JP3694502B2 - 耐火物の物性検査方法とその装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、耐火物の超音波測定による物理的性質を推定し物性検査を行う方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
工場で製造された耐火物製品は、通常、最終検査として寸法や外観の検査に加え、物性検査によって出荷の合否判定を行っている。
【0003】
物性検査は、製造ロット単位あるいは製品単体で、比重、気孔率、弾性率、熱伝導率、圧縮強度、曲げ強度あるいは熱間曲げ強度等の中から1つまたは複数の物理的性質を測定し、それらが、あらかじめ設定した基準値を満たしているかどうかを判定する検査である。
【0004】
これらの測定は、製品から試験サンプルを所定の形状に切り出し、必要があればサンプルの研磨を行った上で、それぞれの測定機器を使用して測定を行わなければならず、このため試験のためのコストがかかり、さらに、この試験は、数日間要するため、製品の出荷まで時間を要する問題がある。
【0005】
一方、製品の出荷前に実施する検査の一つとして超音波で材料中の亀裂等の欠陥を検出する検査が一般的に実施されている。超音波による検査は、製品から測定サンプルを切り出すことがなく、しかも測定と同時に合否を決定することができるので、低コストかつ短時間で行えるメリットがある。しかしながら、この検査は製品の亀裂等の欠陥を検出するのみであり、製品の物理的性質を測定することはできなない。このため従来の超音波による検査は出荷前の検査項目の1つを検査するに過ぎなかった。
【0006】
そこで、より簡便な方法として、例えば特許文献1には、非均質材料であるコンクリート構造物の圧縮強度を超音波の伝播速度によって推定することが開示されている。これは、あらかじめ、コンクリートの品質管理用の試験体を用いて、試験体中の超音波の伝播速度と試験体の圧縮強度との相関関係を予め求めておき、この相関関係に基づいて実際のコンクリート構造物で測定した音速の伝播速度から、その構造物の圧縮強度を推定する品質管理方法である。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−116731号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような超音波測定によるコンクリートや耐火物等のような非均質材料の物性値の推定は、再現性、相関の精度等に問題があり、物理的性質を推定し物性検査を行う手段としては補助的にしか用いられていないのが現状である。
【0009】
とくに、製鋼用耐火物のように過酷な状況で使用され、高度に安定した性能が要求される耐火物に対しては、物性検査においても十分な再現性と精度が必要とされ、検査項目も多岐に渡り、従来のように、圧縮強度のみを検査するための音速のみを適用しても全項目をカバーすることはできない。
【0010】
耐火物の検査における再現性は、材料中の骨材とマトリックスの分布の違いのような材料の局所的な非均質性に依存していると考えられる。
【0011】
また、音速の伝播と圧縮強度の物理的性質との相関関係が正確には一定しない要因は、材料中を伝播する音速の変化がそもそも何によって決まっているかを考察すれば、音速のみの単一パラメーターで物理的性質を正確に検知し品質を推定することは不可能であることが理解される。例えば、金属材料、或いは単結晶等の均質材料では、音速は材料の弾性率、ポアソン比、比重と一義的な関係で表すことができるのに対して、コンクリート、耐火物等に代表される非均質材料の場合は、材料中の組織の分布、粗密さの違い、構成粒子間の結合度合等の様々の因子によって、材質中を伝播する音速と、物理的性質との間は一義的な相関関係はない。
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、超音波測定による耐火物の物理的性質を推定し物性検査を行うに当たって、迅速性を維持しつつ、その推定精度を向上し、検査の再現性を得ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
超音波測定においては、受信波形から得られるデータは音速のみではなく経路中のあらゆる点の物理特性が含まれているため、理論的な定式化により十分な解析を行うことが出来れば材料の物理特性を推定することが可能ではないかと考えられる。
【0014】
そこで本発明は、超音波測定によって得られる振幅、音速または周波数のうち複数のパラメータを選び出し、これらのパラメータそのもの、または、パラメータを演算処理した値を入力データとして物理特性を推定できることに着目した。
【0015】
そして、入力すべき実験式としては、試験サンプルの物理的性質の測定結果を教師データとして実験式を構築した。実験式の構築にあたっては、階層型ニューラルネットワークを適用することで、連続関数からなるより高精度な実験式を構築した。
【0016】
すなわち、本発明の耐火物の物性検査方法は、あらかじめ耐火物の試験サンプルの超音波測定を成形方向に平行及び垂直な方向について行い、測定によって得られた振幅、音速または周波数のうち複数のパラメータを選び出し、これらのパラメータ及び/またはパラメータを演算処理した値を入力データとし、同じサンプルの物理的性質として比重、気孔率、圧縮強度、曲げ強度及び熱間曲げ強度の測定結果を教師データとし、これらの入力データと教師データとを使って階層型ニューラルネットワークで学習を行うことでそれぞれの物理的性質に関する実験式を作成し、この実験式に検査対象となる耐火物の成形方向に平行及び垂直な方向についての超音波測定結果を入力して物理的性質として比重、気孔率、圧縮強度、曲げ強度及び熱間曲げ強度を推定することを特徴とする。
【0017】
本発明によって、比重、気孔率、圧縮強度、曲げ強度、熱間曲げ強度等の物理的性質を実際に測定することなく、超音波測定によって耐火物の物理的性質を精度良く推定することができる。これによって、簡便に耐火物の合否を判定する物性検査とすることができる。
【0018】
本発明で言う超音波測定とは、パルス法に分類される音速測定法の中で透過法或いは、パルスエコー法を採用し、送信側探触子から発信された超音波が試料中を伝搬して受信側探触子に到達した際の受信波形を超音波が発信された時点から到達後の適当な時点迄の時間範囲で測定することを意味する。
【0019】
【発明の実施の形態】
具体的には、例えば図1に示すブロックダイアグラムの形態を採用できる。同図において、供試試料1の表面に当接した発信側探触子2から超音波を発信し、供試試料を透過する超音波を、供試試料の反対側の表面に当接した受信側探触子3で受信する方法を採用できる。超音波測定器4としては、一般に市販されている適当な超音波探傷装置などを使用することができる。また、測定に際しては、材料の組織分布のバラツキの影響を出来るだけ小さくするために複数箇所について測定を行うことがより好ましい。
【0020】
図2は、この超音波測定によって得られる発信した超音波の到達時間に対する振幅で示される受信波形を示す。この図2に示す受信波形と、図1に示す発信側探触子2と受信側探触子3とのそれぞれの当接面間の距離、すなわち探触子間距離とから、例えば以下のような情報が得られる。
【0021】
(1)振幅: 例えば正弦波形の凸部と凹部の振幅を算出することによって着目する波形ピーク位置の振幅を得る。
【0022】
(2)音速: 例えば波形の立ち上がり部位、あるいはピーク部位等の着目する部位を複数選んで対応する到達時間より音速を導出する。
【0023】
(3)周波数: 高速フーリエ変換により受信波形を周波数スペクトルに変換して最頻周波数、或いは適当な累積割合に対応する周波数を導出する。
【0024】
(4)減衰比: 直接波と反射波の振幅の変化より減衰比を導出する。
【0025】
一般に、材料の組織を構成する原料の種類、組織の疎密、構成粒子、原料間の結合強度、或いは非均質性の程度、更に構成粒子、原料内部におけるよりスケールの小さい同様の性質は、微少領域における均一組織内の音速、組織界面の音速、周波数によって異なる散乱、内部摩擦による減哀等、超音波の伝播状態に多大な影響を及ぼす。
【0026】
一方で材料の組織の状態は、超音波に関する性質以外にもその他の様々な物理的性質に影響を与える。従って、材料の組織の状態を代弁する振幅、音速、周波数等の超音波に関する情報を材料のその他の物理的性質を推定するためのパラメータとして選ぶことにした。
【0027】
このパラメータそのものから物理的性質を推定することができるが、この選択したパラメータを元データとして適当な演算処理を行うことによって、より明確な推定が得られる。実務的には、各パラメータは超音波測定n数について平均処理すると良い。
【0028】
本発明を実施するに際して、受信波形以外のパラメータが必要になる場合もある。例えば、材質、原料の割合、原料の粒度、成形の方向、成形圧あるいは焼成温度等の製造履歴に関するデータをパラメータとして使用することも可能である。このように、使用する原料に関する情報や、製造条件に関する情報もパラメータとして入力することで、より広範囲な種類の材料に関して一つの実験式で物理的性質を推定することが可能になる。また、振幅、音速または周波数に加えて、減衰比などの受信波形から得られる他のデータ−をパラメータとして追加することも可能である。
次に選別したパラメータを適当に規格化して入力データとし、対応する物理的性質の測定値を同様に規格化して教師データとして、3層或いは、より多層の階層型ニューラルネットワークを用いて適当に収束する回数だけ学習を行う。
【0029】
ここで云う規格化は、階層型ニューラルネットワークの学習速度を最適にするために行うものである。通常の階層型ニューラルネットワークの場合、出力層の値は0〜1の範囲に限られる。したがって、教師データは、その範囲内に規格化する必要がある。入力値については、シナプス荷重値の初期値が十分小さい場合は、原理的には限定されないが、学習を効率的に行わせるためには、0〜1の範囲に規格化した方が良い。精度が要求される場合には、0.1〜0.9の範囲に規格化するのが良い。例えば、各パラメータ及び物理的性質の測定値は、例えば下記の計算式で0.1〜0.9の範囲に1次変換して規格化を行う。
【0030】
X=(X−Xmin)/(Xmax−Xmin)×0.8+0.1 式1
ここで云うニューラルネットワークとは階層型前向きネットワークのことを指し、複数の入力データからなる入力層、複数のニューロンからなる中間層、及び出力層によって構成される。
【0031】
本発明においては、一連の入力データに対して複数項目の物理的性質を推定するものであるので出力層のニューロンの個数は、物理的性質の数だけ設定することも出来るし、各物理的性質に対して個別のネットワークを組む場合は、1個となる。
【0032】
隣接する層間の入力データ、或いはニューロンは、網目状に接続されニューロンの特性関数であるシグモイド関数によって関連付けられる。
【0033】
図3は、3層階層型ニューラルネットワークの例を示す。図3も含めて、各符号と関数は以下のことを意味する。
【0034】
f(x)=1/(1+exp(−x)) シグモイド関数
Xi 入力層のi番目の入力データ
Yj=f(Σi(Aij・Xi)−Pj) 中間層のj番目のニューロン
Zk=f(Σj(Bjk・Yj)−Qk) 出力層のk番目のニューロン
Dk k番目の教師データ
Aij、Bjk シナプス荷重値
Pj、Qk バイアス値
ここで言う実験式とは、学習済みのニューラルネットワークのことで、あらかじめの学習により上記に示したシナプス荷重値とバイアス値を算出した状態のニューラルネットワークのことである。
【0035】
学習とは、出力値と教師データの誤差を最小化するためのシナプス荷重値とバイアス値の修正のことを指し、1回の修正が1回の学習に対応する。
【0036】
Ek=1/2・(Zk−Dk)^2 k番目の出力値と教師データの誤差
学習は、以下の誤差伝搬学習法によって行われる。
【0037】
上記関数において、nとα、βはそれぞれ、入力データと教師データの組の数と、学習定数、正定数を指す。
【0038】
以上の過程で実験式の構築は一応完了であるが、物性検査方法として運用するに際して前もって、通常の物理的性質の測定と並行して品質の推定を行い精度が不十分な場合には、新規のデータについて更に学習を行い、十分な精度と再現性が確認出来た時点で単独での運用を開始する。
【0039】
この実験式に、検査対象となる耐火物等の超音波測定を行い、実験式作成時に使用した入力データと同じ項目の入力データを入力することで、物理的性質を推定することができる。
【0040】
構築された実験式を使用すれば、基本的には配合割合と製造履歴がほぼ同じ物であればかなり精度良く物理的性質を推定することができる。さらに、入力データとして配合割合や焼成条件などの製造履歴に関するパラメータを使用すれば、同材質系であれば一つの実験式の適用範囲を広くすることができる。ここで同材質系とは、マグネシアカーボンれんが、不焼成アルミナカーボンれんが、焼成アルミナカーボンれんが、珪石れんが、高アルミナれんがまたはジルコニアれんが等の範疇である。
【0041】
実際の物性検査として利用する場合には、図1に示すブロックダイアグラムにおいて、実験式をプログラミングしたパソコン5と、このパソコン5へ測定結果を送信可能な超音波探傷器4と、このパソコン5へ測定結果を送信可能な長さ測定器6(ノギス)とからなる非均質材料の物性検査装置を使用することができる。
超音波測定器4の制御、データ取り込み等の作業は、パーソナル・コンピュータで行うと、能率良くかつミスも少ない。また、探触子2,3間の距離測定についても出力端子をもつノギスなどの長さ測定器をリンクさせて一括して取り込むことができる。
【0042】
以降の過程も同じパーソナル・コンピュータで行える様なシステム構成にしておくとデータの入出力の手間が簡略化され、高効率な物性検査システムとなる。
【0043】
【実施例】
本実施例では、非均質材料としてマグカーボンれんがについて、超音波測定と物性測定を行い、その測定値をニューラルネットワークに入力することで実験式を作った。マグカーボンれんがは200個準備し、うち180個はニューラルネットワークによる実験式作成用の試験サンプルとし、残り20個はこの実験式の検証用とした。このマグカーボンれんがは、一般に転炉や取鍋等で使用されている一般的な不焼成れんがである。ただし、原料粒度構成や金属粉等の微量添加剤の種類はやや異なっているものである。
【0044】
まず最初に、マグカーボンれんがの超音波測定を行った。このマグネシアカーボンれんがは、鱗状黒鉛が成形方向と直角に配向しているため、超音波測定は、成形方向に平行、及び垂直な方向について各々3箇所について行った。この後、超音波測定の終わったサンプルは、所定のサンプル形状に切削し、見掛け比重、かさ比重、見掛け気孔率、常温圧縮強度、及び熱間曲げ強さについて各々n=2測定し平均値を使用した。
【0045】
表1
超音波測定の結果得られた受信波形から、測定方向別に最頻周波数、到達波凸部音速、同振幅、到達波凹部音速、及び同振幅を読み取った。そしてこれらのパラメータ、及びこれらのパラメータを演算処理したパラメータを下記のように入力データとした。その値は表1に示す。
【0046】
そのパラメータの内訳は、以下の通りである。
【0047】
(1)平行方向最頻周波数、(2)平行方向到達波凸部音速と凹部音速の平均値、(3)平行方向到達波凸部振幅/凹部振幅の絶対値、(4)垂直方向最頻周波数、(5)垂直方向到達波凸部音速と凹部音速の平均値、(6)垂直方向到達波凸部振幅/凹部振幅の絶対値、(7)平行方向最頻周波数/垂直方向最頻周波数、(8)垂直方向最頻周波数/平行方向最頻周波数、(9)垂直方向到達波凸部音速と凹部音速の平均値/平行方向到達波凸部音速と凹部音速の平均値、(10)平行方向到達波凸部音速と凹部音速の平均値/垂直方向到達波凸部音速と凹部音速の平均値である。
【0048】
それ以外のパラメータとして材質の違いによる偏差を修正するために、(11)黒鉛以外の原料の粒度5−1mmの含有割合、(12)黒鉛以外の原料の粒度1−0.5mmの含有割合、(13)黒鉛以外の原料の粒度0.5−0mmの含有割合、(14)黒鉛の含有割合、及び(15)0.1mm以上の粒度の黒鉛の含有割合の計5項目を製造履歴に関するパラメータそして入力データに使用した。
従って、入力データは、超音波に関するもの10項目、製造履歴に関するもの5項目の計15項目とした。
【0049】
各パラメータは、0.1〜0.9の範囲に1次変換して規格化を行い人力データとし、物理的性質測定値は、同様に0.1〜0.9の範囲に1次変換して規格化を行い、教師データとした。
【0050】
入力データと教師データの180組について、18−4−1の階層型二ューラルネットワークで各々5000回学習を行った。この一連の計算は、あらかじめパソコンにプログラミングした18−4−1の階層型ニューラルネットワークで行った。この結果、実験式は見掛け比重、かさ比重、見掛け気孔率、常温圧縮強度、及び熱間曲げ強さの5つ得られた。そしてこれらの実験式で推定された各々180組の出力値(物理的性質の推定値)と教師データ(実測値)との差は、±003(±3.8%)以内に収まった。
【0051】
図4に出力値と教師データの関係を示す。図5は図4に示すデータを、式1から逆算して測定値の単位に変換したデータを示す。
【0052】
さらに、実験式の検証データとして残した20個のマグカーボンれんがについて、実験式作成時と同じ15項目のパラメータを入力データとして実験式に入力した結果、推定値と実測値との差は、±0.04(±5%)以内であった。
【0053】
以後、物理的性質の測定件数20件毎に出力値と実測値との比較を行い、計300件について学習を繰り返した結果、推定値と実測値との差は、±0.02(±2.5%)以内となり、実験式の精度が向上した。
【0054】
【発明の効果】
本発明によって以下の効果を奏する。
【0055】
(1) 耐火物を超音波測定するだけで、物理的性質を高精度で推定することができる。
【0056】
(2) 従来の物理的性質の測定が不要となるため、製造コストが低減し、かつ製造リードタイムが短縮する。
【0057】
(3) 非破壊検査であるため、検査数を増やすことができ、検査の精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施するための装置例を示す。
【図2】 超音波測定によって得られる発信した超音波の到達時間に対する振幅で示される受信波形の例を示す。
【図3】 階層型ニューラルネットワークの模式図を示す。
【図4】 実施例における教師データ、及び推定用データの出力値を示す。
【図5】 図4を式1から逆算して測定値の単位に変換したデータを示す。
Claims (3)
- あらかじめ耐火物の試験サンプルの超音波測定を成形方向に平行及び垂直な方向について行い、測定によって得られる振幅、音速または周波数のうち複数のパラメータを選び出し、
これらのパラメータ及び/またはパラメータを演算処理した値を入力データとし、
同じサンプルの物理的性質として比重、気孔率、圧縮強度、曲げ強度及び熱間曲げ強度の測定結果を教師データとし、
これらの入力データと教師データとを使って階層型ニューラルネットワークで学習を行うことでそれぞれの物理的性質に関する実験式を作成し、
この実験式に検査対象となる耐火物の成形方向に平行及び垂直な方向についての超音波測定結果を入力して物理的性質として比重、気孔率、圧縮強度、曲げ強度及び熱間曲げ強度を推定することを特徴とする耐火物の物性検査方法。 - 超音波測定によるパラメータに加え耐火物の製造履歴として原料割合に関するパラメータも入力データとして使用することを特徴とする請求項1に記載の耐火物の物性検査方法。
- 請求項1の実験式をプログラミングしたパソコンと、このパソコンヘ測定結果を送信可能な超音波探傷器と、このパソコンヘ測定結果を送信可能な長さ測定器とからなる耐火物の物性検査装置。
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