11は、Oリング12を介しハウジング1のかしめ部1dでハウジング1にかしめ固定されている。
【0020】
上記したセンサチップ4および回路基板7における回路部の電気結線図を図4に示す。歪ゲージ42a〜42dは、図に示すようにブリッジ回路を構成している。回路基板7における回路部は、ブリッジ回路からの電気信号を増幅する増幅回路71の他、ブリッジ回路に電源供給を行う電源回路72を有している。そして、歪ゲージ42a〜42dにより構成されるブリッジ回路は、薄肉部2bに加わる圧力に応じた電気信号を増幅回路71に出力し、増幅回路71は、その信号を増幅して、圧力に応じた電気信号を外部に出力する。
【0021】
図5に、図1に示す主要部品の分解断面図を示し、図6乃至図9にそれらを組付けて圧力検出装置を製造する工程を示す。なお、図6乃至図9に示す各工程図において、(a)は上面図、(b)は断面図を示す。
〔図6の工程〕
まず、センシングボディ2にペースト状のガラス5を印刷しセンサチップ4を焼成により接合する。次に、ハウジング1をセンシングボディ2にかぶせ、センシングボディ2をハウジング1内に圧入し、ハウジング1の端部1bとセンシングボディ2の段差部2dとを突き合わせ、その突き合わせ部を電気溶接等で密着固定する。
〔図7の工程〕
次に、センシングボディ2の回りのハウジング1の上面に接着剤をスタンプ等により薄く均一に塗布し、その上に、回路チップ7bが実装された積層セラミック基板7aをセットして接着を行う。そして、積層セラミック基板7aの導電体とセンサチップ4をワイヤ8により超音波ボンディングして電気接続する。この後、コーティング材9によりコーティングを施す。なお、ポスト7cは、図7に示すように、電源線用、出力信号線用、接地線用の3本で構成されている。
〔図8の工程〕
次に、ターミナルアッセンブリ10のコネクタターミナル10aと積層セラミック基板7のポスト7aを合わせ、電気溶接等で接合する。
〔図9の工程〕
この後、コネクタケース11とOリング12をハウジング1にセットし、ハウジング1のかしめ部1dをかしめることにより、コネクタケース11とハウジング1の内部をシールし固定する。このようにして図1に示す圧力検出装置が構成される。
【0022】
次に、上記したセンサチップ4と積層セラミック基板7aをワイヤ8により超音波ボンディングする工程について説明する。この超音波ボンディングを行うにあたって、図10に示すようなボンディング用の治具20を用意する。この治具20は、ハウジング1を収納する形状になっており、またセンシングボディ2を固定するためのピン21およびバネ手段(以下、バネという)22を収納するための穴20aを有している。
【0023】
そして、ピン21がセンシングボディ2の圧力導入孔2aに挿入され、バネ22およびピン21が穴20aに位置するように、バネ22、ピン21およびハウジング1を治具20にセットする。この後、クランプ(押さえ部材)23によってハウジング1を治具20に固定する。このとき、ピン21の先端は円錐形状になっているため、その斜面部分とセンシングボディ2の段差部2cが当接し、センシングボディ2を上方向に押圧する。その結果、センシングボディ2を強固に固定し、センシングボディ2の全体の剛性を高くすることができる。
【0024】
そして、図11に示すボンディングツール24を用いて、センサチップ4と積層セラミック基板7aをワイヤ8により超音波ボンディングする。この超音波ボンディングにおいては、図11に示す矢印方向に振動が発生する。この場合、その振動方向とセンシングボディ2が変位する方向とが同じであるため、上記したようにセンシングボディ2を固定しない場合には、ハウジング1とセンシングボディ2の間の隙間3によって、センシングボディ2全体が共振するという問題が発生するが、センシングボディ2を固定しその剛性を高めた場合には、それによってセンシングボディ2の共振周波数を超音波ボンディングで用いる駆動周波数よりも十分高くすることができるため、超音波ボンディング時のセンシングボディ2の共振を抑制することができる。従って、超音波エネルギーをセンサチップ4およびワイヤ8に損失なく伝え、超音波ボンディングを良好に行うことができる。
【0025】
なお、ピン21は、その先端を平らにして段差部2cに当接させることもできるが、その場合には、ピン21の先端が段差部2cの片側でのみ当接するような場合が生じ押圧力に偏りが生じるため、ピン21の先端を上記実施形態のような円錐形状、あるいは球面形状といった突出形状にするのが好ましい。
また、上記実施形態では、ピン21により段差部2cを上方向に押圧するものを示したが、要はセンシングボディ2を内側より機械的に固定し補強できればよいので、例えば、図12に示すように、センシングボディ2の圧力導入孔2aに挿入した後、少なくとも2方向に開いてセンシングボディ2の内壁を押圧する治具25を用いるようにしてもよい。この場合、その治具25は、例えばエアシリンダ26を用いて、開閉駆動される。なお、図12(a)は、治具25が閉じた状態を示し、図12(b)は、治具25が開いた状態を示している。従って、図12(b)に示すように、治具25を開いてセンシングボディ2の内壁を押圧することによって、センシングボディ2を固定することができる。
【0026】
また、上記実施形態では、半導体基板41に歪ゲージ42a〜42dを形成してセンサチップ4を構成するものを示したが、絶縁膜上に金属の歪ゲージを蒸着等で形成してセンサチップを構成するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、ハウジング1とセンシングボディ2を別体にて構成するものを示したが、図13に示すように、ハウジング1とセンシングボディ2を一体にて構成してもよい。この場合、ハウジング部1とセンシングボディ部2の間に環状溝の隙間3が形成される。
【0027】
なお、上記実施形態では、セラミック基板7aとセンサチップ4との間をワイヤ8により接続した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形可能である。
例えば、回路基板7における種々の回路部をセンサチップ4に集積化して、積層セラミック基板7aを廃止した構成の圧力検出装置に適用できる。この場合は、電気接続のために用いられるワイヤはセンサチップ4とコネクタターミナル10a若しくはコネクタピン(コネクタケース11に一体的にモールド成形され外部に突き出たピン、図1では3本)との間に接続される。ここで、ワイヤをセンサチップ4に接続する際には、図10や図12と同様なボンディング用の治具20に対してセンシングボディ2が固定された状態となっている。それによってセンシングボディ2の共振周波数を超音波ボンディングで用いる駆動周波数よりも高くすることができるため、超音波ボンディング時のセンシングボディ2の共振を抑制することができる。従って、超音波エネルギーをセンサチップ4およびワイヤに損失なく伝え、超音波ボンディングを良好に行うことができる。
【0028】
また、例えば、センシングボディ2における薄肉部2bに上面、すなわち圧力導入側と反対側の面におけるセンサチップ4の搭載領域以外の領域に絶縁性ペーストを印刷、乾燥した上に導電性ペーストを印刷、乾燥した後に一括焼成し、しかる後、センサチップ4を配置してなる構成を有する圧力検出装置に対しても適用できる。なお、この場合の絶縁性ペーストの印刷、乾燥及び導電性ペーストの印刷、乾燥を繰り返し、形成した上下間の導電性ペーストを絶縁性ペーストに設けたビアホール内充填導体で電気接続するといった厚膜多層構造としてもよい。また、必要に応じてそこに所望の回路部を作り込んでもよい。また、必要に応じてセンシングボディ2の上面に半導体層を形成し、不純物導入などして回路部を形成してもよい。
【0029】
この場合のワイヤ接続は、センサチップ4とセンシングボディ2上の導電体との間、センサチップ4とセンシングボディ2上の回路部との間、センシングボディ2上の導電体間同士、若しくはセンシングボディ2上の回路部と導電体との間に接続される。
なお、この実施形態でいう導電体とは導電性ペーストを焼成してなるもので、配線の一部領域を示す。
【0030】
ここで、ワイヤのセンサチップ4やセンシングボディ2上の導電体や回路部に接続する際には、図10や図12と同様なボンディング用の治具20に対してセンシングボディ2が固定された状態となっている。それによってセンシングボディ2の共振周波数を超音波ボンディングで用いる駆動周波数よりも高くすることができるため、超音波ボンディング時のセンシングボディ2の共振を抑制することができる。従って、超音波エネルギーをセンサチップ4およびワイヤに損失なく伝え、超音波ボンディングを良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる圧力検出装置の断面図である。
【図2】センシングボディ2の外観形状を示す図である。
【図3】センシングボディ2とセンサチップ4の構成を示す部分断面斜視図である。
【図4】センサチップ4および回路基板7における増幅回路の電気結線図である。
【図5】図1に示す主要部品の分解断面図である。
【図6】図1に示す圧力検出装置を製造する工程を示す図である。
【図7】図6に続く工程を示す図である。
【図8】図7に続く工程を示す図である。
【図9】図8に続く工程を示す図である。
【図10】ハウンジング1をボンディング用の治具20にセットし、センシングボディ2をピン20およびバね22により固定した状態を示す図である。
【図11】ボンディングツール24を用いて超音波ボンディングする状態を示す図である。
【図12】ハウンジング1をボンディング用の治具20にセットし、センシングボディ2の内壁を押圧する治具25を用いて固定した状態を示す図である。
【図13】本発明の他の実施形態にかかる圧力検出装置の断面図である。
【符号の説明】
1…ハウジング、2…センシングボディ、2a…圧力導入孔、2b…肉薄部、
2c…段差部、3…隙間、4…センサチップ、42a〜42d…歪ゲージ、
5…低融点ガラス、7…回路基板、8…ワイヤ、9…コーティング材、
10…ターミナルアッセンブリ、10a…コネクタターミナル、
11…コネクタケース、12…Oリング、20…ボンディング用の治具、
21…ピン、22…バネ、23…クランプ、24…ボンディングツール。
Claims (8)
- 内側に圧力導入孔(2a)を有しその終端が薄肉部(2b)となっているセンシングボディ部(2)と、このセンシングボディ部(2)の外側にあって被検出体に取り付けられるハウジング部(1)とを有するボディ部材(1、2)と、
前記薄肉部(2b)の圧力導入側と反対側に固定され前記薄肉部(2b)の変位に応じた電気信号を出力するセンサチップ(4)とを備え、
前記センシングボディ部(2)と前記ハウジング部(1)の間に、前記センサチップ(4)への検出圧力による圧力と異なる応力伝達を阻止するための隙間(3)が形成されており、
前記薄肉部(2b)の圧力導入側と反対側の面に向けてワイヤ(8)を接続してなる圧力検出装置の製造方法において、
前記センシングボディ部(2)の内側から前記センシングボディ部(2)を固定し、
この固定した状態で前記薄肉部(2b)の圧力導入側と反対側の面に向けてワイヤ(8)を超音波ボンディングすることを特徴とする圧力検出装置の製造方法。 - 前記ワイヤ(8)の超音波ボンディングは前記センサチップ(4)に対して行われることを特徴とする請求項1に記載の圧力検出装置の製造方法。
- 前記薄肉部(2b)の圧力導入側と反対側の面には導電体が設けられており、前記ワイヤ(8)の超音波ボンディングは前記導電体に対して行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力検出装置の製造方法。
- 内側に圧力導入孔(2a)を有しその終端が薄肉部(2b)となっているセンシングボディ部(2)と、このセンシングボディ部(2)の外側にあって被検出体に取り付けられるハウジング部(1)とを有するボディ部材(1、2)と、
前記薄肉部(2b)の圧力導入側と反対側に固定され前記薄肉部(2b)の変位に応じた電気信号を出力するセンサチップ(4)と、
前記ハウジング部(1)に固定され前記センサチップ(4)と電気接続されて前記センサチップ(4)からの電気信号を信号処理する回路基板(7)とを備え、
前記センシングボディ部(2)と前記ハウジング部(1)の間に、前記センサチップ(4)への応力伝達を阻止するための隙間(3)が形成されており、
前記隙間(3)を跨いで前記センサチップ(4)と前記回路基板(7)とをワイヤ(8)により電気接続してなる圧力検出装置の製造方法において、
前記センシングボディ部(2)の内側から前記センシングボディ部(2)を固定し、
この固定した状態で前記センサチップ(4)と前記回路基板(7)とをワイヤ(8)により超音波ボンディングすることを特徴とする圧力検出装置の製造方法。 - 前記センシングボディ部(2)の共振周波数を前記超音波ボンデングで用いる振動周波数よりも高くするように前記センシングボディ部(2)を固定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の圧力検出装置の製造方法。
- 前記センシングボディ部(2)の内側に、前記薄肉部(2b)側で前記圧力導入孔(2a)の径を小さくする段差部(2c)が形成されており、固定部材(21)を前記圧力導入孔(2a)に挿入し、その先端を前記段差部(2c)に当接させて前記センシングボディ部(2)を固定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の圧力検出装置の製造方法。
- 前記固定部材(21)として、前記先端が突出形状となるものを用いることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の圧力検出装置の製造方法。
- 前記ハウジング部(1)を固定するとともに前記固定部材(21)をその挿入方向に押圧して前記センシングボディ部(2)を固定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の圧力検出装置の製造方法。
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