JP3694753B2 - 検量線の校正方法、反射率測定装置、および記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、被測定体からの反射光の強度に応じた補正後の測定値と被測定体の反射率との関係を表す検量線を校正する検量線の校正方法、およびこの検量線の校正方法により校正された検量線を用いて被測定体の反射率を測定する反射率測定装置、ならびにこの反射率測定装置を動作させるためのプログラムを格納した記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
被測定体に光源からの光を照射してその反射率を測定する反射率測定装置は、各種の分析などに広く応用されている。
【0003】
たとえば、液体などの検体中に含まれる特定物質を、定性分析あるいは定量分析するために呈色試験紙が使われており、この呈色試験紙を用いる分析方法は、操作が簡単なために血液中成分の測定などに広く採用されている。そして、そのような測定に際して、呈色試験紙の呈色具合を目視で評価することには精度的に限界があるため、呈色試験紙の呈色具合を自動的かつ高精度に測定する反射率測定装置を備えた臨床検査装置が一般に用いられている。
【0004】
このような反射率測定装置においては、被測定体からの反射光の強度に応じた補正後の測定値と被測定体の反射率との関係を表す検量線を利用して被測定体の反射率を演算している。
【0005】
そして従来の反射率測定装置では、検量線を求めるために、予め反射率を別の反射率測定装置で測定した白板と黒板とを基準反射体として装置内に設けていた。すなわち、それら反射率が既知の白板と黒板との反射率を測定することにより、それらの補正後の測定値と既知の反射率とから検量線を求めていた。ここで、補正後の測定値とは、光電変換手段の出力から光源の照度変化やアンプのオフセットなどの影響を除去した測定値のことをいうが、これについては後に詳述する。
【0006】
しかし、上記従来の反射率測定装置では、白板および黒板の反射率を既知のものとしているので、白板および黒板の取り付け精度や、被測定体の測定面の高さと白板および黒板の面高さとの差に起因する検量線の誤差を除去できず、測定結果としての反射率に誤差を生じるという課題があった。
【0007】
特に、反射率測定装置を臨床検査装置に組み込む場合、このような臨床検査装置では小型化を要求されるので、反射率測定装置も極力小型化する必要があり、光源と測定位置との距離が非常に短くなってしまう。一般的に知られているように、光の強度は距離の二乗に反比例して変化するため、白板および黒板の取り付け精度や、被測定体の測定面の高さと白板および黒板の面高さとの差といった微小な物理的誤差によって光電変換手段に入射する反射光の強度が大きく変化し、測定結果としての反射率に大きな誤差を与える結果となる。
【0008】
さらには、同一光源からの光を複数の測定位置に分岐させ、複数の被測定体を順次測定する、いわゆるマルチチャンネルの反射率測定装置においては、白板および黒板は全チャンネルの測定位置をカバーできる大きさのものを使用するため、白板および黒板の位置的な反射率や面高さの不均一さなどが測定誤差の原因となっていた。すなわち、従来の反射率測定装置では、白板および黒板の位置的な反射率の不均一さなどを考慮しておらず、一定の位置だけで白板および黒板の反射率を測定することにより検量線の校正を行っていたのである。
【0009】
【発明の開示】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、基準反射体の取り付け精度などに拘らず正確に検量線を校正できる検量線の校正方法、およびその検量線の校正方法を採用した反射率測定装置、ならびにその反射率測定装置を動作させるためのプログラムを格納した記憶媒体を提供することを、その課題とする。
【0010】
さらに本願発明は、測定位置が複数箇所にあっても、各測定箇所において正確に検量線を校正できる検量線の校正方法、およびその検量線の校正方法を採用した反射率測定装置、ならびにその反射率測定装置を動作させるためのプログラムを格納した記憶媒体を提供することを、その課題とする。
【0011】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0012】
本願発明の第1の側面によれば、被測定体からの反射光の強度に応じた補正後の測定値と被測定体の反射率との関係を表す検量線を校正する検量線の校正方法であって、互いに異なる反射率を有する複数の基準反射体からの反射光をそれぞれ測定し、それらの測定値を補正した補正後の測定値と予め求めておいた基準検量線とを用いて基準反射体の反射率をそれぞれ求める基準反射率算出ステップと、複数の基準反射体からの反射光をそれぞれ測定し、それらの測定値を補正した補正後の測定値と基準反射率算出ステップで求めた反射率とから検量線を求める検量線算出ステップとを実行することを特徴とする、検量線の校正方法が提供される。
【0013】
この検量線の校正方法によれば、基準反射体を実際に測定し、その測定結果と基準検量線とを用いて基準反射体の反射率を求めておき、さらに基準反射体を実際に測定し、その測定結果と求めておいた反射率とを用いて検量線を求めるので、基準反射体の取り付け精度や面高さなどに若干の誤差があったとしても、それらの誤差は最初に反射率を求める段階で反映されており、後に検量線を求める段階では誤差として表れない。したがって、基準反射体の取り付け精度などに拘らず正確に検量線を校正できる。そして、その結果、被測定体の反射率を正確に測定できる。
【0014】
被測定体としては、呈色試験紙が考えられるが、もちろんこれに限るものではなく、あらゆる被測定体の反射率を測定するに際して本願発明を適用できる。
【0015】
補正後の測定値とは、光電変換手段の出力から各種の誤差要因を除去した値であり、たとえば、被測定体からの反射光を受光した光電変換素子の出力値からアンプなどのオフセットを減算した値と、光源の光を直接受光した光電変換素子の出力値からアンプなどのオフセットを減算した値との比を用いることができる。もちろん、オフセットには、アンプの暗電流ばかりでなく、光電変換素子の暗電流も含まれる。
【0016】
基準反射体としては、従来と同様に白板と黒板とを用いることができるが、必ずしもこのような色に限定されるものではなく、また設置数も3個以上であってもよい。なお、基準反射体の反射率は、検量線を求める基準となるので、安定度が極力高いことが望ましい。また、基準反射体相互間の反射率の差が大きいことが望ましい。
【0017】
基準検量線は、たとえば反射率が既知の複数の反射体を測定することにより得ることができる。
【0018】
好ましい実施の形態によれば、基準検量線は、互いに異なる反射率を有しかつ反射率が既知の複数の反射体からの反射光をそれぞれ測定し、それらの測定値を補正した補正後の測定値と既知の反射率とを用いて求められる。
【0019】
このようにすれば、容易に基準検量線を求めることができる。
【0020】
反射体としては、NDペーパーなどのいわゆるキャリブレーションスティックを用いることができるが、これに限るものではなく、正確に反射率が判明しているものであればよい。また、反射体の色は黒色および白色に限るものではなく、さらに、反射体の使用数は2個に限らず、3個以上の反射体を用いてもよい。これら反射体は、呈色試験紙などの被測定体と同一形状および同一面高さであって、反射体相互間の反射率の差が大きいことが望ましい。
【0021】
好ましい他の実施の形態によれば、基準反射率算出ステップと検量線算出ステップとを、相互に異なる複数の測定位置毎に実行する。
【0022】
このようにすれば、基準反射体の位置による反射率や面高さなどの誤差に拘らず、各測定位置毎に正確に検量線を校正できる。
【0023】
好ましい他の実施の形態によれば、基準反射率算出ステップと検量線算出ステップとを、相互に異なる複数の測定位置毎に、予め決められた複数種類の照射光の波長により実行する。
【0024】
このようにすれば、各測定位置毎に、相互に色の異なる複数種類の被測定体の反射率を測定するための検量線の校正を行える。したがって、たとえば呈色試験紙を用いて血液や尿などの検査を行う場合、各測定位置毎に複数の検査項目の検査を実施できる。
【0025】
好ましい他の実施の形態によれば、検量線算出ステップを、反射率測定装置の電源投入時毎に実行する。
【0026】
このようにすれば、一連の測定毎にその前に検量線を校正する手間が省ける。
【0027】
好ましい他の実施の形態によれば、検量線算出ステップを、反射率測定装置により任意数の被測定体の反射率の測定を行う毎に、その測定前に実行する。
【0028】
このようにすれば、一連の測定毎にその前に検量線を校正するので、たとえば光電変換手段の出力を増幅するアンプの増幅度の時間的変化や機械的変化などに拘らず、常に正確な検量線を求めることができ、測定を精度よく行える。
【0029】
本願発明の第2の側面によれば、被測定体からの反射光の強度に応じた補正後の測定値と被測定体の反射率との関係を表す検量線情報を利用して被測定体の反射率を演算する反射率測定装置であって、被測定体からの反射光の強度に応じた検出信号を出力する光電変換手段と、測定値を補正するための補正情報、および予め求められた基準検量線情報を記憶している記憶手段と、互いに異なる反射率を有する複数の基準反射体からの反射光を光電変換手段にそれぞれ測定させ、それらの測定値を記憶手段に記憶されている補正情報に基づいて補正し、それら補正後の測定値と記憶手段に記憶されている基準検量線情報とを用いて基準反射体の反射率をそれぞれ演算し、それら反射率を記憶手段に記憶させる基準反射率算出手段と、複数の基準反射体からの反射光を光電変換手段にそれぞれ測定させ、それらの測定値を記憶手段に記憶されている補正情報に基づいて補正し、それら補正後の測定値と基準反射率算出手段により演算されて記憶手段に記憶されている反射率とから検量線情報を求める検量線情報算出手段とを備えたことを特徴とする、反射率測定装置が提供される。
【0030】
この反射率測定装置によれば、基準反射体を実際に測定し、その測定結果と記憶手段に予め記憶されている基準検量線情報とに基づいて基準反射体の反射率を演算して記憶手段に記憶させ、さらに基準反射体を実際に測定し、その測定結果と記憶手段に記憶させた基準反射体の反射率とを用いて検量線情報を演算するので、基準反射体の取り付け精度や面高さなどに若干の誤差があったとしても、それらの誤差は最初に反射率を求める段階で反映されており、後に検量線情報を求める段階では誤差として表れない。したがって、基準反射体の取り付け精度などに拘らず正確に検量線を校正できる。そして、その結果、被測定体の反射率を正確に測定できる。しかも、検量線の校正のために特別な光学系を別途設ける必要がなく、製造コストの上昇を招くことがない。
【0031】
光電変換手段としては、たとえばホトダイオードが考えられるが、これに限らず、ホトトランジスタなどを用いてもよい。
【0032】
記憶手段としては、たとえばEEPROMが考えられるが、これに限らず、電源バックアップが施されたRAMなどを用いてもよい。
【0033】
基準反射率算出手段および検量線情報算出手段は、たとえばCPUにより実現できる。
【0034】
好ましい実施の形態によれば、光電変換手段は、相互に異なる複数の測定位置毎に設置されており、基準反射率算出手段は、各測定位置毎に基準反射体の反射率をそれぞれ演算し、検量線情報算出手段は、各測定位置毎に検量線情報を求める。
【0035】
このようにすれば、各測定位置毎に正確に検量線を校正でき、正確な測定結果を得られる。すなわち、各測定位置における、基準反射体の反射率や面高さのばらつき、およびアンプの増幅度のばらつきなどに起因する測定誤差をなくすことができる。
【0036】
好ましい他の実施の形態によれば、基準反射率算出手段は、各測定位置毎に予め決められた複数種類の照射光の波長により基準反射体の反射率をそれぞれ演算し、検量線情報算出手段は、各測定位置毎に予め決められた複数種類の照射光の波長により検量線情報を求める。
【0037】
このようにすれば、各測定位置毎に、相互に色の異なる複数種類の被測定体の反射率を測定するための検量線の校正を行える。したがって、たとえば呈色試験紙を用いて血液や尿などの検査を行う場合、各測定位置毎に複数の検査項目の検査を実施できる。
【0038】
好ましい他の実施の形態によれば、互いに異なる反射率を有しかつ反射率が既知の複数の反射体からの反射光を光電変換手段にそれぞれ測定させ、それらの測定値を記憶手段に記憶されている補正情報に基づいて補正し、それら補正後の測定値と既知の反射率とを用いて基準検量線情報を演算し、その基準検量線情報を記憶手段に記憶させる基準検量線情報算出手段を備えている。
【0039】
このようにすれば、容易に基準検量線情報を求めることができ、その基準検量線情報を記憶手段に記憶させていつでも使えるようにできる。
【0040】
好ましい他の実施の形態によれば、光電変換手段は、相互に異なる複数の測定位置毎に設置されており、基準反射率算出手段は、各測定位置毎に基準反射体の反射率をそれぞれ演算し、検量線情報算出手段は、各測定位置毎に検量線情報を求め、基準検量線情報算出手段は、各測定位置毎に基準検量線情報を演算し、その基準検量線情報を記憶手段に記憶させる。
【0041】
このようにすれば、基準検量線情報も各測定位置毎に演算するので、各測定位置毎にさらに正確に検量線を校正でき、一層正確な測定結果を得られる。
【0042】
好ましい他の実施の形態によれば、基準反射率算出手段は、各測定位置毎に予め決められた複数種類の照射光の波長により基準反射体の反射率をそれぞれ演算し、検量線情報算出手段は、各測定位置毎に予め決められた複数種類の照射光の波長により検量線情報を求め、基準検量線情報算出手段は、各測定位置毎に予め決められた複数種類の照射光の波長により基準検量線情報を演算し、その基準検量線情報を記憶手段に記憶させる。
【0043】
このようにすれば、基準検量線情報も各測定位置毎に演算するので、各測定位置毎に、相互に色の異なる複数種類の被測定体の反射率を測定するための検量線の校正をさらに正確に行える。したがって、たとえば呈色試験紙を用いて血液や尿などの検査を行う場合、各測定位置毎に複数の検査項目の検査を一層正確に実施できる。
【0044】
本願発明の第3の側面によれば、被測定体からの反射光の強度に応じた補正後の測定値と被測定体の反射率との関係を表す検量線情報を利用して被測定体の反射率を演算する反射率測定装置を動作させるためのプログラムを格納している記憶媒体であって、互いに異なる反射率を有する複数の基準反射体からの反射光を光電変換手段にそれぞれ測定させ、それらの測定値を記憶手段に記憶されている補正情報に基づいて補正し、それら補正後の測定値と記憶手段に記憶されている基準検量線情報とを用いて基準反射体の反射率をそれぞれ演算し、それら反射率を記憶手段に記憶させる基準反射率算出プログラムと、複数の基準反射体からの反射光を光電変換手段にそれぞれ測定させ、それらの測定値を記憶手段に記憶されている補正情報に基づいて補正し、それら補正後の測定値と基準反射率算出プログラムにより演算されて記憶手段に記憶されている反射率とから検量線情報を求める検量線情報算出プログラムとを含むプログラムを格納していることを特徴とする、記憶媒体が提供される。
【0045】
この記憶媒体によれば、格納されているプログラムをCPUなどに実行させることにより、本願発明の検量線の校正方法を実施でき、また本願発明の反射率測定装置を実現できる。なお、記憶媒体としては、たとえばROMが考えられるが、これに限らず、フレキシブルディスク、ハードディスク、あるいはCD−ROMなどを用いることができる。
【0046】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0048】
図1は、本願発明に係る反射率測定装置を備えた臨床検査装置の外観斜視図で、この臨床検査装置は、たとえば血液や尿などを分析するものである。この臨床検査装置は、本体部1と、この本体部1の前面に上端部を中心として開閉自在に取り付けられた蓋部2とにより構成されている。本体部1の前面上部は、フロントパネル3により覆われており、本体部1の前面下部には、テーブルカバー4が設置されている。蓋部2の裏面には、LCDなどからなる表示装置5が設置されている。この表示装置5の表示画面は、タッチパネルを構成しており、使用者による各種の入力指示が可能なようになされている。
【0049】
図2は図1に示す臨床検査装置の要部の外観斜視図で、本体部1のテーブルカバー4を取り外した状態を示している。テーブルカバー4の下方には、試薬テーブル11が前後方向に移動可能に設置されており、試薬テーブル11上の所定位置には、基準反射体としての黒板12と白板13とが設置されている。
【0050】
図3は図1に示す臨床検査装置の光学系の概略構成図で、光源としてのランプ21からの白色光は、フィルタロータ22に設置されたフィルタを通過することにより、そのフィルタによって決定される所定波長の単色光となって、光ファイバ23の一端面に入射する。光ファイバ23の他端部はたとえば7本に分岐しており、それらのうち6本は他端面が相互に異なる測定位置に配置されており、残りの1本は参照用として用いられている。すなわち図示しないが、参照用の光ファイバ23の他端面は、参照用の光電変換手段としてのホトダイオードの光入射面と対向した状態で樹脂などによりモールドされており、参照用の光ファイバ23の他端面から出射した光が全て参照用のホトダイオードの光入射面に入射するように、かつ外部からの光が参照用のホトダイオードの光入射面に入射しないようになされている。なお、フィルタロータ22には、通過光の波長が相互に異なるたとえば6個のフィルタが、周方向所定間隔おきに取り付けられている。
【0051】
図4は図1に示す臨床検査装置の各測定位置における光学系の概略構成図で、光ファイバ23の他端面から出射した光は、被測定体としての試薬パッド24の表面に当たって反射し、光電変換手段としてのホトダイオード25a,25bの受光面に入射する。各測定位置におけるこれらホトダイオード25a,25bの設置個数は任意であるが、複数個設ける場合は、それらの平均あるいは合計の出力をその測定位置での出力とする。
【0052】
図5は被測定体としての試薬パッド24を備えた試験紙の外観斜視図で、この試験紙26は、図1に示す臨床検査装置の試薬テーブル11上に載置される。試薬テーブル11上には、試験紙26をたとえば2個まで載置可能である。この試験紙26は、一方の主面に複数の試薬パッド24が長手方向適当間隔おきに配置されたいわゆるマルチタイプであって、隣接する試薬パッド24間にはバーコード27が印刷されている。このバーコード27は、試験紙26に関する各種情報を表している。試験紙26の一方の主面には、さらに、試験項目名称28が印刷されている。試薬パッド24は、たとえば血液や尿を含浸させることにより、その特定の成分によって色彩が変化するものであって、各試薬パッド24毎に反応する成分および呈色が異なっており、1つの試験紙26で複数の検査項目を検査できる。なお試薬テーブル11上には、図6に示すように、一方の主面に1つの試薬パッド24が配置されたいわゆるシングルタイプの試験紙31も載置可能である。
【0053】
図7は図1に示す臨床検査装置の回路ブロック図で、CPU41、ROM42、RAM43、EEPROM44、および入出力インターフェイス45はバス線46により相互に接続されている。バス線46には、アドレスバス、データバス、および制御信号線が含まれる。入出力インターフェイス45には、各測定位置に設置された光電変換手段としてのホトダイオード25a,25b、参照用のホトダイオード47、光源としてのランプ21、フィルタロータ22を回転駆動するためのモータ48、試薬テーブル11を移動させるためのモータ49、および表示装置5が接続されている。
【0054】
CPU41は、臨床検査装置全体を制御する。ROM42には、CPU41を動作させるプログラムなどが格納されている。RAM43には、各種のデータなどが格納される。EEPROM44には、電源オフ時にも記憶している必要のあるデータなどが格納される。入出力インターフェイス45は、入出力のタイミング制御、A/D変換、およびシリアル−パラレル変換などを行う。ホトダイオード25a,25bは、各測定位置に設置されて、試薬パッド24からの反射光に応じた電流を出力する。なお、図示していないが、ホトダイオード25a,25bからの電流は各々アンプにより増幅され、かつ電圧に変換される。そして、これらアンプの出力電圧は入出力インターフェイス45によりディジタルデータに変換され、CPU41によりホトダイオード25a,25bの出力の平均値あるいは合計値が各測定位置毎に演算される。参照用のホトダイオード47からの電流も、アンプにより増幅され、かつ電圧に変換される。そして、このアンプの出力電圧は入出力インターフェイス45によりディジタルデータに変換される。
【0055】
すなわち、ホトダイオード25a,25bは、試薬パッド24からの反射光の強度に応じた検出信号を出力する光電変換手段を構成している。EEPROM44は、測定値を補正するための補正情報、および予め求められた基準検量線情報を記憶している記憶手段を構成している。CPU41は、互いに異なる反射率を有する基準反射体である黒板12および白板13からの反射光をホトダイオード25a,25bにそれぞれ測定させ、それらの測定値をEEPROM44に記憶されている補正情報に基づいて補正し、それら補正後の測定値とEEPROM44に記憶されている基準検量線情報とを用いて黒板12および白板13の反射率をそれぞれ演算し、それら反射率をEEPROM44に記憶させる基準反射率算出手段と、黒板12および白板13からの反射光をホトダイオード25a,25bにそれぞれ測定させ、それらの測定値をEEPROM44に記憶されている補正情報に基づいて補正し、それら補正後の測定値と基準反射率算出手段により演算されてEEPROM44に記憶されている反射率とから検量線情報を求める検量線情報算出手段とを実現している。さらに、CPU41は、互いに異なる反射率を有しかつ反射率が既知の複数の反射体からの反射光をホトダイオード25a,25bにそれぞれ測定させ、それらの測定値をEEPROM44に記憶されている補正情報に基づいて補正し、それら補正後の測定値と既知の反射率とを用いて基準検量線情報を演算し、その基準検量線情報をEEPROM44に記憶させる基準検量線情報算出手段を実現している。ROM42は、互いに異なる反射率を有する黒板12および白板13からの反射光をホトダイオード25a,25bにそれぞれ測定させ、それらの測定値をEEPROM44に記憶されている補正情報に基づいて補正し、それら補正後の測定値とEEPROM44に記憶されている基準検量線情報とを用いて黒板12および白板13の反射率をそれぞれ演算し、それら反射率をEEPROM44に記憶させる基準反射率算出プログラムと、黒板12および白板13からの反射光をホトダイオード25a,25bにそれぞれ測定させ、それらの測定値をEEPROM44に記憶されている補正情報に基づいて補正し、それら補正後の測定値と基準反射率算出プログラムにより演算されてEEPROM44に記憶されている反射率とから検量線情報を求める検量線情報算出プログラムとを含むプログラムを格納している記憶媒体を構成している。
【0056】
次に、上記臨床検査装置における検量線校正処理の手順について、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0057】
先ず、基準検量線情報を得るために、試薬テーブル11上の試験紙セット位置に1対の反射体を載置し、その反射体の反射率を測定する(S1)。具体的には、使用者が試薬テーブル11上の試験紙セット位置に1対の反射体を載置し、表示装置5の表示画面に対して所定の操作を行うと、CPU41が、ランプ21を制御して点灯させ、フィルタロータ22の駆動源であるモータ48を制御して所定波長のフィルタを光路に挿入する。さらに、CPU41が、試薬テーブル11の駆動源であるモータ49を制御して一方の反射体が全ての測定位置に位置するように、試薬テーブル11を移動させる。これにより、所定波長の光が光ファイバ23の一端面に入射し、7箇所に分岐した光ファイバ23の他端面から出射される。これらの光は、各測定位置にて、一方の反射体に当たって反射し、ホトダイオード25a,25bの光入射面に入射すると共に、参照用の光がホトダイオード47の光入射面に入射する。そして、ホトダイオード25a,25b,47からの出力電流は、アンプにより増幅され、かつ電圧に変換されて、入出力インターフェイス45に入力される。入出力インターフェイス45は、これらの電圧をディジタルデータに変換し、これらのディジタルデータは、CPU41によりRAM43に格納される。
【0058】
そして、CPU41が、フィルタロータ22の駆動源であるモータ48を制御して、次のフィルタに切替え、上記と同様の動作により各測定位置でのディジタルデータがRAM43に格納される。以下同様に、フィルタロータ22に設けられた全てのフィルタにより得られる波長の光により、各測定位置における一方の反射体の測定が行われ、測定結果がRAM43に格納される。
【0059】
さらに、CPU41が、試薬テーブル11の駆動源であるモータ49を制御して他方の反射体が全ての測定位置に位置するように、試薬テーブル11を移動させ、一方の反射体の場合と同様の動作により各測定位置における測定を各波長について行い、その結果得られたディジタルデータをRAM43に格納する。なお、1対の反射体の反射率は、予め正確に測定されており、既知である。
【0060】
そして、CPU41が、1対の反射体の測定結果に基づいて、基準検量線情報を演算する(S2)。すなわち、1対の反射体の反射率の測定値である、ホトダイオード25a,25bの出力電流値に応じたディジタルデータの値をα1,β1、その補正値をa1,b1とし、1対の反射体の既知の反射率をA1,B1とすると、補正値a1,b1と反射率A1,B1とから、図9に示すような基準検量線51を表す数式を演算できることは明らかである。この数式の演算は、各測定位置および各波長毎にRAM43およびEEPROM44から所定のデータが読み出されて実行される。ここで、α1,β1からa1,b1への補正は、下記数式1により演算される。
【0061】
【数1】
【0062】
なお、上記数式1において、R1,R2は参照用のホトダイオード47の出力電流に応じたディジタルデータの値、OS1,OS2はホトダイオード25a,25bの出力電流を増幅するアンプなどのオフセットのディジタルデータの値、OSR1,OSR2は参照用のホトダイオード47の出力電流を増幅するアンプなどのオフセットのディジタルデータの値である。オフセット値OS1,OS2,OSR1,OSR2は、ランプ21を消灯させた状態、若しくはランプ21からの光を遮った状態でホトダイオード25a,25b,47の出力電流を増幅するアンプからの出力電圧をディジタルデータに変換することにより求めることができる。このように測定値を補正することにより、経年変化や電源電圧の変動などに起因するランプ21の光量の変化、およびホトダイオード25a,25b,47やアンプの暗電流による誤差をなくすことができる。ところで、R1,R2,OS1,OS2,OSR1,OSR2に相当する値は、後述の補正出力値a2,b2,a3,b3,cの演算時にも毎回測定する。すなわち、補正出力値a1,b1,a2,b2,a3,b3,cを求めるためにEEPROM44に記憶されている補正情報とは、R1,R2,OS1,OS2,OSR1,OSR2あるいはそれらに相当する値の具体的な数値ではなく、上記数式1で示されるような演算式自体である。
【0063】
さらにCPU41が、S2において演算した基準検量線情報をEEPROM44に格納する(S3)。
【0064】
次に、基準反射体としての黒板12および白板13の反射率を測定する(S4)。具体的には、使用者が表示装置5の表示画面に対して所定の操作を行うと、CPU41が、ランプ21を制御して点灯させ、フィルタロータ22の駆動源であるモータ48を制御して所定波長のフィルタを光路に挿入する。さらに、CPU41が、試薬テーブル11の駆動源であるモータ49を制御して黒板12が全ての測定位置に位置するように、試薬テーブル11を移動させる。これにより、所定波長の光が光ファイバ23の一端面に入射し、7箇所に分岐した光ファイバ23の他端面から出射される。これらの光は、各測定位置にて、黒板12に当たって反射し、ホトダイオード25a,25bの光入射面に入射すると共に、参照用の光がホトダイオード47の光入射面に入射する。そして、ホトダイオード25a,25b,47からの出力電流は、アンプにより増幅され、かつ電圧に変換されて、入出力インターフェイス45に入力される。入出力インターフェイス45は、これらの電圧をディジタルデータに変換し、これらのディジタルデータは、CPU41によりRAM43に格納される。
【0065】
そして、CPU41が、フィルタロータ22の駆動源であるモータ48を制御して、次のフィルタに切替え、各測定位置でのディジタルデータがRAM43に格納される。以下同様に、フィルタロータ22に設けられた全てのフィルタにより得られる波長の光により、各測定位置における黒板12の測定が行われ、測定結果がRAM43に格納される。
【0066】
さらに、CPU41が、試薬テーブル11の駆動源であるモータ49を制御して白板13が全ての測定位置に位置するように、試薬テーブル11を移動させ、黒板12の場合と同様の動作により各測定位置における測定を全ての波長について行い、その結果得られたディジタルデータをRAM43に格納する。
【0067】
そして、CPU41が、黒板12および白板13の測定結果に基づいて、黒板12および白板13の反射率を演算する(S5)。すなわち、黒板12および白板13の測定により得られたディジタルデータを各測定位置および各波長毎にRAM43から読み出し、上記数式1と同様の数式により補正して補正出力値a2,b2を演算し、これらの値とEEPROM44に記憶させた基準検量線51の数式とにより、黒板12の反射率A2と白板13の反射率B2とを演算する。基準検量線51は、図10に示すように、補正出力値a2,b2と反射率A2,B2との関係を表したものであり、補正出力値a2,b2と基準検量線51の数式とから反射率A2,B2を演算できるのは明らかである。
【0068】
さらに、CPU41が、演算した黒板12および白板13の反射率A2,B2を各測定位置および各波長毎にEEPROM44に格納する(S6)。
【0069】
以上の手順により、検量線校正処理が終了する。すなわち、この臨床検査装置により測定した黒板12および白板13の反射率が各測定位置および各波長毎に得られたことになる。
【0070】
次に、試験紙26上の試薬パッド24の反射率を測定する検体測定処理の手順について、図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0071】
先ず、基準反射体としての黒板12および白板13の反射率を測定する(S11)。具体的には、使用者が表示装置5の表示画面に対して所定の操作を行うと、CPU41が、ランプ21を制御して点灯させ、フィルタロータ22の駆動源であるモータ48を制御して所定波長のフィルタを光路に挿入する。さらに、CPU41が、試薬テーブル11の駆動源であるモータ49を制御して黒板12が全ての測定位置に位置するように、試薬テーブル11を移動させる。これにより、所定波長の光が光ファイバ23の一端面に入射し、7箇所に分岐した光ファイバ23の他端面から出射される。これらの光は、各測定位置にて、黒板12に当たって反射し、ホトダイオード25a,25bの光入射面に入射すると共に、参照用の光がホトダイオード47の光入射面に入射する。そして、ホトダイオード25a,25b,47からの出力電流は、アンプにより増幅され、かつ電圧に変換されて、入出力インターフェイス45に入力される。入出力インターフェイス45は、これらの電圧をディジタルデータに変換し、これらのディジタルデータは、CPU41によりRAM43に格納される。
【0072】
そして、CPU41が、フィルタロータ22の駆動源であるモータ48を制御して、次のフィルタに切替え、上記と同様の動作により各測定位置でのディジタルデータがRAM43に格納される。以下同様に、フィルタロータ22に設けられた全てのフィルタにより得られる波長の光について、各測定位置における黒板12の測定が行われ、測定結果がRAM43に格納される。
【0073】
さらに、CPU41が、試薬テーブル11の駆動源であるモータ49を制御して白板13が全ての測定位置に位置するように、試薬テーブル11を移動させ、黒板12の場合と同様の動作により各測定位置および各波長における測定を行い、その結果得られたディジタルデータをRAM43に格納する。
【0074】
そして、CPU41が、RAM43に格納された黒板12および白板13の測定結果に基づいて、各測定位置および各波長毎に検量線情報を演算する(S12)。すなわち、黒板12および白板13の反射率の測定値である、ホトダイオード25a,25bの出力電流値に応じたディジタルデータの値を上記数式1と同様な数式で補正した補正値をa3,b3とすると、黒板12および白板13の反射率A2,B2は図8のS6において既にEEPROM44に記憶されているので、これらから図12に示すような検量線52を表す数式を演算できることは明らかである。なお、ここで新たに検量線52を求めたのは、ホトダイオード25a,25b,47の出力電流を増幅するアンプのゲインなどが変化して、基準検量線51と検量線52とが一致しなくなることがあるからである。
【0075】
さらにCPU41が、S12において演算した検量線情報をRAM43に格納する(S13)。
【0076】
この後、被測定体としての試験紙26上の各試薬パッド24の反射率を測定する(S14)。具体的には、使用者が試薬テーブル11上の所定位置にサンプルボトルおよび試験紙26を載置し、表示装置5の表示画面に対して所定の操作を行うと、CPU41が、図外のポンプおよびノズルを駆動制御して、血液あるいは尿をサンプルボトルから吸引させ、試験紙26上の各試薬パッド24に滴下させる。これにより各試薬パッド24が、血液あるいは尿に含まれる所定の成分の量に応じて呈色する。そしてCPU41が、ランプ21を制御して点灯させ、フィルタロータ22の駆動源であるモータ48を制御して所定の測定位置の検査項目に対応した所定波長のフィルタを光路に挿入する。さらに、CPU41が、試薬テーブル11の駆動源であるモータ49を制御して試験紙26上の各試薬パッド24がそれぞれ対応する測定位置に位置するように、試薬テーブル11を移動させる。これにより、所定波長の光が光ファイバ23の一端面に入射し、7箇所に分岐した光ファイバ23の他端面から出射される。これらの光は、各測定位置にて、試薬パッド24に当たって反射し、ホトダイオード25a,25bの光入射面に入射すると共に、参照用の光がホトダイオード47の光入射面に入射する。そして、ホトダイオード25a,25b,47からの出力電流は、アンプにより増幅され、かつ電圧に変換されて、入出力インターフェイス45に入力される。入出力インターフェイス45は、これらの電圧のうち、所定の測定位置に対応するホトダイオード25a,25bと、参照用のホトダイオード47とに対応する電圧をディジタルデータに変換し、これらのディジタルデータは、CPU41によりRAM43に格納される。
【0077】
そして、CPU41が、フィルタロータ22の駆動源であるモータ48を制御して、次の測定位置に対応したフィルタに切替え、上記と同様の動作により次の測定位置でのディジタルデータがRAM43に格納される。以下同様に、全ての測定位置において、各測定位置の検査項目に対応する波長の光により、各測定位置における試薬パッド24の測定が行われ、測定結果がRAM43に格納される。
【0078】
そして、CPU41が、RAM43に格納された試験紙26上の各試薬パッド24の測定結果に基づいて、各試薬パッド24の反射率を演算する(S15)。すなわち、各試薬パッド24の測定により得られたディジタルデータを上記数式1と同様の数式により補正して補正出力値cを演算し、この値とRAM43に記憶させた検量線52の数式とにより、各試薬パッド24の反射率Cを順次演算する。検量線52は、図13に示すように、補正出力値cと反射率Cとの関係を表したものであり、補正出力値cと検量線52の数式とから反射率Cを演算できるのは明らかである。
【0079】
さらに、CPU41が、演算した各試薬パッド24の反射率CをEEPROM44に格納する(S16)。
【0080】
そして、CPU41が、測定が終了したか否かを判断する(S17)。具体的には、試薬テーブル11上に載置された全ての試験紙26についての測定が完了したかどうかを調べる。全ての試験紙26について測定が終了していれば(S17:YES)、検体測定処理を終了する。未測定の試験紙26が試薬テーブル11上に残っていれば(S17:NO)、CPU41がモータ49を制御して試薬テーブル11を移動させ、S14に戻って測定を継続する。
【0081】
以上の手順により、検体測定処理が終了する。すなわち、試薬テーブル11上の全ての試験紙26上の各試薬パッド24について、呈色試験が実行され、各種の検査項目の検査が行われたのである。
【0082】
かくして得られたデータすなわち検査結果は、図外のプリンタにより記録紙上に印刷され、また必要に応じて表示装置5の表示画面上に表示される。
【0083】
このように、基準反射体としての黒板12および白板13を実際に測定し、その測定結果a2,b2と基準検量線51とを用いて黒板12および白板13の反射率A2,B2を求めておき、さらに黒板12および白板13を実際に測定し、その測定結果a3,b3と求めておいた反射率A2,B2とを用いて検量線52を求めるので、黒板12および白板13の取り付け精度や面高さなどに若干の誤差があったとしても、それらの誤差は最初に反射率A2,B2を求める段階で反映されており、後に検量線52を求める段階では誤差として表れない。したがって、黒板12および白板13の取り付け精度などに拘らず正確に検量線52を校正できる。そして、その結果、試薬パッド24の反射率を正確に測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る反射率測定装置を備えた臨床検査装置の外観斜視図である。
【図2】図1に示す臨床検査装置の要部の外観斜視図である。
【図3】図1に示す臨床検査装置の光学系の概略構成図である。
【図4】図1に示す臨床検査装置の各測定位置における光学系の概略構成図である。
【図5】被測定体としての試薬パッドを備えた試験紙の一例を示す外観斜視図である。
【図6】被測定体としての試薬パッドを備えた試験紙の別の例を示す外観斜視図である。
【図7】図1に示す臨床検査装置の回路ブロック図である。
【図8】図1に示す臨床検査装置における検量線校正処理の手順を説明するフローチャートである。
【図9】反射体の補正出力値と反射体の反射率と基準検量線との関係を説明する説明図である。
【図10】基準反射体の補正出力値と基準反射体の反射率と基準検量線との関係を説明する説明図である。
【図11】図1に示す臨床検査装置における検体測定処理の手順を説明するフローチャートである。
【図12】基準反射体の補正出力値と基準反射体の反射率と検量線との関係を説明する説明図である。
【図13】被測定体の補正出力値と被測定体の反射率と検量線との関係を説明する説明図である。
【符号の説明】
11 試薬テーブル
12 黒板
13 白板
24 試薬パッド
25a,25b ホトダイオード
26 試験紙
31 試験紙
41 CPU
42 ROM
44 EEPROM
Claims (13)
- 被測定体からの反射光の強度に応じた補正後の測定値と前記被測定体の反射率との関係を表す検量線を校正する検量線の校正方法であって、
互いに異なる反射率を有する複数の基準反射体からの反射光をそれぞれ測定し、それらの測定値を補正した補正後の測定値と予め求めておいた基準検量線とを用いて前記基準反射体の反射率をそれぞれ求める基準反射率算出ステップと、
前記複数の基準反射体からの反射光をそれぞれ測定し、それらの測定値を補正した補正後の測定値と前記基準反射率算出ステップで求めた反射率とから検量線を求める検量線算出ステップとを実行することを特徴とする、検量線の校正方法。 - 前記基準検量線は、互いに異なる反射率を有しかつ反射率が既知の複数の反射体からの反射光をそれぞれ測定し、それらの測定値を補正した補正後の測定値と既知の反射率とを用いて求められる、請求項1に記載の検量線の校正方法。
- 前記基準反射率算出ステップと前記検量線算出ステップとを、相互に異なる複数の測定位置毎に実行する、請求項1または請求項2に記載の検量線の校正方法。
- 前記基準反射率算出ステップと前記検量線算出ステップとを、相互に異なる複数の測定位置毎に、予め決められた複数種類の照射光の波長により実行する、請求項3に記載の検量線の校正方法。
- 前記検量線算出ステップを、反射率測定装置の電源投入時毎に実行する、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の検量線の校正方法。
- 前記検量線算出ステップを、反射率測定装置により任意数の前記被測定体の反射率の測定を行う毎に、その測定前に実行する、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の検量線の校正方法。
- 被測定体からの反射光の強度に応じた補正後の測定値と前記被測定体の反射率との関係を表す検量線情報を利用して前記被測定体の反射率を演算する反射率測定装置であって、
前記被測定体からの反射光の強度に応じた検出信号を出力する光電変換手段と、
前記測定値を補正するための補正情報、および予め求められた基準検量線情報を記憶している記憶手段と、
互いに異なる反射率を有する複数の基準反射体からの反射光を前記光電変換手段にそれぞれ測定させ、それらの測定値を前記記憶手段に記憶されている補正情報に基づいて補正し、それら補正後の測定値と前記記憶手段に記憶されている基準検量線情報とを用いて前記基準反射体の反射率をそれぞれ演算し、それら反射率を前記記憶手段に記憶させる基準反射率算出手段と、
前記複数の基準反射体からの反射光を前記光電変換手段にそれぞれ測定させ、それらの測定値を前記記憶手段に記憶されている補正情報に基づいて補正し、それら補正後の測定値と前記基準反射率算出手段により演算されて前記記憶手段に記憶されている反射率とから検量線情報を求める検量線情報算出手段とを備えたことを特徴とする、反射率測定装置。 - 前記光電変換手段は、相互に異なる複数の測定位置毎に設置されており、
前記基準反射率算出手段は、各測定位置毎に前記基準反射体の反射率をそれぞれ演算し、
前記検量線情報算出手段は、各測定位置毎に前記検量線情報を求める、請求項7に記載の反射率測定装置。 - 前記基準反射率算出手段は、各測定位置毎に予め決められた複数種類の照射光の波長により前記基準反射体の反射率をそれぞれ演算し、
前記検量線情報算出手段は、各測定位置毎に予め決められた複数種類の照射光の波長により前記検量線情報を求める、請求項8に記載の反射率測定装置。 - 互いに異なる反射率を有しかつ反射率が既知の複数の反射体からの反射光を前記光電変換手段にそれぞれ測定させ、それらの測定値を前記記憶手段に記憶されている補正情報に基づいて補正し、それら補正後の測定値と既知の反射率とを用いて前記基準検量線情報を演算し、その基準検量線情報を前記記憶手段に記憶させる基準検量線情報算出手段を備えている、請求項7に記載の反射率測定装置。
- 前記光電変換手段は、相互に異なる複数の測定位置毎に設置されており、
前記基準反射率算出手段は、各測定位置毎に前記基準反射体の反射率をそれぞれ演算し、
前記検量線情報算出手段は、各測定位置毎に前記検量線情報を求め、
前記基準検量線情報算出手段は、各測定位置毎に前記基準検量線情報を演算し、その基準検量線情報を前記記憶手段に記憶させる、請求項10に記載の反射率測定装置。 - 前記基準反射率算出手段は、各測定位置毎に予め決められた複数種類の照射光の波長により前記基準反射体の反射率をそれぞれ演算し、
前記検量線情報算出手段は、各測定位置毎に予め決められた複数種類の照射光の波長により前記検量線情報を求め、
前記基準検量線情報算出手段は、各測定位置毎に予め決められた複数種類の照射光の波長により前記基準検量線情報を演算し、その基準検量線情報を前記記憶手段に記憶させる、請求項11に記載の反射率測定装置。 - 被測定体からの反射光の強度に応じた補正後の測定値と前記被測定体の反射率との関係を表す検量線情報を利用して前記被測定体の反射率を演算する反射率測定装置を動作させるためのプログラムを格納している記憶媒体であって、
互いに異なる反射率を有する複数の基準反射体からの反射光を光電変換手段にそれぞれ測定させ、それらの測定値を記憶手段に記憶されている補正情報に基づいて補正し、それら補正後の測定値と前記記憶手段に記憶されている基準検量線情報とを用いて前記基準反射体の反射率をそれぞれ演算し、それら反射率を前記記憶手段に記憶させる基準反射率算出プログラムと、
前記複数の基準反射体からの反射光を前記光電変換手段にそれぞれ測定させ、それらの測定値を前記記憶手段に記憶されている補正情報に基づいて補正し、それら補正後の測定値と前記基準反射率算出プログラムにより演算されて前記記憶手段に記憶されている反射率とから検量線情報を求める検量線情報算出プログラムとを含むプログラムを格納していることを特徴とする、記憶媒体。
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