JP3650558B2 - 反射率測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、未知濃度の被測定体からの反射率を濃度既知の基準板の反射強度から求める反射率測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、尿検査を試験紙法で行う反射率測定装置は、かなり古くから知られている。従来の反射率測定装置においては、試薬の保持された試験紙に尿等の検体を滴下し、試薬を発色させるとともに、光源からの光を発色した試薬上に照射して、発色部からの反射光を光検出器により測定して、発色の程度,即ち、測定項目の濃度を測定している。
【0003】
ここで、光源から出射する光量は時間と共に変化してドリフトするため、この光源のドリフトを補正する方法として、例えば、特開昭51−33692号公報に記載されているように、装置内部の濃度既知の基準板(内部基準板)を用いて補正するものや、例えば、特開昭62−19737号公報に記載されているように、濃度既知の外部反射基準板(外部基準板)を用いて補正するものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、従来の反射率測定装置は、光源からの光を試験紙で反射させ、その反射光の強度を光検出器により測定するものであるため、光源から光検出器までの光路長が異なると、光検出器により検出される反射光強度が異なるため、測定誤差となる。光源と光検出器は、測光ヘッド内に一体的に取り付けられているため、光路長は、測光ヘッドと試験紙との間の距離で決定される。反射率測定の精度を向上するためには、測光ヘッドと試験紙との間の距離を所定距離に対して±200μm程度の精度で設定する必要があるにも拘わらず、従来の反射率測定装置の組立時においては、各部品を組み上げるだけあるため、組立時の機差により、測光ヘッドと試験紙との間の距離がばらつくため、測定精度に誤差があるという第1の問題があった。また、装置の修理や部品の交換等を行い、装置を再組立した場合にも、同様の問題が生じるものである。
【0005】
また、内部基準板を用いる光源ドリフトの補正方法では、内部基準板は装置内部に常に設置してあるため、汚れ,変性を回避できないものであり、一方、外部基準板は補正の都度、装置にセットする必要があるため、毎回測定ができず、安定した光源ドリフトの補正ができないという第2の問題があった。
【0006】
本発明の第1の目的は、測光ヘッドと試験紙との間の距離のばらつきを回避して、測定精度の向上した反射率測定装置を提供することにある。
【0007】
また、本発明の第2の目的は、基準板の汚れ,変性を回避できるとともに、測定の度毎に、毎回光源ドリフトの補正を行え、測定精度の向上した反射率測定装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記第1の目的を達成するために、本発明は、光源と受光部を有する測光ヘッドを有し、光源からの光を被測定体に照射して、被測定体の反射光を上記受光部により受光して反射強度を求めるとともに、基準反射板からの反射強度との関係に基づいて、被測定体の絶対反射率を求める反射率測定装置において、上記基準板からの反射強度を測定し、この測定結果に基づいて、上記被測定体を保持する台と上記測光ヘッドの間の距離を調整する距離調整手段とを備え、さらに、上記測光ヘッドは、複数の被測定体の上を走査可能であり、上記基準反射板は、上記測光ヘッドから見た反射率が等しく、かつ、上記測光ヘッドの走査方向に離されて配置された複数の基準反射板から構成され、上記算出部は、これらの複数の基準反射板からの反射強度に基づいて、上記測光ヘッドの水平度を判断するとともに、上記算出部による水平度の判断結果に基づいて、上記測光ヘッドの水平度を調節可能としたものである。
かかる構成により、測光ヘッドの水平度を調節可能とし、測定精度を向上し得るものとなる。
【0009】
(2)上記(1)において、好ましくは、 上記基準反射板からの反射強度を測定し、この測定結果に基づいて、上記被測定体を保持する台と上記測光ヘッドの間の距離を調整する距離調整手段とを備え、さらに、上記基準反射板は、同じ反射率を有し、高さの異なる複数の外部基準板から構成され、上記複数の外部基準反射板に対する反射強度の差に基づいて、感度異常を判断する算出部を備えるようにしたものである。
かかる構成により、感度異常を判断して、感度異常を回避することにより、測定精度を向上し得るものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図9を用いて、本発明の一実施形態による反射率測定装置の構成について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態による反射率測定装置のシステム構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による反射率測定装置のシステム構成を示すブロック図である。
【0015】
試験紙10の上には、複数の試薬パッド12a,12b,…,12fが保持されている。試薬パッド12a,…,12fは、それぞれ、測定項目に対応する試薬を保持している。試薬パッド12a,…,12fは、基板10の上に載置された吸収紙と、この吸収紙の上に載置された試薬と、この試薬の上から吸収紙及び試薬を保持するナイロンメッシュ等から構成されている。試薬として、ブドウ糖測定用試薬を保持することにより、ブドウ糖測定用試験パッドとなり、また、タンパク質測定用試薬を保持することにより、タンパク質測定用試験パッドとなる。1つの検体に対して、同時に10項目の測定を行う場合には、試験紙10の上には、10項目の測定項目に対応する試薬を保持した10個の試験パッドが保持される。測定検体である尿等は、試薬パッド12a,…,12fの上に滴下され、試薬と検体が反応して、検体の測定項目の濃度等に応じて、試薬が発色する。試薬は、粉末状のものを固めたものであり、試薬の種類の相違によって、試薬パッド12a,…,12fの高さH1は、それぞれ少しづつ相違している。
【0016】
基板14の上には、内部反射基準板14aが保持されている。内部反射基準板14aは、例えば、既知の反射率を有するプラスチック板が用いられる。内部反射基準板14aとしては、例えば、反射率が60%のグレーのプラスチック板が用いられる。
【0017】
試験紙10及び基板14の上には、測光ヘッド20が配置されている。測光ヘッド20は、矢印A方向に往復動可能である。測光ヘッド20の内部には、ホルダ22に固定された光源であるLED(発光ダイオード)24a,24bと、フォトダイオード等の光検出器26と、レンズ28とが備えられている。ここで、試薬パッド12の厚さをH1とし、試薬パッド12の上面から測光ヘッド20の下端まで距離(高さ)をH2とする。
【0018】
LED24a,24bは、図示に例では2つであるが、実際には、3種類の波長λ1,λ2,λ3の光を出射する3種類のLEDが3個づつ、合計9個備えられている。ここで、3種類の波長λ1,λ2,λ3とは、試薬の発色に応じたものであり、例えば、470nm,555nm,620nmである。そして、例えば、470nmの中心波長の光を出射する3個のLED24aが、レンズ28の周囲に等間隔で配置されており、試験パッド12に均一に光が照射されるようにしている。同様にして、555nm,620nmの中心波長の光を出射する3個のLED24が、それぞれ、レンズ28の周囲に等間隔で配置されている。3種類のLED24が、順次点灯されることにより、3種類の波長λ1,λ2,λ3の光が順次試薬パッド12に照射される。
【0019】
試薬パッド12によって反射した光は、レンズ28によって光検出器26に集光される。光検出器26は、受光した反射光の強度に応じた電気信号を出力する。光検出器26が出力する電気信号は、A/D変換器30によってディジタル信号に変換され、濃度算出部40によって、最終的な測定項目毎の濃度の算出が行われる。
【0020】
濃度算出部40は、反射率変換部41と、反射率テーブル42と、補正係数テーブル43と、濃度換算テーブル44と、最終濃度算出部45とから構成されている。反射率変換部41は、A/D変換器30から入力した反射光強度のディジタル信号を、反射率テーブル42に記憶された内部基準の反射率のデータと、補正係数テーブル43に記憶された補正係数を用いて、反射率に変換する。内部基準の反射率データ及び補正係数の詳細については、図6を用いて後述する。最終濃度算出部45は、反射率変換部41によって変換された反射率を、濃度換算テーブル44に記憶された換算値に基づいて、濃度値に変換する。
【0021】
濃度算出部40には、プリンタ52、操作パネル54、ホストコンピュータ56、記憶媒体58等が接続されている。濃度算出部40によって算出された各検体の各項目毎の濃度値は、プリンタ52によってプリントアウトされ、操作パネル54の液晶ディスプレイ(LCD)に表示され、ホストコンピュータ56に出力され、記憶媒体58に記憶される。
【0022】
次に、図2及び図3を用いて、本実施形態による反射率測定装置の内部構成について説明する。
図2は、本発明の一実施形態による反射率測定装置の内部構成を示す斜視図であり、測光ヘッドを保持する測光ユニットを取り外した状態を示している。また、図3は、本発明の一実施形態による反射率測定装置の内部構成を示す斜視図であり、外部基準板を引き出した状態を示している。図2及び図3において同一符号は、同一部分を示している。
【0023】
最初に、図2に示すように、金属製の板状のベース60の上に、搬送台ベース62が取り付けられている。搬送台ベース62の上には、搬送台64が載置されている。搬送台64の上には、複数の試験紙10A,10B,10Cが載置されるとともに、図示しない搬送機構により、それぞれ、X軸方向の矢印B1,B2,B3方向に搬送される。搬送機構による試験紙10の搬送動作は、制御ユニット66によって制御される。試験紙10Aの上には、例えば、10種類の試薬パッド12a,12b,…,12jが保持されており、1つの検体に対して10種類の測定項目を測定することができる。試験紙10は、予めカセット等の内部に収納されており、図示しない試験紙引出し機構によりカセットから引き出されて、搬送台64の上の試験紙10Aが載置されている場所に載置される。この位置において、自動ピペッタ等を用いて尿等の検体が分注され、試薬パッド12a,…,12jの上に滴下される。その後、試験紙10Aは、矢印B1方向に搬送されながら、試薬パッド12a,…,12j中の測定項目毎の試薬と検体の反応が進行して、試薬が発色する。
【0024】
また、図示の例では、搬送台64の右側端部の上面には、外部基準板16が載置されている状態を示している。なお、外部基準板16は、Y軸方向に5種類の外部基準板が設置されているものであり、その詳細については、図4を用いて後述する。また、外部基準板16を搬送台64の上に設置するのは、外部基準板16を用いた補正を行う場合であり、この際には、搬送台16上には、試験紙10A,10B,10Cは設置されないものであり、また、試験紙10A,10B,10Cによる検体の反射率の測定時には、外部基準板16は搬送台16の上には設置されないものであるが、ここでは、搬送台16上における試験紙10A,10B,10Cの搬送状況と外部基準板16の設置位置を示すため、試験紙10A,10B,10Cと試験紙10A,10B,10Cを同時に図示している。
【0025】
外部基準板16のY軸方向の隣接位置には、内部基準板14が設置されている。通常の測定時には、外部基準板16は設置されておらず、この外部基準板16が図示されている位置まで、試験紙10が移動してくる。試験紙10Aが図示されている位置から外部基準板16が図示されている位置まで、試験紙10が移動するのに要する時間は、例えば、1分であり、この時間が試薬と検体の反応時間となっている。
【0026】
外部基準板16及び内部基準板14の上の位置,即ち、試験紙10及び内部基準板14の上の位置(Z軸方向の位置)には、測光窓72が設けられている。この測光窓72の上を、図3を用いて後述するように、測光ユニットの中の測光ヘッドが、矢印C方向に移動して、外部基準板16(若しくは試験紙10)及び内部基準板14に、光源からの光を照射し、反射光を検知する。
【0027】
また、ベース60の上には、4本の支柱82A,82B,82C,82Dが固定されている。支柱82A,82B,82C,82Dの上端部には、調整ネジ84A,84B,84C,84Dが取り付けられている。図3を用いて後述するように、測光ヘッドを保持する測光ユニットは、調整ネジ84A,84B,84C,84Dを介して、支柱82A,82B,82C,82Dの上に保持される。そして、六角ドライバ等を用いて調整ネジ84A,84B,84C,84Dを回すことで、測光ヘッドと搬送台64の間の距離を調整することができる。
【0028】
次に、図3に示すように、測光ヘッド20を保持する測光ユニット70は、調整ネジ84A,84B,84C,84Dを介して、支柱82A,82B,82C,82Dの上に保持される。測光ユニット70の中の測光ヘッド20は、矢印C方向に移動して、外部基準板16(若しくは試験紙10)及び内部基準板14に、光源からの光を照射し、反射光を検知する。
【0029】
また、図3は、搬送台64を、X軸上のD方向に引き出した状態を示している。このように、搬送台64をD方向に引き出すことにより、搬送台64の上に外部基準板16を設置することができる。外部基準板16の設置が終了すると、矢印Dと反対方向に搬送台64を押し込むことにより、測光ヘッド20の真下の位置に外部基準板16を設置することができる。
【0030】
次に、図4を用いて、本実施形態による反射率測定装置に用いる外部基準板16の第1の構成について説明する。
図4は、本発明の一実施形態による反射率測定装置に用いる外部基準板の第1の構成を示す斜視図である。
【0031】
外部基準板16は、所定の反射率R1を有するプラスチック製の反射板である。外部基準板16の中央の破線で示す領域16aが、第1の外部基準として機能する。また、領域16aの両側には、第2の外部基準板16b1,16b2が外部基準板16の上に取り付けられている。第2の外部基準板16b1,16b2は、外部基準板16と同じ反射率R1を有するプラスチック製の反射板であり、その高さは、h1である。また、第2の外部基準板16b1,16b2の両側には、第3の外部基準板16c1,16c2が外部基準板16の上に取り付けられている。第3の外部基準板16c1,16c2は、外部基準板16と同じ反射率R1を有するプラスチック製の反射板であり、その高さは、h2である。
【0032】
外部基準板16,第2の外部基準板16b1,16b2,第3の外部基準板16c1,16c2の反射率R1は、例えば、60%である。第2の外部基準板16b1,16b2の高さh1は、100〜300μmであり、例えば、200μmである。また、第3の外部基準板16c1,16c2の高さh2は、第2の外部基準板16b1,16b2の高さh1よりも、100〜300μm高くなっており、例えば、400μmである。即ち、外部基準板16,第2の外部基準板16b1,16b2,第3の外部基準板16c1,16c2の反射率R1はいずれも同じであるが、測光ヘッドの中の光源や光検出器との距離が僅かに違っており、光路長が異なるため、測光ヘッドから見た反射率が異なるものである。
【0033】
このように、本実施形態においては、外部基準板として、反射率が同じであるが、高さの異なる3種類の外部基準を備えることにより、測光ヘッドから見た反射率が異なる3種類の外部基準を備えるものである。
【0034】
また、このとき、基板14の上に保持されている内部反射基準板14aは、外部基準板16と同じ反射率R1(=60%)を有しており、その高さh1は、第2の外部基準板16b1,16b2と同じ高さである。換言するならば、第2の外部基準板16b1,16b2は、測光ヘッドから見た反射率が内部基準板14aと同じものであり、第1の外部基準として機能する領域16aは、測光ヘッドから見た反射率が内部基準板14aより小さいものであり、第3の外部基準板16c1,16c2は、測光ヘッドから見た反射率が内部基準板14aより大きいものである。即ち、内部基準板14aを基準として、この反射率と等しいもの、この反射率より小さいもの、この反射率より大きいものの3種類の外部基準板16を用いている。
【0035】
次に、図5を用いて、本実施形態による反射率測定装置による装置の性能評価の方法について説明する。
図5は、本発明の一実施形態による反射率測定装置による装置の性能評価処理の内容を示すフローチャートである。
【0036】
最初に、ステップs100において、濃度算出部40は、装置がスタンバイ状態において、光源であるLED24の光量をチェックする。スタンバイ状態においては、図1に示した測光ヘッド20は、内部基準板14aの上に位置している。3種類の波長(λ1,λ2,λ3)のLED24を、各波長毎に順次点灯するとともに、そのときの光検出器26の出力がA/D変換器26によりディジタル信号に変換され、濃度算出部40に取り込まれる。濃度算出部40は、その値が、予め設定した値Vに対して、例えば、V±0.03Vの範囲内にあるかどうかをチェックする。図1に示した操作パネル54には、検出された値と同時に、設定値及びその上限値下限値が表示される。
【0037】
設定範囲外である場合には、ステップs105において、オペレータは、LED24に供給する電圧を、ボリューム等を用いて調整し、操作パネル54に表示される検出された値が、設定範囲内となるようにする。
【0038】
光量チェックが終了すると、次の光度計チェックを行う前に、オペレータは、光度計チェックの準備として、図3に示したように、搬送台64を引き出して、外部基準板16をセットする。その後、搬送台64を元の位置に戻すことにより、外部基準板16は、測光ヘッド20の下の位置にセットされる。
【0039】
次に、ステップs110において、オペレータは、装置の操作パネル54から光度計チェックを選択することにより、以下の各ステップによる光度計チェックを開始する。
【0040】
ここで、図6を用いて、光度計チェック時の操作パネル54の表示例について説明する。
図6は、本発明の一実施形態による反射率測定装置における光度計チェック時の操作パネルの表示例の説明図である。
【0041】
光度計チェック時には、図6に示した操作パネル54の表示を見ながら、測定回数nを入力する。測定回数nは、n=1からn=30の範囲で選択できるようになっている。測定回数nの入力は、操作パネル54に備えられているテンキーから行うことができる。また、内部基準板14aを新品と交換したとき、最初の調整時は初期化を(YES)にする。そして、操作パネル54上にあるスタートキーを押すことにより、光度計チェックが開始する。
【0042】
光度計チェック時には、濃度算出部40は、図3に示したように、測光ヘッド20が矢印C方向に移動するように制御する。この結果、測光ヘッド20は、図4に示した第3外部基準板16c1,第2外部基準板16b1,第1外部基準板16a,第2外部基準板16b2,第3外部基準板16c1及び内部基準板14aの上を順次移動しながら、各基準板の上で、3種類の波長の光を出射するLED24を順次点灯した場合における、それぞれの波長に対する反射光を光検出器26によって検出する。また、内部基準板14aの上では、LED24を全て消灯状態にした場合における反射光を光検出器26によって検出する。検出された値は、A/D変換器30によってディジタル信号に変換され、記憶媒体58に記憶される。なお、内部基準板14aから検出された値については、調整初期、あるいは内部反射板14aを交換したときは、この日を始めとして、その後5日間分を平均値化するための測定値とし、日付とカウント値を記録する。また、この測定は、15秒おきに測定回数n回分行われる。
【0043】
ここで、検出値を、それぞれ、次のように表すものとする。
Ioff(n)は、内部基準板14aの上で、全てのLED24が消灯した場合の検出値である反射強度であり、迷光等によって生じる反射強度オフセット値である。ここで、nは、測定回数であり、これについては、以下も同様である。
また、Iref.meas.(n,λi)は、内部基準板14aについて、各波長(λi=λ1,λ2,λ3)毎に求められた反射強度である。
さらに、Cref.meas.c1(n,λi),Cref.meas.b1(n,λi),Cref.meas.a(n,λi),Cref.meas.b2(n,λi),Cref.meas.c2(n,λi)は、各外部基準板16c1,16b,16a,16b2,16c2について、各波長(λi=λ1,λ2,λ3)毎に求められた反射強度である。
【0044】
次に、濃度算出部40は、以下の式(1),(2),(3),(4),(5),(6)に基づいて、各反射強度からオフセット値Ioff(n)を差し引いた値である
Iref(n,λi)=Iref.meas.(n,λi)―Ioff …(1)
Cref.C1(n,λi)=Cref.meas.(n,λi)―Ioff …(2)
Cref.B1(n,λi)=Cref.meas.(n,λi)―Ioff …(3)
Cref.A(n,λi)=Cref.meas.(n,λi)―Ioff …(4)
Cref.B2(n,λi)=Cref.meas.(n,λi)―Ioff …(5)
Cref.C2(n,λi)=Cref.meas.(n,λi)―Ioff …(6)
を測定回数n回分計算する。
【0045】
次に、ステップs115において、濃度算出部40は、正確性及び再現性をチェックする。正確性は、Cref.C1(n,λi),Cref.B1(n,λi),Cref.A(n,λi),Cref.B2(n,λi),Cref.C2(n,λi)のそれぞれのn回の平均値が、期待される範囲内かどうかチェックする。例えば、Cref.C1(n,λi)の平均値であるCave.ref.C1(λ1)が、所定値Wに対して、一定範囲(例えば、±5%の範囲)内にあるかどうかを判断し、一定範囲内にあれば正確性はOKであると判断し、一定範囲外であれば正確性はNGであると判断する。また、再現性は、n回測定のCV(変動係数)が一定範囲内かどうかチェックする。例えば、CVが2%以下の場合には、再現性はOKであると判断し、CVが2%より大きい場合には、再現性はNGであると判断する。
【0046】
正確性及び再現性がOKである場合には、ステップs125に進み、いずれかがNGである場合には、プリンタ52や操作パネル54にアラームやメッセージを出力し、ステップs120に進む。
【0047】
正確性若しくは再現性がNGの場合には、ステップs120において、オペレータは、測光ヘッド20と搬送台64の間の位置関係,即ち、測光ヘッド20と搬送台64の間の距離、換言すると、測光ヘッド20の高さの調整や、LED24の再調整を行う。正確性のチェック結果が、一定の範囲よりも高くなっている場合には、調整ネジ84を回して測光ヘッド20を高くする。また、必要に応じて、LED24に供給する電圧を低くする。一方、正確性のチェック結果が、一定の範囲よりも低くなっている場合には、調整ネジ84を回して測光ヘッド20を低くする。また、必要に応じて、LED24に供給する電圧を高くする。さらに、例えば、Cave.ref.C1(λ1),Cave.ref.C1(λ2),Cave.ref.C1(λ3)の内、Cave.ref.C1(λ1)の正確性若しくは再現性のみがNGである場合には、波長λ1のLED24aに供給する電圧を調整する。調整が終了すると、再び、ステップs110に戻り、光度計チェックを再実行する。
【0048】
正確性及び再現性がOKの場合には、ステップs125において、濃度算出部40は、内部反射基準板14aを初期化してから15日以上経過したか否かを判定し、15日以上経過したときは、ステップs130に進んで内部基準板14aの汚れチェックを行い、15日経過していないときには、ステップs140に進む。
【0049】
ステップs130において、濃度算出部40は、以下の式(7),(8),(9),(10),(11)に従って、Irefの値と、Cref.C1(n,λi),Cref.B1(n,λi),Cref.A(n,λi),Cref.B2(n,λi),Cref.C2(n,λi)の差Dを求める。
Dref.C1(n,λi)=Cref.C1(n,λi)−Iref(n,λi) …(7)
Dref.B1(n,λi)=Cref.B1(n,λi)−Iref(n,λi) …(8)
Dref.A(n,λi)=Cref.A(n,λi)−Iref(n,λi) …(9)
Dref.B2(n,λi)=Cref.B2(n,λi)−Iref(n,λi) …(10)
Dref.C2(n,λi)=Cref.C2(n,λi)−Iref(n,λi) …(11)
差Dがすべてある一定以上(例えば、5%以上)外れたときで、3波長とも差があるときには、濃度算出部40は、内部反射基準板14aが汚れたと判断し、プリンタ52や操作パネル54に、アラームやメッセージを出力し、ステップs135に進む。内部反射板14aの汚れが無いと判断された場合は、ステップs140に進み、水平度チェックを実行する。
ステップs135において、オペレータは、内部反射板14aを清掃する。清掃後、ステップs110に戻り、再び光度計チェックを実施する。
【0050】
内部反射板14aの汚れが無いと判断された場合は、ステップs140において、濃度算出部40は、水平度チェックを実行する。図4において説明したように、外部基準板16b1と、外部基準板16b2と、内部基準板14aの反射の程度は等しいため、これらからの反射強度は本来等しくなるものである。また、外部基準板16c1と、外部基準板16c2の反射の程度は等しいため、これらからの反射強度は本来等しくなるものである。そこで、濃度算出部40は、そこで、上式(8)において求めた外部基準板16b1と内部基準板14aに対する反射強度の差Dref.B1(n,λi)が、例えば、内部基準板14aに対する反射強度よりも一定値(例えば、1〜2%)以上の場合、水平度の異常と判断する。
【0051】
なお、水平度の異常の判定は、外部基準板16b1と内部基準板14aに対する反射強度の差Dref.B1(n,λi)だけでなく、以下の式(12),(13)により、外部基準板16c1と外部基準板16c2に対する反射強度の差Dref.C(n,λi),若しくは、外部基準板16b1と外部基準板16b2に対する反射強度の差Dref.B(n,λi)から求めることができるものである。水平度をチェックするためには、対象となる基準板の距離が離れている方がよいため、差Dref.C(n,λi)の方が、差Dref.B(n,λi)よりも正確となる。
Dref.C(n,λi)=Cref.C1(n,λi)−Iref.C2(n,λi) …(12)
Dref.B(n,λi)=Cref.B1(n,λi)−Iref.B2(n,λi) …(13)
水平度がOKである場合には、ステップs150に進み、NGである場合には、プリンタ52や操作パネル54にアラームやメッセージを出力し、ステップs155に進む。
【0052】
水平度がNGである場合には、オペレータは、高さの再調整を行う。高さ調整は、図2に示した位置調整用のネジ84A,84B,84C,84Dを六角ドライバで回すことで測光ヘッド20と搬送台64の距離を調節する。
【0053】
例えば、外部基準板16b1に対する反射強度Cref.B1(n,λi)が、内部基準板14aに対する反射強度Iref(n,λi)よりも大きい場合には、ネジ84Bを回して外部基準板16b1側の測光ヘッド20の高さを低くするか、ネジ84Aを回して内部基準板14a側の測光ヘッド20の高さを高くする。外部基準板16b1に対する反射強度Cref.B1(n,λi)が、内部基準板14aに対する反射強度Iref(n,λi)よりも小さい場合には、ネジ84Bを回して外部基準板16b1側の測光ヘッド20の高さを高くするか、ネジ84Aを回して内部基準板14a側の測光ヘッド20の高さを低くする。高さ調整が終了すると、再び、ステップs110に戻り、光度計チェックを再実行する。
【0054】
ここで、図7を用いて、ドリフトについて説明する。
図7は、ドリフトの説明図である。図7において、横軸は測定回数nを示しており、縦軸は、内部基準板14aの反射強度Iref.meas.(λi)を示している。
【0055】
反射強度Iref.meas.(λi)は、一般に、測定回数nが増えるに従って、減少する。これは、LED24の発光強度が時間と共に低下することによるものである。ここでドリフトチェックは、反射強度Iref.meas.(λi)の低下の程度によって、LED24の発光強度の低下の度合いをチェックするものである。
【0056】
水平度がOKである場合にはステップs150において、濃度算出部40は、ドリフトチェックを実行する。濃度算出部40は、内部基準板14aの反射強度Iref.meas.(λi)の内、第1回目の測定値Iref.meas.1(λi)と第5回目の測定値Iref.meas.5(λi)との差(Iref.meas.1(λi)−Iref.meas.5(λi))、及び第6回目の測定値Iref.meas.6(λi)と第10回目の測定値Iref.meas.10(λi)との差(Iref.meas.6(λi)−Iref.meas.10(λi)を求め、両者の差が一定値以上(例えば、(Iref.meas.1(λi)−Iref.meas.5(λi))に対して、(Iref.meas.6(λi)−Iref.meas.10(λi)が5%以上)低下した場合をドリフト異常と判断し、それ以下の場合はドリフト正常と判断する。
【0057】
ドリフト正常の場合には、ステップs160に進み、ドリフト異常の場合には、プリンタ52や操作パネル54にアラームやメッセージを出力し、ステップs155に進む。
【0058】
ドリフト異常の場合には、ステップs155において、オペレータは、LED24や光検出器26を交換する。交換が終了すると、再び、ステップs110に戻り、光度計チェックを再実行する。
【0059】
ドリフトが正常である場合には、ステップs160において、濃度算出部40は、感度チェックを実行する。濃度算出部40は、以下の式(14),(15)に基づいて、第2の外部反射板16b1,16b2の反射強度の平均値Cref.Bx(λi)、及び第3の外部反射板16c1,16c2の反射強度の平均値Cref.Cx(λi)を求める。
Cref.Bx(λi)=(Cref.B1(λi)+Cref.B2(λi))/2 …(14)
Cref.Cx(λi)=(Cref.C1(λi)+Cref.C2(λi))/2 …(15)
ここで、第1の外部反射板16aと第2の外部反射板16b1,16b2の高さの差は一定であるため、通常、第1の外部反射板16aからの反射強度と第2の外部反射板16b1,16b2からの反射強度の差は所定値になる。それに対して、LED24の発光強度が低下したり、光検出器26の検出感度が低下すると、上述した反射強度の差は、所定値よりも小さくなる。第2の外部反射板16b1,16b2と第3の外部反射板16c1,16c2の間でも同様のことが生じる。
【0060】
そこで、濃度算出部40は、(Cref.Cx(λi)−Cref.Bx(λi)),(Cref.Bx(λi)−Cref.A(λi)),若しくは(Cref.Cx(λi)−Cref.A(λi))が、予め設定した値よりも低下した場合、例えば、予め設定した値の1/3まで低下した場合には、感度異常と判断し、それ以上の場合は感度正常と判断する。
【0061】
感度正常の場合には、ステップs170に進み、感度異常の場合には、プリンタ52や操作パネル54にアラームやメッセージを出力し、ステップs165に進む。
【0062】
感度異常の場合には、ステップs165において、オペレータは、LED24や光検出器26を交換する。3波長λ1,λ2,λ3のそれぞれについて感度異常となる場合には、光検出器26が劣化している場合が多いため、光検出器26を交換する。3波長λ1,λ2,λ3の内1つの波長について感度異常となる場合には、該当する波長のLED24が劣化している場合が多いため、とりあえず、該当するLED24に対して供給する電圧を調整し、それでも、異常である場合には、該当する波長のLED24を交換する。交換が終了すると、再び、ステップs110に戻り、光度計チェックを再実行する。
【0063】
感度が正常である場合には、ステップs170において、濃度算出部40は、ステップs115で求めた正確性,再現性のデータを、プリンタ52及び操作パネル54に出力する。
【0064】
次に、ステップs175において、濃度算出部40は、以下の式(16),(17),(18),(19),(20)に基づいて5段階の補正係数CorrA(λi),CorrB(λi),CorrC(λi),CorrB’(λi),CorrC’(λi)を算出する。
CorrA(λi)=Iref(λi)/Cref.A(λi) ×InputA …(16)
CorrB(λi)=Iref(λi)/Cref.B(λi) ×InputB …(17)
CorrC(λi)=Iref(λi)/Cref.C(λi) ×InputC …(18)
CorrB’(λi)=(CorrA(λi)+ CorrB(λi))/2 …(19)
CorrC’(λi)=(CorrB(λi)+ CorrC(λi))/2 …(20)
なお、式(16)におけるInputAは、第1の外部基準板16aから期待される反射率であり、操作パネル54からの入力値である。同様にして、式(17)におけるInputB及び式(18)におけるInputCは、第2の外部基準板16b1,16b2及び第3の外部基準板16c1,16c2から期待される反射率であり、操作パネル54からの入力値である。
【0065】
また、図4において説明したように、第1の外部基準板16aと第2の外部基準板16b1,16b2の高さの差は一定,例えば、200μmとなっている。そのため、高さの差が200μm以下,例えば、100μmに対する補正係数として、CorrB’(λi)は、式(19)に示すように、補正係数CorrA(λi)と補正係数 CorrB(λi)の平均値から求めている。同様にして、CorrC’(λi)は、式(20)に示すように、補正係数CorrB(λi)と補正係数 CorrC(λi)の平均値から求めている。
これらの補正係数CorrA(λi),CorrB(λi),CorrC(λi),CorrB’(λi),CorrC’(λi)は、図1に示した補正係数テーブル43に記憶される。
【0066】
次に、未知濃度の試験紙について反射率の測定を行った場合における上述した補正係数CorrA(λi),CorrB(λi),CorrC(λi),CorrB’(λi),CorrC’(λi)を用いた補正方法について説明する。
【0067】
測定項目が例えば10種類ある場合、実際の測定に先立って、各測定項目毎に、適用する補正係数を、補正係数テーブル43から選択して、操作パネル54から入力する。この補正係数の選択は、試験紙10の上の試薬パッド12a,…,12jの状態に応じてなされる。即ち、試薬の種類に応じて、試薬パッド12a,…,12jの高さが僅かずつ相違している。従って、最も高さが低いものに対しては、補正係数CorrA(λi)が適用され、この試薬よりも高さが100μm高い試薬については、補正係数CorrB’(λi)が適用される。
【0068】
ここで、図8を用いて、本実施形態による補正係数の選択状況について説明する。
図8は、本発明の一実施形態による反射率測定装置における補正係数の選択状況の説明図であり、操作パネル54への表示状態を示している。
【0069】
図8に示すように、測定項目毎の試薬の状態に応じて、操作パネル54から補正係数を選択して、入力する。図示する例では、例えば、潜血(RBC)に対しては、補正係数CorrC(λi)を選択している。同様にして、白血球(WBC)に対しては、補正係数CorrC(λi)を選択し、タンパク質(PRO)に対しては、補正係数CorrA(λi)を選択し、ビリルビン(BIL)に対しては、補正係数CorrB(λi)を選択し、ウロビリノーゲン(UBG)に対しては、補正係数CorrB’(λi)を選択し、ケトン体(KET)に対しては、補正係数CorrA(λi)を選択し、ペーハー(pH)に対しては、補正係数CorrC’(λi)を選択し、亜硝酸塩(NIT)に対しては、補正係数CorrB(λi)を選択し、ブドウ糖(GLU)に対しては、補正係数CorrB(λi)を選択し、補正用のパッド(COM)に対しては、補正係数CorrA(λi)を選択している。
【0070】
なお、本実施形態においては、基準となる高さに対する補正係数だけでなく、この基準よりも、例えば、100μm、200μm、300μm、400μm高い試薬に対する補正係数を備えているため、試薬のロット差により、試薬の高さが変化した場合でも、最適な補正係数を選択することができる。また、新しい測定項目が追加され、この測定項目に応じた試薬が用いられる場合でも、試薬の高さの応じて、最適な補正係数を選択することができる。
【0071】
次に、本実施形態による反射率測定装置の動作について説明する。
図2に示したように、搬送台64の上に試験紙10Aがセットされると、試験紙10Aの上にピペット等を用いてサンプル(測定検体)が滴下される。試験紙10Aの上に10種類の測定項目に対応した10種類の試薬パッド12a,…,12jが保持されている場合、同一のサンプルが、10個の試薬パッド12a,…,12jにそれぞれ滴下される。試験紙10Aは、図示しない搬送機構により、搬送台64の上を、矢印B1方向に搬送される。所定の反応時間(例えば、1分)が経過すると、試験紙10Aは、測定窓72の下に位置づけられる。
【0072】
次に、図3に示したように、測光ユニット72の中の測光ヘッドが矢印C方向に、測光窓72の上を走査して、各試薬パッド12a,…,12jの反射強度Itf.meas.を測定する。このとき、各試薬パッド12a,…,12jの発射強度の測定に用いられる波長は、3種類の波長の内、各測定項目毎に予め設定している1波長である。また、同時に、内部反射基準板14aの反射強度Iref.meas. とLED消灯時の反射強度Ioff を測定する。
【0073】
次に、濃度算出部40の反射率変換部41は、各試薬パッドのオフセット補正後の反射強度Itfを、
Itf=Itf.meas.―Ioff
として算出する。また、内部反射基準板のオフセット補正後の反射強度Iref(λi)を、
Iref(λi)=Iref.meas.―Ioff
として算出する。内部反射基準板のオフセット補正後の反射強度Iref(λi)は、反射率テーブル42に記憶される。
【0074】
さらに、濃度算出部40の反射率変換部41は、各試薬パッドの絶対反射率Rtfを、
Rtf=(Itf /Iref(λi))×(選択された補正係数)
として算出する。ここで、(選択された補正係数)とは、図8に示したように、各測定項目毎に、操作パネルから選択された補正係数CorrA(λi),CorrB(λi),CorrC(λi),CorrB’(λi),CorrC’(λi)のいずれかであり、これらは、補正係数テーブル43に記憶されている。
次に、濃度算出部40の最終濃度算出部45は、絶対反射率Rtfから濃度換算テーブル44を用いて、濃度値に変換し、最終出力値とする。
【0075】
なお、上述した光度計チェックとは別に、このルーチン測定中に内部反射板14aの汚れチェックをモニターする。光度計チェック実行時に初期化された日から5日間の内部反射基準板14aの平均値算出を継続する。5日間測定したらその平均値RX1を初期カウント値として記録する。その後も内部反射基準板14aのカウント値の平均値算出を各チェック日から手前5日間で行うようにする。この平均値をRX2を最終カウント値として記録する。このとき、RX2―RX1の差が一定以上になった場合、清掃あるいは交換を促すアラーム、メッセージを出力する。
【0076】
次に、図9を用いて、本実施形態による反射率測定装置に用いる外部基準板16Aの第2の構成について説明する。
図9は、本発明の一実施形態による反射率測定装置に用いる外部基準板の第2の構成を示す斜視図である。
【0077】
外部基準板16Aの上には、第1の外部基準板16d1,16d2,16d3,16d4と、第2の外部基準板16e1,16e2,16e3と、第3の外部基準板16f1,16f2,16f3が保持されている。外部基準板16d1,16d2,16d3,16d4,16e1,16e2,16e3,16f1,16f2,16f3は、例えばプラスチック製の反射板であり、その高さh1は全て等しく、基板14の上に保持されている内部反射基準板14aの高さh1と等しいものである。
【0078】
また、第2の外部基準板16e1,16e2,16e3の反射率R1は、基板14の上に保持されている内部反射基準板14aの反射率R1(=60%)と等しいものである。一方、第1の外部基準板16d1,16d2,16d3,16d4の反射率R2は、基板14の上に保持されている内部反射基準板14aの反射率R1(=60%)よりも大きい反射率であり、例えば、62%としている。そして、第3の外部基準板16f1,16f2,16f3の反射率R3は、基板14の上に保持されている内部反射基準板14aの反射率R1(=60%)よりも小さい反射率であり、例えば、58%としている。
【0079】
即ち、第1の外部基準板16d1,16d2,16d3,16d4と、第2の外部基準板16e1,16e2,16e3と、第3の外部基準板16f1,16f2,16f3とは、高さが同じであるが、反射率がそれぞれ異なるため、測光ヘッドから見た反射率が異なるものである。
【0080】
このように、本実施形態においては、外部基準板として、高さが同じであるが、反射板自体の反射率の異なる3種類の外部基準を備えることにより、測光ヘッドから見た反射率が異なる3種類の外部基準を備えるものである。そして、内部基準板14aを基準として、この反射率と等しいもの、この反射率より小さいもの、この反射率より大きいものの3種類の外部基準板16d,16e,16fを用いている。このようにしても、図4に示した外部基準板16と同様に、補正係数を求めることができる。
【0081】
以上説明したように、本実施形態によれば、外部反射基準板を使って、測光ヘッドと搬送台の位置関係をチェックでき、また、調整機構で微調整ができるため、正確で、より安定な反射率の測定を行うことができる。
また、外部反射基準板と内部基準板の関係、内部基準板と被測定体との関係の2段階を経ることでより、正確な反射率の測定を行うことができる。
さらに、外部反射基準板の反射率を多段階にすることで、補正係数を設定でき、被測定体である試験紙の微妙な高さや状態を補正できる。
また、さらに、試薬の改良,試薬のロット変更,試薬の配置変更,新測定項目追加時にも、補正係数を変更することで対応が可能である。
また、光度計チェックを実行することにより、反射率を正確に出しているかの検証が簡便に行なえる。
また、簡便な操作で同時に水平度,再現性,正確性,ドリフト,感度の良否判定が行え、組み立て・調整時,据付時,サービス時,ユーザーメンテ時に判断や対処が容易になるものである。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、測光ヘッドと試験紙との間の距離のばらつきを回避して、測定精度を向上することができる。
【0083】
また、基準板の汚れ,変性を回避できるとともに、測定の度毎に、毎回光源ドリフトの補正を行え、測定精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による反射率測定装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による反射率測定装置の内部構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態による反射率測定装置の内部構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態による反射率測定装置に用いる外部基準板の第1の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態による反射率測定装置による装置の性能評価処理の内容を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態による反射率測定装置における光度計チェック時の操作パネルの表示例の説明図である。
【図7】ドリフトの説明図である。
【図8】本発明の一実施形態による反射率測定装置における補正係数の選択状況の説明図である。
【図9】本発明の一実施形態による反射率測定装置に用いる外部基準板の第2の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
10…試験紙
12…試薬パッド
14a…内部反射基準板
16…外部基準板
20…測光ヘッド
24…LED
26…光検出器
30…A/D変換器
40…濃度算出部
41…反射率変換部
42…反射率テーブル
43…補正係数テーブル
44…濃度換算テーブル
45…最終濃度算出部
54…操作パネル
60…ベース
62…搬送台ベース
64…搬送台
72…測光窓
74…測光ユニット
82…支柱
84…調整ネジ

Claims (2)

  1. 光源と受光部を有する測光ヘッドを有し、光源からの光を被測定体に照射して、被測定体の反射光を上記受光部により受光して反射強度を求めるとともに、基準反射板からの反射強度との関係に基づいて、被測定体の絶対反射率を求める反射率測定装置において、
    上記基準板からの反射強度を測定し、この測定結果に基づいて、上記被測定体を保持する台と上記測光ヘッドの間の距離を調整する距離調整手段とを備え、
    さらに、上記測光ヘッドは、複数の被測定体の上を走査可能であり、
    上記基準反射板は、上記測光ヘッドから見た反射率が等しく、かつ、上記測光ヘッドの走査方向に離されて配置された複数の基準反射板から構成され、
    上記算出部は、これらの複数の基準反射板からの反射強度に基づいて、上記測光ヘッドの水平度を判断するとともに、
    上記算出部による水平度の判断結果に基づいて、上記測光ヘッドの水平度を調節可能としたことを特徴とする反射率測定装置。
  2. 請求項1記載の反射率測定装置において、
    上記基準反射板からの反射強度を測定し、この測定結果に基づいて、上記被測定体を保持する台と上記測光ヘッドの間の距離を調整する距離調整手段とを備え、
    さらに、上記基準反射板は、同じ反射率を有し、高さの異なる複数の外部基準板から構成され、
    上記複数の外部基準反射板に対する反射強度の差に基づいて、感度異常を判断する算出部を備えたことを特徴とする反射率測定装置。
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